JP3176274B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3176274B2
JP3176274B2 JP31644295A JP31644295A JP3176274B2 JP 3176274 B2 JP3176274 B2 JP 3176274B2 JP 31644295 A JP31644295 A JP 31644295A JP 31644295 A JP31644295 A JP 31644295A JP 3176274 B2 JP3176274 B2 JP 3176274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、複数種類のインクを用いてカラー
画像記録を行うインクジェット記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、ノンインパ
クト方式であることから記録動作に伴なって発生する騒
音が少なく、また、カラー化が容易である等、種々の利
点を有し、近年プリンタ等に広く用いられるものであ
る。
【0003】複数色のインクを用いてカラー画像記録を
行うカラーインクジェット記録装置では、キャリッジ上
に、走査方向における所定間隔で複数個、例えば4個の
記録ヘッドを搭載し、各記録ヘッドから例えばシアン、
マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを吐出して記録
シート上にカラー画像を形成するよう構成されている。
【0004】このようなカラー記録では記録シート上に
吐出されるインクの量は、例えばモノクロ画像を記録す
る場合と比較して多くなるため、記録シートにはインク
を速やかに吸収する性質が求められる。すなわち、記録
シートのインク吸収性が不十分な場合、カラー記録のよ
うに短時間に多量のインクが吐出されると、シート上の
インクがシートに吸収されるまでに時間を要し、この間
にインク滴がシート表面上を移動して集まり、より大き
なインク滴になることがある。この場合、記録シート上
に形成されるドットが本来の位置に形成されずに島状に
なり、ざらつき感のある画像が記録されることになる。
このような大きなインク滴もしくはそれによって形成さ
れる島状のドットを一般にビーディングと称する。記録
シートのインク吸収性に対し、さらに多量のインクが吐
出される場合には、記録シート上でインクがあふれて記
録画像が乱れたり、記録装置内部を汚したりしてしまう
という問題も生じる。
【0005】以上のような問題を解消するため、インク
ジェット記録用の記録シートとしては、インク吸収を促
進するための材料がコーティングされたものを用いるこ
ともある。
【0006】しかしながら、特殊な記録シートにあって
はコーティングする材料に制限があり、通常のコーティ
ングされた記録紙程の吸収性が得られないものがある。
例えば、OHPシートではコーティング材料が透明でな
ければならないという制約があるため、通常の記録紙に
用いるようなシリカを主成分としたコーティング材料を
用いることができない。また、通常の記録紙ではコーテ
ィングのベースとなる紙もインクを吸収するが、コーテ
ィングされたOHPシートは、そのベースとなるフィル
ムがインクを吸収することができず、このため、OHP
シートのインク吸収性は、一般の記録紙より劣り、前述
した問題を生じ易いものであった。
【0007】このような問題に対して、本出願人は特開
平7−148945号公報において参照されるように、
通常は一回の走査でシアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ックの4色のインクを吐出するところを2回の走査にわ
け、このうち、一回目の走査ではシアンおよびブラック
のインクを吐出し、2回目の走査ではマゼンタおよびイ
エローのインクを吐出することにより記録を行う方法を
提案した。この方法では、記録する画像にもよるが、1
回の走査で吐出されるインク量を概ね1/2に抑えるこ
とができるため、前述の問題を防ぐことができる。ま
た、この方法によれば、記録時間が2倍になるが、イン
ク吸収性に関して画質を向上させる効果が大きく、この
ため、高速記録を行うための1回走査モードと高画質を
目的とした上述の2回走査モードを設けて、用途に応じ
て選択するようにすることもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2回走
査モードで記録を行うと、1回走査モードの時と記録画
像の色味が変わることがあるという問題があった。これ
はインクの吐出順序が記録画像の色味に大きく影響する
ためである。例えば、マゼンタインクとブラックインク
の重ね合わせで記録される色は、マゼンタを先に吐出し
た場合とブラックを先に吐出した場合とで異なる色相に
なる。
【0009】このため、記録装置において、通常の1回
走査モード、すなわち、1回の走査でシアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックの吐出順序で記録を行なうモー
ドの色再現性に適合させてマスキング係数等の色処理パ
ラメータを設定すると、2回走査モードで記録を行った
ときには、これら色処理パラメータが適切でないことが
あり、このため、色再現性が劣化してしまうという問題
があった。
【0010】また、画質向上の観点から2回走査モード
