JP3174130U - プレス成形品の連続熱処理装置 - Google Patents

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新潟ファーネス工業株式会社
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Abstract

【課題】 プレス装置より、1個または複数個ずつ成形されてくるワークを、連続して、均一に熱処理することができるとともに、処理時間を、従来のものより、著しく短縮しうるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置を提供する。
【構成】 プレス装置によりプレス成形されたワークを、低速で回走される広幅の耐熱搬送手段4上に載置して、熱処理炉1内を通過させるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置において、耐熱搬送手段4の入り口側の上方に、先端部が耐熱搬送手段4のほぼ全幅に亘って往復移動するようにした首振り搬送手段8を設け、この首振り搬送手段8の基端部に、プレス装置によりプレス成形されたワークを搬送する第1搬送手段18の排出端部を接続する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、自動車エンジン用のリテーナ、エンジンバルブ、タペット等のプレス成形品の連続熱処理装置に関する。
上記のようなプレス成形品の従来の加工工程においては、プレス装置により、1個または複数個ずつ成形されたプレス成形品(以下ワークという)を、一旦網かごやトレイ等の容器に収容した後、それを溶体化炉に入れて、溶体化処理を行い、次いでそれを、網かごごと水槽に浸漬して、冷却し、その後、時効炉に入れて、時効処理を行っている(例えば特許文献1および2参照)。
特開2005−48264号公報 特開平6−146826号公報
しかし、上述のような従来の熱処理工程では、作業がすべて、ワークを網かご等の容器に収容した状態で、バッチ方式で行われているので、全体の加工時間が長くなるとともに、容器内の外周寄りのワークに較べて、中央部のワークの温度が上昇し難く、加工後のワークの硬度にばらつきが生じるおそれがあり、それを防止するため、在炉時間をさらに長くしなければならない。
本考案は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、プレス装置より、1個または複数個ずつ成形されてくるワークを、連続して、均一に熱処理することができるとともに、処理時間を、従来のものより、著しく短縮しうるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置を提供することを目的としている。
本考案によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)プレス装置により成形されたワークを、低速で回走される耐熱搬送手段上に載置して、熱処理炉内を通過させるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置において、前記耐熱搬送手段の入り口側の上方に、前端部が耐熱搬送手段のほぼ全幅に亘って往復移動するようにした首振り搬送手段を設け、この首振り搬送手段の基端部に、前記プレス装置によりプレス成形されたワークを搬送する第1搬送手段の排出端部を接続する。
このような構成とすると、プレス装置によりプレス成形されたワークは、第1搬送手段と首振り搬送手段とを介して、耐熱搬送手段上に、その幅方向に均一に分散されて載置され、熱処理炉内を低速で通過させられる。
したがって、プレス成形されたワークは、連続して、均一に熱処理することができるとともに、処理時間を、従来のバッチ式のものに比して、著しく短縮しうるとともに、加工後のワークの硬度にばらつきが生じるのを防止することができる。
(2)上記(1)項において、首振り搬送手段が、基端部から前端部に向かってワークを搬送する供給コンベヤと、この供給コンベヤの基端部を、垂直軸回りに回動可能に支持する支持軸と、前記供給コンベヤを、前記支持軸を中心として往復回動させる回動手段とを備えるものとする。
このような構成とすると、首振り搬送手段の構成を簡素化することができ、設備コストを低減することができる。
