JP3169921B2 - 接地抵抗測定方法及び接地抵抗測定システム - Google Patents

接地抵抗測定方法及び接地抵抗測定システム

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JP3169921B2
JP3169921B2 JP00471999A JP471999A JP3169921B2 JP 3169921 B2 JP3169921 B2 JP 3169921B2 JP 00471999 A JP00471999 A JP 00471999A JP 471999 A JP471999 A JP 471999A JP 3169921 B2 JP3169921 B2 JP 3169921B2
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保夫 岸本
晋也 ▲高▼木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物等における接
地極の接地抵抗を測定するシステム及びその方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来行われている接地抵抗測定法には、
3電極法と2電極法とがある。3電極法は、図4に示す
ように、測定のため予め被測定接地極41から接地線及
び他の接地極に接続された電線を外し、かつ電流補助極
42を設け、さらに被測定接地極41及び電流補助極4
2の中間に電位補助極43を設けて測定する方法であ
る。被測定接地極41の接地抵抗Rは、被測定接地極4
1と電流補助極42の間に交流の信号電圧44を注入し
て電流Iを流し該電流Iを交流電流計45で測定し、か
つ被測定接地極41と電流補助極42の距離を十分大き
くすることで、設置位置による電位変動を抑制された電
位補助極43と被測定接地極41との電位差Vを交流電
圧計46で測定して、R=V/Iの関係から求める。
【0003】なお、前記接地線を前記被測定接地線から
外すのは該接地線が意図の有無に関わらず大地との間で
電気的な導通があるものに接続されていることにより該
接地線に前記電流Iが分流することを回避するためであ
る。
【0004】2電極法は、図5に示すように、既設の水
道管や建物の鉄骨、鉄筋、コンクリート等の構造体など
の接地極となりうる建物の一部又は別途設けられた補助
電極を電流補助極52とし、被測定接地極51と電流補
助極52との間に、交流の信号電圧53を注入して、注
入電圧源の値又は被測定電極51と電流補助極52間の
電圧注入部分に並列に交流電圧計54を接続して注入電
圧Vを測定するとともに、前記電圧注入部分に直列に接
続された交流電流計55により注入電流Iを測定し、注
入電圧Vを注入電流Iで割ることにより、被測定接地極
51及び電流補助極52を含む回路の全抵抗値を求める
方法である。したがって、本方法では、抵抗値には電流
補助極52の接地抵抗値が含まれるため、電流補助極5
2の接地抵抗値を別の手段で得るか、被測定接地極51
の接地抵抗値よりも十分に小さいことを仮定することに
より、被測定接地極51の接地抵抗値を求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の説明から明らか
なように、3電極法による接地抵抗測定法の場合には、
被測定接地極41と電流補助極42との間に注入した電
流が、被測定接地極41と電流補助極42との間以外に
流れないように、被測定接地極41に接続された接地線
や他の接地極に接続された電線を予め外す必要があり、
また測定のための電流補助極42と電位補助極43を設
ける必要があるため、これらのいずれか一つでも実施で
きない場合には、本測定方法を適用して接地抵抗を測定
することができない。
【0006】一方、雷サージの進入に際して建物内の接
地極を等電位化するために接地極を相互に接続した建物
では接地線や接地極間の電線を外すのが困難であり、ま
た、都市部では建物周辺の非舗装部分が減少して補助極
を設けることが困難になってきているため、これらの建
物では3電極法で接地抵抗測定を実施することができな
くなってきている問題がある。
【0007】また2電極法の場合は、被測定接地極に接
続された接地線を必ずしも外す必要はないが、電流補助
極52の接地抵抗値を別な手段で得るか、被測定接地極
51の接地抵抗値より十分に小さいと仮定する必要があ
り、本方法による測定のみから被測定接地極52の接地
抵抗を知ることができない点が問題である。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、複数の接地極が互いに接
続された接地系において、被測定接地極の接地線や被測