で記録を行う場合において、各走査でインク吐出を行う
記録ヘッドの組み合わせを記録画像に応じて変更するこ
とがあるが、この場合にはそのつど吐出順序が変化する
ため、上述のように固定的に設定された色処理パラメー
タでは十分な色再現性が得られないこともある。
【0011】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、吐出順序が変更さ
れても、常に色再現性の良好な画像を記録することがで
きるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出するインクジェ
ットヘッドを用い、記録データに基づいて前記複数のイ
ンクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に走査さ
せて記録を行うインクジェット記録装置において、記録
データによって表わされる記録すべき画像の走査領域
を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数で、最大
は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該nが2以
上の場合には各走査で互いに異なる色のインクを同じ走
査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録制御手段
と、前記nの値を設定する設定手段と、記録データを生
成するとき、前記設定されたnの値に応じて、当該記録
データの生成パラメータを設定するパラメータ設定手段
と、を具え、前記生成パラメータはマスキング処理に係
るパラメータであり、前記n回の走査において先に吐出
されるインクに係る記録データのパラメータを相対的に
小さくしてインク吐出量を少なくし、後に吐出されるイ
ンクに係る記録データのパラメータを相対的に大きくし
てインク吐出量を多くしたことを特徴とする。別の形態
では、複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出するイン
クジェットヘッドを用い、記録データに基づいて前記複
数のインクジェットヘッドを記録媒体に対して相対的に
走査させて記録を行うインクジェット記録装置におい
て、記録データによって表わされる記録すべき画像の
査領域を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数
で、最大は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該
nが2以上の場合には各走査で互いに異なる色のインク
同じ走査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録
制御手段と、前記nの値を設定する設定手段と、該設定
されたnの値による各走査において、前記異なる色のイ
ンクの吐出順序を変更する順序変更手段と、記録データ
を生成するとき、前記設定されたnの値および前記変更
された吐出順序に応じて当該記録データの生成パラメー
タを設定するパラメータ設定手段と、を具え、前記生成
パラメータはマスキング処理に係るパラメータであり、
前記n回の走査において先に吐出されるインクに係る記
録データのパラメータを相対的に小さくしてインク吐出
量を少なくし、後に吐出されるインクに係る記録データ
のパラメータを相対的に大きくしてインク吐出量を多く
したことを特徴とする。
【0013】また、複数のそれぞれ異なる色のインクを
吐出するインクジェットヘッドを用い、記録データに基
づいて前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に対
して相対的に走査させて記録を行うインクジェット記録
装置において、記録データによって表わされる記録すべ
き画像の走査領域を、インクジェットヘッドをn回(n
は自然数で、最大は前記異なるインクの数)走査させ、
かつ当該nが2以上の場合には各走査で互いに異なる色
のインクを同じ走査領域に吐出して記録を行うことが可
能な記録制御手段と、前記nの値を設定する設定手段
と、記録データを生成するとき、前記設定されたnの値
に応じて、当該記録データの生成パラメータを設定する
パラメータ設定手段と、を具え、前記生成パラメータは
ガンマ変換に係るパラメータであり、前記n回の走査に
おいて先に吐出されるインクに係る記録データのパラメ
ータを相対的に小さくしてインク吐出量を少なくし、後
に吐出されるインクに係る記録データのパラメータを相
対的に大きくしてインク吐出量を多くしたことを特徴と
する。別の形態では、複数のそれぞれ異なる色のインク
を吐出するインクジェットヘッドを用い、記録データに
基づいて前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に
対して相対的に走査させて記録を行うインクジェット記
録装置において、記録データによって表わされる記録す
べき画像の走査領域を、インクジェットヘッドをn回
(nは自然数で、最大は前記異なるインクの数)走査さ
せ、かつ当該nが2以上の場合には各走査で互いに異な
る色のインクを同じ走査領域に吐出して記録を行うこと
が可能な記録制御手段と、前記nの値を設定する設定手
段と、該設定されたnの値による各走査において、前記
異なる色のインクの吐出順序を変更する順序変更手段
と、記録データを生成するとき、前記設定されたnの値
