JP3173709U - 自動車用又は電車用金属製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製品表面に、メッキや塗装などの表面処理を行わずに、加飾することができ、傷つきや変色などを防止することができる自動車用又は電車用金属製品を提供する。
【解決手段】金属製品表面1に、防錆塗料2を塗布し、防錆塗料2のうえから接着剤3により布帛4を圧着する。
【選択図】図1

Description

本考案は、自動車用又は電車用金属製品に関するものである。
自動車、電車、飛行機、バス、船舶などの乗り物類、橋梁、鉄板、鉄柱、ガードレールなどの鉄製品、物干し台、把手、ワゴンなどの家庭用品類、蛇口などの水回り製品、トラクター、耕運機などの農耕機械などの金属製品の分野では、しばしばモデルチェンジが行われている。これは、使用者の好みが時代の流れとともに変化しており、この変化に対応するためである。
従来、金属製品の意匠を変更する際には、例えば、表面を構成する金属板材を所望の形状に加工することが知られている(例えば、特許文献1)。しかし、一度加工してしまった金属製品の外観を変更することは容易ではなかった。
また、近年の金属製品は、従来に比べて、その耐久性が向上しており、製造者側のメンテナンスや、使用者の使い方によっては、長期間にわたって使い続けられることも多い。この場合、金属製品表面の腐食による物性劣化や傷つきを防ぐために、皮膜を形成する(例えば、特許文献2、3)、クロムや遷移金属などのメッキを施す(例えば、特許文献4)、などの表面加工がなされている。しかしながら、皮膜やメッキは、衝撃によって破断したり、ひび割れたり、剥離する可能性が常にあり、現在でも、これらの皮膜となる化合物の種類や、メッキする金属の種類を工夫することで、腐食しにくく、表面の傷つきを防止するための努力がなされている。
また、金属製品の表面に、防錆性の塗料組成物を塗布する技術(特許文献5、6)、塗料で表面にデザインを描く技術もよく知られている。しかしながら、作業工程が複雑で仕上げまでに多くの工程が必要である、塗装の過程で金属製品の表面が傷つきやすい、塗装表面を美しく仕上げるのに熟練が必要となる、といった煩雑さに加えて、塗料のひび割れ、剥離の問題もある。したがって、例えば、自動車などでは、塗装表面の洗浄とワックス掛けを頻繁に行う必要がある。
さらに、従来のメッキや塗装などの表面加工では、一旦、表面加工を施すと、その表面に施された模様などは容易に変更することはできない。また、従来の金属表面の加工技術では、洗った場合に汚れが落ち易いという観点から、表面を平滑にすることが一般的であり、この点からも金属製品は意匠性に制限があった。
また、金属は導電性が良いことから、特に冬場などの低温、低湿度環境下で人体に蓄えられた電荷(静電気)が、金属製品に触れることにより放電される際に、ビリッという不快感、恐怖感を引き起こし、これを防ぐための各種グッズなども提案されている。また、金属は高い熱伝導性を有することから、熱湯の出る蛇口や湯沸しのヤカンなど、加熱された金属製品に不用意に触れてしまうと火傷を負うといった不都合な点もある。
特開2007−260725号公報 特表2003−527456号公報 特開平11−71536号公報 特開平7−48683号公報 特開2000−017198号公報 特開2005−238001号公報
本考案は、上記の事情に鑑みて、メッキ、塗装、ワックスなどを使用せずに、金属製品表面の外観だけでなく、手触りなどの触感を含む意匠の変更も可能な、金属製品表面の加工方法、金属製品表面の防錆加工方法、金属製品表面における導電性を低下させ、静電気の放電による不快感や恐怖感を取り除く方法、および金属製品表面に断熱性を付与することにより、加熱された金属製品に不用意に触れた場合の火傷を防止する方法など、金属製品表面における各種物性を改善することで、上述したような様々な不都合を改善する方法を提供可能な加飾された自動車用又は電車用金属製品を提供することを目的とする。
本考案者は、メッキ、塗装、ワックスなどの従来の表面加工とは異なる金属製品の加工方法を鋭意検討したところ、金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで接着剤により布帛を貼り合わせることにより、前記様々な課題を一挙に解決することができることを見出し、本考案を完成させるに至った。
すなわち、本考案は、
(1)鉄製品と、該鉄製品の表面に塗布された防錆塗料と、該防錆塗料のうえから接着剤により圧着された布帛とを備える加飾された自動車用又は電車用金属製品、
(2)前記防錆塗料が、エポキシ樹脂、ビニル化アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂から選ばれたものである前記(1)記載の自動車用又は電車用金属製品、
(3)前記接着剤が、ウレタン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれたものである前記(1)または(2)に記載の自動車用又は電車用金属製品、
