JP3176279B2 - 穀類等の焙煎制御方法とその装置 - Google Patents

穀類等の焙煎制御方法とその装置

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JP3176279B2
JP3176279B2 JP00646396A JP646396A JP3176279B2 JP 3176279 B2 JP3176279 B2 JP 3176279B2 JP 00646396 A JP00646396 A JP 00646396A JP 646396 A JP646396 A JP 646396A JP 3176279 B2 JP3176279 B2 JP 3176279B2
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邦康 岡村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂等の焙煎媒体を
使用して穀類(大麦、小麦、大豆、玄米)やほうじ茶,
麦茶等の焙煎物を製造する技術に関し、焙煎温度が正確
に安定制御されるように焙煎胴内の砂等の焙煎媒体の温
度検出を行ってバーナ等の加熱手段の加熱量を微細に制
御させ、高品質の焙煎製品を製造できるようにしたもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、穀類等の焙煎機として、例えば、
実公昭61ー78号に見るように、炉内に配置した水平
軸を中心として回転する炒胴を用いて砂とともに穀類等
の焙煎を行なう回転砂浴式の穀類焙煎機であって、焙煎
の終った穀類と識別された砂を炒胴の外周へ移送配置さ
せるものが提供されている。そして、上記砂戻し用の移
送管をバーナの燃焼熱で加熱し、この内部を流動する砂
を所定の焙煎温度に加熱させた後、穀類と一緒に炒胴内
へ混入させ焙煎するものである。
【0003】上記従来の穀類焙煎機における砂の加熱手
段には、(1)バーナの燃焼熱量の加減により炉内から
排出される排気温度を目標値に調節するものと、(2)
焙煎済みの製品温度を検出し、これを目標値に調節する
方法がある。何れも、砂の加熱温度を間接的に目標値に
制御するものである。上記排気温度を目標値に調節する
砂温の制御方法は、図9に示している。即ち、穀類の焙
煎に先立ち、予め定めたバーナの所定燃焼量にて炉内を
加熱して排気温度を目標値(500℃前後)まで上昇さ
せるのに約20分を要し、焙煎胴内の砂を焙煎温度(2
50℃前後)まで上昇させるには約40分の加熱時間を
要することが経験的に求められているから、この時間だ
け炉内加熱を実行する。上記焙煎可能温度領域(200
〜300℃)Yのタイミングを勘により見計らい、焙煎
胴内に所定量の穀類を砂とともに投入し、適正温度(麦
茶の場合、250℃前後)で焙煎を進めるものである。
【0004】上記焙煎動作は、図10に示すとおり、バ
ーナにより約40分間の加熱時間を経過後、焙煎胴内の
砂が焙煎可能温度領域Y内にあることを間接的に想定し
て焙煎動作を始める。まず、穀類の供給量は始めにテス
ト焙煎のために、最大値の少なくとも25%前後から行
う。続いて、一気に50〜70%の穀類の供給量を数回
に断続して増加させ、最終的に100%の供給量とす
る。この時焙煎温度は上下に変動するが、焙煎可能温度
領域(200〜300℃)Y内で実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記排
気温度を目標値(500℃前後)にする制御方法では、
バーナで約40分間の加熱時間により焙煎温度が250
℃前後になったと想定したところか少しその温度を上回
ったところで、焙煎胴内に25%以上のテスト用の穀類
を砂とともに供給しないといけない。即ち、穀類の供給
に時間的遅れがあると、図9に示すように、焙煎胴内の
砂温度は、焙煎適正温度(250℃前後)を短時間に4