および前記変更された吐出順序に応じて当該記録データ
の生成パラメータを設定するパラメータ設定手段と、を
具え、前記生成パラメータはガンマ変換に係るパラメー
タであり、前記n回の走査において先に吐出されるイン
クに係る記録データのパラメータを相対的に小さくして
インク吐出量を少なくし、後に吐出されるインクに係る
記録データのパラメータを相対的に大きくしてインク吐
出量を多くしたことを特徴とする。
【0014】以上の構成によれば、記録ヘッドのn回の
走査で記録を行う場合に、その走査回数に応じて記録デ
ータ生成の際に用いる、マスキングやガンマ補正にかか
る記録データ生成パラメータについて、n回の走査にお
いて先に吐出されるインクに係る記録データの上記生成
パラメータを相対的に小さくしてインク吐出量を少なく
し、後に吐出されるインクに係る記録データの上記生成
パラメータを相対的に大きくしてインク吐出量を多く設
定するので、先に吐出されるインクの色味が強くなる点
を調整し、記録画像における色味の変化を抑制すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0016】(第1実施形態)図1は本発明を実施する
のに用いられるカラーインクジェット記録装置及びその
制御系を示す図である。
【0017】図1において、記録シート40は装置後部
に設けられた給紙部(不図示)からローラ41および4
2による搬送経路を経て一対の給送ローラ43により挟
持され、かつこの給送ローラ43が回転することによ
り、矢印44方向に送られる。この搬送される記録シー
ト40を横断してガイド軸46が延在し、キャリッジ4
8は、このガイド軸46に案内されて移動し、この間に
キャリッジ48に搭載された4つの記録ヘッドからなる
ヘッドユニット49からインク吐出を行うことにより記
録走査が行われる。
【0018】すなわち、キャリッジ48には、ヘッドユ
ニット49が搭載され、このユニットは、インクの色が
シアンのヘッド49C、同様にマゼンタのヘッド49
M、イエローのヘッド49Y、ブラックのヘッド49B
kからなり、キャリッジ48においてこの順序で配列さ
れている。そして、各ヘッドには対応するインクのイン
クタンクが一体に接続されている。キャリッジ48の図
中矢印P方向への走査にともない、各記録ヘッド49
C,49M,49Y,49BKにおける吐出口配列幅
(以下、記録幅という)で記録を行う。その後、記録シ
ートは上記記録幅分だけ矢印44方向に搬送される。こ
の動作を繰り返すことにより、記録紙40の所定領域に
カラー画像の記録が行われる。本実施形態では、各ヘッ
ドは400DPIの密度で256個の吐出口を有し、こ
れにより、1走査の記録幅は16.256mmとなる。
キャリッジ48の往復動作は、キャリッジモータ(パル
スモータ)51の駆動力がタイミングベルト47を介し
てキャリッジ48に伝えられることにより行われ給送ロ
ーラ(シート送りローラ)43はシート送りモータ52
の駆動力によって回転駆動される。
【0019】記録動作を制御する制御回路53はCPU
等で構成され、リーダー部54に対してはリーダー制御
信号55を出力し、読み取りおよび読み取り信号の転送
を指示し、さらに、画像処理回路56に対しては画像処
理制御信号57を出力し上記転送された信号に対する所
定の画像処理の実行を指示する。また、各記録ヘッド4
9C,49M,49Y,49Bkに対してはそのドライ
バに記録ヘッド制御信号および吐出データを送り吐出を
行わせるとともに、キャリッジモータ51を駆動するキ
ャリッジモータドライバ58に対しては、上記吐出のタ
イミングに関連させてキャリッジモータ制御信号59を
出力し記録走査を実行させる。また、シート送りモータ
52を駆動するシート送りモータドライバ61に対して
は、シート送りモータ制御信号62が出力され、これに
より記録シート40の搬送が実行される。
【0020】なお、画像情報供給源としてのリーダー部
54は、パーソナルコンピュータ等のホスト装置であっ
てもよい。
【0021】リーダー部54によって読取られた各イン
ク色ごとの画像情報「C」,「M」,「Y」は前記画像
処理回路56へ入力し、以下の画像処理がなされる。な
お、リーダー部54から入力する信号C,M,Yはリー
ダー部54のCCDが読み取ったレッド信号R,グリー
ン信号G,ブルー信号Bをそれぞれ対数変換してその値
の大小を反転させたものである。
【0022】画像処理回路56では、まず信号C,M,
Yに対して以下の式に示す黒抽出を行う。
【0023】 Bk=min(C,M,Y) …(1) 続いてつぎのようなマスキング処理を行う。
【0024】 C′=a11C+a12M+a13Y+a14Bk …(2) M′=a21C+a22M+a23Y+a24Bk …(3) Y′=a31C+a32M+a33Y+a34Bk …(4) Bk′=a41C+a42M+a43Y+a44Bk …(5) 上記式における各マスキング係数a11〜a44は、以下で
説明するように記録条件に応じて色再現性が最も良くな
るように設定されるものである。
【0025】以上、画像処理回路56で得られた信号
C′,M′,Y′,Bk′は制御回路53に送られ、制
御回路53ではこれらの画像信号に基づいて各記録ヘッ
ド49C,49M,49Y,49Bkへ吐出データおよ
びその制御信号を出力する。各記録ヘッドはこれらの信
号に基づいてそれぞれの色のインクを吐出する。
【0026】以上のように、4個の記録ヘッドを用い、
