JP3171678B2 - 単極式電解槽 - Google Patents

単極式電解槽

Info

Publication number
JP3171678B2
JP3171678B2 JP20272692A JP20272692A JP3171678B2 JP 3171678 B2 JP3171678 B2 JP 3171678B2 JP 20272692 A JP20272692 A JP 20272692A JP 20272692 A JP20272692 A JP 20272692A JP 3171678 B2 JP3171678 B2 JP 3171678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pot
electrolytic cell
unit
frame
solder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20272692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0649676A (ja
Inventor
弘 後藤
輝男 市坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ThyssenKrupp Uhde Chlorine Engineers Japan Ltd
Original Assignee
Chlorine Engineers Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chlorine Engineers Corp Ltd filed Critical Chlorine Engineers Corp Ltd
Priority to JP20272692A priority Critical patent/JP3171678B2/ja
Publication of JPH0649676A publication Critical patent/JPH0649676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171678B2 publication Critical patent/JP3171678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単極式フィルタープレ
ス型電解槽に関し、とくに薄板を成形した鍋状体で電極
室を形成した電解槽ユニットの機械的および電気的接合
に特徴を有する電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜法フィルタープレス型電解
槽は、食塩水の電気分解による塩素と苛性ソーダの製造
をはじめとして、海水電解,有機電解等に広く用いられ
ている。フィルタープレス型電解槽は、一方が陽極、他
方が陰極の電解槽ユニットからなる複極式電解槽と、陽
極又は陰極のいずれかの電解槽ユニットからなる単極式
の電解槽があり、両方式とも多くの種類の電解槽が実用
されている。
【0003】単極式電解槽ユニットには額縁状の電解槽
枠体と、その両側の電極面で囲まれた空間を電極室とし
て、両面の電極が電極室を共有するフレームタイプの電
解槽と厚みの薄い金属板を成形した鍋状の空間又はプレ
ートを電極支持体に内張りした空間を電極室とし片面の
電極ごとに電極室を有するパンタイプに分類することが
でき、更に又フレームタイプには電極と電解槽枠体が分
離していて電極面を延長したフレームを電槽フレームに
積層するタイプと電槽フレームを貫通して電極室内に挿
入される表面を防食被覆した銅棒からなる導電体に電極
を接合し電極と極室が一体化しているタイプに分けられ
る。
【0004】上記パンタイプの電解槽は、基本的には高
価なチタン、ニッケル材料を減量することが可能であ
り、且つプレス成形で量産出来る電極室から成るので経
済的に有利である。しかし現有の電解槽は必ずしもその
優位性が確保されているとは言えない。
【0005】例えば、公表特許公報昭61−50268
7号に提案されている如く薄板成形パンを質量の大きい
鋳鉄製電流伝達性支持体の内張り材として陽極室を形成
するにはチタンと鉄の溶接に高価なバナジウムの介在が
必要であり、且つ大型電解槽ユニットを製作し取扱う場
合には重量が過大となるきらいがある。また、特開昭6
3−4087号に提案されている如く電極フレームを電
解槽フレームに積層するタイプにおいては、電極フレー
ムの電気抵抗から大型化が制限される欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来の単
