JP3170573B2 - 縦型加熱炉用円板状ヒータ - Google Patents
縦型加熱炉用円板状ヒータInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦に長い単体加熱
物または縦に積層された複数の複合加熱物を、その上面
等から加熱する縦型加熱炉に使用するのに好適な円板形
のヒータに関し、例えば、半導体ウエハを縦に積層した
状態で熱CVD処理を行うため、それら半導体ウエハを
上面等から加熱することを目的とした縦型加熱炉用円板
状ヒータに関する。
物または縦に積層された複数の複合加熱物を、その上面
等から加熱する縦型加熱炉に使用するのに好適な円板形
のヒータに関し、例えば、半導体ウエハを縦に積層した
状態で熱CVD処理を行うため、それら半導体ウエハを
上面等から加熱することを目的とした縦型加熱炉用円板
状ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおけるキーテクノ
ロジーは、高精度な熱コントロールである。大型集積回
路(超LSI)のますますの微細化と高速化、さらには
低コスト化が要求されるに伴って、超LSIの製造プロ
セスで形成される薄膜は、さらに薄く、高品位が要求さ
れようになっている。
ロジーは、高精度な熱コントロールである。大型集積回
路(超LSI)のますますの微細化と高速化、さらには
低コスト化が要求されるに伴って、超LSIの製造プロ
セスで形成される薄膜は、さらに薄く、高品位が要求さ
れようになっている。
【0003】半導体製造装置の中でも最も古くから主要
装置として使われてきているバッチ式熱拡散装置(縦型
拡散装置)においても、次のような特性条件が求められ
ている。 (オ)処理温度は800〜1100℃と高温、(カ)面
内温度分布が±3℃以下、(キ)処理温度が高いので重
金属汚染が一切ないこと、(ク)昇温降温速度100℃
/min以上が望めること、(ケ)エコロジーの観点か
ら省電力型でなければならないこと、
装置として使われてきているバッチ式熱拡散装置(縦型
拡散装置)においても、次のような特性条件が求められ
ている。 (オ)処理温度は800〜1100℃と高温、(カ)面
内温度分布が±3℃以下、(キ)処理温度が高いので重
金属汚染が一切ないこと、(ク)昇温降温速度100℃
/min以上が望めること、(ケ)エコロジーの観点か
ら省電力型でなければならないこと、
【0004】多数枚(100枚以上)の半導体ウエハを
一度に処理する拡散装置は、プロセス技術の発達の初期
段階においては、多数の半導体ウエハをボート上に縦向
きに並べる横型から発達した。しかし、半導体ウエハの
大口径化と、クリンルーム内に占める床面積を最小にす
るために途中から縦型拡散装置が多用されるようになっ
た。この縦型拡散装置は、ラック状のボートに半導体ウ
エハを5〜6mm間隔に積層し、その周囲からウエハを
加熱し、そこに反応ガスを導入し、熱CVDの手段で処
理するものである。
一度に処理する拡散装置は、プロセス技術の発達の初期
段階においては、多数の半導体ウエハをボート上に縦向
きに並べる横型から発達した。しかし、半導体ウエハの
大口径化と、クリンルーム内に占める床面積を最小にす
るために途中から縦型拡散装置が多用されるようになっ
た。この縦型拡散装置は、ラック状のボートに半導体ウ
エハを5〜6mm間隔に積層し、その周囲からウエハを
加熱し、そこに反応ガスを導入し、熱CVDの手段で処
理するものである。
【0005】この縦型拡散装置は、アウターチューブと
称される石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ
素焼結体の反応管の中に、ガス流路を形成するためもイ
ンナーチューブと称される周面に小さな穴を多数開けた
石英または炭化ケイ素焼結体のパイプを配置し、このイ
ンナーチューブの中にボートが配置される構造になって
いる。反応性ガスはアウターチューブとインナーチュー
ブの間の隙間を流れ、半導体ウエハ上にドーパンドが拡
散し、或いは熱−化学反応によって薄膜が形成される。
アウターチューブの外側は、一般に大気圧となってお
り、所定の温度を得るため、アウターチューブを囲むよ
うに配置された断熱材の内側に発熱線を配線した電気炉
が構成されている。
称される石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ
素焼結体の反応管の中に、ガス流路を形成するためもイ
ンナーチューブと称される周面に小さな穴を多数開けた
石英または炭化ケイ素焼結体のパイプを配置し、このイ
ンナーチューブの中にボートが配置される構造になって
いる。反応性ガスはアウターチューブとインナーチュー
ブの間の隙間を流れ、半導体ウエハ上にドーパンドが拡
散し、或いは熱−化学反応によって薄膜が形成される。
アウターチューブの外側は、一般に大気圧となってお
り、所定の温度を得るため、アウターチューブを囲むよ
うに配置された断熱材の内側に発熱線を配線した電気炉
が構成されている。
【0006】このような電気炉においては、ヒータが酸
素を含む大気中に置かれるので、耐酸化性の高い金属製
のが選ばれている。現在最も高温に耐えるヒータはドイ
ツのカンタル社製の発熱線である。この発熱線は、Cr
が22%、Alが5.5%、残部がFeの合金発熱線で
あり、その最高発熱温度は約1300℃である。炉全体
に必要とされる電力は、60〜80kWの大電力である
ため、線径4〜5mmのカンタル社製の発熱線を10〜
30mmのコイル状とし、これをファインセラミック製
の断熱材の内側に埋め込み、その一部を断熱材から露出
させて、1ブロック分のヒータとしている。
素を含む大気中に置かれるので、耐酸化性の高い金属製
のが選ばれている。現在最も高温に耐えるヒータはドイ
ツのカンタル社製の発熱線である。この発熱線は、Cr
が22%、Alが5.5%、残部がFeの合金発熱線で
あり、その最高発熱温度は約1300℃である。炉全体
に必要とされる電力は、60〜80kWの大電力である
ため、線径4〜5mmのカンタル社製の発熱線を10〜
30mmのコイル状とし、これをファインセラミック製
の断熱材の内側に埋め込み、その一部を断熱材から露出
させて、1ブロック分のヒータとしている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】前記の縦型拡散装
置において、アウターチューブを1000℃以上の温度
に加熱するためには、発熱線を1300℃近くまで発熱
させる必要があり、高温でヒータが断線しやすい。また
円筒形の炉壁に対して発熱線は線状であるため、円筒面
内の温度分布が一様になりなりにくい。さらには、ヒー
タの温度上限が1300℃に制限されるため、アウター
チューブの昇温速度は5〜10℃/minが限界とな
る。そのため、常温から処理可能な温度である1000
℃以上の温度に加熱するまでに時間がかかってしまい、
1処理サイクルの時間が長くなる。
置において、アウターチューブを1000℃以上の温度
