JP3170690U - 蓄熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 包装体が破れない蓄熱材、あるいは包装体が破れても汚れない蓄熱材を提供する。【解決手段】 硫酸ナトリウム水和物、もしくは硫酸ナトリウムと水を主成分にして、少なくとも吸水性樹脂と過冷却防止剤と撥水性樹脂からなるビーズを配合して粉末状の蓄熱材10を生成する。硫酸ナトリウムと吸水性樹脂の配合割合は、水100重量部に対して、硫酸ナトリウムは40〜50重量部、吸水性樹脂は15〜20重量部とする。また、ビーズは全体積の15〜50%の体積をなすように配合する。また、得られた粉末状の蓄熱材10を防水通気性を有する包装体20に収納して用いることもできる。【選択図】図2

Description

本考案は、潜熱蓄熱材に関し、特に粉末からなる蓄熱材に関する。
硫酸ナトリウム水和物は、潜熱量も大きく、安価で大量に入手し易いことから、30°C付近の潜熱蓄熱材として広く知られており、今日においては、室内暖房装置の蓄熱材として広く用いられるようになってきている。
また、硫酸ナトリウム水和物を用いた蓄熱材の技術に関しては研究されており、さまざまな技術開示を見ている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1に示された蓄熱材は、硫酸ナトリウム・10水和物または硫酸ナトリウム水溶液を主成分にして、ホウ酸ナトリウム及び吸水性樹脂を含有したものからなる。
ホウ酸ナトリウムの配合量は硫酸ナトリウム・10水和物または硫酸ナトリウム水溶液100重量部に対して1.0〜10重量部、吸水性樹脂の配合量は硫酸ナトリウム・10水和物または硫酸ナトリウム水溶液100重量部に対して2.5〜10重量部であることが示されている。
また、特許文献2に示された蓄熱材は、硫酸ナトリウム・10水塩60〜95重量%、硫酸バリウム0.1〜10重量%、増粘剤0.2〜20重量%、水を吸収した微細吸水性樹脂0.5〜20重量%含有するものである。
硫酸ナトリウム水塩を使用した場合に、吸熱と放熱との繰り返しの間に無機塩が部分的に析出して沈殿し、水溶液の上部と下部とで無機塩の濃度差が生じて蓄熱温度の制御が困難になる。このような問題の発生を防止するために吸水性樹脂を添加している。
ホウ酸ナトリウムや硫酸バリウムは過冷却防止剤であり、蓄熱材が擬固を行うにつけて、過冷却が起こり易くなるので、この過冷却を防止するために添加している。
また、増粘剤は、融解状態において固液分離することを防止するために含有させるものである。
特許公開2002−88351号公報 特許公開2006−225474号公報
しかしながら、上記したさまざまな添加物を加えたにしても融解と擬固の相変化が繰り返し行われると、吸水性樹脂同士や蓄熱材同士が付着したりして、再結晶したときに蓄熱材の粒子が大きく成長する。そして、蓄熱材の大きく成長した粒子が容器である箱体や袋体の形状を大きく変形させることが起き、容器が破れるとかして蓄熱材が容器の外に漏れ出すと言う現象等が発生する。
特に、容器が破れて蓄熱材が容器の外に漏れだした場合は、容器自体や周囲の物品を汚したりして、製品性能低下を招いたり、環境を悪くするという問題が発生する。
本考案は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、形状の経時変化を起こさず、なおかつ、同じ容積では軽量な蓄熱材を提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、本考案の蓄熱材の特徴は、潜熱蓄熱材であって、粉末状であることを特徴とするものである。
また、上記の粉末状の蓄熱材は、硫酸ナトリウムの水和物、もしくは硫酸ナトリウムと水を主成分にして、少なくとも吸水性樹脂と過冷却防止剤を含有しているのが好ましい。
