JP3174289B2 - リチウム二次電池における初充電時のガス抜き方法 - Google Patents

リチウム二次電池における初充電時のガス抜き方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
の初充電時に発生するガスを外部に排出するためのガス
抜き方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、リチウム二次電池は、正極活物
質として、遷移金属のリチウム含有酸化物、すなわち層
状構造を有するLiMO2 あるいはスピネル構造を有す
るLiM2 4 (但しMは遷移金属、例えばコバルト、
マンガン、ニッケル鉄のいずれか)などを用いると共
に、負極物質としてカーボン材料を用い、正極と負極と
の間で一方が放出したリチウムイオンを他方が吸蔵する
という可逆反応によって充放電を行うものである。
【0003】かかるリチウム二次電池においては、その
初充電時に内部にガスが発生し、内圧が上昇するという
問題がある。
【0004】この問題に対しては、従来、次のような対
策方法とっていた。 (1)リチウム二次電池の構造上、初充電時の内圧上昇
に対して十分耐え得るような機械的強度を持たせるべ
く、電池缶に、肉厚の厚い缶を使用する。 (2)リチウム二次電池の製造時に電池缶を開放にして
初充電を行う。つまり、構造上、電池缶をガスが抜ける
状態にしておき、電池内部が外部に開放された状態のも
とで初充電を行い、同時にガス抜きを行う。ガス抜き
後、電池缶を完全密封する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の厚い缶を使用するという方法では、電池缶の内
容積が少なくなり、リチウム二次電池の電池容量が小さ
くなるという問題がある。
【0006】これに対し、上記(2)の方法では、先に
ガス抜きしてから電池缶を密封するので、電池缶の肉厚
を薄く作製しておくことができるという長所が得られ
る。しかし、リチウム二次電池の内部を開放にして初充
電を行うという従来のガス抜き方法では、次のような問
題点がある。 (イ)初充電時に電池内部が外部に開放されるため、電
解液が蒸発して、電池特性が悪くなる。 (ロ)また、封口部に電解液成分が付着し、封口不良が
発生する。この封口の信頼性を向上させるため、封口部
に付着した電解液成分を拭き取る工程が必要である。 (ハ)更に、充電中の厳密な湿度管理が必要である。す
なわち、充電中は、相対湿度1〜2%という乾燥した環
境を確保する必要があるが、かかる環境を通常の空気調
和機で達成することは困難である。このため、特別の乾
燥室を用意する必要がある。
【0007】本発明は以上の様な従来の課題に鑑みてな
されたものであり、その目的は、リチウム二次電池にお
いて、充電中の厳密な湿度管理を必要とせずに、初充電
時の発生ガスを放出させることができ、しかも封口不良
や電池特性の悪化を来すことがない初充電時のガス抜き
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、リチウム二次電池における初充電時の
ガス抜き方法は、次のように構成した。
【0009】即ち、請求項1に係る初充電時のガス抜き
方法では、リチウム二次電池の電池缶に缶内部に向けて
窪ませられて形成された凹部内の最下端部に設けられた
注液口から電解液を注入した後、該凹部内に、自重で該
注液口に落ち込んで該注液口を塞ぐ金属球を装填すると
ともに、注液口の周囲と金属球との隙間に電解液に対し
て不溶解性の油状物を注入し、この状態で初充電を行
い、該充電時に缶内部に発生するガスの圧力で該金属球
を浮上させて該ガスを排出させた後、該金属球と該注液
口とを抵抗溶接によって封口することを特徴とする。
【0010】
【0011】上記構成による初充電時のガス抜き方法に
よれば、初充電前にあっては凹部内の金属球が底部中央
の注液口を塞いでいる。しかし、初充電中にガスが発生