15℃まで上昇して大幅に上回り、過熱状態の焙煎処理
となってしまう問題点がある。又、焙煎胴内への穀類の
供給量が最大値の25%以下の少ない時も上記と同様に
過熱状態の焙煎処理となる。更に、穀類の投入量が極端
に少ない時や運転状態から供給を急停止すると、炉内が
過熱状態となり穀類を着火させるに至る危険がある。そ
して、図10に示すように、焙煎胴内への穀類の供給量
が所定量から変動すると、砂温が変動し焙煎の適正温度
から容易に外れてしまい、この大きな温度変動幅Yによ
って焙煎程度が変化して、焙煎製品の品質を低下させて
しまうという問題点がある。高品質な焙煎製品を得るに
は、焙煎温度(例えば、250℃)に対して±1℃以内
の偏差に納めることが望まれる。
【0006】上記問題点はテスト焙煎時においても発生
する。即ち、少量の穀類では過熱状態の焙煎処理となる
ため、最大値の25%以上の穀類をテスト焙煎として供
給することを余儀無くされる。これがために、テスト焙
煎時に不良製品を多量に造ってしまうという問題点があ
る。
【0007】更に、上記排気温度を目標値(500℃前
後)に加熱する制御方法では、焙煎胴内の砂温度の焙煎
適正温度(250℃前後)を加熱時間で制御しているか
ら、焙煎機の停止後の炉が冷えていない状態から直ちに
再加熱を行う時の加熱時間の制御管理ができない。運転
開始時は、毎回とも炉内温度が所定の同一条件でないと
大きな誤差原因となり、実用に向かないことが判明して
いる。又、砂が焙煎温度に到達する時間は、保有する砂
の量によって大きく変化するが、砂の保有量は把握でき
ず、少量ではあるが焙煎品とともに毎日外部に排出され
るため変化する。よって、加熱時間を正確に制御できな
いという問題点がある。又、焙煎済みの製品温度を検出
する方法では、製品の流れが止まると、検出不可能とな
り実用に供し得ない。以上のように、従来の焙煎機はそ
の運転操作性が悪く、熟練者でないと使用できなかっ
た。
【0008】本発明は、上記従来の穀類焙煎機に見られ
る数々の問題点に鑑みて開発されたもので、焙煎胴内の
砂等の焙煎媒体の温度の検出と排気温度の検出を行い、
この検出温度に基づき砂温度が最適値(±1℃以下の偏
差)に安定制御されるようにバーナ等の加熱手段の加熱
量を微細に制御して高品質の焙煎製品を製造する方法と
その装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明による請求項1記載の穀類等の焙煎制御方法は、
加熱炉内に配置して低速回転する焙煎胴内に、加熱循環
される砂等の焙煎媒体とともに穀類等を混入して加熱焙
煎し、焙煎胴の他端出口から焙煎済みの穀類等と焙煎媒
体とを排出する焙煎制御方法において、上記加熱炉内の
排気温度を仮の目標値に加熱するとともにこの排気温度
を検出し、又、上記焙煎胴内の焙煎媒体の温度を検出
し、上記焙煎媒体の温度検出値と予め設定した最適焙煎
温度設定値との偏差が減少する方向に上記排気温度の目
標値を加減して焙煎媒体を加熱制御することを特徴とす
るものである。
【0010】まず、排気温度そのものを予め仮設定した
目標値にしたがって温度制御する。続いて、焙煎媒体で
ある砂の検出温度とこの最適焙煎設定温度との偏差を減
少する方向に上記排気温度の目標値を更新し、最適焙煎
設定温度となるように、更新された排気温度の目標値で
バーナ等の加熱手段の加熱量が素早く加減調節される。
これで、焙煎媒体の加熱温度を最適焙煎設定温度の目標
値に正確に保持でき、安全性が高く簡便な運転操作のも
とで高品質な焙煎製品を製造する。
【0011】上記目的を達成するべく本発明の請求項2
記載の穀類等の焙煎制御装置は、加熱炉内に配置して低
速回転する焙煎胴を備え、上記焙煎胴外でバーナ等の加
熱手段で加熱循環される砂等の焙煎媒体と穀類等を上記
焙煎胴内へ一端入口から混入し、焙煎胴内の移動過程で
焙煎されつつ他端出口から焙煎済みの穀類等と焙煎媒体
とを排出する焙煎制御装置において、上記加熱炉内の排
