JP3176768U - 増締機構を備えた締結具及び把持装置 - Google Patents

増締機構を備えた締結具及び把持装置 Download PDF

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Abstract

【課題】増締機構を備えた締結具及び把持装置を提供する。
【解決手段】把持装置の一態様であるチャックは、座部32及び2つの側壁部33,34からなる保持部材31と、第1及び第2楔部材36,37からなる二個一組の楔部材35と、第1楔部材36を移動させる駆動ねじ40とから構成された増締機構を備えており、駆動ねじ40を回転させて第1楔部材36を送りねじ20の軸線と直交する方向に沿って移動させる。これにより、一組の楔部材35の楔作用によって、第2楔部材37が送りねじ20の軸線に沿った方向に押圧され、この押圧力が把持力に付加されて、ワークが強力に把持される。
【選択図】図2

Description

本考案は、増締機構を備え、対象物をボルト及びナットによって締結する締結具、並びに、増締機構を備え、送りねじに螺合された複数の爪によって対象物を把持する把持装置に関する。
上記増締機構は、例えば、ボルト及びナットによって対象物を締結する締結具や、送りねじが螺合された爪によって対象物を把持するチャック、送りねじに螺合された可動体と台座に固定された固定体とで対象物を挟持するバイスなどに用いられ、ボルトや送りねじによって生じる推力を付加的に増大させることで、増大した締結力や把持力、挟持力などを発現させるものである。
例えば、このような増締機構を備えたバイスとして、従来、特開2006−057689号公報に開示されたものが提案されている。
このバイスは、台座の上面に突設された固定体と、この固定体と対向するように、台座の上面に進退自在に配設された可動体と、この可動体に螺合して当該可動体の進退操作を行う駆動軸と、出力軸を備えたサーボモータと、このサーボモータの出力軸と前記駆動軸との間に配設される増締装置とからなり、増締装置は、フライホイールが装着され、サーボモータの出力軸と前記駆動軸とを連結する連結軸と、この連結軸と前記サーボモータの出力軸との間に設けられた第1クラッチと、前記連結軸と前記駆動軸との間に設けられた第2クラッチとから構成されている。
このバイスによれば、まず、第1クラッチを接続状態にしてサーボモータの出力軸と連結軸とを連結するとともに、第2クラッチを接続状態にして連結軸と駆動軸とを連結する。これにより、出力軸の回転が連結軸を介して駆動軸に伝達される状態となる。そして、この状態でサーボモータを駆動して駆動軸を回転させ、可動体を所定の位置まで移動させて、固定体と可動体との間にワークを挟持させる。
ついで、第1クラッチの接続状態を維持したまま、第2クラッチを切断して、即ち、サーボモータの出力軸と連結軸との連結状態を維持したまま、連結軸と駆動軸との連結を解除して、出力軸の回転が連結軸にのみ伝達される状態にし、連結軸に装着されたフライホイールを所定の回転速度で回転させる。しかる後、第1クラッチを切断し、第2クラッチを接続して、即ち、サーボモータの出力軸と連結軸との連結を解除するとともに、連結軸と駆動軸とを連結し、連結軸に装着されたフライホイールの回転により駆動軸を回転させて可動体を増し締めし、増大した力でワークを挟持する。
このように、この従来のバイスによれば、可動体を所定の位置まで移動させる際には、サーボモータによって回転軸を高速回転させることで、素早く移動させることができ、可動体を増し締めする際には、フライホイールによって駆動軸を高トルクで回転させることで、確実に増し締めすることができる。
特開2006−057689号公報
ところが、上述した従来の増締装置は、その装置構成が大掛かりであり、ボルト及びナットから構成されるような比較的小型の締結具には、これを適用することができないという問題があった。また、旋盤の主軸に装着されるチャックなど、回転する装置に対しても適用することができないという問題がある。
上述した締結具やチャックの分野では、その使用環境によっては、より強力な締結力や把持力、挟持力が求められる場面が多々あるが、従来、このような締結具やチャックに適用し得る好適な増締装置の提案はなされていない。
本考案は、以上の実情に鑑みなされたものであって、増締機構を備えた締結具及び把持装置の提供を、その目的とする。
上記課題を解決するための本考案は、ボルト及びナットを備え、対象物に穿設された貫通穴に前記ボルトを挿通させるとともに、該ボルトのねじ部に前記ナットを螺合させることにより、該ボルト及びナットによって前記対象物を締結する締結具に係る。
そして、この締結具は、
表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記対象物と対向するように配置される保持部材と、
互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記対象物との間に配置される一組の楔部材と、
前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成される増締機構を備え、
更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成される。
以上の構成を備えた本考案に係る締結具によれば、まず、対象物の貫通穴、一組の楔部材の貫通穴、座部の貫通穴にボルトを挿通させ、この状態でボルトのねじ部にナットを螺合させた後、当該ボルト及びナットを締め付けることにより、これらボルト及びナットの締付力によって対象物を締結する。尚、前記各貫通穴にボルトを挿入する方向は、対象物の貫通穴からでも、座部の貫通穴からでも、いずれからでも良い。
