JP3173927U - 滑走ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】ボードの操作性及び乗り手のインプットに対する応答性を向上させたスノーボードやウェイクボード等の滑走ボードを提供する。
【解決手段】滑走ボードは、約3.8から約4.35の有効エッジ長対ウエスト幅比を有し、ウエスト幅が少なくとも約250mm以上であり、コアが、ボードの接雪長部のほぼ全体に沿って有効エッジポイント71の約80〜100mm内までほぼ一定の厚さを有するが、有効エッジポイントにもっと近いエリアでは約2mmの厚さまで薄くなり、及び/又は、サイドエッジ7が、ウエスト11における湾曲した凹状のサイドカット部分72と、前方及び後方エッジポイントにおける湾曲した凸状の遷移ゾーン73と、各遷移ゾーンに隣接した接雪長部における直線状セクション74と、を含む。
【選択図】図2

Description

本考案は、スノーボード、ウェイクボード、又は表面上を滑走するための他の同様のデバイス等のような滑走ボードに関する。
大人の使用向けに設計され、比較的短い全長を有するスノーボードは、例えば米国特許出願公開第2006/0267298号及び米国特許第4,951,960号から既知である。更に、早くも1995年には、比較的小さい有効エッジ長対ウエスト幅比を有するスノーボードが販売に供された。例えばMorrow Lunch Tray 29であり、これは有効エッジ長対ウエスト比が(センチメートルの長さ単位を用いた場合)約4.05であり、ウエスト幅が約25.6cmである。更に、ボード長に沿って曲げ特性が異なるエリアを有するスノーボードが、例えば米国特許第6,499,758号、米国特許出願公開第2004/0084878号、及び米国特許出願公開第2007/0170694号から一般に既知である。これらのボード設計では、ビンディング装着領域の前後の隣接エリアに比べて、乗り手の足の下のエリアを堅くする傾向がある。例えば、米国特許出願公開第2004/0084878号の図1及び図4並びに米国特許出願公開第2007/0170694号の図1及び図4に見られるように、ボードの厚さはビンディング装着領域の方が大きい(米国特許出願公開第2004/0084878号の参照番号10及び12並びに米国特許出願公開第2007/0170694号の参照番号16及び18)。同様に、米国特許第6,499,758号では、乗り手の足の下のエリアでボードの構造的強度を高めている。例えば、コラム5の51〜57行目並びに図1及び図16を参照のこと。
本考案の少なくともいくつかの実施形態によれば、本考案者らは、ボードの有効エッジポイント、ロッカー構造と共に用いる有効エッジ長対ウエスト幅比、及びボードエッジ構造に対する特定のボード厚さ配置によって、ボードの操作性及び乗り手のインプットに対する応答性が著しく向上することを予想外に発見した。更に、これらの特徴を組み合わせることにより、従来のボードでは単に不可能であった方法で乗り手のアクションに応答するボードが提供されることがわかった。例えば、一実施形態が有するボードは、有効エッジ長対ウエスト幅比が3.8から約4.35であり、コアは、ボードの接雪長部の実質的に全てに沿って(すなわち有効エッジポイント間で)5mmよりも大きいほぼ一定の厚さを有する。しかしながら、有効エッジポイントの約80〜100mm内では、コアは急激に薄くなって、有効エッジポイントの約30mm内で約2mm以下の厚さを有するようになっている。ロッカー構造と組み合わせた場合、このボードでは驚くべきことに、従来のボードよりもはるかに素早く乗り手がオーリー及び同様のトリックを行うことができるとわかっており、このため乗り手は、オブジェクトの上に又はそれを覆うように「オーリー」を行う前にオブジェクトにもっと近付くことができる。これは極めて有利である。例えば、他のボードでは必要とされる長いアプローチ距離が不必要であるので、比較的近くに離間したオブジェクトに対して乗り手は様々なトリックを行うことができるからである。
本考案の一態様において、スノーボード等の滑走ボードは、ボードの前端における上向きノーズと、ボードの後端におけるテールと、ノーズとテールとの間を接続して位置する接雪長部と、接雪長部の上部を覆うようにノーズからテールまで延出するボードの上面と、接雪長部の下部を覆うようにノーズからテールまで延出するボードの底面と、を含む。底面の少なくとも一部は、ライディング中に滑走面に接触するように構築し配置することができ、例えば、スキー及びスノーボードにおいて見られる適切なポリマーベース材料を含むことができる。接雪長部の対向側のサイドエッジは、ノーズとテールとの間に延出して、前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び後方有効エッジポイントを画定することができる。ウエスト幅は、有効エッジポイント間で最も狭いボードの部分である。有効エッジポイントは、ボードの最も外側のポイントであり(すなわちノーズ及びテールの末端に最も近いポイント)、上面及び底面を平坦な水平面に対して概ね垂直の向きにしてボードが一方のエッジでターンした場合に平坦な水平面に接触する。ボードは、ボードの一方側における前方有効エッジポイントからボードの同じ側における後方有効エッジポイントまでの距離である有効エッジ長を有する。
また、ボードは、フットビンディングと係合しこれをボード上面に固定するように各々が配置された前方及び後方ビンディング装着機構を含むことができる。ビンディング装着機構は、例えば、ねじ切りされたインサートのパターン、チャネル、又はビンディングをボードに取り付けるのに適した他の機構を含むことができる。前方及び後方ビンディング装着機構の各々は、各フットビンディングをボードに固定することができる接雪長部における各前方及び後方ビンディング装着領域を画定し、前方ビンディング装着機構は後方ビンディング装着機構よりもノーズの近傍に位置する。前方ビンディング装着機構は、ノーズの最も近くに前方基準スタンス位置を有し、後方ビンディング装着機構は、テールの最も近くに後方基準スタンス位置を有する。基準スタンス位置は、平均的な乗り手が前方及び後方ビンディングをボードに装着する位置であるが、多くの乗り手は基準スタンス位置の前方又は後方にビンディングを取り付ける場合がある。基準スタンス位置は一般にボード上にマーキングされて、ボードの長手方向の中心に対するビンディング位置を決定する基準位置を乗り手に提供する。前方又は後方基準スタンス位置がマーキングされていないボードでは、基準スタンス位置は約450〜585mmだけ離間して位置し、ボードの長手方向中心を中心とする。すなわち、前方基準スタンス位置はボードの長手方向中心よりも225〜275mm前方であり、後方基準スタンス位置はボードの長手方向中心よりも225〜275mm後方である。
一実施形態において、ボードは約3.8から約4.35の有効エッジ長対ウエスト幅比を有し、ウエスト幅が少なくとも約250mm以上であり、接雪長部はロッカー構造を有して、ボードが平坦な水平面に載っている場合に有効エッジポイントが水平面から持ち上がっており、前方基準スタンス位置と前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線との間の距離又は後方基準スタンス位置と後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線との間の距離は、約150mm及び約350mmの間である。ウエスト幅を少なくとも約250mm以上にすることによって、大人、すなわち子供よりも体格及び体重が大きい人の使用向けにボードを構築することができる。また、有効エッジ長対ウエスト幅比3.8から4.35をロッカー構造と組み合わせることによって、応答性が高く乗り手が容易にトリックを行うことができる一方で標準的なキャンバーを有するもっと長い従来のボードで得られる安定性及びパワーを有するボードを提供する際に特に有利であることがわかっている。
