JP3167590B2 - ディジタル記録再生装置 - Google Patents

ディジタル記録再生装置

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JP3167590B2 JP17337395A JP17337395A JP3167590B2 JP 3167590 B2 JP3167590 B2 JP 3167590B2 JP 17337395 A JP17337395 A JP 17337395A JP 17337395 A JP17337395 A JP 17337395A JP 3167590 B2 JP3167590 B2 JP 3167590B2
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  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高能率符号化によ
り、記録信号の帯域を圧縮することで、比較的長時間の
記録と数種類の速度の高速再生を可能にしたディジタル
磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用ディジタルビデオカセットテープ
レコーダ(ディジタルVCRと略す)は、その規格仕様
について、HD・DIGITAL VCR CONFERENCEが設置されて国
際的な合意が得られている。その合意された仕様によれ
ば、同じ機構系を用いて現行テレビジョン方式(SDT
Vと略す)、HDTV(高品位テレビジョン)および、
米国のATV(advanced television)方式が記録でき
る特徴を持つものである。この方式はフレーム内高能率
符号化を主体に考えられており、離散コサイン変換(D
CTと略す)と可変長符号化が中心になっている。ま
た、フレーム内符号化を採用した理由として、編集作業
を容易にするために高速のサーチ再生を必要とするの
で、少なくとも10倍以下のサーチ再生について、動き
の不自然さもなく高画質で再生する必要があったためと
されている。
【0003】SDTVを記録するVCR(SD−VCR
と略す)の特徴は、データ圧縮されたデータはSync
ブロック(SBと略する)単位で独立で、高速再生やド
ロップアウトが発生した場合でも、SB毎の画像データ
に復号できる。
【0004】図8に合意された前記SD−VCRの簡単
なブロック図を示す。入力された映像信号はA/D変換
により、輝度信号Yと二つの色差信号CN,CWを各々デ
ィジタルに変換した後に8×8のブロックに形成し、次
に行うDCTを主体とする高能率符号化が効率よく行え
るように周波数成分を分散させることと、再生時のドロ
ップアウトにより生じたバースト状のエラーを分散させ
る目的で、ブロックシャフリング101でブロック毎に
シャフリングを行う。
【0005】高能率符号化102ではDCTにより直交
変換して周波数成分を表す係数に変換し、前記係数を適
応的に量子化した後に、さらにゼロ連続の冗長性を除去
する可変長符号化が行われる。高能率符号化によって十
分に冗長性を除去することでビットレートを大幅に減少
させている。
【0006】高能率符号化された圧縮信号は誤り訂正符
号化103により再生時に生じる符号誤りを訂正するの
に必要なパリティーを付加する。Sync・ID付加1
04では、PCM同期としてのSyncをSBに付加す
ると共に、そのSBの内容を識別するためのIDコード
を付加する。変調105は記録信号を効率よく記録する
ための変調器で、SD−VCRによればDC成分を軽減
する目的で24−25変調方式が採用されている。
【0007】前記変調の出力は、記録増幅器とビデオヘ
ッドを通して磁気記録媒体106上に記録される。再生
時には、前記ビデオヘッドと再生増幅器を復調107に
再生信号を供給し、ディジタル信号を復元する。
【0008】以下、記録時とは丁度逆の処理、即ち、S
ync・ID検出108でPCM同期を検出すると共に
IDコードの内容を復号・解読する。誤り訂正復号10
9では、符号誤りを検出すると同時に誤った符号を訂正
処理する。復号・修整110では高能率符号化により圧
縮されたテレビ信号を可変長復号、逆量子化を経て、逆
DCTを行って元のテレビ信号にほぼ一致したテレビ信
号を復元する。また、訂正不能な符号誤りが存在する場
合には、前後の信号により内挿処理を行う。この復元出
力では、また完全なテレビ信号に復元されておらず、次
のブロックデシャフリング111でブロック毎にデシャ
フリングされて元のテレビ信号が復元される。
【0009】図9に前記SD−VCRにおける1本のト
ラックのSB(Syncブロック)の構成と記録フォー
マットを示す。SBは90バイトで構成され、Sync
2バイト、ID3バイトおよびビデオデータ77バイト
を含んでおり、さらにリードソロモン訂正符号の8バイ
トのパリティが内符号として付加されている。映像のデ
ータが占有できる領域は135SB(1SBでは77バ
イト)になっている。
【0010】図10はSD−VCRで可能な2種類のヘ
ッド配置例を示しており、(a)はシングルチップヘッ
ド使用時の180°対向ヘッド配置例、また、(b)は
ダブルチップヘッド使用時のヘッド配置例をそれぞれ示
す。また、図11は高速再生時のヘッドトレース例を示
しており、(a)は前記シングルチップヘッド使用時
(180°対向配置)の9倍速サーチ再生例(A、Bで
各シングルチップのトレース軌跡を示す)、また、
(b)は前記ダブルチップヘッド使用時の9倍速サーチ
再生例を示すそれぞれ示す。