定接地極と他の接地極との接続用の電線を外すことなく
被測定接地極の接地抵抗を測定する方法及びそれに適し
た測定システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項
1記載の接地抵抗測定方法は、地中に埋設された金属
体、あるいは、大地との間で電気的な導通を生じる建物
の一部を接地極とし、該接地極が互いに電気的に接続さ
れた接地系において、接地線の接続された被測定接地極
に第一の信号電圧を注入し、前記被測定接地極に接続さ
れ接地線を外された一つ又は互いに接続された二つ以上
の前記接地極を電流補助極とし該電流補助極と前記被測
定接地極との間に前記第一の信号電圧と同一周波数であ
る第二の信号電圧を振幅と位相を調節して注入し、これ
らの信号電圧で発生する信号電流が前記被測定接地極と
前記電流補助極の間にのみ流れ、かつ、他の前記接地極
には流れないようにして、前記被測定接地極における前
記第一の信号電圧及び前記第一の信号電圧と前記第二の
信号電圧とにより発生する信号電流を測定し、前記第一
の信号電圧の値を前記信号電流の値で除してその商を得
ることにより接地抵抗を求めることを特徴とするもので
ある。
【0010】まず一般に、上記した複数の接地極が互い
に接続された接地系においては、各接地極の接地抵抗
は、概ね大地を基準面とし、これに接続される並列回路
の接続抵抗とみなすことができる。したがって、被測定
接地極の接続線が外せなくても、クランプ式プローブ等
を用いた誘導結合によって該被測定接地極に交流電圧
(前記第一の信号電圧)を印加し、かつ該被測定接地極
と接地線を外された一つ又は互いに接続された二つ以上
の接地極を用いた電流補助極との間に前記の交流電圧と
同一周波数である信号電圧(前記第二の信号電圧)を振
幅と位相を調節して注入することにより、前記被測定接
地極と前記電流補助極との間にのみ電流を環流させ、こ
こでいう接地系の他の接地極に流れる電流をゼロに抑制
することが可能となる。
【0011】すなわち、前記第一の信号電圧(実効値)
をV1、被測定接地極の接地インピーダンスをZ、Zの
実部である接地抵抗をR、前記信号電流(実効値)をI
1とすれば、市販の3極法による接地抵抗計では300
Hzないし1kHz程度の低い周波数であるので、測定
のため被測定接地極と電流補助極の間に敷設される電線
の自己インダクタンス等を無視し、接地インピーダンス
Zのリアクタンス成分の絶対値は接地抵抗に比べて十分
小さいことが前提とされていることを用いれば、V1=
|Z|×I1≒R×I1が成立するから、これらV1と
I1を測定し、V1の値をI1の値で除して接地抵抗R
を求めることができる。なおこのとき、電流補助極の接
地抵抗をRcとすれば、被測定接地極と電流補助極の間
に敷設される電線の自己インダクタンスがRcに比べて
十分に小さい限りにおいて、同様にV2≒Rc×I1が
成立するので、V2とI1の測定によってRcを求める
ことができる。また、前記電流補助極としては、前記接
地系における前記接地極の中からこれにあてずに、別
途、電流補助極を設ける(請求項2)こととしてよい。
【0012】なお、本発明に係る接地抵抗測定方法にお
いては、前記の測定方法の説明から明らかなように、市
販の3極法による接地抵抗計におけるような被測定接地
極と電流補助極との間の電線における自己インダクタン
スが接地抵抗値に与える影響は殆どない。また、市販の
3極法による接地抵抗計での測定における被測定接地極
と電流補助極との間の電線におけるリアクタンスの絶対
値は、信号の周波数をf、配線の単位長さあたりの自己
インダクタンスをL、配線の長さをsとすると、2π×
f×L×sと表現できるが、配線の自己インダクタンス
は線径にあまりよらず1μH程度であり、通常、配線の
長さは高々100m程度であること、また、信号の周波
数fは高々1kHzであることから、2π×f×L×s
<1Ωが成立する。すなわち、被測定接地極と電流補助
極を環流する信号電流に対する回路のインピーダンス
は、通常、補助極の接地抵抗が大きく100Ω以上ある
ので、3%程度の測定誤差を許容する測定においては、
前記の前提のとおり、純抵抗とみなして差し支えないと
判断できる。
【0013】また、請求項3記載の接地抵抗測定方法
は、前記第一の信号電圧及び前記第二の信号電圧を発生
させる二位相信号発生器から前記信号電流を測定する信
号測定器に対する同期信号を用いたロックインアンプの
機能を有することを特徴とするものである。
【0014】これによれば、電流や電圧の検出におい
て、ロックインアンプを適用することにより、検出感度
を向上できるので、前記第一の信号電圧V1及び前記第
二の信号電圧V2のレベルを微弱にすることが可能とな
る。