この実施形態と、(単に少数の例として)米国特許出願公開第2006/0267298号、米国特許第4,951,960号、及びMorrow Lunch Tray 29における等の比較的短い全長を有すると記載された他のボードとの1つの顕著な相違は、このボードが、規定された有効エッジ長対ウエスト幅比をロッカー構造と組み合わせたことである。これに対して、米国特許出願公開第2006/0267298号及び米国特許第4,951,960号は、有効エッジ長対ウエスト幅比でなく、全長対ウエスト幅比を記載している。すなわち、ボードの全長はノーズ及びテール長を含み、平坦で比較的硬く締まった表面上でのボードの応答に対してボードの一部が及ぼす影響について、必ずしも有意義な情報を与えない。例えば、ほとんどのスノーボードは上向きのノーズ及びテールを含み、これらは平坦な斜面上でのライディング時に雪に接触しない。結果として、ノーズ及びテールは、かかる状況におけるボードの性能にほとんど又は全く影響を及ぼさない。このため、特定の全長対ウエスト幅比を有するようにボードを構築するという教示は、そのボードのウエスト幅に対する有効エッジ長がどうあるべきかに関して必ずしも何かを示すものではない。
Lunch Tray及び同様に構成されたボードに関して、これらのボードは、ロッカー構造でなく、従来の標準的なキャンバーを有する。これに対して、有効エッジ長対ウエスト幅比3.8から4.35をロッカー構造と組み合わせると、驚くべきことに、極めてトリック性及び応答性が高く、更にもっと長い標準的なキャンバーボードの安定性及びパワー(例えばターン及び/又はジャンプ時等に乗り手によるエネルギーインプットを蓄えて戻す能力)を示すボードが提供されるということがわかった。ロッカー構造は様々な形態を取ることができるが、全ての機構において、ボードが平坦な水平面上に重みがかからずに載っている場合に有効エッジポイントが持ち上がっており、及び/又は接雪長部が全体的に凸状構成を有するという特徴を共有する。例えば、ロッカー構造は全接雪長部に沿った連続的な凸状(下向き)で構成することができ、凸状中央セクション(ロッカーセクション)の側面に接雪長部における凹状セクション(標準的なキャンバーセクション)が位置し、凸状中央セクション(ロッカー)の側面に接雪長部における平坦なセクションが位置することができ、平坦な中央セクションの側面に凸状セクションが位置することができる等である。
別の実施形態では、接雪長部の対向側のサイドエッジは各々、ウエストにおける湾曲した凹状のサイドカット部分と、前方及び後方有効エッジポイントにおける湾曲した凸状の遷移ゾーンと、各遷移ゾーンに隣接した接雪長部における直線状セクションと、を含むことができる。直線状セクションは各々、直線状セクションが各湾曲サイドカット部分に接続する内側端部と、直線状セクションが各遷移ゾーンに接続する外側端部との間に延出することができる。直線状セクションは、内側端部において各サイドカット部分に一点で接し、外側端部において各遷移ゾーンに一点で接する。この配置は、DE102005015144号又はFR2893511号におけるような他のボードサイドエッジ構造とは対照的である。これらは双方とも、接雪長部に直線状セグメントを含むが、直線状セグメントはそのいずれの端部においても湾曲エッジ部分に一点で接しない。本考案者らは、上述のように一点で接するように配置された直線状セクションが、例えばターンの開始及び/又は平坦なライディングの際のスノーボード操作性において予想外の利点を提供することを見出した。直線状セクションは、ターン時に良好で確実なエッジグリップを提供することができる一方で、直線状セクションの双方の端部において一点で接する構成によって、他の場合に可能であるよりも雪又は他の滑走面に対する直線状セクションの食い込みをゆっくり行うことができる。
いくつかの実施形態において、直線状セクションは有効エッジポイントに比較的近くすることができる。例えば、遷移ゾーンは、ボードの各有効エッジポイントに位置することができ、例えば、遷移ゾーンは各有効エッジポイントを中心とすることができる。直線状セクションは、各々が各遷移ゾーンにつながり、最も近い有効エッジポイントの約20〜100mm内に位置することができ、約20〜150mmの長さを有することができる。1つの例示的な実施形態において、遷移ゾーンは約105mmの長さを有し、直線状セクションは約35mmの長さを有することができる。また、直線状セクションは、ボードの長手方向の軸に対して比較的小さい角度を形成することができる。すなわち直線状セクションは、長手方向の軸に対してほぼ平行とする、すなわち長手方向の軸に対して数度までの角度を形成することができる。
更に別の実施形態において、ボードは、前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線の約100mm内で約5mmよりも大きい厚さ及び/又は後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線の約100mm内で約5mmよりも大きい厚さを有するコアを有することができる。これは、遷移線からの距離がもっと大きくなるとコアが5mm未満まで薄くなる従来のスノーボードとは対照的である。例えば、かかるボードのコアは遷移線の約150mm以上内で5mm未満の厚さを有する。比較的厚いコアセクションを有効エッジポイントに近付けることによって、ボードは乗り手のインプットに対する応答性を更に高めることができる。前方又は後方遷移線に比較的近い領域において、例えば接雪長部における遷移線の約0〜80mm内で、コアは5mm未満の厚さを有することができ、例えば前方又は後方遷移線の約30mm内で、コアは約2mm以下の厚さを有することができる。一実施形態では、コアは前方又は後方遷移線の約85mm内で5mmを超える厚さを有することができ、遷移線では約2mm以下まで厚さを小さくすることができる。
別の実施形態において、コアは、サイドエッジの直線状セグメントの内側端部で約5mmよりも大きいものから小さくなり始める厚さを有することができる。直線状セグメントは、上述のように配置することができ、例えば前方及び/又は後方有効エッジポイントを含む遷移ゾーンに隣接して位置する。ボードのコアが、側面のサイドエッジに直線状セクションが位置するボードのエリアにおいて5mmを越えるものから約2mm以下まで著しく薄くなるこのタイプの配置は、ボード操作性において顕著な利点を提供することがわかっている。例えば、サイドエッジの直線状セクションが位置するエリアでボードの全体的な厚さを小さくすることによって、ターンの開始時に直線状セクションが雪又は他の表面に食い込む接雪長部の末端の局所エリアにおいて、ボードの可撓性を高めることができる。これによってボードはターンの開始時にいっそう許容度が高くなる場合がある。例えば、直線状セクションが雪をキャッチする、又はその他の方法で、望まれるよりも滑走面とのいっそう効果的な食い込みを行う可能性が低くなる場合がある。この特徴はスノーボードにおいて有利である場合がある。これは部分的には、エッジの直線状セクションが湾曲セクションよりも積極的及び/又は急速に雪に食い込む傾向があり得るからである。この結果、接雪長部の大部分でコアを比較的厚くして、乗り手のインプットに対してボードの応答性を高くすることができるが、エッジにおいて前方及び/又は後方遷移線並びに直線状セクションの近傍ではコアを薄くして、ターン開始又は平坦なランニングの際のボード性能を更に良好かつ予測可能とすることができる。