気温度の排気温度検出手段と、焙煎胴内の焙煎媒体の温
度検出手段と、最適な焙煎温度値に設定する焙煎温度設
定手段と、上記焙煎媒体の温度検出手段の検出値と最適
焙煎温度値との偏差を減少する方向に排気温度の目標値
を更新する排気温度設定手段と、上記排気温度を更新さ
れた排気温度の目標値になるように加熱手段の加熱量を
調節する加熱量制御手段と、を備えたことを特徴とする
ものである。
【0012】まず、排気温度そのものを予め排気温度設
定手段で仮設定した目標値にしたがって温度制御する。
続いて、焙煎媒体である砂の検出温度とこの最適焙煎設
定温度との偏差を減少する方向に、上記排気温度の目標
値を偏差演算の結果により更新させる。更新された排気
温度の目標値で最適焙煎設定温度となるように、バーナ
等の加熱手段の加熱量が加熱量制御手段により素早く加
減調節される。これで、焙煎媒体の加熱温度を最適焙煎
設定温度の目標値に正確に保持でき、安全性が高く簡便
な運転操作のもとで高品質な焙煎製品を製造する製造装
置が提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜8を参照して本発明
の実施の形態につき説明する。図1は本発明焙煎制御方
法を実施する焙煎装置の断面図、図2は本発明焙煎制御
方法及び装置の実施の形態を示すシステム全体の断面図
であり、図3は本発明を実施するためのフローチャート
図である。図4は参考例を示すシステム全体の断面図で
ある。図5は参考例を実施するためのフローチャート図
である。図6は砂の加熱特性曲線図であり、図7と図8
は本発明による焙煎特性曲線図である。
【0014】先ず、本発明を適用する焙煎装置100
は、図1に示すように、枠体1に保温断熱材3で囲った
加熱炉5の下側空間に燃焼室5Aを形成し、この下側片
隅に加熱手段となるバーナ7を配置している。上記加熱
炉5の上部には、排気筒5Bを備え、この内部には排気
ダンパ5Cを備えている。又、上記加熱炉5内には、水
平軸2を中心として回転する穀類Kの焙煎胴9と、焙煎
媒体Bである硅砂等の砂やセラミック粒を加熱するジャ
ケットの外胴15が、焙煎胴9の外周に一体装備されて
いる。上記水平軸2は枠体1上の2つの耐熱軸受11,
13に回転自在に支承されており、水平軸2の片側に嵌
着したスプロケット17を減速機付の駆動モータMのス
プロケット19とチェン21で連結している。上記駆動
モータMの駆動により、焙煎胴9と外胴15とは一体と
なって低速で回転される。尚、焙煎胴9は、水平軸2に
対して中腹部の支持棒20と左端側の支持片22とで保
持されている。
【0015】上記焙煎胴9と外胴15とは、逆方向にそ
の内周壁を拡大した円錐面を形成し、焙煎胴9の内周壁
を小径とした左端内部の水平軸2にはラッパ状の原料誘
導管23を備え、支持片21で水平軸に取付られてい
る。又、原料誘導管23に穀類Kを送り込む原料誘導ホ
ッパ25を枠体1上に配置している。上記穀類Kは原料
誘導ホッパ25から原料誘導管23を介して焙煎胴9の
小径側の内周壁に自然落下して供給される。そして、焙
煎胴9の低速回転により、穀類Kは焙煎胴9の小径側か
ら大径側へとゆっくり移送して行く。尚、焙煎する穀類
Kは、小麦,大麦,大豆,玄米やほうじ茶,麦茶などの
物が対象となる。
【0016】更に、上記焙煎胴9の大径端部には、焙煎
媒体Bと穀類Kとの分離金網筒27が着脱可能にボルト
の締結手段で連結され、金網の網目よりも小粒な焙煎媒
体Bが外胴15の小径側の内周壁面に落下し、網目より
も大粒な穀類Kが分離金網筒27の開放端から製品ホッ
パ29へ吐出される。外胴15内の焙煎媒体Bは、上記
バーナ7で加熱されつつ焙煎胴9及び外胴15の低速回
転により、大径側へ移送し、ここに堆積する焙煎媒体B
は焙煎胴9の外周壁に付設した回収バケツ31により焙
煎胴9内へ送り込まれる。尚、焙煎機は、加熱炉内に配
置して低速回転する焙煎胴内に、循環加熱される砂等の
焙煎媒体とともに穀類等を混入して加熱焙煎し、上記焙