し内圧が高くなると、ガスが金属球を押し上げて浮上さ
せるとともに、油状物質の間からガスが放出される。こ
のとき、放出されるガスにより油状物質や外気は外方に
押しやられるから、当該初充電中に油状物質や外気が電
池缶内に入り込むことはない。内圧が下がると同時に金
属球が下がり注液口が塞がる。
【0012】即ち、金属球及び油状物質が逆止弁作用を
する。このため、従来のように相対湿度1〜2%という
乾燥した特別の乾燥室を用意することは必要なくなり、
通常の空気調和機を利用した作業室で初充電を行うこと
ができるようになる。よって、充電中の湿度管理が極め
て容易となる。
【0013】また、金属球の表面や当該金属球と注液口
との隙間内には、油状物質により皮膜が形成されるた
め、初充電時のガス発生に伴い電池缶内の注液口に向け
て電解液成分の飛沫が飛来してきても、この飛沫は油状
物質の皮膜に付着して落下し、電池缶内に回収される。
このため、従来のように、初充電終了後に封口部に乾燥
した電解液成分が白い粉状に残ることはなく、封口部に
付着した電解液成分を拭き取る工程を必要としない。従
って、封口部の信頼性が向上する。
【0014】更に、上記初充電を行った後、金属球と電
池缶との間を抵抗溶接により封口するので、金属球を初
充電中に上記逆止弁として機能させるだけでなく、溶接
電極の接触子としての作用を行わせることができ、製造
工程の簡易化を図れる。また、注液口の周囲に電解液の
付着が生じないので、これによるトラブルが起きること
がない。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明に係るガス抜き方法が採用さ
れた扁平角形リチウムイオン二次電池の全体構成を概略
的に示す分解斜視図であり、図2はそのガス抜き構造を
示す縦断面図、図3はそのガス抜き構造を示す平面図で
ある。図1に示すように、偏平角形リチウムイオン二次
電池は、正極板と負極板とをセパレータを介して非円形
にスパイラル状に巻回してなる電極体12と、この電極
体を収納する電池缶1、及びこの電池缶1の上部開口を
密閉する缶蓋1aとから主になり、この缶蓋1aに設け
られた電解液の注液部2に本発明に係るガス抜き方法
適用されている。
【0018】当該注液部2は缶蓋1aに円形に形成され
た鍋底状の凹部3と、この凹部3の最下端部である底壁
3a中央に同心的に開口形成された注液口5と、この凹
部3内に入れられている金属球4とを有する。ここで、
凹部3の直径D1は金属球4の直径Mの2倍以下(D1
≦2M)に設定され、深さHは金属球4の半径M/2以
上(H≧M/2)に設定されている。また、底壁3a中
央に開口された注液口5の直径D2は、金属球4の直径
Mよりも小さく形成されている。注液口5の周縁部の中
央側底壁部6には、半径R1の丸みが付けられて下方に
湾曲されてカール加工されており、金属球4が凹部3内
の注液口5を密に閉塞し得るようになっている。また、
その湾曲開始点7から鍋底状凹部3の周壁3bまでの幅
(距離)Wは金属球の半径M/2以下(W≦M/2)に
設定されている。
【0019】即ち、上記凹部3の内径D1及び深さH、
注液口5の直径D2、金属球4の直径M、そして周壁3
bから湾曲開始点7までの幅Wの相互の寸法的関係は、
常に金属球4が自重で凹部3内の注液口5に落ち込ん
で、当該注液口5を塞ぐようになっている。つまり、凹
部3の内部形状は、金属球4が自重で自動的に注液口5
に落ち込んでこれを安定的に塞ぐような形状にされてい
る。具体的には、通常は、凹部3内の金属球4が底部中
央に形成されている注液口5を塞いでいるが、図2に
(イ)又は(ロ)で示したように、凹部3の半径方向最
外部に金属球4が移動して周壁3bに接しているような
場合にあっても、当該金属球4の中心(重心)8は注液
口5の周縁部6の下方への湾曲開始点7よりも内側にあ
って、注液口5側に位置するという関係になるように形
成されている。なお、凹部3の電池缶表面側との境界を