【0015】また、請求項4から8までに記載の接地抵
抗測定システムは、上記請求項1から3までに記載の接
地抵抗測定方法を実現するのに、もっとも適した構成と
なるシステムであるということがいえる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。図1は、本発明の第一
の実施形態について、その接地極等の構成を示した説明
図であり、複数の接地極が互いに接続された接地系にお
ける接地極の接地抵抗の個別測定に関するものである。
ちなみに、ここでいう接地極には、通常の接地極の他、
大地との間で電気的な導通を生じるもの一般、すなわち
地中に埋設される金属配管や建物の鉄骨、鉄筋、コンク
リート等もその概念に含むものとする。
【0017】被測定接地極101は、予め接地端子箱に
おいて接地線を外された一つ又は互いに接続された二つ
以上の接地極を用いた電流補助極102又は別途設けた
電流補助極102に電線104で接続され、かつその他
の一つ以上の接地極103に電線105で接続されてい
る。
【0018】この接地系において、二位相信号発生器1
06から発生する一番目の信号をクランプ式プローブ1
07に印加して、被測定接地極101に第一の信号電圧
V1として注入する。そして、二位相信号発生器106
から発生する前記第一の信号電圧V1と同一周波数であ
る二番目の信号を、振幅と位相を調節してクランプ式プ
ローブ(誘導結合素子)108に印加して被測定接地極
101と電流補助極102との間に第二の信号電圧V2
を注入する。なお、これら信号電圧V1及びV2の印加
は、図1に示すとおり、二位相信号発生器106から印
加用のケーブル113を介して行われることになる。
【0019】ここで、一般に、複数の接地極が互いに接
続された接地系においては、各接地極の接地抵抗は、図
2の模式図に示されるように、概ね大地202を基準面
としこれに接続される並列回路の接続抵抗とみなすこと
ができる。すなわち、この図において、符号203、2
04、…、20nは、それぞれ第1番目、第2番目、
…、第n番目の接地極における接地抵抗を示しており、
被測定接地極に係る接地抵抗206及び電流補助極に係
る接地抵抗209は、これらと並列であるとみなすこと
ができるのである。
【0020】なお、本発明に係る接地抵抗測定では、被
測定接地極と電流補助極との間に注入される前記第二の
信号電圧の振幅と位相を微妙に調整して、前記被測定接
地極及び前記電流補助極以外の接地極に流れる電流を抑
制するので、該調整においては前記の各接地極に付随す
るリアクタンスを無視できないため、図2においてはこ
のリアクタンスをも考慮し、接地抵抗の代わりに接地イ
ンピーダンスとして記載した。また同じ趣旨から、前記
電流補助極に関してはそれに係る接地インピーダンスの
他に、当該電流補助極と前記被測定接地極との間におけ
る配線のインピーダンスをも含めたインピーダンスとし
て記載した。
【0021】さて、この図2の場合、被測定接地極の接
続線が外せなくても、クランプ式プローブ等を用いた誘
導結合によって該被測定接地極に交流電圧(上記でいえ
ば第一の信号電圧V1)207を印加し、かつ該被測定
接地極と接地線を外された一つ又は互いに接続された二
つ以上の接地極を用いた電流補助極との間に前記の交流
電圧と同一周波数である信号電圧(同第二の信号電圧V
2)210を振幅と位相を調節して注入することによ
り、前記被測定接地極と前記電流補助極との間にのみ信
号電流208を環流させ、ここでいう接地系の他の接地
極に流れる電流211をゼロに抑制することが可能とな
るのである。
【0022】なお図2において、符号211は当該地点
を流れる交流電流、201は接地極を相互に接続するイ
ンピーダンスネットワークをそれぞれ示している。
【0023】上記原理を踏まえた上で図1に戻り、本実
施形態における第一の信号電圧V1と第二の信号電圧V
2との具体的な態様を以下の通りに規定する。
【0024】接地抵抗の測定値は、大地の電気伝導度、
接地極における分極抵抗等に依存するために、測定に適
用する信号における、直流か交流かの別、また交流にお
いては周波数の別にそれぞれ依存しており、したがっ
て、接地抵抗値はこの区別において規定されなければな
らない。3極法による接地抵抗計を規定した日本工業規
格(JIS C−1304)においては、測定用の信号
の周波数や波形に関する規定がないため、市販の3極法
による接地抵抗計では周波数や波形が一定していない
が、繰り返し周波数が300Hzないし1kHz程度の
信号で正弦波又は矩形波が用いられていることから、既
存の市販の3極法による接地抵抗計で得られる接地抵抗
値に近い値を得ることを目的とする場合には、測定用の
信号として300Hzないし1kHz程度の交流信号を
