JP3173709U - 自動車用又は電車用金属製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製品表面1に、防錆塗料2を塗布し、防錆塗料2のうえから接着剤3により布帛4を圧着する。
【選択図】図1
Description
(1)鉄製品と、該鉄製品の表面に塗布された防錆塗料と、該防錆塗料のうえから接着剤により圧着された布帛とを備える加飾された自動車用又は電車用金属製品、
(2)前記防錆塗料が、エポキシ樹脂、ビニル化アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂から選ばれたものである前記(1)記載の自動車用又は電車用金属製品、
(3)前記接着剤が、ウレタン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれたものである前記(1)または(2)に記載の自動車用又は電車用金属製品、
(4)前記布帛が、織物又は編物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用又は電車用金属製品、
に関する。
(1)加飾効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、自動車、電車、飛行機、バス、船舶などの乗り物類、桟橋、橋梁、鉄板、鉄柱、ガードレールなどの鉄製品(構造物)、物干し台、把手、ワゴンなどの家庭用品類、台所や風呂場の蛇口などの水回り製品、トラクター、耕運機などの農耕機械などに代表される各種金属製品の表面に布帛による加飾を行うことができ、金属製品表面の外観だけでなく、手触りなどの触感を含む意匠を変更することができる。また、種々の色、模様の布帛を組み合わせたり、複雑な模様が付いた布帛を用いることで、金属製品の表面に様々なデザインを施すことが可能になり、従来は平滑な表面が一般的であった金属製品の表面の意匠性を顕著に向上させることができる。
(2)金属製品表面の傷つき防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面の傷つきを防止することができる。
(3)汚れ・変色防止方法
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面の汚れや変色を防止することができる。
(4)金属製品表面のメッキなどの表面処理を省略
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、メッキ、ワックス掛けなど、従来行われていた金属製品の表面処理や手入れが不用となる。
(5)塗装のひび割れ・剥離の防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、塗装のひび割れ・剥離といった問題がなくなる。
(6)防錆効果
金属製品の表面に防錆塗料を塗布したうえで、接着剤により布帛を貼ることにより、単に防錆塗料を塗布した場合や、防錆塗料のうえから仕上げ用塗料を塗布した場合に較べて、防錆効果を顕著に向上させることができ、本考案は、通常の金属製品はもとより、船舶、桟橋、ブイその他、常に海水や海風(潮風)に晒される金属製品の表面防錆加工方法として有用である。
(7)静電気放電時のショック(不快感、恐怖感)の防止効果
金属製品の表面に布帛を貼ることにより、人体に蓄えられた静電気が金属製品に向けて放電されることを抑制し、金属製品に触れることによる静電気放電時のショックを緩和し、不快感、恐怖感を取り除くことができる。
(8)断熱性付与効果
金属は熱伝導が良いため、金属製品は日差しなどにより熱され易く、例えば、真夏の炎天下では、自動車の車内温度は60℃以上にもなるとされている。また、蛇口など熱湯で加熱された金属製品に不用意に触れると火傷を起こす危険もある。この点、本考案によれば、金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品の表面に断熱性を付与し、熱せられた金属製品に不用意に触れた際の火傷などの事故の発生を防止することができる。また、本考案により金属製品の表面に布帛を貼ることにより、金属製品表面及び内部の温度上昇を抑制する防熱・遮熱効果も奏する。
鉄板表面をメタノールで清浄化した後、下記表1に示す3種の防錆塗料A、B、Cを各々約0.2mmの厚さに刷毛塗りし、乾燥室内で40℃、6時間乾燥させた。乾燥後、碁盤目剥離法で密着試験を行った。結果を表1に示す。
試験例1と同じ要領で、鉄板表面に防錆塗料Aを塗布した後、乾燥室内で40℃、1時間乾燥し、半乾きの状態の塗料表面に綿、レーヨン、ポリエステル製布帛(いずれも平織)を圧着した。室温で1ヶ月放置後、下記の剥離試験を行った。結果を表2に示す。
図2に示すように、全面に防錆塗料2を塗布した鉄板10の表面の端部から幅2cmにわたってポリエチレンフィルム5で被覆したうえで、鉄板10の表面に布帛4を圧着した。1ヶ月放置後、ポリエチレンフィルム5を挟むことにより鉄板10に接着していない布帛4の端部を引っ張り、布帛4が鉄板10から剥離するか否かを調べた。
下記表3に示す各種接着剤を、綿製、レーヨン製及びポリエステル製の各種布帛(いずれも平織)の表面に塗布し、密着度を調べた。密着度の評価は、図2に示した試験例2と同様に、布帛の端部から幅2cmにわたってポリエチレンフィルムで被覆し、ポリエチレンフィルムを挟んで接着剤が付着していない布帛端部を引っ張り、接着剤の塗膜が剥離するか否を調べた。
試験例3の結果から、布帛との接着性の良かった下記表4に示す接着剤を用いて鉄板への密着度を調べた。結果を表4に示す。
鉄板へエポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を塗布し、40℃、6時間乾燥後、試験例3で布帛との密着性の良かった接着剤を塗布したうえで各種布帛を圧着し、接着剤の乾燥後、密着度を調べた。結果を表5に示す。
厚さ0.4mmの鉄板10の表面にエポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を厚さ約0.2mmで塗布後、40℃、6時間乾燥した。乾燥後、前記鉄板10の表面の半分にウレタン系接着剤(セメダイン(株)、品名「UM700」)を塗布し、各種布帛4を圧着し、乾燥したものを試験片とした(図3参照)。