なす外周縁部9には半径R2による丸みが付けられ、ま
た、凹部3の底壁3aから周壁3aにかけても半径R3
による丸みが付けられている。
【0020】また、凹部3内の注液口5の周囲と金属球
4との隙間には、凹部内に付着する電解液成分を滑らせ
て電池缶1内に戻すため、電解液に対して不溶解性の油
状物から成る滑面物質11が注入されている。この滑面
物質11は、具体的にはポリブテン(分子量約300)
から成る。このポリブテンは、多少電池缶1内に入って
も支障のないものであるが、できるだけ入れないように
するため、上記のように凹部3は鍋底状に形成して、こ
こに貯留させる形でポリブテンを設けている。なお、こ
のポリブデンは粘性が高く、水飴状の流動性を呈する。
【0021】上記の如く構成される注液部2の金属球4
と滑面物質11とは、注液口5から電解液を注液した後
に、凹部3内に設けられる。即ち、注液後に先ず金属球
4が凹部3内に装填され、金属球4が注液口5に落ち込
んでこれを塞いでいる状態で、更に滑面物質11が注入
される。その後に、リチウムイオン二次電池に対して初
充電が行なわれる。
【0022】初充電中の注液部2の働きは次のようにな
る。即ち、初充電の開始当初においては、図4(a)に
示す如く、注液口5は金属球4により塞がれ、その外周
囲を油状物から成る滑面物質11が取り巻いて密封して
いる。初充電中にガスが発生して電池缶1内の内圧が高
まると、図4(b)に示す如く、ガスにより金属球4が
押し上げられて浮上し、油状物質11の間から、ガスが
電池缶の外部に放出される。内圧が下がると、同時に金
属球4が下がり、注液口5が閉塞される。つまり、金属
球4は逆止弁として機能する。そのあいだ、油状物質か
ら成る滑面物質11は放出されるガスによって外周囲に
押しやられるから、電池缶1内に流れ込むことはなく、
また外気も入ることはない。
【0023】上記初充電中には、電池缶1の内部で注液
口5やその近傍に向けて電解液成分の飛沫が飛来してく
るが、金属球4の表面及び金属球4と注液口5との缶の
隙間には、油状物質から成る滑面物質11による皮膜が
形成されているため、この電解液成分は滑面物質11に
付着することとなる。すなわち、滑面物質11の働きに
より、電解液成分は当該滑面物質11上を滑り落ち、電
池缶1内に戻される。このため、従来のように、封口部
に電解液成分が付着したままとなって乾燥した白い粉状
に残ることはなく、封口部の信頼性が向上する。
【0024】上記初充電を行った後、図5に示すよう
に、電池缶1を抵抗溶接の相手側電極13上に置き、抵
抗溶接機の電極14を、注液部2の凹部3内にある金属
球4に押し当て、金属球4と電池缶1との間で抵抗溶接
により封口する。金属球4が押されて注液口5の縁部6
に接触した時点で、すなわち金属同士が接触した時点で
電気的に導通するので、自動的に抵抗溶接が開始され
る。この際、油状物質11は溶接を阻害することはな
く、電解液付着によるトラブルも避けられる。
【0025】<実施例>正極活物質としてLiCoO2
を91重量部、導電剤として黒鉛を4重量部、バインダ
としてPVDFを5重量部混合し、適量のNメチルピロ
リジノンを加えよく混合し、塗料状とした。一方、黒鉛
90重量部と、PVDF10重量部とを混合し正極と同
様に適量のNメチルピロリジノンを加えよく混合し塗料
状とした。
【0026】続いて、正極集電体として20μmのAl
箔、負極集電体として10μmのCuを用いて、先ず片
面に塗布を行い、乾燥後もう片方の面にも同様に塗布、
乾燥を行った。両面塗布を行った電極をロール圧延し
て、圧延後の正極は220μm、負極は130μmとし
た。
【0027】続いて正極については幅31mm長さ33
0mm、負極については幅33mm長さ380mmに切
り出し正極端部には厚さ100μmの短冊リード板15
を、負極部には厚さ50μmの短冊状リード板16を溶
接した。
【0028】以上作製した電極と厚さ25μm、幅35
mmのポリプロピレン製微多孔膜をセパレータに用い