(4)前記布帛が、織物又は編物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用又は電車用金属製品、
に関する。
本考案によれば、金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで接着剤により布帛を貼り合わせることにより、以下のような顕著な効果を奏する。
(1)加飾効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、自動車、電車、飛行機、バス、船舶などの乗り物類、桟橋、橋梁、鉄板、鉄柱、ガードレールなどの鉄製品(構造物)、物干し台、把手、ワゴンなどの家庭用品類、台所や風呂場の蛇口などの水回り製品、トラクター、耕運機などの農耕機械などに代表される各種金属製品の表面に布帛による加飾を行うことができ、金属製品表面の外観だけでなく、手触りなどの触感を含む意匠を変更することができる。また、種々の色、模様の布帛を組み合わせたり、複雑な模様が付いた布帛を用いることで、金属製品の表面に様々なデザインを施すことが可能になり、従来は平滑な表面が一般的であった金属製品の表面の意匠性を顕著に向上させることができる。
(2)金属製品表面の傷つき防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面の傷つきを防止することができる。
(3)汚れ・変色防止方法
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面の汚れや変色を防止することができる。
(4)金属製品表面のメッキなどの表面処理を省略
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、メッキ、ワックス掛けなど、従来行われていた金属製品の表面処理や手入れが不用となる。
(5)塗装のひび割れ・剥離の防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、塗装のひび割れ・剥離といった問題がなくなる。
(6)防錆効果
金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで、接着剤により布帛を貼ることにより、単に防錆塗料を塗布した場合や、防錆塗料のうえから仕上げ用塗料を塗布した場合に較べて、防錆効果を顕著に向上させることができ、本考案は、通常の金属製品はもとより、船舶、桟橋、ブイその他、常に海水や海風(潮風)に晒される金属製品の表面防錆加工方法として有用である。
(7)静電気放電時のショック(不快感、恐怖感)の防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、人体に蓄えられた静電気が金属製品に向けて放電されることを抑制し、金属製品に触れることによる静電気放電時のショックを緩和し、不快感、恐怖感を取り除くことができる。
(8)断熱性付与効果
金属は熱伝導が良いため、金属製品は日差しなどにより熱され易く、例えば、真夏の炎天下では、自動車の車内温度は60℃以上にもなるとされている。また、蛇口など熱湯で加熱された金属製品に不用意に触れると火傷を起こす危険もある。この点、本考案によれば、金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品の表面に断熱性を付与し、熱せられた金属製品に不用意に触れた際の火傷などの事故の発生を防止することができる。また、本考案により金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面及び内部の温度上昇を抑制する防熱・遮熱効果も奏する。
布帛を貼付した金属製品表面を示す断面説明図。 剥離試験方法の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。 防錆試験の試験片を示す平面図。
本考案に係る自動車用又は電車用金属製品は、図1に示すように、金属製品表面1に、防錆塗料2を塗布し、防錆塗料2のうえから接着剤3により布帛4を貼付することで得ることができる。そして、それにより、(1)金属製品表面の加工方法、(2)金属製品表面の防錆加工方法、(3)金属製品表面における静電気の放電を抑制することで、静電気放電時のショックによる不快感や恐怖心を取り除く方法、(4)金属製品表面に断熱性を付与し、加熱された金属製品に触れた場合の火傷などを防止する方法を提供できる。したがって、これら(1)〜(4)の方法の詳細について、以下、「本考案により提供される方法」として、まとめて説明する。
本考案により提供される方法において、布帛を貼付する対象となる金属製品としては、表面が金属製である製品であれば特に限定はない。例えば、自動車、電車、飛行機、バス、船舶などの乗り物、桟橋、橋梁、鉄板、鉄柱、ガードレールなどの鉄製品(構造物)、台所、風呂場などの蛇口など水回り製品、物干し台、把手、ワゴンなどの家庭用品類、トラクター、耕運機などの農耕機械、机、イス、筆記用具などの日用品などが挙げられる。また、金属製品の金属の種類にも特に限定はなく、鉄、ステンレス、アルミニウムその他、各種金属が挙げられるが、それらの中でも、安価で加工も容易であるが腐食(錆の発生)しやすい鉄などにおいて、本考案による大きな効果を享受することができる。
