JP3167965B2 - 航空機騒音識別装置 - Google Patents

航空機騒音識別装置

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JP3167965B2 JP22787797A JP22787797A JP3167965B2 JP 3167965 B2 JP3167965 B2 JP 3167965B2 JP 22787797 A JP22787797 A JP 22787797A JP 22787797 A JP22787797 A JP 22787797A JP 3167965 B2 JP3167965 B2 JP 3167965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音源が航空機に
よる騒音か否かの判定を行う航空機騒音識別装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、飛行する航空機に起因する騒音の
自動測定に際し、音源の識別を行うには、航空機が測定
点に接近した後に遠ざかることによって生ずる航空機か
らの音、一般に騒音の音圧レベルの時間経過による山形
の変化を測定し、そのピーク値から所定のレベル(例え
ば、αdB)だけ低下した音圧レベルとなる時間幅、或
は所定の音圧レベル以上の音圧が得られる継続時間を求
め、その値が所定の閾値を上回った場合に航空機の通過
による騒音と判断していた(例えば、実公昭60−15
143号公報参照)。
【0003】しかし、このような方法においては、音源
の種類、例えば移動音源であるか静止音源であるか、地
上音源であるか空中音源であるかに関係なく、上述の条
件を満たす騒音源からの音を全て航空機騒音として判定
する欠点がある。例えば、飛行中の航空機からの騒音の
みについて測定を行おうとしても測定点の近傍を通過す
る自動車等の地上車両からの騒音によっても同様の測定
値が得られる。
【0004】このような問題点を解決するために、特公
昭61−13169号公報に記載の装置が提案されてい
る。この装置は、上下に離間して設置した2個のマイク
ロホンを用い、上方から到来する音、即ち航空機の音が
2個のマイクロホンに到達する時間差を相互相関関数を
用いて検出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、航空機の騒音
レベルとその他の騒音レベルの差は、常に十分であると
は限らず、従来の技術においては、時として相関のピー
ク位置を誤認し、判定結果に誤りが生ずるという問題点
を有している。
【0006】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、航空機の騒音レベルとその他の騒音レベルの差
が十分でない場合でも航空機の騒音であるか否かを識別
できる航空機騒音識別装置を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請
求項1の発明は、航空機の発する音を検出して航空機の
方位に応じた信号を出力する音波式方位識別手段と、航
空機の発する電波を検出して航空機の方位に応じた信号
を出力する電波式方位識別手段と、前記音波式方位識別
手段の出力信号と前記電波式方位識別手段の出力信号と
の類似度を算出し、この類似度が所定の値以上の場合に
は音源と電波源が同一であると判定する類似度判定手段
を備えるものである。
【0008】請求項2の発明は、航空機の発する音を検
出して航空機の方位に応じた信号を出力する音波式方位
識別手段と、航空機の発する電波を検出して航空機の方
位に応じた信号を出力する電波式方位識別手段と、前記
音波式方位識別手段の出力信号と前記電波式方位識別手
段の出力信号との時間差を出力する時間差検出手段と、
前記時間差が所定時間以上同一値を継続した場合には音
源と電波源が同一であると判定する判定手段を備えるも
のである。
【0009】請求項3の発明は、航空機の発する音を検
出して航空機の方位に応じた信号を出力する音波式方位
識別手段と、航空機の発する電波を検出して航空機の方
位に応じた信号を出力する電波式方位識別手段と、前記
音波式方位識別手段の出力信号と前記電波式方位識別手
段の出力信号との相互相関関数を演算する相互相関関数
演算手段と、前記相互相関関数の最大値が同じ位置で所
定以上の値を持つ場合には音源と電波源が同一であると
判定する判定手段を備えるものである。