煎胴の他端出口から焙煎済みの穀類等と焙煎媒体とを排
出する構造であればよく、図示した実施形態のものに限
定されない。例えば、焙煎胴から焙煎媒体と穀類とを排
出した後、焙煎媒体と穀類とを篩分けて焙煎媒体を焙煎
機の外胴に戻す構造としても良い。
【0017】しかして、焙煎装置100は、焙煎胴9,
外胴15が低速回転し、バーナ7で適温に加熱された外
胴15内の焙煎媒体Bが穀類Kとともに焙煎胴9内へ供
給される。穀類Kはこの焙煎胴9内を移送されながら、
適温に加熱された焙煎媒体Bにより焙煎作用を受け、焙
煎済み穀類Kが分離金網筒27の開放端から製品ホッパ
29へ吐出される。また、焙煎媒体Bは外胴15内へ戻
され再度加熱される循環経路をなしている。
【0018】本発明の実施の形態となる焙煎制御方法及
び装置を図2により説明する。焙煎装置100は、図1
に示すものと同一であり、バーナ7により加熱された排
気温度を検出する排気温検出手段40は上記加熱炉5内
の排気筒5Bに配置されている。又、焙煎媒体Bの温度
検出手段50は、上記焙煎胴9内の分離金網筒27の取
付部付近に、この回転を邪魔しないように配置されてい
る。上記各温度検出手段40,50は、例えば熱電対の
温度センサが採用される。
【0019】次に、温度制御部80について説明する。
まず、焙煎温制御部55は焙煎温度を一定温度に制御す
るよう、上記砂温検出手段50が検出する焙煎媒体Bの
砂温検出値T1と、焙煎温度設定手段53により設定さ
れた最適焙煎温度設定値TBとの偏差αを減少させる方
向に、操作量MV1を演算出力する。また、次段の排気
温制御部45は排気温度そのものを一定温度に制御する
ように構成され、排気温検出手段40が検出する排気温
度T2と、排気温度設定手段43が与える排気温度の仮
目標値THとの偏差βを減少させる方向に、操作量MV
2を演算出力する。燃焼量制御部47は、排気温制御部
45から出力される操作量MV2に応じ、バーナ7の燃
焼量を調節すべく燃料制御弁Vを制御する。尚、上記燃
料制御弁Vに代えて、燃料供給ポンプを採用してもよ
い。
【0020】上記排気温制御部45の目標値THは、前
段の焙煎温制御部55の出力MV1により変更される。
即ち、焙煎媒体Bの砂温検出値T1を最適焙煎温度設定
値TBに一定に制御するよう、排気温度の目標値THを
支配するもので、焙煎媒体Bの加熱温度は最適焙煎温度
値TBとの偏差αを±1℃以下に精密に制御される。
【0021】次に、実施の形態の焙煎制御方法を図3に
示す制御フローチャートで説明する。「スタート」
(1)で起動指令が温度制御部80及び駆動モータMに
発せられ、焙煎胴9を回転するとともに、温度制御部8
0の各部(40〜55,V他)が一斉に機能する。これ
で、まず、「排気温検出T2」(3)と「砂温検出T
1」(4)とが各検出手段40,50で行われる。立ち
上げ時は、排気温制御プロセスを機能させて、予め排気
温度設定手段43で定めた「仮設定の目標値TH」
(5)を目標値として「排気温制御部45」(6)が燃
焼量MV2を演算し、「燃焼量制御部47」(7)が燃
料制御弁Vの燃料供給量を制御し、バーナ7の燃焼量を
加減して「仮設定の目標値TH」(5)に向けて温度制
御する。
【0022】続いて、砂温制御プロセスが働いて、焙煎
媒体Bである砂の「砂温検出」(4)と、この穀類Kの
最適焙煎温度である「砂温設定値TB」(8)との偏差
αが「焙煎温制御部55」(9)で演算され、この偏差
αが0に近づくように操作量MV1が演算出力される。
次段の「排気温制御部45」(6)はこの操作量MV1
を「排気温度の目標値TH」として取り込み、「排気温
検出値T2」(3)との偏差βを演算し、この偏差βが
0に近づくように燃焼量MV2を演算出力する。この燃
焼量MV2に基づき「燃焼量制御部47」(7)が燃料
制御弁Vの燃料供給量を制御しバーナ7の燃焼量を加減
する。この焙煎温制御部55により更新された排気温度