(3)上記(1)項において、首振り搬送手段が、基端部から前端部に向かって下向き傾斜する傾斜シュートと、この傾斜シュートの基端部を、垂直軸回りに回動可能に支持する支持軸と、前記傾斜シュートを、前記支持軸を中心として往復回動させる回動手段とを備えるものとする。
このような構成とすると、上記(2)項記載の考案におけるコンベヤを、駆動手段を必要としない傾斜シュートとしてあるので、首振り搬送手段の構成をより簡素化することができ、設備コストを低減することができる。
(4)上記(2)または(3)項において、回動手段が、支持軸から直角に突出するアームと、前記支持軸と平行に支持され、かつモータにより連続して回転させられるようにした上下方向を向く駆動軸と、駆動軸より直角に突出するクランクアームと、このクランクアームの先端部と前記アームの先端部とを連結し、前記駆動軸とクランクアームとの回転により、前記アームと支持軸とを往復回動させる連接棒とを備えるものとする。
このような構成とすると、回動手段の構成を簡素化することができ、設備コストを低減することができる。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、首振り搬送手段と耐熱搬送手段との間に、低速で回走される第2搬送手段を設け、首振り搬送手段により、ワークを、第2搬送手段上にほぼ全幅に亘って均一に並べ、冷却手段により冷却し、冷却後のワークを、前記耐熱搬送手段に移載するようにする。
このような構成とすると、熱間鍛造等により成形した直後のワークを、第2搬送手段上に均一に並べて冷却することにより、ばらつきの少ない焼き入れまたは溶体化を実施することができ、その後、直ちに耐熱搬送手段にワークを移載することにより、ワークの置割れを防止し、不良品の発生を抑えることができ、さらに、熱処理炉内の耐熱搬送手段上に、ワークが幅方向に均一に分散して供給されるので、必要最小限のエネルギーで、昇温および均等加熱することができ、エネルギーの有効利用を図ることができる。
本考案によると、プレス装置より、1個または複数個ずつ成形されてくるワークを、連続して、均一に熱処理することができ、処理時間を、従来のものより、著しく短縮しうるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置を提供することができる。
本考案の一実施形態の全体構成を概略的に示す縦断側面図である。 図1のII−II線より見た平面図である。 図2のIII−III線に沿う拡大縦断側面図である。 図3のIV−IV線に沿う横断平面図である。 首振り搬送手段の変形例を示す拡大縦断側面図である。
以下、本考案の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本考案の一実施形態の全体構成を概略的に示す縦断側面図である。
このプレス成形品の連続熱処理装置は、アルミニュウム合金を冷間鍛造して形成したプレス成形品であるワーク、すなわち自動車エンジン用リテーナを、いわゆるT6処理するためのものであり、溶体化炉1と水冷装置2と時効炉3とを順次接続したものよりなっている。熱処理炉である溶体化炉1と時効炉3とは、底部に、低速で回走される広幅の耐熱搬送手段であるネットコンベヤ(チェーンコンベヤとすることもある)4、5が設けられている。
溶体化炉1と時効炉3との入り口側端部(図1の左方の端部)の上壁は凹入段状に形成されており、その低位の上壁には、ネットコンベヤ4、5の入り口側端部上にワーク(図示略)を投入するための広幅のホッパ6、7が設けられている。
図1および図2に示すように、溶体化炉1の入り口側端部の後方(図1の左方)には、首振り搬送手段8が設けられている。
首振り搬送手段8は、溶体化炉1の後方に近接して設けた支持台9と、この支持台9の上面より上方に突出するようにして、支持台9に回転自在に枢支された上下方向を向く支持軸10と、この支持軸10の上端に基端部が支持され、かつ支持軸10と一体となって水平方向に回動することにより、先端部が、ホッパ6の全幅、およびその下方のネットコンベヤ4の入り口側端部の全幅に亘って往復移動するようにしたほぼ水平の供給コンベヤ11と、支持台9内に設けられ、供給コンベヤ11を、支持軸を中心として往復回動させる回動手段12とを備えている。
図3および図4に示すように、回動手段12は、支持軸10から直角に突出するアーム13と、支持軸10と平行に支持され、かつモータ14により連続して回転させられるようにした上下方向を向く駆動軸15と、駆動軸15より直角に突出するクランクアーム16と、このクランクアーム16の先端部とアーム13の先端部とを連結し、駆動軸15とクランクアーム16との回転により、アーム13と支持軸10と供給コンベヤ11とを往復回動させる連接棒17とを備えている。