【0010】請求項4の発明は、航空機の発する音を検
出して航空機の方位に応じた信号を出力する音波式方位
識別手段と、航空機の発する電波を検出して航空機の方
位に応じた信号を出力する電波式方位識別手段と、前記
音波式方位識別手段の出力信号及び前記電波式方位識別
手段の出力信号を時間と方位角の2次元の線画として扱
い、この2種の線画の類似度をパターンマッチングによ
り評価するパターンマッチング手段を備えるものであ
る。
【0011】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4記載の航空機騒音識別装置に騒音計を付設すると共
に、この騒音計の指示値と前記航空機騒音識別装置の判
定結果を対応させて記録する記録手段を設けたものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は請求項1の発
明に係る航空機騒音識別装置の構成図、図2は音波式方
位識別装置の構成図、図3はマイクロホンの配置を示す
上面図、図4は電波式方位識別装置の構成図、図5はア
ンテナの配置を示す説明図、図6は電波と音の方位角の
変化の違いを示す図、図7は請求項2の発明に係る航空
機騒音識別装置の構成図、図8は請求項3の発明に係る
航空機騒音識別装置の構成図、図9は請求項4の発明に
係る航空機騒音識別装置の構成図、図10は音の到来す
る方位角をピクセル化した図、図11は電波の到来する
方位角をピクセル化した図、図12はある音の到来する
方位角をピクセル化した図、図13は請求項5の発明に
係る航空機騒音識別装置の構成図である。
【0013】請求項1の航空機騒音識別装置S0は、図
1に示すように、航空機の発する音を検出して航空機の
方位に応じた方位信号αmを出力する音波式方位識別装
置1と、航空機の発する電波を検出して航空機の方位に
応じた方位信号αaを出力する電波式方位識別装置2
と、音波式方位識別装置1の方位信号αmと電波式方位
識別装置2の方位信号αaとの類似度を算出し、この類
似度が所定の値以上の場合には音源と電波源が同一であ
ると判定する類似度判定装置0とからなる。
【0014】音波式方位識別装置1は、図2に示すよう
に、3個の無指向性マイクロホンM1,M2,M3と、
マイクロホンM1の出力信号とマイクロホンM2の出力
信号の相関関数を算出する相関演算部E1と、マイクロ
ホンM1の出力信号とマイクロホンM3の出力信号の相
関関数を算出する相関演算部E2と、マイクロホンM1
の出力信号に対するマイクロホンM2の出力信号の遅れ
時間τxを求める遅延検出部D1と、マイクロホンM1
の出力信号に対するマイクロホンM3の出力信号の遅れ
時間τyを求める遅延検出部D2と、遅れ時間τx,τ
yから航空機の方位角αmを算出する方位角演算部P1
からなる。
【0015】3個の無指向性マイクロホンM1,M2,
M3は、図3に示すように、マイクロホンM1とマイク
ロホンM2を結ぶ直線と、マイクロホンM1とマイクロ
ホンM3を結ぶ直線が直交するよう水平面に配置され
る。
【0016】マイクロホンM1とマイクロホンM2の距
離をL1、マイクロホンM1とマイクロホンM3の距離
をL2とすると、必ずしもL1=L2である必要はな
く、L1≠L2であってもよい。要は、マイクロホンM
1からマイクロホンM2を見る方向(M1・M2方向)
からの音がマイクロホンM1とマイクロホンM2とに同
時に到達しなければよく、またマイクロホンM1からマ
イクロホンM3を見る方向(M1・M3方向)からの音
がマイクロホンM1とマイクロホンM3とに同時に到達
しなければよいからである。更に、方位の検出を絶対的
な方角で行う場合には、M1・M2方向又はM1・M3
方向を東西南北のいずれかの方角に合せればよい。
【0017】例えば、M1・M2方向を0°、M1・M
3方向を90°とすると、マイクロホンM1,M2,M
3で捕えた音の音源である航空機の方位角αmは、方位
角演算部P1により以下のように求められる。
【0018】τx≧0かつτy≧0の場合には、αm=
tan-1(τy÷τx)〔ラジアン〕となる。
【0019】τx<0の場合には、αm=π+tan-1
(τy÷τx)〔ラジアン〕となる。
【0020】τx≧0かつτy<0の場合には、αm=
2π+tan-1(τy÷τx)〔ラジアン〕となる。
【0021】次に、電波式方位識別装置2は、図4に示
すように、3個の垂直アンテナ(水平面内で無指向性)
A1,A2,A3と、垂直アンテナA1,A2,A3の
出力信号を増幅する増幅部A4,A5,A6と、増幅部
A4の出力信号と増幅部A5の出力信号との位相を比較
して±180°(±πラジアン)の位相差を±eVの電
圧に変換する位相比較部C1と、増幅部A4の出力信号
と増幅部A6の出力信号との位相を比較して±180°
(±πラジアン)の位相差を±eVの電圧に変換する位
相比較部C2と、位相比較部C1,C2の出力信号を平
均してスパイクノイズ等の高周波ノイズを除去するロー
パスフィルタF1,F2と、ローパスフィルタF1の出
力信号をデジタルコードAxに変換するA/D変換器A
7と、ローパスフィルタF2の出力信号の符号を得る電
圧比較部A8と、デジタルコードAxと符号から航空機
の方位角αaを算出する方位角演算部P2からなる。
【0022】電波式方位識別装置2が検出する航空機の
発する電波として本発明の実施の形態においては、二次
監視レーダ(SSR)の応答電波(周波数1090MH
z)を利用する。但し、航空機の発する電波としてSS
Rの応答電波に限定されるものではない。
【0023】3個の垂直アンテナ(水平面内で無指向
性)A1,A2,A3は、図5に示すように、アンテナ
A1とアンテナA2を結ぶ直線と、アンテナA1とアン
テナA3を結ぶ直線が直交するように配置される。ま
た、アンテナA1とアンテナA2、アンテナA1とアン
テナA3の間隔は夫々13.8cm(SSRの応答周波
数1090MHzの電波の1/2波長)とする。更に、
方位の検出を絶対的な方角で行う場合には、アンテナA
1とアンテナA2を結ぶ方向又はアンテナA1とアンテ
ナA3を結ぶ方向を東西南北のいずれかの方角に合せれ
ばよい。
【0024】例えば、アンテナA1とアンテナA2を結
ぶ方向を0°、アンテナA1とアンテナA3を結ぶ方向
を90°とすると、アンテナA1,A2,A3で捕えた
電波の発信源である航空機の方位角αaは、方位角演算
部P2により以下のように求められる。
【0025】電圧比較部A8の符号が正の場合には、α
a=cos-1(Ax)〔ラジアン〕となる。
【0026】電圧比較部A8の符号が負の場合には、α
a=2π−cos-1(Ax)〔ラジアン〕となる。
【0027】以上のように構成された請求項1の航空機
騒音識別装置S0の動作について説明する。飛行する航
空機が発する音及び電波に対し、時間的に変化する音の
到来する方位角αmを音波式方位識別装置1により検出
し、時間的に変化する電波の到来する方位角αaを電波
式方位識別装置2により検出する。
【0028】次いで、図6に示すように、各方位識別装
置1,2により検出した時間的に変化する方位角αmと
時間的に変化する方位角αaを類似度判定装置0に入力
する。 すると、類似度判定装置0では、音波による方
位角αmと電波による方位角αaの類似度を算出する。
そして、類似度が所定値以上の場合には、音源と電波源
が同一、即ち音波式方位識別装置1により測定され音が
航空機の騒音であると判定する。
【0029】このように、飛行する航空機が発する音の
到来する方位角αmと、SSRの電波が到来する方位角
αaの類似度を算出することにより、航空機による騒音
か否かの識別が容易になる。
【0030】請求項2の航空機騒音識別装置S1は、図
7に示すように、航空機の発する音を検出して航空機の
方位に応じた方位信号αmを出力する音波式方位識別装
置1と、航空機の発する電波を検出して航空機の方位に
応じた方位信号αaを出力する電波式方位識別装置2
と、音波式方位識別装置1の方位信号αmと電波式方位
識別装置2の方位信号αaとの時間差tdを出力する時
間差検出部3と、時間差tdが所定時間以上同一値を継
続した場合には音源と電波源が同一であると判定する判
定部4とからなる。
【0031】なお、音波式方位識別装置1と電波式方位
識別装置2は、請求項1の航空機騒音識別装置S0にお
ける音波式方位識別装置1と電波式方位識別装置2と同
様の構成であるので、説明は省略する。
【0032】以上のように構成された請求項2の航空機
騒音識別装置S1の動作について説明する。飛行する航
空機が発する音及び電波に対し、時間的に変化する音の
到来する方位角αmを音波式方位識別装置1により検出
し、時間的に変化する電波の到来する方位角αaを電波
式方位識別装置2により検出する。
【0033】次いで、図6に示すように、各方位識別装
置1,2により検出した時間的に変化する方位角αmと
時間的に変化する方位角αaを時間差検出部3に入力す
る。すると、時間差検出部3では、音波による方位角α
mと電波による方位角αaの時間差tdを算出する。そ
して、時間差tdが所定時間以上同一値を継続した場合
には、判定部4が音源と電波源が同一、即ち音波式方位
識別装置1により測定され音が航空機の騒音であると判
定する。
【0034】このように、飛行する航空機が発する音の
到来する方位角αmの時間的変化と、SSRの電波が到
来する方位角αaの時間的変化を比較することにより、
航空機による騒音か否かの識別が容易になる。
【0035】請求項3の航空機騒音識別装置S2は、図
8に示すように、航空機の発する音を検出して航空機の
方位に応じた方位信号αmを出力する音波式方位識別装
置5と、航空機の発する電波を検出して航空機の方位に
応じた方位信号αaを出力する電波式方位識別装置6
と、音波式方位識別装置5の方位信号αmと電波式方位
識別装置6の方位信号αaとの相互相関関数を演算する
相互相関関数演算部7と、相互相関関数の最大値が同じ
位置で所定以上の値を持つ場合には音源と電波源が同一
であると判定する判定部8とからなる。
【0036】なお、音波式方位識別装置5と電波式方位
識別装置6は、請求項1の航空機騒音識別装置S0にお
ける音波式方位識別装置1と電波式方位識別装置2と同
様の構成であるので、説明は省略する。
【0037】以上のように構成された請求項3の航空機
騒音識別装置S2の動作について説明する。相互相関関
数演算部7は、音波式方位識別装置5により検出した音
波による方位角αmと、電波式方位識別装置6により検
出した電波による方位角αaについて、時系列データ同
士の相互相関関数を算出する。
【0038】音の到来する方位角αmは、図6に示すよ
うに、電波の到来する方位角αaに対し一定の時間だけ
遅れ、ほぼ同様に変化する。しかし、実際にはいずれの
測定データ(方位角αm,αa)にも誤差やノイズが含
まれているので、そのままの状態で互いの測定データの
相関関係を求めるのは容易でない。そこで、測定データ
に統計的手法を施して相互相関関数を求めれば、航空機
の通過に伴う事象の場合には互いの変化について大きな
相関の値を示し、誤差やノイズは無相関のため除去され
る。
【0039】次いで、判定部8は、相互相関関数演算部
7で算出した相互相関関数の最大値と予め設定してある
閾値とを比較して、相互相関関数の最大値が閾値以上の
値であれば、音源と電波源が同一、即ち音波式方位識別
装置5により測定され音が航空機の騒音であると判定す
る。このようにして、航空機による騒音か否かの安定し
た識別結果が得られる。
【0040】請求項4の航空機騒音識別装置S3は、図
9に示すように、航空機の発する音を検出して航空機の
方位に応じた方位信号αmを出力する音波式方位識別装
置9と、航空機の発する電波を検出して航空機の方位に
応じた方位信号αaを出力する電波式方位識別装置10
と、音波式方位識別装置9の方位信号αm及び電波式方
位識別装置10の方位信号αaを時間と方位角αm,α
aの2次元の線画として扱い、この2種の線画の類似度
をパターンマッチングにより評価するパターンマッチン
グ装置11からなる。
【0041】なお、音波式方位識別装置9と電波式方位
識別装置10は、請求項1の航空機騒音識別装置S0に
おける音波式方位識別装置1と電波式方位識別装置2と
同様の構成であるので、説明は省略する。
【0042】パターンマッチング装置11は、ピクセル
化部12と、相関演算部13と、判定部14からなる。
以上のように構成された請求項4の航空機騒音識別装置
S3の動作について説明する。ピクセル化部12は、時
々刻々音波式方位識別装置9により測定される方位角α
mと電波式方位識別装置10により測定される方位角α
aを、時刻情報と共に記録する。
【0043】例えば、記録の時間間隔は1秒毎、方位角
は2°(π/90ラジアン)毎に設けた180の記憶領
域のなかで、図10及び図11に示すように、測定され
た方位角αm,αaに相当する一つの領域を「1」(図
中黒色の部分)とし、他の領域は「0」(図中白色の部
分)として記録する。図10及び図11において、縦線
の間隔は1秒に相当し、横線の間隔は方位角2°(π/
90ラジアン)に相当する。
【0044】このように、方位角2°毎に設けた180
の記憶領域のうちのいずれか一つの記憶領域を代表とし
て「1」とし、他の領域を「0」とし、測定された方位
角αm,αaを2値化して記録することをピクセル化と
いい、図6に示す方位角αmと方位角αaの連続的な曲
線を、図10及び図11に示すような不連続な波形に処