【0011】図11から分かるように、高速再生時には
テープの各トラックの一部を横切るようにトレースし間
欠的にしか再生されない。また、この時、トラックとヘ
ッドについて位相制御を行わないと、再生されるテープ
位置がずれる。このことは図10(a)、(b)のSD
−VCRで可能な2つのヘッド配置に共通である。SD
−VCRにおいては、このような場合でも画像データに
復元可能である。
【0012】前記のSD−VCRのテープ走行系と信号
処理系および記録再生系を用いて、MPEG(Moving P
icture Experts Group)として標準化されている高能
率符号化を採用して画像圧縮した信号を記録する場合に
ついては検討中であり、現時点では確定された方式がな
い。
【0013】一方、ATV方式は、MPEG(Moving P
icture Experts Group)規格にしたがった規格として
国際基準として合意されると思われる。MPEG規格に
おいては、図12に示すように前方向予測と双方向予測
の技術が用いられている。この前方向予測と双方向予測
の元になる画像をIピクチャー(イントラフレーム)、
前方向予測のみで構成される画像をPピクチャー(Pフ
レーム)、双方向予測で構成される画像がBピクチャー
(Bフレーム)と呼ばれている。図12では、グループ
オブピクチャー(GOPと略す)は12フレームであ
る。なお、Iピクチャーにおける単独で復号できる最小
単位がスライスである。
【0014】しかし、このスライスは図11に示すよう
な高速再生時に再生できる領域のデータ量よりもデータ
量が多い、また、Pピクチャー、Bピクチャーは参照す
るべき元の画像が完全な画像として得られていないと復
号ができない。したがって、MPEGの規格の映像信号
をSD−VCRに記録した場合は、高速再生では映像を
復号することはできない。
【0015】ATV方式では、映像信号のデータ量は約
19.4Mbpsであり、SD−VCRの映像信号のみ
のデータ容量は約24.9Mbpsであるため、その差
の約5.5Mbpsのデータ記録領域を別の信号の記録
に使用できる。したがって、ATV方式の映像信号を記
録するVCR(ATV−VCRと略す)においては、そ
の記録領域を使って高速再生用のデータ等を記録する。
このことについての具体的な提案は、前述のHD・DIGITAL
VCR CONFERENCEにおいて、国際標準規格として検討さ
れている。
【0016】また、ATV方式の映像信号は、パケッタ
イズドエレメンタリストリーム(PESと略す)パケッ
トとトランスポートパケットという2つのパケット形式
のディジタル信号にフォーマット変換されて伝送され
る。このパケット形式のディジタル信号伝送では、映像
信号と音声信号だけでなく、その他の一般のディジタル
信号も同じ信号線または伝送路で伝送することができ
る。
【0017】そして、このATV信号を記録するATV
−VCRでは、このようにパケット化された映像信号、
音声、その他のデータも記録することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記ATV信号などの
高能率符号化を用いた映像信号を伝送または記録する場
合に、誤り訂正ができなかったときの誤り修正の仕方に
ついては、学会等で、周波数成分の段階での修正や、画
像信号に復号してからの修正について提案されている。
【0019】しかしながら、その処理については回路規
模が大きくなるのが欠点である。特に、Iピクチャー
や、Pピクチャーで誤り訂正ができなかった場合は、ほ
ぼGOPの範囲で誤りが伝搬し、画質劣化が視覚的に非
常に目立ってしまという問題点がある。
【0020】すなわち、図13(a)はIピクチャーで
誤り訂正が不能なデータが発生した場合、(b)にPピ
クチャーで誤り訂正が不能なデータが発生した場合の誤
りの伝搬の状態の例をそれぞれ示しており、フレーム単
位の画像(I、B、B、P…B、I)を並べたものを示
す。
【0021】図13に示すように、箇所eに誤り訂正不
能なデータがあるときに、動きがあると別の場所でデコ
ードできない(符号、)。また、別の場所でデコー
ドできなかった所e1のデータを利用している場合もデ
コードできなくなる(符号)。さらに、広い領域の元
になっているデータがデコードできないときは次のフレ
ームではその広い領域がデコードできない。なお、動き
ベクトルの元のデータになっていないデータがデコード
できないときは誤りは伝搬しないときがある。また、デ
コードできない場所が減ることがある(符号)。
【0022】高速再生については、1つのスライスが数
SBにまたがると、1つのSBの誤りが訂正できない時
にそのSB以後からなる先のスライスの部分が復号でき
なくなるなどの問題点がある。
【0023】なお、ディジタル符号化データの誤り修正
に関して、特開平5−244578号公報でブロック変
換符号の復号装置が提案されている。この公報記載の技
術では、復号のための重要度の高いデータ(第1のデー
タと称されている)を修復するものであるが、この第1
のデータの修復を復号データを使用して行っており、復
号データを取り扱うのでその処理については回路規模が
大きくなるという欠点が解消できない。
【0024】また、特公平6−105986号公報で画
像データの誤り修正方法が提案されいる。この公報記載
の技術では、輝度信号および色差信号からなるビデオ信
号(画像信号)を修正するものであるが、画像データそ
のものを修正しており、やはりその処理については回路
規模が大きくなるという欠点が解消できない。