斯くして、このようにしてボルト及びナットを締め付けると、前記一組の楔部材は、その前記一方面が相互に接するとともに、その前記他方面の一方が前記保持部材の座部に当接し、他方が前記対象物に当接した状態となり、前記保持部材は、その座部がボルト頭部又はナットに当接した状態となる。尚、前記一組の楔部材の一方面と他方面とは互いに交差するように形成されており、前記当接によって前記他方面はボルトの軸線と直交する状態となり、前記一方面はこれと所定の角度θだけ傾いた状態となる。
ついで、前記駆動ねじを回転させて、この駆動ねじに係合した前記一方の楔部材を、前記他方面と平行な方向、即ち、前記ボルトの軸線と直交する方向に移動させる。これにより、前記一組の楔部材の楔作用(前記一方面の作用)によって、前記他方の楔部材がボルトの軸線に沿った方向に押圧され、この押圧力が前記ボルト及びナットによる締付力に付加され、この結果、前記対象物は、このようにして増大された力によって、より強固に締結される。
このように、本考案に係る締結具によれば、ボルト及びナットによって対象物を締結した後、前記一方の楔部材をボルト軸線と直交する方向に移動させることで、その移動量に応じて発生する押圧力が前記ボルト及びナットによる締付力に付加され、このようにして増大された力によって、対象物をより強固に締結することができる。
また、本考案は、増締機構を備え、複数の爪によって対象物を把持するように構成された把持装置に係る。
そして、この把持装置は、
表面の所定点を中心として放射状に設けられた少なくとも2つの案内溝を有する本体と、
前記本体の案内溝にそれぞれ係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する少なくとも2つの把持爪と、
フランジ部を有するとともに、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
前記送りねじの外方端部と前記本体の外周面との間に配設される増締機構とを備えた把持装置であって、
前記増締機構は、
表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記本体の外周面に当接した状態で該本体に固定される保持部材と、
互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されている。
以上の構成を備えた本考案に係る把持装置によれば、まず、本体の所定点近傍に対象物を配置する。尚、この際、各把持爪は、それぞれ本体の外方寄りの後退位置に位置しているものとする。
ついで、前記送りねじを回転させて、この送りねじに雌ねじ部が螺合した各把持爪を、案内溝に沿って移動(前進)させ、各把持爪を対象物に当接させた後、送りねじを更に回転させて、各把持爪によって対象物を把持する。尚、この際、前記一組の楔部材は、その前記他方面の一方が前記保持部材の座部に当接し、他方が前記送りねじのフランジ部に当接した状態となっている。また、前記一組の楔部材の一方面と他方面とは互いに交差するように形成されており、前記他方面は、送りねじの軸線と直交した状態であり、前記一方面は、これと所定の角度θだけ傾いた状態となっている。
しかる後、駆動ねじを回転させて、この駆動ねじに係合した前記一方の楔部材を、前記他方面と平行な方向、即ち、前記送りねじの軸線と直交する方向に移動させる。
これにより、前記一組の楔部材の楔作用によって、他方の楔部材が、送りねじの軸線に沿った方向に押圧され、当該他方の楔部材によって、前記フランジ部が同方向に押圧されることにより、この押圧力が、把持爪が対象物を把持する力に付加される。この結果、対象物は、このようにして増大された力によって、強力に把持される。
また、上記把持装置は、
基台と、該基台の表面に、所定点を中心として放射状に固設された少なくとも2つの爪組立体とを備えた把持装置であって、
前記爪組立体は、
前記放射方向に沿って形成された案内溝を有し、該案内溝が少なくとも外方側の端面に開口するように設けられた略矩形状のハウジングと、
前記ハウジングの案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する把持爪と、
フランジ部を有し、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
前記送りねじの外方端部と前記ハウジングの外方側端面との間に配設される増締機構とからなり、
前記増締機構は、
表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記ハウジングの外方側端面に連結するように固設される、又は前記ハウジングの外方側端面に連結するように該ハウジングと一体に設けられる保持部材と、
互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていても良い。
この把持装置においても、同様に、まず、基台の所定点近傍に対象物を配置する。ついで、前記送りねじを回転させて、前記各爪組立体の把持爪を案内溝に沿って前進させ、各把持爪を対象物に当接させた後、送りねじを更に回転させて、各把持爪によって対象物を把持する。
しかる後、駆動ねじを回転させて、前記一方の楔部材を、前記他方面と平行な方向に移動させることで、前記一組の楔部材の楔作用によって、他方の楔部材が、送りねじの軸線に沿った方向に押圧されるとともに、当該他方の楔部材によって、前記フランジ部が同方向に押圧される。これにより、この押圧力が把持力に付加され、このようにして増大された力によって、対象物が強力に把持される。
更に、上記把持装置は、
表面に設けられた少なくとも1つの案内溝を有する本体と、
前記本体の表面に、固定又は移動自在に設けられた少なくとも1つの把持体と、
前記本体の案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する少なくとも1つの把持爪と、
フランジ部を有するとともに、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
前記送りねじの外方端部と前記本体の外周面との間に配設される増締機構とを備えた把持装置であって、