4色のインクをそれぞれの記録ヘッドから吐出して、記
録シート上にカラー画像を形成する本実施形態のカラー
インクジェット記録装置が構成される。
【0027】ところで、本実施形態の記録装置では、所
定領域を1回の走査で記録する1回走査モードが通常の
モードとして設定されており、これに対し、2回の走査
で記録する2回走査モードを選択することができ、その
選択はモード選択部65において行われる。すなわち、
1回走査モードの時は、1回の走査でC,M,Y,Bk
の4色のインクを吐出しカラー記録を行う。この時、制
御回路53は、画像処理回路56における、前述のマス
キング係数a11〜a44を、1回走査記録時の色再現性が
最もよくなるような係数として設定する。
【0028】また、インク吸収性が劣る記録シートで高
画質を得たい場合等には、モード選択部65により2回
走査モードが選択され、これにより、制御回路53は、
各記録ヘッドのインク吐出、キャリッジによる走査、シ
ート送りを制御して、図2に示すような記録を行う。
【0029】図2において、キャリッジによる1回目の
往時走査(図1および図2中の矢印P方向の走査)でシ
アン、ブラックの2つのヘッドから吐出を行い、記録シ
ートの搬送を行わないまま、2回目の同方向の走査でマ
ゼンタ、イエローの2つの記録ヘッドからインク吐出を
行う。そして、以上の2回の走査を終了すると、記録ヘ
ッドにおける前述の記録幅分だけ記録シートを図中矢印
44の方向へ搬送する。以後、このシーケンスを繰り返
えすことにより画像記録を行っていく。
【0030】また、このとき、制御回路53(図1参
照)は、画像処理回路56(図1参照)において、前述
の(2)〜(5)式におけるマスキング係数を、1回目
の走査でシアン、ブラックで記録し、2回目の走査でマ
ゼンタ、イエローで記録した時の色再現性が最も良くな
るように設定する。
【0031】マスキング係数の設定は、種々の色原稿を
読み取りそれに基づいて記録を行ない、その時の記録結
果の色度が色原稿の色度に最も近くなるように最小自乗
法で最適化するなど、周知の方法を用いて行うことがで
きる。このとき、記録結果の色味について、一般的には
つぎのような傾向がある。
【0032】記録紙上に形成されるインクドットの色味
はインクの吐出順序によって左右され、一般に先に吐出
されたインクの色味が強くでる傾向がある。たとえば、
シアンとマゼンタを混色させてブルーを記録する場合、
シアンインクを先に吐出すればシアンの強いブルーにな
り、マゼンタインクを先に吐出すればマゼンタの強いブ
ルーになる。これは、先に吐出されたインクは比較的記
録紙の表面近傍にとどまるが、2番目に吐出されたイン
クは、表面近傍が1色目のインクに占められているため
に記録紙の厚み方向に浸透してしまうためと考えられ
る。このため、表面近くに1色目のインク染料が多く溜
まり、色味も1色目の色が強くなるものと考えられる。
【0033】従って、マスキング係数は1回目の走査で
吐出されるインクの量が相対的に少なくなるような係数
に設定される。本実施形態の場合、1回走査モード時の
吐出順序は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの
順であるが、2回走査モードで記録する場合には第1走
査でシアン、ブラック、第2走査で、マゼンタ、イエロ
ーの順になる。このため、本実施形態では、2回走査モ
ード時には、上記(3)式におけるM′が通常時よりも
多くなるように、また(5)式におけるBk′が通常時
よりも少なくなるように、マスキング係数a11〜a44
設定する。このような係数の設定の仕方は、係数の組み
合わせによって何種類にもなるが、一般的には1回走査
モードでのa22よりも2回走査モードでのa22を大きく
し、1回走査モードでのa44よりも2回走査モードでの
44を小さくする。
【0034】このように、2回走査モードでの記録時に
そのモードに応じた色処理パラメータの変更を行うこと
によって、いずれのモードでも良好な色再現を得ること
ができる。なお、これら色処理パラメータとしてのマス
キング係数は、制御回路53における所定のメモリに予
め格納されるものである。
【0035】(第2実施形態)上記第一の実施形態で
は、2回走査モードにおける各走査で用いる記録ヘッド
の組み合わせが予め定まっている場合を説明したが、こ
の組み合わせが固定されておらず、種々の条件で変更さ
れる場合がある。本実施形態はそのような場合に対応し
たものである。
【0036】例として、上記第1実施形態で用いた装置
のように、1回目の走査でシアンとブラックを吐出し、
2回目の走査でマゼンタとイエローを吐出する装置にお
いて用いるヘッドの組合せが変更される場合について説
明する。すなわち、画像によっては上記組み合わせでは
2回走査の効果が得られない場合がある。例えば、画像
がほとんど赤1色の画像を記録する場合、赤色を再現す
るためには、マゼンタとイエローを重ね合わせるが、こ
の2色のインクは同一の走査で吐出されるため、1回走
査モードの時と比較して、インク吸収等の観点から記録
走査を2回に分割した効果が得られないことになる。
【0037】このように、記録する画像によっては、2
回に分割した効果が得られる組み合わせが異なる場合が
あり、組み合わせを固定したままでは、2回走査の効果
がまったく得られない場合も生じる。一方、各走査にお
ける記録ヘッドの組み合わせを画像に応じて変更する