本考案において、金属製品の表面に貼付する布帛としては、特に制限はなく、一般的な織物、編物などでよい。織物は、糸を経緯に組み合わせて作られた布地であり、編物は、通常は1本の糸から作られた布地である。また、起毛又は植毛された布帛であってもよい。起毛された布帛とは、織物や編物の表面を、金属ブラシなどによりブラッシングすることで毛羽立たせた布地である。また、植毛された布帛とは、織物、編物などからなる基布に、短繊維を埋め込んだり、あるいは接着した布地である。植毛された布帛では、短繊維の接着のために接着剤が使用されていてもよい。布帛の材料となる繊維にも、特に制限はなく、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、スパンテックスなどの合成繊維、綿、絹、麻、ウールなどの天然繊維、レーヨン、再生ポリエステルなどの再生繊維が挙げられる。
本考案で使用する織物や編物などの布帛としては、その織り方や編み方、また目の大きさなどについては特に制限はないが、後述するように、布帛を接着する接着剤が布帛の目から表面に染み出し難くするためには、目が粗い布帛より、目が詰まった布帛が好ましい。また、断熱性付与の観点からは、厚みの厚い布帛のほうが好ましい。
布帛の具体例としては、メリヤス綿、コールテン綿、ベッチン綿、ポリエステル平織品、ポリエステル起毛品、綿起毛品、ナイロン植毛品、レーヨン植毛品、ウール植毛品、バックスキン、アクリル起毛品、傘地、レインコート地、スパンテックス織物などが挙げられる。
また、汚れ防止、防錆性などの観点から、撥水処理又は防水処理が施された布帛を用いてもよい。撥水処理又は防水処理としては、公知の撥水剤又は防水剤を、前記布帛の表面に塗布すればよい。使用する撥水剤及び防水剤の種類は、対象となる布帛に応じて適宜選択すればよい。また、布帛自体の表面を、撥水性又は防水性のある合成繊維などで構成してもよい。
本考案により提供される方法においては、金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで、接着剤により布帛を貼り合わせ、金属製品の表面を布帛で被覆する。布帛は、金属製品の表面全体に貼ってもよいし、必要に応じてその一部のみに布帛を貼り合わせるだけでもよい。
本考案で使用する防錆塗料には、特に限定はなく、例えば、油性系、アルキド樹脂系、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系などの有機防錆塗料、シリケート系結合剤などの結合剤を用いた無機防錆塗料などが挙げられる。これらのなかでも、エポキシなどの有機防錆塗料が、コスト、作業性、金属及び接着剤との接着性などの観点から好ましい。
本考案で使用する接着剤には特に限定はなく、前記防錆塗料および布帛との接着性を考慮して適宜決定すればよい。例えば、反応硬化型接着剤、ゴム系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤等が使用できる。
反応硬化型接着剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などを主成分とするものが挙げられる。ゴム系接着剤としては、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、IR、NBRなどを主成分とするものが挙げられる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、共重合ポリアミド、ポリビニルホルマールなどを主成分とするものが挙げられる。中でも、接着剤の塗膜が高粘度で柔軟性のある接着剤を使用することが、布帛の表面に浸み出さず、布帛による意匠性を損なわず、また布帛による静電気放電防止効果、断熱効果を得るなどの観点から好ましい。具体的には、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、オレフィン系接着剤、更にはクロロプレンゴムなどのゴム系接着剤がより好ましい。また、金属製品表面への断熱性付与の観点からは、熱により軟化しにくい反応硬化型接着剤が好ましい。
前記防錆塗料や接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布など、いずれの方法でもよい。塗布する防錆塗料や接着剤の量としては、金属製品の表面に布帛が剥離せずにしっかりと密着(固着)できる量であればよく、特に限定はないが、金属製品表面を覆う布帛の全面に防錆塗料や接着剤が付着するように塗布することが好ましい。また、布帛の表面に接着剤が染み出すと、布帛による放電防止効果、断熱性付与効果などが損なわれる場合があることから、接着剤は布帛の表面に浸み出さない程度に塗布、乾燥したうえで布帛を圧着することが好ましい。
