JP3171045B2 - 被励起媒質の放電状態の検出装置を有するマイクロ波励起ガスレーザ装置 - Google Patents

被励起媒質の放電状態の検出装置を有するマイクロ波励起ガスレーザ装置

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JP3171045B2
JP3171045B2 JP00908395A JP908395A JP3171045B2 JP 3171045 B2 JP3171045 B2 JP 3171045B2 JP 00908395 A JP00908395 A JP 00908395A JP 908395 A JP908395 A JP 908395A JP 3171045 B2 JP3171045 B2 JP 3171045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被励起媒質の放電によ
る光強度を検出して放電状態の検出をする放電状態の検
出装置を有するマイクロ波励起ガスレーザ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、マイクロ波によりレーザ媒質
ガスの分子を高エネルギー状態に放電励起してレーザ発
振を行うマイクロ波励起ガスレーザ装置は、種々提案さ
れてきている。
【0003】このようなマイクロ波ガスレーザ装置にお
いては マイクロ波によるレーザ媒質ガスの空間的に均
一な励起が、その発振効率上とりわけ要求される。
【0004】というのは、励起の不均一性が励起に適さ
ないストリーマ放電を誘発したり、部分的なガスの異常
加熱を生じたり、又はレーザ増幅率の空間的不均一性を
発生したりして、それらが結果的にレーザ発振効率の低
下や最大出力の低下の原因となるからである。
【0005】図11は、従来の2つの交わる導波管によ
り構成される空胴共振器を有するマイクロ波励起ガスレ
ーザ装置を示す構成図である。
【0006】又、図12は、図11におけるマイクロ波
パルスがONの時のx軸とy軸を含む平面で切った断面
図である。
【0007】図11、図12において、10は空胴共振
器、11,12はマイクロ波発振器、13,14は導波
管、15はレーザ管、16は出力鏡、17は全反射鏡、
18から21はプランジャ、22,23はで3つのスタ
ブチューナを有する整合器、24,25はマイクロ発振
器12,13のアンテナ、26はマイクロ波発振器が発
生するy方向のマイクロ波の電界強度分布、27はマイ
クロ波発振器が発生するx方向のマイクロ波の電界強度
分布、29はレーザ媒質ガス、80はCCDカメラ、8
1は偏光板、82はTVモニタである。
【0008】図13(a)から(c)は、図11のレー
ザ管15の径方向における内部の放電状態を示す拡大断
面図である。
【0009】図13(a)および(b)は、y方向電界
及びx方向電界の同時印加の放電状態であり、図13
(a)は、y方向に電界が向いた瞬間を示し、図13
(b)は、x方向に電界が向いた瞬間を示す。また、図
13(c)は、放電が不安定の状態である。 図13に
おいて、30,31はy方向電束線、32はx方向電束
線、33,34は放電状態にある放電領域である。
【0010】図14(a),(b)は、図11,図12
のレーザ管15の軸方向における放電状態を示す拡大断
面図である。
【0011】図14において、図14(a)は、レーザ
管15の軸方向における放電安定状態、図14(b)
は、レーザ管15の軸方向における放電不安定状態であ
る。である。
【0012】以上のように構成されたマイクロ波励起ガ
スレーザ装置において、特に、大出力が要求されるCO
2 レーザ装置を想定して以下に動作の説明をおこなう。
【0013】まず、図11及び図12に示すように、マ
イクロ波発振器11,12から発生したマイクロ波(発
振周波数は各々代表的に2.45GHz±0.1GHz
とする。)は、導波管13,14を伝播し、整合器2
2、23で整合を取られる。
【0014】ここで、導波管13,14は、互いにレー
ザ管15の位置において交差するが、この場合には直交
している。
【0015】そして、レーザ管15の位置においてマイ
クロ波発振器11とマイクロ波発振器12からのマイク
ロ波は電界方向が直交している。
【0016】よって、2つのマイクロ波発振器11,1
2から発振されたマイクロ波は、進行方向が互いに直交
