JP3172949B2 - 光信号伝送装置 - Google Patents

光信号伝送装置

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JP3172949B2
JP3172949B2 JP08040091A JP8040091A JP3172949B2 JP 3172949 B2 JP3172949 B2 JP 3172949B2 JP 08040091 A JP08040091 A JP 08040091A JP 8040091 A JP8040091 A JP 8040091A JP 3172949 B2 JP3172949 B2 JP 3172949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を使用したコンピュ
ータネットワーク(例えば光LAN)、あるいは、コン
ピュータ内のメモリ−CPU−端末装置相互間の情報の
授受等において使用される、半導体電界光吸収素子を使
用した光信号伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の説明に先立って、従来知られて
いる、光を使用したローカルエリアネットワーク(LA
N)等の光信号伝送装置を簡単に説明する。
【0003】図40は、従来の光信号伝送装置の構成説
明図である。この図において、5は光信号伝送ループ、
30〜3nはOR装置、270〜27nは発光素子、3
00〜30nは受光素子、400は制御装置、401〜
40nは端末装置、500〜50nは光信号伝送路であ
る。
【0004】通常、上記の光ローカルエリアネットワー
ク(LAN)の光経路を構成する光信号伝送ループ5、
および、端末装置間で光信号を伝送する光信号伝送路5
00〜50nとしては光ファイバーが用いられ、発光素
子270〜27nとしては発光ダイオード(LED)等
の電気−光(E/O)変換素子が用いられ、受光素子3
00〜30nとしてはフォトダイオード等の光−電気
(O/E)変換素子が用いられる。
【0005】この光信号伝送装置は、図示されるよう
に、端末装置401〜40n、端末装置401〜40n
と同様な機能に加えて端末装置相互間の交信を制御する
機能をもつ制御装置400、受光素子300〜30n、
発光素子270〜27n、OR装置30〜3nからな
り、受光素子300〜30n、端末装置401〜40
n、OR装置30〜3n、発光素子270〜27nの間
は電気的に接続され、各端末装置401〜40nの発光
素子と隣接する端末装置401〜40nの受光素子との
間は光信号伝送路により接続され、最後の端末装置40
nの発光素子27nと制御装置400の受光素子300
との間は光信号伝送ループ5によって接続されている。
【0006】この光信号伝送装置において、制御装置ま
たは各端末装置から信号が発信されない状態では、光信
号伝送ループ5、あるいは光信号伝送路500〜50n
を経て伝送されてきた光信号は発光素子300〜30n
によって電気信号に変換され、OR装置30〜3nの左
側をパスされ、発光素子270〜27nを用いて再び光
信号に変換されて順次下流の端末装置へ伝送され、再び
制御装置400の受光素子300へ返される。
【0007】この場合、受光素子300〜30n、発光
素子271〜27nはあたかも中継器(リピータ)のよ
うに動作する。端末装置からデータを発信する場合は、
OR装置30〜3nの右側から電気信号の形でデータを
送り出し、発光素子270〜27nによって光信号に変
換して下流へ伝送する。
【0008】各端末装置間の信号のやりとりは、例えば
次のようにして行われる。 モード1 リスナー(聞き手、受信端末装置)、トーカー(話者、
発信端末装置)のみを決定する方法 端末装置のうち特定の一つをネットワーク制御装置
(コントローラ)に決めておく。ネットワーク制御装
置が、端末装置からの要求に応じてトーカーとリスナー
(単数または複数)を指定する。トーカーからリスナ
ーへ情報を伝送する。
【0009】モード2 タイムシェアによる方法 端末装置のうち特定の一つをネットワーク制御装置に
決めておく。ネットワーク制御装置がトーカーとリス
ナーを指定し、該当するリスナー、トーカー間のタイム
シェアのタイミングを指定する。タイムシェアによる
情報のやりとりを行う。
【0010】上記の従来技術には下記の欠点がある。各
端末装置に受光素子、発光素子を持つため、 (1)常に全ての受光素子、発光素子を動作させておか
なければならない。そのため、ビル内システムなどで、
夜間、休日等端末装置を使用しないときでも、システム
を維持するために常に動作状態にしておく必要があり、
防災上の問題があり、電力の無駄な消費を伴い、装置の
寿命の短縮を招くことになる。
【0011】(2)一つの受光素子あるいは発光素子が
故障すると、光信号伝送ループが開かれ、全体の光信号
伝送装置の動作が不完全になるか、停止する。そのた
め、光信号伝送装置全体の信頼性を高めるうえで、個々
の受光素子と発光素子には非常に高い信頼性が要求さ
れ、高コスト化を招く。 (3)受光素子と発光素子の数が多くなって高コスト化
を招く。以上の欠点のうち、特に、発光素子についての
欠点が顕著である。すなわち、従来の発光素子には、信
頼性が高く、安価なLED(発光ダイオード)が使用さ
れてきた。 (4)ところが、LEDは、応答速度が高々100MH
zと遅いため、ビットレートを上げることができないと
いう欠点をもっている。
【0012】上記の欠点のうち、特に、(1)と(2)
の、常に全ての受光素子と発光素子を正常に動作させて
おかなければならない点を解消することが望まれる。図
41は、従来の改良した光信号伝送装置の構成説明図で
ある。この図において、便宜上、発光素子271〜27
nを変調装置(M)、受光素子301〜30nを復調装
置(D)としているが、その内容は後に説明する。ま
た、41〜4nは光分岐装置(カップラー)、5は光信
号伝送ループ、51〜5nは光混合装置(カップラ
ー)、6、601はリピーター(増幅中継装置)であ
り、光分岐装置41〜4n、混合装置51〜5n、復調
装置301〜30n、光変調装置271〜27n、端末
装置401〜40nを端末装置ブロック801〜80n
と総称する。
【0013】この光信号伝送装置においては、光信号伝
送ループ5を伝送される光信号は、常時、光分岐装置4
1〜4n、光混合装置51〜5nを透過して下流の端末
装置へ伝送されており、各端末装置は復調装置301〜
30nを通じて信号を受信し、光変調装置271〜27
nを通じて信号を発信できる。なお、光信号の減衰を補
償するため、レーザ光増幅装置等のリピータ6によって
適宜増幅するようになっている。また、図において接続
されていないリピータ601は、必要に応じて光信号伝
送装置中に適宜挿入できることを意味している。
【0014】図42は、従来の改良した端末装置ブロッ
クの構成説明図である。この図における符号は先に説明
したとおりである。図41および図42に示した改良例
においては、光分岐装置41〜4nによって光信号伝送
ループ5、光信号伝送路501の光を2つに分け、一方
はそのまま光信号伝送ループ5、光信号伝送路501内
を回転させ、他方を復調装置(D、O/E変換装置)3
01〜30nに導いて電気信号に変換して端末装置40
1〜40nで受信する。そして、発信する場合は、デー
タを光変調装置(M、E/O変換素子)によって光信号
に変換し、光混合装置51〜5nによって光信号伝送ル
ープ(データハイウエイループ)5あるいは光信号伝送
路501に乗せる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この改良例において
は、端末装置が停止したときでも、光信号伝送装置の機
能が維持され、前記従来技術の欠点(1)、(2)が解
消される。しかし、受光素子と発光素子の数が多くなっ
て高コスト化を招く欠点(3)と、LEDを使用するた
め応答速度が遅くなるという欠点(4)は依然として解
消されない。
【0016】更に、カップラーが高価であるため、カッ
プラーを使用することによるコストアップが避けられな
いという欠点をもっている。また、この改良例におい
て、リピーターを用いない場合は、光信号が分岐装置を
通過する毎に、光信号強度が1/2、1/4、1/8と
減衰するため、後段で充分な光信号強度を得ようとする
と、初段で非常に強い光信号強度を必要とし、発信源に
近い端末装置には、過剰な光エネルギーを供給すること
になり、無駄になるとともに、装置に使用されている素
子の特性に飽和が生じて信号の特性維持上も好ましくな
い結果を惹起する。
【0017】また、カップラー−カップラーでバイパス
される光の強度と、発光素子で発光されて主ループに混
合される光との強度にアンバランスを生じ、0/1判断
のスライスレベル(0とみなすか、1とみなすかを判断
する比較レベル)の設定が困難になりやすい。そして、