の目標値に排気温を制御することにより、砂温を最適焙
煎設定温度にしようとするものである。簡単に言えば、
焙煎温制御部55は砂温を最適焙煎設定温度にするには
排気温を何℃にせよと指令(MV1)を出し、排気温制
御部45はこの指令された排気温に一定になるように温
度制御している。
【0023】上記制御方法に基づく焙煎媒体Bである砂
の加熱特性曲線を図6に示す。予め定めた「砂温設定値
TB」,「排気温度の目標値TH」及び排気温検出T2
と砂温検出T1とによりバーナ7の燃焼量を加減制御し
て排気温度を一時的に600℃まで上げ、砂温度が遅れ
て焙煎温度(250℃前後)まで上昇するのに合わせて
目標値(300℃前後)に排気温度を安定させた加熱特
性とする。これ以降は、図6に示すように、安定した目
標値(300℃前後)に排気温度を維持するようバーナ
4の燃焼量を加減制御する。
【0024】続いて、以上のウオーミングアップの後、
図3に示すように、穀類の焙煎動作をはじめ、「穀類供
給」(12)を焙煎胴9内へ行い、仕上った穀類Kの
「穀類排出」(15)をする。この穀類Kの焙煎動作
は、図7,8に示す焙煎特性曲線図のように進行する。
この状況は、図3のフローチャートにおいて、「砂温プ
ロセス」(14)で起きる外乱(穀類供給量の変動等)
を第1ループである「砂温検出値T1」(4)による
「砂温設定値TB」(8)との偏差αの演算結果として
出力する。この出力は、「排気温プロセス」(13)で
起きる外乱(燃料変動や外気温変動)を第2ループであ
る排気温検出値との偏差βを演算して目標値THを新た
な「目標値TH」(11)に更新する。上記更新された
排気温度の目標値で「砂温設定値TB」(8)の最適焙
煎設定温度(250℃前後)となるように、バーナ7の
燃焼量が燃焼量制御部47により加減調節される。そし
て、運転の停止で、温度制御部80の機能を停止させて
バーナを消火し、焙煎胴9の回転を止める。
【0025】従って、穀類Kの「穀類供給」(12)が
連続増量する時は、図7に示す焙煎特性曲線図となる。
テスト焙煎は、数%の穀類供給量でも正確に行えるか
ら、高品質の焙煎製品が確保できる。この後、本格的な
穀類Kの焙煎動作をその穀類を100%まで10%程度
から連続増量させて行う。上記穀類Kの連続増量に合わ
せて順次高温側へ更新される排気温度の目標値で最適焙
煎設定温度(250℃前後)を維持するように、バーナ
の燃焼量が燃焼量制御部47により加減調節される。上
記焙煎動作は、穀類Kの「穀類供給」(12)を段階増
量する場合を示す図8の焙煎特性曲線図においても同様
に行われる。
【0026】以上のように、上記実施の形態の焙煎制御
方法とその装置によると、次のような効果が奏せられ
る。まず、バーナへの燃料の圧力変動、焙煎する穀物
(例えば麦)の供給量の大幅な変動、外気温変動や立ち
上げ時の炉内温度等その他の外乱による砂温に対する影
響を防止し、焙煎砂Bの温度を常に最適設定値に正確に
制御できる効果がある。これにより、麦等の穀物が少な
い場合から多い場合までの範囲において高品質の焙煎製
品を提供できる効果がある。又、テスト焙煎も極く少量
の穀類で済み、しかも、高品質の焙煎製品となるから、
不良焙煎製品の発生を抑えられる効果がある。更に、穀
類の投入量が極端に少ない時や運転状態から急停止して
も、穀類を着火させる危険が全くないという安全性に対
する効果もある。従って、安全性が高く、簡便な運転操
作の基で高品質な焙煎製品が製造できる。
【0027】次に、本発明の参考例となる焙煎制御方法
及び装置を図4により説明する。焙煎装置100は、図
1に示すものと同一であり、上記実施の形態における排
気温度T2の温度検出手段40とこの目標設定手段43
とを省略したものである。従って、上記焙煎胴9内の焙
煎媒体Bの温度検出手段50だけを備え、これを焙煎胴
9の分離金網筒27の取付部付近に配置している。又、
温度制御部90は、焙煎媒体Bの温度検出値T1を最適