しており、かつそれらの電界の振動方向(電界ベクトル
の方向)も互いに直交している。
【0017】このように直交する2つのマイクロ波電界
により、レーザ管15の中のレーザ媒質ガス29(例え
ば比率1:9:40のCO2,N2,Heの混合ガスで圧
力は60Torr程度とする。)を放電励起させ、全反
射鏡17と出力鏡16より構成される光共振器から、レ
ーザ光がz軸方向に出力される。
【0018】ここで、マイクロ波については、図12の
y方向電界分布26とx方向電界分布27で示すよう
に、レーザ管15部分が定在波の腹の位置になるように
プランジャ18,19,20,21を移動させて調整す
る。
【0019】そして、整合器22,23によりマイクロ
波発振器11,12と放電負荷の最適マッチング状態に
調整されている。
【0020】又、図12では明示していないが、必要に
より、レーザ媒質ガス29は、レーザ管15から配管で
引き出され、冷却後に再度ポンプで注入されるガス冷却
循環機構を設備することができる。
【0021】以下、更に、マイクロ波の放電状態につい
て、詳細に説明する。図13(a)および(b)は、y
方向電界およびx方向電界同時印加時の合成電界が、そ
れぞれy方向、x方向を向いた瞬間の放電状態である。
【0022】すなわち、図13においては、マイクロ波
発振器11及び12が同時に発振し、レーザ管15には
x方向の電界およびy方向の電界が同時に印加されてい
る状態を示している。
【0023】マイクロ波発振器11と12は別個のマイ
クロ波発振器であるため、2.45GHzで発振しても
正確には同一周波数では発振せず、実際には数MHz以
上の発振周波数の差がある。
【0024】このように、2つの電界の振動周波数が異
なる場合、位相差δは経時的に変化する。
【0025】この時、合成ベクトルの描く軌跡はδの変
化に伴い、円−楕円−直線−楕円−円を繰り返す。この
繰り返しの周波数が2つの異なる発振周波数の差周波数
に相当する。
【0026】具体的には、合成電界は、該当するマイク
ロ波の周波数(従来では2.35GHzから2.55G
Hzまで)で回転振動し、そして、この回転が異なる2
つの周波数の差周波数(従来では最大で0.2GHz)
で状態変化していくのである。 よって、合成電界がy
方向を向いた瞬間は図13(a)の状態となり、合成電
界がx方向を向いた瞬間は図13(b)の状態となる。
【0027】そして、合成電界がy方向を向いた瞬間
は、前述の説明のようにy方向に放電が均一化され、合
成電界がx方向を向いた瞬間はx方向に放電が均一化さ
れる。
【0028】更に、発振周波数の差周波数に対応して、
合成電界の方向は、2次元空間の全ての方向を向くた
め、放電領域は2次元的に広がり、図13(a)及び
(b)のように実質的に断面が円形状の均一な放電領域
34が実現することになる。
【0029】しかし、実際には、マイクロ波発振器11
と12から発振されるマイクロ波入力電力の変化に伴
う、放電負荷のインピーダンスの変化により、マイクロ
波発振器11と12と放電負荷とのマッチング状態のず
れが発生し、励起の不均一性が起こり、図13(c)の
33に示すように、均一な放電が実現できないことがあ
る。
【0030】一方、レーザ管15の軸方向より放電状態
を見た場合、安定状態の時には図14(a)に示すよう
に空胴共振器10の電界強度が最も強い中央部35に放
電が発生する。
【0031】しかし、レーザ管15中をレーザ媒質ガス
29が、明示していないガス冷却循環機構により移動さ
れる場合、マイクロ波入力電力の増加により、レーザ管
15風下側のガス温度が上昇し、放電部より風下側にエ
ネルギーが注入されやすくなり、放電部がガス流に対し
て風下側へ流れだし、放電がちらつき始め、図14
(b)の36a,36bに示すように不安定な状態とな
る。
【0032】このような事情から、高効率なレーザ発振
を得るためには、その放電状態を観測し、常に均一な放
電励起がなされるよう調整する必要がある。
【0033】これらの放電状態を観測する手段として、
レーザ管の軸方向における放電状態については、空胴共
振器のレーザ管が配置されている上部や、ショートプラ
ンジャにマイクロ波が漏れない程度に多数個の孔を設け
空胴共振器の内部を観測したり、更に、レーザ管の径方
向における放電は、図11に示すように、全反射鏡17
より偏光板81を介してCCDカメラ80等を用いて観