リピーターを用いる場合は、上記の光信号の強度の不足
やアンバランスの問題は改善されるが、上記の、受光素
子、発光素子、カップラーの使用によるコストアップの
問題と、LEDを使用することによる応答速度の問題は
解消されない。
【0018】上記の応答速度の問題を解決するために
は、発光素子として、高速動作が可能なレーザダイオー
ド(LD)を使用することが考えられる。しかし現状の
ままでは、 多数のLDを使用することが必要になる
ため、実現不可能な程度の大きなコストアップを招く。
非常に高い信頼性を要求される。 温度条件が厳
しい。 を克服するため温度コントロールを行う
と、使用されている多数のLDに対応する必要があるた
め更にコストアップになる。等の問題がある。本発明
は、コストの上昇を抑えて光信号伝送装置を、高信頼
化、高速化することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光信号伝
送装置においては、情報を搬送するためのキャリア光を
出力する発光素子と、複数の端末装置と、該複数の端末
装置のそれぞれに接続された、光信号を電気信号に変換
する受光素子と、同様に各端末装置に接続され、電界無
印加時には光を透過し、電界印加時には透過光を吸収す
る電界吸収効果を有する光変調素子と、該発光素子が出
力するキャリア光を各端末装置の受光素子と光変調素子
に順次入射して伝送する光信号伝送路とを有し、該端末
装置が、該受光素子によってキャリア光に変調されてい
る信号を読み取って受信し、該光変調素子の透過率を制
御することによってキァリア光を変調して信号を発信す
る構成を採用した。
【0020】
【作用】図1は、本発明の光信号伝送装置における送信
の説明図である。この図において、1はレーザ(L
D)、5は光信号伝送ループ、500〜50nは光信号
伝送路、201〜20n光変調素子、401〜40nは
端末装置、110は半導体レーザ(LD)から発生した
光出力(キャリア光)である。
【0021】この光信号伝送装置においては、レーザ
(レーザダイオードLD)1から発生するキャリア光1
10は光信号伝送ループ5を経て第1の端末装置401
の光変調素子201に導かれ、このキャリア光110は
光変調素子201を透過して端末装置間の光信号伝送路
501を経て、下流の端末装置402の光変調素子20
2に伝達され、順次下流へ伝送されるように構成されて
いる。そしてこれらの光変調素子201〜20nの光の
透過率が、それぞれの端末装置401〜40nによって
制御され、キャリア光110が光強度変調されるように
なっている。
【0022】この光信号伝送装置によると、各端末にレ
ーザを設けないで、一つの光信号伝送線路にただ1個の
共通のレーザを設けるから、コストが低減される。ま
た、この例では、従来の技術において使用されていた高
価な光分岐装置(ファイバーカップラー)を用いていな
いため、この点でもコストが低減される。
【0023】図2は、本発明の光信号伝送装置における
送受信の説明図である。この図において、301〜30
nが受光素子、521〜52nは光信号伝送路である他
は前記のとおりである。この光信号伝送装置において
は、レーザ1から発生する光出力(キャリア光)110
を光信号伝送線路5を経て第1の端末装置401の受光
素子301が受け、このキャリア光110は、受光素子
301−光信号伝送路521−光変調素子201を透過
し、光信号伝送路501を経て、順次下流の端末装置の
受光素子302に伝達されるように構成されている。
【0024】この受光素子301〜30n、光変調素子
201〜20nとして、電圧印加のような電気的刺激が
ない状態では光を透過し、電気的刺激をあたえると光を
吸収して、光変調素子あるいは受光素子として動作する
電界吸収型光電変換装置を用いることができる。これら
受光素子301〜30nによって変換された電気信号は
端末装置401〜40nによって受信され、また、この
端末装置401〜40nによって光変調素子201〜2
0nの光透過率を制御してキャリア光を変調し信号を光
伝送ループに発信するようになっている。
【0025】この光信号伝送装置によると、一つの信号
伝送線路にただ1個のレーザ1を使用するためコストの
低減が図られる。図3は、本発明の光信号伝送装置にお
ける光増幅、送受信の説明図である。この図において、
6が光増幅素子、231〜23nが受光・光変調素子、
801〜80nは端末装置ブロックである他は前記のと
おりである。この光信号伝送装置においては、個別の光
変調素子201〜20nと受光素子301〜30nに代
えて、これらの機能をもって一体化された受光・光変調
素子231〜23nを用いている点と、受光・光変調素
子231〜23nと端末装置401〜40nからなる端
末装置ブロック801〜80nの間の任意の場所に光増
幅素子6を挿入している点が、図2の光信号伝送装置と
は異なる。
【0026】この光信号伝送装置は、一体化した受光・
光変調素子231〜23nを用いることにより、個別の
受光素子と変調素子を用いる場合に比べて、それらの境
界で生じる光の反射による減衰を低減することができ、
光信号の接合部の数が減少するため光信号伝送装置の構
成が容易になる。また、この例によると、受光・光変調
素子を透過することによって減衰したキャリア光を、光
増幅素子6によって所望のレベルまで増幅することがで
きる。
【0027】図4は、本発明の光信号伝送装置における
受光・光変調、増幅素子の断面図である。この図におけ
る符号は、211は半導体結晶基板、212は半導体ク
ラッド層、213は半導体活性層、214は半導体クラ
ッド層、251、216は電極である。
【0028】この図は、本発明の光信号伝送装置におけ
る受光・光変調・光増幅素子のキャリア光の進行方向に
対して垂直な方向(X)の断面を示している。この受光
・光変調・光増幅素子は、半導体結晶基板211上に、
半導体クラッド層212、半導体活性層213、半導体
クラッド層214を積層し、その上面に電極251、下
面に電極216を設けて形成されている。
【0029】図5は、本発明の光信号伝送装置における
受光・光変調・光増幅素子の断面図である。この図にお
ける符号は、251が受光素子の電極、252が光変調
素子の電極、253が光増幅素子の電極である他は前記
のとおりである。
【0030】この図は、本発明の光信号伝送装置におけ
る集積化した受光・光変調・光増幅素子の、図4のY−
Y’線におけるキャリア光の進行方向の断面を示してい
る。この集積装置は、半導体ダブルヘテロ接合構造で、
横モードガイド機構をもっている。そして、受光素子と
光変調素子と光増幅素子を、連続した光導波路をもつよ
うに一体的に形成されている。
【0031】この装置を製造する場合は、3つの素子に
共通する積層構造体を形成した後に、分割した電極を設
けるだけで容易に製造できる。そして、場合によって
は、一つの電界吸収素子を、変調素子と受光素子の両方
の機能をもたせて使用することができる。
【0032】図6は、本発明の光信号伝送装置における
受光・光変調・光増幅素子の屈折率分布図である。この
図は、図4のX−X’線上の屈折率分布であり、凸型屈
折率分布210をもたせることにより、光を導波路の中
央に集中して伝播することができる。
【0033】図7は、本発明の受光・光変調・光増幅素
子の概略図である。この図において、60nが光増幅装
置である他は前記のとおりである。この素子は、光信号
の入射側から、受光素子、光変調素子、光増幅素子の順
に集積化されている。
【0034】図8は、本発明の受光・光変調・光増幅素
子と光ファイバーの結合部の構成図である。この図にお
いて、501が入力側光ファイバー、502が出力側光
ファイバーである他は前記のとおりである。この図は、
受光素子と光増幅素子と光変調素子を集積化した半導体
装置と光ファイバーとの結合部を示している。この図の
ように、光結合部は2か所だけでよく、個別の3つの素
子を光信号伝送路によって接続するときの4か所より
も、2か所の結合作業箇所が省略でき、2か所の結合損
失を低減できる効果がある。
【0035】図9(A)〜(C)は、本発明の受光・光
変調・光増幅素子の概略構成説明図である。図9(A)
は受光素子、発光素子、光増幅素子の順に集積化された
もの、図9(B)は受光素子、光増幅素子、光変調素子
の順で集積化されたもの、図9(C)は光変調素子、受
光素子、光増幅素子の順で集積化されたものを示す。上
記のように、受光素子が光変調素子より光信号の入射側
に配置されている限り、光増幅素子の挿入箇所は任意で
ある。
【0036】図10は、レーザ出力光の光強度の時間的
変化を示す図である。この図において、109が光強度
曲線である他は前記のとおりである。この図に示されて
いるように、レーザ1の出力であるキャリア光110
は、光強度曲線109のように、周期Tを有し、T/2
の時間間隔で高低を繰り返して時間的に変化する。
