JP3173433B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP3173433B2
JP3173433B2 JP24505897A JP24505897A JP3173433B2 JP 3173433 B2 JP3173433 B2 JP 3173433B2 JP 24505897 A JP24505897 A JP 24505897A JP 24505897 A JP24505897 A JP 24505897A JP 3173433 B2 JP3173433 B2 JP 3173433B2
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治雄 末永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネトロンを用い
た高周波加熱装置のマグネトロンの駆動用電源の電力制
御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加熱装置の要部回路図を図
7に示す。25は機器全体の制御を司る機器制御回路で
ある。32は珪素鋼板をコアとした磁気漏洩型の昇圧ト
ランスである。商用電源1から機器制御回路25の指令
信号によってオン/オフされるリレー31がオンされる
と、昇圧トランス32の1次巻線28に商用周波数の電
圧が印加され2次巻線29には高圧が発生する。2次巻
線29は方端がシャーシアース26となっている。さら
にコンデンサ33とダイオード34からなる高圧回路1
6によって半波倍電圧され、マグネトロン24のアノー
ド−カソード間には電源周波数の半周期ごとに約4kV
の高圧が発生する。ここでもダイオード34の方端のカ
ソードはシャーシアース26となっている。
【0003】一方、3次巻線からはマグネトロン24の
ヒーターに電力が供給され、カソードを傍熱することに
よって電子の放射が容易な状態にする。
【0004】そして、ここでもダイオード34の片端の
アノードはシャーシアース26となっているため、マグ
ネトロンのカットオフ電圧を超えるとカソードから照射
した電子がアノードに到達し、高圧回路および2次巻線
29で閉ループを形成しアノード−カソード間にマグネ
トロン電流(アノード電流)が流れる。このとき発生す
る電力はある変換効率をもってマイクロ波に変換されオ
ーブン庫内の食品は誘電加熱される。
【0005】これが、最も現在一般的に使用されている
電子レンジの駆動電源回路である。この回路では動作の
エージングが進むにつれマグネトロンのマグネットが温
度上昇し前述したカットオフ電圧が下がっていく。しか
し、磁気漏洩型の昇圧トランスの電気的特性によりアノ
ード電流はわずかに微増するかたちでほぼ一定に固定さ
れ、入力電流は漸減していき温度飽和するまで減少す
る。
【0006】さらに従来の高周波加熱装置の要部回路図
を図8に示す。これは1石式電圧共振型インバータ回路
を用いたマグネトロン駆動用電源である。1は商用電
源、2は全波整流をおこなうダイオードブリッジで商用
電源1を全波整流して直流電源を得る。チョークコイル
3は電流の変動を平滑し、平滑コンデンサ4は電圧の変
動を平滑する。これらのキャパシタとインダクタ及びダ
イオードブリッジから構成される整流フィルター部5は
単方向電圧を後段の回路に供給する。この整流フィルタ
ー部5から磁気漏洩型の昇圧トランス7の巻線にエネル
ギーが蓄積される。昇圧トランス7の1次巻線28とそ
れに並列に配された共振コンデンサ6はタンク回路を構
成し、昇圧トランス7の巻線に蓄積されたエネルギーで
共振する。半導体スイッチング素子8とそれに並列に配
されたダイオード9からなるスイッチング手段は前記タ
ンク回路に直列に接続される。ここで示したタンク回
路、スイッチング手段によって構成されるインバータ部
10によって商用周波数の交流電源は高周波電源に変換
される。
【0007】昇圧トランス7の2次側は、2次巻線29
と3次巻線30を具備している。2次巻線29に誘起さ
れた電圧はコンデンサ14、15とダイオード12、1