に加熱するためには、発熱線を1300℃近くまで発熱
させる必要があり、高温でヒータが断線しやすい。また
円筒形の炉壁に対して発熱線は線状であるため、円筒面
内の温度分布が一様になりなりにくい。さらには、ヒー
タの温度上限が1300℃に制限されるため、アウター
チューブの昇温速度は5〜10℃/minが限界とな
る。そのため、常温から処理可能な温度である1000
℃以上の温度に加熱するまでに時間がかかってしまい、
1処理サイクルの時間が長くなる。
【0008】本発明は、このような従来の縦型拡散装置
に使用されるヒータの課題に鑑み、加熱物をその囲りか
ら効率よく加熱することができ、そのため昇温時間を短
くすることができ、これにより1サイクルの処理時間を
短縮できると共に、併せて消費電力の低減が可能な縦型
加熱炉用円板状ヒータを提供することを目的とする。
に使用されるヒータの課題に鑑み、加熱物をその囲りか
ら効率よく加熱することができ、そのため昇温時間を短
くすることができ、これにより1サイクルの処理時間を
短縮できると共に、併せて消費電力の低減が可能な縦型
加熱炉用円板状ヒータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、加熱物28を囲むように真空空間3を
形成し、この真空空間3内に円板状ヒータ13を設け
る。円板状ヒータ13は、ドーナツ円板形のヒータ部材
51の内周と外周から円周方向に交互に放射状にスリッ
ト53、54を入れて円周方向に蛇行状に連続させたも
のである。このヒータ部材51の互いに離れた3つの位
置に電極56を設け、この電極56を介して三相電源を
接続し、ヒータ部材51に電力を供給するものである。
を達成するため、加熱物28を囲むように真空空間3を
形成し、この真空空間3内に円板状ヒータ13を設け
る。円板状ヒータ13は、ドーナツ円板形のヒータ部材
51の内周と外周から円周方向に交互に放射状にスリッ
ト53、54を入れて円周方向に蛇行状に連続させたも
のである。このヒータ部材51の互いに離れた3つの位
置に電極56を設け、この電極56を介して三相電源を
接続し、ヒータ部材51に電力を供給するものである。
【0010】すなわち、本発明による縦型加熱炉内で加
熱物28を加熱する円板状ヒータは、ドーナツ円板形の
ヒータ部材51の内周と外周から円周方向に交互に放射
状にスリット53、54を入れて円周方向に蛇行状に連
続しているものである。こうすることにより、グラファ
イトヒータの成形体であるヒータ部材51を閉じたサー
クル状に接続することができる。
熱物28を加熱する円板状ヒータは、ドーナツ円板形の
ヒータ部材51の内周と外周から円周方向に交互に放射
状にスリット53、54を入れて円周方向に蛇行状に連
続しているものである。こうすることにより、グラファ
イトヒータの成形体であるヒータ部材51を閉じたサー
クル状に接続することができる。
【0011】このヒータ部材51の互いに離れた3つの
位置に電極56を設けることにより、トライアングル状
の三相結線ヒータを構成することができ、安価な商用三
相電源からヒータ13に電力を供給することが可能とな
る。
位置に電極56を設けることにより、トライアングル状
の三相結線ヒータを構成することができ、安価な商用三
相電源からヒータ13に電力を供給することが可能とな
る。
【0012】このようなヒータ13の構造において、ヒ
ータ13の内周から外周に向かってその断面を薄くする
ことによって、その電気抵抗を調整することができる。
すなわち、円板形のヒータ部材51の内周と外周から円
周方向に交互に放射状にスリット53、54を入れてヒ
ータ13を構成した場合、ヒータ部材51の内周側に比
べて外周側のスリット53、54の間の幅が広くなる。
その分だけヒータ部材51の内周側より外周側の厚さを
薄くすることにより、ヒータ部材51の内周側と外周側
との電流の流れと直交する断面の面積を概ね均等に調整
し、発熱量のばらつきを解消することができる。
ータ13の内周から外周に向かってその断面を薄くする
ことによって、その電気抵抗を調整することができる。
すなわち、円板形のヒータ部材51の内周と外周から円
周方向に交互に放射状にスリット53、54を入れてヒ
ータ13を構成した場合、ヒータ部材51の内周側に比
べて外周側のスリット53、54の間の幅が広くなる。
その分だけヒータ部材51の内周側より外周側の厚さを
薄くすることにより、ヒータ部材51の内周側と外周側
との電流の流れと直交する断面の面積を概ね均等に調整
し、発熱量のばらつきを解消することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
まず、図1により、本発明による円板状ヒータが使用さ
れる縦型加熱炉について説明する。図1では、ラック状
のボート27に円板形の半導体ウエハである加熱物28
を装填し、この加熱物28を上下に間隔をあけて並べて
保持した状態で熱CVD処理する縦型加熱炉の全体を示
している。
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
まず、図1により、本発明による円板状ヒータが使用さ
れる縦型加熱炉について説明する。図1では、ラック状
のボート27に円板形の半導体ウエハである加熱物28
を装填し、この加熱物28を上下に間隔をあけて並べて
保持した状態で熱CVD処理する縦型加熱炉の全体を示
している。
【0014】前記のボート27は、円盤状の耐熱部材か
らなるベース板1に取り付けたエレベータ23に取り付
けられ、ベース板1の上方で上下動される。べース板1
からは円筒形のインナーチューブ8が立設され、このイ
ンナーチューブ8が前記ボート27に搭載された加熱物
28をその周囲から囲む。このインナーチューブ8は、
石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結体
等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。こ
のインナーチューブ8の周壁には多数の通孔が開設さ
れ、インナーチューブ8の上端は開口している。
らなるベース板1に取り付けたエレベータ23に取り付
けられ、ベース板1の上方で上下動される。べース板1
からは円筒形のインナーチューブ8が立設され、このイ
ンナーチューブ8が前記ボート27に搭載された加熱物
28をその周囲から囲む。このインナーチューブ8は、
石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結体
等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。こ
のインナーチューブ8の周壁には多数の通孔が開設さ
れ、インナーチューブ8の上端は開口している。
【0015】ベース板1は、その上面外周部分がリング
状の耐熱部材からなる継手2に気密に接合されており、
この継手2には、円筒形の真空容器4の下部周壁5の下