【0025】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたものであって、高能率符号化を用いてデータ
圧縮された画像データを伝送または記録する場合、誤り
訂正のできなかった場合の修正を、特殊再生用のデータ
を使って、通常再生用のデータを修正するので、容易な
処理で誤り訂正できない部分を簡単な構成で修正できる
ディジタル記録再生装置を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、次の構成を有する。請求項1の発明は、MP
EG規格にしたがってデータ圧縮された映像信号を、通
常再生についてはそのまま記録媒体に記録し、特殊再生
についてはその映像信号から専用の映像信号を作成して
前記記録媒体に記録するディジタル記録再生装置におい
て、符号化された通常再生用映像信号を復号する通常再
生用映像信号復号手段と、符号化された特殊再生用映像
信号を復号する特殊再生用映像信号復号手段と、前記通
常再生用映像信号に誤りが多く復号できない部分がある
場合に、復号された特殊再生用映像信号をその復号でき
ない部分の映像信号に置き換える映像信号置き換え手段
と、を備えることを特徴とするディジタル記録再生装置
である。
【0027】請求項2の発明は、高能率符号化がMPE
Gの規格にしたがったものであって、MPEGの規格に
したがってデータ圧縮された映像信号を、通常再生につ
いてはそのまま記録媒体に記録し、特殊再生については
その通常再生用映像信号の中のフレーム間処理を行わな
い映像信号であるIピクチャーの映像信号から特殊再生
用の映像信号を作成して前記記録媒体に記録するディジ
タル記録再生装置において、符号化された通常再生用映
像信号を復号する通常再生用映像信号復号手段と、符号
化された特殊再生用映像信号を復号する特殊再生用映像
信号復号手段と、通常再生用映像信号うちでIピクチャ
ー映像信号の誤りによってそのIピクチャーが復号でき
ない場合に、特殊再生のために作成したIピクチャーの
映像信号でその復号できない部分の映像信号を置き換え
る映像信号置き換え手段と、を備えることを特徴とする
ディジタル記録再生装置である。
【0028】また、請求項1また請求項2の発明は、M
PEG規格にしたがったデータ圧縮を行った映像信号を
再生するディジタル記録再生装置において、データ圧縮
を行った特殊再生用映像信号を復号するときのパラメー
タを流用して、復号後の通常再生用映像信号を符号化し
て符号化特殊再生用映像信号を作成する手段を有する。
【0029】請求項の発明は、MPEG規格に従った
データ圧縮を行った映像信号を再生するディジタル記録
再生装置において、データ圧縮を行った、フレーム間処
理を行わないIピクチャーの特殊再生用映像信号を復号
するときのパラメータを流用して、復号後の前方向予測
技術を用いたPピクチャーの通常再生用映像信号を符号
化して特殊再生用映像信号を作成する手段を有すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のディジタ
ル記録再生装置である。
【0030】請求項4の発明は、MPEG規格に従った
データ圧縮を行った映像信号のディジタル記録再生装置
において、再生画像の1秒当たりの再生フレーム数を減
らす目的で、データ圧縮を行った映像信号を一旦復号す
る手段と、復号の時に複数の動きベクトルをベクトル合
成する手段と、イントラマクロブロックについては復号
した画像信号を復号した時のヘッダ情報の中のパラメー
タをそのまま流用して再び符号化する手段とを備えたこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
ディジタル記録再生装置である。
【0031】請求項の発明は、フレーム間の処理を行
わないIピクチャーと数枚のPピクチャーから復号され
る画像において、数枚のPピクチャーを合成することに
よって、Iピクチャーとその合成されたPピクチャーの
みから復号するようにしたことを特徴とする請求項
記載のディジタル記録再生装置である。
【0032】請求項の発明は、MPEG規格に従った
データ圧縮を行った映像信号を記録再生するディジタル
記録再生装置において、ディジタル記録再生装置におい
て起こるドロップアウト等の誤り訂正できない場合から
誤り訂正できる場合に復旧した時に、MPEG規格に従
ったデータ圧縮の映像信号の復号器において、イントラ
タイプのマクロブロックの直前をスライスの開始とする
ように変更するブロック開始位置変更手段を備えること
を特徴とする請求項または請求項5に記載のディジタ
ル記録再生装置である。
【0033】請求項の発明は、フレーム間の処理をし
ないIピクチャーのイントラタイプのマクロブロックに
ついて、画像の横方向のマクロブロックの列の中でスラ
イスの開始位置を適切な数にする手段を有することを特
徴とする請求項に記載のディジタル記録再生装置であ
る。
【0034】請求項1または2の発明においては、通常
再生の時にドロプアウト等によって誤りが訂正できない
場合、上記の高速再生用の映像信号を使って、その高速
再生用の映像信号の誤り訂正ができないマクロブロック
(MBと略す)かスライス単位でデータを置き換えて、
誤りを修正することができる。
【0035】まず、通常再生用の映像信号を復号して行
く。ディジタル記録再生装置で誤り訂正が行えなかった
場合は、誤り訂正の部分でどのSBが誤り訂正できなか
ったかがわかるので、通常再生の映像信号において誤り
訂正できなかった部分の画像位置をメモリしておく、そ
して、高速再生用の映像信号を順次デコードしていきそ
