JP3172258B2 - ワックスおよびそれを含有する熱転写用インク - Google Patents

ワックスおよびそれを含有する熱転写用インク

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワックスおよびそれを含
有する熱転写用インクに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より各種動植物ワックス、石油系ワックス、合成ワック
スなどが熱転写記録媒体に用いる熱転写用インクのベヒ
クルとして汎用されている。
【0003】しかしながら、これらワックスはカーボン
ブラックなどの着色剤の分散性が必らずしもよくなく、
そのため着色剤の凝集が生じ、着色剤が均一に分散され
たインクがえられず、それに伴って印字品質もよくない
という問題がある。
【0004】この問題を解決するため、2種以上のワッ
クスを組合せて使用することが試みられているが、満足
する結果はえられていない。
【0005】本発明の目的は前記の点に鑑みて、着色剤
の分散性がすぐれたワックス、および着色剤が均一に分
散され、高品位の印字を与える熱転写用インクを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、脂肪
族炭化水素をホウ酸および無水ホウ酸の存在下で分子状
酸素含有ガスで液相酸化してえられる、1分子当りの平
均水酸基数が0.3〜0.85個の第2級アルコール
と、イソシアネート系有機化合物との反応生成物である
ワックスを提供する。
【0007】さらに本発明は、ワックス成分と熱可塑性
樹脂成分と着色剤とからなる熱転写用インクにおいて、
前記ワックス成分の含有量が20〜90重量%であり、
かつ前記ワックス成分の40重量%以上が、脂肪族炭化
水素をホウ酸および無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含
有ガスで液相酸化してえられる、1分子当りの平均水酸
基数が0.3〜0.85個の第2級アルコールと、イソ
シアネート系有機化合物との反応生成物からなることを
特徴とする熱転写用インクを提供する。
【0008】さらに本発明は、ワックス成分と熱可塑性
樹脂成分と着色剤とからなる熱転写用インクにおいて、
前記ワックス成分の主成分が、脂肪族炭化水素をホウ酸
および無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスで液相
酸化してえられる、1分子当りの平均水酸基数が0.3
0.85個の第2級アルコールと、イソシアネート系
有機化合物との反応生成物であり、前記熱可塑性樹脂成
分の主成分がエチレン−酢酸ビニル共重合体および(ま
たは)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
であることを特徴とする熱転写用インクを提供する。
【0009】
【作用および実施例】まず本発明のワックスについて説
明する。
【0010】本発明のワックスは、脂肪族炭化水素をホ
ウ酸および無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスで
液相酸化してえられる、1分子当りの平均水酸基数が
0.3〜1.0個の第2級アルコールと、イソシアネー
ト系有機化合物との反応生成物である。
【0011】本発明においては、前記特定の第2級アル
コールをイソシアネート系有機化合物と反応させてえら
れるワックスがカーボンブラックなどの着色剤の分散性
にすぐれていることが見出された。
【0012】前記特定の第2級アルコールは特公平3−
51745号公報に記載されている方法で製造すること
ができる。
【0013】この方法によると、脂肪族炭化水素をホウ
酸および無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスで液
相酸化することにより、脂肪族炭化水素を高い転化率で
第2級アルコールに変換することができる。
【0014】原料物質の脂肪族炭化水素としては、平均
炭素数が20〜145の範囲にある飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素が好ましく用いられ、より具体的には、 (A)エチレン重合法または石油系炭化水素の熱分解に
よるオレフィン化法でえられるところの二重結合を1個
以上有する平均炭素数20以上(好ましくは平均炭素数
20〜60)の高級脂肪族不飽和炭化水素、 (B)石油留分からえられる融点が65℃以上で、平均
炭素数30以上(好ましくは平均炭素数30〜40)の
n−パラフィン混合物、 (C)エチレン重合法によりえられる重量平均分子量5
00〜2,000のポリエチレンワックス、および (D)フィッシャートロプシュ合成法によりえられる平
均炭素数40以上(好ましくは平均炭素数40〜60)
の高級脂肪族炭化水素の1種または2種以上が好ましく
用いられる。これら脂肪族炭化水素を出発原料としてえ
られるワックスは、ワックスとしての適正な範囲の融
点、溶融粘度などの物性値を有し、かつ着色剤の分散性
がすぐれている。(A)の高級脂肪族不飽和炭化水素と
してはオレフィン、とくにα−オレフィンが好ましい。
前記第2級アルコールの1分子当りの平均水酸基数は、
前記高級脂肪族不飽和炭化水素(A)からえられたもの
においては、0.4〜0.8個、前記n−パラフィン混
合物(B)からえられたものにおいては、0.6〜0.