【0037】図11は、レーザ出力光の光強度変調の原
理説明図である。この図において、29nが変調信号の
時間的変化を示す他は前記のとおりである。この図に示
されているように、レーザ出力光の強度曲線109が高
い期間に変調素子の光透過率が高くなるように、変調信
号の時間的変化29nを与えると、この期間にレーザ出
力光が透過してハイパルス10となり、透過率が低くな
るように、変調信号の時間的変化を与えると、この期間
にはレーザ出力光は透過されない。したがって、変調信
号によって、光変調素子が透過状態になるか、非透過状
態になるかによってキャリア光を変調することができ
る。
【0038】図12(A)、(B)は、レーザ出力光の
光強度の変化と変調信号のタイミングを示す図である。
これらの図から判るように、キァリア光(レーザ出力
光)自体に基本周期の変調を与えておき(図10)、基
本周期のパルス列から、変調信号によってパルスを抜き
取ることによって変調を加えるから、変調素子によって
直接パルスの形を決める従来の技術に比べ、変調素子に
要求される特性が緩和される。すなわち、図11の10
9のように、レーザ出力そのものに速いパルス変調を加
えておき、変調信号29nによってパルス10を切り出
す方式を採用したため、システム全体のタイミング維持
のための変調素子に要求される、立ち上がり、立ち下が
り速度、パルス幅、ジッタの許容範囲が緩和される。
【0039】図12(A)のように、変調信号がΔtだ
け遅れ、あるいは、図12(B)のように、変調信号が
Δtだけ進むような大きなジッターが有る場合でも、切
り出されるパルスは全く同じタイミングおよび幅をも
ち、Δtのジッターが許容される。
【0040】この変調方式を実現するためには、キャリ
ア光109の信号を形成する部分に高速特性が要求され
るが、1つの光信号伝送装置について1つないし2つの
レーザを備えるだけであるから、装置全体のコストアッ
プの幅は小さい。そしてこの場合、このキャリア光10
9に対するジッターの制限も緩く、繰り返し周期、パル
ス幅がある程度安定していればよい。キャリア光110
のパルス列109を変調信号の発生装置等各装置の同期
信号として使用すれば、全装置のタイミング維持が完璧
になる。
【0041】以上述べた光信号伝送装置においては、下
記の効果がある。LDが少ないため、一つのシステム
のコストが低減する。特に、端末の数が増えるほど、端
末あたりのLDコストは低下する。LDが少なけれ
ば、LD温度制御等LD制御の周辺装置充実に対するコ
スト面の障害もなくなる。電界変調素子を用いると、
高速化、高信頼化が達成でき、製造上の歩留りが良く、
コストを低減する。さらに、電圧を加えない場合透明で
あり、電圧を加えると、光変調素子としても受光素子と
しても動作する。
【0042】図13は、本発明に用いられる電界光変調
素子の概略構造図である。この図において、219が電
圧源である他は前記のとおりである。この図に示される
ように、本発明の電界光変調素子は、n−InP基板2
11の上に、n−InP層212、i−InGaAsP
あるいはMQW213、p−InP層214を形成し、
その上下の表面に電極215、216を設けたものであ
り、電圧源219の電圧を電極215、216に印加し
て、このpin接合に逆バイアス電圧をかけることによ
って光の透過率を変化するようになっている。
【0043】図14は、図13の光変調素子の電圧と光
吸収スペクトルの関係図である。図13に示す構造のp
in接合からなる光変調素子に電圧源219によって逆
バイアス電圧を印加すると、その光吸収波長特性は電圧
とともに変化する。図14中の光吸収特性(a)、
(b)、(c)は、逆バイアス電圧を、(a)<(b)
<(c)の大きさで印加したときのものである。
【0044】逆バイアス電圧が大きくなるにしたがっ
て、吸収端波長が長波長側に移動することを示してい
る。したがって、例えば、電圧(b)における吸収特性
の傾斜の中程にキャリア光の波長を設定しておき、それ
よりも低い電圧(a)と高い電圧(C)を印加すること
によって、キャリア光を透過させたり、透過させなかっ
たりすることができる。
【0045】このように、この光変調素子は、電気刺激
を加えない状態では透明で、キャリア光を貫通させるこ
とができ、電圧を印加した状態でキャリア光を吸収する
ことによって光信号を電気信号に変換でき、さらに、吸
収の度合いを印加電圧によって制御して光変調を行うこ
とができる。このように、図41、図42に示された従
来技術において必要であった高価なカップラーが不要に
なる。さらに、逆バイアス電圧を(b)〜(c)の間で
変化させると、吸収率を連続的に変化させることができ
るから、この性質を用いて各端末装置に、任意の量の光
を分配することができる。また、(a)と(c)で逆バ
イアス電圧をデジタル的に変化させると、受信と透過
(受信せず光をパスさせる)を選択することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の光信号伝送装置の実施例を説
明する。 (第1実施例)図15は、第1実施例の光信号伝送装置
の構成説明図である。この図は、基本的には前記の図
2,図3の光信号伝送装置と同様である。
【0047】この図において、1はレーザ、5は光信号
伝送ループ、6は光増幅素子(レーザアンプ)、103
はレーザ駆動装置、110はキャリア光、200〜20
nは光変調素子、220〜22nは光変調素子駆動装
置、231〜23nは受光・光変調素子(光変調素子と
受光素子を含む)、241〜24nは受光素子駆動装
置、301〜30nは受光素子、400は発信・受信端
末装置を指定する制御装置、401〜40nは端末装
置、500〜50nは光信号伝送路、701〜70nは
受信・送信装置ブロック(受光素子、光変調素子、光増
幅素子、駆動装置を含む)、801〜80nは端末装置
ブロック(受信・送信装置ブロックと端末装置を含む)
である。
【0048】この装置の構成は図示のとおりであるが、
その動作を説明する。まず、レーザ1を、駆動装置1
03によって駆動し、図10に示されるようなパルス波
形のキャリア光110を連続的に発生させる。この状態
では、各端末装置の受光素子にはタイムシェアリングで
逆バイアス電圧が印加されており、制御装置から送られ
てくる制御信号を受信できる態勢になっている。
【0049】制御装置400は光変調素子駆動装置2
20を介して光変調素子200を制御し、端末装置指定
信号で変調したキャリア光110を光信号伝送路に送出
することによって、特定の発信端末装置と受信端末装置
を指定する。なお、この端末装置の指定は、図示されて
いない別の信号経路によって行うこともできる。
【0050】この指定信号によって発信を許可された
端末装置(例えば401)においては、光変調素子駆動
装置221を通してその光変調素子201を制御し、発
信しようとする信号によってキャリア光を変調して、光
信号伝送路に送出する。また、受信を許可された端末装
置(例えば803)においては、受光素子駆動装置24
3を介して受光素子303に逆バイアス電圧を印加して
動作状態にし、受信すべき信号を電気信号に変換し、受
光素子制御装置を経て端末装置に取り込み受信する。
【0051】なお、このとき、他の端末装置の受光素子
には逆バイアス電圧が印加されないから透明の状態に保
たれる。このように、指定端末装置間で信号の授受が行
われる。上記の信号の授受は、タイムシェアリングで1
対1の複数組の端末装置間で行うこともできる。また、
1つの発信端末装置に対して複数の受信端末装置を指定
し、信号を伝送することもできる。
【0052】複数の受信端末装置が指定される場合、光
信号伝送路が長い場合等のように、光信号の減衰が大き
くなるときは、適宜光増幅素子(レーザ光増幅素子)6
を光信号伝送路501〜50nの途中に適宜挿入し、自
動利得制御して、減衰を補償することができる。なお、
本実施例の光信号伝送装置は、レーザからみて下流方向
の信号伝送を行うものであるから、本実施例の光信号伝
送装置によって双方向の信号の伝送を行う場合は、上下
2系統用いることになる。以下、本実施例の光信号伝送
装置で使用される光変調素子20n、受光素子30n光
増幅素子6の具体例を示す。
【0053】図16(A)〜(C)は、本実施例におい
て使用される受光素子あるいは光変調素子の具体例の構
成図である。図16(B)は断面図、図16(A)はそ
の矢印3の方向からみた側面図、図16(C)は矢印4
の方向からみた側面図である。この図において、211
はInP半導体結晶基板、212はn−InP半導体結
晶層、213はi−InGaAs/InGaAsP超格
子、214はInP半導体結晶層、215、216は電
極、217は反射防止膜である。
【0054】この図に示されているように、この受光素
子あるいは光変調素子は、厚さが100μmでn型不純
