JP3171566B2 - 加圧ロール - Google Patents

加圧ロール

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JP3171566B2
JP3171566B2 JP08042497A JP8042497A JP3171566B2 JP 3171566 B2 JP3171566 B2 JP 3171566B2 JP 08042497 A JP08042497 A JP 08042497A JP 8042497 A JP8042497 A JP 8042497A JP 3171566 B2 JP3171566 B2 JP 3171566B2
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孝 加藤
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株式会社ムサシノキカイ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種熱可塑性樹脂
を加熱し、軟化または溶融させて、シートあるいはフィ
ルム状の製品を連続的に押出して成型する装置に使用さ
れる加圧ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シートあるいはフィルム用の合
成樹脂成型装置は、図1に示すように、加熱により軟化
または溶融された樹脂材料(以下、単にシート2とい
う)を、Tダイ1から精度良く押出し、冷却成型ロール
3及び加圧ロール4との間で冷却成型して、ガイドロー
ル5を経て引取るようになっている。
【0003】パン6は、必要に応じ冷却効果を増大させ
るために冷却水7を貯える容器であり、8及び8′は冷
却水をスクイズするための絞りロールである。冷却成型
ロール3の表面状態は、シート2に転写されるため、要
求される製品の表面状態に応じて、表面の粗度及び微細
彫刻が施された金属ロールが使用される。また、加圧ロ
ール4は、Tダイ1より精度よく押出されたシート2を
冷却成型ロール3に均質に圧着し、かつ上記転写を正確
に行うためのものであり、一般的には、表面を弾力性と
耐熱性をもたせたゴム系の材料で被覆されたものが使用
されている。
【0004】要求されるシート2が比較的厚手の場合に
は、冷却成型ロール3と同様、加圧ロール4も金属ロー
ルとすることもある。しかし、弾力性のない金属ロール
同士の加圧は、図2に示すように、必然的に樹脂溜まり
9を発生させることとなり、折角厚み精度を上げたシー
ト2が無意味なものとなり、均質で高精度な製品を得る
ことが困難であった。
【0005】さらに、冷却成型ロール3の表面の微妙な
粗度及び微細な彫刻を完全に転写させるには、加圧ロー
ル4による加圧力だけでなく、軟化または溶融されたシ
ート2が冷却成型ロール3の粗面及び彫刻に喰い込むた
めの適切な加圧持続時間が必要である。このため、加圧
ロール4の表面は適度に弾力性がある材料で構成される
ことが望ましい。図3は、加圧ロール4の表面を弾性体
4′で被覆した場合の加圧圧着部の変形拡大図であり、
その変形凹面10の反発力が圧着力となり、加圧力分布
曲線11が想定される。すなわち、加圧ロール4のシー
ト2への接触開始時は、加圧力はゼロであり、時間の経
過に従って冷却成型ロール3の冷却効果によりシート2
が固化し始めると共に、加圧ロール4の加圧力は弾性体
4′にて弾性変形を生じさせ、これが増減する間に冷却
成型ロール3の表面状態を精確にシート2の表面に転写
させることになる。このような圧着状況にあっては、溶
融樹脂溜まり9の発生はなく、適切な加圧力と加圧時間
により、スムースな転写が行われると共に、金属ロール
同士の圧着と異なり、冷却成型ロール3と加圧ロール4
の加工精度に大きく影響されることなく、Tダイ1の製
膜精度を保持した製品を得ることができる。
【0006】しかしながら、加圧ロール4に被覆される
弾性体4′は、過酷な加熱と加圧の条件により損耗がは
げしく、安定した製品を長時間生産するには適さず、ま
た、この加圧ロール4の損耗交換によるコストは無視で
きないものであった。さらに、近時要請される製品の中
には、シート2の冷却成型ロール3に接触する面だけで
なく、その反対面、すなわち加圧ロール4に接する面の
表面粗度を問題とする製品要求が増大する傾向にあり、
加圧ロール4に被覆される弾性体4′の表面処理加工だ
けでは対応できない状況になりつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加圧ロール
の交換頻度を少なくすると共に、加圧ロールに接触する
シート面の表面粗度を安定させ、長時間精度のよい製品
を生産できる合成樹脂成型装置用の加圧ロールを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の加圧ロールは、