3からなる全波倍電圧整流回路の機能を果たす高圧回路
16によって直流高圧電圧に変換されマグネトロン24
のアノード−カソード間に4kV程度の高電圧を印加す
る構成となっている。このようにしてインバータ電源回
路18は構成されている。
【0008】第1のカレントトランス17はマグネトロ
ン24に流れるアノード電流やその他の高圧回路16の
枝路に流れる電流を、その2次巻線に発生する電圧とし
て検出し、インバータ電源回路18を制御するインバー
タ制御部11に伝送する。
【0009】ここで第1のカレントトランス17は機器
シャーシに結合されて構成されるシャーシアース26を
アース電位とする高圧回路16等の回路系と、半導体ス
イッチング素子8のエミッタラインからなるアース27
をアース電位にもつインバータ制御部11を電気的に絶
縁して信号を伝達する機能を有している。ここで第1の
カレントトランス17の1次側の検出電流は数百mA程
度の平均電流が流れる。
【0010】インバータ制御部11は第1のカレントト
ランス17の2次側からの信号がほぼ一定になるように
負帰還制御をかけて半導体スイッチング素子8のオン時
間をコントロールしてインバータ部10から昇圧トラン
ス7の2次側に伝達する電力を制御している。
【0011】さらに、機器制御回路25から伝送される
信号はフォトカプラー19を用いてインバータ制御部1
1と電気的に絶縁されている。
【0012】この場合においても、制御則からすると動
作エージングをすると前述した従来例と同様アノード電
流はわずかに微増するかたちでほぼ一定に固定され、入
力電流は漸減していき温度飽和するまで減少する。
【0013】この漸減特性は温度が高くなってくると入
力電流を下げて減定格して各電気部品の温度責務を軽減
する制御となっており、機器にとっては非常に負担の軽
い電力制御方法であることが言える。特に密閉状態で機
器が設置され、冷却風の吸排気が滞り冷却能力が低下し
た場合など非常に温度的に厳しい環境になるが、そのと
きも入力電流が著しく下がり機器の各電気部品が過度に
温度上昇することを防止することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
図7、図8で示すようなマグネトロン駆動電源では、上
述したように機器の入力電流の漸減特性があるため、機
器が十分雰囲気中に温度が馴染んだ冷時の状態から、動
作を開始して温度飽和するまでに1.5〜2.0Aも減
少することがわかっている。また、電気用品取締法では
高周波出力を測定するタイミングはこの温度飽和の状態
である。
【0015】一方、屋内配線に設置されている電流ブレ
ーカは一般的に日本国内では15Aを下限としている。
そしてまだまだ15Aブレーカを使用している使用者も
多いのが事実である。
【0016】このようなことから、高周波出力が大きい
仕様の高周波加熱装置を考えると図9に示すように
(b)時点で高周波出力が決定されるとすると加熱開始
から(a)時点までは斜線で示したように15Aを超え
ることになり市場での電流ブレーカの遮断が予測され商
品として性能を満足することはできない。
【0017】すなわち、自ずと加熱開始時点で15Aを
わずかに下回る程度に設計しなければならないという制
約条件が存在することになる。よほど入力電力を高周波
出力へと変換する効率の優れた電源、マグネトロン、食
品への給電システムを達成しない限り最高高周波出力は
せいぜい600〜700Wが限界となり高周波加熱装置
の高出力化の障害となっていた。ま一方、入力電流一定
で制御すると、機器にとって非常に負担の少ない電力の
漸減特性を利用することができず温度性能を満足するう
えで不利であった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、マイクロ波を放射するマグネトロンと、商
用電源を全波整流しかつ高周波成分を除去して直流電源
に変換する整流フィルター部と、少なくとも1個の半導
体スイッチング素子をオン/オフして直流電源を高周波
電力に変換するインバータ部と、インバータ部の高周波
電力を昇圧する昇圧トランスと、昇圧トランスの出力を