極式フィルタープレス型電解槽は重量が過大であった
り、構造が複雑であったり、大型化が制限されたり、フ
ィルタープレス電解槽の組立時に単に鍋状体を圧接する
タイプでは電気的接続が不完全であったり、高価である
などの短所を有しており、十分満足出来るとは言い難
い。
【0007】本発明の目的は、構造が簡単で一般的な材
料および加工法によって製造することができ、又大きさ
に制限されずに両側の電極室と中間の通電用の電流伝達
素子との電気的機械的接続を完全にし且つ容易に量産可
能ならしめことにより、性能の優れた単極式電解槽ユニ
ットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電解槽は鍋状体の底部同士を接合した電
解槽ユニットから構成されており、それぞれの電解槽ユ
ニットは鍋状体を電流通電用導電体を介在させて半田に
よって接合されるとともに、額縁状枠体に取り付けた電
解槽である。本発明の電解槽ユニットを構成する鍋状体
は、金属の薄板の成形加工によって製造することができ
る。
【0009】代表的な単極式電解槽であるイオン交換膜
法食塩電解槽においては、陽極では塩素ガスが発生する
ので、陽極ユニットの構成部材は充分な耐食性が求めら
れており、その表面に耐食性に優れた不動態化被覆を形
成するチタンまたはその合金の薄板が使用される。また
陰極では水素ガス、および32ないし35重量%の水酸
化ナトリウムが生成するので、陰極ユニットには水素を
吸蔵して脆化するチタンの代りに耐アルカリ性の強いニ
ッケル、ステンレス等の鉄系金属又はその合金が使用さ
れる。
【0010】とくに本発明の電解槽では陽極ユニット、
陰極ユニットのいずれの電解槽ユニットも厚さ1mm以
下の金属の薄板をプレス成形することによって軽量で使
用材料が少ない電解槽ユニットを容易に製造することが
できる。また、電解槽ユニットには、鍋状体にスポット
溶接等によって接合した導電リブに電極を接合すること
ができる。
【0011】それぞれの電解槽ユニットには、額縁状枠
体が取り付けられており、電解槽ユニットの剛性を確保
しているが、額縁状枠体は直接には腐食性の電解液には
接触しないので、軟鋼や鋳造によって製造した任意の額
縁状の枠体を使用することが可能である。また、通電用
導電体には、電解電流を通電することが可能な任意の材
料を使用することができるが、とくに電気抵抗が小さな
銅が好ましい。
【0012】通電用導電体は、陽極ユニットおよび陰極
ユニットにおいてそれぞれの鍋状体と半田によって接合
されるが、陽極ユニットであるチタン等の薄膜形成性金
属あるいはその合金からなる薄板と銅などの通電用導電
体とは半田によって十分な強度を保持して接合すること
はできないので、陽極ユニット用の鍋状体に直接に銅な
どを圧接あるいは爆着したり、あるいはチタンと銅とを
圧接、爆着等の手段によって接合一体化したチタン−銅
複合体のチタン側をスポット溶接等によって接合すると
ともに、チタン−銅複合体の銅の面を半田によって通電
用導電体と接合することができる。また、チタン−銅複
合体と鍋状体の接合は、鍋状体に成形加工によって形成
したチタン−銅複合体の厚みに相当する凹所に接合する
ことが好ましい。
【0013】また、陰極ユニットを構成するニッケル、
ステンレス等の金属材料は直接に半田によって接合する
ことが可能であるが、これらの金属の半田付けには腐食
性の大きなフラックスが必要となり、半田付け後の後処
理が欠かせないので、陽極室ユニットの鍋状体の場合と
同様に、銅を直接に圧接、あるいは爆着したり、銅と鍋
状体の材料と同一の金属材料との複合体である銅−ニッ
ケル複合体、銅−ステンレス複合体をあらかじめ陰極ユ
ニットの鍋状体に接合した後に陽極ユニットの鍋状体と
通電用導電体との接合と同様に半田付けによって接合さ
れる。以上の銅−チタン複合体、銅−ニッケル複合体は
複合導電部材と称する。
【0014】以下に図面によって更に詳しく説明する。
電解槽の陽極ユニット、陰極ユニットはいずれも同一の
構造を有しているので、陽極室ユニットについて説明す
る。図1は本発明の単極式電解槽の陽極ユニットの一方
の電極面から他方の電極面背面までを一部を切り欠いた
図面であり、図2は図1をA−A’線で切断した断面
図、図3はB−B’線で切断した断面図であり、図4は
電解槽ユニットを各部品に分解した分解図である。
【0015】陽極ユニット1には、電解槽の剛性を保持
するための額縁状枠体2が設けられており、額縁状枠体
には2個の鍋状体3が取り付けられている。鍋状体は
0.6〜1.2mm、好ましくは0.8〜1.0mmの
厚みの金属の薄板が用いられ、電解槽の縦方向に凹所4
が形成され、凹所には複合導電部材5が接合されてい