焙煎温度値TBとなるように設定する焙煎温度設定手段
53と、焙煎媒体Bの温度検出手段50の検出値T1と
の偏差αを偏差演算する焙煎温制御部55と、上記偏差
αを減少する方向に加熱手段7の燃焼量を調節する熱量
制御部47と、燃料制御弁Vと、で構成される。
【0028】続いて、参考例の焙煎制御方法を図5に示
す制御フローチャートで説明する。「スタート」(1)
で起動指令が温度制御部90及び駆動モータMに発せら
れ、焙煎胴9を回転するとともに、温度制御部90の各
部(40〜55,V他)が一斉に機能する。まず、「砂
温検出」(4)が温度検出手段50で行われる。尚、バ
ーナ7の燃焼立上りは、予め定めた「起動時の燃焼量調
節値」(A)で燃料制御弁Vの燃料供給量を「燃焼量制
御手段47」(7)が制御し、バーナ7の燃焼量を加減
する。次に、焙煎媒体Bである砂の「砂温検出」(4)
と、この穀類Kの最適焙煎温度である「砂温設定値T
B」(8)との偏差αを演算する「焙煎温制御部55」
(9)からの処理結果により、偏差を減少する方向にバ
ーナ7への燃料供給量を燃料制御弁Vを介して「燃焼量
制御手段47」(7)が制御し、バーナ7の燃焼量を加
減して「砂温設定値TB」(8)に向け温度制御する。
【0029】上記焙煎媒体Bの温度制御である砂の加熱
特性曲線も図6に示すとおりとなる。予め定めた「砂温
設定値TB」と「砂温度T1」とによりバーナ7の燃焼
量を加減制御して排気温度を一時的に600℃まで上
げ、砂温度が遅れて焙煎温度(250℃前後)まで上昇
するのに合わせて目標値(300℃前後)に排気温度を
安定させた加熱特性とする。
【0030】上記制御方法により、焙煎媒体Bは最適焙
煎温度の「砂温設定値TB」(8)にその偏差αを±1
℃以下にして制御される。以上のウオーミングアップの
後、「穀類供給」(12)が焙煎胴9内へ行われ、穀類
Kの焙煎動作が高精密に行われる。この穀類Kの焙煎動
作も上記第1実施形態と同様に、図7,8に示す焙煎特
性曲線図のように進行する。
【0031】本発明の参考例の焙煎制御方法及び装置に
よると、上記実施の形態と同様、最適焙煎設定温度とし
た焙煎胴内の温度変動を少なく抑えられ、これにより、
麦等の穀物が少ない場合から多い場合までの範囲におい
て高品質の焙煎製品を提供できる効果がある。又、テス
ト焙煎も極く少量の穀類で済み、しかも、高品質の焙煎
製品となるから、不良焙煎製品の発生を抑えられる効果
がある。更に、穀類の投入量が極端に少ない時や運転状
態から急停止しても、穀類を着火させる危険が全くない
という安全性に対する効果もある。従って、安全性が高
く、簡便な運転操作の基で高品質な焙煎製品が製造でき
る。
【0032】本発明は、上記実施の形態に限定されず、
発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、温度
検出手段40,50の方式も熱電対から他の方式の温度
測定用のセンサに変更可能であるし、他の部材43,4
5,47,53,55,V等も適宜変更が可能である。
又、加熱手段7もバーナのほか電気ヒータや蒸気加熱方
式等に変更可能である。又、本発明の焙煎装置100に
各種警報部材を設置することも可能である。例えば、焙
煎媒体Bの温度変動を知らせるアラームや火災感知のア
ラーム等を適宜設置することが望ましい。更に、運転中
に発生する原料の減少,中断,及び停止や、バーナの停
止を知らせる報知器を設けても良い。
【0033】
【効果】以上詳述したように本発明の請求項1による
と、排気温度そのものを予め仮設定した目標値に温度制
御し、焙煎媒体である砂の検出温度とこの最適焙煎設定
温度との偏差を減少する方向に上記排気温度の目標値を
更新し、最適焙煎設定温度となるように、更新された排
気温度の目標値でバーナ等の加熱手段の加熱量を素早く
加減調節するから、焙煎媒体の加熱温度を最適焙煎設定
温度の目標値に応答性良く正確に保持でき、且つ、安全
性が高く簡便な運転操作のもとに、高品質な焙煎製品が