整流または逓倍電圧整流して高圧直流電圧に変換しマグ
ネトロンに高圧直流電圧を印加する高圧回路と、高圧回
路の枝路に流れる電流を検出する第1のカレントトラン
スと、機器の入力電流を検出する第2のカレントトラン
スと、半導体スイッチング素子をオン/オフ制御するイ
ンバータ制御部と、マイクロコンピューターと、マイク
ロコンピューターを用い前記第1のカレントトランスま
たは第2のカレントトランスを選択的に一定に制御して
前記インバータ制御部に前記マグネトロンのマイクロ波
出力の制御指令信号を送出しかつ高周波加熱装置全体の
制御を司る機器制御回路とを備え、マイクロコンピュー
ターは第1のカレントトランスから得られた信号をアナ
ログ値からデジタル値に変換する第1のA/Dコンバー
タと、第2のカレントトランスから得られた信号をアナ
ログ値からデジタル値に変換する第2のA/Dコンバー
タと、高周波出力を決定する基準値と、入力電流の上限
を決定するリミット値と、第1のA/Dコンバータの出
力と基準値との差分値を引数として電力制御ループに負
帰還制御がかかるような所定の補正値を導出する変換関
数を具備した第1の変換関数部と、第2のA/Dコンバ
ータの出力とリミット値との差分値を引数として電力制
御ループに負帰還制御がかかるような所定の補正値を導
出する変換関数を具備した第2の変換関数部と、第1の
変換関数部または第2の変換関数部の出力を選択的に累
積加算する積分部と、積分部の出力をパルス幅変調信号
に変換するPWM信号部を有し、積分部は第2のA/D
コンバータの出力がリミット値以上のとき第2のA/D
コンバータの出力を選択し、第1のA/Dコンバータの
出力が基準値より大きいとき第1のA/Dコンバータの
出力を選択する構成としたものである。
【0019】上記発明によれば、入力電流がある所定の
リミット値を超えると第2の変換関数部の出力が選択さ
れリミット値近傍で一定制御されるため、電流ブレーカ
が遮断するような大電流が流れないような入力電流一定
制御の構成となっている。
【0020】一方、ある程度動作エージングが進み、高
圧回路の枝路に流れる電流が増加してきて、第1のA/
Dコンバータの出力が基準値より大きくなると、第1の
A/Dコンバータの出力を選択してその後は従来通りの
漸減特性をもった電力制御に切り替わり温度飽和値まで
下がる。
【0021】このように、入力電流をリミットする機能
を加えることにより、電流ブレーカの遮断を危惧せず温
度飽和値における入力電流をさらに高い値に設定でき、
15Aという入力電流の制限枠内でさらなる高出力化が
実現可能となる。また機器にとって非常に負担の少ない
電力の漸減特性をも積極的に活用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、マイクロ波を放射する
マグネトロンと、商用電源を全波整流しかつ高周波成分
を除去して直流電源に変換する整流フィルター部と、少
なくとも1個の半導体スイッチング素子をオン/オフし
て直流電源を高周波電力に変換するインバータ部と、イ
ンバータ部の高周波電力を昇圧する昇圧トランスと、昇
圧トランスの出力を整流または逓倍電圧整流して高圧直
流電圧に変換しマグネトロンに高圧直流電圧を印加する
高圧回路と、高圧回路の枝路に流れる電流を検出する第
1のカレントトランスと、機器の入力電流を検出する第
2のカレントトランスと、半導体スイッチング素子をオ
ン/オフ制御するインバータ制御部と、マイクロコンピ
ューターと、マイクロコンピューターを用い前記第1の
カレントトランスまたは第2のカレントトランスを選択
的に一定に制御して前記インバータ制御部に前記マグネ
トロンのマイクロ波出力の制御指令信号を送出しかつ高
周波加熱装置全体の制御を司る機器制御回路とを備え、
マイクロコンピューターは第1のカレントトランスから
得られた信号をアナログ値からデジタル値に変換する第
1のA/Dコンバータと、第2のカレントトランスから
得られた信号をアナログ値からデジタル値に変換する第
2のA/Dコンバータと、高周波出力を決定する基準値
と、入力電流の上限を決定するリミット値と、第1のA
