JP3170300U - 杖用石突及びこれを連結してなる杖 - Google Patents
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Abstract
【課題】接地の衝撃を緩和させることができる杖用石突及びこれを連結してなる杖を提供する。
【解決手段】杖本体の下端に取り付ける杖用石突き3を、下端側に鍔51を有する棒状の軸5と、鍔51の上面に当接していて軸5に沿って伸縮する弾性部材としてのコイルばね6と、杖本体への取付部としてのねじ切り部71を有していてコイルばね6の上面に当接して軸5に沿って上下に摺動するスライド筒7と、軸5の他端側に固設されコイルばね6及びスライド筒7が軸5から脱離することを防ぐ抜け止め部材8とで構成する。
【選択図】図3
【解決手段】杖本体の下端に取り付ける杖用石突き3を、下端側に鍔51を有する棒状の軸5と、鍔51の上面に当接していて軸5に沿って伸縮する弾性部材としてのコイルばね6と、杖本体への取付部としてのねじ切り部71を有していてコイルばね6の上面に当接して軸5に沿って上下に摺動するスライド筒7と、軸5の他端側に固設されコイルばね6及びスライド筒7が軸5から脱離することを防ぐ抜け止め部材8とで構成する。
【選択図】図3
Description
本考案は、体の不自由な人又は老人等が歩行しあるいは体を支持するために使用される杖及び杖の先端に装着される杖用石突に関する。
従来、体の不自由な人又は老人が歩行する際あるいは体を支持するために、杖が使用される。一般的な杖は、図示省略するが、使用者の身長の半分程度の長さの支柱及びこの支柱の上端に設けられ使用者が握るための把手からなる杖本体と、支柱の下端に接続され地面へ接触する石突と、を備えて構成されている。
杖は、体重の2割まで支える効果が必要であるといわれている。そのため、杖本体は通常、要求される強度や耐久性を達成するために、樫などの硬質な木材やアルミニウム合金などの剛性の金属材,硬質の合成樹脂材料等によって形成されている。このような杖によれば、体の不自由な人又は老人が歩行する際などに、歩行を補助又は体を支持することができる。
また、石突は、例えばゴムなどの摩擦係数が高い弾性樹脂素材からなり、支柱の下端に嵌合されていて接地部分には溝などの滑り止め加工がなされている。
上述のような従来の杖は、杖本体が要求される強度や耐久性を達成するために、硬質の金属材,硬質の合成樹脂材料等によって形成されている。そのため、接地時の、支柱に平行な方向への反力が大きく、使用者は杖を突くたびに接地の衝撃を感じ、場合によっては手、腕や頭部にまで及ぶ痛みや衝撃を生じることもある。
また、従来の石突は、弾性樹脂素材からなるものの、弾性変形範囲は素材の特性により限定されるし、支柱に平行な方向への弾性変形範囲を大きくするために弾性素材の厚みを増したような場合には、支柱に平行な方向のみならず支柱に垂直な方向への弾性変形範囲をも大きくしてしまう結果となり、この場合、杖が横にずれたような感覚を生じ使用感が低下する。
本考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、接地の衝撃を緩和させることができる、杖用石突及びこれを連結してなる杖を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案の杖用石突は、下端側に鍔を有する棒状の軸と、鍔の上面に当接し軸に沿って伸縮する弾性部材と、杖本体への取付部を有していて弾性部材の上部に当接して軸に沿って摺動するスライド筒と、軸の上端側に固設され弾性部材及びスライド筒が軸から脱離することを防ぐ抜け止め部材とを備えたことを特徴とする。
弾性部材は、ゴミの付着又は雨水等の浸入のため蛇腹状の可撓性素材で覆われることが望ましい。
杖本体への取付部は、スライド筒の外面に施されたネジきりであってもよく、この場合杖本体の下端内側に形成した対応する内ネジと噛合させることで、石突を杖本体に脱着自在に取り付けることができる。
また、本考案の杖は、下端側に鍔を有する棒状の軸と、鍔の上面に当接し軸に沿って伸縮する弾性部材と、杖本体への取付部を有していて弾性部材の上部に当接して軸に沿って摺動するスライド筒と、軸の上端側に固設され弾性部材及びスライド筒が軸から脱離することを防ぐ抜け止め部材とを備えた杖用石突を杖本体の下端に連結して構成される。