製造できる効果が発揮される。
【0034】また、本発明の請求項2によると、排気温
度そのものを予め排気温度設定手段で仮設定した目標値
に温度制御し、続いて、焙煎媒体である砂の検出温度と
この最適焙煎設定温度との偏差を減少する方向に、上記
排気温度の目標値を偏差演算の結果により更新された排
気温度の目標値で最適焙煎設定温度となるように、バー
ナ等の加熱手段の加熱量を加熱量制御手段により素早く
加減調節するから、焙煎媒体の加熱温度を最適焙煎設定
温度の目標値に正確に保持でき且つ、安全性が高く簡便
な運転操作のもとに、高品質な焙煎製品を製造する製造
装置が提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焙煎制御方法を実施する焙煎装置の断
面図である。
【図2】本発明の焙煎制御方法及び装置の実施の形態を
示すシステム全体の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を運転するためのフローチ
ャート図である。
【図4】本発明の焙煎制御方法及び装置の参考例を示す
システム全体の断面図である。
【図5】本発明の焙煎制御方法及び装置の参考例を運転
するためのフローチャート図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す図で、砂の加熱特性
曲線図である。
【図7】本発明の実施の形態を示す図で、焙煎特性曲線
図である。
【図8】本発明の実施の形態を示す図で、焙煎特性曲線
図である。
【図9】従来例を示す図で、砂の加熱特性曲線図であ
る。
【図10】従来例を示す図で、焙煎特性曲線図である。
【符号の説明】
1枠体 3保温断熱材 5加熱炉 7バーナ(加熱手段) 9焙煎胴 B焙煎媒体(砂) K穀類 15外胴 27分離金網筒 40温度検出手段 50温度検出手段 43排気温設定手段 45排気温制御部 47加熱量制御部 53焙煎温度設定手段 55焙煎温制御部 80,90温度制御部 100焙煎装置 T1砂温度検出値 T2排気温度 TB最適焙煎温度値 TH排気温の目標値 V燃料制御弁 α,β偏差

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱炉内に配置して低速回転する焙煎胴内
    に、加熱循環される砂等の焙煎媒体とともに穀類等を混
    入して加熱焙煎し、焙煎胴の他端出口から焙煎済みの穀
    類等と焙煎媒体とを排出する焙煎制御方法において、上
    記加熱炉内の排気温度を仮の目標値に加熱するとともに
    この排気温度を検出し、又、上記焙煎胴内の焙煎媒体の
    温度を検出し、上記焙煎媒体の温度検出値と予め設定し
    た最適焙煎温度設定値との偏差が減少する方向に上記排
    気温度の目標値を加減して焙煎媒体を加熱制御すること
    を特徴とする穀類等の焙煎制御方法。
  2. 【請求項2】加熱炉内に配置して低速回転する焙煎胴を
    備え、上記焙煎胴外でバーナ等の加熱手段で加熱循環さ
    れる砂等の焙煎媒体と穀類等を上記焙煎胴内へ一端入口
    から混入し、焙煎胴内の移動過程で焙煎されつつ他端出
    口から焙煎済みの穀類等と焙煎媒体とを排出する焙煎制
    御装置において、上記加熱炉内の排気温度の排気温度検
    出手段と、焙煎胴内の焙煎媒体の温度検出手段と、最適
    な焙煎温度値に設定する焙煎温度設定手段と、上記焙煎
    媒体の温度検出手段の検出値と最適焙煎温度設定値との
    偏差を減少する方向に排気温度の目標値を更新する排気
    温度設定手段と、上記排気温度を更新された排気温度の
    目標値になるように加熱手段の加熱量を調節する加熱量
    制御手段と、を備えたことを特徴とする穀類等の焙煎制
    御装置。
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