上記試験片を、海水とほぼ同じ濃度(塩分濃度3.4重量%)の食塩水に朝8時から14時までの6時間にわたって浸漬した後、退色試験機((株)安田精機製作所、型番:No.518)を使用し、14時から翌朝8時までサンシャインウェザーメーターテスト(400時間で1年間の屋外暴露に相当)を行った。これを7日〜21日間にわたって繰り返し行った。結果を表6に示す。
(1)静電気発生法
塩化ビニル樹脂製のパイプ(外径48mm、内径44mm、長さ40cm)を羊毛製布帛で20回摩擦して、20kV程度帯電させる。帯電する電位は、気温、湿度などにより異なる。湿度が低く、気温も低い条件で高い電位の静電気が発生する。
(2)鉄板への放電試験
鉄板(厚さ0.45mm、幅50mm、長さ90mm)に前記(1)により帯電させた塩化ビニル製パイプを1〜3cmの距離に近づけると、パイプと鉄板との間にパチッとスパークが飛び、火花と音が出て、電位が0Vになる。スパークが飛ぶ距離は電位により異なる。高温、高湿度条件(例えば、天候:雨、室温:27℃、湿度:60%)では、静電気の発生が弱く(帯電量が少なく)、パイプと鉄板とを1cmまで近づけて弱いスパークが飛んだ。一方、低温、低湿度条件(例えば、天候:晴れ、室温:25℃、湿度:43%)では、静電気の発生が強く(帯電量が多く)、パイプと鉄板とを2〜3cmに近づけると強いスパークが飛んだ。以下の放電試験は、前記低温、低湿度条件(強いスパーク)で実施した。
(3)防錆塗料を塗布した鉄板への放電試験
前記(2)と同じ鉄板の全面に、エポキシ系防錆塗料A((株)アサヒペン、品名「超速乾サビドメ」)を、乾燥塗膜厚が30μmとなるように刷毛で均一に塗布し、1日間乾燥させ、前記(2)と同様に放電試験を行った。その結果、強い放電、スパーク音が発生した。
(4)防錆塗料及び接着剤を塗布した鉄板への放電試験
前記(3)のエポキシ系防錆塗料Aの上へ、更に接着剤を塗布し、前記と同様に放電試験を行った。接着剤は、ウレタン系接着剤(セメダイン(株)、品名「UM700」)を乾燥塗膜厚40μm、クロロプレン系接着剤(コニシ(株)、「コニシ水性G」)を乾燥塗膜厚30μmとなるように塗布した。その結果、いずれの接着剤を塗布した鉄板においても、強い放電、スパーク音が発生した。
(5)布帛を貼付した鉄板への放電試験
前記(3)のエポキシ系防錆塗料Aの上へ、前記(4)の接着剤を塗布した直後に各種布帛を貼り合わせ、1日間乾燥させた後、前記同様に放電試験を行った。結果を前記(2)〜(4)の放電試験とあわせて表7に示す。
前記試験例7と同様に、鉄板(厚さ0.45mm、幅50mm、長さ90mm)にエポキシ系防錆塗料Aを塗布しただけの試験片、前記防錆塗料Aの上に接着剤を塗布した試験片、更に前記接着剤により各種布帛を貼付した試験片を、熱湯(100℃)で10分間加熱した後、加熱した鉄板に指で触っていられる時間を測定し、布帛を貼付することによる火傷防止効果を調べた。結果を表8に示す。
2 防錆塗料
3 接着剤
4 布帛
5 ポリエチレンフィルム
10 鉄板
Claims (4)
- 鉄製品と、該鉄製品の表面に塗布された防錆塗料と、該防錆塗料のうえから接着剤により圧着された布帛とを備える加飾された自動車用又は電車用金属製品。
- 前記防錆塗料が、エポキシ樹脂、ビニル化アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂から選ばれたものである請求項1記載の自動車用又は電車用金属製品。
- 前記接着剤が、ウレタン樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体から選ばれたものである請求項1または2に記載の自動車用又は電車用金属製品。
- 前記布帛が、織物又は編物である請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用又は電車用金属製品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011007167U JP3173709U (ja) | 2011-12-05 | 2011-12-05 | 自動車用又は電車用金属製品 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011007167U JP3173709U (ja) | 2011-12-05 | 2011-12-05 | 自動車用又は電車用金属製品 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010163754 Continuation | 2010-07-21 | 2010-07-21 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3173709U true JP3173709U (ja) | 2012-02-16 |
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ID=48000926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011007167U Expired - Lifetime JP3173709U (ja) | 2011-12-05 | 2011-12-05 | 自動車用又は電車用金属製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3173709U (ja) |
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2011
- 2011-12-05 JP JP2011007167U patent/JP3173709U/ja not_active Expired - Lifetime
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