端部が気密に接合されている。すなわち、真空容器4の
下部周壁5の下端部が前記継手2を介して気密に取り付
けた前記ベース板1によって閉じられている。
状の耐熱部材からなる継手2に気密に接合されており、
この継手2には、円筒形の真空容器4の下部周壁5の下
端部が気密に接合されている。すなわち、真空容器4の
下部周壁5の下端部が前記継手2を介して気密に取り付
けた前記ベース板1によって閉じられている。
【0016】真空容器4は、下部周壁5と上部周壁6と
を有し、これら円筒形の下部周壁5と上部周壁6とがフ
ランジ継手7を介して気密に接合され、全体として円筒
形の周壁が構成されている。さらに、真空容器4は、円
板状の蓋体16を有し、この蓋体16が前記上部周壁6
の上端を気密に閉じる。下部周壁5と上部周壁6、その
下端を閉じるベース板1及び上端を閉じる蓋体16によ
り、真空容器4は気密な圧力容器として構成されてい
る。
を有し、これら円筒形の下部周壁5と上部周壁6とがフ
ランジ継手7を介して気密に接合され、全体として円筒
形の周壁が構成されている。さらに、真空容器4は、円
板状の蓋体16を有し、この蓋体16が前記上部周壁6
の上端を気密に閉じる。下部周壁5と上部周壁6、その
下端を閉じるベース板1及び上端を閉じる蓋体16によ
り、真空容器4は気密な圧力容器として構成されてい
る。
【0017】真空容器4の外面には、冷却パイプ20が
取り付けられ、この冷却パイプ20に流通する水、その
他の冷却液により、真空容器4が冷却されるようになっ
ている。真空容器4の下部周壁5には、真空バルブ22
を介して真空ポンプ21が接続されている。また、真空
容器4の蓋体16には、ガス導入口18が接続され、こ
のガス導入口18はマスフローコントローラ19を介し
てガス供給源(図示せず)に接続されている。
取り付けられ、この冷却パイプ20に流通する水、その
他の冷却液により、真空容器4が冷却されるようになっ
ている。真空容器4の下部周壁5には、真空バルブ22
を介して真空ポンプ21が接続されている。また、真空
容器4の蓋体16には、ガス導入口18が接続され、こ
のガス導入口18はマスフローコントローラ19を介し
てガス供給源(図示せず)に接続されている。
【0018】真空容器4の内面、具体的には真空容器4
の下部周壁5、上部周壁6及び蓋体16の内側にグラフ
ァイト製等の断熱材10が挿入されている。この断熱材
10は、真空容器4の内側に赤外線を反射する反射部材
に代えることができ、また断熱材10の内面に反射面を
形成してもよい。
の下部周壁5、上部周壁6及び蓋体16の内側にグラフ
ァイト製等の断熱材10が挿入されている。この断熱材
10は、真空容器4の内側に赤外線を反射する反射部材
に代えることができ、また断熱材10の内面に反射面を
形成してもよい。
【0019】真空容器4の下部周壁5の下端に内側に張
り出したフランジを有し、このフランジと前記継手2の
内側に張り出したフランジとの間に、アウターチューブ
9の下端部から外側に張り出したフランジが気密に挟持
され、これによってアウターチューブ9が真空容器4の
内部に立設されている。また、ベース板1と継手2は水
路(図示せず)を有し、その流水によって冷却される。
このアウターチューブ9は、インナーチューブ8と同様
に石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結
体等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。
り出したフランジを有し、このフランジと前記継手2の
内側に張り出したフランジとの間に、アウターチューブ
9の下端部から外側に張り出したフランジが気密に挟持
され、これによってアウターチューブ9が真空容器4の
内部に立設されている。また、ベース板1と継手2は水
路(図示せず)を有し、その流水によって冷却される。
このアウターチューブ9は、インナーチューブ8と同様
に石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結
体等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。
【0020】アウターチューブ9は上端を閉じた円筒形
を呈し、その下端部のフランジは、真空容器4の下部周
壁5と継手2との間に気密に挟持されているため、この
アウターチューブ9は、前記インナーチューブ8の周囲
を気密に囲み、その内側に気密な空間を形成している。
また、このアウターチューブ9の外側は、真空容器4と
共に気密な空間3を形成しており、前記真空ポンプ21
を稼働してこの空間3からガス分子を排除することによ
り、アウターチューブ9と真空容器4との間に真空空間
3を形成することができる。この真空空間3は、アウタ
ーチューブ9の周囲と上面を囲んでいる。
を呈し、その下端部のフランジは、真空容器4の下部周
壁5と継手2との間に気密に挟持されているため、この
アウターチューブ9は、前記インナーチューブ8の周囲
を気密に囲み、その内側に気密な空間を形成している。
また、このアウターチューブ9の外側は、真空容器4と
共に気密な空間3を形成しており、前記真空ポンプ21
を稼働してこの空間3からガス分子を排除することによ
り、アウターチューブ9と真空容器4との間に真空空間
3を形成することができる。この真空空間3は、アウタ
ーチューブ9の周囲と上面を囲んでいる。
【0021】この真空空間3の断熱材10の内側には、
前記のアウターチューブ9を囲んでヒータ12、13が
配置されている。アウターチューブ9の周囲には、円筒
状ヒータ12が配置され、この円筒状ヒータ12は、ア
ウターチューブ9の周囲を円筒状に囲んでいる。後述す
るように、この円筒状ヒータ12の3本の端子26を絶
縁した状態で真空容器4の外に取り出し、電源に接続す
る。
前記のアウターチューブ9を囲んでヒータ12、13が
配置されている。アウターチューブ9の周囲には、円筒
状ヒータ12が配置され、この円筒状ヒータ12は、ア
ウターチューブ9の周囲を円筒状に囲んでいる。後述す
るように、この円筒状ヒータ12の3本の端子26を絶
縁した状態で真空容器4の外に取り出し、電源に接続す
る。
【0022】また、アウターチューブ9の上端面には、
後述する円板状ヒータ13が対向している。この円板状
ヒータ13の端子56を絶縁状態で真空容器4の外に取
り出し、電源に接続する。前記ベース板1には、インナ
ーチューブ8とアウターチューブ9との間の空間に反応
ガスを導入する反応ガス導入口24と、インナーチュー
ブ8の内側の空間から反応ガスを排出する反応ガス排出
口25とが設けられている。
後述する円板状ヒータ13が対向している。この円板状
ヒータ13の端子56を絶縁状態で真空容器4の外に取
り出し、電源に接続する。前記ベース板1には、インナ
ーチューブ8とアウターチューブ9との間の空間に反応
ガスを導入する反応ガス導入口24と、インナーチュー
ブ8の内側の空間から反応ガスを排出する反応ガス排出
口25とが設けられている。