本考案により提供される方法においては、先ず金属製品の表面に防錆塗料を塗布し、乾燥させた後、そのうえから接着剤を塗布する。次いで、布帛を金属製品表面に圧着する。このとき、接着剤は生乾き状態であることが好ましい。生乾き状態とは、接着剤が完全に乾燥していない状態をいう。完全に乾燥してしまうと、金属製品表面と布帛との密着が不十分となるので好ましくない。一方、接着剤の塗布直後に布帛を圧着すると、布帛の表面に接着剤が浸み出す場合があるので、注意が必要である。布帛を圧着する手段としては、金属製品に傷がつかず、布状物を傷めない手段であれば特に限定はない。例えば、手で直接、布帛を金属製品表面に押し当てても良いし、ローラやプレス機など金属製品に布帛を押圧するための装置を用いてもよい。押圧後、好ましくは一定時間静置することで、金属製品表面に布帛が密着する。
上記のように、本考案により提供される方法によれば、金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで、接着剤により布帛を貼着することで、金属製品に布帛による意匠性を付与することができるうえに、従来の防錆塗料や仕上げ塗料を塗布するだけの場合に較べて、金属製品表面の防錆効果を顕著に向上させることができるだけでなく、静電気の放電による不快感、恐怖感を取り除くことができ、また、布帛により金属製品表面に断熱性を付与することで火傷防止などの効果が得られる。
以下、本考案の実施例(試験例)を示すが、本考案は、これらにより限定されるものではない。なお、以下で使用した布帛は、いずれも、新大阪繊維シティー内の(株)とらや商店から購入した一般的な布帛である。
<試験例1:鉄板表面への防錆塗料の密着試験>
鉄板表面をメタノールで清浄化した後、下記表1に示す3種の防錆塗料A、B、Cを各々約0.2mmの厚さに刷毛塗りし、乾燥室内で40℃、6時間乾燥させた。乾燥後、碁盤目剥離法で密着試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0003173709
表1に示すように、いずれの防錆塗料も、鉄板表面への密着性は良好であった。
<試験例2:防錆塗料による鉄板表面への布帛の接着度>
試験例1と同じ要領で、鉄板表面に防錆塗料Aを塗布した後、乾燥室内で40℃、1時間乾燥し、半乾きの状態の塗料表面に綿、レーヨン、ポリエステル製布帛(いずれも平織)を圧着した。室温で1ヶ月放置後、下記の剥離試験を行った。結果を表2に示す。
剥離試験方法
図2に示すように、全面に防錆塗料2を塗布した鉄板10の表面の端部から幅2cmにわたってポリエチレンフィルム5で被覆したうえで、鉄板10の表面に布帛4を圧着した。1ヶ月放置後、ポリエチレンフィルム5を挟むことにより鉄板10に接着していない布帛4の端部を引っ張り、布帛4が鉄板10から剥離するか否かを調べた。
Figure 0003173709
表2に示すとおり、防錆塗料のみによっては、鉄板の表面に布帛を確実に密着させることは出来なかった。
<試験例3:各種接着剤と布帛との密着度>
下記表3に示す各種接着剤を、綿製、レーヨン製及びポリエステル製の各種布帛(いずれも平織)の表面に塗布し、密着度を調べた。密着度の評価は、図2に示した試験例2と同様に、布帛の端部から幅2cmにわたってポリエチレンフィルムで被覆し、ポリエチレンフィルムを挟んで接着剤が付着していない布帛端部を引っ張り、接着剤の塗膜が剥離するか否を調べた。
Figure 0003173709
<試験例4:接着剤による布帛と鉄板との密着度>
試験例3の結果から、布帛との接着性の良かった下記表4に示す接着剤を用いて鉄板への密着度を調べた。結果を表4に示す。
Figure 0003173709
表4に示すとおり、布帛との密着性の良い接着剤であっても、鉄板へは容易に密着しないことがわかった。
<試験例5:防錆塗料及び接着剤を用いて貼付した布帛と鉄板との密着度>
鉄板へエポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を塗布し、40℃、6時間乾燥後、試験例3で布帛との密着性の良かった接着剤を塗布したうえで各種布帛を圧着し、接着剤の乾燥後、密着度を調べた。結果を表5に示す。
Figure 0003173709
試験例1〜5の結果から、鉄板に防錆塗料を塗布したうえで接着剤により布帛を貼付することで、鉄板と布帛との高い密着度が得られることが分かった。
<試験例6:鉄板に布帛を貼付することによる防錆効果>
厚さ0.4mmの鉄板10の表面にエポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を厚さ約0.2mmで塗布後、40℃、6時間乾燥した。乾燥後、前記鉄板10の表面の半分にウレタン系接着剤(セメダイン(株)、品名「UM700」)を塗布し、各種布帛4を圧着し、乾燥したものを試験片とした(図3参照)。