前記案内溝の配設方向及び前記把持体の移動方向は、前記本体の表面の所定点を中心として放射状に設定されており、
前記増締装置は、
表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記本体の外周面に当接した状態で該本体に固定される保持部材と、
互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、 前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていても良い。
この把持装置によれば、まず、本体の所定点近傍に対象物を配置する。尚、この際、前記把持爪は、本体の外方よりの後退位置に位置させておき、前記把持体が移動自在である場合には、当該把持体も本体の外方よりの後退位置に位置させておく。
ついで、前記送りねじを回転させ、この送りねじに雌ねじ部が螺合した把持爪を案内溝に沿って移動させ、把持爪を対象物に当接させ、また、前記把持体が移動自在である場合には、把持体も移動させて、当該把持体を対象物に当接させた後、前記送りねじを更に回転させて、把持爪と把持体とによって対象物を把持する。
しかる後、駆動ねじを回転させて、この駆動ねじに係合した前記一方の楔部材を、前記他方面と平行な方向に移動させることで、前記一組の楔部材の楔作用によって、他方の楔部材が、送りねじの軸線に沿った方向に押圧されるとともに、当該他方の楔部材によって、フランジ部が同方向に押圧される。これにより、この押圧力が把持力に付加され、増大された力によって対象物が強力に把持される。
また、上記把持装置は、
基台と、該基台の表面に固定された少なくとも1つの爪組立体と、前記基台の表面に固定又は移動自在に設けられた少なくとも1つの把持体とを備えた把持装置であって、
前記爪組立体は、
案内溝を有し、該案内溝が少なくとも外方側の端面に開口するように設けられた略矩形状のハウジングと、
前記ハウジングの案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する把持爪と、
フランジ部を有し、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
前記送りねじの外方端部と前記ハウジングの外方側端面との間に配設される増締機構とからなり、
前記案内溝の配設方向及び前記把持体の移動方向は、前記基台の表面の所定点を中心として放射状に設定されており、
前記増締機構は、
表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記ハウジングの外方側端面に連結するように固設される、又は前記ハウジングの外方側端面に連結するように該ハウジングと一体に設けられる保持部材と、
互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていても良い。
この把持装置においても、同様に、基台の所定点近傍に対象物を配置する。ついで、前記送りねじを回転させて、前記爪組立体の把持爪を案内溝に沿って移動させ、当該把持爪を対象物に当接させる。また、この際、前記把持体が移動自在である場合には、当該把持体を移動させてこれを対象物に当接させる。その後、前記送りねじを更に回転させて、把持爪と把持体とによって対象物を把持する。
そして、駆動ねじを回転させ、一方の楔部材を他方面と平行な方向に移動させることで、一組の楔部材の楔作用により、送りねじの軸線に沿った方向の押圧力が把持力に付加され、対象物が強力に把持される。
このように、本考案に係る把持装置によれば、対象物を把持した後、前記一方の楔部材を移動させることで、その移動量に応じて発生する押圧力が把持力に付加され、このように増大された力によって、対象物を強力に把持することができる。
また、本考案に係る把持装置は、駆動ねじの回転量を調整し、一方の楔部材の移動量を調整することで、把持爪の進退方向への移動量を細かく調整することが可能であるため、例えば、送りねじを回転させて各把持爪を対象物に接近させた後、駆動ねじを回転させて各把持爪の進退位置を微調整して対象物の芯だしを行う作業にも用いることができる。
尚、上記締結具及び把持装置において、駆動ねじによって移動する楔部材に、この楔部材の貫通穴の軸線と交差し、且つこの楔部材の移動方向と平行な方向に突設された検出棒を設けても良い。このようにすれば、検出棒によって楔部材の移動量を視認することができ、この視認した楔部材の移動量によって、締結又は把持の度合いを確認することができる。
また、上記締結具におけるボルトの軸線に沿った押圧力の大きさ、及び上記把持装置における送りねじの軸線に沿った押圧力の大きさは、上述した角度θ及び一方の楔部材のボルト(把持装置においては送りねじ)の軸線と直交する方向への移動量に依存し、前記押圧力の大きさは、角度θが小さいほど大きく、角度θが大きいほど小さくなり、また、前記移動量が多いほど大きくなる。尚、前記角度θの値は、0°<θ≦30°であることが好ましく、より好ましい値は0°<θ≦15°、更に好ましい値は0°<θ≦6°である。
更に、前記駆動ねじが前記側壁部の貫通穴に保持される態様及び前記駆動ねじが前記一方の楔部材に係合する態様としては、駆動ねじが側壁部の貫通穴に螺合するとともに、駆動ねじの先端部が一方の楔部材に当接する態様や、軸方向への移動を制限された状態で、駆動ねじが側壁部の貫通穴に回転自在に保持されるとともに、駆動ねじの先端部が一方の楔部材に螺合する態様などを挙げることができる。
尚、本考案に係る把持装置には、チャック、バイスやその他のクランプ装置が含まれる。また、前記「放射状」とは、前記所定点を中心とした、文字通り放射方向に沿った状態の他、前記所定点を中心として、互いに正反対の2方向に沿った状態を含むものとする。
以上のように、本考案に係る締結具及び把持装置によれば、ボルト及びナットによる締付力並びに把持爪が対象物を把持する力に、一方の楔部材の移動量に応じて発生する押圧力を付加し、このように増大された力によって、対象物を強力に締結及び把持することができる。