【0023】このような構造を有する縦型加熱炉では、
真空空間3に配置された円筒状ヒータ12と円板状ヒー
タ13とでアウターチューブ9をその周囲から加熱し、
加熱物28を加熱処理するとき、アウターチューブ9の
周囲が真空断熱層となる真空空間3で囲まれているの
で、高い断熱性が得られる。これにより、円筒状ヒータ
12と円板状ヒータ13によるアウターチューブ9の加
熱を効率よく行うことができ、アウターチューブ9内の
昇温速度を速く、且つ加熱物の円周方向の温度の均熱性
を保って加熱することが可能となる。
真空空間3に配置された円筒状ヒータ12と円板状ヒー
タ13とでアウターチューブ9をその周囲から加熱し、
加熱物28を加熱処理するとき、アウターチューブ9の
周囲が真空断熱層となる真空空間3で囲まれているの
で、高い断熱性が得られる。これにより、円筒状ヒータ
12と円板状ヒータ13によるアウターチューブ9の加
熱を効率よく行うことができ、アウターチューブ9内の
昇温速度を速く、且つ加熱物の円周方向の温度の均熱性
を保って加熱することが可能となる。
【0024】さらに、ヒータ12、13が真空空間3に
配置されているので、ヒータ12、13の高温下での酸
化によるヒータ12、13の早期の断線等が起こりにく
くなる。むしろ、酸化を考慮せずに任意のヒータ12、
13を選択することができ、前述のようなグラファイト
からなるヒータ12、13を使用することができる。
配置されているので、ヒータ12、13の高温下での酸
化によるヒータ12、13の早期の断線等が起こりにく
くなる。むしろ、酸化を考慮せずに任意のヒータ12、
13を選択することができ、前述のようなグラファイト
からなるヒータ12、13を使用することができる。
【0025】さらに、加熱物28の加熱処理が終わり、
ヒータ12、13の発熱を停止したとき、前記ガス導入
口18から真空空間3にガスを導入することにより、ア
ウターチューブ9内をその周囲から強制冷却することも
できる。これにより、加熱処理後のアウターチューブ9
内の降温速度を早くすることができ、アウターチューブ
9内を短時間で常温に戻すことができる。
ヒータ12、13の発熱を停止したとき、前記ガス導入
口18から真空空間3にガスを導入することにより、ア
ウターチューブ9内をその周囲から強制冷却することも
できる。これにより、加熱処理後のアウターチューブ9
内の降温速度を早くすることができ、アウターチューブ
9内を短時間で常温に戻すことができる。
【0026】冷却ガスは真空ポンプ21で排気しなが
ら、常に冷えた冷却ガスを導入する。真空空間3内の温
度が高いときは、冷却ガスとして窒素ガスやアルゴンガ
ス等の不活性ガスを使用する。そして、真空空間3内の
温度が或る程度下がったときに、冷却ガスとして空気を
使用するようにすれば、真空容器4の酸化やヒータ1
2、13の焼失等が起こらない。
ら、常に冷えた冷却ガスを導入する。真空空間3内の温
度が高いときは、冷却ガスとして窒素ガスやアルゴンガ
ス等の不活性ガスを使用する。そして、真空空間3内の
温度が或る程度下がったときに、冷却ガスとして空気を
使用するようにすれば、真空容器4の酸化やヒータ1
2、13の焼失等が起こらない。
【0027】図2に、アウターチューブ9の周囲を囲む
円筒状ヒータ12の例を示す。この円筒状ヒータ12
は、長尺な板状のヒータ部材31、このヒータ部材31
の上端を接続するための接続ブロック32、この接続ブ
ロック32を放射状に固定するための固定リング33及
び一部の接続ブロック32に取り付けられる棒状の端子
36とを有する。図示の例では、ヒータ部材31と接続
ブロック32とが12個ずつ使用され、端子36が3本
使用されている。ヒータ部材31と接続ブロック32の
数は、ヒータ12の全体としての径の大きさ等に応じて
任意に設定できる。
円筒状ヒータ12の例を示す。この円筒状ヒータ12
は、長尺な板状のヒータ部材31、このヒータ部材31
の上端を接続するための接続ブロック32、この接続ブ
ロック32を放射状に固定するための固定リング33及
び一部の接続ブロック32に取り付けられる棒状の端子
36とを有する。図示の例では、ヒータ部材31と接続
ブロック32とが12個ずつ使用され、端子36が3本
使用されている。ヒータ部材31と接続ブロック32の
数は、ヒータ12の全体としての径の大きさ等に応じて
任意に設定できる。
【0028】固定リング33は、Al2O3、BN、Si
3N4等の耐熱性絶縁セラミックからなるリング状のもの
である。グラファイトやセラミック等で作られたネジ3
5により、固定リング33の外周側に12個の接続ブロ
ック32を等角度間隔で放射状に固定するもので、その
ためのネジ孔を有している。
3N4等の耐熱性絶縁セラミックからなるリング状のもの
である。グラファイトやセラミック等で作られたネジ3
5により、固定リング33の外周側に12個の接続ブロ
ック32を等角度間隔で放射状に固定するもので、その
ためのネジ孔を有している。
【0029】接続ブロック32は、後述するヒータ部材
31と同材質のグラファイトからなるもので、図3に示
すように、個々の接続ブロック32は、平面形状が5角
形を呈している。その幅は、円を12等分した幅よりや
や狭い。この接続ブロック32の基端側の上面は一段低
くなっており、そこにはネジ孔40が設けられている。
さらに、先端面は、対象な2つの面が150゜の角度で
交差しておりそれら2つの先端面には、ネジ孔39が設
けられている。
31と同材質のグラファイトからなるもので、図3に示
すように、個々の接続ブロック32は、平面形状が5角
形を呈している。その幅は、円を12等分した幅よりや
や狭い。この接続ブロック32の基端側の上面は一段低
くなっており、そこにはネジ孔40が設けられている。
さらに、先端面は、対象な2つの面が150゜の角度で
交差しておりそれら2つの先端面には、ネジ孔39が設
けられている。
【0030】接続ブロック32の少なくとも3個には、
その基端側より一段高くなった先端側の上面に、電極3
6の下端を固定するためのネジ孔38が設けられてい
る。また、図2に示すように、接続ブロック32の少な
くとも3個には、前記のネジ孔38に代えて、電極36
より径の大きな通孔46が設けられている。
その基端側より一段高くなった先端側の上面に、電極3
6の下端を固定するためのネジ孔38が設けられてい
る。また、図2に示すように、接続ブロック32の少な
くとも3個には、前記のネジ孔38に代えて、電極36
より径の大きな通孔46が設けられている。
【0031】図2及び図3に示すように、ヒータ部材3
1は、上端から下端近くまで中央にスリット42を設け
た長尺なグラファイト板からなっている。すなわち、こ
のヒータ部材31は、上端から下端近くまでスリット4
2を入れ、事実上U字形に連なった長尺板状のグラファ
イト板である。その上端には、ネジを通す通孔41が設
けられている。
1は、上端から下端近くまで中央にスリット42を設け
た長尺なグラファイト板からなっている。すなわち、こ