/Dコンバータの出力と基準値との差分値を引数として
電力制御ループに負帰還制御がかかるような所定の補正
値を導出する変換関数を具備した第1の変換関数部と、
第2のA/Dコンバータの出力とリミット値との差分値
を引数として電力制御ループに負帰還制御がかかるよう
な所定の補正値を導出する変換関数を具備した第2の変
換関数部と、第1の変換関数部または第2の変換関数部
の出力を選択的に累積加算する積分部と、積分部の出力
をパルス幅変調信号に変換するPWM信号部を有し、積
分部は第2のA/Dコンバータの出力がリミット値以上
のとき第2のA/Dコンバータの出力を選択し、第1の
A/Dコンバータの出力が基準値より大きいとき第1の
A/Dコンバータの出力を選択する構成としたものであ
る。
【0023】そして、総入力電流が高いときは第2のA
/Dコンバータの出力が一定、すなわち入力電流が一定
になる電力制御を選択し、温度が十分暖まってくると、
第1のA/Dコンバータの出力が一定、すなわち高圧回
路の枝路に流れる電流を一定になるような電力制御を選
択することになり、漸減特性を維持しつつ初期の過大入
力電流の発生を抑制する機能があるため高周波加熱装置
の高出力化を容易に実現することができる。
【0024】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の実施例のマグネトロン駆
動用電源の回路図である。図8、において同一機能、同
一部品については番号を統一し説明を省く。
【0025】従来例と異なる所は回路電流を検出するカ
レントトランスが第1のカレントトランス17と第2の
カレントトランス35を具備しているところにある。
【0026】第1のカレントトランス17は高圧回路1
6のダイオード13の電流を検出する。この電流は平均
電流的にはアノード電流とほぼ比例した関係になってい
る。
【0027】第2のカレントトランス35は、機器のマ
グネトロン駆動電流に流れる電流と、庫内照明用のラン
プ、機器制御回路25に流れる電流、電波ムラ解消用の
ために食品の載置台を加熱中に回転させるターンテーブ
ルモーター等々の機器負荷61に流れる電流を合わせた
機器としての総入力電流を検出する。
【0028】第1のカレントトランス17と並列に負荷
抵抗32が配置されている。この両端の電圧はカレント
トランス17の1次側に流れる電流の交流成分に一致す
る電圧波形を表す。これをダイオードブリッジ37で全
波整流し、抵抗38とコンデンサ59で形成されるロー
パスフィルター59で高周波成分を除去した円滑な平均
値波形がコンデンサ59両端に得られる。ちなみに、放
電抵抗39はコンデンサ59の充電電荷を放電するもの
である。
【0029】コンデンサ36の両端の電圧は第2のコネ
クター21に結合され機器制御回路25に入力される。
ここで(b)端子は信号。(c)端子は基線となり機器制御回
路25のGNDラインに結合される。(a)端子は機器制御回
路25で信号処理して、フォトカプラー19を介してイ
ンバータ制御部11を駆動する制御信号を送出する信号
線に結合されている。
【0030】一方、第2のカレントトランス35と並列
に負荷抵抗41が配置されている。この両端の電圧はカ
レントトランス35の1次側に流れる電流の交流成分に
一致する電圧波形を表す。これをダイオードブリッジ4
2で全波整流し、抵抗44とコンデンサ45で形成され
るローパスフィルター60で高周波成分を除去した円滑
な平均値波形がコンデンサ45両端に得られる。同様に
放電抵抗39はコンデンサ45の充電電荷を放電するも
のである。ここでコンデンサ45の両端の電圧は機器に
流れる総入力電流を表しており、機器制御回路25に結
合されている。
【0031】ここで、機器制御回路25は負帰還制御を
行いインバータ電源回路18の電力制御をインバータ制
御部11と機能分担しておこなうことと合わせて機器全
体の制御を司る制御部の機能を担っている。
【0032】昨今においてはマイクロコンピューターに
よる制御が主流化し、本発明においてもマイクロコンピ
ューターを用いた制御を実施例に置く。そうすることに