測している。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような目視による観測方法では、あくまでも個人の評価
によるため、均一・不均一性の判断基準が曖昧であり、
定性的な結果しか得られない。
【0035】更に、全反射鏡から放電を観測することは
装置の性質上、好ましくないという課題があった。
【0036】本発明は上記の従来の課題を解決するもの
で、放電の安定・不安定状態を定量的に検出する被励起
媒質の放電状態の検出装置を提供し、結果として媒質の
励起を常に空間的に均一に保ち、高効率のレーザ発振が
可能なマイクロ波励起ガスレーザ装置を提供するもので
ある。
【0037】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、複数の空胴共振器と、前記複数の空洞共
振器の交差部分に配置されたレーザ管と、前記複数の空
胴共振器の各々に配置されたマイクロ波発振器とを有
し、前記マイクロ波発振器が発振するマイクロ波により
被励起媒質を高エネルギー状態に放電励起させてレーザ
発振をおこなうマイクロ波励起レーザ装置であって、更
に、前記空胴共振器の内部と接続された光導波路と、前
記光導波路に連絡した放電状態の検出装置とを有し、前
記放電状態の検出装置は、容器中に収納され励起手段に
より励起された被励起媒質の放電領域内の複数領域に対
応した放射光を各々検出する複数の光検出器と、前記複
数の光検出器からの各出力信号と前記放電領域の放電状
態の安定・不安定を反映し得る基準信号とを比較する複
数の比較手段と、前記複数の比較手段からの出力信号同
士が入力され前記放電領域の放電状態に対応した出力信
号を生成する演算手段とを有する被励起媒質の放電状態
の検出装置であることを特徴とするマイクロ波励起ガス
レーザ装置である
【0038】又は、前記放電状態の検出装置が、容器中
に収納され励起手段により励起された被励起媒質の放電
領域内の複数領域に対応した放射光を各々検出する複数
の光検出器と、前記複数の光検出器からの各出力信号同
士の差信号を得て前記放電領域の放電状態に対応した出
力信号を生成する生成手段とを有する被励起媒質の放電
状態の検出装置であってもよい
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】なお、光検出器の検出信号の有無により、
放電の点孤状態をも検出してもよい。 又、光導波路と
光検出器は、レーザ管の径方向の上下の少なくとも2ヶ
所に設けられていてもよい。
【0043】又は、光導波路と光検出器は、レーザ管の
軸方向の上流と下流の少なくとも2ヶ所に設けられてい
てもよい。
【0044】ここで、比較手段は、放電の光強度信号
と、放電が不安定となり得る光強度と同等の信号である
基準電圧とを比較することが好適である。
【0045】そして、光導波路は、集光レンズを有する
光学系であってもよいし、光ファイバであってもよい。
【0046】
【作用】本発明は、上記構成によって、放電状態を定量
的に観測し、放電状態の安定・不安定を検出する。
【0047】結果として、空間的に励起の均一化を維持
可能とし、高効率なレーザ発振をも実現する。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0049】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】図1は、レーザ管軸方向における放電状態
の計測が可能なマイクロ波励起ガスレーザ装置の概略を
示した構成図、図2は、レーザ管径方向における放電状
態の計測が可能なマイクロ波励起ガスレーザ装置を示し
た断面図及びブロック図、図3は、レーザ管軸方向にお
ける放電状態の計測が可能なマイクロ波励起ガスレーザ
装置を示した断面図及びブロック図、図4(a),
(b)は各々図2、図3に対応した放電励起の光強度を
検出するための回路図、及び図5は各検出信号を示した
波形図である。
【0051】図1から図4において、従来例と同じ符号
は同様な構成要素を示し、更に41から44は光検出
器、61から64は光伝送路、51から54は比較回
路、59,60は演算回路である。
【0052】ここで、本実施例では、光検出器41から
44にアバランシェフォトダイオード、光伝送路61か
ら64に光ファイバを用いており、光検出器41から4
4と光伝送路61から64は、それぞれが低損失で結合
されている。
【0053】又、光伝送路61は、レーザ管15の径方