の上記の置き換えるべき画像位置の部分の信号を置き換
える。
【0036】例えばデータ圧縮には可変長符号化を用い
ているため、誤りが起こったら、次の復号可能な符号は
次のスライスのスタート以降となる。したがって、デー
タの置き換えは、誤りのあったMBから次のスライスの
直前までとなる。
【0037】また、請求項3の発明においては、あるP
ピクチャーを復号し、その画像データをIピクチャーと
して再び符号化し、この新たなIピクチャーの映像信号
を用いることによって、上記のPピクチャーの誤り修正
を行うことができる。これにより誤りの伝搬を軽減する
ことができ、誤りの訂正できない場合がおこっても画質
劣化を低減できる。これにより、前記高速再生用画像の
段階や周波数成分の段階で補間によって誤り修正する場
合に比べ回路規模が小さくなる。
【0038】Pピクチャーを画像の段階まで復号し、I
ピクチャーとして符号化し直す場合は、例えばシーケン
スヘッダの中のイントラタイプのMB用の量子化マトリ
ックスを用いて行う。また、量子化係数は元からIピク
チャーであった画像の中の同じ画面上の位置のMBの量
子化係数を使う。データ量の調整は、DCTの成分に制
限を加えることで行う。このようにデータ圧縮時のパラ
メータを流用することによって簡略化した形で比較的容
易にMPEG規格にしたがったデータ圧縮をリアルタイ
ムで行うことができる。
【0039】高速再生を行う場合、Iピクチャーのみだ
けでなく、Pピクチャーも利用すると、Iピクチャーの
みで高速再生を行う時より、映像としての動きが滑らか
になり、画質が向上する。
【0040】そこで、請求項または請求項のように
1枚のIピクチャーと数枚のPピクチャーから復号する
画像に対し、その数枚のPピクチャーを合成して1枚の
Pピクチャーにする。このようにすればIピクチャーと
Pピクチャー変換のIピクチャーのデータ量よりもIピ
クチャーと新たなPピクチャーデータ量の方が少ない。
したがって、このデータ量を低減でき、画質の向上を図
ることができる。
【0041】この場合の処理の要点を簡単に説明する。
合成を行うPピクチャーの処理を行うあるMBが、イン
トラタイプの場合はそのままイントラタイプとする。I
ピクチャーまで逆上ってMBタイプを調べたとき、すべ
てがMCでない場合(単純フレーム間予測の場合、no
nMCタイプと略す)はスキップタイプとする。元の画
像に逆上れず、途中のPピクチャーのイントラタイプの
MBのデータを利用できる場合は利用して、イントラタ
イプとする。MCタイプでmvから元の画像としてIピ
クチャーにまで逆上れる場合はmvを合成しMCタイプ
でIピクチャーの画像データをそのまま使う場合(DC
T係数を持たない場合、notCodedタイプと略
す)とする。それ以外の場合は、合成しようとするPピ
クチャーのそのMBの画像データをそのPピクチャーの
パラメータをそのまま使用してイントラタイプのMBと
して、ATV方式のエンコードをし直す。
【0042】誤り訂正できない場合から誤り訂正できる
場合へ復旧することを考える。ディタルVCRが記録す
るATV方式の信号において、1つのスライスのなかに
イントラタイプのMBがある場合、請求項のようにそ
のイントラタイプのMBを強制的に新たにスライスの開
始するMBとする。つまり、スライスの先頭でないイン
トラタイプのMBをスライスの先頭にすることによっ
て、独立に復号できる最小単位であるスライスの数を増
やし、誤り訂正できるように復旧する場合の、復旧でき
る時点を増やすことができる。この手段によって、誤り
訂正できない場合の画質劣化を低減することができる。
【0043】高速再生の場合は、高速再生のためのデー
タを作る時に、1つのSB毎にSBの開始時点にスライ
スヘッダを作り挿入する。その後高速再生のためのデー
タを作成して行き、SBに割り当てる高速再生のための
データ量を越えたMBの前のMBまでをそのSBのデー
タとする。SBの余った部分についてはスタッフィング
バイトを割り当てる。
【0044】なお、Iピクチャーにおいては、すべてイ
ントラタイプのMBなので、すべてのMBをスライスの
先頭とするとデータ量が増え過ぎてしまうので、請求項
のように、画像の横方向のMBの列の中にスライスの
先頭が何個か存在するように設定するのが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明を詳細
に説明する。この実施例では、通常再生用の映像信号と
高速再生用の映像信号を別にテープ上に記録するディジ
タルVCRについて本発明を適用するものである。
【0046】実施例では、MPEG規格にしたがってデ
ータ圧縮した映像信号の1方式である米国のアドバンス
トテレビジョン(ATVと略す)方式の映像信号を記録
するビデオカセットレコーダ(VCRと略す)について
説明する。なお、本発明はこの例に限らない。
【0047】このVCRは、記録再生部分、変復調部
分、Sync.ID付加、誤り訂正の部分は現在商品化
されつつあるSD−VCRと共通の規格の回路が使用さ
れる。前記図8にSD−VCRのブロック図例を示す。
【0048】VCRにおいて高速再生を行う場合は、図
11(a)、(b)に示すように、一般的にATVの信
号を間欠的に一部しか読むことができない。したがっ
て、高速再生時に通常再生用のデータを使って元の画像
を復号することはできない。そこで、高速再生用の専用
の映像信号を作成し、専用の記録領域に記録して高速再
生を実現することが行われる。図11(a)、(b)の
ヘッドトレースはそれぞれ、図10(a)、(b)のヘ