8個、前記ポリエチレンワックス(C)からえられたも
のにおいては、0.7〜0.85個、前記フィッシャー
トロプシュ合成法による高級脂肪族炭化水素(D)から
えられたものにおいては、0.7〜0.85個であるの
が好ましい。
【0015】触媒としてはホウ酸と無水ホウ酸の混合物
が使用される。ホウ酸と無水ホウ酸との混合比(ホウ酸
/無水ホウ酸)はモル比で1〜2、なかんづく1.2〜
1.7の範囲が好ましい。無水ホウ酸の割合が前記範囲
より少ないと、ホウ酸の過剰分が凝集現象を引き起し好
ましくない。また無水ホウ酸の割合が前記範囲より多い
と、反応後無水ホウ酸に由来する粉末物質が回収され、
また過剰の無水ホウ酸は反応に寄与せず経済的な面から
も好ましくない。
【0016】使用されるホウ酸と無水ホウ酸の添加量
は、その混合物をホウ酸量に換算して、原料の脂肪族炭
化水素1モルに対して0.01〜1モル、とくに0.2
〜0.6モルが好ましい。
【0017】反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとし
ては酸素、空気、またはそれらを不活性ガスで希釈した
広範囲ものが使用可能であるが、酸素濃度が3〜20容
量%であるのが好ましく、とくに白色度のすぐれた第2
アルコールは酸素濃度が5〜10容量%のときにえられ
る。
【0018】液相酸化反応は通常溶媒を使用せず、原料
の脂肪族炭化水素の溶融状態下で行なわれる。反応温度
は150〜250℃、好ましくは170〜200℃であ
る。反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0019】ホウ酸と無水ホウ酸は予め混合して、反応
系に添加するのが望ましい。ホウ酸のみを単独で添加す
ると、ホウ酸の脱水反応などが起り好ましくない。また
ホウ酸と無水ホウ酸の混合溶媒の添加温度は100〜1
60℃がよく、好ましくは130〜150℃であり、1
00℃より低いばあいには系内に残存する水分などに起
因して、無水ホウ酸の触媒能が低下するので好ましくな
い。
【0020】反応終了後反応混合物に水を加え、生成し
た第2級アルコールのホウ酸エステルを加水分解する
と、第2級アルコール(第2級アルコール混合物あるい
はこれと原料脂肪族炭化水素などとの混合物)がえられ
る。
【0021】このようにしてえられた第2級アルコール
は精製してもよいが、通常はそのままつぎのウレタン化
工程で使用される。
【0022】ウレタン化工程で使用する第2級アルコー
ルとしては1分子当りの平均水酸基数が0.3〜0.8
個のものが好ましい。水酸基数が前記範囲より少ない
と所望の分散性を有するワックスがえられがたく、一方
前記範囲より多いと最終生成物の溶融粘度が高くなりす
ぎ、好ましくない。
【0023】イソシアネート系有機化合物としては、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、o−トリジンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネートなどが好ましく用いられる。
なかでも分散性がとくにすぐれたワックスがえられる点
から、トリレンジイソシアネートが好ましい。
【0024】イソシアネート系有機化合物の第2級アル
コールに対する添加率は水酸基価当量の30〜100%
が好ましい。イソシアネート系有機化合物の添加率が前
記範囲より少ないと所望の分散性を有するワックスがえ
られがたく、前記範囲より多いと未反応のイソシアネー
ト系有機化合物に由来する不純物が多くなるので好まし
くない。
【0025】ウレタン化反応は通常溶媒を使用せず、原
料物質の溶融状態下で行なわれる。反応温度は70〜1
50℃程度、反応時間は0.5〜5時間程度である。
【0026】かくして本発明のワックスがえられる。え
られたワックスは精製してもよいが、そのまま各種の用
途に使用できる。
【0027】本発明のワックスは60〜120℃の範囲
の融点を有する。
【0028】本発明のワックスは前記特公平3−517
45号公報に記載されているアルコール系ワックスにく
らべて、着色剤の分散性がすぐれ、また経時的に安定
で、経時的な性能劣化や異臭の発生がない。
【0029】つぎに本発明の熱転写用インクについて説
明する。
【0030】本発明の熱転写用インクは、ワックス成分
と熱可塑性樹脂成分と着色剤からなり、かつワックス成
分が本発明の前記ワックスからなるものである。
【0031】前記ワックス成分中に占める本発明ワック
スの割合は40重量%以上、なかんづく60重量%以上