向の上部の管壁付近光強度を検出し、光伝送路62はレ
ーザ管径方向の下部の管壁付近光強度を検出できるよう
に、プランジャ18に設けられた複数個の孔より最適な
位置に挿入されている。
【0054】又、光伝送路64は、レーザ管軸方向のガ
ス流れに対して風上側の光強度を、光伝送路63はレー
ザ管軸方向のガス流れに対して風下側の光強度を検出で
きるように、プランジャ18に設けられた複数個の孔よ
り最適な位置に挿入されている。
【0055】ここで、図4(a)で示されるように、光
検出器41での検出信号は比較回路51に入力され、放
電不安定と判断される光強度信号と同レベルの基準信号
(V1)と比較、出力される。
【0056】同様に光検出器42での検出信号は比較回
路52に入力され、放電不安定と判断される光強度信号
と同レベルの基準信号(V1)と比較、出力される。
【0057】そして、それぞれの出力信号は演算回路5
9によって演算出力される。又、図4(b)に示される
場合も、同様の信号処理がなされ得る。
【0058】具体的には、光検出器43での検出信号は
比較回路53に入力され、放電不安定と判断される光強
度信号と同レベルの基準信号(V1)と比較、出力され
る。
【0059】同様に光検出器44での検出信号は比較回
路54に入力され、放電不安定と判断される光強度信号
と同レベルの基準信号(V1)と比較、出力される。
【0060】そして、比較回路53と比較回路54の出
力信号は演算回路60によって演算出力される。
【0061】次に、以上の様な構成において、その動作
についての説明をする。まず、レーザ管の径方向に対す
る放電状態の測定について説明をする。
【0062】今、マイクロ発振器11、12からマイク
ロ波が発振され、放電が開始し、安定状態の時には、図
13(a)及び(b)に示すように実質的に断面が円形
状の均一な放電となり、光検出器41,42で検出され
る信号は図5(a),(b)に示されるように、低くか
つ、ほぼ同じレベルである。
【0063】このため比較回路51,52での基準信号
レベルV1を越えないため、各比較回路の出力は、図5
(c),(d)に示すように0となり、結果的に演算回
路59の出力も図5(e)に示すように0となり、放電
は安定していると判断することができる。
【0064】一方、放電が不安定な状態となると、図2
の放電33に示すように斜め放電となり、レーザ管径方
向の管壁部分の光強度が高くなリ、かつ、上下の管壁で
の光強度に差が出る。
【0065】よって、光検出器41,42の検出信号
は、図5(a),(b)に示すように、少なくともいず
れか一方が、基準信号(V1)のレベルを越えるため、
比較回路の出力は、図5(c),(d)に示すように、
いずれか一方がパルス出力となり、結果的に演算回路5
9の出力も図5(e)に示すようにパルス出力となり、
放電が不安定であることを確認することができる。
【0066】ついで、レーザ管の軸方向に対する放電状
態の測定について説明する。今、マイクロ発振器11,
12からパルスマイクロ波が発振され、放電が開始する
と、安定状態の時には図3示すように空胴共振器10の
電界強度が最も強い中央部より少し風下側に放電35が
発生する。
【0067】このときの光検出器43,44の検出信号
は、図6(f),(g)に示すように、低くかつほぼ同
じレベルである。
【0068】よって、比較回路53,54の基準信号
(V1)以下に収まっているため、各比較回路の出力
は、図6(c),(d)に示すように0であり、結果的
に図6(e)で示されるように演算回路60の出力は0
となるため、放電は安定状態と判断することができる。
【0069】一方、マイクロ波入力電力の増加により、
レーザ管15風下側のガス温度が上昇すると、風下側に
エネルギーが注入されやすくなり、図3に示すように、
放電がガス流に対して風下側へ流れ放電36bとなり、
そして、熱せられたレーザ媒質ガス29が流されると再
び、空胴共振器10の中央部に放電36aが発生するよ
うになり、放電のちらつき現象が発生し始め、不安定な
状態となる。
【0070】このときの光検出器43,44の検出信号
は、図6(a),(b)に示すように光強度が激しく変
化し、比較回路53,54の基準信号(V1)を越える
信号が発生する。
【0071】よって、図6(c),(d)に示すよう
に、各比較回路の出力がパルス出力を生じることにな
り、演算回路60からも図6(e)に示すように、パル