用いるべきであり、かつ、商用電源の干渉によるS/N
比の低下を避けるためには、商用電源周波数及びその高
調波の周波数からできる限り離れた値の周波数を選定す
ることが望ましい。
【0025】また、前記第一の信号電圧と前記第二の信
号電圧の振幅及び位相に関しては、以下のように設定す
る。すなわち、複素数表示を用いて、前記第一の信号電
圧をV1*exp(2πf・jt)、前記第二の信号電
圧をV2*exp(2πf・jt)、被測定接地極を流
れる電流をI1*exp(2πf・jt)、被測定接地
極の接地インピーダンスをZ1、電流補助極の接地イン
ピーダンスをZ2とすれば、前記第一の信号電圧に対す
る、前記第二の信号電圧の位相と振幅の調節により、前
記被測定接地極101と前記電流補助極102との間に
のみ電流を環流させ、前記接地系の他の接地極に流れる
電流をゼロに抑制する。この状態においては、V1*
I1*・Z1、V2*=I1*・Z2が成立するのでV2*
/V1*=Z2/Z1である。また、前記第一の信号電
圧(実効値)V1及び前記被測定接地極101を流れる
電流(実効値)I1に対する、V1=|V1*|/√
2、I1=|I1*|/√2の関係と前述の考察による
Z1≒Rの関係を用いると、V1≒I1×Rが成り立
ち、前記第一の信号電圧(実効値)V1と前記被測定接
地極101を流れる電流(実効値)I1の測定により、
被測定接地極101における接地抵抗Rが求められる。
したがって、前記第二の信号電圧は、前記第一の信号電
圧に対して、振幅を|Z2/Z1|≒|Z2|/R倍と
し、位相角をarg(Z2/Z1)≒arg(Z2)
〔rad〕の進み位相と設定されることになる。
【0026】なお、前記第一の信号電圧と前記第二の信
号電圧の振幅に関しては、接地線に接続される通信機器
への影響の可能性を軽減するために、小さいほど望まし
いが、信号検出において、電流プローブや電圧プローブ
等で混入する環境雑音や信号検出器自体の雑音が良好な
信号対雑音比の障害となり、前記振幅の下限値が制限さ
れる。
【0027】以上のことより、被測定接地極101と電
流補助極102の間にのみ信号電流I1を環流させ、被
測定接地極101と該接地系の他の接地極とを接続する
電線105及び接地線115に流れる電流I2をゼロに
抑制することができることになる。
【0028】上記事情を前提とすることにより、被測定
接地極101における接地抵抗Rは以下のようにして求
められる。すなわち、電圧測定プローブ112及び電流
検出用であるクランプ式プローブ110の変換係数を予
め記憶させた信号測定器109を用いて、該電圧測定プ
ローブ112及び該クランプ式プローブ110の各出力
から注入電圧V1と非接地極を流れる信号電流I1を測
定し、かつV1の値をI1の値で除して、この商を接地
抵抗として表示させることにより、被測定接地極101
の接地抵抗Rを求めることが可能となる。ここで上記信
号測定器109は、これらの記載から明らかなとおり、
電圧の検出、プローブ変換係数の記憶、演算、及び表示
に係る機能を有するものである。
【0029】なお、本第一実施形態においては、被測定
接地極101と電流補助極102とを接続する電線10
4の片側を外せる場合には、二位相信号発生器106か
ら発生する二番目の信号を、クランプ式プローブを用い
ずに、直接、電線104と被測定接地極101又は電流
補助極102との間に注入を行い、信号電圧の注入効率
を上げることができる。
【0030】以下では本発明の第二の実施形態について
説明する。図3は、この第二の実施形態に係る、複数の
接地極が互いに接続された接地系における接地極の接地
抵抗の個別測定に関するものを示した説明図である。な
お、この図2において、図1と同等な作用ないしは機能
を有する構成要素については、同じ符号を付して示され
ている。
【0031】この図3においては、第一の実施形態に係
る図1と比較した場合、二位相信号発生器106と信号
測定器109との間において、新たに同期信号用のケー
ブル315が設けられている点で異なっている。その他
の点では、図3及び図1を比較して明らかなとおり、同
様な構成となっており、図1を参照して説明した方法と
同様な接地抵抗測定が実施されることとなる。
【0032】本第二実施形態においては、上記ケーブル
315を設けることに加えて、さらに電流や電圧の検出
を、二位相信号発生器106からの同期信号を用いて高
感度で行うロックインアンプの機能を信号測定器109
に付加することにより、信号の検出感度向上、信号電圧
V1及びV2の微小化を図ったものである。このことに
より、測定精度が向上することとなるとともに、接地系
への注入電圧が微小になることから、測定により周辺に
設置された通信システム等の電子機器に影響を与えるお