であるのが好ましい。本発明ワックスの割合が前記範囲
未満であると、本発明ワックスのすぐれた分散性が充分
に発揮できない。
【0032】本発明の熱転写インク中に占めるワックス
成分の割合は20〜90重量%、なかんづく50〜80
重量%の範囲が好ましい。ワックス成分の割合が前記範
囲未満では、本発明ワックスの割合が少なくなるので分
散性がわるく、一方前記範囲を超えると、着色剤の割合
が少なくなるので所望の印字濃度がえられない。
【0033】本発明ワックスと併用可能なワックスとし
ては従来よりこの種のインクで使用されているものがい
ずれも使用でき、たとえば木ロウ、ミツロウ、カルナバ
ワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、
セレシンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワッ
クス;酸化ワックス、エステルワックス、低分子量ポリ
エチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスな
どの合成ワックス;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアル
コール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高
級脂肪酸モノグリセド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソル
ビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;ステアリン
酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスア
ミド類などの1種または2種以上が使用できる。これら
ワックス状物質としては融点が40〜120℃のものが
熱転写感度の点から好ましい。
【0034】熱可塑性樹脂は熱溶融性インクに受容紙に
対する接着性、適度の膜性を付与するなどの目的で配合
されるものであり、インク全量に占める割合は通常5〜
30重量%の範囲が好ましい。
【0035】熱可塑性樹脂としては従来よりこの種のイ
ンクで使用されているものがいずれも使用でき、たとえ
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
三元共重合体、ポリビニルブリラール、α−オレフィン
−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体、低分子量スチレン樹脂、エチレ
ン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、石油樹脂、ロジン系樹脂、テンペン系樹脂、ポリプ
ロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂などの1種または2
種以上が使用できる。これら熱可塑性樹脂としては軟化
点が40〜140℃のものが熱転写感度の点から好まし
い。
【0036】本発明においては前記熱可塑性樹脂の中で
とくにエチレン−酢酸ビニル共重合体および(または)
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ま
しく用いられる。これら共重合体と本発明ワックスを併
用するときはそれらの相乗効果によりとくにすぐれた着
色剤分散効果が発揮される。エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エス
テルとしては(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好
ましく、アルキル基としては炭素数1〜12の直鎖状ま
たは分岐状のものがあげられ、具体的にはメチル、エチ
ル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、ノ
ニルなどがあげられる。これら(メタ)アクリル酸エス
テルは単独で用いてもよく、2種以上を混合使用しても
よい。
【0037】着色剤としてはカーボンブラックをはじ
め、各種の色相の、たとえばイエロー、マゼンタ、シア
ンなどの顔料が使用できる。顔料に加えて染料を併用し
てもよい。
【0038】前記イエロー顔料としてはナフトールエロ
ーS、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエ
ローG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハンザエ
ローRN、ハンザエローR、ベンジジンエローG、ベン
ジジンエローGR、パーマネントエローNCG、キノリ
ンエローレーキなどの1種または2種以上が用いられ
る。
【0039】前記マゼンタ顔料としては、たとえばパー
マネントレッド4R、ブリリアントフアストスカーレッ
ト、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカーミン
FB、リソールレッド、パーマネントレッドF5R、ブ
リリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3
B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザ
リンレーキなどの1種または2種以上が用いられる。
【0040】前記シアン顔料としては、たとえばビクト
リアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニンブルー、フアストスカイブルーなどの1種ま
たは2種以上が用いられる。
【0041】着色剤は通常インク全量に対して10〜3
0重量%の範囲で使用される。なお、本発明においては
着色剤の分散性がよいので、着色剤をたとえば最高50
重量%という高濃度で含有せしめることができ、それに
より高濃度の印字がえられるという利点がある。また、
着色剤の分散性がよいので、着色剤をたとえば最底5重
量%という低濃度で含有せしめても充分実用的な濃度の
印字がえられるという利点がある。
【0042】本発明の熱転写用インクには前記成分に加
えて、分散剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
など、この種のインクに用いられる通常の配合剤を適宜
添加することができる。
【0043】本発明の熱転写用インクは溶剤塗布のばあ
いは、前記各成分を適宜な溶剤(たとえば、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸ブチル、メチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−へキサン、ヘプタンなど)に分散、溶解
し、均一混合することによって調製できる。ホットメル
トコーティング用には前記成分をベヒクルの溶融温度以
上で均一混練することにより調製できる。
【0044】本発明の熱転写用インクは各種の熱転写用
記録媒体、たとえば基材上に熱転写用インクの均一層を
形成したワンタイム型、基材上に熱転写用インク層を含
有する非転写性の多孔質層を形成した、しみ出しタイプ
の多数回使用型、基材上にバリヤー材料(カーボンブラ
ックなどの粉末)を混合した熱転写用インク層を形成し
た、削れタイプ(加熱のたびごとにインク層がその厚さ
方向に徐々に転写されるタイプ)の多数回使用型などの
熱転写用記録媒体に好適に使用できる。
【0045】前記基材としては、適度な耐熱強度を有
し、かつ熱伝導性にすぐれたものが好ましく、たとえば
厚さ約2〜10μmのプラスチックフィルム(ポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリカーボネートなどのフィルム)またはグラシン紙、
コンデンサー紙などの高密度紙などが使用される。
【0046】前記基材の熱転写インク層と反対側の面に
は、必要に応じて、たとえばシリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ニトロセルロース、またはこれらにより変成された
各種の滑性耐熱性樹脂などからなる公知のスティック防
止層が設けられる。
【0047】以下に実施例をあげて本発明を説明する
が、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0048】実施例1 α−オレフィン(重量平均分子量500、平均炭素数3
5.7、C30以上のα−オレフィン含量95重量%)1
500gをガラス製の円筒反応器に入れ、チッ素ガスを
少量(3リットル/分)吹き込みながら、140℃まで
昇温した。ホウ酸/無水ホウ酸=1.5(モル比)の混
合触媒50.5g(0.78モル)を加えたのち、空気
(22リットル/分)とチッ素(17リットル/分)を
吹込みながら、180℃で2.5時間反応を行なった。
反応終了後反応混合物に等量の温水(95℃)を加え、
反応混合物を加水分解して第2級アルコール1450g