よって、電力制御機能全体がマイクロコンピューターの
内部にプログラムとして包含されるためインバータ制御
部11の機能を機器制御回路25に移すことによって全
く回路規模(実装面積)は増加することがないという画
期的効果が見出せる。
【0033】まず、マイクロコンピューターを含む機器
制御回路25における本発明の電力制御を図2を用いて
説明する。
【0034】第1のカレントトランス17に流れる交流
電流Iaは2次巻線の両端の抵抗32に所定のゲインを
もって電圧に変換される。ローパスフィルター59と放
電抵抗38でリップルの高周波成分は除去され電源周期
の変動を持った電圧が機器制御回路25内に存在するマ
イクロコンピューター46の第1のA/Dコンバータ4
7に入力され、その信号の平均値を読みとる。第1のA
/Dコンバータ47の出力をViadとする。
【0035】第2のカレントトランス35に流れる交流
電流Iinは2次巻線の両端の抵抗41に所定のゲイン
をもって電圧に変換される。ローパスフィルター60と
放電抵抗43でリップルの高周波成分は除去され電源周
期の変動を持った電圧が機器制御回路25内に存在する
マイクロコンピューター46の第2のA/Dコンバータ
49に入力され、その信号の平均値を読みとる。第2の
A/Dコンバータ49の出力をViinとする。
【0036】一方、マイクロ波出力の大きさを決定する
基準値39はVrefとして表現される。マイクロコン
ピューター46は(Vfef−Viad)の演算を行
い、その演算結果は第1の変換関数部47に入力され
る。第1の変換関数部40は(Vfef−Viad)か
ら微少変動値dDを演算、変換しスイッチ55を経由して
積分部56に出力する。積分部56はdDを累積加算す
ることによって積分を実行し、積分の時間分解能はVi
adが平均値を読み、かつ第1および第2のA/Dコン
バータの入力が電源周期の1/2の周期をもっているこ
とから半電源周期ごとに演算する。演算結果Idd(∫
dDdt)はPWM信号部56でIddに応じたデューテ
ィー比τを持ったPWM信号に変換される。
【0037】また、機器への総入力電流の大きさを決定
するリミット値50はlimitとして表現される。マ
イクロコンピューター46は(Viin−limit)
の演算を行い、その演算結果は第2の変換関数部52に
入力される。第2の変換関数部52は(Viin−li
mit)から微少変動値dDを演算、変換しスイッチ55
を経由して積分部56に出力する。積分部56はdDを
累積加算することによって積分を実行し、積分の時間分
解能はViinが平均値を読み、かつ第1および第2の
A/Dコンバータの入力が電源周期の1/2の周期をも
っていることから半電源周期ごとに演算する。演算結果
Idd(∫dDdt)はPWM信号部56でIddに応じ
たデューティー比τを持ったPWM信号に変換される。
【0038】ここで示したτと機器としてのふるまいを
表したものが図3である。(a)図は積分部56の出力
である積分出力IddとPWM信号部57の出力である
PWM信号のデューティー比τの関係を示した図で比例
関係にある。次に(b)図はPWM信号のデューティー
比τと制御対象となる電流(高圧回路の枝路に流れる電
流や入力電流)の関係を表したものである。これについ
ても比例関係にある。従って、積分部56の出力に比例
して電流、すなわちインバータ電源回路18が扱う電力
(高周波出力)が変化することになる。
【0039】ここで変換関数部の働きを説明しておく。
図4は第1の変換関数部51の入出力の関係を表した図
である。図では(Vref−Viad)という引数とし
た事例をあげている。この引数に対して複数の範囲群を
設けている。引数が−1〜−2以下の場合、関数出力d
Dは−1、引数が+1〜+2の場合は+1、引数が−1
〜+1の場合は0、引数が−2〜−4の場合は−2、引
数が+2〜+4の場合は+2引数、引数が−4以下の場
合は−5、引数が+4以上の場合は+5に設定してい
る。このように範囲群に対して各々出力値に重み付けを
している。この変換関数を用いた場合のマイクロコンピ
ューター46内の時系列的な各パラメーターの変化が図