物濃度が1×1018cm-3のInP半導体結晶基板21
1上に、厚さが1μmでn型不純物濃度が5×1017
-3のInP半導体結晶層212、厚さが8nmのi型
InGaAs50層、厚さが8nmのi型InGaAs
P49層からなる超格子(多重量子井戸・MQW)21
3、厚さが1μmでp型不純物濃度が5×1017cm-3
のInP半導体結晶層214が積層され、一方の面に、
厚さが20nmで屈折率が1.9のSiN(窒化シリコ
ン)反射防止膜217と、Ti/Pt/Auの3層構造
からなる環状電極215が設けられ、他方の面に、厚さ
が20nmで屈折率が1.9のSiN反射防止膜217
と、Auからなる環状電極216が設けられている。
【0055】この装置においては、同じ構造の装置を、
受光素子と光変調素子の両方に利用することができる。
そして、図の矢印3あるいは矢印4の方向から光を入射
し透過させる。この装置に電圧を印加しない定常状態で
は、入射光(波長1.55μmの光)に対して透明であ
る。ことろが、電極215と216の間に逆方向に電圧
が印加されると、この入射光を吸収するようになる。
【0056】このように、電極215と電極216の間
に逆方向に電圧を印加すると、この信号電圧によって光
吸収率が変化するから、透過光を信号電圧によって強度
変調することができる。また、逆バイアス電圧を印加す
ると光を吸収する状態になるが、この状態で光を入射す
ると、電極215と電極216の間の導電度が変化する
から、信号光を電気信号として取り出すことができる。
【0057】図17は、図15の端末装置ブロックの構
成図である。この図において、21と31はそれぞれ光
変調素子と受光素子、221は光変調素子駆動装置、2
41は受光素子駆動装置、901、902はレンズ、4
01は端末装置、500、501は光信号伝送路であ
る。この図における受光素子あるいは光変調素子21は
図16(A)〜(C)に示した装置である。この例で
は、受光あるいは光変調素子21を、受光素子301、
光変調素子201として使用する。
【0058】受信を許可された端末装置401において
は、駆動装置241を介して、受光素子301に逆バイ
アス電圧を印加して信号光を吸収するようにし、受光素
子によって変換された電気信号から受光すべき信号を復
調する。逆に、発信を許可された場合は、端末装置40
1から駆動装置221を経て光変調素子201に変調信
号電圧を印加して光信号伝送路500を経て伝送される
キャリア光を変調する。このようにして、端末装置40
1は信号の受信と発信を行う。このように、光変調素子
は電圧を印加すると光を吸収するから、ビット1/0
に、吸収あるいは非吸収を対応させて、負論理で変調す
ることができる。
【0059】図18、図19および図20を用いて受光
素子と光変調素子の駆動方法の具体的構成と動作を説明
する。図18は、負論理でキャリア光を変調する場合の
説明図である。この図において、21は光変調素子、1
08は変調された出力光、110はキャリア光、221
は駆動装置である。この装置においては、駆動装置22
1によって光変調素子21に電圧を印加しない状態で
は、光変調素子21は透明であるからキャリア光を透過
し、電圧を印加した状態では光変調素子21は光吸収性
となってキャリア光110を透過させないから、出力光
は負論理で変調される。
【0060】図19(A)〜(C)は、キャリア光、光
変調素子電圧、変調出力光強度の関係図である。この図
において、22はキャリア光の光強度の時間変化、23
は光変調素子駆動装置221の出力電圧、24は光変調
素子出力光の時間的変化である。この図に示されるよう
に、変調素子駆動装置が、ハイパルス“1”−ローパル
ス“0”−ハイパルス“1”の電圧波形の信号23を出
力すると仮定する。光変調素子駆動装置がローパルス
“0”を出力すると、キャリア光22はそのまま透過す
るが、ハイパルス“1”を出力すると、キャリア光22
を透過させないから、光変調素子を透過する変調出力光
は、“0”−“1”−“0”となり、負論理で変調され
ることになる。
【0061】図20は、受光素子の動作説明図である。
この図において、21は受光・光変調素子、71は制御
信号入力、72はコイル、73はコンデンサ、74は復
調装置である。リスナーに選択された場合には、制御信
号入力71として直流電圧が印加され、この直流電圧は
コイル72をとおして受光素子31に印加され光吸収を
生じさせる。制御信号入力71は、受光素子31を透過
状態にするか光を吸収する状態にするかを制御する信号
である。光吸収が起こると、信号パルス強度に応じたパ
ルス電流を生じるので、光吸収によって生じた信号パル
ス強度に対応したパルス電流をコンデンサ73をとおし
て信号復調装置に導いて復調する。コイル72は、パル
ス電流が71側に漏れるのを防止する。
【0062】図21は、レーザ光増幅素子の構成説明図
である。この図において、611はInP半導体結晶基
板、612はi−InGsAsP半導体結晶層、613
はn−InP半導体結晶層、614はp−InP半導体
結晶層、615は上側電極、616は下側電極、617
は反射防止膜、618は活性層幅である。
【0063】このレーザ光増幅素子は、厚さが100μ
mでn形不純物濃度が1×1018cm-3のInP半導体
結晶基板611の上に、厚さが0.1μmのi−InG
sAsP半導体結晶層612、厚さが0.7μmでn型
不純物濃度が5×1017cm-3のn−InP半導体結晶
層613、中央の最も厚い部分が1.5μmでp型不純
物濃度が5×1017cm-3のp−InP半導体結晶層6
14、Ti/Pt/Auの3層構造の上側電極615、
Auの下側電極616、屈折率1.9、厚さが200n
mのSiN反射防止膜617を形成されたものである。
なお、活性層幅618は2μmである。このレーザ光増
幅素子6は必要に応じ光伝送路中に適宜配置される。
【0064】図22は、レーザ光増幅素子の配置説明図
である。この図において、6はレーザ光増幅素子、11
0はキャリア光、511、512は光ファイバー、61
2は活性層である。このように、光信号伝送路を構成す
る光ファイバーの途中を、テーパー先球付光ファイバー
511、512の二つに分け、その間にレーザ光増幅素
子6を配置する。
【0065】図23は、受光素子、光増幅素子、光変調
素子の配置図である。この図において、181〜184
は光結合部、201は光変調素子、301は受光素子、
500、501は光ファイバー、601は光増幅素子、
901〜902はレンズである。図示のように、各端末
ブロック毎に、受光素子、光増幅素子、光変調素子を全
て具備する場合は、入力側光ファイバー500と出力側
ファイバー501の間に受光素子301、光増幅素子6
01、光変調素子201を配列し、それらの素子の間の
4か所にある光結合部181〜184にレンズ901〜
912を配置して信号光を集光している。
【0066】本実施例によると、下記のような効果がも
たらされる。レーザダイオード(LD)と高速変調可
能なデバイスである電界吸収素子を使用するので、10
GHz以上の高速のビットレートで信号を伝送すること
ができる。1つの光信号伝送装置に、高価で比較的デ
リケートな素子であるレーザダイオード(LD)を1個
使用するのみであるからコスト上昇が抑えられ、かつ、
信頼性の低下も抑えることができる。高価な分岐装置
(ファイバーカップラー等)を必要としないのでコスト
上昇を抑えることができる。
【0067】本実施例において光増幅素子(リピータ
ー)を用いない場合でも、従来技術と比較すると、次の
ような効果がある。1個の受光素子のみを能動状態と
して用いる動作モードの場合、能動状態でない光変調素
子、受光素子は透明であるから、光に対する損失がな
い。すなわち、従来技術のように、分岐器(ファイバー
カップラー)を通る毎に光強度が半減するようなことは
なく、理想的に製作されると光強度の減少は皆無になる
といえる。いくつかの受光素子を並列に動作状態にす
る動作モードの場合、受光素子に印加するバイアス電圧
を適当に選ぶと、光の吸収量を必要最小限に選択でき、
光の無駄がなくなる。
【0068】(第2実施例)図24は、第2実施例の光
信号伝送装置の構成説明図である。この図において、5
は光信号伝送ループ、81は第1系統、82は第2系
統、101、102はレーザ、200は光変調素子、2
31〜23nは受光・光変調素子、300は受光素子、
261〜26nは受光・光変調素子、400は制御装
置、401〜40nは端末装置である。
【0069】本実施例は双方向の光信号の伝送を行うよ
うにしたものである。本実施例の双方向化した光信号伝
送装置は、図示されるように、レーザ101をキャリア
光の光源とする第1系統81と、レーザ102をキャリ
ア光の光源とする第1系統81とは逆方向の第2系統8
2を並列に設け、制御装置400および端末装置401
〜40nをこれらの2つの系統に接続して構成されてい
る。