ス出力となり放電不安定を判断することができる。
【0072】以上のように、本実施例では比較器を用い
て、光検出信号と放電不安定と判断される基準信号との
比較を行うことによって、放電励起の安定・不安定を判
断することが可能となる。
【0073】なお、本実施例では、レーザ管15の径方
向および軸方向に2ヶ所づつ光検出器を配置して放電光
強度を測定したが、測定箇所を増やすことにより、より
精度のある測定が可能となる。
【0074】更に、光検出器に2分割フォトダイオー
ド、4分割フォトダイオードを用いることにより計測装
置の小型化が可能となる。
【0075】又、本実施例によれば、光検出器の検出器
の信号の有無を確認することで放電開始時の点孤状態を
容易に確認することも可能である。
【0076】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0077】なお、レーザ装置本体は、第1の実施例と
同様の構成であり、放電状態の計測原理自体も同様であ
る。
【0078】図7は、放電励起の光強度を検出するため
の回路図、図8は検出信号を示した波形図である。
【0079】図7において、45から48は光検出器、
65から68は光伝送路、55と56は差動増幅回路で
ある。
【0080】なお、本実施例でも光検出器45から48
はアバランシェフォトダイオードを、光伝送路65から
68は光ファイバを用いており、光検出器45から48
と光伝送路65から68は、それぞれが低損失で結合さ
れている。
【0081】又、光伝送路65はレーザ管径方向の上部
の光強度を、光伝送路66はレーザ管径方向の下部の光
強度を検出できるように、プランジャ18に設けられた
複数個の孔より最適な位置に挿入されている。
【0082】又、光伝送路67はレーザ管軸方向のガス
流れに対して風上側の光強度を、光伝送路68はレーザ
管軸方向のガス流れに対して風下側の光強度を検出でき
るように、プランジャ18に設けられた複数個の孔より
最適な位置に挿入されている。
【0083】更に、光検出器45,46での検出信号は
差動増幅回路55に入力され、光検出器45,46の信
号の差を出力するように、及び光検出器47,48での
検出信号は差動増幅回路56に入力され、光検出器4
7,48の信号の差を出力するようになっている。
【0084】以上の様な構成において、以下その動作に
ついて説明する。始めに、レーザ管の径方向に対する放
電状態の測定法について説明する。
【0085】第1の実施例と同様にマイクロ発振器から
マイクロ波が発振され、放電が開始すると、安定状態の
時には図13(a)及び(b)に示すように実質的に断
面が円形状の均一な放電となり、図8に示すように光強
度はほぼ同じレベルとなるため差動増幅回路55の差信
号の変化は小さい。
【0086】一方、放電が不安定な状態となると、図2
に示すように放電33は、斜め放電となり、レーザ管径
方向の管壁部分の光強度が高くなリ、かつ、上下の管壁
での光強度に差が出るため、光検出器45,46の検出
信号は図8(a),(b)に示されるように互いの信号
レベル差が顕著に現れる。よって、差動増幅回路51の
差信号は図8(c)に示すように放電安定時と比較して
変化が大きくなるの放電不安定と判断することができ
る。
【0087】次に、レーザ管の軸方向に対する放電状態
の測定について説明する。マイクロ発振器11,12か
らパルスマイクロ波が発振され、放電が開始すると、安
定状態の時には図3(a)に示すように空胴共振器10
の電界強度が最も強い中央部より少し風下側に放電35
が発生する。
【0088】このときの光検出器47,48の検出信号
は、マイクロ波に対応して安定しており、差動増幅回路
56の差信号は、ほぼ一定のレベル信号出力か、ほとん
ど出力されない。
【0089】一方、マイクロ波入力電力の増加により、
レーザ管15の風下側のガス温度が上昇すると、図3に
示すように放電がガス流に対して風下側へ流れて放電3
6bが発生し、熱せられたレーザ媒質ガス29が流され
ると再び、空胴共振器10の中央部に放電36aが発生
するようになり、放電がちらつき始め、不安定な状態と
なる。
【0090】このときの光検出器47,48の検出信号
は、図9(a),(b)に示すように光強度の変化に伴
い、激しく変化するので、図9(c)に示すように差動
増幅回路56の差信号の変化が大きくなり、放電不安定
と判断することができる。