本考案の杖用石突によれば、使用者が杖を突いた際に生じる反力が、軸の下端から鍔を介して弾性部材に伝わり、この弾性部材からスライド筒の取付部を介して杖本体に伝達されるところ、このスライド筒が弾性部材に当接しているため、衝撃が弾性部材により緩和され、接地の衝撃を緩和させることができる。また、スライド筒は軸に沿って、すなわち上下方向に沿って摺動するから、杖の使用感を損なうことはない。
弾性部材が蛇腹状の可撓性素材で覆われる場合には、弾性部材が軸に沿って摺動する際にゴミなどの混入や雨水の浸入などを防ぐことができる。
取付部がスライド筒の外面に施されたネジきりである場合には、既存の杖の下端にこのねじ切りに対応するねじ切りを施すことで、この杖用石突を後付けすることができる。
本考案の杖によれば、衝撃が弾性部材により吸収されて接地の衝撃を緩和させることができる。また、スライド筒は軸に沿って、すなわち上下方向に沿って摺動するから、杖の使用感を損なうことはない。
以下、本考案の好ましい実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、UPは杖使用時における上方を示す。
図1は、本考案の実施形態に係る杖1及びその使用態様を示す側面図である。杖1は、杖本体2と、杖本体2の下端部に取り付けられた杖用石突3とから構成されている。
図1は、本考案の実施形態に係る杖1及びその使用態様を示す側面図である。杖1は、杖本体2と、杖本体2の下端部に取り付けられた杖用石突3とから構成されている。
杖本体2は、使用者の身長の半分程度の長さの支柱21及びこの支柱の上端に設けられ使用者が握るための把手22からなる。支柱21は、鉄鋼やアルミニウム合金等、剛性を備えたパイプ状の金属素材からなり、下端内面に杖用石突3を螺着するためのねじ切り22を備える。
図2は杖用石突3の構成を示す斜視図であり、図3はその分解斜視図である。
杖用石突3は、杖本体2の下端に取り付けられて使用時に路面に衝接されるため、滑り止めの機能と共に適度な弾性を備えて形成される。本考案に係る石突3は、下端側に鍔51を有する棒状の軸5と、鍔51の上面に当接していて軸5に沿って伸縮する弾性部材としてのコイルばね6と、杖本体2への取付部としてのねじ切り部71を有しコイルばね6の上面に当接していて軸5に沿って上下に摺動するスライド筒7と、軸5の他端側に固設されていてコイルばね6及びスライド筒7が軸5から脱離することを防ぐ抜け止め部材8と、コイルばね6を覆う可撓性素材からなる蛇腹状のカバー9と、軸5の抜け止め部材8との他端側に連結される滑り止め10と、を有している。
杖用石突3は、杖本体2の下端に取り付けられて使用時に路面に衝接されるため、滑り止めの機能と共に適度な弾性を備えて形成される。本考案に係る石突3は、下端側に鍔51を有する棒状の軸5と、鍔51の上面に当接していて軸5に沿って伸縮する弾性部材としてのコイルばね6と、杖本体2への取付部としてのねじ切り部71を有しコイルばね6の上面に当接していて軸5に沿って上下に摺動するスライド筒7と、軸5の他端側に固設されていてコイルばね6及びスライド筒7が軸5から脱離することを防ぐ抜け止め部材8と、コイルばね6を覆う可撓性素材からなる蛇腹状のカバー9と、軸5の抜け止め部材8との他端側に連結される滑り止め10と、を有している。
軸5は、鉄鋼やアルミニウム合金等、剛性を備えた棒状の金属素材で形成され、下端側には、軸5を中心とした薄肉円板形状に軸5の垂直方向に突出した鍔51が成形されている。また、上端側には、抜け止め部材8を固接するための、水平方向に貫通した孔52が設けられている。軸5の下端であって鍔51の下側には、ネジきり53が施されている。このネジきり53にゴム等の可撓性樹脂素材からなる滑り止め10が螺着される。
コイルばね6は、圧縮方向への圧力に対し反力を生ずる圧縮コイルばねであって、軸の外径より大きな内径と、鍔51及びスライド筒7の外径より小さい外径を有する。このコイルばね6は、軸5に巻回するように、軸5に沿って伸縮可能に設けられ、その下端は鍔51の上面に当接され、上端はスライド筒7の下面に当接されている。
カバー9は、可撓性素材からなる蛇腹状の部材であって、コイルばね6の外径より大きな内径と、鍔51及びスライド筒7の外径より小さい口径を有する。このカバー9は、コイルばね6を覆うように軸5を内通し、軸5に沿って伸縮可能に設けられ、その下端は鍔51の上面に当接し、上端はスライド筒7の下面に当接している。このカバー9は、コイルばね6の伸縮に合わせて伸縮する。これにより、コイルばね6が露出することがなく、コイルばね6の伸縮時に物が挟まったり、ゴミなどが混入したりすることを防ぐことができる。また、とくにカバー9の上端及び下端の内径を軸5の外径とほぼ同一に形成すれば、雨水等の浸入を防いでさびの発生も防止し得る。