一実施形態においては、ボードのコアの厚さを調節することによって、ボードの厚さの相違を実現することができる(例えば、木材、発泡体、又は他のもので製造することができるコアの厚さは、ビンディング装着領域に隣接した他のエリアよりもビンディング装着領域で小さくすることができる)。このコア厚さの配置は、いわゆる側壁構造で製造されるボードのために有用であり得る。この場合、ボードのサイドエッジは、上部及び底部の補強層間に位置付けられ、少なくとも部分的にボードのエッジに沿って露出した側壁要素を含む。別の実施形態では、ボードは、ノーズ、テール、及び接雪長部においてキャップ構造を有することができ、ボードの厚さは少なくとも部分的に、成形プロセスの間にボードを形成するために用いる金型要素間の間隔によって画定することができる。かかる場合、金型はそれ自体が、ボードの上面及び底面の外側の限度を画定することによって、ボードのコアの厚さを画定することができる。
本考案のこれら及び他の態様については、以下の説明及び実用新案登録請求の範囲から理解されよう。
本考案に従った1つ以上の特徴を組み込んだ例示的な実施形態について、以下の図面を参照して説明する。
例示的な実施形態におけるボードの一実施形態の側面図を示す。 図1の実施形態の上面図を示す。
図1及び図2は、本考案の1つ以上の態様を組み込んだボードの例示的な実施形態を示す。この実施形態において、ボード1はスノーボードであるが、本考案の1つ以上の態様は、スケートボード、ウェイクボード等の他の種類のボードによって用いることも可能である。ボード1は、ボードの前端の上向きノーズ2及びボードの後端のテール3を含む。この実施形態におけるテール3はノーズ2と同様に上向きであるが、テール3は必ずしもノーズ2と同程度に上方向を向く必要はなく、実質的に直線状である場合もあることは理解されよう。ノーズ2及びテール3はボードの接雪長部4の対向端に位置する。当技術分野において理解されているように、接雪長部4は、ノーズ及びテール3への遷移部の間に概ね位置する。ボード1は、接雪長部4の上部を覆うようにノーズ2及びテール3から延出する上面5と、接雪長4の下部を覆うようにノーズ2及びテール3から延出する底面6と、を有する。上面5は、例えば、適当な絵が描かれたポリマーフィルムを含む上シート又はシート積層物として等、いずれかの適切な方法で配置することができる。底面6は、ライディング中に滑走面と接触するように構築及び配置され、例えば、高密度ポリエステル等のポリマー材料、又は雪、氷、もしくは他の同様の表面上を滑走するのに適した他の材料のシートを含むことができる。
接雪長部4の対向側のサイドエッジ7は、ノーズ2とテール3との間に延出し、いずれかの適切なサイドカット機構を有することができる。例えばサイドエッジ7は、単一の比較的大きい曲率半径を有するように配置することができ、又は、異なる曲率半径を有する及び/又は直線状である2つ以上のセクションを含むことができる。これについては以下で更に詳細に述べる。サイドエッジ7に直線状セクションが含まれる場合、この直線状セクションは長手方向の軸に対して平行とする及び/又は長手方向の軸に対して斜めの角度に配置することができる。この例では、サイドエッジ7があるために、ノーズ2及びテール3への遷移線21、31におけるよりも接雪長部4の中心の近傍で(例えばウエスト11で)概ねボードが細くなることを示すが、他の配置も可能である。例えば、ウエスト11におけるボードの幅を、ノーズ又はテールへの1つ以上の遷移部21、31における幅よりも大きくすることができる等である。あるいは、サイドエッジ7を概ね図1に示すように配置するが、ウエスト11の近傍に膨らみを持たせて、ボードの長手方向中心の前方及び後方の部分に比べて長手方向中心のボード幅を大きくする(更にこの膨らみにおいてエッジ7を凹状でなく凸状とする)が、ボード11の長手方向中心における幅は遷移部21、31における幅よりも小さいままとすることも可能である。サイドエッジ7は、例えば底面6の近傍のエッジの下部において金属エッジを含むことができ、これは雪又は氷に食い込んで、その表面上でターンする際にボードの位置を維持するのに役立つように配置されている。
ボード1は、スノーボードの技術において既知であるように、前方及び後方のビンディング装着機構8も含むことができ、これらの各々はフットビンディング(図示せず)と係合してこれをボードの上面5に固定するように配置されている。ビンディング装着機構8は、図2の前方ビンディング装着領域8aに示したチャネルの形態、又は図2の後方ビンディング装着領域8bに示したねじ切りされたインサートのパターンの形態等、いずれかの適切な方法で配置することができる。ねじ切りされたインサートのパターンとして配置した場合、Burton 3D(登録商標)パターン、4X4パターン、又はその他のもの等のいずれかの適切なパターンを用いることができる。チャネルタイプのビンディング装着機構及びねじ切りされたインサートのパターンは、例えばBurton Corporationが現在販売しているスノーボードにおいて既知であるので、本明細書ではこれ以上の説明を行わない。しかしながら、当技術分野においては他のビンディング装着機構が既知であるので、ビンディング装着機構8はチャネル又はインサート機構には限定されない。簡潔に言うと、スノーボードのフットビンディングを装着するためのいずれかの適切な機構(トレイタイプ、ステップイン、又は他のもののいずれでも)を用いることができる。
前方及び後方ビンディング装着機構8の各々は、各フットビンディングをボードに固定することができる接雪長部4における各前方及び後方ビンディング装着領域9、10を画定する。この実施形態では、ビンディング装着機構8の各々は、例えばボードの長手方向の軸に沿って約250〜300ミリメートルにわたり、ビンディングに可能な装着位置範囲を提供する。すなわち、ビンディング装着機構8を用いることによって、ボード上の複数の異なる長手方向の位置の1つにビンディングを装着することができる。(ボードの長手方向の軸は、図2の上面から見た場合にボード1のおおよその中心の近傍でノーズ2からテール3まで概ね延出する。)しかしながら、ビンディング装着機構8は、領域9、10内でビンディングに単一の装着位置、又は(いくつかのチャネルタイプ装着機構の場合におけるように)無限数のものを提供することができる。また、図2では、ビンディング装着機構8が比較的大きい距離だけ物理的に離れているように示すが、装着機構8は、装着領域9、10の内側端部の近傍で接近して位置することができ、いくつかの実施形態においては実質的に一体化させて装着領域9、10を相互に直接隣接させることも可能である。