と、そのつど記録物の色相が変化することがある。本実
施形態はそのような場合でも、常に、良好な色再現性が
得られるようにしたものである。
【0038】本実施形態に係るインクジェット記録装置
の概略図を図3に示す。
【0039】同図に示すように、本実施形態では、上記
第1実施形態に示したモード選択部が第1モード選択部
65として設けられ、その他に第2モード選択部67が
設けられる。この第2モード選択部67で2回走査モー
ドが選択されると、リーダー部54において原稿をプレ
スキャンし、これに基づいて2回走査モード時の記録ヘ
ッドの組み合わせが決定される。すなわち、このモード
が選択されると、図4に示す処理手順が起動され、まず
プレスキャンモード信号68が制御回路53に送られ、
制御回路53はこの信号に応じて、リーダー部54に対
するリーダー制御信号55によってリーダーを制御し原
稿のプレスキャンを行わせる。すなわち、リーダー部5
4は原稿を走査し、読み取った信号C,M,Yを画像処
理回路56に送る(図4のステップS1)。画像処理回
路56は、これらの信号に対して上記(2)〜(5)式
にしめしたマスキング処理を所定のマスキング係数を用
いて行い、C′,M′,Y′,Bk′を求め、これらを
制御回路53におくる。そして、制御回路53ではこれ
らの信号を色ごとに積算し、その結果として、各色毎の
信号量を、CT ,MT ,YT ,BkT を得る(ステップ
S2)。
【0040】次に、制御回路53は、以下の式により、
上記各信号の2つの組合せに関する和を求める(ステッ
プS3)。
【0041】 CMT =(CT +MT ) CYT =(CT +YT ) CBkT =(CT +BkT ) MYT =(MT +YT ) MBkT =(MT +BkT ) YBkT =(YT +BkT ) ここで、CMT は、上記リーダー部54で読取った原稿
を再現記録する場合に、シアンとマゼンタを同一走査で
記録した時のインク量に対応する信号量を表し、同様
に、CYT はシアンとイエローを、CBkT はシアンと
ブラックを、MYT はマゼンタとイエローを、MBkT
はマゼンタとブラックを、YBkT はイエローとブラッ
クを、それぞれ同一走査で記録した時のインク量を表
す。
【0042】続いて、ステップS4では以下の式で示す
演算を行う。
【0043】 CMYK=MAX(CMT ,YBkT ) CYMK=MAX(CYT ,MKT ) CKMY=MAX(CBkT ,MYT ) ここで、CMYKは、1回目の走査で(または2回目)
にシアン、マゼンタを記録し、2回目(または1回目)
にイエロー、ブラックを記録した時のインク量の多い方
の組み合わせのインク量を表す。同様に、CYMKは、
シアン、イエローとマゼンタ、ブラックの組み合わせの
場合のインク量の多い方の組み合わせのインク量、CK
MYはシアン、ブラックとマゼンタ、イエローの組み合
わせの場合のインク量の多い方の組み合わせのインク量
である。
【0044】ヘッドの組み合わせとしては、これらCM
YK,CYMK,CKMYのうち最も値が小さいものが
望ましい。これらの値が大きいときは、同一走査で吐出
されるインク量がより多くなり、ビーディング等前述し
た問題点が発生しやすいためである。インク量の少ない
方の組み合わせを同時に考慮する方法でも、もちろん本
発明は実施できるが、インク量が一定値以下の場合は問
題が発生しないため、本実施例ではインク量の多い組み
合わせのみを考慮するアルゴリズムとした。
【0045】従って、ステップS5,S6およびS7に
おいて、制御回路53はこれらの値が最も小さくなる組
み合わせをもとめる。その結果、例えば最小であるのが
CMYKの場合には、1回目の走査でシアン、マゼンタ
を記録し、2回目の走査でイエロー、ブラックを記録す
る組み合わせに設定する。なお、この組合せの設定に基
づく記録動作は、制御回路53が各記録ヘッドの吐出タ
イミングを制御することによって可能となる。この設定
とともに、上記第1実施形態と同様画像処理におけるマ
スキング係数を、この組み合せの記録で最適な色再現性
が得られるようなものに書き換える(ステップS8)。
なお、この組み合せの場合のマスキング係数は通常時、
すなわち1回走査モード時のものと同じでもよい場合が
ほとんどである。次に、最小になるのがCYMKの場合
には、1回目の走査でシアン、イエローを、2回目の走
査でマゼンタ、ブラックを記録する組み合わせに設定す
るとともに、マスキング係数をこの組み合わせで最適な
色再現性が得られるものに書き換える(ステップS1
0)。この場合、通常時よりもイエローインクが少なく
なるような、また、マゼンタインクが少なくなるような
係数とする。さらに、最小になるのがCKMYの場合に
は、1回目の走査でシアン、ブラックを記録し、2回目
の走査でマゼンタ、イエローを記録する組み合わせに設
定するとともに、マスキング係数を、この組み合わせで
最適な色再現性が得られるものにかきかえる(ステップ
S9)。この場合、上記第1の実施形態で説明した係数
と同じものとすることもできる。
【0046】以上のモード設定動作を終了すると、設定
した組合せによる2回走査モードの記録が可能な状態と
なり、記録命令があると、記録ヘッド、キャリッジモー
タドライバ、シート送りモータドライバをそれぞれ制御
して2回走査モードでの記憶を行う。
【0047】このように、実際に記録する原稿をプレス
キャンして最適な2回走査モードのヘッドの組み合わせ