る。凹所は深さ1〜3mm、幅10〜20mm、長さは
電解槽ユニットの電極室の高さの80〜90%、ピッチ
は100〜200mmで形成されている。
【0016】鍋状体は、その周囲に額縁状枠体を覆うと
ともに電解槽ユニットを積層する際に使用するフランジ
部6が形成されている。2個の鍋状体の間には銅などか
らなる通電用導電体7が設けられており、半田によって
複合導電部材5の銅部8と接合している。
【0017】通電用導電体は、額縁状枠体に設けた切り
欠き部から電解用電源に接続するための端子板9が取り
出される。端子板の位置、数および取り付け間隔は電解
槽の大きさ、通電電流の大きさ等によって任意に設定す
ることができる。また、通電用導電体の複合導電部材に
対向する面には、複合導電部材の外周より大きな溝部、
あるいは通電用導電体の両面を貫通する開口部10が形
成されている。
【0018】また、電解槽ユニットには電解液の供給ノ
ズル11、電解液および生成気体の排出ノズル12が額
縁状枠体に形成した切り欠き部から取り出されている。
陽極室ユニットの両面には、チタンのエキスパンデッド
メタルなどの基体上に触媒活性被覆を形成した陽極13
が鍋状体に接合したリブ14によって取り付けられてい
る。
【0019】図5(A)および(B)は、接合部分であ
るを拡大した断面図である。鍋状体3には複合導電部材
5を接合する凹所4が設けられており、図5(A)のよ
うに通電用導電体7に複合部材の大きさに適合した溝部
15が形成されており、複合導電部材、通電用導電体を
半田16によって接合している。また、図5(B)に示
すように通電用導電体6に複合部材に対応した開口部9
を形成し、同様に半田16によって接合しても良い。接
合の際には、図5(A)に示す複合導電部材と通電用導
電体との距離、あるいは図5(B)に示す複合導電部材
間の距離は0.5〜1.5mmとなるように各部の大き
さを決定することが好ましい。
【0020】これらの部材の接合に使用する半田は、電
解槽の使用温度以上の溶融温度を有するものであれば各
種のものを使用することができ、電気部品の半田付けに
用いられているような鉛、錫の二成分、錫、鉛、アンチ
モンあるいは錫、鉛、ビスマスの三成分からなる溶融温
度が140〜250℃の低融点合金が好ましい。とくに
鉛40%、アンチモン0.12〜5%、残部が錫である
溶融温度183℃の共晶合金が接合強度が大きいので好
ましいが、加熱による歪、変形に対して一層きびしい精
密性が求められている場合には、錫48%、鉛36%、
ビスマス16%の溶融温度域が140〜163℃の特殊
半田が適用できる。
【0021】また、250℃以上の半田を使用すること
も可能であるが、接合の際には電解槽ユニット全体を加
熱する必要があるので、250℃以上の溶融温度を有す
る半田を使用した場合には、加熱温度が高くなり、電解
槽ユニットの各構成部材に修復しがたい変形が生じるお
それがあるので、接合温度は250℃以下であることが
好ましい。
【0022】本発明の電解槽は、金属の薄板を所定の形
状に成形加工し、複合導電部材をスポット溶接等によっ
て鍋状体の凹所に接合した後に、導電複合部材の銅の表
面と通電用導電体の接合面を必要に応じて研磨仕上げを
行った後に有機溶剤等によって脱脂し、半田付け用のフ
ラックスを塗布する。フラックスは使用する基材に悪影
響を及ぼさないものであれば任意のものを使用すること
ができるが、松やに系の銅接合用のペースト状フラック
スであれば、残留したフラックスが接合面全体を被覆し
て防蝕の役割を果たすので好ましい。
【0023】次いで、鍋状体の電極面を下側にし、接合
面を上側にしフランジ面の折り曲げ部に額縁状枠体を載
置した後に、複合導電部材の銅面に厚さ2mmで凹面と
同様の形状に鋳造した板状半田にペースト状フラックス
を塗って載置した後に通電用導電体をおおむね水平に吊
って移動しその端子を額縁状枠体の切り欠き部に挿入し
鍋状体の接合位置に合わせて鍋状体上に載せる。次いで
通電用導電体の上面の接合部の凹所にフラックスを塗っ
た半田を配置し、もう一方の鍋状体を接合部を下にして
額縁状枠体に合わせてはめ合せる。
【0024】各部材の組立を台車等の上でおこない、台
車を電気炉などの加熱炉に水平に装填して半田の溶融温
度よりも40〜50℃高い温度に昇温する。半田は溶融
して鍋状体で形成した空隙に入り込み、フラックスの作
用によって銅表面に濡れて広がる。同時にフランジの裏
面は上部の鍋状体が自重で降下し、額縁状枠体上に一致
させることができるが、フランジをあらかじめバネで付
勢した締付け治具などによって額縁状枠体とフランジ面
を締付けておけば、額縁状枠体と鍋状体とを正確に位置
合わせをすることができる。半田が十分に溶融した後に