また、本考案の蓄熱材の製造方法の特徴は、潜熱蓄熱材の製造方法であって、所要量の水に所要量の硫酸ナトリウムを加えて水と硫酸ナトリウムの溶液を生成し、水温が45°C〜55°Cになるまで加熱しながら溶液を撹拌する工程と、所要量の過冷却防止剤を溶液に加えて撹拌し、その後にエージングを行う工程と、所要量の吸水性樹脂の中から略1/3量の吸水性樹脂を過冷却防止剤を加えた溶液に加えて撹拌し、その後に15〜45分間放置する工程と、残量の吸水性樹脂を加え、該吸水性樹脂が均等に水を吸水するようにゆっくりと捏ねて、ゲル状を経て粉末状の蓄熱材を生成する工程と、所要量の撥水性樹脂からなるビーズを粉末状の蓄熱材に加えて混合撹拌し、ビーズを粉末状の蓄熱材に均一に拡散させる工程と、を有することを特徴とするものである。
蓄熱材が粉末状であることから、従来発生を見た吸水性樹脂同士や蓄熱材同士が付着し合って大きく成長することが起きず、蓄熱材の包装容器の形状を変形させる状態は発生しない。従って、蓄熱材によって包装容器が破損する状態は発生しない。もし仮に、外的な要因で包装容器が破損して蓄熱材が包装容器から外に飛び出すことがあっても、蓄熱材が粉末状であるため、包装容器自体はひどく汚れることがなく、また、周囲の汚れも軽度の汚れに抑制することができる。
また、粉末状の蓄熱材は、同一容積の下では重量的に非常に軽い。これは、持ち運びが容易になること、積み重ねが可能になること、などの利用上の利便性が得られる。
また更に、粉末状の蓄熱材の包装容器自体に変形が生じないので、使用の適用範囲を、即ち、使用領域を広げることができる効果も得られる。
また、包装容器内での粉末状の蓄熱材の間には空気層が生まれる。つまり、蓄熱材なる粉末粒子の集まりの中に空気層が存在する。このため、空気層が断熱効果をもたらして保温効果も生まれる。
また、粉末状の蓄熱材は撥水性樹脂からなるビーズを含有する。撥水性のビーズを含有することで吸水性樹脂同士の付着が防止されるばかりでなく、ビーズは水を吸水しないので、水の含有量も絶えず一定に保持され、蓄熱性能が長期間に渡って維持される。また、いつまでも粉末状態が維持されて長期間に渡って使用することができる。
また、粉末状の蓄熱材は、過冷却防止剤が配合されている。そのため、擬固及び溶融温度も絶えず一定の温度で進行し、所望する放熱が一定の温度レベルで定常的に得ることができる。
また、本考案の粉末状蓄熱材の製造方法は、何れの工程も容易な工程であり、設備コストも余り掛からないので安価に製造することができる。
本考案の実施形態に係る粉末状の蓄熱材を生成する製造方法とその手順を示したものである。 粉末状の蓄熱材を包装体内に充填して収納した蓄熱材収納包装体の要部断面図である。 図2に示した蓄熱材収納包装体を収納した収納箱を模式的に示した要部断面斜視図である。 保温物品の運搬箱の内部に蓄熱材収納包装体を収納した収納箱の配設状況を説明する説明図である。 家の内部に蓄熱材収納包装体を収納した収納箱の配設状況を説明する模式的に示した説明図である。
[本考案の蓄熱材の組成]
以下、本考案の実施形態に係る蓄熱材の組成について詳細に説明する。本考案の蓄熱材は、硫酸ナトリウムと水とを混合・溶解させて硫酸ナトリウム・10水和物を生成し、この硫酸ナトリウム・10水和物を主成分にして、これに吸水性樹脂と、過冷却防止剤と、撥水性樹脂からなるビーズとを配合して、粉末状の蓄熱材に生成したものである。
なお、硫酸ナトリウム・10水和物を主成分とする蓄熱材は、物質の相変化(融解−擬固)に伴う発熱/吸熱反応を利用する潜熱蓄熱材であるが、以降においては、単に蓄熱材と呼んで説明する。
また、撥水性樹脂からなるビーズとは粒子の形状をなす撥水性樹脂のことを表しており、本考案においてはビーズと呼んで説明する。