上記の課題を解決するためになされたもので、シートあ
るいはフィルム状の熱可塑性樹脂製品を連続的に生産す
る成型装置において、外周部を屈曲性のある金属製薄肉
円筒とし、その内面に弾性体円筒を密着内挿し、さら
に、この弾性体円筒の内部に複数個に分割された分割円
筒を設け、常時この分割円筒を外方に向けて拡張するた
めの機械的装置または流体圧による装置を設けたことを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図4は本発明による加圧ロール4
の一実施の形態を示す横断面図である。12は複数個
(図示のものは6分割)に分割された円筒コアーであ
り、その外周面に弾性体円筒である弾性体13を被覆
し、さらにその外面に金属製薄肉円筒14を密着被覆し
加圧ロールを構成する。
【0010】この加圧ロール4の内部には、中心軸15
を設け、この中心軸15の両側から分割円筒コアー12
の内部に設けられたテーパー面17,17′に嵌合する
テーパーコーン16,16′をスプリング18,18′
を介した締ナット19,19′で締め込む。なお、2
0,20′はこの加圧ロールを支える軸受けであり、2
1,21′はこの軸受けを支えながら加圧ロールを加圧
機構と接続するアームである。
【0011】このような構成により、両側から締ナット
19,19′の締め込みにより、スプリング18,1
8′が圧縮され、その反発力がテーパーコーン16,1
6′をテーパー面17,17′に圧着し、図5に示すよ
うに、分割された円筒コアー12を介して弾性体13を
内部から拡張する力Pを生ずる。さらにこれが弾性体1
3を内部から金属製薄肉円筒14に密着させる力とな
る。
【0012】図6は、このように構成された加圧ロール
を使用したときの加圧圧着部の変形拡大図である。加圧
力Pにより、金属製薄肉円筒14は、弾性体13の変形
と共に、変形凹面10を形成し、その反発力が圧着力と
なり、図3及び従来例と同様の加圧効果を発揮すること
ができる。また、過酷な加熱条件とロール回転により繰
返される屈曲応力は、弾性体13と金属製薄肉円筒14
との密着を阻害するものとなるが、前述した分割円筒コ
アー12の内部からの拡張力により、これを防止するこ
とが可能である。
【0013】なお、この金属製薄肉円筒14は、通常、
強靱なステンレス鋼などを使用するが、加圧ロール直径
と屈曲性を相対させて通常0.2mm〜0.8mm程度の厚
さのものが使用され、表面粗度は要求される製品に合わ
せ鏡面から完全マット状のものまで任意に選定すること
ができる。さらに、この金属製薄肉円筒14は、冷風冷
却及び直接的あるいは間接的な冷水冷却により、表面の
過加熱を防止することができる。
【0014】また、分割円筒コアー12の内部からの拡
張は、前述した機械的な拡張手段によらず、空気圧ある
いは油圧を使用したものとすることもできる。
【0015】
【発明の効果】以上のように工夫された加圧ロールをシ
ートあるいはフィルム状の製品を連続的に成型する装置
に使用すれば、精度よく、また安定した任意な表面粗度
の製品を得ることができ、さらに、損耗による交換頻度
の少ない生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の合成樹脂成形装置の概要図である。
【図2】図1の加圧ロールが金属製の場合の圧着部分の
溶融溜まりの説明図である。
【図3】加圧ロール4の表面を弾性体4′で被覆した場
合の加圧圧着部の変形拡大図である。
【図4】本発明による加圧ロールの一実施の形態を示す
横断面図である。
【図5】図4のA−A′部分断面図である。
【図6】本発明の加圧ロールを使用したときの加圧圧着
部の変形拡大図である。
【符号の説明】
1 Tダイ 2 シート 3 冷却成型ロール 4 加圧ロール 10 変形凹面 12 分割円筒(分割円筒コアー) 13 弾性体円筒 14 金属製薄肉円筒
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29C 59/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートあるいはフィルム状の熱可塑性樹
    脂製品を連続的に生産する成型装置において、外周部を
    屈曲性のある金属製薄肉円筒とし、その内面に弾性体円
    筒を密着内挿し、さらに、この弾性体円筒の内部に複数
    個に分割された分割円筒を設け、常時この分割円筒を外
    方に向けて拡張するための機械的装置または流体圧によ
    る装置を設けたことを特徴とする加圧ロール。
JP08042497A 1997-03-31 1997-03-31 加圧ロール Expired - Fee Related JP3171566B2 (ja)

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