半田の凝固点以下に降温すれば導電板と複合部材との間
隙に濡れて入り込んだ半田が銅の表面となじんで凝固し
額縁状枠体、通電用導電体、鍋状体とが一体化する。
【0025】通電用導電体に開口部を設けた場合には、
通電用導電体を額縁状枠体に配置した後に、半田が占め
る容量に適合した厚みに鋳造された半田をフラックスを
両面に塗って開口部に装填した後、もう一方の鍋状体を
電極面を上に接合部を下にしてフランジ部を額縁状枠体
に係合して前者と同様にして接合一体化を行う。以上は
1対の鍋状体を組合せて接合する方法を述べたが、複数
の電解槽ユニットを積層して同時に加熱しても良い。ま
た、陰極ユニットについてもまったく同様に製造するこ
とができる。
【0026】また、陽極ユニットと陰極ユニットを交互
に積層して組立てられる単極式電解槽の両端のユニット
は片面のみが陽極室又は陰極室となる。この場合もう一
方の電極室に相当する室には電極と供給及び排出ノズル
を取付けず又、フレームの片側にはノズル用切り欠きが
不用となる以外は上記と全く同じ要領によって鍋状体と
通電用導電体が一体化される。電解槽ユニットは、接合
時とは逆に加熱して接合部材を溶融した状態で鍋状体、
通電用導電体を分離することができるので、電解槽ユニ
ットの補修等を容易に行うことができる。
【0027】
【作用】本発明の単極式電解槽は、薄板を成形加工した
鍋状体に、半田との接合性の良好な金属と鍋状体と同種
の材料との積層体からなる複合導電部材をスポット溶接
等によって接合し、2個の鍋状体の半田との接合性の良
好な面を電解槽への通電用の導電体に向けて挟持して半
田によって接合したので、製造工程が簡単で、容易に大
量生産が可能であるとともに接合部の電気抵抗が小さな
電解槽が得られる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明する。 実施例1 陽極ユニット2対、陰極ユニット1対、端部陰極ユニッ
ト2対からなるイオン交換膜4枚を挟んだ単極式電解槽
を構成するために、厚み0.8mmのチタン及びステン
レスの薄板で、端辺に幅5mmの折曲げ部を設けた幅2
7.5mmのフランジ付きの縦218mm、横87m
m、深さ14mmの陽極ユニット用鍋状体4個、陰極ユ
ニット用鍋状体6個をプレス成形し、同時に鍋状体の底
面の中心に深さ2mm、幅10mm、長さ180mmの
凹所を成形した。
【0029】陽極の鍋状体の凹所にはチタン1.0m
m、銅2.0mmの爆着クラッド板より切出した厚さ
3.0mm、幅8mm、長さ170mmの複合導電部材
を、また陰極の鍋状体の凹所にはニッケル1.5mm、
銅2.5mmの拡散溶接クラッド板より切出した厚み4
mm、幅8mm、長さ170mmの複合導電部材をスポ
ット溶接機でガンチップ径4mm、ピッチ25mmで取
付けた。
【0030】厚み1.5mmのチタンおよびステンレス
板を成形した幅20mm、高さ20mm、長さ170m
mのU型導電リブをそれぞれの電解槽ユニットの成形加
工によって形成された凸面の中心に同上のスポット溶接
機により取付けてから鍋状体と同材質の内径4mm、外
径6mmの供給ノズルと内径6mm、外径8mmの排出
ノズルを端部陰極ユニットに配置するステンレス鍋状体
2個を除き図1及び図2に相当する位置にTIG溶接に
より取付けた。厚み1mmのチタン板から得られた開口
率が35%のエキスパンデッドメタルに貴金属酸化物を
含有する陽極活性被覆を施した縦216mm、横85m
m、電解有効面積184cm2 の陽極(ペルメレック電
極(株)製)と厚み1.5mmのステンレス板から得ら
れた開口率37%のエキスパンデッドメタルを陽極と同
寸法に裁断した陰極を各電解槽ユニットの導電リブにス
ポット溶接して陽極室及び陰極室左右1個と端部陰極室
用の電極を取り付けない空室2個を製作した。
【0031】厚み4mmの銅板に陽極ユニットとの接合
部となる中央の両面に幅12mm、長さ180mm、深
さ1mmで溝を形成した。また、陰極ユニット用として
接合部を貫通する開口部を設け、一方の端部には中央に
直径6mmのボルト穴を設けた幅30mm、長さ45m
mの端子を有する縦200mm、横70mmの通電用導
電体を各2個計4個作成した。厚み16mm、幅33m
mの炭素鋼鈑より外径が縦271mm、横139mmで
供給ノズル及び排出ノズル用の切り欠き部、通電用導電
体の端子を挿入する貫通孔を設けた額縁状枠体を形成し
た。
【0032】次いで、陽極ユニットの鍋状体に取り付け
た複合導電部材の銅面と、導電板の接合面を脱脂、研磨
し半田付け用松やに系フラックスを塗布し、電解槽ユニ
ット締付け治具の台座上に鍋状体の接合面を上に水平に