を設定するとともに、その組み合わせで最適な色再現性
が得られるようなマスキング係数を設定することによ
り、ヘッドの組み合わせが変わっても常に良好な色再現
性を得ることができる。
【0048】(第3実施形態)上述の各実施形態では、
高画質対応モードとして2回走査モードを説明したが、
記録する画像によっては、2回に分割しただけでは画質
が不十分な場合がある。本実施形態は、そのような場合
に対応するものである。以下、図5を参照して本実施形
態の処理について説明する。
【0049】一般に、同一走査でビーディング等の問題
をおこさずに吐出できるインク量は、記録シートによっ
て定まる。本実施形態で用いる記録シートで問題をおこ
さずに同一走査で吐出できるインク量に対応した画像信
号量の最大値をTと予め求めておく。一方、図5に示す
ようにステップS101〜S107までは、上記第2実
施形態の図4に示すステップS7までの処理と同一の処
理を行ない基本的な記録ヘッドの組み合わせを決定す
る。それ以降のステップS108〜S110では、その
組み合せの同一走査で吐出されるインク量(に対応する
信号量)がTを越えているか否かを判断する。こえてい
なければ、上記第2実施形態と同様の制御を行うが、T
を越えている場合は、1個の走査での総インク量がTを
越えないように走査回数を増加させる。例えば、最小な
組合せがCMYKの場合であり、これがTを越えている
場合であって、CMT とYBkT のいずれもTを越えて
いるならば、1走査1色ずつ4回走査で画像記録を行う
ように設定するとともに、この記録条件で最適な色再現
性が得られるようなマスキング係数を設定する(ステッ
プS111)。また、いずれか一方のみがTを越えてい
る場合は、Tを越える組み合わせをさらに2回の走査に
分割し合計3回の走査で画像を記録するように設定する
とともに、設定された記録条件で最適な色再現性が得ら
れるようなマスキング係数を設定する(ステップS11
1)。
【0050】以上のマスキング係数の設定に際しては、
どの場合でも先に吐出されたインクの色味が強くなる傾
向があるので、先の走査で吐出されるインクの信号を相
対的に少なくし、後の走査で吐出されるインクの信号を
相対的に多くなるようなマスキング係数に設定する。
【0051】このようにすることで、記録操作の繰り返
し回数が3回以上になっても、最適な色再現性を得るこ
とができる。
【0052】(第4実施形態)上記第2及び第3の実施
形態では、原稿全体をプレスキャンして複数回走査の条
件を決定するものとしたが、原稿中、局所的に最適な条
件が変化することがあり、そのつど記録条件が変わるこ
とがある。そのような場合、1走査ごとに色相の異なる
画像が隣接しているため、色ムラが視覚的にさらに目立
ちやすくなる。本実施形態はそのような場合に対応する
ものである。
【0053】本実施形態では、原稿のプレスキャンを原
稿の1走査領域ごとに行う。すなわち、記録ヘッドの記
録幅である16.256mmごとに原稿をプレスキャン
し、その結果に基づき記録条件を1走査領域ごとに制御
する。制御の内容は上記第2または第3の実施形態で説
明したもののいずれを用いてもよいが、1走査領域ごと
にプレスキャンを行い、どのような複数回スキャン記録
条件で記録を行うかを1走査ごとに決定するとともに、
その記録条件で最適な色再現性が得られるマスキング係
数を1走査ごとに設定する。マスキング係数の設定のし
かたは第1ないし第3の実施形態で説明した方法と同一
のものとすることができる。
【0054】本実施形態によれば、1走査領域ごとに最
適なマスキング係数を設定できるため、記録すべき画像
において局所的に色相等に対する最適な記録条件が異な
る場合でも、このような局所的な相違を緩和し色ムラの
ない画像を得ることができる。
【0055】(第5実施形態)以上の各実施形態では、
色再現性を最適化するためにマスキング係数を変更する
ものとしたが、本実施形態ではマスキング処理後のガン
マ補正におけるガンマ係数を変更するものである。
【0056】すなわち、前述の(2)〜(5)式のマス
キング処理を行った後、つぎのようなガンマ補正を行
う。
【0057】 C″=γ1×C′ …(6) M″=γ2×M′ …(7) Y″=γ3×Y′ …(8) Bk″=γ4×Bk′ …(9) この処理において、複数回走査の記録条件に応じて、最
適な色再現性が得られるようなガンマ係数γ1〜γ4を
設定する。この場合、複数回走査により吐出順が通常時
よりも先になる色の係数は通常時よりも小さくし、後に
なる色の係数は大きくする。これにより、前述の各実施
形態と同様な効果が得られる。
【0058】なお、以上の各実施形態のうち、原稿画像
のプレスキャンをおこなうものについては、画像全体を
プレスキャンしてもよいが、原稿上の何点かをサンプリ
ングするようにしても良い。また、プレスキャンを行う
読み取り手段は記録すべき画像を読み取るためのものと
同一のものを用いれば装置構成が簡略になるという利点
があるが、必ずしも同一である必要はない。例えばプレ
スキャン用は読み取り精度がそれほど要求されないた
め、安価な読み取り手段でラフに読み取るようにすれ
ば、プレスキャンに要する時間を短縮できるという利点
も生ずる。
【0059】また、以上の各実施形態では、リーダー部
で原稿を読み取るものについて説明したが、本発明はこ
れに限ったものではなく、コンピュータやメモリー装置
から画像信号を直接入力するものであっても良い。この