各ビンディング装着領域9、10は、例えば上面5上の物理的なマーキングによって識別される各基準スタンス位置9a、10aを含むことができ、これらは、平均的な乗り手が通常フットビンディングをボードに装着する位置を示す。一般に、前方及び後方基準スタンス位置9a、10aは、約450〜585mmだけ離間しており、ボードの長手方向中心を中心とする。例えばボードの全長が約1200mmである場合、ボードの長手方向中心はボードの各端部から600mmに位置し、前方及び後方基準スタンス位置9a、10aはそれぞれ長手方向中心から約225〜275mm前方及び後方に位置する。柔らかい雪又はパウダーでのライディングを対象としたもの等のいくつかのボードでは、前方及び後方基準スタンス位置9a、10aはボード1の後側にずれている。例えば、基準スタンス位置はボードの長手方向中心を中心とせず、双方とも約20〜50mm以上後方にずれている。場合によっては、ボードには、物理的なマーキングも基準スタンス位置9a、10aの他の指示も設けられていない。そのようなボードでは、何も指示がないことは関係なく、基準スタンス位置は約450〜585mmだけ離間し、ボードの長手方向中心を中心としている。
本考案の一態様によれば、ボードは、有効エッジ長対ウエスト幅比が3.8から4.35であり、ウエスト幅が少なくとも約245mmから250mm以上であり、接雪長部4においてロッカー構造を有する。この配置によって、大人の使用向けに構成され比較的短い有効エッジ長を有するボードが提供される。大人向けに構成されたボードにおける有効エッジ長対ウエスト幅比3.8から4.35と接雪長部におけるロッカーを組み合わせると、「ポップ」(乗り手がボードに与えたベンディングインプットに対するボードの応答)及びターンの素早さを含めて、ボード操作性において著しい利点が得られることがわかっている。しかしながら、たとえ従来のスノーボードに比べてボードを著しく短くすることができても、ボードはスピード及びターンで高い安定性を有することがわかっており、多くの比較的短いボードにおける共通の欠陥である。
有効エッジ長は、例えば図2に示すように、ボードの一方側における前方及び後方有効エッジポイント間の距離として画定される。有効エッジポイント71は、サイドエッジ7の最も外側の部分に位置し、上面5及び底面6を平坦な表面に対して概ね垂直の向きにしてボードが一方のエッジ7でターンした場合に平坦な表面に接触する。前方遷移線21は前方有効エッジポイント71を通る線であり、後方遷移線31は後方有効エッジポイント71を通る線である。
ボードの有効エッジ長は、ボードの全長とは基本的に異なる特徴である。すなわち、ボードの全長はノーズ及びテール長を含み、平坦で比較的硬い表面上等、ある条件においてボードがどのように機能するかに対して及ぼす影響は限られている。例えば、ほとんどのスノーボードは上向きのノーズ及びテールを含み、これらは平坦な斜面でライディングする場合に雪に接触しない。このため、ノーズ及びテールはかかる条件におけるボードの性能にほとんど影響を与えない。むしろ、平坦な表面上でボードがどのように乗るかを規定するのは主として実際に雪又は他の表面に接触するボードの部分である。ボードの全長はノーズ及びテール長を含み、これはボードごとに大きく変動し得るので、ボードの全長は、ボードの有効エッジ長が実際にどのようなものであるかを明らかにすることはできない。このため、特定の全長又は特定の全長対ウエスト幅比を有するようにボードを構築するという教示は、そのボードのウエスト幅に対する有効エッジ長がどうあるべきかに関して必ずしも何かを示すものではない。
有効エッジ長対ウエスト幅比が3.8から約4.35であり、ウエスト幅が少なくとも約245から250mm以上であり、接雪長部においてロッカーであるボードの一実施形態において、前方基準スタンス位置9aと前方遷移線21との間の距離及び/又は後方基準スタンス位置10aと後方遷移線31との間の距離は、約150と約350mmとの間である。この実施形態では、ボードのテール近傍に装着された後方ビンディングよりもボードのノーズ近傍に装着された前方ビンディングを有するスノーボードを含むことができる。前方及び後方ビンディングは、例えば300〜600mmだけ相互に離間することができる。
本考案の別の態様において、ボードは、前方遷移線の約100mm内で約5mmよりも大きい厚さ及び/又は後方遷移線の約100mm内で約5mmよりも大きい厚さを有するコアを有することができる。特に、これは、遷移線からの距離がもっと大きくなるとコアが5mm未満まで薄くなる従来のスノーボードとは対照的である。例えば、かかるボードのコアは典型的に遷移線の約150mm以上内で5mm未満の厚さを有する。比較的厚いボードコアを遷移線21、31に近付けることによって、ボード1は乗り手のインプットに対する応答性を更に高めることができる。例えば、遷移線21、31の近傍に比較的厚いボードコアがあると、ボード1によって乗り手は、従来のボードで可能であるよりも著しく短い時間で、オーリー又は他の方法でボードを曲げてボードから蓄えたエネルギを回復させることができる。この特徴によって乗り手は、オーリー又は他のトリックを開始する前に、レール、ボックス、又は滑走面上に隆起した他の特徴物等の障害物にもっと近付くことができる。また、乗り手は、他のボードを用いて以前に可能であったよりも、例えば滑走面からジャンプする等のもっと高いオーリーを行うことができる。この例示的な実施形態のコア長フィーチャは、接雪長部のロッカー構造及び/又は本考案の他の態様と共に又はそれらなしで用いることができる。
図1は、ボード1の接雪長部4の一部又は全体に沿って延出するコア12の例示的な実施形態を示す。すなわちコア12は、遷移線21、31まで及びそれらを越えて延出することができるか、又は遷移線21、31よりも前方で終端することができる。コアは、例えばハンノキ、バルサ、及び/又は他のもの等の1つ以上の種類の積層木材片を用いて木材で製造することができる。次いで、上部及び底部の補強層、上面5及び底面6を提供する上部及び底部のシート、ポリマー側壁要素、金属エッジ、並びに側壁タイプの構造を有するスノーボードの製造で一般的に用いられる他の構成要素を、コア12に積層することができる。むろんコア12は、複合ハニカム材、発泡体、金属、及び/又は他の材料、又は材料の組み合わせ等、他の材料で作ることも可能である。キャップ構造タイプのボードでは、ボードの成形プロセス中にコア12の厚さを画定することができる。例えば、発泡材料が膨張するか又は他の方法で、ボード1を製造する成形金型によって画定される形状及び厚さとなることができる。このため、ボード1のコア12の厚さを調節することによってボード1の厚さの相違を実現することができる。
コア12は遷移線21、31の近傍で比較的厚くすることができるが、コア12は遷移線21、31に更に近い領域では例えば2mm以下まで薄くすることができる。例えば、遷移線21、31の約0〜80mm内で、コアは、約0〜2mmの厚さ等、5mm未満の厚さを有することができる。一実施形態において、コア12は、前方及び後方遷移線の約85mm内で5mmを超える厚さを有することができ、遷移線21、31では約2mm以下まで厚さを小さくすることができる。いくつかの実施形態においては、コア12は、ボード1の接雪長部4の実質的に全体に沿って5mmよりも大きいほぼ一定の厚さを有することができる。しかしながら、有効エッジポイントの約80〜120mm内で、コア12は約5mmよりも大きい厚さから急に薄くなり、遷移線21、31の一方又は双方の約30mm内で約2mm以下の厚さとすることができる。