取り付け、鍋状体のフランジの裏面上に額縁状枠体を載
置し、複合導電部材上に錫62%、鉛38%、厚み1.
5mm、幅8mm、長さ170mmの板状半田にフラッ
クスを塗布して載置し、次いで通電用導電体の端子を額
縁状枠体の側面の開口に差し入れ、接合部を電極室の複
合導電部材に対面する位置に合せて載置し上面の溝部に
板状半田をフラックスを塗って配置した後、もう一方の
陽極ユニット用鍋状体の接合部を下に電極面を上にし
て、フランジ裏面を額縁状枠体に合せて載置し、次いで
フランジ面に厚み3mm、幅20mmのステンレス製ス
ペーサーを配置してからその上にもう1対の陽極ユニッ
ト用の各部材を同じ手順で組合せて積載し、スプリング
座金付きタイロッドで2対の陽極ユニットのフランジ面
を締め付けた。次いで締付け治具の台座を水平に保持し
て電気炉に入れ、240℃に昇温して10分間保持した
後に180℃以下に降温して炉から出して放冷し、次い
で治具を外して2対の陽極室ユニットの組立、接合を同
時に行った。
【0033】通電用導電体の接合部を開口させた陰極ユ
ニットは鍋状体の接合部を上面に水平に載置し、その上
に額縁上枠体を配置し、さらに通電用導電体の開口部が
鍋状体に接合した複合導電部材と嵌合する位置に配置し
た上で、開口部に厚み2mm、幅9.5mm、長さ17
0mmの板状半田を取り付けた後に、他方の鍋状体の接
合部を下にして額縁上枠体に嵌合して1対の陰極ユニッ
トを組合せ、その上に同じ要領で端部陰極ユニットを2
対組合せて積層し、全体のフランジ部を締付け治具によ
り締付けて陽極ユニットと同様に電気炉において加熱
し、冷却の後に3対の陰極ユニットを同時に結合一体化
を行った。
【0034】次いで、各電解槽ユニットのフランジ面に
厚み1.5mmの弗素ゴム製ガスケットを介して陽イオ
ン交換膜Nafion954(デュポン社製)をユニッ
ト間に挟み両端に端部陰極ユニットを配置してタイロッ
ドで締付け、陽イオン交換膜膜4枚、電極間距離2mm
の単極式イオン交換膜法電解槽を組立てて電解槽架台上
に据え、供給ノズル、排出ノズルをフッ素樹脂製フレキ
シブルチューブにより管路に接続し、通電用導電体の各
端子を直流電源と接続した。
【0035】陰極室に29重量%の水酸化ナトリウム水
溶液を、陽極室に270g/lの食塩水を充填し80℃
に昇温後通電し、電流74A、電流密度4kA/m2
温度85℃、水酸化ナトリウム水溶液濃度32重量%、
陽極液の戻り塩水濃度210g/lの電解条件に調整し
て3ヶ月運転した結果、電流効率95.6%、電解槽の
端子で測定した平均槽電圧3.38Vであり、電圧変
動、液漏れなどの異常は全くなかった。
【0036】運転停止後電解槽を解体し陽極ユニット及
び陰極ユニット各1対について電極を導電リブから取り
外し、下記の試験方法によって接合部の電気抵抗と接合
強度を試験した。 電気抵抗の試験 左右両側の鍋状体に取り付けた導電リブに直流を伝達す
るケーブルを直径30mmの鍋状体と同一の材質の丸棒
を取り付け、通電電流を段階的に上昇してそれぞれの電
流値における通電用導電体端子と導電リブ間の電圧降下
を測定し、その結果を表1に示す。 接合強度 電気抵抗の測定用に取り付けた丸棒を引張り試験機に取
り付けて引張り破断時の最大荷量を測定したところ、陽
極ユニットは2,930kgであり、陰極ユニットは
3,710kgであった。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 厚み0.8mmのチタン及びステンレス(SUS310
S)の薄板をプレス成形してフランジの幅30mm、縦
1400mm、横935mm、深さ32mmの陽極ユニ
ット用の鍋状体と陰極ユニット用鍋状体を作製し、同時
に鍋状体の底面に深さ3mm、底部の幅18mm、上部
の幅22mm、長さ1260mmの凹所を鍋状体の幅方
向の中心からピッチ180mmで5条形成した。凹所に
はチタン2mm、銅3mmのクラッド板から切り出した
厚み5mm、幅14mm、長さ200mmの複合導電部
材を凹所の1条当たり4個を150mm間隔で配列し、
合計20個をガンチップ径5.5mm、ピッチ25m
m、電流5kA、加圧力150kg、通電時間0.08
秒でスポット溶接して取付けた。
【0039】厚み1.5mmのチタンを幅33mm、高
さ30.5mm、長さ1260mmのU型に成形して、
陽極ユニット用導電リブを作製し、同様に厚さ1.5m
mのステンレスを幅33mm、高さ27.5mm、長さ
1260mmのU型に成形して陰極ユニット用導電リブ
を作製し、それぞれ鍋状体の底部の凸部に中心を合せて
スポット溶接して取付けた。
【0040】内径15mm、外径17.3mm、長さ1
00mmの供給ノズル、縦57mm、横18mm、厚み