場合には、制御回路は記録開始前に一旦入力画像信号を
サンプリングして、上述の方法により複数回走査条件を
決定した後、決定した条件にしたがって複数回走査での
画像記録を行うことができる。
【0060】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0061】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0062】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0063】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0064】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0065】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0066】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0067】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0068】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、記録ヘッドのn回の走査で記録を行う場合
に、その走査回数に応じて記録データ生成の際に用い
る、マスキングやガンマ補正にかかる記録データ生成パ
ラメータについて、n回の走査において先に吐出される
インクに係る記録データの上記生成パラメータを相対的
に小さくしてインク吐出量を少なくし、後に吐出される
インクに係る記録データの上記生成パラメータを相対的
に大きくしてインク吐出量を多く設定するので、先に吐
出されるインクの色味が強くなる点を調整し、記録画像
における色味の変化を抑制することができる。
【0070】この結果、例えばインク吸収性の観点から
複数回の走査で記録を行う場合等に、1回の走査による
記録画像を複数回の走査による記録画像の色味の差を解
消でき、常に一定した画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェット記
録装置の構成を示す説明図である。
【図2】上記第1実施形態による2回走査モードの記録
動作を説明する図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記
録装置の構成を示す説明図である。
【図4】上記第2実施形態によるモード設定処理の手順
を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態によるモード設定処理の
手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
40 記録シート 48 キャリッジ 49 記録ヘッドユニット 49C,49M,49Y,49BK 記録ヘッド 53 制御回路 54 リーダー部 56 画像処理回路 58 キャリッジモータドライバ 61 シート送りモータドライバ 65 モード選択部(第1モード選択部) 67 第2モード選択部

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出
    するインクジェットヘッドを用い、記録データに基づい
    て前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に対して
    相対的に走査させて記録を行うインクジェット記録装置
    において、 記録データによって表わされる記録すべき画像の走査領
    を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数で、最
    大は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該nが2
    以上の場合には各走査で互いに異なる色のインクを同じ
    走査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録制御手
    段と、 前記nの値を設定する設定手段と、 記録データを生成するとき、前記設定されたnの値に応
    じて、当該記録データの生成パラメータを設定するパラ
    メータ設定手段と、 を具え、前記生成パラメータはマスキング処理に係るパラメータ
    であり、前記n回の走査において先に吐出されるインク
    に係る記録データのパラメータを相対的に小さくしてイ
    ンク吐出量を少なくし、後に吐出されるインクに係る記
    録データのパラメータを相対的に大きくしてインク吐出
    量を多くした ことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出
    するインクジェットヘッドを用い、記録データに基づい
    て前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に対して
    相対的に走査させて記録を行うインクジェット記録装置
    において、 記録データによって表わされる記録すべき画像の走査領
    を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数で、最