硫酸ナトリウム・10水和物は潜熱量も62.9Cal/gと大きく、また、相変化温度も32.4°Cと低く、安価に入手できることから、好適な蓄熱材として選択する。なお、硫酸ナトリウム・10水和物の形態を取らずに、単に、無水硫酸ナトリウムと水とを主成分にして構成しても何ら支障はないものである。
吸水性樹脂は、硫酸ナトリウム・10水和物の融解と擬固の相変化が繰り返し行われる間に、無機塩が部分的に析出して蓄熱特性が劣化することを抑制するために使用する。吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩重合体架橋物(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなど),アクリル酸塩−メタクリル酸塩共重合体架橋物,澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物,ポリアルキレンオキシド変性物,酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物架橋物などが好適に選択できる。
また、硫酸ナトリウム・10水和物の融解と擬固の相変化が繰り返し行われるにつけて、離水現象が生じ、過冷却が起こりやすくなって所定の擬固温度で擬固せずに、所望の放熱が得られなくなることが生じる。このような問題を防止するために過冷却防止剤が用いられる。
過冷却防止剤としてはホウ酸ナトリウム,硫酸バリウムなどが好適に用いられる。この冷却防止剤の配合量は、蓄熱材100重量部に対して1.5〜10重量部が好ましい。
撥水性樹脂からなるビーズは、蓄熱材の融解と擬固の相変化が繰り返し行われることにより吸水性樹脂同士及び蓄熱材同士が付着することを防止するために配合する。蓄熱材の融解と擬固の相変化が繰り返し行われると、吸水性樹脂同士及び蓄熱材同士が付着して蓄熱材の粒子を大きく成長させる。そして、大きく成長した粒子が包装容器の形状を大きく変化させ、容器の損傷、破れなどが発生する。このような問題発生を防止するために、即ち、吸水性樹脂同士及び蓄熱材同士が付着しないようにするためにビーズを配合するものである。吸水性樹脂の集まりの中にビーズを混ぜ込むことによって、吸水性樹脂同士及び蓄熱材同士が付着することを防止しているのである。
ビーズは撥水性樹脂からなるビーズが好ましい。ビーズ自身は水分を吸水しないので蓄熱材及び吸水性樹脂に含有する水の量は変化せず、蓄熱性能は一定に維持される。
撥水性樹脂のビーズとしては、ポリエチレンビーズ,ポリプロピレンビース,ポリスチレンビーズなどが好適で、ビーズの粒径は直径が2mm以下のものが好ましい。
ここで、水と硫酸ナトリウム、吸水性樹脂の配合割合は、水100重量部に対して硫酸ナトリウムは40〜50重量部、吸水性樹脂は15〜20重量部が好ましい。
硫酸ナトリウムが40重量部より少ないと、生成する硫酸ナトリウム・10水和物の量が少なくなり、蓄熱効率は悪くなる。また、50重量部より多いと、硫酸ナトリウムの溶解が過飽和状態になり、過飽和分の硫酸ナトリウムは溶解せず、硫酸ナトリウム・10水和物を生成することができないので無駄になる。また、無駄になった分だけ重量当たりの蓄熱効率も悪くなる。
また、吸水性樹脂が15重量部より少ないと水の量が余り、粉末状の蓄熱材が生成できなくなり、20重量部より多くしても吸水される水の量は変わらないので、材料費の無駄となる。
また、ビーズの配合量は、ビーズの体積が蓄熱材全体積の15〜50%の範囲内の容量にするのが好ましい。15%より少ないと粉感が出なくなると共に、吸水性樹脂同士の付着を抑制することができなくなる。また、50%より多いと単位体積当たりの蓄熱材量が少なく、吸熱量が少なくなり、蓄熱効率が低下する。
本実施形態の粉末状の蓄熱材の組成は、硫酸ナトリウム・10水和物を主成分にして、吸収性樹脂、過冷却防止剤、撥水性樹脂からなるビーズを配合して生成したものであるが、これ以外に、増粘剤(粘度調整剤)などを配合することも可能である。