理することに相当する。
【0045】次いで、相関演算部13は、図10に示す
ピクセル化した方位角αmの不連続な波形と図11に示
すピクセル化した方位角αaの不連続な波形とがマッチ
ングするか否かの判断材料を得るために、ピクセル化し
た方位角αmと方位角αaの相互相関関数φxy(△
t)を計算する。相互相関は、図10に示す一方の時間
軸(方位角αm)を図11に示す他方の時間軸(方位角
αa)に対して、例えば1秒ずつシフトさせて計算し、
最も大きい相関の値を求める。
【0046】次いで、判定部14は、相関演算部13で
求めた相関の値が予め設定されている閾値より大きい場
合に、音源と電波源が同一であると判定する。相関演算
部13で求めた相関の値は、異なる母集団の数値の変化
の類似度を意味する。電波と音波を比較すると、電波の
方が圧倒的に速く伝播するので電波の到来する方位角α
aの変化の方が早い時期に観測され、音の到来する方位
角αmが後を追いかけるように変化する。
【0047】図10及び図11に示す方位角αmと方位
角αaの場合は、音の方位角αmの時間軸を2秒進むよ
うにシフトした時に相関の値が最大値「1」を得る。そ
こで、判定部14において設定する閾値を、例えば0.
8にしておけば音源と電波源が同一、即ち音波式方位識
別装置9により測定され音が航空機の騒音であると判定
される。
【0048】また、音波式方位識別装置9により測定さ
れ音の方位角として、図12に示すような波形が得られ
た場合に、図11に示す方位角αaとの相関の最大値
は、0.05となり、判定部14において予め設定して
おく閾値を、例えば0.8にしておけば音源と電波源が
同一せず、音波式方位識別装置9により測定され音が航
空機の騒音であると判定されない。
【0049】このように、音波式方位識別装置9及び電
波式方位識別装置10の出力信号を、時間と方位角α
m,αaによる2次元の線画として扱い、この2種の線
画の類似度を2次元の相互相関を計算して最大の相関の
値を求めるパターンマッチングにより評価するため、測
定データの誤差やノイズは打ち消し合い、遅れ時間を明
確に計測でき、航空機による騒音か否かの識別が容易に
なる。特に、方位角αm,αaが緩やかに変化する場合
には、相関関数も緩やかに変動し、相関関数から特徴を
つかみ難いので、有効である。
【0050】請求項5の航空機騒音識別装置S4は、図
13に示すように、請求項1、2、3又は4記載の航空
機騒音識別装置S0,S1,S2,S3に、騒音計15
と記録計16を付設し、騒音計15の指示値と航空機騒
音識別装置S0,S1,S2,S3の判定結果を対応さ
せ、これら指示値と判定結果を記録計16により記録す
るようにした。
【0051】航空機騒音識別装置S0,S1,S2,S
3が音源と電波源が同一であると判定すれば、同時に騒
音計15で測定されて記録計16に記録された騒音レベ
ルが、騒音源と識別された航空機の騒音レベルであるこ
とが明確に判明する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、飛行する航空機が発する音の到来する方位角と、
航空機が発する電波が到来する方位角との類似度を判定
することにより、航空機による騒音か否かの識別が容易
になる。
【0053】請求項2の発明によれば、飛行する航空機
が発する音の到来する方位角の時間的変化と、航空機が
発する電波が到来する方位角の時間的変化を比較するこ
とにより、航空機による騒音か否かの識別が容易にな
る。
【0054】請求項3の発明によれば、測定した音の到
来する方位角と電波が到来する方位角に統計的手法を施
して相互関係を求めるので、航空機の通過に伴う事象で
あれば互いの変化には大きな相関の値を示し、誤差やノ
イズは無相関のため除去され、航空機による騒音か否か
の安定した識別結果が得られる。
【0055】請求項4の発明によれば、測定した音の到
来する方位角及び電波が到来する方位角を2次元の線画
として扱い、この2種の線画の類似度をパターンマッチ
ングにより評価するため、2次元の相互相関を計算して
最大の相関の値を求めるので、2次元の相互相関を計算
することによって、誤差やノイズは打ち消し合い、遅れ
時間が明確に計測できる。従って、航空機による騒音か
否かの安定した識別結果が得られる。
【0056】請求項5の発明によれば、騒音源と識別さ
れた航空機とその騒音レベルの対応関係を明確に記録す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係る航空機騒音識別装置の構