1mm、長さ100mmの方形排出ノズルをTIG溶接
により取付けた後、大きさ以外は実施例1と同じである
縦1400mm、横930mm、電解面積1.3m2
陽極と陰極をスポット溶接して陽極ユニット、陰極ユニ
ットを完成した。
【0041】厚み25mm、幅70mmの炭素鋼材を用
い電極室の供給ノズルと排出ノズルおよび通電用導電体
端子板の位置に切り欠き部設けた外径縦1460mm、
横995mmの額縁状枠体を製作し、厚み5mm、縦1
280mm、横800mmの銅板に、鍋状体に取り付け
た複合導電部材が挿入されるように幅16mm、長さ2
04mmの開口部を形成し、一端には幅100mm、長
さ80mmで25mmのボルト穴を開口した接続端子3
個を溶接して取付けて通電用導電体を製作した。次いで
実施例1と同様に、治具の台座上で、複合導電部材間の
接合面間の距離が2mmとなるように積層して締付け
た。半田は錫62%、鉛38%、溶融温度183℃を通
電用導電体の開口部に嵌合する厚さ3.5mm、幅1
5.5mm、長さ198mmに鋳造したインゴットを使
用した。電気炉に装填後、240℃に昇温し、10分間
保持した後に放冷して取出し、鍋状体のフランジ部の折
り曲げ部分と額縁状枠体とをピッチ120mmでステン
レスは点溶接によりチタンはビスによって固定したの
ち、治具を取り外した。得られた電解槽ユニットは電極
の平坦度等に異常は認められなかった。
【0042】次いで、額縁状枠体とフランジ部の固定を
解いて電気炉で200℃に加熱して取出し、上下の鍋状
体および通電用導電体を分離して複合導電部材の銅面と
通電用導電体と開口面を全数点検したところ、局所的に
半田の濡れていない部分があったが、その面積は1%以
下でありほぼ完全に半田被覆されており、接合は十分に
行われていた。
【0043】
【発明の効果】本発明の電解槽の電解槽ユニットは、鍋
状体を通電用導電体を挟持して半田によって接合一体化
しているので製造が容易であるとともに接合部のオーム
損が小さく電気的特性に優れた電解槽が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単極式電解槽の陽極ユニットの一方の
電極面から他方の電極室背面までを一部を切り欠いた図
面である。
【図2】図1をA−A’線で切断した断面図である。
【図3】図1をB−B’線で切断した断面図である。
【図4】電解槽ユニットを各部品に分解した分解図であ
る。
【図5】接合部分を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1…陽極ユニット、2…額縁状枠体、3…鍋状体、4…
凹所、5…複合導電部材、6…フランジ部、7…銅部、
8…通電用導電体、9…端子板、10…開口部、11…
供給ノズル、12…排出ノズル、13…陽極、14…リ
ブ、15…溝部、16…半田

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板を成形した鍋状体からなる電極室を
    有する単極式電解槽において、鍋状体の電極室と反対の
    面に半田との接合性が良好な金属が直接もしくは鍋状体
    と同種の金属とを積層した複合導電部材として接合され
    ており、2個の鍋状体の電極室をそれぞれ電極室とは反
    対の面を対向させるとともに、両者の間には通電用導電
    体を挿入して通電用導電体と半田との接合性が良好な金
    属が半田によって接合されていることを特徴とする単極
    式電解槽。
  2. 【請求項2】 通電用導電体が銅又はその合金であり、
    複合導電部材が銅とチタン、銅とニッケル又はステンレ
    スのクラッド体であることを特徴とする請求項1記載の
    単極式電解槽。
  3. 【請求項3】 半田との接合性が良好な金属もしくは複
    合導電部材が鍋状体に形成した凹所に接合され、通電用
    導電体の半田との接合性が良好な金属との対向面は溝状
    の凹部もしくは開口部が形成されており、溝状の凹部も
    しくは開口部に充填された半田によって接合されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電解槽。
JP20272692A 1992-07-29 1992-07-29 単極式電解槽 Expired - Fee Related JP3171678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20272692A JP3171678B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 単極式電解槽