て、幅29mm×高さ35mm、厚さ7mmの、断面が
長円状の電極体12(図3)を作製した。
【0029】該電極体の上下に絶縁シートを配置し、電
池缶1内に該電極体12を収納し、ニッケルリード板1
6の一端を缶の開口部付近に溶接接合し、蓋に形成され
た正極端子17の内側部の一端に正極リード板15の一
端を溶接して、その缶蓋1aにより缶1の開口部を閉じ
てから、その周囲をレーザ溶接により接合して一体化
し、30mm×40mm×8mmの偏平角形リチウムイ
オン二次電池(700mAh)を作製した。
【0030】缶蓋1aには前述の本発明によるガス抜き
構造を備えた注液部2が形成されており、この注液部2
の注液口5から充分な量の電解液を注入し、その後、注
液部2の凹部3内に金属球4を装填した。この金属球4
はステンレス球(直径M=3mm)を用いた。また、注
液部2の凹部3は、深さH=約2mm、内径D1=φ
4.5mm、注液口5の直径D2=φ1.8mmとし
た。また、金属球4と凹部3との隙間には油状物から成
る滑面物質11としてポリブテン(分子量約300)を
注入した。
【0031】次に、初充電を行った。この初充電は、7
0mAで、4.1Vまで行った。初充電の開始から約3
時間はガス発生が続いたが、その後は発生しなかった。
【0032】爾後、抵抗溶接機を用いて、注液部2を封
口した。これは、図5に示すように、電池缶1を抵抗溶
接の相手側電極13上に置き、抵抗溶接機の電極14を
注液部2の金属球4に押し当て、金属球4と電池缶1と
の間で抵抗溶接することにより封口した。
【0033】一方、同じ規格の扁平角形電池について、
注液部を塞いで電池缶1を密閉状態にしてから初充電を
行ったリチウムイオン二次電池と、注液部を開放状態に
してガス抜きをしながら初充電を行った後にその注液部
を塞いで密封したリチウムイオン電池とを比較例として
試作した。開放状態でガス抜きをしたものについては、
電解液成分を良く拭き取って、スポット溶接を行った。
なお、初充電は同じく70mAで、4.1Vまで行っ
た。
【0034】そして、これら3種の角形電池に対し、更
にサイクル試験を行った。このサイクル試験の結果を図
6のグラフに示す。この図6中において、aは本発明に
係る角形電池の場合を、bは開放状態でガス抜きをした
角形電池の場合を、cは密閉状態でガス抜きをせずに初
充電した角形電池の場合をそれぞれ示す。
【0035】図6から明らかなように、本発明の角形電
池aにおける第1サイクルの容量を100としたとき、
開放状態でガス抜きをした角形電池bの容量は、それよ
り10%近く容量が低い。これは開放状態でガス抜きを
する結果、水分の侵入、電解液の組成変化があるためと
考えられる。また、密閉状態にしてガス抜きをしなかっ
た角形電池cの場合は、ガスが内部に溜まり約1mmの
膨らみが発生した。また、電極の接触の不安定さが原因
と考えられる充電サイクルでの容量変動があった。
【0036】このように本発明の角形リチウム二次電池
は、効率よくガスを放出することができ、封口も、電解
液成分拭き取り工程が不要で電池特性も良好であった。
【0037】
【発明の効果】以上に詳しく説明したように、本発明に
かかるリチウム二次電池における初充電時のガス抜き方
法によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0038】(1)初充電前にあっては凹部内の金属球
と油状物質とで注液口を密封し、初充電中にガスが発生
し内圧が高くなった場合に、ガスで金属球を押し上げて
浮上させ、油状物質間を通じてガスを放出させ、内圧が
下がると金属球の自重で注液口を自動的に塞ぐという逆
止弁として機能を、金属球及び油状物質に行わせること
ができ、よって従来のように相対湿度1〜2%という乾
燥した特別の乾燥室を用意する必要はなく、通常の空気
調和機を利用した作業室で初充電を容易に行うことがで
きるようになり、充電中の湿度管理が極めて容易とな
る。