それを軽減できることとなる。
【0033】最後に、この第二実施形態における接地抵
抗の実測例を表1に示す。なおこの場合においては、す
ぐ上で述べたようにロックインアンプが使用されること
から信号検出系の高感度化が図られているとともに、第
一の信号電圧と第二の信号電圧の振幅が抑制されたもの
となり、第一の実施形態のところで述べた、振幅は「小
さいほど望ましい」という要請を満たしたものとなって
いる。ただし、このことは、当該要請が第一実施形態に
おいては満たされていない、ということを意味するもの
ではもちろんない。
【0034】
【表1】
【0035】この表1に示すように、ロックインアンプ
を使用した本構成においては、概ね信号電流I1を1m
A程度とすることで、被測定接地極101と電流補助極
102間の注入電圧V2の振幅と位相の調節により、被
測定接地極101及び電流補助極102以外の他の接地
極に流れる電流を前記信号電流I1の数十分の一以下の
微小なノイズレベルとし、かつ、極小値とさせることが
できると言える。この条件下で、接地抵抗Rは被測定接
地極101の注入電圧V1を前記信号電流I1で除した
値であるから、接地抵抗測定範囲の上限を実用上十分と
考えられる1kΩとすれば、注入電圧V1は、1V以下
となる。また、前記電流補助極102の接地抵抗も1k
Ωとすれば、前記の被測定接地極101と電流補助極1
02間の注入電圧V2も1V以下となる。ただし、上記
の数値は、本発明に係る接地抵抗測定システムの設定値
に対する一つの指標を示したものであって、測定対象の
状況によって適宜変更することは当然である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は2記
載の接地抵抗測定方法によれば、都市部のように周囲に
非舗装部分がないビルでも、接地線を外せる接地極があ
ればこれを電流補助極として、対象とする被測定接地極
の接地抵抗測定が可能である。また、電流補助極が被測
定接地極に接続されている場合でも接続の電線を外すこ
となく測定ができる利点がある。さらに、この測定方法
では、電流補助極の接地抵抗も同時に知ることができる
利点がある。なお、接地線を外せない接地極を電流補助
極とした場合でも、測定用の信号電流が、被測定接地極
に接続された電線のうち該電流補助極や該電流補助極に
接続された前記接地線以外の電線に流れないようにでき
るならば、本測定方法によって接地抵抗を知ることがで
きることは、これまでの説明により明らかである。
【0037】また、請求項3記載の接地抵抗測定方法に
よれば、測定信号の検出系にロックインアンプを使用す
ることにより、信号の検出感度を向上できるので、測定
精度を向上することが可能であり、また接地系への注入
電圧を微弱にすることにより本測定が通信システム等の
周辺の電子機器に影響を与える危険を軽減できる利点を
得ることが可能である。
【0038】また、請求項4から8までに記載の接地抵
抗測定システムは、上記した請求項1から3までの接地
抵抗測定方法を実現するにおいて、もっとも適当な構成
となるものであるといえるとともに、当然ながら上記し
た効果も同様に享受できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第一の実施形態を示す説明図で
ある。
【図2】 本発明に係る接地抵抗測定法の原理を説明し
た模式図である。
【図3】 本発明に係る第二の実施形態を示す説明図で
ある。
【図4】 従来より行われている3電極法による接地抵
抗測定法を示した説明図である。
【図5】 従来より行われている2電極法による接地抵
抗測定法を示した説明図である。
【符号の説明】
101 被測定接地極 102 電流補助極 103 接地極 104、105 電線 106 二位相信号発生器 107 クランプ式プローブ(注入用) 108 クランプ式プローブ(注入用)(誘導結合素
子) 109 信号測定器 110、111 クランプ式プローブ(電流検出用) 112 電圧測定プローブ 113 ケーブル(印加用) 114 ケーブル(検出用) 115 被測定接地極に接続される接地線 201 インピーダンスネットワーク 202 大地 203、204、…、20n 接地インピーダンス 206 被測定接地極の接地インピーダンス 207 交流電圧 208 信号電流 209 電流補助極の接地インピーダンス及び配線のイ
ンピーダンスの和 210 交流電圧207と同一周波数である信号電圧 211 交流電流 315 ケーブル(同期信号用) 41 被測定接地極 42 電流補助極 43 電位補助極 44 交流の信号電圧 45 交流電流計 46 交流電圧計 47 測定用導線 51 被測定接地極 52 電流補助極 53 交流の信号電圧 54 交流電圧計 55 交流電流計 56 測定用導線