ッド配置の場合に対応している。
【0049】この高速再生専用データの元になる画像デ
ータは主としてIピクチャーのデータである。図12に
ATV方式の画像データ圧縮において、イントラフレー
ム(Iピクチャー)、前方予測符号化(Pピクチャ
ー)、双方向予測符号化(Bピクチャー)による構成を
示す。この図ではグループオプピクチャー(GOPと略
す)は12フレームであるが、以下の説明は15フレー
ムとしている。
【0050】そこで、通常再生の時に誤り訂正をしても
ドロップアウト等によって誤りが訂正できない場合、上
記の高速再生用の映像信号を使って、その通常再生用の
映像信号の誤り訂正ができない部分をマクロブロック
(MBと略す)単位あるいはスライス単位でデータを置
き換える。
【0051】通常再生の映像信号と高速再生専用の映像
信号の開始はテープ上でほぼ同じ位置に記録する必要が
ある。つまり、高速再生専用のある1フレームの映像信
号が記録される最初の部分のテープ上の位置と、その高
速再生用の映像信号の元になる通常再生用の映像信号の
最初の部分とがテープ上でほぼ同じ位置に記録されるよ
うにする。これは、記録時に簡単に実現できる。記録時
には、パケットのデータ形式をSD−VCRのシンクブ
ロック(SBと略す)のデータ形式に変換するため、通
常再生用の映像信号は必ずバッファを通す。したがっ
て、バッファから読み出す時期を遅らしタイミングを調
整することによって、上記のような通常再生用の映像信
号と、高速再生用の映像信号のテープ上の記録位置を制
御するものである。
【0052】この制御方法の利点は、対応する2つの映
像信号のうち高速再生用の映像信号より通常再生用の映
像信号の方が少し早く再生されるということである。つ
まり、通常再生用の映像信号のある部分で誤り訂正がで
きない時、その画像上の位置がわかってから、対応する
高速再生用の映像信号が再生されることになる。
【0053】まず、誤り訂正できなかった部分の画像位
置をメモリしておき、高速再生用の映像信号を順次デコ
ードしていきその画像位置の部分を置き換えればよいこ
とになる。
【0054】これが時間的に逆に再生されるなら、置き
換え用の映像信号が先に再生され、画像位置とその符号
の対応が取れる用にメモリできるように回路を構成する
必要がある。そうしておいて、誤り訂正できない部分が
発生した時に、画像位置との対応をとったメモリから対
応する部分のデータを置き換える。画像位置とその符号
が対応するようなメモリの仕方は、データ圧縮された映
像信号には可変長符号が使われることから、アドレスと
画像位置を対応させその符号長は最大の符号長にしてお
く必要があるものである。通常の画像データが8ビット
であっても、可変長符号の最大の符号長は8ビットより
長いのが普通であって、よりメモリ容量が増える。
【0055】以上のことを言い換えると、破棄するデー
タの前後を先に復号するか、置き換えて挿入するデータ
を先に復号するかという違いである。置き換えて挿入す
るデータは選び出さなければならないので、その処理を
可変長符号の復号の時に同時に行った方がメモリの構成
が簡単になるということである。
【0056】なお、特に、テープ上の位置を規定する方
法については上記の方法に限定する必要はない。しか
し、どの通常再生用の映像信号とどの高速再生用の映像
信号が対応するのか再生側のみでわかるようにしなけれ
ばならない。他の方法としては、高速再生用の映像信号
のSBと、その高速再生用の映像信号を作成した元の通
常再生用の映像信号のSBにそれぞれ識別するための信
号を付け加えておく方法が考えられる。
【0057】図1に本発明の実施例のVCRにおける誤
り修正回路のブロック図を示す。それ以外の部分は前記
図8のD−VCRと同様のために、説明および図示を省
略する。
【0058】図1に示すように、前記修正回路では、S
D−VCRの再生系11でディジタル復調された再生信
号41がECC(誤り訂正符号)12に入力されて誤り
が訂正される。ECC12からは誤り訂正後のSB信号
42とSBの誤りを示す信号43が出力されて、それら
信号42、43はVTRのSB選択およびデコード回路
13に入力される。
【0059】前記SB選択およびデコード回路13は、
前記SB信号42を前記誤りを示す信号43に基づき選
択して、誤り訂正不能データ44、誤り訂正不能データ
発生後のデータ45、誤り訂正不能データ発生前のデー
タ46を各バッファ16、15、14にそれぞれ入力し
てメモリすると共に、通常再生用のデータ48、高速再
生用のデータ48をそれぞれAVTのトランスポートパ
ケットデコード回路22、23に入力する。
【0060】前記通常再生用のデータの入力された前記
デコード回路22は、パケッタイズドエレメンタリスト
リーム(PESと略す)パケットデコード回路24と共
に、前記通常再生用のデータをATVの画像データ圧縮
の規格にしたがったディジタルデータに復号し、アドレ
ス検出回路(ATVの画像データ圧縮のデコーダの一部
分)26は誤り訂正のできなかった画像上の位置を調べ
るものである。
【0061】前記高速再生用のデータの入力されたデコ
ード回路23は、PESパケットデコード回路25と共
に、前記高速生用のデータをATVの画像データ圧縮の
規格にしたがったディジタルデータに復号する。アドレ
ス検出回路(ATVの画像データ圧縮のデコーダの一部
分)27はデータの画像位置を調べる。置き換えデータ
作成回路28は、前記調べた画像位置に基づき、置き換
えて挿入する画像位置のデータを前記PESパケットデ
コード回路25の出力段階から選び出す。選び出された
データは、PESエンコード回路29およびトランスポ
ートパケットエンコード回路30により、パケットのデ
ータ形式にした置き換え用のディジタルデータに変換さ
れる。この置き換え用のディジタルデータはバッファ3
1にメモリされて、デマルチプレクサ20に出力され
る。
【0062】前記各バッファ14、15の画像データ
は、それぞれ、誤り発生前後のスライスのパケット構成
組み換え回路17、18により、前記デマルチプレクサ
20へ読み出される。この場合には、バッファ14の誤
り訂正不能データ発生前の通常再生用のデータを読み出
し、その後に、誤り訂正の不能データに換えて前記バッ
ファ31の置き換え用データを読み出して、さらに、バ
ッファ15の前記誤りから復旧した通常再生用データを
読み出す。デマルチプレクサ20はこれらのデータを正
常な順番になるようにし、その正常な順番のデータはパ
ケットインターフェース21を通してビットストリーム
47で出力される。
【0063】なお、アドレス検出回路27は高速再生用
データのSBで誤りのある位置を検出した場合、データ
の置き換え不能を示す信号50をエラーインディケータ
設定回路19に出力する。前記信号50が入力されたエ
ラーインディケータ設定回路19は高速再生用データS
Bで誤りが発生した場合にはデータの置き換えができな
いので誤りの起こったATVトランスポートパケット信
号をそのまま出力する。該エラーインディケータ設定回
路19はトラスポートパケットのヘッダの中の、誤りの
あることを示すフラグの設定を行う。
【0064】次に、誤り修正回路の処理について説明す
る。図2は実施例に係る誤り訂正不能なSBの発生の様
子とその時の修正の行った後のSBの様子を示すもので
あって、(a)で誤り修正前の有効データを、(b)で
誤り修正後のSBの有効データを示している。
【0065】高速再生用のデータがGOP1つ(15フ
レーム分)にほぼ対応する150トラックで1フレーム
の映像信号を記録する場合、この高速再生用のデータを
すべて読み終わる時間、つまり、通常再生用の150ト
ラック分のデータを読む時間だけ、バッファ14を使っ
て通常再生用のデータ46を遅延させる。
【0066】また、前述のように、通常再生用のデータ
と高速再生用のデータのテープ上の位置がほぼ同じなの
で、ほぼ同時に、高速再生用のデータの復号を行う。通
常再生用のバッファの最初の映像信号は高速再生専用の
データの元の映像信号となるように対応している。VC
R(ECC12など)で誤り訂正が行えなかった場合
は、SBの誤りを示す信号43で誤り訂正の部分でどの
SBが誤り訂正できなかったかが分かる。
【0067】(通常再生用データの取り扱い)図1に誤
り修正回路において、上記の通常再生用のデータ46を
順次バッファ14にメモリすると同時にAVTのトラン
スポートパケットデコード回路22、PESパケットデ
コード回路24、及びアドレス検出回路26で、その誤
りの訂正できなかった部分の画像上の位置を調べる。
【0068】そして、その誤り訂正できなかった部分の
MBかスライスの位置をメモリしておく。その誤り訂正
できなかったスライスの次のスライス以降の通常再生用
ディジタルデータは別のバッファ15にメモリする。こ
の場合、誤りがわかるのはSB単位であり、SB単位で
データの選択を行うが、バッファにメモリする時はSB
を復号し連続した状態でよい。ただし、この時は、AT
Vのトランスポートパケットの状態になっている。
【0069】なお、通常再生用のデータの誤り訂正でき
なかったMBかスライスの部分の直前の映像信号の画像
上の位置を判別し、誤り訂正できなかった画像データの
画像上の位置を求めることができる。また、誤り訂正で
きなかったSBの後の誤り訂正ができたSBのデータか
ら次のスライスのスタートコードを検出することによっ
て、そのスライスのスタートの画像上の位置と、ビット
ストリームの中での位置を検出することができる。
【0070】また、データ圧縮には可変長符号化を用い
ているため、誤りが起こったら、次の復号可能な符号は
次のスライスのスタート以降となる。したがって、デー
タの置き換えは、誤りのあったMBから次のスライスの
直前までとなる。(図2)誤りのあったスライスをそっ
くり置き換えると、回路が少し簡略化できる。スライス
のスタートコードを検出することで容易にスライスヘッ
ダを検出でき、スライスヘッダの中の情報として画像上
の位置があるので、画像上の位置を容易に判別できるの
である。したがって、MBを復号する必要がなく、スラ
イスヘッダの解釈のみの処理ですむ。
【0071】(高速再生用データの取り扱い)次に、高
速再生用のデータもATVのトランスポートパケットデ
コード回路23、PESパケットデコード回路25で復
号して行く。この処理によって、高速再生用のデータは
ATVの画像データ圧縮の規格にしたがったディジタル
データになっている。
【0072】そして、アドレス検出回路27で画像位置
を調べ、置き換えデータ作成回路28で前述の置き換え
て挿入する画像位置のデータをPESパケットデコード
回路25の出力段階から選び出す。そして、そのデータ
をPESパケットエンコード回路29、トランスポート
パケットエンコード回路30でパケットのデータ形式に
する。
【0073】さらに、前記パケットのデータ形式にされ
た置き換え用のディジタルデータ51をバッファ31に
メモリしておく。そして、バッファ14から通常再生の
データ46の初めから読み出し、バッファ31から置き
換え用のデータ51を読み出し、その後、別のバッファ
15にメモリしてあった誤りから復旧した通常再生のデ
ータ46を読み出す。つまり、正常な順序のパケットの
順番になるようにデマルチプレクス20する。その後パ
ケットインターフェース21を通して出力する。
【0074】なお、1フレームの画像に対する通常再生
用のデータ量は、同じ画像に対応する高速再生専用のデ
ータ量に比べ多いので、この置き換えによって、データ
量が減ることになる。適時、データ量を合わせるため
に、図2に示すように、スタッフィングバイトを挿入す
る。逆に、通常再生用のデータの量が、高速再生用のデ
ータ量より少ないことは絶対にないので、この点につい
ては矛盾は起こらない。
【0075】図2(a)にSBの構成とATVのトラン
スポートパケットの構成と誤り訂正不能なSBの発生の
様子を示す。あるSBで誤りが訂正できない時、そのS
Bのデータはすべて無効にする。その前のSBの復号で
きたMBまでが有効なデータとなる。トランスポートパ
ケットではそのパケットの有効データをトランスポート
パケットのヘッダで示すことができるので、この情報を
設定することによって、誤りのないMBまでのデータを
示す。
【0076】次に、置き換えのデータは、図2(b)に
示すように、別に、トランスポートパケットの段階ま
で、エンコードを行う。最初のパケットは最初から最後
まで有効なデータであるが、置き換えの最後のパケット
はパケットの始まりから途中までは有効なデータになる
ことが多いので、その範囲をトランスポートパケットの
ヘッダで示す。
【0077】復旧後の最初のパケットは有効データがそ
のパケットの途中から始まるので、無効となったデータ
を破棄し、有効なデータをパケットの開始の方向に詰め
て、余った所にスタッフィングバイトを挿入する。そし
て、その有効なデータをトランスポートパケットのヘッ
ダで示す。
【0078】このようにすると、ATVのパケットを受
信した所では、有効なデータをつなげてバッファにメモ
リするので、インターフェース以後のデコードが問題な
く行われる。この様子を図2(b)に示している。
【0079】ところで、高速再生用のデータのSBでも
誤りが発生した場合は、データの置き換えはできないの
で、誤りの起こったATVトランスポートパケットをそ
のまま出力する。ただし、ATVのトランスポートパケ
ットのヘッダに中に誤りがあることを示すフラッグがあ
るので、エラーインディケータ設定回路19で当該ヘッ
ダにフラッグを設定しておく。
【0080】すなわち、トランスポートパケットの受信
側のインターフェースの最初のクロックは、データの周
期を元に同期をとる。したがって、誤りのあったトラン
スポートパケットを送信側つまりVCRで破棄し無信号
状態を作るよりは、誤り訂正のできないトランスポート
パケットを送信しデコーダでパケットの破棄等の処理を
行った方が、クロックの同期の連続性等の面でシステム
ダウンが起こりにくい。
【0081】この処理方法は、まわりの画像データから
補間するのではないので、情報は正確である。ただし、
高速再生のデータは解像度を低くすることによってデー
タ量を少なくしているので、この誤り修正を行った部分
の解像度は低い。しかし、元の画像情報と大きく異なる
ことは絶対にないと言い得る。
【0082】また、この処理方法によれば、ATVのパ
ケットデコードのみを行えばよいので、周波数成分の段
階で補間する方法や、最後までATVのデコードを行っ
て画像情報に戻してから補間をしまたATVの符号化を
行う方法より、回路が簡単で小型化でき、処理に要する
時間も短くてすむ。
【0083】以上においては、高速再生のデータはIピ
クチャーのみとしたが、Pピクチャーを用いることも可
能である(請求項3〜6に相当)。このようにすること
によって、Pピクチャーの誤り修正を行えることにな
る。しかし、Pピクチャーをすべて記録するにはデータ
の記録領域が足りない。あるPピクチャーを復号し、そ
の画像データをIピクチャーとして再び符号化し、この
新たなIピクチャーの映像信号を用いることによって、
上記のPピクチャーの誤り修正を行うことができる。
【0084】この場合は、前述のIピクチャーの誤り修
正のように、誤り訂正できない部分のデータ圧縮された
映像信号を、新たにイントラタイプのMBとして、誤り
修正のためのIピクチャーの該等するイントラタイプの
MBのデータで置き換えることによって、Pピクチャー
の誤り修正を行う。
【0085】Pピクチャーを復号し、Iピクチャーとし
て符号化し直す場合は、シーケンスヘッダの中のイント
ラタイプのMB用の量子化マトリックスを用いて行う。
データ量の調整は、DCT(離散的コサイン変換)の成
分に制限を加えることで行う。例えばDC成分とAC係
数を2個だけを用いることにすれば、データ量の増加は
最小限ですむ。回路の増加を考慮すると、新たな量子化
マトリックスを求めるよりは、解像度が落ちてもDCT
の係数を制限した方がよい。
【0086】また、高速再生を行う場合、Iピクチャー
のみだけでなく、Pピクチャーも利用すると、Iピクチ
ャーのみで高速再生を行う時より、映像としての動きが
滑らかになり、画質が向上する。上記のようにPピクチ
ャーをIピクチャーに変換する方法が1つの方法である
が、すべてがイントラタイプのMBになるため、データ
量が増える。データ量を少なくするには、用いるDCT
係数を制限する方法が考えられるが、空間解像度が悪く
なる。
【0087】そこで、1枚のIピクチャーと数枚のPピ
クチャーから復号する画像に対し、その数枚のPピクチ
ャーを合成して1枚のPピクチャーにする。Iピクチャ
ーと前述のような新たなIピクチャーのデータ量より