のヒータ部材31は、上端から下端近くまでスリット4
2を入れ、事実上U字形に連なった長尺板状のグラファ
イト板である。その上端には、ネジを通す通孔41が設
けられている。
【0032】図2に示すように、接続ブロック32は、
固定リング33の外周側に等角度間隔で配列され、この
状態で接続ブロック32の上面が一段低くなった基端側
が固定リング33のネジ孔に通したグラファイト製のネ
ジ35で固定される。このネジ35は、図3に示した接
続ブロック32の前記ネジ孔40に締め込まれる。この
状態では、接続ブロック32が円周方向に間隔を置いた
状態で固定リング33の外周に放射状に配列される。
固定リング33の外周側に等角度間隔で配列され、この
状態で接続ブロック32の上面が一段低くなった基端側
が固定リング33のネジ孔に通したグラファイト製のネ
ジ35で固定される。このネジ35は、図3に示した接
続ブロック32の前記ネジ孔40に締め込まれる。この
状態では、接続ブロック32が円周方向に間隔を置いた
状態で固定リング33の外周に放射状に配列される。
【0033】なお、電極36を取り付けるためのネジ孔
38を有する接続ブロック32が3つおきに配置され
る。そしてこれらの接続ブロック32のネジ孔38に電
極36の下端のネジ37をねじ込み、電極36を固定す
る。また、通孔46を有する接続ブロック32も3つお
きに配置され、ネジ孔38を有する接続ブロック32と
通孔46を有する接続ブロック32との間に1つずつの
接続ブロック32が配置される。
38を有する接続ブロック32が3つおきに配置され
る。そしてこれらの接続ブロック32のネジ孔38に電
極36の下端のネジ37をねじ込み、電極36を固定す
る。また、通孔46を有する接続ブロック32も3つお
きに配置され、ネジ孔38を有する接続ブロック32と
通孔46を有する接続ブロック32との間に1つずつの
接続ブロック32が配置される。
【0034】接続ブロック32の先端面には、前記ヒー
タ部材31の上端を固定し、隣接するヒータ部材31を
接続ブロック32を介して順次接続する。すなわち、ヒ
ータ部材31のスリット42の両側の一対の上端を隣接
する接続ブロック32の先端面に当て、ヒータ部材31
の上端の通孔41(図3参照)にネジ34を通し、これ
を接続ブロック32の先端面のネジ孔39(図3参照)
にねじ込んで締め込む。このようにして、12本のヒー
タ部材31の一対の上端を隣接する接続ブロック32の
先端面にそれぞれ固定し、これらヒータ部材31を円筒
状に配列すると共に、これらヒータ部材31を接続ブロ
ック32を介して閉じたループ状に直列に接続する。
タ部材31の上端を固定し、隣接するヒータ部材31を
接続ブロック32を介して順次接続する。すなわち、ヒ
ータ部材31のスリット42の両側の一対の上端を隣接
する接続ブロック32の先端面に当て、ヒータ部材31
の上端の通孔41(図3参照)にネジ34を通し、これ
を接続ブロック32の先端面のネジ孔39(図3参照)
にねじ込んで締め込む。このようにして、12本のヒー
タ部材31の一対の上端を隣接する接続ブロック32の
先端面にそれぞれ固定し、これらヒータ部材31を円筒
状に配列すると共に、これらヒータ部材31を接続ブロ
ック32を介して閉じたループ状に直列に接続する。
【0035】このようにして組み立てられたヒータ12
は、図1に示すようにして真空容器4とアウターチュー
ブ9との間に挿入され、真空空間3に配置される。電極
36は、真空容器4の蓋体26から絶縁部材を介して真
空容器4の外部に気密に引き出し、電源に接続する。互
いに離れた3つの接続部材32に前記の電極36を、を
設けることにより、閉じたループ状に接続されたヒータ
部材31の3カ所設けた電極36を介して電源を接続す
ることになる。これにより、トライアングル状の三相結
線ヒータを構成することができ、三相電源からヒータに
電力を供給することが可能となる。
は、図1に示すようにして真空容器4とアウターチュー
ブ9との間に挿入され、真空空間3に配置される。電極
36は、真空容器4の蓋体26から絶縁部材を介して真
空容器4の外部に気密に引き出し、電源に接続する。互
いに離れた3つの接続部材32に前記の電極36を、を
設けることにより、閉じたループ状に接続されたヒータ
部材31の3カ所設けた電極36を介して電源を接続す
ることになる。これにより、トライアングル状の三相結
線ヒータを構成することができ、三相電源からヒータに
電力を供給することが可能となる。
【0036】図4は、前述のようなヒータ12に使用さ
れるヒータ部材31の例を示すものである。図4(a)
は、図1及び図2により前述したヒータ部材31であ
り、その断面形状は、上下両端を除いて全体に等しい。
この図4(a)のヒータ部材31を標準的なものとする
と、図4(b)〜(d)は、ヒータ部材31の下端をト
リミングし、その断面積を一部小さくしている。
れるヒータ部材31の例を示すものである。図4(a)
は、図1及び図2により前述したヒータ部材31であ
り、その断面形状は、上下両端を除いて全体に等しい。
この図4(a)のヒータ部材31を標準的なものとする
と、図4(b)〜(d)は、ヒータ部材31の下端をト
リミングし、その断面積を一部小さくしている。
【0037】図4(b)は、ヒータ部材31の下端側の
両側をトリミングして切欠43を設け、これによりヒー
タ部材31の下端側の断面積を一部小さくしている。図
4(c)は、ヒータ部材31の下端側の両側に孔44を
設け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一
部小さくしている。さらに、図4(d)は、ヒータ部材
31の下端側を厚さ方向にトリミングして削除部45設
け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一部
小さくしている。何れの場合も、ヒータ部材31の下端
側の断面積が一部小さくなることにより、単位面積当た
りの電流密度がその分だけ大きくなり、電気抵抗が増大
し、ヒータ部材31の下端部の発熱量を増大させること
ができる。
両側をトリミングして切欠43を設け、これによりヒー
タ部材31の下端側の断面積を一部小さくしている。図
4(c)は、ヒータ部材31の下端側の両側に孔44を
設け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一
部小さくしている。さらに、図4(d)は、ヒータ部材
31の下端側を厚さ方向にトリミングして削除部45設
け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一部
小さくしている。何れの場合も、ヒータ部材31の下端
側の断面積が一部小さくなることにより、単位面積当た
りの電流密度がその分だけ大きくなり、電気抵抗が増大
し、ヒータ部材31の下端部の発熱量を増大させること
ができる。
【0038】図5は、アウターチューブ9の上面に対向
させた本発明による円板状ヒータ13を示している。こ