    大は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該nが2
    以上の場合には各走査で互いに異なる色のインクを同じ
    走査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録制御手
    段と、 前記nの値を設定する設定手段と、 該設定されたnの値による各走査において、前記異なる
    色のインクの吐出順序を変更する順序変更手段と、 記録データを生成するとき、前記設定されたnの値およ
    び前記変更された吐出順序に応じて当該記録データの生
    成パラメータを設定するパラメータ設定手段と、 を具え、前記生成パラメータはマスキング処理に係るパラメータ
    であり、前記n回の走査において先に吐出されるインク
    に係る記録データのパラメータを相対的に小さくしてイ
    ンク吐出量を少なくし、後に吐出されるインクに係る記
    録データのパラメータを相対的に大きくしてインク吐出
    量を多くした ことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出
    するインクジェットヘッドを用い、記録データに基づい
    て前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に対して
    相対的に走査させて記録を行うインクジェット記録装置
    において、 記録データによって表わされる記録すべき画像の走査領
    を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数で、最
    大は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該nが2
    以上の場合には各走査で互いに異なる色のインクを同じ
    走査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録制御手
    段と、 前記nの値を設定する設定手段と、 記録データを生成するとき、前記設定されたnの値に応
    じて、当該記録データの生成パラメータを設定するパラ
    メータ設定手段と、 を具え、前記生成パラメータはガンマ変換に係るパラメータであ
    り、前記n回の走査において先に吐出されるインクに係
    る記録データのパラメータを相対的に小さくしてインク
    吐出量を少なくし、後に吐出されるインクに係る記録デ
    ータのパラメータを相対的に大きくしてインク吐出量を
    多くした ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 複数のそれぞれ異なる色のインクを吐出
    するインクジェットヘッドを用い、記録データに基づい
    て前記複数のインクジェットヘッドを記録媒体に対して
    相対的に走査させて記録を行うインクジェット記録装置
    において、 記録データによって表わされる記録すべき画像の走査領
    を、インクジェットヘッドをn回(nは自然数で、最
    大は前記異なるインクの数)走査させ、かつ当該nが2
    以上の場合には各走査で互いに異なる色のインクを同じ
    走査領域に吐出して記録を行うことが可能な記録制御手
    段と、 前記nの値を設定する設定手段と、 該設定されたnの値による各走査において、前記異なる
    色のインクの吐出順序を変更する順序変更手段と、 記録データを生成するとき、前記設定されたnの値およ
    び前記変更された吐出順序に応じて当該記録データの生
    成パラメータを設定するパラメータ設定手段と、 を具え、前記生成パラメータはガンマ変換に係るパラメータであ
    り、前記n回の走査において先に吐出されるインクに係
    る記録データのパラメータを相対的に小さくしてインク
    吐出量を少なくし、後に吐出されるインクに係る記録デ
    ータのパラメータを相対的に大きくしてインク吐出量を
    多くした ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記順序変更手段は、記録すべき画像を
    記録前に検知する手段と、該検知結果に応じて吐出順序
    を変更する手段とを有することを特徴とする請求項2ま
    たは4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録すべき画像を記録前に検知する
    手段は、原稿画像を記録前に読み取る手段であることを
    特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録すべき画像を記録前に検知する
    手段は、入力画像信号を記録前に検知する手段であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 前記複数のインクジェットヘッドは、イ
    ンク吐出に利用される熱エネルギーを発生する熱エネル
    ギー発生体を有したことを特徴とする請求項1ないし7
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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