本考案の別の態様においては、接雪長部の対向側のサイドエッジは各々、ウエストにおける湾曲した凹状のサイドカット部分と、前方及び後方有効エッジポイントにおける湾曲した凸状の遷移ゾーンと、各遷移ゾーンに隣接した直線状セクションと、を含むことができる。例えば、図2が示す一実施形態では、サイドエッジ7が、中央の湾曲したサイドカット部分72と、有効エッジポイント71の各々における湾曲した凸状遷移ゾーン73と、各遷移ゾーン73に隣接した直線状セクション74と、を含む。サイドカット部分72は、5メートル以上等、いずれかの適切な曲率半径又は複合曲線における多数の曲率半径を有することができる。あるいは、サイドカット部分72は複数の比較的短い直線状セクションを含み、これらが共同で全体的に湾曲したサイドカット部分72を形成することも可能である。また、サイドカット部分72は、例えばウエスト11の近傍の比較的小さい凸状部分のようなウエスト11の近傍の膨らみを含むが全体的に凹状の湾曲機構を有することができる。このため、サイドカット部分72は連続的に湾曲した凹状機構を有する必要はないが、全体的に湾曲した凹状エッジ部分を共同で形成する1組の特徴を有する。また、遷移ゾーン73は、いずれかの適切な曲率半径又は複数の曲率半径を有することができるが、曲率半径は概ねサイドカット部分72のものよりも大きい。一実施形態において、遷移ゾーン73は約1500メートル以上の曲率半径を有することができる。
直線状セクション74は各々、直線状セクション74が各湾曲サイドカット部分72に接続する内側端部と、直線状セクション74が各遷移ゾーン73に接続する外側端部との間に延出することができる。一実施形態において、直線状セクション74は、内側端部において各サイドカット部分72に一点で接し、外側端部において各遷移ゾーン73に一点で接する。この配置は、例えばターンの開始及び/又は平坦なライディングの際のスノーボード操作性において予想外の利点を提供することがわかっている。例えば、直線状セクション74は、ターン時に良好で確実なエッジグリップを提供することができる一方で、直線状セクション74の双方の端部において一点で接する構成によって、他の場合に可能であるよりも雪又は他の滑走面に対する直線状セクションの食い込みをゆっくり行うことができる。他のスノーボードは、接雪長部における様々な位置及び/又はノーズもしくはテールに対する遷移部に直線状部分を含んだが、これらのボードが有する直線状セクションは、直線状セクションの内側端部及び外側端部で湾曲ボード部分に一点で接するように配置されていなかった。この結果、これらのボードでは、ターン中の直線状セクションの雪に対する食い込みが予測できない及び/又は突然に行われた場合がある。本考案の他の態様と同様に、この態様は、例示的な実施形態の他の特徴(ロッカー構造、特定の有効エッジ長対ウエスト幅比等)と組み合わせて用いることができ、又は単独で用いることができる。
いくつかの実施形態において、直線状セクション74は有効エッジポイント71に比較的近くすることができる。例えば、遷移ゾーン73は、ボード1の各有効エッジポイント71に位置することができ、例えば、遷移ゾーン73は各有効エッジポイント71を中心とすることができる。一実施形態において、遷移ゾーン73の各々は約20〜150mmの長さを有することができ、各有効エッジポイント71を中心とすることができる。従って直線状セクション74は、最も近い有効エッジポイントの約10〜75mm内に位置し、各々が約20〜150mmの長さを有することができる。特に有効であることがわかった1つの例示的な実施形態において、遷移ゾーン73は約105mmの長さを有し、直線状セクション74は約35mmの長さを有することができる。また、直線状セクションは、ボードの長手方向の軸に対して比較的小さい角度を形成することができる。すなわち直線状セクション74は、長手方向の軸に対して数度までの角度を形成するように、長手方向の軸に対してほぼ平行とすることができる。
本考案の別の態様において、コアは、遷移ゾーンに隣接して位置する直線状セグメントの内側端部において又はその近傍で約5mmよりも大きい厚さからノーズ及び/又はテールに至るまで薄くすることができる。例えば、図1及び図2のボード1は、コア12が約5mm以上の厚さを有し、これが直線状セグメント74の内側端部において又はその近傍で薄くなり始めるように配置したコア12を有することができる。コア12の厚さは、前方又は後方遷移線21、31の近傍で又はそれにおいて約2mm未満まで小さくすることができる。サイドエッジ7が直線状セクション74を含むボード1のエリアでボードのコア12が5mmを超える厚さから約2mm以下まで著しく薄くなるこのタイプの配置は、ボード操作性に著しい利点を与えることがわかっている。例えば、サイドエッジ7の直線状セクション74が位置するエリアでボードの全体的な厚さを小さくすることによって、ターンの開始時に直線状セクション74が雪又は他の表面に食い込む接雪長部4の末端の局所エリアにおいて、ボード1の可撓性を高めることができる。これによってボード1はターンの開始時にいっそう許容度が高くなる場合がある。例えば、直線状セクション74が雪をキャッチする、又はその他の方法で、望まれるよりも滑走面とのいっそう効果的な食い込みを行う可能性が低くなる場合がある。この特徴はスノーボードにおいて有利である場合がある。これは部分的には、エッジ7の直線状セクション74が湾曲セクションよりも積極的及び/又は急速に雪に食い込む傾向があり得るからである。この結果、接雪長部4の大部分でコア12を比較的厚くして、乗り手のインプットに対してボード1の応答性を高くすることができるが、前方及び/又は後方遷移線21、31並びに直線状セクション74の近傍ではコア12を薄くして、ターン開始又は平坦なランニングの際のボード性能を更に良好かつ予測可能とすることができる。
例えば、図1及び図2の例示的な実施形態に関する先の考察から、ボード1は、本考案の1つ以上の態様を含むように構成することができ、本考案の態様はいずれかの適切な方法で組み合わせ可能であることは認められよう。例えば、ボードは、有効エッジ長対ウエスト幅比3.8から4.35、並びに、直線状セクションの内側端部及び外側端部の双方で他方のサイドエッジ部分に一点で接する遷移ゾーン近傍の直線状セクションの態様を含むことができる。別の実施形態では、ボードは、有効エッジ長対ウエスト幅比が3.8から4.35であると共に前方及び後方遷移部から約100mmで約5mmよりも大きい厚さを有するコアを含むことができる。当業者には認められるであろうが、他の組み合わせも可能である。例えば、ボードは全体的なロッカー構造の底面を有することができる。例えば、重みがかかっていない状況(すなわちボード自体の重み以外にはボード1のいかなる部分にも重みがかかっていない)でボード1が載っている平坦な水平面よりも遷移線21、31の方が高くなっている。ロッカー構造は全接雪長部4に沿った連続的な曲線で構成することができ、凸状中央セクション(ロッカーセクション)の側面に接雪長部4における凹状セクション(前方及び後方キャンバー)が位置することができ、凸状中央セクション(ロッカーセクション)の側面に接雪長部4における平坦で平面のセクションが位置することができ、平坦な中央セクションの側面に凸状セクション(ロッカーセクション)が位置することができる等である。あるいは、いくつかの実施形態では、ボード1は、接雪長部4における標準的なキャンバー、接雪長部4における1対のキャンバーセクション、接雪長部4に沿った平坦なセクション、及び他のものを有することができる。簡潔に言うと、ボードは、本考案の1つ以上の態様を組み込みつつ、様々な異なる形状又は他の構成を有することができる。