れらの図に示すように、円板状ヒータ13は、グラファ
イトからなるヒータ部材51からなり、このヒータ部材
51は、中央にセンターホール52を有するドーナツ円
板状のものである。このヒータ部材51は、そのセンタ
ーホール52の周囲の部分が厚く、外周部分にわたって
次第に薄くなるような勾配を有している。
させた本発明による円板状ヒータ13を示している。こ
れらの図に示すように、円板状ヒータ13は、グラファ
イトからなるヒータ部材51からなり、このヒータ部材
51は、中央にセンターホール52を有するドーナツ円
板状のものである。このヒータ部材51は、そのセンタ
ーホール52の周囲の部分が厚く、外周部分にわたって
次第に薄くなるような勾配を有している。
【0039】図5(a)に示すように、ヒータ部材51
の内周と外周から円周方向に交互に放射状にスリット5
3、54が形成され、これによりヒータ部材51は、そ
の円周方向に向けて蛇行するように連続している。これ
により、グラファイト製の成形体であるヒータ部材51
を閉じたサークル状に接続することができる。そして、
ヒータ部材51の外周部の120゜ずつはなれた3点に
は、部分的に平面の電極取付部55が形成され、ここに
棒状のグラファイトからなる電極56が立設されてい
る。
の内周と外周から円周方向に交互に放射状にスリット5
3、54が形成され、これによりヒータ部材51は、そ
の円周方向に向けて蛇行するように連続している。これ
により、グラファイト製の成形体であるヒータ部材51
を閉じたサークル状に接続することができる。そして、
ヒータ部材51の外周部の120゜ずつはなれた3点に
は、部分的に平面の電極取付部55が形成され、ここに
棒状のグラファイトからなる電極56が立設されてい
る。
【0040】前記電極56は、前述した第一のヒータ1
2の接続ブロック32の通孔46を非接触で貫通し、さ
らに真空容器4の蓋体26から絶縁部材を介して真空容
器4の外部に気密に引き出し、電源に接続する。前記の
電極56は、閉じたループ状に接続されたヒータ部材5
1の3カ所に等間隔で設けられているため、トライアン
グル状の三相結線ヒータを構成することができ、三相電
源からヒータに電力を供給することが可能となる。
2の接続ブロック32の通孔46を非接触で貫通し、さ
らに真空容器4の蓋体26から絶縁部材を介して真空容
器4の外部に気密に引き出し、電源に接続する。前記の
電極56は、閉じたループ状に接続されたヒータ部材5
1の3カ所に等間隔で設けられているため、トライアン
グル状の三相結線ヒータを構成することができ、三相電
源からヒータに電力を供給することが可能となる。
【0041】このようなヒータ部材51の形状では、図
5(a)に示すように、ヒータ部材51の内周側に比べ
て外周側のスリット53、54の間の幅が広くなる。図
5(b)に示すように、その分だけヒータ部材51の内
周側より外周側の厚さを薄くすることにより、ヒータ部
材51の内周側と外周側との電流の流れと直交する断面
の面積を概ね均等に調整し、発熱量のばらつきを解消す
ることができる。
5(a)に示すように、ヒータ部材51の内周側に比べ
て外周側のスリット53、54の間の幅が広くなる。図
5(b)に示すように、その分だけヒータ部材51の内
周側より外周側の厚さを薄くすることにより、ヒータ部
材51の内周側と外周側との電流の流れと直交する断面
の面積を概ね均等に調整し、発熱量のばらつきを解消す
ることができる。
【0042】図6は、図1に示すような縦型加熱炉の試
験機を使用し、加熱試験を行った結果であり、加熱時に
おける円筒状ヒータ12の中心軸上の温度分布を測定し
た結果を示している。真空容器3はAl製とし、その高
さは1204mm、直径500mmとした。円筒状ヒー
タ12は、高さ1002mm、幅85.2mm、スリッ
ト幅8mm、厚さ5mmのグラファイト製長尺板状の1
2枚のヒータ部材31を、直径360mmの円筒形配列
とした。
験機を使用し、加熱試験を行った結果であり、加熱時に
おける円筒状ヒータ12の中心軸上の温度分布を測定し
た結果を示している。真空容器3はAl製とし、その高
さは1204mm、直径500mmとした。円筒状ヒー
タ12は、高さ1002mm、幅85.2mm、スリッ
ト幅8mm、厚さ5mmのグラファイト製長尺板状の1
2枚のヒータ部材31を、直径360mmの円筒形配列
とした。
【0043】加熱物28としては、高さ860mm、直
径266mmのSiC製のインナーチューブ8の中のボ
ート27に8インチのシリコンウエハを100枚装填し
た。ここでは、加熱物である半導体ウエハのボート上の
装填ピッチを6.35mmとし、温度測定位置をその半
導体ウエハの位置(ボートの段数)で表してある。1段
目が最上位である。真空空間3を1×10-4Paに減圧
した状態で、前記円筒状ヒータ12、円板状ヒータ13
に電流380〜390A、電圧75V、電力50kWの
三相交流を流し、加熱試験を行っている。
径266mmのSiC製のインナーチューブ8の中のボ
ート27に8インチのシリコンウエハを100枚装填し
た。ここでは、加熱物である半導体ウエハのボート上の
装填ピッチを6.35mmとし、温度測定位置をその半
導体ウエハの位置(ボートの段数)で表してある。1段
目が最上位である。真空空間3を1×10-4Paに減圧
した状態で、前記円筒状ヒータ12、円板状ヒータ13
に電流380〜390A、電圧75V、電力50kWの
三相交流を流し、加熱試験を行っている。
【0044】所定の温度に位置すべき領域の最下段位置
(目標均熱最下段位置)を上から80段目までとし、ヒ
ータ12、13の加熱温度調整は、最上段(上面温調位
置)と、前記目標均熱最下段位置のほぼ中間位置(側面
温調位置=48段)との2点で行った。
(目標均熱最下段位置)を上から80段目までとし、ヒ
ータ12、13の加熱温度調整は、最上段(上面温調位
置)と、前記目標均熱最下段位置のほぼ中間位置(側面
温調位置=48段)との2点で行った。
【0045】白印が円筒状ヒータ12と円板状ヒータ1
3の双方に電力を供給して発熱させた結果であり、黒印
が側面(周面)の円筒状ヒータ12のみに電力を供給し
て発熱させた結果である。何れも、合計で毎時3kW、
4.2kW、5.4kW、6.5kWの電力を供給し、
加熱開始から10分以上経過し、温度が定常状態に達し
たときの測定結果を示す。
3の双方に電力を供給して発熱させた結果であり、黒印
が側面(周面)の円筒状ヒータ12のみに電力を供給し
て発熱させた結果である。何れも、合計で毎時3kW、
4.2kW、5.4kW、6.5kWの電力を供給し、
加熱開始から10分以上経過し、温度が定常状態に達し
たときの測定結果を示す。
【0046】また、図7は、円筒状ヒータ12のみに7
kWの電力を供給し、加熱開始から10分以上経過し、
温度が定常状態に達したときの温度測定結果を示す。こ
のグラフは、図6に比べて縦軸の温度を拡大して示して
ある。これら図6及び図7に示すように、段数100段
までの温度分布を見ると、円筒状ヒータ12のみを発熱