フロントページの続き (72)発明者 出雲 直人 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会 社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ 内 (72)発明者 室山 誠一 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会 社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ 内 (56)参考文献 特公 昭42−20901(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設された金属体、あるいは、大
    地との間で電気的な導通を生じる建物の一部を接地極と
    し、該接地極が互いに電気的に接続された接地系におい
    て、接地線の接続された 被測定接地極に第一の信号電圧を注
    入し、 前記被測定接地極に接続され接地線を外された一つ又は
    互いに接続された二つ以上の前記接地極を電流補助極と
    し、該電流補助極と前記被測定接地極との間に前記第一
    の信号電圧と同一周波数である第二の信号電圧を振幅と
    位相を調節して注入し、 これらの信号電圧で発生する信号電流が前記被測定接地
    極と前記電流補助極の間にのみ流れ、かつ、他の前記接
    地極には流れないようにして、 前記被測定接地極における前記第一の信号電圧及び前記
    信号電流を測定し、 前記第一の信号電圧の値を前記信号電流の値で除してそ
    の商を得ることにより接地抵抗を求めることを特徴とす
    る接地抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】 前記接地系における前記接地極を電流補
    助極とせずに、別途、電流補助極を設けることを特徴と
    する請求項1記載の接地抵抗測定方法。
  3. 【請求項3】 前記第一の信号電圧及び前記第二の信号
    電圧を発生させる二位相信号発生器から前記信号電流を
    測定する信号測定器に対する同期信号を用いたロックイ
    ンアンプの機能を有することを特徴とする請求項1又は
    2記載の接地抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 地中に埋設された金属体、あるいは、大
    地との間で電気的な導通を生じる建物の一部を接地極と
    し、該接地極が互いに電気的に接続された接地系におい
    て、接地線が接続され、 第一の信号電圧が注入される被測定
    接地極と、 該被測定接地極に接続され、かつ接地線を外された、前
    記接地系から選ばれる一つ又は互いに接続された二つ以
    上の電流補助極と、 前記被測定接地極と前記電流補助極との間に前記第一の
    信号電圧と同一周波数であってその振幅と位相とが調節
    された第二の信号電圧を注入するための誘導結合素子
    と、 前記第一の信号電圧及び前記第二の信号電圧を発生させ
    る二位相信号発生器と、 前記第一の信号電圧及び前記被測定接地極と前記電流補
    助極との間を流れる信号電流及び前記被測定接地極や前
    記電流補助極以外の接地極に流れる電流を測定する機能
    と前記第一の信号電圧を前記信号電流によって除す演算
    をする機能とを少なくとも備えた信号測定器とを備える
    ことを特徴とする接地抵抗測定システム。
  5. 【請求項5】 前記誘導結合素子を設けずに前記被測定
    接地極と前記電流補助極とを解離させ、これら二端の間
    に前記第二の信号電圧を直接印加することを特徴とする
    請求項4記載の接地抵抗測定システム。
  6. 【請求項6】 前記電流補助極は、前記接地系から選ば
    れることなく、別途設けられることを特徴とする請求項
    4又は5記載の接地抵抗測定システム。
  7. 【請求項7】 前記二位相信号発生器と前記信号測定器
    とを接続し前者から後者へと同期信号を伝達するケーブ
    ルと、前記信号測定器におけるロックインアンプとが備
    えられることを特徴とする請求項4から6のいずれかに
    記載の接地抵抗測定システム。
  8. 【請求項8】 前記二位相信号発生器と前記信号発生器
    とを一体化することを特徴とする請求項4から7のいず
    れかに記載の接地抵抗測定システム。
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