供給コンベヤ11は、公知のネットコンベヤまたはベルトコンベヤによりなり、その基端部の上方より送られてくるワークを、基端部から前端部に向かって搬送する。なお、この供給コンベヤ11を駆動するモータ、およびそれへの給電線等は、図示を省略してある。
供給コンベヤ11の基端部の上方には、供給端部がプレス装置(図示略)に接続された、公知のネットコンベヤまたはベルトコンベヤからなる第1搬送手段18における排出端部が配設されており、この第1搬送手段18により、プレス装置によりプレス成形された直後の1個または複数個のワークが、連続して、供給コンベヤ11の基端部上に送られてくるようになっている。
溶体化炉1の前端部下面には、広幅のワーク排出口19が設けられており、これを通って、溶体化炉1内において熱処理を終えたワークが、ネットコンベヤ4の排出端から落下して排出され、その直下に配設された水冷装置2の水槽20内の冷却水21中に浸漬されるようになっている。
水槽20内の冷却水21には、広幅の傾斜コンベヤ22の供給側端部が浸漬されている。傾斜コンベヤ22は、水槽20から斜め前方に出た後、ほぼ水平となって、その排出側端部から、ワークを、時効炉3の入り口側のホッパ7を通して、時効炉3内のネットコンベヤ5の入り口側端部上に投入しうるようになっている。
溶体化炉1内のネットコンベヤ4と、時効炉3内のネットコンベヤ5と、水冷装置2の傾斜コンベヤ22とは、横幅がほぼ等しいものを用いるのがよい。そうすることによって、首振り搬送手段8により、ネットコンベヤ4上に均一に配設されたワークは、傾斜コンベヤ22上に落下されたときも、またネットコンベヤ5上に落下されたときも、幅方向にほぼ均一な状態を保って移載され、完成後の硬度のばらつきを抑えることができる。
時効炉3の前壁には、ワーク排出口23が設けられ、これを通って、ネットコンベヤ5の排出端部である前端部が前方に突出している。
次に、この装置の作用について説明する。
プレス装置によりプレス成形されたワークは、第1搬送手段18により、1個または複数個ずつ、連続して、首振り搬送手段8における供給コンベヤ11の基端部に搬送され、供給コンベヤ11においては、その基端部から前端部に向けて搬送されるとともに、供給コンベヤ11が、回転手段12により、支持軸10を中心として往復回動させられることにより、供給コンベヤ11の前端部から排出されるワークは、ホッパ6の長手方向における異なる部分を通って落下し、広幅のネットコンベヤ4上に載置される。
溶体化炉1内においては、ネットコンベヤ4は低速で回走させられているので、往復回動させられている供給コンベヤ11の前端部から、ホッパ6を通って落下してくるワークは、ネットコンベヤ4上に、その幅方向に均一に分散されて載置される。
溶体化炉1内は、適切な温度に維持されており、処理時間は、ワークがホッパ6よりネットコンベヤ4上に供給されてから、そのワークがネットコンベヤ4の排出端から、ワーク排出口19を通って排出されるまでの、ネットコンベヤ4の搬送速度と搬送距離とにより適切に定められている。
溶体化炉1内で、溶体化処理が終わったワークは、ネットコンベヤ4の排出端から、ワーク排出口19を通って、水冷装置2の水槽20内に落下され、水槽20内の冷却水21により急冷されて、焼き入れされる。
ネットコンベヤ4の排出端から、ワーク排出口19を通って、水槽20内に落下してきたワークは、水槽20内における傾斜コンベヤ22の供給側端部上に、ネットコンベヤ4上に載置されていたときとほぼ同様の均一な配置で載置され、その状態で、傾斜コンベヤ22の排出側端部から、ホッパ7を通って、時効炉3内のネットコンベヤ5の供給側端部上に供給される。このときも、ワークは、横長のホッパ7の全幅に亘って均一に分散されて落下するので、ネットコンベヤ5上においても、ワークは均一に配置される。
時効炉3内は、溶体化炉1におけるのと同様に、適切な温度に維持されており、処理時間は、ワークがホッパ7よりネットコンベヤ5上に供給されてから、そのワークが、時効炉3のワーク排出口23より排出されるまでの、ネットコンベヤ5の搬送速度と搬送距離とにより適切に定められている。
時効炉3内で熱処理を終えたワークは、時効炉3の前壁に設けたワーク排出口23より前方に突出したネットコンベヤ5の前端である排出端より排出され、図示を省略した他の搬送手段により、次の加工場所へ搬送される。