させた場合、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸の
ウエハ段数1〜100段をθとした場合θが約0〜18
0゜の範囲の正弦曲線に近似する。また、円筒状ヒータ
12と円板状ヒータ13の双方を発熱させ、両ヒーター
12、13が共に900℃になるよう温度を調節した場
合は、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸のウエハ
段数1〜100段をθとした場合、θが約0〜180゜
の範囲の余弦曲線に近似し、1段目がθ=0となる。
kWの電力を供給し、加熱開始から10分以上経過し、
温度が定常状態に達したときの温度測定結果を示す。こ
のグラフは、図6に比べて縦軸の温度を拡大して示して
ある。これら図6及び図7に示すように、段数100段
までの温度分布を見ると、円筒状ヒータ12のみを発熱
させた場合、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸の
ウエハ段数1〜100段をθとした場合θが約0〜18
0゜の範囲の正弦曲線に近似する。また、円筒状ヒータ
12と円板状ヒータ13の双方を発熱させ、両ヒーター
12、13が共に900℃になるよう温度を調節した場
合は、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸のウエハ
段数1〜100段をθとした場合、θが約0〜180゜
の範囲の余弦曲線に近似し、1段目がθ=0となる。
【0047】この結果、本発明による円板状ヒータ13
を前記のような円筒状ヒータ12と組み合わせ、円筒状
ヒータ12の上端側に円板状ヒータ13を配置し、この
円板状ヒータ13への電力の供給をオン−オフすること
により、円筒状ヒータ12の中心軸上の温度分布を、正
弦曲線と余弦曲線とに切り替えることができる。また例
えば、図4に示すようなトリミング手段により、ヒータ
部材31の電流の流れと垂直な断面Aを温度分布に対応
した正弦曲線や余弦曲線とすることにより、加熱物を加
熱するエリアの温度分布を一定にすることもできる。
を前記のような円筒状ヒータ12と組み合わせ、円筒状
ヒータ12の上端側に円板状ヒータ13を配置し、この
円板状ヒータ13への電力の供給をオン−オフすること
により、円筒状ヒータ12の中心軸上の温度分布を、正
弦曲線と余弦曲線とに切り替えることができる。また例
えば、図4に示すようなトリミング手段により、ヒータ
部材31の電流の流れと垂直な断面Aを温度分布に対応
した正弦曲線や余弦曲線とすることにより、加熱物を加
熱するエリアの温度分布を一定にすることもできる。
【0048】図8は図4(d)に示すように、5mm板
厚のグラファイト製のヒータ部材31の先端部を2mm
までトリミングしたものを使用した円筒状ヒータ12
と、図4(a)に示すようなトリミングしていないヒー
タ部材31を使用した円筒状ヒータ12とについて、加
熱温度分布を比較したグラフである。
厚のグラファイト製のヒータ部材31の先端部を2mm
までトリミングしたものを使用した円筒状ヒータ12
と、図4(a)に示すようなトリミングしていないヒー
タ部材31を使用した円筒状ヒータ12とについて、加
熱温度分布を比較したグラフである。
【0049】トリミングされたヒータ部材31は、上か
らウエハの80枚目に対応する位置まで5mmの厚さで
あり、80枚以降に対応するヒータ部材31の厚さは2
mmまで薄くしてある。トリミングされていない均一な
5mmの厚さのヒータ部材31を使用した場合、余弦曲
線のθ=0がウエハの1枚目であるのに対して、5mm
−2mmにトリミングしたヒータ部材31の場合、その
余弦曲線のθ=0は、ウエハの70枚目までシフトした
曲線になっている。すなわち約70枚目までは均一加熱
が達成されたことになる。
らウエハの80枚目に対応する位置まで5mmの厚さで
あり、80枚以降に対応するヒータ部材31の厚さは2
mmまで薄くしてある。トリミングされていない均一な
5mmの厚さのヒータ部材31を使用した場合、余弦曲
線のθ=0がウエハの1枚目であるのに対して、5mm
−2mmにトリミングしたヒータ部材31の場合、その
余弦曲線のθ=0は、ウエハの70枚目までシフトした
曲線になっている。すなわち約70枚目までは均一加熱
が達成されたことになる。
【0050】このときトリミングされたヒータ部材31
でも、トリミングされていないヒータ部材31でも、9
00℃を維持するために必要な電力は上面の円板状ヒー
タ13が2kW、周囲の円筒状ヒータ12が5kWでそ
のトータル7kWは同じである。すなわち、トリミング
された部分の電気抵抗が上がり、ここの部分の発熱量が
増すために、余弦曲線がシフトしていることを意味して
いる。従って、トリミング比を5:2以上に増すことに
よって、またその位置を右側にシフトし、余弦曲線のθ
=0の位置を80枚以上に延ばせることになる。
でも、トリミングされていないヒータ部材31でも、9
00℃を維持するために必要な電力は上面の円板状ヒー
タ13が2kW、周囲の円筒状ヒータ12が5kWでそ
のトータル7kWは同じである。すなわち、トリミング
された部分の電気抵抗が上がり、ここの部分の発熱量が
増すために、余弦曲線がシフトしていることを意味して
いる。従って、トリミング比を5:2以上に増すことに
よって、またその位置を右側にシフトし、余弦曲線のθ
=0の位置を80枚以上に延ばせることになる。
【0051】また図8に示した加熱平衡状態において、
同一ウエハ内の12点の温度計測点の温度のバラツキ
は、ウエハの7段目から67段目のすべてにおいて±
0.3℃に治まっており、本発明の効異が発揮されてい
ることがわかる。これはとりもなおさず、板状のグラフ
ァイト製のヒータ部材31が円筒状に複数配置された円
筒状面発熱体の中心軸上に加熱物が配置された効果であ
る。
同一ウエハ内の12点の温度計測点の温度のバラツキ
は、ウエハの7段目から67段目のすべてにおいて±
0.3℃に治まっており、本発明の効異が発揮されてい
ることがわかる。これはとりもなおさず、板状のグラフ
ァイト製のヒータ部材31が円筒状に複数配置された円
筒状面発熱体の中心軸上に加熱物が配置された効果であ
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による縦型加
熱炉用円板状ヒータでは、加熱効率のより円板状のヒー
タ部材51を円周方向に蛇行状に連続させているので、
短時間でアウターチューブの上端を高温に加熱できる。
これにより、1サイクルの処理時間を短縮できると共
に、消費電力の低減が可能な縦型加熱炉を容易に構成で
きる。
熱炉用円板状ヒータでは、加熱効率のより円板状のヒー
タ部材51を円周方向に蛇行状に連続させているので、
短時間でアウターチューブの上端を高温に加熱できる。
これにより、1サイクルの処理時間を短縮できると共
に、消費電力の低減が可能な縦型加熱炉を容易に構成で
きる。