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20272692A JP3171678B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 単極式電解槽

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0649676A JPH0649676A (ja) 1994-02-22
JP3171678B2 true JP3171678B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=16462150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20272692A Expired - Fee Related JP3171678B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 単極式電解槽

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171678B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007005036A1 (de) * 2007-02-01 2008-08-07 Uhdenora S.P.A. Verfahren zur Herstellung von Elektrolysezellen-Kontaktstreifen
CA2981007C (en) * 2015-02-17 2023-02-21 Evoqua Water Technologies Llc Reduced volume electrochlorination cells and methods of manufacturing same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0649676A (ja) 1994-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6602631B1 (en) Bonding electrochemical cell components
JP2581685B2 (ja) 中間電極構造体を備えた電解槽
US20120302107A1 (en) Method for producing an electrically conductive connection
US4138324A (en) Metal laminate strip construction of bipolar electrode backplates
EP1323201B1 (en) Bonding electrochemical cell components
JP2008123768A (ja) 組電池及びその溶接方法
JP3171678B2 (ja) 単極式電解槽
US5484514A (en) Electrolyzer
CN201416038Y (zh) 一种新型的铝电解槽阳极导电装置
US4695359A (en) Filter press membrane electrolytic cell with diffusion bonded electrode elements and elastomeric frames
JPH01152288A (ja) 電解槽および電解槽の製造方法
CA1230081A (en) Bipolar electrode
JPH0397881A (ja) 電解槽
CN208147121U (zh) 一种钢和铝合金的电阻点焊结构
ES2220545T3 (es) Union de componentes de celdas electroquimicas.
KR20130012812A (ko) 이차전지의 터미널리드와 버스바의 연결 방법
JP3082315B2 (ja) 電解槽
CN217903392U (zh) 正极适合大电流放电的电池及其顶盖组件
JP3082308B2 (ja) 電解槽およびその製造方法
JPH03240984A (ja) 電解槽
CN219497956U (zh) 电池单体和用电设备
JPH03232987A (ja) 複極式電解槽
JPH03249189A (ja) 電解槽およびその製造方法
JPH0726224B2 (ja) 銅精錬用カソードプレート
JP2000026987A (ja) 複極式電解槽

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees