JP3168257U - 上腕骨の大結節用アナトミカルプレート - Google Patents

Abstract

【課題】上腕骨の大結節の骨折治療に有用であり、外傷や出血を少なくし、術後の患者の痛みを和らげて合併症を軽減させる利便性を有する上腕骨の大結節用アナトミカルプレートを提供する。【解決手段】上腕骨の大結節用アナトミカルプレートは、プレート頭部とプレート取手部を有し、プレート頭部とプレート取手部に１つ若しくは複数のネジ穴が配設され、アナトミカルプレートは２５ｍｍ〜３５ｍｍの長さであって、１８ｍｍ〜２２ｍｍの幅を有してなる。【選択図】図１

Description

本考案は医療器具の分野における器具に関し、特に上腕骨の大結節用アナトミカルプレート(anatomical or anatomic plate)に関する。

現在、上腕骨の大結節の骨折処置のための特別なプレートはない。上腕骨の外科頚の骨折処置用の大きなアナトミカルプレート、単純なコンプレション中空スクリュー、若しくは単純な吸収性スクリューを用いて上腕骨の大結節はしばしば固定されている。

粉砕骨折の場合には、単純なコンプレション中空スクリュー、若しくは単純な吸収性スクリューを用いては、安定してしっかりと上腕骨の大結節を固定することができない。骨折の変位、固定の弛緩、脱臼、及び移動、関節機能の回復に影響する合併症が、手術後簡単に発生する。前述の大きなアナトミカルプレートは、クローバー、楕円、三角形などの形状を典型的に有している。大きなアナトミカルプレートは、幅２３ミリで長さが８０から１４０ミリ、２．５から３．５ミリの厚みを有し、上腕骨の大結節には大き過ぎる。その大きなアナトミカルプレートがインプラントされた場合には、比較的に大きな傷が発生し、それは大量出血、遅い傷の治癒、肩峰下インピンジメント症候群の如き合併症、回旋腱板の損傷、肩関節痛などを引き起こし、患者への痛みと苦痛をもたらす。

本考案は上腕骨の大結節用アナトミカルプレートを提供することを目的とする。それは従来の大きなアナトミカルプレートよりも小さい。本考案の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートがインプラントされた場合には、より小さい傷が発生し、少ない出血が引き起こされるに過ぎず、患者を救済し、患者のリハビリ運動に効果があり、肩の機能の回復が改善される。

本考案の目的は次のような技術的な機構によって達成されるものである。上腕骨の大結節用アナトミカルプレートは、プレート頭部とプレート取手部を有し、前記プレート頭部とプレート取手部に１つ若しくは複数のネジ穴が配設され、当該アナトミカルプレートは２５ミリメートル乃至３５ミリメートルの長さであって１８ミリメートル乃至２２ミリメートルの幅を有してなることを特徴とする。

好ましくは、前記アナトミカルプレートは２０ミリメートルの幅を有する。また好ましくは、前記プレート頭部は１．５ミリメートルの厚みを有し、前記プレート取手部は２ミリメートル乃至３ミリメートルの厚みを有する。また好ましくは、前記プレート取手部には２つのネジ穴が設けられ、前記プレート頭部には３つ乃至６つのネジ穴が設けられる。また好ましくは、前記ネジ穴は窪んだ形状である。

通常、上腕骨の大結節の骨折の治療に使用されるネジは、海綿骨（cancellous bone）ネジと皮質骨（cortical bone）ネジである。これらの２つの種類のネジは、ネジに適合するために沈んだ形状とされる。ネジ穴にネジが入れられた後、ネジの頭はネジ穴で沈み込んで、ネジの頭の端部とアナトミカルプレートの外側面が同じ面内となる。上腕骨の大結節と上腕骨幹に適合する表面は、アナトミカルプレートの内側面であり、反対側表面が外側面である。

好ましくは、前記プレート頭部は凹状であって上腕骨の大結節の表面に適合し、前記プレート取手部は凹状であって上腕骨幹の表面に適合する。前記プレート頭部は上腕骨の大結節に適合し固定され、前記プレート取手部は上腕骨幹に適合し固定される。上腕骨の大結節は比較的に広く、上腕骨幹はかなり狭い。骨折した上腕骨の大結節を正確に固定するために、前記プレート頭部と前記プレート取手部は、適合する上腕骨の形状に沿うようにすべきである。このため前記プレート頭部の幅は前記プレート取手部の幅よりも広くされる。

好ましくは、前記プレート取手部のネジ穴は楕円形とされ、前記プレート頭部のネジ穴は円形とされる。楕円形のネジ穴は、皮質骨ネジに嵌合しこれを固定し、円形のネジ穴は海綿骨ネジに嵌合しこれを固定する。好ましくは、前記プレート取手部には２つの楕円形のネジ穴が配され、該２つの楕円形のネジ穴は前記プレート取手部の中央直線に沿って上下に配設されており、前記プレート頭部には５つの円形のネジ穴が配され、該５つの円形のネジ穴のうちの３つは前記プレート頭部の上端に沿って曲線状に配設される。また好ましくは、当該アナトミカルプレートは、チタン合金からなる。

まとめれば、本考案は次の効果を有する。

第１に、本考案は従来の技術の大きなアナトミカルプレートよりもかなり小さい。本考案の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートがインプラントされたとき、生じる傷はより小さなものとなり、出血も少なくなり、傷の治癒に効果があり、合併症を減らして患者の苦痛を和らげることになる。

第２に、本考案のプレート頭部とプレート取手部は、上腕骨の大結節の表面や上腕骨幹の表面に沿うように凹状とされ、さらに、本考案は従来の技術の大きなアナトミカルプレートよりもかなり小さいため、本考案は上腕骨の大結節や上腕骨幹に密着して当てることがより簡単であり、骨折した上腕骨の大結節の固定を助長させる。

第３に、上腕骨の大結節の固定に用いられるネジの頭は、ネジ穴で沈み込んで、ネジの頭が突出することで患者が苦痛を感じることを軽減させる。

第４に、プレート頭部は上腕骨の大結節に適合し固定される。もしプレート頭部が厚すぎる場合には、肩峰下インピンジメントが起こるが、同時にプレート頭部はいくらかの剛性を有するか、さもなくは簡単に壊れてしまう。プレート頭部は１．５ミリメートルの厚みを有し、剛性の要求を満たすものとされ、肩峰下インピンジメントを防止すると共に、患者の術後の肩の痛みや運動での不快感を軽減させる。

第５に、プレート取手部は皮質骨ネジにより固定しなければならず、より少し厚くしなければならない。プレート取手部は２ミリメートルから３ミリメートルの厚みを有し、これは骨折の圧縮固定に必要な剛性を満足し、圧縮ネジで固定したときに本考案のアナトミカルプレートが壊れてしまうのを防ぐことになる。

第６に、本考案はかなり小さいものである。本考案のものがインプラントされた後、従来の大きなアナトミカルプレートを用いた場合に比べて、本考案はリハビリの運動や、患者の関節機能の回復により好適である。

第７に、チタン合金は無害で軽く、高い剛性と良い生物互換性を有する。

本考案の第１の実施形態によるアナトミカルプレートの外側面の構造図である。

本考案の更なる詳細について添付図面を参照しながら説明する。なお、本考案の第１の実施形態においては、上腕骨の大結節や上腕骨幹にあてがわれる表面はアナトミカルプレートの内側面であり、その反対側面がアナトミカルプレートの外側面である。

以下に記載される好ましい実施形態は説明のためだけであり、本考案を限定する意図のものではない。本考案の係属する請求項の範囲から逸脱することなく説明の教示するところを踏まえ、種々の変形例やバリエーションが可能であることが当業者は理解できるものである。
第１の実施形態

実施形態は、右の上腕骨の大結節用のアナトミカルプレートを例示する。図１に示す実施形態によれば、上腕骨の大結節用のアナトミカルプレートは、プレート頭部１とプレート取手部２を連結させて合体したものとされている。１つ若しくはそれ以上のネジ穴３がプレート頭部１とプレート取手部２の両方に配設されている。ネジ穴３は、プレート頭部１に配設されるのが円形のネジ穴であり、プレート取手部２に配設されるのが２つの楕円形のネジ穴である。３つから６つの円形のネジ穴があり、好ましくは、本実施形態では５つの円形のネジ穴がある。

プレート取手部２に配設される２つの楕円形のネジ穴は、プレート取手部２の中央直線に沿って上下に配設されている。プレート頭部１に配設される５つの円形のネジ穴のうちの３つはプレート頭部の上端１１に沿って曲線状に配設される。他の２つの円形のネジ穴において、１つはプレート頭部の前端１２の近くに配され、他の１つはプレート頭部１の中ほど低い部分に設けられる。楕円形のネジ穴は、皮質骨ネジに嵌合してこれを固定し、円形のネジ穴は、海綿骨ネジに嵌合してこれを固定する。

プレート頭部１とプレート取手部２は、両方とも凹状であり、すなわち、本実施形態では、これらは内側面から外側面に突出する。プレート頭部１とプレート取手部２は、それぞれ上腕骨の大結節と上腕骨幹の形状に沿ったものとされる。インプラントされている間、プレート頭部１は上腕骨の大結節にあてがわれ、プレート取手部２は上腕骨幹にあてがわれる。

プレート頭部１は１．５ミリメートルの厚みである。プレート取手部２は個々での違いに依存して２ミリメートルから３ミリメートルの厚みを有する。プレート取手部２は本実施形態では２ミリメートルの厚みである。

個々での違いに依存するが、本考案のアナトミカルプレートは２５ミリメートル乃至３５ミリメートルの長さであって１８ミリメートル乃至２２ミリメートルの幅を有してなる。本実施形態のアナトミカルプレートは、２５ミリメートルの長さと２０ミリメートルの幅を有する。

上腕骨の大結節は比較的に広く、上腕骨幹はかなり狭い。骨折した上腕骨の大結節を正確に固定するために、プレート頭部１とプレート取手部２は、適合する上腕骨の形状に沿うようにすべきである。このためプレート頭部１の幅はプレート取手部２の幅よりも広くされる。

ネジ穴３に合ったネジは、海綿骨ネジと皮質骨ネジである。これらの２つの種類のネジは、皿ネジであり、ネジ穴３は凹状とされる。すなわち、ネジ穴３は２つの種類のネジに適合する。ネジ穴にネジが入れられた後、ネジの頭はネジ穴３で沈み込んで、ネジの頭の端部とアナトミカルプレートの外側面が本実施形態では同じ面内となる。

本実施形態のアナトミカルプレートはチタン合金からなる。
第２の実施形態

第２の実施形態のアナトミカルプレートは長さが３０ミリメートルで厚みが２．５ミリメートルであり、３つの円形のネジ穴３がプレート頭部１の中央部に配設され、３つの円形のネジ穴３の中心点が正三角形の頂点となるように配設されていることが、第２の実施形態が第１の実施形態と異なるところとされる。
第３の実施形態

第３の実施形態のアナトミカルプレートは長さが３５ミリメートルで厚みが３ミリメートルであり、６つの円形のネジ穴がプレート頭部１の中央部に配設され、３つの円形のネジ穴のそれぞれが２つの平行な列で配列されることが、第３の実施形態が第１の実施形態若しくは第２の実施形態と異なるところとされる。

１ プレート頭部
２ プレート取手部
３ ネジ穴
１１ プレート頭部の上端
１２ プレート頭部の前端

Claims (10)

1. プレート頭部とプレート取手部を有し、前記プレート頭部とプレート取手部に１つ若しくは複数のネジ穴が配設され、当該アナトミカルプレートは２５ミリメートル乃至３５ミリメートルの長さであって１８ミリメートル乃至２２ミリメートルの幅を有してなることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
2. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、当該アナトミカルプレートは２０ミリメートルの幅を有することを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
3. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート頭部は１．５ミリメートルの厚みを有し、前記プレート取手部は２ミリメートル乃至３ミリメートルの厚みを有することを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
4. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート取手部には２つのネジ穴が設けられ、前記プレート頭部には３つ乃至６つのネジ穴が設けられることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
5. 請求項１または４記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記ネジ穴は窪み形状であることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
6. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート頭部は凹状であって上腕骨の大結節の表面に適合し、前記プレート取手部は凹状であって上腕骨幹の表面に適合することを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
7. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート頭部は前記プレート取手部よりも大きいことを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
8. 請求項１または４記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート取手部のネジ穴は楕円形であり、前記プレート頭部のネジ穴は円形であることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
9. 請求項８記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、前記プレート取手部には２つの楕円形のネジ穴が配され、該２つの楕円形のネジ穴は前記プレート取手部の中央直線に沿って上下に配設されており、前記プレート頭部には５つの円形のネジ穴が配され、該５つの円形のネジ穴のうちの３つは前記プレート頭部の上端に沿って曲線状に配設されることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。
10. 請求項１記載の上腕骨の大結節用アナトミカルプレートであって、当該アナトミカルプレートは、チタン合金からなることを特徴とする上腕骨の大結節用アナトミカルプレート。