増粘剤は、融解状態において固液分離を抑制する働きをなすもので、水ガラスのシリカ系増粘剤やポリアクリルアミド,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリビニールアルコール,ポリエチレングリコール,ゼラチンなどの有機系増粘剤などが利用可能なものとして上げられる。
[蓄熱材の製造方法]
次に、上記組成をなす粉末状の蓄熱材の製造方法について図1を用いて説明する。図1は粉末状の蓄熱材を生成する製造方法とその手順を示したものである。
最初に、手順(a)、所要量の水に所要量の硫酸ナトリウムを加えて水と硫酸ナトリウムの溶液を生成し、水温が45〜55°Cになるまで加熱しながら溶液を撹拌する。
これによって硫酸ナトリウム・10水和物が生成される。所要量の水と所要量の硫酸ナトリウムは、水100重量部に対して硫酸ナトリウムの量は40〜50重量部の割合で用意するのが好ましい。
次に、手順(b)、所要量の過冷却防止剤を溶液に加えて撹拌し、その後にエージングを行う。
過冷却防止剤の溶解はゆっくりとした溶解反応を示すので、撹拌を加えながら時間をかけて溶解させる。また、撹拌した後に、5〜15分の範囲でエージングを行うのが良い。
過冷却防止剤の配合量は、蓄熱材100重量部に対して1.5〜10重量部が好ましい。従って、この範囲内で、生成する蓄熱材の量に応じて適宜に設定するのが好ましい。
次に、手順(c)、所要量の吸水性樹脂の中から略1/3量の吸水性樹脂を過冷却防止剤を加えた溶液に加えて撹拌し、その後に15〜45分間放置する。
吸水性樹脂は水100重量部に対して15〜20重量部の割合で用いられる。手順(c)において、吸水性樹脂の所要量の1/3量とは、15〜20重量部の割合の中での1/3量を指しており、(15〜20)/3重量部の割合を表している。
手順(c)においては、所要量の略1/3量の吸水性樹脂を加え、硫酸ナトリウム・10水和物生成後の残った残水分を吸水性樹脂に吸水させて、吸水が飽和状態の飽和吸水性樹脂を生成する。
なお、吸水性樹脂の所要量の略1/3量とは、概ね1/3量を示すもので、数%の誤差を有しても何ら支障はないものであるので、略と表示したものである。
吸水性樹脂の吸水はゆっくりとした反応である。また、吸水性樹脂は粉末状であるため、吸水性樹脂の集まりに水が被うと、水に接した外側の吸水性樹脂が吸水し、そして、飽和吸水に至るとその内側の吸水性樹脂に水を渡すといった動作を順次繰り返される。そして、中心部の方の吸水性樹脂にも吸水が行われる。
ここで、吸水性樹脂の固まりが有ると中心部の吸水性樹脂への吸水が遅れる。そこで、なるべく早く全体の吸水性樹脂が吸水し、そして、飽和吸水の状態にするために、吸水性樹脂を分散投入したり、吸水性樹脂を加えた溶液を撹拌したりする。
また、吸水性樹脂の固まりの中の内部の吸水性樹脂が吸水し終わらないと、吸水性樹脂が溶液中にて分散し難い。そのため、全ての吸水性樹脂が飽和吸水し、溶液内に均一に分散させるために放置時間を設ける。放置時間は、生成する溶液量、吸水性樹脂の固まり具合により、15〜45分の範囲の中で適宜に設定するのが好ましい。
次に、手順(d)、残量の吸水性樹脂を加え、加えた吸水性樹脂が均等に水を吸水するようにゆっくりと捏ねて、ゲル状を経て粉末状になった蓄熱材を生成する。
先の手順(c)によって、溶液内の吸水性樹脂は飽和吸水状態にある。その所に、新たに残量の吸水性樹脂を加えて、ゆっくりと、そして、満偏なく捏ねると、先の飽和吸水状態の吸水性樹脂から新たに加えた吸水性樹脂に水が移動し、新たに加えた吸水性樹脂に吸水が行われる。新たに加えた吸水性樹脂の量が多いことから、捏ねている中でゲル状になって、そして、段々パサパサ感が増してきて、最後に粉末状になる。なおここで、捏ねるとは、吸水性樹脂を加えた蓄熱材を棒やヘラでもって動かして混ぜ合わせる動作を表している。