【0091】以上のように、本実施例では、差動増幅回
路の差信号の出力変化によって放電励起の安定・不安定
を判断することが可能となる。
【0092】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0093】図10は、第3の実施例における放電状態
の計測を説明するための構成図である。
【0094】図10において、49a,b,50a,b
は各々光検出器、70は集光レンズ、57,58は差動
増幅回路である。
【0095】なお、光検出器49と50は4分割のフォ
トダイオードであり一体のものを用いた。
【0096】又、本実施例においても、レーザ装置自体
の構成は、第1の実施例と同様である。
【0097】本実施例では、集光レンズ70は、レーザ
管径方向の上下部の光強度及びレーザ管軸方向の左右部
の光強度を光検出器49,50に集光できる位置に配置
されている。
【0098】つまり、放電による光強度は、集光レンズ
70を通して光検出器49,50に結像される。
【0099】そして、この光検出器49,50に4分割
フォトダイオードを用いることにより、レーザ管15の
径方向、軸方向の4ヶ所の放電光強度を測定することが
可能となり、この両者の検出信号を差動増幅回路57、
58に入力し、信号の差を求めることにより、本実施例
においても、放電の安定・不安定状態を計測することが
できる。
【0100】なお、本実施例では、差動増幅回路を用い
たが、第1の実施例と同様に比較回路を用いることも、
もちろん可能である。
【0101】
【発明の効果】以上のように、本発明は、上記構成によ
って、放電状態の定性的な観測手段を設けるのではなく
定量的に観測することにより、正確で安定した放電状態
の安定性に関する検出が行えることになる。
【0102】よって、マイクロ波励起ガスレーザに応用
した場合には、必要な空間における励起の均一性の維持
をすることが可能となり、きわめて高効率なレーザ発振
が実現できる。
【0103】又、マイクロ発振器の老朽化によりマイク
ロ波出力がなされなくなり、プラズマ点孤が行われなく
なった場合にも速やかに確認できて交換が行えるため、
レーザ装置のメンテナンスが容易になるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるレーザ管軸方向
における放電状態の計測が可能なマイクロ波励起ガスレ
ーザ装置の概略を示した構成図
【図2】同第1の実施例のレーザ管径方向における放電
状態を示した図
【図3】同第1の実施例のレーザ管軸方向における放電
状態を示した図
【図4】(a) 図2に対応した放電励起の光強度を検
出するための回路図 (b) 図3に対応した放電励起の光強度を検出するた
めの回路図
【図5】同第1の実施例の図4(a)の回路の各構成要
素の出力信号を示した波形図
【図6】同第1の実施例の図4(b)の回路の各構成要
素の出力信号を示した波形図
【図7】(a) 同第2の実施例のレーザ管径方向にお
ける放電励起の光強度を検出するための回路図 (b) 同第2の実施例のレーザ管軸方向における放電
励起の光強度を検出するための回路図
【図8】図7(a)の回路の各出力信号の波形図
【図9】図7(b)の回路の各出力信号の波形図
【図10】同第3の実施例の説明図
【図11】従来のマイクロ波励起ガスレーザ装置の概略
【図12】同断面図
【図13】同レーザ管径方向の放電状態を示す断面図
【図14】同レーザ管軸方向の放電状態を示す断面図
【符号の説明】
10 空胴共振器 11 マイクロ波発振器 12 マイクロ波発振器 13 導波管 14 導波管 15 レーザ管 16 出力鏡 17 全反射鏡 18 プランジャ 19 プランジャ 20 プランジャ 21 プランジャ 22 整合器 23 整合器 24 マイクロ発振器 25 マイクロ発振器 26 マイクロ波発振器が発生するy方向のマイクロ波
の電界強度分布 27 マイクロ波発振器が発生するx方向のマイクロ波