本考案のいくつかの態様について記載したが、当業者には、様々な変更、変形、及び改良が容易に想起されることは認められよう。かかる変更、変形、及び改良は、本開示の一部であることが意図され、本考案の精神及び範囲内にあることが意図される。従って、前述の記載及び図面は単に一例である。
本考案の一態様において、スノーボード等の滑走ボードは、ボードの前端における上向きノーズと、ボードの後端におけるテールと、ノーズとテールとの間を接続して位置する接雪長部と、接雪長部の上部を覆うようにノーズからテールまで延出するボードの上面と、接雪長部の下部を覆うようにノーズからテールまで延出するボードの底面と、を含む。底面の少なくとも一部は、ライディング中に滑走面に接触するように構築し配置することができ、例えば、スキー及びスノーボードにおいて見られる適切なポリマーベース材料を含むことができる。接雪長部の側のサイドエッジは、ノーズとテールとの間に延出して、前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び後方有効エッジポイントを画定することができる。ウエスト幅は、有効エッジポイント間で最も狭いボードの部分である。有効エッジポイントは、ボードの最も外側のポイントであり(すなわちノーズ及びテールの末端に最も近いポイント)、上面及び底面を平坦な水平面に対して概ね垂直の向きにしてボードが一方のエッジでターンした場合に平坦な水平面に接触する。ボードは、ボードの一方側における前方有効エッジポイントからボードの同じ側における後方有効エッジポイントまでの距離である有効エッジ長を有する。
別の実施形態では、接雪長部の側のサイドエッジは各々、ウエストにおける湾曲した凹状のサイドカット部分と、前方及び後方有効エッジポイントにおける湾曲した凸状の遷移ゾーンと、各遷移ゾーンに隣接した接雪長部における直線状セクションと、を含むことができる。直線状セクションは各々、直線状セクションが各湾曲サイドカット部分に接続する内側端部と、直線状セクションが各遷移ゾーンに接続する外側端部との間に延出することができる。直線状セクションは、内側端部において各サイドカット部分に一点で接し、外側端部において各遷移ゾーンに一点で接する。この配置は、DE102005015144号又はFR2893511号におけるような他のボードサイドエッジ構造とは対照的である。これらは双方とも、接雪長部に直線状セグメントを含むが、直線状セグメントはそのいずれの端部においても湾曲エッジ部分に一点で接しない。本考案者らは、上述のように一点で接するように配置された直線状セクションが、例えばターンの開始及び/又は平坦なライディングの際のスノーボード操作性において予想外の利点を提供することを見出した。直線状セクションは、ターン時に良好で確実なエッジグリップを提供することができる一方で、直線状セクションの双方の端部において一点で接する構成によって、他の場合に可能であるよりも雪又は他の滑走面に対する直線状セクションの食い込みをゆっくり行うことができる。
図1及び図2は、本考案の1つ以上の態様を組み込んだボードの例示的な実施形態を示す。この実施形態において、ボード1はスノーボードであるが、本考案の1つ以上の態様は、スケートボード、ウェイクボード等の他の種類のボードによって用いることも可能である。ボード1は、ボードの前端の上向きノーズ2及びボードの後端のテール3を含む。この実施形態におけるテール3はノーズ2と同様に上向きであるが、テール3は必ずしもノーズ2と同程度に上方向を向く必要はなく、実質的に直線状である場合もあることは理解されよう。ノーズ2及びテール3はボードの接雪長部4の端に位置する。当技術分野において理解されているように、接雪長部4は、ノーズ及びテール3への遷移部の間に概ね位置する。ボード1は、接雪長部4の上部を覆うようにノーズ2及びテール3から延出する上面5と、接雪長4の下部を覆うようにノーズ2及びテール3から延出する底面6と、を有する。上面5は、例えば、適当な絵が描かれたポリマーフィルムを含む上シート又はシート積層物として等、いずれかの適切な方法で配置することができる。底面6は、ライディング中に滑走面と接触するように構築及び配置され、例えば、高密度ポリエステル等のポリマー材料、又は雪、氷、もしくは他の同様の表面上を滑走するのに適した他の材料のシートを含むことができる。
接雪長部4の側のサイドエッジ7は、ノーズ2とテール3との間に延出し、いずれかの適切なサイドカット機構を有することができる。例えばサイドエッジ7は、単一の比較的大きい曲率半径を有するように配置することができ、又は、異なる曲率半径を有する及び/又は直線状である2つ以上のセクションを含むことができる。これについては以下で更に詳細に述べる。サイドエッジ7に直線状セクションが含まれる場合、この直線状セクションは長手方向の軸に対して平行とする及び/又は長手方向の軸に対して斜めの角度に配置することができる。この例では、サイドエッジ7があるために、ノーズ2及びテール3への遷移線21、31におけるよりも接雪長部4の中心の近傍で(例えばウエスト11で)概ねボードが細くなることを示すが、他の配置も可能である。例えば、ウエスト11におけるボードの幅を、ノーズ又はテールへの1つ以上の遷移部21、31における幅よりも大きくすることができる等である。あるいは、サイドエッジ7を概ね図1に示すように配置するが、ウエスト11の近傍に膨らみを持たせて、ボードの長手方向中心の前方及び後方の部分に比べて長手方向中心のボード幅を大きくする(更にこの膨らみにおいてエッジ7を凹状でなく凸状とする)が、ボード11の長手方向中心における幅は遷移部21、31における幅よりも小さいままとすることも可能である。サイドエッジ7は、例えば底面6の近傍のエッジの下部において金属エッジを含むことができ、これは雪又は氷に食い込んで、その表面上でターンする際にボードの位置を維持するのに役立つように配置されている。
本考案の別の態様においては、接雪長部の側のサイドエッジは各々、ウエストにおける湾曲した凹状のサイドカット部分と、前方及び後方有効エッジポイントにおける湾曲した凸状の遷移ゾーンと、各遷移ゾーンに隣接した直線状セクションと、を含むことができる。例えば、図2が示す一実施形態では、サイドエッジ7が、中央の湾曲したサイドカット部分72と、有効エッジポイント71の各々における湾曲した凸状遷移ゾーン73と、各遷移ゾーン73に隣接した直線状セクション74と、を含む。サイドカット部分72は、5メートル以上等、いずれかの適切な曲率半径又は複合曲線における多数の曲率半径を有することができる。あるいは、サイドカット部分72は複数の比較的短い直線状セクションを含み、これらが共同で全体的に湾曲したサイドカット部分72を形成することも可能である。また、サイドカット部分72は、例えばウエスト11の近傍の比較的小さい凸状部分のようなウエスト11の近傍の膨らみを含むが全体的に凹状の湾曲機構を有することができる。このため、サイドカット部分72は連続的に湾曲した凹状機構を有する必要はないが、全体的に湾曲した凹状エッジ部分を共同で形成する1組の特徴を有する。また、遷移ゾーン73は、いずれかの適切な曲率半径又は複数の曲率半径を有することができるが、曲率半径は概ねサイドカット部分72のものよりも大きい。一実施形態において、遷移ゾーン73は約1500メートル以上の曲率半径を有することができる。

Claims (41)

  1. 滑走ボードであって、
    前記ボードの前端における上向きノーズと、