ゆっくりと、満遍なく捏ねることにより、充分に吸水した吸水性樹脂と未だ吸水量が少ない吸水性樹脂とが接触し、接触しながら水分の引き渡し作用が起き、吸水状態の均一化が進められ、そして、最後に粉末状になる。
蓄熱材を捏ねて粉末状にすることによって、吸水性樹脂の粒子間に硫酸ナトリウム水和物、過冷却防止剤を均一に分散させる効果も生まれる。また、吸水性樹脂の固まりが無くなり、吸水性樹脂の粒子間に空気層が設けられるような状態になり、流動性が増すと共に、後の作業をやり易くする。
吸水性樹脂は、水100重量部に対して吸水性樹脂を15〜20重量部配合する好ましい。吸水性樹脂が15重量部より少ないと粉末状の蓄熱材が生成できなくなる。また、20重量部より多くして特段に効果が良くなる訳ではなく、材料費が無駄になる。
次に、手順(e)、所要量の撥水性樹脂からなるビーズを、粉末状の蓄熱材に加えて混合撹拌し、ビーズを粉末状の蓄熱材に均一に分散させる。
以上の製造工程を経ることにより粉末状の蓄熱材を生成することができる。ビーズの所要量は、ビーズの体積が蓄熱材全体積の15〜50%の範囲内の容量になるように設定する。また、ビーズの混合撹拌は、撹拌装置にて、2回転/分程度のゆっくりとした撹拌スピードで行うのが好ましい。
上記の製造方法にあっては、使われる主要な機械装置は攪拌機だけであるので、設備費は比較的安く上がる。また、作業方法も著しく熟練を要するものではないので誰もが容易にできる作業である。このようなことから、粉末状の蓄熱材は製作が容易で、しかも、その製造コストを安くすることができる。
[効果の説明]
蓄熱材を粉末状にし、撥水性樹脂ビーズを配合して生成したことによって、次のような効果を得る。蓄熱材と吸水性樹脂が均一に分散することができ、更に、吸水性樹脂同士及び蓄熱材同士の付着がなくなることにより、融解と擬固が繰り返されても溶解水と水和水(結晶水)との移動が維持制御でき、蓄熱材の粒子が大きくなることがなく、従来技術で発生を見た包装容器の変形や、破れなどの損傷が発生しなくなる。
更に、全ての蓄熱材が環境温度変化に対して、直ぐに融解、擬固反応することができ、同一効果を継続的に得ることができる。
また、外的な要因で包装容器に破損が生じて粉末状の蓄熱材が容器の外に飛び出しても、容器自体や容器周辺の環境をひどく汚染するようなことは生じない。
また、蓄熱材を粉末状に生成することによって、重量的には非常に軽くなる。袋などの包装容器に充填しても荷崩れなどが余り発生せず、また、積み重ねても蓄熱材に損傷などの影響を与えない。このため、包装の荷姿も様々な荷姿にすることが可能になり、蓄熱材の利用領域も広い範囲に拡充することができるようになる。また、軽いがためにその運搬や取扱いが容易になる。
また、包装容器に充填した粉末状の蓄熱材は寒くなったときの寒さを防ぐために、放熱による暖房の働きをなすばかりでなく、断熱による保温の働きもなす。これは、粉末状の蓄熱材を充填した包装容器内に空気の層が、即ち、粉末粒子の粒子間に空気が存在するために、その空気層が寒気の侵入を抑制する働きをなすからである。更に、暑くなった時には、吸熱による冷房と保温の働きもする。
また、粉末状の蓄熱材には過冷却防止剤が含有している。そのため、擬固及び融解温度も絶えず一定の温度で進行し、所望する放熱特性が一定の温度レベルで定常的に得ることができる。
[粉末状蓄熱材の包装形態の説明:図2、図3]
次に、粉末状の蓄熱材の包装形態について図2、図3を用いて説明する。図2は粉末状の蓄熱材を包装体内に充填して収納した蓄熱材収納包装体の要部断面図を示している。また、図3は図2に示した蓄熱材収納包装体を収納した収納箱を模式的に示した要部断面斜視図を示している。
図2において、10は粉末状の蓄熱材、20は包装体、30は蓄熱材収納包装体を表していて、蓄熱材収納包装体30は包装体20の中に粉末状の蓄熱材10を充填して収納したものからなる。