【0070】このように構成すると、例えば端末装置4
02から、それより右方向に信号を伝送する場合は、レ
ーザ101−光変調素子200−受光・光変調素子23
1−受光・光変調素子232−受光・光変調素子233
−受光・光変調素子23nからなる第1系統81を使用
し、左方向に伝送する場合は、レーザ102−受光・光
変調素子26n−受光・光変調素子263−受光・光変
調素子262−受光・光変調素子261−受光素子30
0からなる第2系統82を使用することができる。
【0071】また、例えば端末装置402が、それより
右方向に存在する端末装置の信号を受信する場合は第2
系統を使用し、左方向に存在する端末装置の信号を受信
する場合は第1系統を使用することができる。
【0072】(第3実施例)図25は、第3実施例の光
信号伝送装置の構成説明図である。この図においては、
1はレーザ、5は光信号伝送ループ、200〜20nは
光変調素子、300〜30nは受光素子、400は制御
装置、401〜40nは端末装置である。
【0073】本実施例においては、光変調素子200〜
20nのみを設けた変調専用系統と、受光素子300〜
30nのみを設けた受光専用系統に分け、変調専用系統
の後に受光専用系統を直列に接続して、制御装置400
および端末装置401〜40nを変調専用系統と受光専
用系統に接続した点が特徴である。
【0074】このように、変調専用系統と受光専用系統
に分けて構成したから、例えば端末装置402から信号
を発信する場合は、相手の端末装置がそれより上流にあ
る場合でも下流にある場合でも、変調専用系統の光変調
素子を用いてキャリア光を変調して発信し、信号を受信
する場合は、発信端末装置の位置にかかわらず受光専用
系統の受光素子を用いて受信することができる。
【0075】(第4実施例)図26は、第4実施例の光
信号伝送装置の構成説明図である。この図において、5
は光信号伝送ループ、101、102はレーザ、10
3、104は駆動装置、230〜23nは受光・光変調
素子、400は制御装置、401〜40nは端末装置で
ある。
【0076】本実施例においては、光信号伝送ループの
両端にレーザ101、102を配置し、その間に受光・
光変調素子230〜23nを設け、受光・光変調素子2
30には制御装置400を、受光・光変調素子231〜
23nには端末装置401〜40nを接続している。ま
た、レーザ101、102には制御装置400によって
制御される駆動装置103、104が接続されている。
【0077】制御装置400は端末装置と同様の機能を
もつ他に、各端末装置の発信、受信を制御し、また、レ
ーザ101、102の発光を制御する機能を有する。こ
の光信号伝送装置においては、端末装置からの交信要求
があった場合は、その相手の受信端末装置が下流になる
ように、両端に接続されているレーザ101、102を
適宜切り換える。左から右方向に信号を伝送する場合は
レーザ101を動作させ、右から左へ信号を伝送する場
合はレーザ102を動作させることになるが、その制御
は制御装置400が駆動装置103、104を制御して
行う。
【0078】前記の実施例の光信号伝送装置の他に、さ
らに、これらの光信号伝送系統を並列して、全体のビッ
トレートを上げ得ることはいうまでもない。第2実施
例、第3実施例、第4実施例のような光信号伝送装置、
あるいは複数の光信号伝送系統を並列化した場合には、
光変調素子、受光素子、光増幅素子等としてアレイ状に
集積化した半導体装置を用いると便利である。
【0079】図27は、図24および図26の受光・光
変調素子23nあるいは図25の光変調素子20nおよ
び受光素子30nに使用される1電極型の受光と光変調
に用いられる素子の斜視図である。この図において、7
はn−InP半導体結晶層、211はInP半導体結晶
基板、212はn−InP半導体結晶層、214はp−
InP半導体結晶層、216、250は電極、217は
反射防止膜、218は活性層幅、213はi−InGa
AsP半導体結晶層である。
【0080】この図に示された素子は、図16とは異な
る構造の光変調素子あるいは受光素子の例であり、以下
この素子を1電極型素子と呼ぶ。この素子を2個用いる
と、1個を光変調素子、他の1個を受光素子として用い
ることができる。さらに、1個の素子で光変調素子と受
光素子に兼用することもできる。
【0081】この装置は、厚さが100μmでn型不純
物濃度が1×1018cm-3のInP半導体結晶基板21
1の上に、厚さが1.5μmでn型不純物濃度が1×1
18cm-3のn−InP半導体結晶層212、厚さが
0.1μmのi−InGaAsP半導体結晶層、あるい
は、厚さが8nmのInGaAs層10層と厚さが8n
mのInGaAsP層9層を交互に積層したMQWから
なる活性層213、厚さが0.7μmでn型不純物濃度
が5×1017cm-3のn−InP半導体結晶層7、中央
の最も厚い部分の厚さが1.5μmでp型不純物濃度が
5×1017cm-3のp−InP半導体結晶層214、T
i/Pt/Auの3層構造からなる電極250、Au電
極216、厚さが20nmで屈折率が1.9のSiN反
射防止膜217を形成して構成されている。また、活性
層幅218は2μm、変調素子の長さは300μmであ
る。
【0082】この素子の電極216と250の間に電圧
を印加しないときは、活性層213は例えば波長1.5
5μmのキャリア光を透過する。電圧を印加すると活性
層213は例えば波長1.55μmのキャリア光を吸収
するようになり、透過率が減少する。パルス電圧を印加
すると透過キャリア光が印加パルスに対応して強度変調
され、光変調器として動作する。このとき、光吸収に伴
い光電流が発生するが、変調動作時は無視する。
【0083】次に、受光素子として動作する場合は、光
吸収で発生した光電流を検出し利用することになる。例
えば、キャリア光の光強度がパルス状に変化する場合に
は、光パルスが活性層を通過するたびにパルス電流が発
生される。例えば、パルス電流の有無をデジタル信号の
1と0に対応させて信号を検出する。したがって、この
素子によって、キャリア光の変調と、信号光の検出が可
能である。
【0084】図28(A)、(B)は、受光素子と光変
調素子を1つの半導体素子で構成した2電極型の受光・
光変調素子の例を示す図である。この図において、電極
が251と252の2つである他は図27において使用
したものと同じである。この図28(A)は平面図、図
28(B)は図28(A)のZ−Z線における断面図で
ある。
【0085】この例においては、図27における電極2
50が251と252に分割されている。そして、光は
矢印3の方向から入射されるようになっており、電極2
51の部分が受光素子、電極252の部分が光変調素子
としての機能をもつ。電極251の部分の受光素子と、
電極252の部分の光変調素子の動作は前記のとおりで
ある。2個の1電極型素子を光変調素子と受光素子に用
いる場合に比べて、精密な光結合を必要とする部分が少
なくなる利点がある。また、1個の1電極型素子を光変
調素子と受光素子に兼用する場合に比べて、受信と送信
を同時に行うことができる利点がある。さらに、受光素
子側と光変調素子側に最適な駆動装置の接続と最適な電
圧印加が可能とする長所がある。
【0086】図29(A)、(B)は、3電極型の受光
・光変調・光増幅素子の構成図である。図29(A)は
平面図、図29(B)は図29(A)のZ−Z線におけ
る断面図である。この図において、8が活性層の中央部
分、253が電極である他は、図27、図28において
使用したものと同じである。この図においても、光は矢
印3の方向から入射され、電極251の部分が受光素
子、252の部分が光変調素子、電極253の部分が光
増幅素子(レーザ光増幅素子)としての機能をもつ。各
素子の動作は先に述べたとおりである
【0087】光増幅波長と光吸収波長との関係で、活性
層213のうち光増幅素子の活性層8の組成は、活性層
213と同じか、あるいは、活性層213よりバンドギ
ャップエネルギーが小さい組成の半導体結晶とされる。
3電極型の利点は、装置の小型化と、以下に述べる精密
な光結合を必要とする部分の数の低減による結合損失の
低下、低コスト化である。さらに、3電極型にしたた
め、それぞれの素子に最適の不純物濃度分布等の構成を
選択でき、最適電圧を印加して動作させることができ
る。
【0088】図30は、受光・光変調・光増幅素子と光
ファイバーとの光結合部の構成図である。この図におい
て使用した符号は先に説明したとおりである。図示され
ているように、受光・光変調・光増幅素子の活性層21
3に接近して、テーパー先球付光ファイバー511、5
12を配置し、それら相互間の光結合を達成している。
受光素子、光増幅素子、光変調素子がそれぞれ個別素子
として独立していた場合には、図23に示すように、一
つの端末装置ブロックあたり最低4か所の光結合部が必
要であった。