上記試験片を、海水とほぼ同じ濃度(塩分濃度3.4重量%)の食塩水に朝8時から14時までの6時間にわたって浸漬した後、退色試験機((株)安田精機製作所、型番:No.518)を使用し、14時から翌朝8時までサンシャインウェザーメーターテスト(400時間で1年間の屋外暴露に相当)を行った。これを7日〜21日間にわたって繰り返し行った。結果を表6に示す。
Figure 0003173709
表6に示すとおり、防錆塗料のうえから接着剤により布帛を貼付することで、金属製品表面の防錆効果が顕著に向上した。この結果から明らかなように、本考案により提供される方法は、通常の金属製品はもとより、船舶、桟橋、ブイその他、常に海水や海風(潮風)に晒される金属製品の表面防錆加工方法として有用である。
<試験例7:鉄板に布帛を貼付することによる静電気放電防止効果>
(1)静電気発生法
塩化ビニル樹脂製のパイプ(外径48mm、内径44mm、長さ40cm)を羊毛製布帛で20回摩擦して、20kV程度帯電させる。帯電する電位は、気温、湿度などにより異なる。湿度が低く、気温も低い条件で高い電位の静電気が発生する。
(2)鉄板への放電試験
鉄板(厚さ0.45mm、幅50mm、長さ90mm)に前記(1)により帯電させた塩化ビニル製パイプを1〜3cmの距離に近づけると、パイプと鉄板との間にパチッとスパークが飛び、火花と音が出て、電位が0Vになる。スパークが飛ぶ距離は電位により異なる。高温、高湿度条件(例えば、天候:雨、室温:27℃、湿度:60%)では、静電気の発生が弱く(帯電量が少なく)、パイプと鉄板とを1cmまで近づけて弱いスパークが飛んだ。一方、低温、低湿度条件(例えば、天候:晴れ、室温:25℃、湿度:43%)では、静電気の発生が強く(帯電量が多く)、パイプと鉄板とを2〜3cmに近づけると強いスパークが飛んだ。以下の放電試験は、前記低温、低湿度条件(強いスパーク)で実施した。
(3)防錆塗料を塗布した鉄板への放電試験
前記(2)と同じ鉄板の全面に、エポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を、乾燥塗膜厚が30μmとなるように刷毛で均一に塗布し、1日間乾燥させ、前記(2)と同様に放電試験を行った。その結果、強い放電、スパーク音が発生した。
(4)防錆塗料及び接着剤を塗布した鉄板への放電試験
前記(3)のエポキシ系防錆塗料Aの上へ、更に接着剤を塗布し、前記と同様に放電試験を行った。接着剤は、ウレタン系接着剤(セメダイン(株)、品名「UM700」)を乾燥塗膜厚40μm、クロロプレン系接着剤(コニシ(株)、「コニシ水性G」)を乾燥塗膜厚30μmとなるように塗布した。その結果、いずれの接着剤を塗布した鉄板においても、強い放電、スパーク音が発生した。
(5)布帛を貼付した鉄板への放電試験
前記(3)のエポキシ系防錆塗料Aの上へ、前記(4)の接着剤を塗布した直後に各種布帛を貼り合わせ、1日間乾燥させた後、前記同様に放電試験を行った。結果を前記(2)〜(4)の放電試験とあわせて表7に示す。
Figure 0003173709
表7に示すとおり、布帛を貼付することで、鉄板表面の静電気の放電がなくなった。ただし、布帛の表面に接着剤が染み出すと、放電する場合がある。
<試験例8:鉄板に布帛を貼付することによる火傷防止効果>
前記試験例7と同様に、鉄板(厚さ0.45mm、幅50mm、長さ90mm)にエポキシ系防錆塗料Aを塗布しただけの試験片、前記防錆塗料Aの上に接着剤を塗布した試験片、更に前記接着剤により各種布帛を貼付した試験片を、熱湯(100℃)で10分間加熱した後、加熱した鉄板に指で触っていられる時間を測定し、布帛を貼付することによる火傷防止効果を調べた。結果を表8に示す。
Figure 0003173709
表8に示す結果から明らかなように、布帛を貼り合わせることで、鉄板に触れた際の火傷を防止することができる。また、貼り合わせる布帛は、織り方などよりも、厚みが重要であり、布帛の厚みが2.3mmあれば、十分な断熱効果が得られる。また、火傷防止などの断熱性付与を目的とする場合には、熱で軟化し難い接着剤を使用することが好ましい。
1 金属製品表面
2 防錆塗料
3 接着剤
4 布帛
5 ポリエチレンフィルム
10 鉄板


Claims (4)

  1. 鉄製品と、該鉄製品の表面に塗布された防錆塗料と、該防錆塗料のうえから接着剤により圧着された布帛とを備える加飾された自動車用又は電車用金属製品。
  2. 前記防錆塗料が、エポキシ樹脂、ビニル化アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂から選ばれたものである請求項1記載の自動車用又は電車用金属製品。
  3. 前記接着剤が、ウレタン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれたものである請求項1または2に記載の自動車用又は電車用金属製品。
  4. 前記布帛が、織物又は編物である請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用又は電車用金属製品。

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