【0039】(2)金属球の表面や当該金属球と注液口
との隙間内には、油状物質により皮膜が形成されるた
め、初充電時のガス発生に伴い電池缶内の注液口に向け
て電解液成分の飛沫が飛来してきても、この飛沫は油状
物質の皮膜に付着して落下し、電池缶内に回収されるの
で、従来のように、初充電終了後に封口部に乾燥した電
解液成分が白い粉状に残ることはなく、封口部に付着し
た電解液成分を拭き取る工程を必要としない。従って、
封口部の信頼性が向上する。
【0040】(3)初充電を行った後に、金属球を電池
缶に抵抗溶接で固着して注液口を封口するので、金属球
を初充電中に逆止弁として機能させるだけでなく、溶接
電極の接触子としての作用をおこなわせることができ、
製造工程の簡易化を図れる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る初充電時のガス抜き方法を採用す
るためのガス抜き構造が備えられたリチウム二次電池の
組立状態を示した斜視図である。
【図2】図1のリチウム二次電池に形成される注液部の
構成を示した断面図である。
【図3】図1のリチウム二次電池に形成される注液部の
構成を示した平面図である。
【図4】上記注液部における金属球の作用を示したもの
で、(a)は金属球が閉塞状態にあるときの図、(b)
は金属球との間からガスが抜ける状態を示した図であ
る。
【図5】図1のリチウム二次電池を製造する際の金属球
の抵抗溶接の仕方を示した図である。
【図6】本発明による初充電時のガス抜き方法を採用し
て製造されたリチウム二次電池の充電サイクル特性と、
従来のガス抜き方法で製造した電池の充電サイクル特性
とを比較して示したグラフである。
【符号の説明】
1 電池缶 2 注液部 3 凹部 3a 底壁 3b 周壁 4 金属球 5 注液口 6 底壁の内周部 7 湾曲開始点 8 金属球の中心 11 滑面物質 12 巻回体 13 相手側電極 13 抵抗溶接機の電極 17 正極端子 D1 凹部の内径 D2 注液口の直径 H 凹部の深さ M 金属球の直径 W 湾曲開始点から凹部の周壁までの幅(距離)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 吉郎 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−321293(JP,A) 特開 平9−129203(JP,A) 特開 平9−199174(JP,A) 特開 平8−7868(JP,A) 特開 平2−65052(JP,A) 特開 昭63−314775(JP,A) 実開 平5−6689(JP,U) 実開 平6−70156(JP,U) 実開 昭61−30964(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/12 101 H01M 10/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム二次電池の電池缶に缶内部に向
    けて窪ませられて形成された凹部内の最下端部に設けら
    れた注液口から電解液を注入した後、該凹部内に、自重
    で該注液口に落ち込んで該注液口を塞ぐ金属球を装填す
    るとともに、該注液口の周囲と該金属球との隙間に電解
    液に対して不溶解性の油状物を注入し、この状態で初充
    電を行い、該充電時に缶内部に発生するガスの圧力で該
    金属球を浮上させて該ガスを排出させた後、該金属球と
    該注液口とを抵抗溶接によって封口することを特徴とす
    るリチウム二次電池における初充電時のガス抜き方法。
JP25324597A 1997-09-18 1997-09-18 リチウム二次電池における初充電時のガス抜き方法 Expired - Fee Related JP3174289B2 (ja)

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