【0089】そして、この種の光結合部には必ず光の結
合損失を伴うため、その損失を最低限度に抑えるため製
造時に高度な位置合わせ技術が要求され、製造コストも
高くなっていた。この複合素子を用いると、図30に示
すように、結合部は2か所のみとなり、テーパー先球付
光ファイバーを使用すると、光の損失を低減することが
でき、位置合わせ精度に余裕ができるため、製造が容易
になるとともに製造コストが低減される。また、装置を
小型にすることができる。
【0090】図31(A)、(B)は、並列3電極型の
受光・光増幅・光変調素子の構成図である。この図にお
ける符号は、351、352、353が電極、91が第
1導波路、92が第2導波路である他は先に説明したも
のと同様である。
【0091】この図31(A)は平面図、図31(B)
は図31(A)のZ−Z線における断面図である。この
例は図29(A)、(B)に示した3電極型の受光・光
変調素子を2系統並列に集積化したものである。この素
子の第1導波路91、第2導波路系統92を、第2実施
例(図24)の2つの系統に対応させて使用することが
できる。
【0092】図32(A)、(B)は、並列2電極型の
受光・光変調・光増幅素子の構成図である。この図32
(A)は平面図、図32(B)は図32(A)のZ−Z
線における断面図である。この図における符号は前記と
同様である。
【0093】この素子においては、第1導波路91に受
光素子と光増幅素子が、第2導波路92に光変調素子と
光増幅素子が形成されている。したがって、この素子を
第3実施例(図25)に使用する場合は、変調専用経路
を第2導波路に、受光専用経路を第1導波路に対応させ
る。このように2系統を並列して集積化すると、第2実
施例、第3実施例の双方向性光信号伝送装置の送信、受
信装置を小型化することができ、図27、図28、図3
1、図32などの装置を小型化することができ、さら
に、複数の光信号伝送装置を並列した装置に用いると、
送信、受信装置の小型化が可能になる。
【0094】図33は、同期変調装置の構成説明図であ
る。この図において、1はレーザダイオード(LD)、
2はクロック発生装置、105はレーザダイオード変調
駆動装置、108は光変調素子の出力光、111は半導
体結晶基板、112は半導体結晶層(クラッド層)、1
13は半導体結晶層(活性層)、114は半導体結晶層
(クラッド層)、115、116は電極、109はレー
ザダイオードの出力光の波形、110はキャリア光、2
11は半導体結晶基板、212は半導体結晶層(クラッ
ド層)、213は半導体結晶層(活性層)、214は半
導体結晶層(クラッド層)、216は共通電極、251
は受光素子の電極、252は光変調素子28nの電極、
253は光増幅素子の電極、31nはクロック復調およ
び受信信号復調装置、28nは光変調素子駆動装置であ
る。
【0095】この例において使用されるレーザ1は、半
導体結晶基板111上に半導体結晶層(クラッド層)1
12、半導体結晶層(活性層)113、半導体結晶層
(クラッド層)114を形成し、その上側と下側に電極
115、116を設けたものである。そして、この図に
示されているように、クロック発生装置2によって発生
したクロック信号をレーザダイオード変調駆動装置10
5を経てこのダブルヘテロレーザ1の電極に印加して直
接変調を加え、矩形パルス状109のキャリア光110
を発生する。
【0096】そして、そのキャリア光110を、受光、
変調素子23nの光導波路213に導く。そして、復調
装置31nによってクロック信号および受信信号を復調
し、復調したクロック信号を光変調素子駆動装置28n
に導いて、このクロック信号に同期して、光変調素子の
電極252に発信すべき信号をもつ変調信号を加える。
【0097】図34は、同期変調装置の光変調タイミン
グ説明図である。この図において、109はキャリア
光、113は変調素子に加える電圧、108は変調出力
光、Tは周期である。キャリア光の周期はTで、パルス
幅はT/2である。この図に示されるように、この同期
変調装置においては、連続的に周期T、幅T/2で繰り
返すパルス状のキャリア光から、このキャリア光に同期
した変調信号113によって、変調信号波形のハイパル
スに相当する期間のキャリア光パルスを透過させて抜き
出し、変調出力信号108を得るようにしている。
【0098】この変調方法によると、キャリア光を変調
信号の同期パルスとして用いるため、変調信号発生装置
において独自のタイミング設定を必要としない利点があ
り、また、キャリア光の周期にゆらぎが生じたとして
も、それに追従して変調するから、タイミングのずれを
生じることがない。
【0099】図35は、断続キャリア光発生装置の構成
説明図である。この図において、2はクロック信号発生
装置、105は変調素子駆動装置、109はキャリア光
波形、111は半導体結晶基板、112は半導体結晶層
(クラッド層)、113は半導体結晶層(活性層)、1
14は半導体結晶層(クラッド層)、115、116、
117は電極、119は直流電圧源である。この方法に
おいては、連続発信するレーザと光変調素子とを使用し
て周期的に断続するキャリア光を得ている。
【0100】すなわち、電極115、半導体結晶基板1
11、半導体結晶層(クラッド層)112、半導体結晶
層(活性層)113、半導体結晶層(クラッド層)11
4、電極115からなる半導体レーザに直流電圧源11
9から電流を供給して連続発振させておき、その光を、
電極115、半導体結晶基板111、半導体結晶層(ク
ラッド層)112、半導体結晶層(活性層)113、半
導体結晶層(クラッド層)114、電極117からなる
光変調素子を透過させ、その光変調素子に、クロック発
生装置2の出力を光変調素子駆動装置105を介して印
加し、光変調素子の透過率を周期的に変えることによっ
て連続的にオン/オフするキャリア光109を得てい
る。この方法によると、図33の直接変調に比較してよ
り安定した周波数(波長)のキャリア光を発生すること
ができる。
【0101】(第5実施例)図36は、第5実施例の光
信号伝送装置の構成説明図である。この図における符号
は前記のとおりである。この装置においては、レーザ1
01を光源とし、クロック信号を伝送するためのクロッ
ク復調系統81と、レーザ102を光源とし、伝送すべ
き信号を伝送するための信号伝送系統82から構成され
ている。本実施例の光信号伝送装置においては、二つの
レーザ101と102はともにクロック発生装置が発生
するクロック信号によって変調され、図34の109の
ようなパルスを出力する。
【0102】そして、クロック復調系統81では、クロ
ックパルスの状態で光信号伝送路に送出され、各端末装
置ブロックの受光素子によって電気信号に変換される。
そして、信号伝送系統82の各端末装置ブロックでは、
クロック復調系統によって電気信号に変換されたクロッ
ク信号を基準にしてキャリア光109に変調を加える。
この装置によると、各端末装置ブロックにおいて、信号
の送受信に影響されないクロック信号を常時参照するこ
とができるから、特に、タイムシェアリング(時分割)
で変調、復調が行われる場合のタイミングの精密な制御
に有効である。この装置は、複合化された受光・光変調
・光増幅素子を用いることによって小型になり、信号光
の減衰を防ぐことができる。
【0103】図37は、複合受光・光変調・光増幅素子
の構成図である。この図における符号は前記のとおりで
ある。この素子は、図36の受光素子301〜30nと
端末装置ブロック800〜80nの受光・光変調素子の
両方に用いることができる受光・光変調・光増幅素子に
関するものである。
【0104】図37(A)は上面平面図、図37(B)
は図37(A)のZ−Z線における断面図である。この
図における符号は、前記のとおりである。この装置にお
いては、第1導波路91には、受光素子251と光増幅
素子253と光変調素子252が形成されている。そし
て、第2導波路92には、受光素子351と光増幅素子
353が形成されている。第1導波路91を図36の信
号伝送系統82に使用し、第2導波路92を図36のク
ロック復調系統81に使用することができる。
【0105】(第6実施例)本発明の光信号伝送装置
は、例えば、コンピュータ等の内部データの授受に使用
することができる。図38は、第6実施例の光信号伝送
装置の構成説明図である。この図において、9はデータ
バス、11は制御装置、15は受光装置、16はインタ
ーフェイス、18は受光素子アレイ、19はデータ復調
装置、121、122は光源駆動装置、123は光源駆
動装置制御装置、131、132、133はコリメート
されたレーザ光源アレイ、134、135、136、1
37は光束、141、142、143、14nは受光・
変調素子アレイ、171〜17nはメモリボードであ
る。
【0106】本実施例において、制御装置11は、リー
ド/ライト(R/W)指定、アドレス指定、メモリボー
