JP3171654B2 - 切断したポリエステル短繊維の処理方法 - Google Patents

切断したポリエステル短繊維の処理方法

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豊彦 彦田
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株式会社中部パイル工業所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植毛用パイルや、他の
繊維、プラスチックスまたはゴムなどに混和するために
切断したポリエステル短繊維の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル短繊維は、ポリエステル長
繊維を所要の長さに切断して製造し、通常、そのままの
状態、または繊維表面の帯電防止、「ぬれ」性の向上、
接着性の改良や、柔軟化処理を行って前記の用途に使用
している。これらのポリエステル短繊維が前記したよう
な目的に利用されるには、繊維が1本づつばらばらにな
っていることが、最終製品に容易に加工するためにも、
最終製品の品質にとっても好ましい。ところが、従来の
ポリエステル短繊維は、切断した短繊維全体がばらばら
になっているわけではなく、用途によっては、例えば篩
などを用い選別しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】元来、ポリエステル繊
維は切断しにくく、カッターの刃持ちがよくない繊維で
ある。切断作業中の刃の切断性能の劣化が早いと、刃先
が次第に加熱されて刃先に接触するポリエステル繊維を
軟化し、切断時に加えられる圧力も加って、ばらばらで
あるべき単繊維が、例えば五葉松の葉のように、繊維の
切断面近傍、すなわち繊維の端部が相互に融着し、これ
を混入した製品の品質を低下させる結果になる。融着の
発生はポリエステル繊維中の添加物、繊度、結晶化度な
どによって大きく変り、例えば、酸化チタンやカーボン
を添加した繊維は、刃の切断性能を早く劣化させ、非常
に融着しやすい。この為、超音波振動を使用し、融着し
た繊維を物理的にばらばらにする試みがあったが十分な
効果を挙げるに至らなかった。図2は、後述の実施例1
で切断した単糸が3デニール、長さ0.8mmのポリエ
ステル短繊維の融着状態を示す写真であって、万能投影
機を用い、50倍に拡大したものである。本発明は、こ
のように繊維の端部が相互に融着したポリエステル短繊
維を、1本づつばらばらにすることを目的に完成された
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的のために、本
発明は、切断されてばらばらになったポリエステル短繊
維に、アルカリ溶液を付着させて50〜100℃の範囲
内で処理し、切断時に一部の繊維に生じた端部相互間に
おける融着を分離することを特徴とする、切断したポリ
エステル短繊維の処理方法を提供する。
【0005】
【作用】本発明について具体的に説明する。本発明の切
断したポリエステル短繊維の処理方法は、前記の従来の
それとは異なり、繊維の端部において相互に融着したポ
リエステル短繊維にアルカリ溶液を付着させ、融着部分
を化学的に分解除去することによって達成される。使用
するアルカリ溶液の種類は、ポリエステルの分解性能を
有するものであればよい。一般に融着部分は繊維本体に
較べると繊細な形状になっているために、繊維本体に対
する分解性能に乏しいアルカリ溶液であっても融着部分
には、有効に作用する場合が少なくない。しかし、本発
明に使用するアルカリは、通常、無機アルカリであっ
て、中でも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが融着部
分の分解性能、経済性、使い易さなどの点で好ましい。
溶媒は特別の事情がない限り水を使用する。
【0006】水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用
する場合、その濃度は2〜20%、処理温度は50〜1
00℃が適当である。強い分解条件を採用すれば、短時
間での処理が可能になるが、繊度の小さい繊維や複雑な
断面形状の繊維では繊維本体を分解、損傷する危険性が
あるので、この点を考慮し、適当な条件を選定する必要
がある。付着方法は、融着部分にアルカリ溶液を十分に
付着させるために、アルカリ溶液中にポリエステル短繊
維を浸漬するのが一般的であるが、軽度の融着に対して
は、例えば、加熱したアルカリ溶液のシャワー中を通し
処理してもよい。融着部分の分解除去が終了したら、直
ちにアルカリを中和し、あるいは直ちによく洗浄して付
着したアルカリ溶液を取り除いておく方がよい。
【0007】
【実施例】つぎに、本発明を、実施例にもとづいてさら
に具体的に説明する。
【0008】実施例 1 植毛用のポリエステル繊維の短繊維(以下、パイルとい
う)を製造するために、カーボンを混入して原着した単
糸繊度が3デニールであって、総繊度が400,000
デニールのポリエステル長繊維のトウを15本引揃え、