をえた。この第2級アルコールの水酸基価は84.9m
gKOH/g、1分子当りの平均水酸基数は0.757
であった。
【0049】前記第2級アルコール500gにトリレン
ジイソシアネート(TDI−80、日本ポリウレタン工
業(株)製)39.5g(第2級アルコールの水酸基価
当量の60%)を加え、撹拌下に120℃で4時間加熱
して本発明のワックス530gをえた。このワックスの
融点は64℃であった。
【0050】実施例2 原料物質としてパラフィンワックス(重量平均分子量5
06、平均炭素数36.4、融点75℃)1500gを
用い、反応時間を1.5時間としたほかは実施例1と同
様に液相酸化反応を行ない、第2級アルコール1450
gをえた。この第2級アルコールの水酸基価は76.0
mgKOH/g、1分子当りの平均水酸基数は0.68
5であった。
【0051】前記第2級アルコール500gにTDI−
80の35.4g(第2級アルコールの水酸基価当量の
60%)を加え、撹拌下に120℃で4時間加熱して本
発明のワックス530gをえた。このワックスの融点は
73℃であった。
【0052】実施例3 原料物質としてポリエチレンワックス(ペトロライト社
製BARECO 500 polywax、重量平均分
子量500、平均炭素数37.0、軟化点86℃)15
00gを用い、反応時間を2.5時間としたほかは実施
例1と同様に液相酸化反応を行ない、第2級アルコール
1430gをえた。この第2級アルコールの水酸基価は
83.0mgKOH/g、1分子当りの平均水酸基数は
0.740であった。
【0053】前記第2級アルコール500gにTDI−
80の61.2g(第2級アルコールの水酸基価当量の
95%)を加え、撹拌下に120℃で4時間加熱して本
発明のワックス585gをえた。このワックスの融点は
71℃であった。
【0054】実施例4 原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(重量
平均分子量639、平均炭素数45.6、融点95℃)
1500gを用い、反応時間を4時間としたほかは実施
例1と同様に液相酸化反応を行ない、第2級アルコール
1410gをえた。この第2級アルコールの水酸基価は
71.0mgKOH/g、1分子当りの平均水酸基数は
0.809であった。
【0055】前記第2級アルコール500gにTDI−
80の52.2g(第2級アルコールの水酸基価当量の
95%)を加え、撹拌下に120℃で4時間加熱して本
発明のワックス545gをえた。このワックスの融点は
77℃であった。
【0056】実施例5〜7および比較例1〜2 表1に示す各インク成分をトルエン714重量部に60
℃で溶解、分散し、充分に均一撹拌したのち40℃に保
温した。
【0057】前記でえらえたインク溶液をつぎの試験に
供した。
【0058】(1)顔料分散性 前記インク溶液をガラス板上に乾燥後塗布量が1g/m
2 になるように塗布し、50℃で乾燥してインク層を形
成した。
【0059】えられたインク層を金属顕微鏡(倍率20
0倍)で観察し、カーボンブラックの分散状態をつぎの
ように3段階評価した。
【0060】3‥‥‥カーボンブラックの凝集塊が認め
られない。
【0061】2‥‥‥カーボンブラックの凝集塊が若干
認められる。
【0062】1‥‥‥カーボンブラックの凝集塊が多数
認められる。
【0063】(2)印字性 前記インク溶液を厚さ4.5μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に乾燥後塗布量5g/m2 の割合で
塗布し、50℃で乾燥して熱転写記録媒体をえた。
【0064】この熱転写記録媒体を用い、熱転写プリン
ター(日本電気(株)製文豪ミニ7RH)で普通紙(ベ
ック平滑度30秒)にベタ印字を行ない、そのOD値を
濃度計(マクベス社製マクベスRD914)で測定し
た。
【0065】前記試験結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】実施例8〜11および比較例3 表2に示す各インク成分を用い、実施例5〜7と同様に
してインク溶液を調製し、実施例5〜7と同様にして顔
料分散性および印字性を調べた。結果を表2に示す。
【0068】なお、着色剤としてブリリアントカーミン
6BAを用いたものでは、インク層の彩度をつぎのよう
にして測定した。
【0069】前記インク溶液を厚さ4.5μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に乾燥後塗布量が0.
5g/m2 になるように塗布し、乾燥して熱転写記録媒
体をえた。この記録媒体のインク層の色目を調べるた
め、下記の条件下で分光反射率を測定し、これから色度
* 、b* を計算した(JIS Z 8730)。
【0070】光源 :D65 視野 :2度 測定機器:マクベス社製色彩管理システム、MS−20
20 PLUSその結果、比較例3を基準としたばあ
い、実施例11では色差(ΔE* )が7.81となり、
彩度(ΔC* )は6.61となった。結果を表2、表3
に示す。
【0071】またΔa* 、Δb* をCIE1976(L
* * * )色空間のa* * 面にプロットしたグラフ
を図1に示す。
【0072】これらの結果から、実施例11では比較例
3に比べてより鮮やかな赤色のインク層がえられること
がわかる。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】本発明のワックスは着色剤の分散性がす
ぐれているので、着色剤が均一に分散された熱転写イン
ク層を形成でき、高品位の印字がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例11および比較例3(基準)でえられた
インク層について求められたΔa* 、Δb* をCIE1
976(L* * * )色空間のa* * 面にプロット
したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 森 聡 大阪市西淀川区御幣島五丁目4−14 フ ジコピアン株式会社 技術センター内 (72)発明者 山本 益司 山口県徳山市大字大島850番地 日本精 蝋株式会社研究所内 (72)発明者 岡田 健一 山口県徳山市大字大島850番地 日本精 蝋株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−58190(JP,A) 特開 昭64−11173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/32 C09D 11/10 C08F 8/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族炭化水素をホウ酸および無水ホウ
    酸の存在下で分子状酸素含有ガスで液相酸化してえられ
    る、1分子当りの平均水酸基数が0.3〜0.85個の
    第2級アルコールと、イソシアネート系有機化合物との
    反応生成物であるワックス。
  2. 【請求項2】 前記イソシアネート系有機化合物がトリ
    レンジイソシアネートであり、前記第2級アルコールに
    対する添加率が、水酸基価当量の30〜100%である
    請求項1記載のワックス。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族炭化水素が、 (A)エチレン重合法または石油系炭化水素の熱分解に
    よるオレフィン化法でえられるところの二重結合を1個
    以上有する平均炭素数20以上の高級脂肪族不飽和炭化
    水素、 (B)石油留分からえられる融点が65℃以上で、平均
    炭素数30以上のn−パラフィン混合物、 (C)エチレン重合法によりえられる重量平均分子量5
    00〜2,000のポリエチレンワックス、および (D)フィッシャートロプシュ合成法によりえられる平
    均炭素数40以上の高級脂肪族炭化水素よりなる群から
    選ばれた1種または2種以上である請求項1または2記
    載のワックス。
  4. 【請求項4】 前記第2級アルコールの1分子当りの平
    均水酸基数が、 前記高級脂肪族不飽和炭化水素(A)からえられたもの
    においては、0.4〜0.8個、 前記n−パラフィン混合物(B)からえられたものにお
    いては、0.6〜0.8個、 前記ポリエチレンワックス(C)からえられたものにお
    いては、0.7〜0.85個、 前記フィッシャートロプシュ合成法による高級脂肪族炭
    化水素(D)からえられたものにおいては、0.7〜
    0.85個である請求項3記載のワックス。
  5. 【請求項5】 ワックス成分と熱可塑性樹脂成分と着色
    剤とからなる熱転写用インクにおいて、前記ワックス成
    分の含有量が20〜90重量%であり、かつ前記ワック
    ス成分の40重量%以上が、脂肪族炭化水素をホウ酸お
    よび無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスで液相酸
    化してえられる、1分子当りの平均水酸基数が0.3〜
    0.85個の第2級アルコールと、イソシアネート系有
    機化合物との反応生成物であることを特徴とする熱転写
    用インク。
  6. 【請求項6】 ワックス成分と熱可塑性樹脂成分と着色
    剤とからなる熱転写用インクにおいて、前記ワックス成
    分の主成分が、脂肪族炭化水素をホウ酸および無水ホウ
    酸の存在下で分子状酸素含有ガスで液相酸化してえられ
    る、1分子当りの平均水酸基数が0.3〜0.85個の
    第2級アルコールと、イソシアネート系有機化合物との
    反応生成物であり、前記熱可塑性樹脂成分の主成分がエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体および(または)エチレン
    −(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特
    徴とする熱転写用インク。
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