ド選択、データの読み込み等の制御を行う。光源アレイ
131、132、133はコリメートされた細い光束
(平行光束)を出射し、しかも、ライト(W)時は光源
アレイ131と133が発光し、リード(R)時は光源
アレイ132と133が発光するように、光源駆動装置
121、光源駆動装置制御装置123、光源駆動装置1
22によって制御されるようになっている。
【0107】受光素子アレイ18と受光・変調素子アレ
イ141〜14nは電圧が印加された場合のみ光を吸収
し、電圧が印加されいない場合は光を透過するようにな
っており、光源アレイ131、132、133から放出
される光束が、受光・変調素子アレイ141〜14nの
全てを貫通するように配置されている。そして、受光・
変調素子アレイ141〜14nはインターフェイス16
を介して、メモリボード171〜17nとの間で情報の
授受ができるように接続されている。また、受光素子ア
レイ18とデータ復調素子19との間で情報を授受がで
きるように接続されている。
【0108】この装置の動作を説明する。 データの書き込み(W) 光源駆動装置によって、光源アレイ131と光源アレイ
133の発光素子を選択的にオンして、発光素子のオン
/オフによる情報をもつ光束を放出する。制御装置から
出るボード選択信号によって、選択された受光・変調素
子アレイ14nに電圧が印加され受光素子となる。受光
・変調素子アレイ14nによって電気信号に変換された
データは、インターフェイス16を経て、指定されたア
ドレスのメモリーボード17nに導かれ、ここにデータ
が格納される。
【0109】データの読み出し(R) アドレスは書き込みと同じ方法で指定される。光源駆動
装置制御装置123、光源駆動装置122によって、光
源アレイ132の全ての発光素子が発光する。一方、イ
ンターフェイス16を介して、選択されたメモリーボー
ド17nから格納されていたデータが電気信号として出
力され、その受光・変調素子アレイにこのデータに対応
する電圧が印加され、光源アレイ132から出力された
光束を、格納していたデータによって透過あるいは不透
過にして変調する。このときは、選択されなかった受光
・変調素子アレイ141・・・は光の透過する状態にな
っている。透過した光束を、受光素子アレイ18によっ
て光電変換し、この電気信号をデータ復調装置19に導
く。この電気的信号は、制御装置11によって読み出さ
れ、データバス9に送出される。
【0110】図39は、第6実施例の光源アレイ、受光
素子アレイ、受光・変調素子アレイの空間的配置図であ
る。この図において使用されている符号は図38におい
て使用されているものと同様である。
【0111】この図に示すように、レーザアレイ13
1、132、133と、受光素子アレイ18、15と、
受光・変調器素子アレイ141〜14nを直線上に配置
し、レーザアレイの光束134〜137がこれらの素子
を貫通して照射するようになっている。このように、例
えば、カードコネクタの部分、あるいは、メモリーが実
装された基板の特定領域に受光・変調器素子141〜1
4nを作りつけ、光による情報の授受を行うことができ
る。
【0112】本実施例の効果として、つぎの点が挙げら
れる。 情報を光で伝送することによる効果 導線によって接続した場合よりも信号の伝播時間が短い 静電容量、電磁誘導による波形劣化や伝播遅延やクロス
トークを生じない。 空間的配置による効果 受光・変調素子アレイを光路に沿って直線状に配置して
いるので、光を空間伝播させるのに適する。部品の精度
を保てば、それらを組み立てるだけで情報伝送路が形成
され、従来の配線に相当するものが不要となるので、配
線ミスが発生しない、配線不良(接触不良)が生じな
い。光源アレイ、受光素子アレイ、受光・変調素子ア
レイ等とインターフェイスを組み込んだコネクター装置
を作ることによる効果従来の回路基板をそのまま利用す
ることが可能である。
【0113】
【発明の効果】本発明によると、光信号伝送装置に使用
するレーザ(LD)数が少ないため、その温度制御等の
周辺装置に対するコストを含めて、全システムのコスト
の低減が可能になり、電界変調素子を用いることによ
り、信号伝送の高速化、高信頼化が達成できる。
【0114】さらに、光信号の伝送路として光ファイバ
ーを使用すると、伝送特性が広帯域であるから高速のデ
ータ伝送が可能で、電磁誘導、静電容量等の影響を受け
ず、かつ、伝送損失が小さいため、長いスパン信号の伝
送ができる。
【0115】また、光ファイバーは同軸ケーブルに比べ
て細く軽いので、筐体内堆積の配線の占有率が高い超大
型電子計算機等の小型化、軽量化に寄与する。そしてま
た、光ファイバーを用いないで、光信号を空間伝播によ
って伝送すると、導体中を電気情報が伝播する速度より
早くなるので、電子計算機に用いると処理速度が高くな
る。空間伝播では、伝播経路は直線となるため伝送速度
が高くなり、これに加えて、伝送路がないため伝送路の
重量を無視できる等のメリットを有する。
【0116】この光信号伝送装置をコンピュータ等の情
報の伝送に用いると、導線によって接続した場合よりも
信号の伝播時間が短く、静電容量や電磁誘導による波形
劣化や伝播遅延やクロストークを生じない利点がある。
そして、この場合、受光・変調素子アレイを光路に沿っ
て直線状に配置して信号光を空間伝播させるようにする
と、部品の精度を保つことによって、それらを組み立て
るだけで情報伝送路が形成され、配線ミスや、配線不良
が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光信号伝送装置における送信の説明図
である。
【図2】本発明の光信号伝送装置における送受信の説明
図である。
【図3】本発明の光信号伝送装置における光増幅、送受
信の説明図である。
【図4】本発明の光信号伝送装置における受光・光変
調、増幅素子の断面図である。
【図5】本発明の光信号伝送装置における受光・光変調
・光増幅素子の断面図である。
【図6】本発明の光信号伝送装置における受光・光変調
・光増幅素子の屈折率分布図である。
【図7】本発明の受光・光変調・光増幅素子の概略図で
ある。
【図8】本発明の受光・光変調・光増幅素子と光ファイ
バーの結合部の構成図である。
【図9】(A)〜(C)は、本発明の受光・光変調・光
増幅素子の概略構成説明図である。
【図10】レーザ出力光の光強度の時間的変化を示す図
である。
【図11】レーザ出力光の光強度変調の原理説明図であ
る。
【図12】(A)、(B)は、レーザ出力光の光強度の
変化と変調信号のタイミングを示す図である。
【図13】本発明に用いられる電界光変調素子の概略構
造図である。
【図14】図13の光変調素子の電圧と光吸収スペクト
ルの関係図である。
【図15】第1実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図16】(A)〜(C)は、本実施例において使用さ
れる受光素子あるいは光変調素子の具体例の構成図であ
る。
【図17】図15の端末装置ブロックの構成図である。
【図18】負論理でキャリア光を変調する場合の説明図
である。
【図19】(A)〜(C)は、キャリア光、光変調素子
電圧、変調出力光強度の関係図である。
【図20】受光素子の動作説明図である。
【図21】レーザ光増幅素子の構成説明図である。
【図22】レーザ光増幅素子の配置説明図である。
【図23】受光素子、光増幅素子、光変調素子の配置図
である。
【図24】第2実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図25】第3実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図26】第4実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図27】1電極型の受光と光変調に用いられる素子の
斜視図である。
【図28】(A)、(B)は、2電極型の受光・光変調
素子の例を示す図である。
【図29】(A)、(B)は、3電極型の受光・光変調
・光増幅素子の構成図である。
【図30】受光・光変調・光増幅素子と光ファイバーと
の光結合部の構成図である。
【図31】(A)、(B)は、並列3電極型受光・光増
幅・光変調素子の構成図である。
【図32】(A)、(B)は、並列2電極型受光・光変
調・光増幅素子の構成図である。
【図33】同期変調装置の構成説明図である。
【図34】同期変調装置の光変調タイミング説明図であ
る。
【図35】断続キャリア光発生装置の構成説明図であ
る。
【図36】第5実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図37】複合受光・光変調・光増幅素子の構成図であ
る。
【図38】第6実施例の光信号伝送装置の構成説明図で
ある。
【図39】第6実施例の光源アレイ、受光素子アレイ、