ギロチンタイプのカッターで長さ0.8mmに切断し
た。切断を初めて2分後に切断サンプルを顕微鏡で拡大
して観察したところ、図2に繊維の形状を示す写真とし
て示したように、すでに、繊維の端部が相互に融着し始
めていた。そこで、通常の生産時と同じ様に融着繊維を
少なくするため切断開始から3分後に、カッターを研磨
し、再び切断作業を行った。以後は3分間隔でカッター
を研磨しては切断を続け、パイルを製造した。この様に
して製造したパイル約1kgに本発明のアルカリ溶液に
よる処理を実施した。すなわち、約30リットルの90
〜93℃に加熱した10%水酸化ナトリウム水溶液中
に、パイルを約30分間浸漬した。浸漬後、パイルを取
出し、水洗した後、酢酸で中和し、水洗、脱水、乾燥し
た。図1は、このパイルを万能投影機を用い、50倍に
拡大して撮影したた写真であって、図面に代えて繊維の
形状を示すものである。
【0009】次に、このパイルを植毛に使用するため
に、パイル重量に対し0.5%のタンニン酸(フロクタ
ンII:オムニケ社製)と90%酢酸を処理液1リットル
当り1ミリリットルの割合で加えて作成した処理液を6
0〜70℃に保ち、この処理液中で上記のパイルを約3
0分間浸漬処理した。処理液は繊維重量の30倍を使用
した。30分経過後、吐酒石0.25%を添加し、さら
に60〜70℃で約10分間浸漬処理を続けた後、水洗
した。さらに、この処理パイルを、5%のシリカゲル
(日産化学工業(株)製スノーテックス)水溶液に浸漬
した後、処理液が繊維重量に対して25〜30%残存す
る程度に脱水し、80℃て乾燥して植毛用パイルに加工
した。この植毛用パイルを60メッシュの篩分選別機に
かけたところ、通過率は95%であった。また、顕微鏡
で観察した表面状態は良好で本発明による欠陥は認めら
れず、さらに静電植毛法を用い、植毛布を製造した結
果、品質は良好であった。
【0010】比較例2 水酸化ナトリウムを使用した本発明のアルカリによる処
理を省略した以外は、実施例1と全く同様にして、植毛
用パイルに加工した。この植毛用パイルを実施例1と同
様に60メッシュの篩分選別機にかけたところ、通過率
は75%であった。
【0011】実施例2 単糸繊度が1.5デニールのポリエステル繊維のトウを
引揃えて、総繊度を5,200,000デニールとし、
湿潤状態にしてギロチンタイプのカッターで長さ0.6
mmにで切断しパイルを製造した。この時、カッター
は、30分ごとに研磨した。製造したパイルを2つに分
け、一方のパイルは、実施例1と同様にして、本発明の
アルカリによる処理を行った。このものを「カラーイン
デックスディスパード レッド 1」を使用し、130
℃で公知の高温染色と還元洗浄を行った。さらに実施例
1と同様の方法で、タンニン酸と吐酒石とで処理した
後、2.5%のシリカゲル(スノーテックス:日産化学
工業(株)製)水溶液と0.5%のアルミナゾル(A2
00:日産化学工業(株)製)水溶液との等量混合液に
10分間浸漬した後、処理液が繊維重量に対して約30
%残存する程度に脱水し、80℃て乾燥して植毛用パイ
ルに加工した。この植毛用パイルを70メッシュの篩分
選別機にかけたところ、通過率は96%であった。ま
た、顕微鏡で観察した表面状態は良好で本発明による欠
陥は認められず、さらに静電植毛法を用い、植毛布を製
造したが品質は良好であった。
【0012】比較例2 実施例2で製造したパイルの残りをアルカリ処理しない
で、実施例2と同様に高温染色し、さらに電着処理し、
植毛用パイルに加工した。この植毛用パイルを70メッ
シュの選別機にかけたところ通過率は80%であった。
【0013】
【発明の効果】ポリエステル短繊維の切断面が相互に融
着しないようにするには、常に鋭利な状態のカッターを
使用すればよいが、その条件が甚だ厳しく、現実的では
ない。しかし、本発明に係る切断したポリエステル短繊
維の処理方法を利用すれば、容易、かつ経済的に繊維相
互間の融着部分を分解除去し、繊維を損傷することなく
収率を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 万能投影機を用い、本発明に係る処理を施し
た切断ポリエステル短繊維を50倍に拡大し撮影したた
写真であって、図面に代えて繊維の形状を示すものであ
る。
【図2】 万能投影機を用い、未処理の切断ポリエス
テル短繊維を50倍に拡大し撮影したた写真であって、
図面に代えて繊維の形状を示すものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】切断されてばらばらになったポリエステル
    短繊維に、アルカリ溶液を付着させて50〜100℃の
    範囲内で処理し、切断時に一部の繊維に生じた端部相互
    間における融着を分離することを特徴とする、切断した
    ポリエステル短繊維の処理方法。
JP12366392A 1992-05-15 1992-05-15 切断したポリエステル短繊維の処理方法 Expired - Lifetime JP3171654B2 (ja)

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