本考案の一実施形態に係るチャックを示す正面図である。 本考案の一実施形態に係るチャックにおける増締機構を示す拡大図である。 図2における矢示A−A方向の断面図である。 (a)は二個一組の楔部材のうちの一方を示す正面図であり、(b)は(a)における矢示B方向から見た平面図である。 (a)は二個一組の楔部材のうちの他方を示す正面図であり、(b)は(a)における矢示C方向から見た平面図である。 本考案の一実施形態に係るチャックにおける増締機構の動作を説明するための説明図である。 本考案の一実施形態に係るチャックにおける増締機構の動作を説明するための説明図である。 本考案の一実施形態に係るチャックによってワークを把持した状態を示す正面図である。 本考案の一実施形態に係る締結具によって対象物を締結した状態を示す正面図である。 本考案の一実施形態に係る締結具によって対象物を締結した状態を示す正面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックを示す正面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックにおけるユニットを示す正面図である。 図12における矢示D−D方向の断面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックを示す正面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックを示す正面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックを示す正面図である。 本考案の他の実施形態に係るチャックを示す正面図である。
以下、本考案に係る把持装置及び締結具の具体的な態様につき、図面に基づいて説明する。
[チャック]
まず、本考案に係る把持装置について、チャックを例にとって図1〜図8を参照して説明する。
図1〜図5に示すように、本例のチャック1は、中心部にワークWが載置される円盤状の本体2と、この本体2の周方向に等間隔(本例では120°間隔)に設けられるとともに、本体の径方向に沿って進退自在に設けられ、前記中心部に載置されたワークWを把持する同一形状の3つの把持爪10と、本体2の径方向に沿って配設され、前記3つの把持爪10をそれぞれ進退させる3つの送りねじ20と、この3つの送りねじ20における各外方端部と本体2の外周側面との間にそれぞれ配設される増締機構30とから構成されている。
尚、前記径方向とは、本体2の中心から放射状に広がる方向を意味する。
前記本体2には、ワークWが載置される前端面部に、横断面形状が略逆T字形状をした3つの案内溝3が、前記径方向に沿い、且つ周方向に等間隔(本例では120°間隔)に形成されている。
前記3つの把持爪10は、進退方向に沿って形成されたねじ穴11を有し、また、それぞれ両側面には、前記案内溝3と係合する係合突部12が進退方向に沿って形成されている。斯くして、前記各把持爪10は、それぞれ案内溝3に案内されて前記径方向に沿って移動する。
前記送りねじ20は、フランジ部21を有し、前記案内溝3内にこれに沿って配設されており、当該送りねじ20に前記把持爪10に形成されたねじ穴11が螺合する。斯くして、送りねじ20を回転させることで、これに螺合した把持爪10が案内溝3に沿って前記径方向に進退する。
尚、前記送りねじ20の外方端部は六角に形成されており、適宜ハンドルやスパナなどを用いて当該送りねじ20をその軸中心に回転させることができる。
前記増締機構30は、板状の座部32及び当該座部32と直交する2つの側壁部33,34からなる保持部材31と、第1及び第2楔部材36,37からなる二個一組の楔部材35と、前記第1楔部材36を移動させる駆動ねじ40とから構成されている。
前記保持部材31は、その座部32に表裏を貫通する貫通穴32aが穿設されており、この貫通穴32aに前記送りねじ20が挿通された状態で、側壁部33,34の端部が前記本体2の外周側面に固設されている。尚、送りねじ20の外方端部には、当該送りねじ20が貫通穴32aから抜け出るのを防止するためのナット22が、座部32との間に隙間を空けた状態で螺合されており、当該ナット22と前記保持部材31の座部32との間には、カラー23が介装されている。
また、前記保持部材31における2つの側壁部33,34には、表裏に貫通する貫通穴33a,34aがそれぞれ穿設されており、一方の側壁部33の貫通穴33aには前記駆動ねじ40が挿通され、他方の側壁部34の貫通穴34aには後述する検出棒36cが挿通される。尚、貫通穴33aに挿通された駆動ねじ40は、止め蓋41によって軸方向への移動が制限された状態で、軸中心に回転自在に保持されている。
前記第1及び第2楔部材36,37は、図2、図4及び図5に示すように、平面視四角形状の部材であり、互いに交差する二面をそれぞれ有し、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行となるようになっている。更に、この第1及び第2楔部材36,37は、前記一方面から他方面に向けて貫通し、軸線が他方面と直交する貫通穴36a,37aが穿設されており、この貫通穴36a,37aに前記送りねじ20が挿通される。斯くして、第1及び第2楔部材36,37は、前記各一方面が前記送りねじ20の軸線と直交する方向に対して、所定の角度θだけ傾いた状態で、前記保持部材31の座部32と前記送りねじ20のフランジ部21との間に配設される。尚、第1楔部材36の前記他方面と前記保持部材31の座部32と間にはカラー24が介装されており、当該第1楔部材36の他方面は、このカラー24を介して前記座部32に当接し、第2楔部材37の前記他方面は、前記フランジ部21と当接した状態となっている。
前記第1楔部材36は、その貫通穴36aが長穴に形成されており、また、この長穴の長手方向と平行且つ軸線が貫通穴36aの軸線と直交するねじ穴36bが形成されるとともに、前記長手方向と平行な方向に検出棒36cが突設されており、ねじ穴36bに前記駆動ねじ40が螺合する。斯くして、駆動ねじ40を軸中心に回転させることで、第1楔部材36が前記長手方向、即ち、貫通穴36aに挿通された送りねじ20の軸線と直交する方向に沿って移動する。この際、検出棒36cは、前記保持部材31の側壁部34の貫通穴34a内を軸方向に移動する。尚、前記駆動ねじ40の頭部は六角に形成されており、適宜ハンドルやスパナなどを用いて軸中心に回転させることができる。
次に、以上の構成を備えたチャック1によって、ワークWを把持する態様について、図面を参照して説明する。
まず、図1に示すように、前記本体2の前端面部にワークWを載置する。尚、この際、前記各把持爪10は、ワークWを載置可能なように、径方向外寄りの適宜後退位置に位置させておくものとする。
ついで、前記各把持爪10のねじ穴11が螺合した送りねじ20をそれぞれ回転させて、把持爪10を本体2の中心側に向けて移動させ、各把持爪10をワークWに当接させた後、更に送りねじ20を回転させて、3つの把持爪10によってワークWを把持する(図6参照)。
しかる後、前記駆動ねじ40を回転させて、前記第1楔部材36を送りねじ20の軸線と直交する方向(前記第1及び第2楔部材36,37の他方面と平行な方向)に沿って移動させる。
これにより、前記一組の楔部材35の楔作用(一組の楔部材35の一方面の作用)によって、第2楔部材37が送りねじ20の軸線に沿った方向に押圧されるとともに、第2楔部材37によって、前記フランジ部21がこれと同方向に押圧され、この押圧力が、各把持爪10がワークWを把持する力に付加されるため、このようにして増大された力によりワークWが強力に把持される。(図7及び図8参照)。
尚、前記押圧力の大きさは、第1楔部材36の移動量(駆動ねじ40のねじ込み量)、及び前記角度θの値に依存し、移動量及び角度θの値を適宜調節することで、当該押圧力の大きさを調整することができる。因みに、角度θの値を一定とした場合には、前記移動量が多いほど押圧力は大きくなり、移動量を一定とした場合には、角度θの値が小さいほど押圧力は大きくなる。また、前記移動量は前記検出棒36cによって視認することができるため、検出棒36cによって視認した移動量を基に、前記押圧力の大きさを推定することができる。また、前記角度θの値は、0°<θ≦30°であることが好ましく、より好ましい値は0°<θ≦15°、更に好ましい値は0°<θ≦6°であり、本例においては、およそ6°に設定している。
斯くして、本例のチャック1によれば、送りねじ20を回転させて把持爪10によってワークWを把持した後、駆動ねじ40を回転させて第1楔部材36を移動させることで、この第1楔部材36の移動量に応じて発生する力を把持力に付加して、増大された力によってワークWを強力に把持することができる。
尚、ワークWをチャック1から取り外す際には、まず、各駆動ねじ40を逆回転させ、ついで、各送りねじ20を逆回転させて把持爪10を後退させる、つまり、ワークWから離反する方向に移動させる。これにより、把持爪10による把持が解除される。この後、ワークWを本体2上から取り外す。
尚、本例においては、把持装置について、チャックを例にとって説明したが、把持装置の他の態様としては、バイスやその他のクランプ装置を例示することができる。
[締結具]
次に、本考案に係る締結具の具体的な態様について図9及び図10を参照して説明する。尚、上記チャック1と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
図9に示すように、本例の締結具50は、2つの対象物T1、T2にそれぞれ穿設された貫通穴T1a、T2aに挿通されるボルト51、このボルト51に螺合されるナット52及びボルト51とナット52との間に配設される増締機構30から構成され、前記増締機構30は、座部32及びこの座部32と直交する2つの側壁部33,34とからなる保持部材31、第1及び第2楔部材36,37からなる二個一組の楔部材35並びに駆動ねじ40から構成されている。
この締結具50によれば、まず、対象物T2の貫通穴T2a、対象物T1の貫通穴T1a、第2楔部材37の貫通穴37a、第1楔部材36の貫通穴36a、保持部材31における座部32の貫通穴32aの順にボルト51を挿通させる。尚、ボルト51は、座部32の貫通穴32aから挿入するようにしても良い。
ついで、ボルト51のねじ部にナット52を螺合させ、しかる後、当該ボルト51及びナット52を締め付けることにより、これらのボルト51及びナット52の締付力によって2つの対象物T1、T2を締結する(図9参照)。尚、この際、前記第1及び第2楔部材36,37は、前記一方面同士を合わせ、他方面同士が平行となった状態でボルト51が挿通され、前記一方面は、ボルト51の軸線と直交する方向に対して所定の角度θだけ傾いた状態となる。また、前記第1楔部材36の他方面はカラーを介して前記保持部材31の座部32に当接し、前記第2楔部材37の他方面は前記対象物T1に当接し、前記保持部材31の座部32はカラーを介して前記ナット52に当接した状態となる。
しかる後、駆動ねじ40を回転させて、第1楔部材36をボルト51の軸線と直交する方向に移動させる。
これにより、前記一組の楔部材35の楔作用によって、前記第2楔部材37がボルト51の軸線に沿った方向に押圧され、この押圧力が前記ボルト51及びナット52による締付力に付加され、2つの対象物T1,T2は、強固に締結される(図10参照)。
尚、前記押圧力の大きさは、チャック1の場合と同様に、第1楔部材36の移動量及び前記角度θの値に依存するため、移動量及び角度θの値を適宜設定することで、当該押圧力の大きさを調整することができ、また、前記移動量は前記検出棒36cによって視認することができるため、検出棒36cによって視認した移動量を基に、押圧力の大きさを推定することができる。
斯くして、本例の締結具50によれば、ボルト51とナット52との間に増締機構30を配設した状態で2つの対象物T1、T2を締結した後、駆動ねじ40を回転させて第1楔部材36を移動させることで、この第1楔部材36の移動量に応じて発生する押圧力を、ボルト51及びナット52の締付力に付加し、対象物T1,T2を強固に締結することができる。
尚、対象物T1、T2の締結状態を解除する際には、まず、各駆動ねじ40を逆回転させ、ついで、ボルト51のねじ部に螺合したナット52を取り外す。これにより、対象物T1、T2の締結状態が解除される。
以上のように、本例のチャック1及び締結具50によれば、駆動ねじ40を回転させるという簡単な操作を行うことで、締付力及び把持力に、第1楔部材36の移動量に応じて発生する押圧力を付加して、対象物を強力に締結及び把持することができる。
また、増締機構30が、保持部材31、二個一組の楔部材35及び駆動ねじ40から構成されており、サーボモータなどの装置を必要としないため、装置の製造コスト及び運転コストの低減並びに装置の小型化及び軽量化を図ることができる。
以上、本考案の具体的な実施形態について説明したが、本考案が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
例えば、保持部材31における前記側壁部34には、貫通穴34aに代えて、表裏に貫通したねじ穴が形成され、このねじ穴に駆動ねじ40が螺合し、駆動ねじ40の先端で第1楔部材36を押すように構成しても良い。このようにしても、駆動ねじ40を回転させることにより、第1楔部材36を送りねじ20(ボルト51)の軸線と直交する方向に移動させることができ、第1楔部材36の移動量に応じて発生する押圧力を、締付力及び把持力に付加することができる。
また、保持部材31は、例えば、カップ形状の部材や、座部とこの座部と直交する1つの側壁部からなる部材などであっても良い。
また、上例のチャック1では、3つの把持爪10を設けた構成としたが、これに限られるものではなく、2つの把持爪を設けたものでも、4つ以上の把持爪を設けたものでよい。
更に、上例のチャック1は、把持爪10が本体2に形成された案内溝3に係合した構成としたが、これに限られるものではなく、把持爪を有する複数の爪組立体が面板上に固定されたチャックであっても良い。以下、このチャックについて図面を参照して説明する。尚、チャック1の構成と同じ構成要素については、同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図11に示すように、チャック60は、面板61と、当該面板61の表面中心部に配設され、ワークWが載置される受け体62と、前記面板61の表面に、当該面板61の中心から放射状、且つ当該面板61の周方向に等間隔に固設された3つの爪組立体65とから構成されており、前記爪組立体65は、図12及び図13に示すように、矩形状のハウジング66と、このハウジング66の長手方向に沿って進退自在に設けられた把持爪10と、前記ハウジング66の長手方向に沿って配設され、前記把持爪10を進退させる送りねじ20と、ハウジング66の外方側の端部に配設される増締機構30とから構成されている。
前記ハウジング66は、その外方側の端部に、前記増締機構30の保持部材31が一体に形成されている。即ち、長手方向と平行な2つの側面には、それぞれ貫通孔33a,34aが穿設されており、外方側の端面には、貫通孔32aが穿設されている。また、ハウジング66は、その長手方向に沿って、横断面形状が略逆T字形状の案内溝67が形成され、この案内溝67には、前記把持爪10が係合している。
以上の構成を備えたチャック60によれば、まず、面板61に配設された受け体62上にワークWを載置し、ついで、各爪組立体65における送りねじ20を回転させ、把持爪10をワークWに向けて前進させて各把持爪10をワークWに当接させた後、送りねじ20を更に回転させて、各把持爪10によってワークWを把持する。しかる後、駆動ねじ40を回転させて、第1楔部材36を送りねじ20の軸線と直交する方向に移動させる。
これにより、前記一組の楔部材35の楔作用によって、第2楔部材37に送りねじ20の軸線と沿った方向に押圧され、この押圧力が把持力に付加され、各把持爪10によってワークWが強力に把持される。
このように、把持爪10、送りねじ20及び増締機構30を爪組立体65としてユニット化し、この爪組立体65を面板61に固定したチャック60によっても、同様に、ワークWを強力に把持することができる。
尚、上例においては、ハウジング66と保持部材31とが一体に成形されている態様を示したが、ハウジング66と保持部材31とが別々の部材であり、側壁部33,34の端面がハウジング66の外方側の端面に当接した状態で、保持部材31がハウジング66に固定されていても良い。
また、上例のチャック1は、送りねじ20を回転させることで進退する3つの把持爪10によってワークWを把持するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、図14に示すように、送りねじ20を回転させることで本体2の径方向に沿って進退する1つの把持爪10と、本体2の表面に固定された2つの把持体70とによってワークWを把持するようにしても良い。この場合において、前記1つの把持爪10と前記2つの把持体とは、本体2の周方向に等間隔(この例では120°間隔)に配置されており、送りねじ20における外方端部と本体2の外周側面との間には増締機構30が配設されている。
この場合によれば、まず、ワークWを前記2つの把持体70に当接させた状態で本体2上に載置する。ついで、送りねじ20を回転させて把持爪10をワークWに向けて移動させ、当該把持爪10をワークWに当接させる。ついで、送りねじ20を更に回転させて、把持爪10と2つの把持体70とによってワークWを把持する。
しかる後、駆動ねじ40を回転させて、第1楔部材36を送りねじ20の軸線と直交する方向に移動させることで、発生した押圧力が把持力に付加され、把持爪10及び2つの把持体70によってワークWが強力に把持される。
尚、把持爪10及び把持体70の数は、これに限られるものではなく、例えば、図15に示すように、把持爪10及び把持体70をそれぞれ2つずつ設けても良い。この場合、把持爪10と把持体70とを、両者がワークWを挟んで対向するようにそれぞれ配置することが好ましい。また、把持爪10と把持体70とをそれぞれ1つずつ設け、両者を対向させて配置した場合には、本考案をバイスとして具現化したものと理解される。
また、前記把持体70は、本体2の表面に、前記径方向に沿って進退自在に設けられていても良い。この場合、送りねじ20を回転させることによって把持爪10を移動させ、当該把持爪10をワークWに当接させるとともに、2つの把持体70を適宜駆動機構によって移動させ、当該把持体70をワークWに当接させ、把持爪10と2つの把持体70とによってワークWを把持する。尚、把持体70を移動させる駆動機構としては、ウォームギア機構を例示することができる。
また、チャック60においても、図16に示すように、1つの爪組立体65と2つの把持体70とを、面板61の周方向に等間隔(120°間隔)に配置し、爪組立体65の把持爪10と2つの把持体70とによってワークWを把持するようにしても良い。
このようにしても、駆動ねじ40を回転させ、第1楔部材36を送りねじ20の軸線と直交する方向に移動させることで、把持力に所定の押圧力が付加され、把持爪10及び2つの把持体70によってワークWを強力に把持することができる。
尚、爪組立体65及び把持体70は、例えば、図17に示すように、それぞれ2つずつ設けても良く、この際、爪組立体65と把持体70とは、ワークWを挟んで両者が対向するように配置されることが好ましい。また、爪組立体65と把持体70とをそれぞれ1つずつ設け、両者を対向させて配置しても良い。この場合には、本考案をバイスとして具現化したものと理解される。
また同様に、前記把持体70を、面板61の表面に、前記径方向に沿って進退自在に設け、把持爪10及び把持体70を移動させて両者をワークWに当接させることでワークWを把持するようにしても良い。
1 チャック
2 本体
3 案内溝
10 把持爪
11 ねじ穴
20 送りねじ
21 フランジ部
22 ナット
30 増締機構
31 保持部材
32 座部
32a 貫通穴
33,34 側壁部
33a 貫通穴
34a 貫通穴
36 第1楔部材
36a 貫通穴(長穴)
36b ねじ穴
36c 検出棒
37 第2楔部材
37a 貫通穴
40 駆動ねじ
41 止め蓋
50 締結具
51 ボルト
52 ナット
60 チャック
61 面板
62 受け体
65 爪組立体
66 ハウジング
67 案内溝
70 把持体
W ワーク
T1,T2 対象物

Claims (7)

  1. ボルト及びナットを備え、対象物に穿設された貫通穴に前記ボルトを挿通させるとともに、該ボルトのねじ部に前記ナットを螺合させることにより、該ボルト及びナットによって前記対象物を締結する締結具において、
    表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記対象物と対向するように配置される保持部材と、
    互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記対象物との間に配置される一組の楔部材と、
    前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成される増締機構を備えてなり、
    更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
    前記ボルトを、前記対象物の貫通穴、前記一組の楔部材の貫通穴、及び前記座部の貫通穴に挿通させた状態で、そのねじ部に前記ナットを螺合させることにより、該ボルト、ナット及び増締機構によって前記対象物を締結するように構成されていることを特徴とする増締機構を備えた締結具。
  2. 前記駆動ねじによって移動する前記楔部材は、該楔部材の貫通穴の軸線と交差し、且つ該楔部材の前記移動方向と平行な方向に突設された検出棒を更に備えていることを特徴とする請求項1記載の増締機構を備えた締結具。
  3. 表面の所定点を中心として放射状に設けられた少なくとも2つの案内溝を有する本体と、
    前記本体の案内溝にそれぞれ係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する少なくとも2つの把持爪と、
    フランジ部を有するとともに、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
    前記送りねじの外方端部と前記本体の外周面との間に配設される増締機構とを備えた把持装置であって、
    前記増締機構は、
    表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記本体の外周面に当接した状態で該本体に固定される保持部材と、
    互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
    前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
    更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
    前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていることを特徴とする増締機構を備えた把持装置。
  4. 基台と、該基台の表面に、所定点を中心として放射状に固設された少なくとも2つの爪組立体とを備えた把持装置であって、
    前記爪組立体は、
    前記放射方向に沿って形成された案内溝を有し、該案内溝が少なくとも外方側の端面に開口するように設けられた略矩形状のハウジングと、