の電界強度分布 29 レーザ媒質ガス 33 放電 34 放電 35 放電 36 放電 41 光検出器 42 光検出器 43 光検出器 44 光検出器 45 光検出器 46 光検出器 47 光検出器 48 光検出器 49 光検出器 50 光検出器 51 比較回路 52 比較回路 53 比較回路 54 比較回路 55 差動増幅回路 56 差動増幅回路 57 差動増幅回路 58 差動増幅回路 59 演算回路 60 演算回路 61 光伝送路 62 光伝送路 63 光伝送路 64 光伝送路 65 光伝送路 66 光伝送路 67 光伝送路 68 光伝送路 59 演算回路 60 演算回路 70 集光レンズ 80 CCDカメラ 81 偏光板 82 TVモニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−274380(JP,A) 特開 平5−299726(JP,A) 特開 平6−204588(JP,A) 米国特許4177404(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 G01N 22/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の空胴共振器と、前記複数の空洞共
    振器の交差部分に配置されたレーザ管と、前記複数の空
    胴共振器の各々に配置されたマイクロ波発振器とを有
    し、前記マイクロ波発振器が発振するマイクロ波により
    被励起媒質を高エネルギー状態に放電励起させてレーザ
    発振をおこなうマイクロ波励起レーザ装置であって、更
    に、前記空胴共振器の内部と接続された光導波路と、前
    記光導波路に連絡した放電状態の検出装置とを有し、前
    記放電状態の検出装置は、容器中に収納され励起手段に
    より励起された被励起媒質の放電領域内の複数領域に対
    応した放射光を各々検出する複数の光検出器と、前記複
    数の光検出器からの各出力信号と前記放電領域の放電状
    態の安定・不安定を反映し得る基準信号とを比較する複
    数の比較手段と、前記複数の比較手段からの出力信号同
    士が入力され前記放電領域の放電状態に対応した出力信
    号を生成する演算手段とを有する被励起媒質の放電状態
    の検出装置であることを特徴とするマイクロ波励起ガス
    レーザ装置
  2. 【請求項2】 光検出器の検出信号の有無により、放電
    の点孤状態を検出する請求項記載のマイクロ波励起ガ
    スレーザ装置。
  3. 【請求項3】 光導波路と光検出器は、レーザ管の径方
    向の上下の少なくとも2ヶ所に設けられた請求項1また
    は2記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  4. 【請求項4】 光導波路と光検出器は、レーザ管の軸方
    向の上流と下流の少なくとも2ヶ所に設けられた請求項
    1から3のいずれか記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  5. 【請求項5】 比較手段は、放電の光強度信号と、放電
    が不安定となり得る光強度と同等の信号である基準電圧
    とを比較する請求項記載のマイクロ波励起ガスレーザ
    装置。
  6. 【請求項6】 光導波路が、集光レンズを有する光学系
    である請求項記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  7. 【請求項7】 光導波路が、光ファイバである請求項
    記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  8. 【請求項8】 複数の空胴共振器と、前記複数の空洞共
    振器の交差部分に配置されたレーザ管と、前記複数の空
    胴共振器の各々に配置されたマイクロ波発振器 とを有
    し、前記マイクロ波発振器が発振するマイクロ波により
    被励起媒質を高エネルギー状態に放電励起させてレーザ
    発振をおこなうマイクロ波励起レーザ装置であって、更
    に、前記空胴共振器の内部と接続された光導波路と、前
    記光導波路に連絡した放電状態の検出装置とを有し、前
    記放電状態の検出装置は、容器中に収納され励起手段に
    より励起された被励起媒質の放電領域内の複数領域に対
    応した放射光を各々検出する複数の光検出器と、前記複
    数の光検出器からの各出力信号同士の差信号を得て前記
    放電領域の放電状態に対応した出力信号を生成する生成
    手段とを有する被励起媒質の放電状態の検出装置である
    ことを特徴とするマイクロ波励起ガスレーザ装置
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