受光・変調素子アレイの空間的配置図である。
【図40】従来の光信号伝送装置の構成説明図である。
【図41】従来の改良した光信号伝送装置の構成説明図
である。
【図42】従来の改良した端末装置ブロックの構成説明
図である。
【符号の説明】
1はレーザ 5 光信号伝送ループ 6 光増幅素子(レーザアンプ) 103 レーザ駆動装置 110 キャリア光 200〜20n 光変調素子 220〜22n 光変調素子駆動装置 231〜23n 受光・光変調素子 241〜24n 受光素子駆動装置 301〜30n 受光素子 400 発信・受信端末装置を指定する制御装置 401〜40n 端末装置 500〜50n 光信号伝送路 701〜70n 受信・送信装置ブロック 801〜80n 端末装置ブロック
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 10/20 G02F 1/015 - 1/025 H04L 12/42 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を搬送するためのキャリア光を出力す
    る発光素子と、複数の端末装置と、該複数の端末装置の
    それぞれに接続された受光素子で、電界無印加時には光
    を透過し、電界印加時には透過光を吸収する電界吸収効
    果を有する半導体素子によって構成され且つ光信号を電
    気信号に変換する受光素子と、同様に各端末装置に接続
    され、電界無印加時には光を透過し、電界印加時には透
    過光を吸収する電界吸収効果を有する半導体素子によっ
    て構成された光変調素子と、該発光素子が出力するキャ
    リア光を各端末装置の受光素子と光変調素子に順次入射
    して伝送する光信号伝送路とを有し、該端末装置が、該
    受光素子によってキャリア光に変調されている信号を読
    みとって受信し、該光変調素子の透過率を制御する事に
    よってキャリア光を変調して信号を発信することを特徴
    とする光信号伝送装置。
  2. 【請求項2】 受光素子と光変調素子、あるいはこれら
    と光増幅素子が、半導体結晶層からなる共通の活性領域
    と、該活性領域の両側に接する、該活性領域よりも屈折
    率が小さい2層の半導体結晶層によって構成される接合
    構造をもつことを特徴とする請求項1記載の光信号伝送
    装置。
  3. 【請求項3】 受光素子と光変調素子,あるいはこれら
    と光増幅素子が形成される半導体結晶層からなる活性領
    域が、光信号の進行方向に直角の方向に、ステップ状の
    凸型屈折率分布をもち、光信号の進行方向に延びるスト
    ライプ状の光導波路を有することを特徴とする請求項2
    記載の光信号伝送装置。
  4. 【請求項4】 光信号の進行方向に延びる活性領域のス
    トライプ状の導波路に沿って、該活性領域よりも屈折率
    が小さい2層の半導体結晶層のいずれか一方の表面に、
    二つ以上の分割されたストライプ状の電極を有し、該各
    電極が形成されている領域に受光素子、光変調素子、あ
    るいは光増幅素子が形成されていることを特徴とする請
    求項3記載の光信号伝送装置。
  5. 【請求項5】発光素子が出力するキャリア光を、周期T
    の高周波矩形波状に強度変調し、且つ前記光変調素子に
    該キャリア光の光変調周期に同期して最小2Tの周期で
    変化する変調信号を加えることによって当該キャリア光
    の光強度が大きい波形部分を選択的に吸収させ、当該キ
    ャリア光を強度変調することを特徴とする請求項1乃至
    4の何れか1記載の光信号伝送装置。
  6. 【請求項6】 情報を搬送するためのキャリア光を出力
    する第1の発光素子と、光信号を電気信号に変換する機
    能と、電界無印加時には光を透過し電界印加時には透過
    光を吸収する電界吸収機能を有する複数の受光・光変調
    素子と、該第1の発光素子の出力光を該複数の受光・光
    変調素子に順次光学的に貫通して伝送する第1の光信号
    伝送路とからなり、かつ、第1の方向に延びる第1の光
    信号伝送系統と、情報を搬送するためのキャリア光を出
    力する第2の発光素子と、前記と同様の複数の受光・光
    変調素子と、該第2の発光素子の出力光を該複数の受光
    ・光変調素子に順次光学的に貫通して伝送する第2の光
    信号伝送路とからなり、かつ、第1の方向とは逆の方向
    に延びる第2の光信号伝送系統と、該第1の光信号伝送
    系統の受光・光変調素子の一つと該第2の光信号伝送系
    統の受光・光変調素子の各一つに電気的に接続された複
    数の端末装置とからなることを特徴とする光信号伝送装
    置。
  7. 【請求項7】情報を搬送する為のキャリア光を出力する
    発光素子と、電界無印加時には光を透過し、電界印加時
    には透過光を吸収する電界吸収効果を有する複数の光変
    調素子と、該発光素子が出力するキャリア光を複数の光
    変調素子に順次光学的に貫通して伝送する第1の光信号
    伝送路とからなる変調専用系統と、該変調専用系統に続
    いて直列に接続された受光素子で、電界無印加時には光
    を透過し、電界印加時には透過光を吸収する電界吸収効
    果を有する半導体素子によって構成され且つ光信号を電
    気信号に変換する受光素子と、第1の光信号伝送路を伝
    送されてきたキャリア光を該複数の受光素子に順次光学
    的に貫通して伝送する第2の光伝送路とからなる受光専
    用系統と、該変調専用系統の光変調素子の一つと、該受
    光専用系統の受光素子の一つに電気的に接続された複数
    の端末装置とからなることを特徴とする光信号伝送装
    置。
  8. 【請求項8】 情報を搬送するためのキャリア光を出力
    する第1の発光素子および第2の発光素子と、光信号を
    電気信号に変換する機能と、電界無印加時には光を透過
    し電界印加時には透過光を吸収する電界吸収機能を有す
    る複数の受光・光変調素子と、該複数の受光・光変調素
    子を該第1の発光素子と第2の発光素子の間に挟み、該
    第1の発光素子および第2の発光素子が出力するキャリ
    ア光を該複数の受光・光変調素子に順次光学的に貫通し
    て伝送する光信号伝送路と、該複数の受光・光変調素子
    の各一つに電気的に接続された複数の端末装置と、該第
    1の発光素子と第2の発光素子を選択的に切り換えて発
    光させる発光素子駆動装置とからなることを特徴とする
    光信号伝送装置。
  9. 【請求項9】 クロック信号を搬送するためのキャリア
    光を出力する第1の発光素子と、光信号を電気信号に変
    換する複数の受光素子と、該第1の発光素子が出力する
    クロック信号を、該複数の受光素子に順次光学的に貫通
    して伝送する第1の光信号伝送路とからなるクロック復
    調系統と、情報を搬送するためのキャリア光を出力する
    第2の発光素子と、光信号を電気信号に変換する機能
    と、電界無印加時には光を透過し電界印加時には透過光
    を吸収する電界吸収機能を有する複数の受光・光変調素
    子と、該第2の発光素子が出力するキャリア光を、該複
    数の受光・光変調素子に順次光学的に貫通して伝送する
    第2の光信号伝送路とからなる信号伝送系統と、該クロ
    ック復調系統の複数の受光素子の一つと、該信号伝送系
    統の複数の受光・光変調素子の一つに電気的に接続され
    た複数の端末装置とからなることを特徴とする光信号伝
    送装置。
  10. 【請求項10】情報を搬送する為のキャリア光を出力す
    る発光素子と、複数の端末装置と、該複数の端末装置の
    それぞれに接続された受光素子で、電界無印加時には光
    を透過し、電界印加時には透過光を吸収する電界吸収効
    果を有する半導体素子によって構成され且つ光信号を電
    気信号に変換する受光素子と、同様に各端末装置に接続
    され、電界無印加時には光を透過し、電界印加時には透
    過光を吸収する電界吸収効果を有する光変調素子と、該
    発光素子が出力するキャリア光をコリメートされた光束
    として空間中を伝播させて、各端末装置の受光素子と光
    変調素子に順次貫通して伝送する手段とからなり、該端
    末装置が、該受光素子によってキャリア光に変調されて
    いる信号を読みとって受信し、該光変調素子の透過率を
    制御することによってキャリア光を変調して信号を発信
    することを特徴とする光信号伝送装置。
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