5である。(a)図に示すように、あるタイミングで高
周波出力を決定する基準値39のVrefが変化する
時、それにしたがって各パラメーターがどのように変化
するかを示すものである。dDの動きとしては変換関数
により(c)図のように挙動する。Idd、τはそれを
累積加算した(d)、(e)波形のようになる。PWM
信号によってインバータ電源回路18は駆動制御され
(b)図に示すようなViad波形となる。
【0040】(Vref−Viad)が大きい場合負帰
還量が大きくなるため高周波出力を代表するパラメータ
ーViadは速やかに目標値に接近し安定化しているこ
とがわかる。
【0041】ここでは第1のカレントトランス17の信
号の流れに沿って説明したが、第2のカレントトランス
35の信号の流れにそっても全く同様の特性となる。
【0042】ちなみに、本事例では(Vref−Via
d)、(Viin−limit)としたが減算を逆にし
て、変換関数の変換特性を反転させても同じ結果となる
ことは自明である。
【0043】図2に戻り、本制御則では、Viinがリ
ミット値50のレベルより高い時、コンパレータ54が
作動してR−Sフリップフロップ58のQ出力が“H”
となりスイッチ55はH側に接続される。すると、第2
のカレントトランス35の信号の流れにそって負帰還電
力制御がかかりViinすなわち総入力電流Iinは一
定に維持される。
【0044】逆に、Viadが基準値48のレベルより
高い時、コンパレータ54が作動してR−Sフリップフ
ロップ58のQ出力を“L”となりスイッチ55はL側
に接続される。すると、第1のカレントトランス17の
信号の流れにそって負帰還電力制御がかかりViadす
なわち高圧回路16の枝路に流れる電流Iaは一定に維
持される。
【0045】図6は高周波出力を従来より、大きく設定
した場合である。ここで、本制御則によると入力電流が
高い時点では、第2のカレントトランス35の信号系の
制御が働き総入力電流は15Aを少し下回る辺りで維持
されている。その間、マグネトロン24のアノード−カ
ソード間の電圧が温度ドリフトで下がりIaは増加して
いく。そし(a)点で今度は(Vref−Viad)の
関係となり第1のカレントトランス17の信号系の制御
が働きIaがほぼ一定になるような制御にかわる。
【0046】高周波加熱装置の高周波出力が(b)時点
で決定されるとすると加熱開始から(a)時点までは1
5Aを超えることなく一定に維持され、それ以降はIa
一定の漸減特性へと遷移する。従って、非常に高出力を
実現できることとあわせて、市場での過電流によるブレ
ーカの遮断も発生させず、機器にとって温度責務が緩い
入力電流漸減特性を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機器の総
入力電流が大きいときには電流を一定に制限し、温度が
あたたまりマグネトロンのアノード−カソード間の電圧
が下がってくると昇圧トランスの2次側の高圧回路の枝
路に流れる電流をほぼ一定に制御する入力電流漸減特性
へと移行させられるため、15A超の過電流が流れて屋
内配線のブレーカが遮断することなく、大きな高周波出
力を設計でき、かつ機器の温度責務としての負担を大幅
に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高周波加熱装置のマグネト
ロン駆動用電源の回路図
【図2】同主要回路部の回路図
【図3】(a)同PWM信号のデューティー比と積分出
力の関係を示す図 (b)同制御対象電流とPWM信号のデューティー比の
関係を示す図
【図4】同補正値dDと(Vref−Viad)の関係
を示す特性図
【図5】(a)基準値Vrefの時間推移を示すタイミ
ングチャート (b)A/D変換部の出力Viadの時間推移を示すタ
イミングチャート (c)同変換関数部の出力dDの時間推移を示すタイミ
ングチャート (d)同積分部の出力Iddの時間推移を示すタイミン
グチャート (e)同PWM信号部の出力τの時間推移を示すタイミ
ングチャート
【図6】同アノード電流(2次側電流)と総入力電流の