粉末状の蓄熱材10は上記で説明した蓄熱材である。包装体20は防水性シートまたは防水性と通気性を持った防水通気性の布材からなる袋体で、このような包装体に用いられる布材としては、東レ製のエントラント、ダーミザクス(何れも、商品名),東洋クロス製のジオバイザー(商品名),ゴア社製のゴアテックス(商品名)などが好適なものとして挙げられる、扁平形状にして所望の大きさにして用いると良い。
蓄熱材収納包装体30の大きさは、用途に応じて適宜な寸法に設定して使用するのが好ましい。なお、その中にあって、扁平形状をなす厚みに関しては60mm以上の厚みを有するのが望ましい。
一般に、床暖房装置などに使われる蓄熱材は、面状発熱体の上面または下面側に敷設されて用いられる。そして、安価な深夜電力を使用して面状発熱体を暖め、その熱を蓄熱材に蓄熱し、所定の温度以下になると蓄熱材の蓄熱した熱を放出して暖房効率を高める使い方をする。蓄熱材収納包装体30の厚みを60mm以上とするのは、深夜電力で暖める熱量が全て蓄熱材に吸収させるためである。厚みが60mmより薄いと暖めた熱が蓄熱材を通過して逃げてしまい、蓄熱効率は大変悪くなる。
粉末状の蓄熱材を収納する包装体20は、蓄熱材の水による蓄熱性能劣化を防止するために防水性を必要とする。また、吸熱、放熱効率を良くするために通気性を必要とする。このようなことから、防水通気性を有する布材が好適な包装体として選択される。
蓄熱材収納包装体30とした蓄熱材は、図3に示すように、箱状の収納箱40に収納して用いるのが好ましい。粉末状の蓄熱材を収納した蓄熱材収納包装体30は軽量であり、しかも、荷崩れがし難い。そのため、図に示すように、扁平形状の蓄熱材収納包装体30を縦にして積み重ねることも可能となり、収納箱40の中に均一に分布するように蓄熱材収納包装体30を収納することができる。
収納箱40は蓄熱材を配設する場所に応じて適宜な形状並びに大きさに設定して用いるのが良い。また、この収納箱40は、熱伝導率の高いプラスチック材を用いて形成するのが良く、持ち運びが容易で、且つ、容易に破損しない厚み、大きさに設定するのが好ましい。
蓄熱材収納包装体30を収納した収納箱40を所要の大きさにパネル化し、そのパネルを並べて使用するようにすると、取扱いなどが大変楽になる。また、場合によっては、そのパネルのサイズも幾種類かに分けて製作し、配設場所によってはそれらを選択しながら使用するのも良い。
また、パネル化した蓄熱材収納包装体30の収納箱40自体を面状発熱体で暖めて蓄熱材に蓄熱させることも可能になる。
以上説明したように、蓄熱材収納包装体30を複数、収納箱40に敷き詰めて配設場所に設置することで、効率良く蓄熱材の性能を発揮させることができる。また、設置環境も蓄熱材収納包装体30が散乱することなく、収納箱40が整然と並んだ状態で設置できるので設置環境も良くなる。
なお、収納箱40は、本実施形態においては箱状のものを用いたが、特に箱状に限るものではなく、袋状のものであっても何ら支障はないものである。
[粉末状蓄熱材の適用範囲の説明:図4、図5]
次に、図4、図5を用いて粉末状の蓄熱材の利用状況を説明する。なお、図4は保温物品の運搬箱の内部に蓄熱材収納包装体を収納した収納箱の配設状況を説明する説明図で、図5は家の内部に蓄熱材収納包装体を収納した収納箱の配設状況を説明する模式的に示した説明図である。
最初に、図4において、50は運搬箱で、特に、暖めた状態で運搬したい物品(例えば、暖めた麺類や丼物など)の運搬箱が好適に選ばれる。運搬箱50の内部に、前述の蓄熱材収納包装体30を収納した収納箱40が運送物品を囲むようにして配設されている。
充分に蓄熱が施された収納箱40を運搬箱50の底面や内壁面に入れて運搬箱50の内部を収納箱40で囲い、その中に運搬物品を固定状態にして納め、蓋をして運搬する方法を取る。運搬中に一定な温度に低下すると蓄熱材からの放熱が行われて運搬物品を暖める。