プレス成形されたワークは、上述のように、首振り搬送手段8により、ネットコンベヤ4上に均一に分散された後、常に幅方向に均一な配置を保ったまま、溶体化炉1と水冷装置2と時効炉3とを順次経て、熱処理されるので、完成後の硬度のばらつきを抑えることができる。
図5は、首振り搬送手段8の変形例を示す。
この例では、首振り搬送手段8における支持軸10の上端に、上述の供給コンベヤ11に代えて、基端部から前端部に向かって下向き傾斜する傾斜シュート30の基端部を固着し、回動手段(図示略)により、支持軸10が往復回動させられることにより、傾斜シュート30の先端部が、左右方向に回動して、ワークをネットコンベヤ4上に、ほぼ全幅に亘って、均一に分散させて供給しうるようにしてある。
その他の構成は、図1〜図4に示す実施形態と同一であり、それらについては、同一の部材に同一の符号をもって図示するに止め、詳細な説明は省略する。
以上に説明した実施形態では、プレス成形品を、アルミニュウム合金を冷間鍛造して形成した自動車エンジン用リテーナとしてあるが、エンジンバルブやタペット等の熱処理装置にも、本考案を適用することができる。
プレス成形品の場合は、熱処理炉は、歪取炉としても使用することができ、この場合にも、処理時間を著しく短縮することができる。
また、熱間鍛造により成形したエンジンバルブ等を、成形直後に、第1搬送手段18と首振り搬送手段8とを経て、低速で回走される広幅の第2搬送手段(図示略)上に均一に並べ、冷却装置(図示略)にて任意の温度まで冷却することにより、ばらつきの少ない焼き入れ、または溶体化を実施することができ、その後、直ちに耐熱搬送手段に移載することにより、置割れを防止し、不良品の発生を抑えることができ、さらに、熱処理炉内のネットコンベヤ4上に、幅方向に均一に分散して供給されるので、必要最小限のエネルギーで昇温、均熱ができ、エネルギーの有効利用を図ることができる。
1 溶体化炉(熱処理炉)
2 水冷装置
3 時効炉(熱処理炉)
4、5 ネットコンベヤ(耐熱搬送手段)
6、7 ホッパ
8 首振り搬送手段
9 支持台
10支持軸
11供給コンベヤ
12回動手段
13アーム
14モータ
15駆動軸
16クランクアーム
17連接棒
18第1搬送手段
19ワーク排出口
20水槽
21冷却水
22傾斜コンベヤ
23ワーク排出口

Claims (5)

  1. プレス装置により成形されたワークを、低速で回走される耐熱搬送手段上に載置して、熱処理炉内を通過させるようにしたプレス成形品の連続熱処理装置において、
    前記耐熱搬送手段の入り口側の上方に、前端部が耐熱搬送手段のほぼ全幅に亘って往復移動するようにした首振り搬送手段を設け、この首振り搬送手段の基端部に、前記プレス装置によりプレス成形されたワークを搬送する第1搬送手段の排出端部を接続したことを特徴とするプレス成形品の連続熱処理装置。
  2. 首振り搬送手段が、基端部から前端部に向かってワークを搬送する供給コンベヤと、この供給コンベヤの基端部を、垂直軸回りに回動可能に支持する支持軸と、前記供給コンベヤを、前記支持軸を中心として往復回動させる回動手段とを備えるものとした請求項1記載のプレス成形品の連続熱処理装置。
  3. 首振り搬送手段が、基端部から前端部に向かって下向き傾斜する傾斜シュートと、この傾斜シュートの基端部を、垂直軸回りに回動可能に支持する支持軸と、前記傾斜シュートを、前記支持軸を中心として往復回動させる回動手段とを備えるものとした請求項1記載のプレス成形品の連続熱処理装置。
  4. 回動手段が、支持軸から直角に突出するアームと、前記支持軸と平行に支持され、かつモータにより連続して回転させられるようにした上下方向を向く駆動軸と、駆動軸より直角に突出するクランクアームと、このクランクアームの先端部と前記アームの先端部とを連結し、前記駆動軸とクランクアームとの回転により、前記アームと支持軸とを往復回動させる連接棒とを備えるものとした請求項2または3記載のプレス成形品の連続熱処理装置。
  5. 首振り搬送手段と耐熱搬送手段との間に、低速で回走される第2搬送手段を設け、首振り搬送手段により、ワークを、第2搬送手段上にほぼ全幅に亘って均一に並べるとともに、冷却手段により冷却し、冷却後のワークを、前記耐熱搬送手段に移載するようにした請求項1〜4のいずれかに記載のプレス成形品の連続熱処理装置。
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