    前記ボードの後端におけるテールと、
    前記ノーズと前記テールとの間を接続して位置する接雪長部と、
    前記接雪長部の上部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの上面と、
    前記接雪長部の下部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの底面であって、前記底面の少なくとも一部がライディング中に滑走面に接触するように構築され配置された、底面と、
    前記接雪長部の対向側で前記ノーズと前記テールとの間に延出するサイドエッジであって、前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び後方有効エッジポイントを画定する、サイドエッジと、
    フットビンディングと係合しこれを前記ボード上面に固定するように各々が配置された前方及び後方ビンディング装着機構であって、前記前方及び後方ビンディング装着機構の各々が、各フットビンディングを前記ボードに固定することができる前記接雪長部における各前方及び後方ビンディング装着領域を画定し、前記前方ビンディング装着機構が前記後方ビンディング装着機構よりも前記ノーズの近傍に位置し、前記前方ビンディング装着機構が前記ノーズの最も近くに前方基準スタンス位置を有し、前記後方ビンディング装着機構が前記テールの最も近くに後方基準スタンス位置を有する、前方及び後方ビンディング装着機構と、
    を含み、前記ボードが、前記ボードの一方側における前方有効エッジポイントから前記ボードの同じ側における後方有効エッジポイントまでの距離である有効エッジ長を有し、
    前記接雪長部がロッカー構造を有し、
    前記ボードが約3.8から約4.35の有効エッジ長対ウエスト幅比を有し、前記ウエスト幅が少なくとも約250mm以上であり、前記前方基準スタンス位置と前記前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線との間の距離又は前記後方基準スタンス位置と前記後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線との間の距離が約150及び約350mmの間である、滑走ボード。
  2. 前記有効エッジ長が約900及び約1150mmの間である、請求項1に記載のボード。
  3. 前記前方及び後方基準スタンス位置間の基準スタンス幅が約450から約585mmである、請求項1に記載のボード。
  4. 前記基準スタンス幅がボードの中心にある、請求項3に記載のボード。
  5. 前記サイドエッジが各有効エッジポイントに位置する遷移ゾーンを含む、請求項1に記載のボード。
  6. 各遷移ゾーンが前記各有効エッジポイントを中心としている、請求項5に記載のボード。
  7. 各遷移ゾーンが約20〜150mmの長さを有する、請求項5に記載のボード。
  8. 前記サイドエッジが各遷移ゾーンに隣接した直線状セクションを含み、前記直線状セクションが前記ウエストに最も近い前記遷移ゾーンの側に位置する、請求項5に記載のボード。
  9. 各直線状セクションが約20〜150mmの長さを有する、請求項8に記載のボード。
  10. 各直線状セクションが各遷移ゾーンに一点で接している、請求項8に記載のボード。
  11. 前記サイドエッジが前記ボードの対向側の前記直線状セクション間にサイドカット部分を含み、各直線状セクションが各サイドカット部分に一点で接している、請求項8に記載のボード。
  12. 前記上面と前記底面との間で前記接雪長部に沿って延出するコアを更に含み、前記コアの厚さが、前記前方遷移線の約100mm内又は前記後方遷移線の約100mm内で5mmよりも大きい、請求項1に記載のボード。
  13. 前記コアの厚さが前記前方又は後方遷移線において約2mm以下まで小さくなる、請求項12に記載のボード。
  14. 前記サイドエッジがライディング中に前記滑走面に係合するように配置された金属エッジを含む、請求項1に記載のボード。
  15. 前記前方及び後方遷移線の約100mm内にあるポイント間で前記接雪長部に沿って5mmよりも大きいほぼ一定の厚さを有するコアを更に含む、請求項1に記載のボード。
  16. 滑走ボードであって、
    前記ボードの前端における上向きノーズと、
    前記ボードの後端におけるテールと、
    前記ノーズと前記テールとの間を接続して位置する接雪長部と、
    前記接雪長部の上部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの上面と、
    前記接雪長部の下部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの底面であって、前記底面の少なくとも一部がライディング中に滑走面に接触するように構築され配置された、底面と、
    前記接雪長部の対向側で前記ノーズと前記テールとの間に延出するサイドエッジであって、向かい合った前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び向かい合った後方有効エッジポイントを画定し、前記ウエストにおける向かい合った湾曲サイドカット部分、前記前方及び後方有効エッジポイントにおける向かい合った湾曲遷移ゾーン、及び各遷移ゾーンに隣接した直線状セクションを含み、各直線状セクションが各サイドカット部分における内側端部と各遷移ゾーンにおける外側端部との間に延出すると共に前記各サイドカット部分及び前記各遷移ゾーンに一点で接する、サイドエッジと、
    フットビンディングと係合しこれを前記ボード上面に固定するように各々が配置された前方及び後方ビンディング装着機構であって、前記前方及び後方ビンディング装着機構の各々が、各フットビンディングを前記ボードに固定することができる前記接雪長部における各前方及び後方ビンディング装着領域を画定し、前記前方ビンディング装着機構が前記後方ビンディング装着機構よりも前記ノーズの近傍に位置し、前記前方ビンディング装着機構が前記ノーズの最も近くに前方基準スタンス位置を有し、前記後方ビンディング装着機構が前記テールの最も近くに後方基準スタンス位置を有する、前方及び後方ビンディング装着機構と、
    を含む、滑走ボード。
  17. 前記ボードが、前記ボードの一方側における前方有効エッジポイントから前記ボードの同じ側における後方有効エッジポイントまでの距離である有効エッジ長を有し、
    前記ボードが約3.8から約4.35の有効エッジ長対ウエスト幅比を有する、請求項16に記載のボード。
  18. 前記直線状セクションが約20から150mmの長さを有する、請求項16に記載のボード。
  19. 前記遷移ゾーンが約20から150mmの長さを有する、請求項16に記載のボード。
  20. 前記ボードの有効エッジ長が約900及び約1150mmの間である、請求項16に記載のボード。
  21. 前記前方及び後方基準スタンス位置間の基準スタンス幅が約450から約585mmである、請求項16に記載のボード。
  22. 前記サイドカット部分が前記ボードの長手方向の中心の近傍に凸状の膨らみを含む、請求項16に記載のボード。
  23. 前記上面と前記底面との間に前記接雪長部に沿って延出するコアを更に含み、前記コアの厚さが、前方遷移線の約100mm内又は後方遷移線の約100mm内で5mmよりも大きい、請求項16に記載のボード。