    前記ハウジングの案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する把持爪と、
    フランジ部を有し、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
    前記送りねじの外方端部と前記ハウジングの外方側端面との間に配設される増締機構とからなり、
    前記増締機構は、
    表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記ハウジングの外方側端面に連結するように固設される、又は前記ハウジングの外方側端面に連結するように該ハウジングと一体に設けられる保持部材と、
    互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
    前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
    更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
    前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていることを特徴とする増締機構を備えた把持装置。
  5. 表面に設けられた少なくとも1つの案内溝を有する本体と、
    前記本体の表面に、固定又は移動自在に設けられた少なくとも1つの把持体と、
    前記本体の案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する少なくとも1つの把持爪と、
    フランジ部を有するとともに、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
    前記送りねじの外方端部と前記本体の外周面との間に配設される増締機構とを備えた把持装置であって、
    前記案内溝の配設方向及び前記把持体の移動方向は、前記本体の表面の所定点を中心として放射状に設定されており、
    前記増締装置は、
    表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記本体の外周面に当接した状態で該本体に固定される保持部材と、
    互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、 前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
    更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
    前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていることを特徴とする増締機構を備えた把持装置。
  6. 基台と、該基台の表面に固定された少なくとも1つの爪組立体と、前記基台の表面に固定又は移動自在に設けられた少なくとも1つの把持体とを備えた把持装置であって、
    前記爪組立体は、
    案内溝を有し、該案内溝が少なくとも外方側の端面に開口するように設けられた略矩形状のハウジングと、
    前記ハウジングの案内溝に係合し、該案内溝に沿って進退自在に設けられるとともに、前記案内溝に沿って形成された雌ねじ部を有する把持爪と、
    フランジ部を有し、前記案内溝内に配設され、且つ前記把持爪の雌ねじ部に螺合して、前記把持爪を前記案内溝に沿って進退させる送りねじと、
    前記送りねじの外方端部と前記ハウジングの外方側端面との間に配設される増締機構とからなり、
    前記案内溝の配設方向及び前記把持体の移動方向は、前記基台の表面の所定点を中心として放射状に設定されており、
    前記増締機構は、
    表裏に貫通する貫通穴が形成された板状の座部、及び該座部に直交した状態で接続する側壁部を有し、該側壁部の端部が前記ハウジングの外方側端面に連結するように固設される、又は前記ハウジングの外方側端面に連結するように該ハウジングと一体に設けられる保持部材と、
    互いに交差する二面をそれぞれ備え、その一方面同士を合わせた状態で他方面同士が平行になる二個一組の楔部材であって、前記他方面と直交するように穿設された貫通穴をそれぞれ有し、前記保持部材の座部と前記フランジ部との間に配置される一組の楔部材と、
    前記保持部材の側壁部に穿設された貫通穴に保持され、前記一組の楔部材のうちの一方に係合して、該一方の楔部材を、その前記他方面と平行な方向に移動させる駆動ねじとから構成され、
    更に、前記駆動ねじによって移動する楔部材の前記貫通穴は、その長手方向が該楔部材の移動方向に沿った長穴に形成され、
    前記送りねじは、前記一組の楔部材の貫通穴及び前記座部の貫通穴に挿通されるとともに、前記送りねじの外方端部が前記座部から外方に突出するように配設されていることを特徴とする増締機構を備えた把持装置。
  7. 前記駆動ねじによって移動する前記楔部材は、該楔部材の貫通穴の軸線と交差し、且つ該楔部材の前記移動方向と平行な方向に突設された検出棒を更に備えていることを特徴とする請求項3乃至6記載の増締機構を備えた把持装置。
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WO2014141432A1 (ja) * 2013-03-14 2014-09-18 株式会社カワタテック 送り構造体及びこれを備えた把持装置
JP2015178850A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 コスモ工機株式会社 フランジ離間防止装置

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