成図
【図2】音波式方位識別装置の構成図
【図3】マイクロホンの配置を示す上面図
【図4】電波式方位識別装置の構成図
【図5】アンテナの配置を示す説明図
【図6】電波と音の方位角の変化の違いを示す図
【図7】請求項2の発明に係る航空機騒音識別装置の構
成図
【図8】請求項3の発明に係る航空機騒音識別装置の構
成図
【図9】請求項4の発明に係る航空機騒音識別装置の構
成図
【図10】音の到来する方位角をピクセル化した図
【図11】電波の到来する方位角をピクセル化した図
【図12】ある音の到来する方位角をピクセル化した図
【図13】請求項5の発明に係る航空機騒音識別装置の
構成図
【符号の説明】
0…類似度判定装置、1,5,9…音波式方位識別装
置、2,6,10…電波式方位識別装置、3…時間差検
出部、4,8,14…判定部、7…相互相関関数演算
部、11…パターンマッチング装置、12…ピクセル化
部、13…相関演算部、15…騒音計、16…記録計、
A1,A2,A3…垂直アンテナ、M1,M2,M3…
マイクロホン、S0,S1,S2,S3,S4…航空機
騒音識別装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 康一 東京都国分寺市東元町3丁目20番41号 財団法人小林理学研究所内 (56)参考文献 特開 平6−241881(JP,A) 特開 昭53−140079(JP,A) 特開 平8−105792(JP,A) 特開 平7−43203(JP,A) 実開 昭57−156835(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の発する音を検出して航空機の方
    位に応じた信号を出力する音波式方位識別手段と、航空
    機の発する電波を検出して航空機の方位に応じた信号を
    出力する電波式方位識別手段と、前記音波式方位識別手
    段の出力信号と前記電波式方位識別手段の出力信号との
    類似度を算出し、この類似度が所定の値以上の場合には
    音源と電波源が同一であると判定する類似度判定手段を
    備えることを特徴とする航空機騒音識別装置。
  2. 【請求項2】 航空機の発する音を検出して航空機の方
    位に応じた信号を出力する音波式方位識別手段と、航空
    機の発する電波を検出して航空機の方位に応じた信号を
    出力する電波式方位識別手段と、前記音波式方位識別手
    段の出力信号と前記電波式方位識別手段の出力信号との
    時間差を出力する時間差検出手段と、前記時間差が所定
    時間以上同一値を継続した場合には音源と電波源が同一
    であると判定する判定手段を備えたことを特徴とする航
    空機騒音識別装置。
  3. 【請求項3】 航空機の発する音を検出して航空機の方
    位に応じた信号を出力する音波式方位識別手段と、航空
    機の発する電波を検出して航空機の方位に応じた信号を
    出力する電波式方位識別手段と、前記音波式方位識別手
    段の出力信号と前記電波式方位識別手段の出力信号との
    相互相関関数を演算する相互相関関数演算手段と、前記
    相互相関関数の最大値が同じ位置で所定以上の値を持つ
    場合には音源と電波源が同一であると判定する判定手段
    を備えたことを特徴とする航空機騒音識別装置。
  4. 【請求項4】 航空機の発する音を検出して航空機の方
    位に応じた信号を出力する音波式方位識別手段と、航空
    機の発する電波を検出して航空機の方位に応じた信号を
    出力する電波式方位識別手段と、前記音波式方位識別手
    段の出力信号及び前記電波式方位識別手段の出力信号を
    時間と方位角の2次元の線画として扱い、この2種の線
    画の類似度をパターンマッチングにより評価するパター
    ンマッチング手段を備えたことを特徴とする航空機騒音
    識別装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の航空機騒
    音識別装置に騒音計を付設すると共に、この騒音計の指
    示値と前記航空機騒音識別装置の判定結果を対応させて
    記録する記録手段を設けたことを特徴とする航空機騒音
    識別装置。
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