また、前述したことではあるが、収納箱40内の蓄熱材収納包装体30自体が保温性能を有することから、収納箱40によって仕切られた運搬箱50の内部の暖気は外に逃げ難い。従って、運搬箱50の内部は長時間に渡って保温でき、運搬する物品を長時間に渡って暖かい状態で維持することができる。
次に、図5は家の中に蓄熱材収納包装体30を収納した収納箱40を配設した状態を示したものである。パネル化した収納箱40を複数、床面の下や外壁面の内側、天井などに並べて配設することによって、家の中を暖めて保温するのに効果を発揮する。
図5は、一般的な家屋を取り上げて説明したものであるが、家屋以外に利用できるものとしては、野菜や果物、花などを育成するビニールハウスなどにも適用が可能である。
10 蓄熱材
20 包装体
30 蓄熱材収納包装体
40 収納箱
50 運搬箱

Claims (10)

  1. 潜熱蓄熱材であって、粉末状であることを特徴とする蓄熱材。
  2. 前記粉末状の蓄熱材は、硫酸ナトリウム水和物、もしくは硫酸ナトリウムと水を主成分にして、少なくとも吸水性樹脂と過冷却防止剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材。
  3. 前記硫酸ナトリウムと吸水性樹脂の配合割合は、水100重量部に対して、硫酸ナトリウムは40〜50重量部、吸水性樹脂は15〜20重量部であることを特徴とする請求項2に記載の蓄熱材。
  4. 前記粉末状の蓄熱材は、撥水性樹脂からなるビーズを含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱材。
  5. 前記ビーズは、全体積の15〜50%の体積をなすことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  6. 前記粉末状の蓄熱材を、防水通気性の布材からなる包装体に収納して用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  7. 前記粉末状の蓄熱材を、前記包装体に収納して、建物もしくは箱の壁,床,天井に配することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄熱材。
  8. 潜熱蓄熱材の製造方法であって、
    所要量の水に所要量の硫酸ナトリウムを加えて水と硫酸ナトリウムの溶液を生成し、水温が45°C〜55°Cになるまで加熱しながら前記溶液を撹拌する工程と、
    所要量の過冷却防止剤を前記溶液に加えて撹拌し、その後にエージングを行う工程と、
    所要量の吸水性樹脂の中から略1/3量の吸水性樹脂を前記過冷却防止剤を加えた溶液に加えて撹拌し、その後に15〜45分間放置する工程と、
    残量の前記吸水性樹脂を加え、該吸水性樹脂が均等に前記水を吸水するようにゆっくりと捏ねて、ゲル状を経て粉末状の蓄熱材を生成する工程と、
    所要量の撥水性樹脂からなるビーズを前記粉末状の蓄熱材に加えて混合撹拌し、前記ビーズを前記粉末状の蓄熱材に均一に分散させる工程と、
    を有することを特徴とする蓄熱材の製造方法。
  9. 前記所要量の水と前記所要量の硫酸ナトリウムの配合割合は、水100重量部に対して硫酸ナトリウムは40〜50重量部であり、前記所要量の吸水性樹脂の配合割合は15〜20重量部であることを特徴とする請求項8に記載の蓄熱材の製造方法。
  10. 前記所要量の撥水性樹脂からなるビーズの配合量は、該ビーズの配合を含めた前記溶液の全体積の15〜50%量であることを特徴とする請求項8に蓄熱材の製造方法。
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