スライド筒7は、軸の外径より大きな内径と、鍔51の外径及び杖本体2の支柱21の内径と同等の外径を有し、外面に、杖本体2と連結するためのネジきり71が施されている。
抜け止め部材8は、コイルばね6及びスライド筒7が軸5から脱離することを防ぐ部材であり、水平方向に貫通した孔81が設けられている。孔81を軸5の孔52に合わせた状態でこれらの孔にピン82を挿通することで、抜け止め部材8が軸5に対し固接される。
以上のように構成された杖用石突3を杖本体2に連結することで、具体的にはスライド筒7のネジきり71を杖本体2の下端内面施されたねじ切り22に螺着することにより、杖1が完成する。杖本体2は、既存の杖の下端部を杖用石突3に相当する長さ分だけ切断して、ねじ切りを施すだけで作製できるから、使用者の使い慣れた杖をそのまま利用することができる。
このような杖用石突3を装着した杖1を使用する場合、使用者が杖1を地面に突いた際に生じる反力が、軸5の下端から鍔51を介してコイルばね6に伝わり、このコイルばね6からスライド筒7の取付部71を介して杖本体2に伝達される。この際、スライド筒7がコイルばね6に当接してコイルばね6を圧縮するため、杖の把手22が使用者の荷重によって適度に下方へ沈み込んで圧縮することで、接地の衝撃を緩和させることができる。また、スライド筒7は軸5に沿って、すなわち杖1の上下方向に沿って摺動するから、杖1の横方向へのずれがなく、使用感を損なうことはない。
以上説明したように、本考案は、杖本体2に杖用石突3を連結し、歩行する際あるいは体を支持する時、使用者の体荷重に基づく地面の衝撃的反力を緩和させるもので、その主旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施することができる。例えば、杖の材質は木材であってもよいし、滑り止め等の部品の形状は適宜設計し得る。さらに、杖用石突と杖本体との連結方法及び軸と滑り止めとの連結方法は、本実施形態で説明したねじ切りを介する螺着に限られず、滑り止めや杖本体もしくは他のチューブ状の弾性樹脂素材などの弾性及び摩擦を利用して単に嵌合して連結するものであってもよいし、接着、溶接など、様々な態様が可能である。また、金属製の部材には、錆対策として、表面にニッケルメッキ処理が施されることが望ましい。
1 杖
2 杖本体
3 杖用石突
5 軸
6 コイルばね(弾性部材)
7 スライド筒
8 部材
9 カバー
10 滑り止め
21 支柱
22 把手
51 鍔
52 孔
71 部
81 孔
82 ピン
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Claims (4)
- 杖本体の下端に取り付けられる杖用石突であって、
下端側に鍔を有する棒状の軸と、
上記鍔の上面に当接し上記軸に沿って伸縮する弾性部材と、
杖本体への取付部を有していて上記弾性部材の上部に当接して上記軸に沿って摺動するスライド筒と、
上記軸の上端側に固設され上記弾性部材及び上記スライド筒が上記軸から脱離することを防ぐ抜け止め部材と、を備えたことを特徴とする、杖用石突。 - 前記弾性部材は蛇腹状の可撓性素材で覆われたことを特徴とする、請求項1に記載の杖用石突。
- 前記取付部は、前記スライド筒の外面に施されたネジきりであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の杖用石突。
- 請求項1から3の何れかに記載の杖用石突が杖本体の下端に連結されてなる、杖。
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008171161A Continuation JP2010005318A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 杖用石突及びこれを連結してなる杖 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3170300U true JP3170300U (ja) | 2011-09-08 |
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