【0053】また、このヒータ部材51の離れた3つの
位置に電極56を設けることにより、三相電源からヒー
タ12に電力を供給することが可能となる。さらに、ヒ
ータ13の内周から外周に向かってその断面を薄くする
ことによって、ヒータ部材51の内周側と外周側との電
流の流れと直交する断面の面積を概ね均等に調整し、発
熱量のばらつきを解消することができる。
位置に電極56を設けることにより、三相電源からヒー
タ12に電力を供給することが可能となる。さらに、ヒ
ータ13の内周から外周に向かってその断面を薄くする
ことによって、ヒータ部材51の内周側と外周側との電
流の流れと直交する断面の面積を概ね均等に調整し、発
熱量のばらつきを解消することができる。
【図1】本発明による縦型加熱炉の例を示す概略縦断側
面図である。
面図である。
【図2】同縦型加熱炉に使用される円筒形ヒータの一例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図3】同円筒形ヒータの一部の構成部材を示す分解斜
視図である。
視図である。
【図4】同円筒形ヒータに使用される板状のヒータ部材
の各例を示す斜視図である。
の各例を示す斜視図である。
【図5】本発明による縦型加熱装炉用円板形ヒータの一
例を示す平面図とそのA−A線縦断側面図である。
例を示す平面図とそのA−A線縦断側面図である。
【図6】前記縦型加熱炉により加熱試験を行った結果と
して半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を示す
グラフである。
して半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を示す
グラフである。
【図7】前記縦型加熱炉の例により加熱試験を行った結
果として半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を
示すグラフである。
果として半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を
示すグラフである。
【図8】本発明による縦型加熱装置において、トリミン
グされたヒータ部材を使用した円筒状ヒータとトリミン
グされてないヒータ部材を使用した円筒状ヒータとの加
熱比較試験を行った結果として半導体ウエハの装填位置
と温度分布との関係を示すグラフである。
グされたヒータ部材を使用した円筒状ヒータとトリミン
グされてないヒータ部材を使用した円筒状ヒータとの加
熱比較試験を行った結果として半導体ウエハの装填位置
と温度分布との関係を示すグラフである。
3 真空空間 13 円板状ヒータ 51 ヒータ部材 53 ヒータ部材のスリット 54 ヒータ部材のスリット 56 電極
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/14 H01L 21/22 511 H05B 3/03 H05B 3/64 H05B 3/20
Claims (3)
- 【請求項1】 加熱物(28)を加熱する円板状のヒー
タであって、ドーナツ円板形のヒータ部材(51)の内
周と外周から円周方向に交互に放射状にスリット(5
3)、(54)を入れて円周方向に蛇行状に連続してい
ると共に、ヒータ部材(51)の内周側より外周側のス
リット(53)、(54)の間の幅が広くなる分だけヒ
ータ部材(51)の内周側より外周側の厚さを薄くする
ことにより、ヒータ部材(51)の内周側と外周側との
電流の流れと直交する断面の面積を均等化したことを特
徴とする縦型加熱炉用円板状ヒータ。 - 【請求項2】 ヒータ部材(51) はグラファイトか
らなることを特徴とする請求項1に記載の縦型加熱炉用
円板状ヒータ。 - 【請求項3】 ヒータ部材(51)の互いに離れた3つ
の位置に設けた電極(56)により、三相結線されてい
ることを特徴とする請求項1または2に記載の縦型加熱
炉用円板状ヒータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17702899A JP3170573B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 縦型加熱炉用円板状ヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17702899A JP3170573B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 縦型加熱炉用円板状ヒータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001006853A JP2001006853A (ja) | 2001-01-12 |
JP3170573B2 true JP3170573B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=16023895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17702899A Expired - Lifetime JP3170573B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 縦型加熱炉用円板状ヒータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3170573B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN103222041B (zh) * | 2010-07-27 | 2016-01-20 | 东电电子太阳能股份公司 | 用于加热基板的加热装置和方法 |
JP5907815B2 (ja) * | 2012-06-13 | 2016-04-26 | 株式会社フジクラ | 光ファイバ製造用加熱炉 |
CN107770885B (zh) * | 2017-12-01 | 2023-12-12 | 烟台美尔森石墨有限公司 | 石墨加热器组及其加工方法 |
CN113699583B (zh) * | 2021-09-28 | 2023-11-03 | 秦皇岛市和易科技有限公司 | 一种基于功率下降法的晶体生长方法 |
CN114216344A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-03-22 | 湖南红太阳新能源科技有限公司 | 一种制备碳碳复合材料的设备 |
-
1999
- 1999-06-23 JP JP17702899A patent/JP3170573B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001006853A (ja) | 2001-01-12 |
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