タイミングチャート
【図7】従来の高周波加熱装置のマグネトロン駆動電源
回路の回路図
【図8】従来のインバータを用いた高周波加熱装置のマ
グネトロン駆動電源回路の回路図
【図9】同アノード電流(2次側電流)と総入力電流の
タイミングチャート
【符号の説明】
5 整流フィルター部 7 昇圧トランス 10 インバータ部 11 インバータ制御部 16 高圧回路 17 第1のカレントトランス 24 マグネトロン 25 機器制御回路 35 第2のカレントトランス 46 マイクロコンピューター 47 第1のA/Dコンバータ 48 基準値 49 第2のA/Dコンバータ 50 リミット値 51 第1の変換関数部 52 第2の変換関数部 56 積分部 57 PWM信号部
フロントページの続き (72)発明者 安井 健治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 石尾 嘉朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−245963(JP,A) 特開 平4−62789(JP,A) 特開 平4−104497(JP,A) 特開 平8−96947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/66 - 6/68

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波を放射するマグネトロンと、商
    用電源を全波整流しかつ高周波成分を除去して直流電源
    に変換する整流フィルター部と、少なくとも1個の半導
    体スイッチング素子をオン/オフして直流電源を高周波
    電力に変換するインバータ部と、前記インバータ部の高
    周波電力を昇圧する昇圧トランスと、前記昇圧トランス
    の出力を整流または逓倍電圧整流して高圧直流電圧に変
    換し前記マグネトロンに高圧直流電圧を印加する高圧回
    路と、前記高圧回路の枝路に流れる電流を検出する第1
    のカレントトランスと、機器の入力電流を検出する第2
    のカレントトランスと、前記半導体スイッチング素子を
    オン/オフ制御するインバータ制御部と、マイクロコン
    ピューターと、前記マイクロコンピューターを用い前記
    第1のカレントトランスまたは第2のカレントトランス
    を選択的に一定に制御して前記インバータ制御部に前記
    マグネトロンのマイクロ波出力の制御指令信号を送出し
    かつ高周波加熱装置全体の制御を司る機器制御回路とを
    備え、前記マイクロコンピューターは前記第1のカレン
    トトランスから得られた信号をアナログ値からデジタル
    値に変換する第1のA/Dコンバータと、前記第2のカ
    レントトランスから得られた信号をアナログ値からデジ
    タル値に変換する第2のA/Dコンバータと、高周波出
    力を決定する基準値と、入力電流の上限を決定するリミ
    ット値と、前記第1のA/Dコンバータの出力と基準値
    との差分値を引数として電力制御ループに負帰還制御が
    かかるような所定の補正値を導出する変換関数を具備し
    た第1の変換関数部と、前記第2のA/Dコンバータの
    出力とリミット値との差分値を引数として電力制御ルー
    プに負帰還制御がかかるような所定の補正値を導出する
    変換関数を具備した第2の変換関数部と、前記第1の変
    換関数部または前記第2の変換関数部の出力を選択的に
    累積加算する積分部と、前記積分部の出力をパルス幅変
    調信号に変換するPWM信号部を有し、前記積分部は前
    記第2のA/Dコンバータの出力がリミット値以上のと
    き前記第2のA/Dコンバータの出力を選択し、前記第
    1のA/Dコンバータの出力が前記基準値より大きいと
    き前記第1のA/Dコンバータの出力を選択する構成と
    した高周波加熱装置。
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