  24. 前記コアの厚さが前記前方又は後方遷移線において約2mm以下まで小さくなる、請求項23に記載のボード。
  25. 滑走ボードであって、
    前記ボードの前端における上向きノーズと、
    前記ボードの後端におけるテールと、
    前記ノーズと前記テールとの間を接続して位置する接雪長部と、
    前記接雪長部の上部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの上面と、
    前記接雪長部の下部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの底面であって、前記底面の少なくとも一部がライディング中に滑走面に接触するように構築され配置された、底面と、
    前記接雪長部に沿って前記上面と前記底面との間に延出するコアと、
    前記接雪長部の対向側で前記ノーズと前記テールとの間に延出するサイドエッジであって、前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び後方有効エッジポイントを画定する、サイドエッジと、
    フットビンディングと係合しこれを前記ボード上面に固定するように各々が配置された前方及び後方ビンディング装着機構であって、前記前方及び後方ビンディング装着機構の各々が、各フットビンディングを前記ボードに固定することができる前記接雪長部における各前方及び後方ビンディング装着領域を画定し、前記前方ビンディング装着機構が前記後方ビンディング装着機構よりも前記ノーズの近傍に位置し、前記前方ビンディング装着機構が前記ノーズの最も近くに前方基準スタンス位置を有し、前記後方ビンディング装着機構が前記テールの最も近くに後方基準スタンス位置を有する、前方及び後方ビンディング装着機構と、
    を含み、
    前記コアが、前記前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線の約100mm内の5mmよりも大きい厚さ又は前記後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線の約100mm内の5mmよりも大きい厚さを有し、
    前記コアが、前記前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線の約30mm内の5mm未満である厚さ又は前記後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線の約30mm内の5mm未満である厚さを有する、滑走ボード。
  26. 前記コアの厚さが、前記前方又は後方遷移線の約80mm内で5mmよりも大きい、請求項25に記載のボード。
  27. 前記コアの厚さが、前記前方又は後方遷移線の約60mm内で5mm未満である、請求項25に記載のボード。
  28. 前記コアの厚さが前記前方又は後方遷移線において約2mm以下まで小さくなる、請求項25に記載のボード。
  29. 前記コアの厚さが、前記前方及び後方遷移線の双方の約100mm内で5mmよりも大きい、請求項25に記載のボード。
  30. 前記ボードの有効エッジ長が約900及び約1150mmの間である、請求項25に記載のボード。
  31. 前記サイドエッジが各有効エッジポイントに位置する遷移ゾーンを含む、請求項25に記載のボード。
  32. 各遷移ゾーンが、各有効エッジポイントを中心とし、約20〜150mmの長さを有する、請求項31に記載のボード。
  33. 前記サイドエッジが各遷移ゾーンに隣接した直線状セクションを含み、前記直線状セクションが前記ウエストに最も近い前記遷移ゾーンの側に位置する、請求項31に記載のボード。
  34. 各直線状セクションが約20〜150mmの長さを有する、請求項33に記載のボード。
  35. 各直線状セクションが各遷移ゾーンに一点で接している、請求項33に記載のボード。
  36. 前記サイドエッジが前記ボードの対向側の前記直線状セクション間にサイドカット部分を含み、各直線状セクションが各サイドカット部分に一点で接している、請求項33に記載のボード。
  37. 前記ボードが、前記ボードの一方側における前方有効エッジポイントから前記ボードの同じ側における後方有効エッジポイントまでの距離である有効エッジ長を有し、
    前記ボードが約3.8から約4.35の有効エッジ長対ウエスト幅比を有する、請求項25に記載のボード。
  38. 滑走ボードであって、
    前記ボードの前端における上向きノーズと、
    前記ボードの後端におけるテールと、
    前記ノーズと前記テールとの間を接続して位置する接雪長部と、
    前記接雪長部の上部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの上面と、
    前記接雪長部の下部を覆うように前記ノーズから前記テールまで延出する前記ボードの底面であって、前記底面の少なくとも一部がライディング中に滑走面に接触するように構築され配置された、底面と、
    前記接雪長部に沿って前記上面と前記底面との間に延出するコアと、
    前記接雪長部の対向側で前記ノーズと前記テールとの間に延出するサイドエッジであって、向かい合った前方有効エッジポイント、ウエスト幅、及び向かい合った後方有効エッジポイントを画定し、前記ウエストと前記前方有効エッジポイントとの間又は前記ウエストと前記後方有効エッジポイントとの間の前記接雪長部において直線状セクションを含み、前記直線状セクションが前記ウエストの最も近くの内側端部及び前記前方又は後方有効エッジポイントの最も近くの外側端部を有し、
    フットビンディングと係合しこれを前記ボード上面に固定するように各々が配置された前方及び後方ビンディング装着機構であって、前記前方及び後方ビンディング装着機構の各々が、各フットビンディングを前記ボードに固定することができる前記接雪長部における各前方及び後方ビンディング装着領域を画定し、前記前方ビンディング装着機構が前記後方ビンディング装着機構よりも前記ノーズの近傍に位置し、前記前方ビンディング装着機構が前記ノーズの最も近くに前方基準スタンス位置を有し、前記後方ビンディング装着機構が前記テールの最も近くに後方基準スタンス位置を有する、前方及び後方ビンディング装着機構と、
    を含み、前記コアが、前記ウエストから前記直線状セクションの前記内側端部までほぼ一定の厚さを有し、前記コアが、前記内側端部の近傍から前記ノーズ又はテールへの方向において、前記前方又は後方有効エッジポイントの近傍で約2mm未満の厚さまで厚さが小さくなる、滑走ボード。
  39. 前記コアが、前記ウエストから前記直線状セクションの前記内側端部まで5mmよりも大きいほぼ一定の厚さを有し、前記コアが、前記内側端部の近傍からノーズ又はテールへの方向において約2mm以下まで厚さが小さくなる、請求項38に記載のボード。
  40. 前記コアが、前記前方有効エッジポイント間に延出する前方遷移線の約100mm内の5mmよりも大きい厚さ又は前記後方有効エッジポイント間に延出する後方遷移線の約100mm内の5mmよりも大きい厚さを有する、請求項39に記載のボード。
  41. 前記ボードがスノーボードである、請求項1から40のいずれかに記載のボード。
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