も、Iピクチャーと新たなPピクチャーデータ量の方が
少ない。したがって、このデータ量の低減によって、画
質の向上を図ることができる。
【0088】合成を行うPピクチャーまでをATVのデ
コーダでデコードし、そのPピクチャーの画像データを
フレームメモリにメモリしておく。また、このデコード
を行った時の各PピクチャーのMBの動きベクトル(m
vと略す)を含むパラメータをメモリしておく。
【0089】まず、処理の要点を簡単に説明する。合成
を行うPピクチャーの処理を行うあるMBが、イントラ
タイプの場合はそのままイントラタイプとする。Iピク
チャーまで逆上ってMBタイプを調べたとき、すべてが
MC(motion compensation:動き補正)でない場合
(単純フレーム間予測の場合、nonMCタイプと略
す)はスキップタイプとする。一方、元の画像に逆上れ
ず、途中のPピクチャーのイントラタイプのMBのデー
タを利用できる場合は利用して、イントラタイプとす
る。MCタイプでmvから元の画像としてIピクチャー
にまで逆上れる場合はmvを合成しMCタイプでIピク
チャーの画像データをそのまま使う場合(DCT係数を
持たない場合、notCodedタイプと略す)とす
る。それ以外の場合は、合成しようとするPピクチャー
のそのMBの画像データを、そのPピクチャーのパラメ
ータをそのまま使用してイントラタイプのMBとして、
ATV方式のエンコードをし直す。つまり、DCTを含
むエンコードをするのは、新しいMBがイントラタイプ
の時だけとなる。
【0090】規格ではピクチャー毎に量子化マトリック
スを設定できるが、新しいPピクチャーのイントラタイ
プの量子化マトリックスについては、合成しようとする
最後のPピクチャーと同じ量子化マトリックスをつかえ
る時以外は、ピクチャーヘッダのデータ量を減らすた
め、シーケンスヘッダの中に含まれる量子化マトリック
スに統一する。つまり、合成しようとする最後のPピク
チャーの量子化マトリックスがシーケンスヘッダの中の
ものと違っていて、かつ合成しようとするPピクチャー
の量子化マトリックスが同一の時以外は、シーケンスヘ
ッダ中の量子化マトリックスとなる。
【0091】符号化しなおす場合は、可変長符号化のデ
コード(VLDと略記)、各々の量子化マトリックスで
逆量子化、逆DCT、DCT、シーケンスヘッダの中の
量子化マトリックスを用いて再び量子化し、可変長符号
化(VLCと略記)とを行う。また、合成しようとする
最後のPピクチャーのMBの量子化係数は、元のイント
ラタイプのMBについている量子化係数と同一のとき以
外は、変換したものを使うことにし、新たなPピクチャ
ーのMBに付加する。上記の量子化マトリックスの変換
のための逆量子化、量子化の処理には当然この量子化係
数も考慮する。
【0092】以上より、新たなPピクチャー(P’ピク
チャーと表す)のMBタイプは、スキップタイプ、MC
notCodedタイプ、イントラタイプ、イントラ+
Qタイプの4種類となる。
【0093】図3〜図7に本発明の実施例におけるPピ
クチャーの合成手順を示し、以下に、その説明をする。
なお、図3〜図7では、P1ピクチャーをP1と、P2
クチャーをP2とそれぞれ略している。また、P1とP2
を合成した後の新しいPピクチャーをP2’とする。ま
た、各ステップをS1…で表している。
【0094】この手順では、元のピクチャーの構成を次
のように仮定している。GOPは15フレームであり、
通常通りIピクチャーまたはPピクチャーの間隔は3フ
レームである。 B B P1 B B 2 B B P3 B B P4 B B ↓ 置き換え用の映像信号の元の映像信号 高速再生用映像信号の元の映像信号
【0095】前記合成手順がスタートすると、まず、P
1ピクチャー、P2ピクチャーの両方にピクチャーヘッダ
の中にイントラデータ用量子化マトリックスがあるか否
かを判断し(S101)、前記両方に前記量子化マトリ
ックスがあれば、P1ピクチャー、P2ピクチャーのイン
トラ用の量子化マトリックスはほぼ同じか否かを判断す
る(S102)。判断の結果、ほぼ同じであれば、フラ
グFquant=0として(S03)、P2’ピクチャーの量
子化マトリックスをP2ピクチャーの量子化マトリック
スとする(S107)。
【0096】一方、S101で少なくとも一方のピクチ
ャーヘッダの中に量子化マトリックスがないならば、P
1ピクチャー、P2ピクチャーのイントラ用の量子化マト
リックスはシーケンスヘッダ中のものとほぼ同じである
か否かを判断し(S105)、同じであれば、前記フラ
グFquant=0として(S106)、P2’ピクチャーの
量子化マトリックスをシーケンスヘッダ中の量子化マト
リックスとする(S107)。また、同じでないなら
ば、P2のイントラ用の量子化マトリックスはシーケン
スヘッダ中のものと同じか否か判断して(S108)、
同じであれば、フラグFquant=1とし(S109)、
異なれば、フラグFquant=2として(S110)、前
記S107に進む。
【0097】なお、前記S102でP1ピクチャー、P2
ピクチャーのイントラ用の量子化マトリックスはほぼ同
じでないならば、フラグFquant=3として、前記S1
07に進む(S111)。
【0098】前記S104、S107で処理が終了後に
は、処理を行うP2ピクチャーのMBがイントラタイプ
か否かを判断して(S112)、P2ピクチャーのMB
がイントラタイプの場合はこれからデータを作る新しい
MBをイントラタイプとして(S113)、図4に示
す、S201以降の処理に進む。
【0099】一方、P2ピクチャーのMBがイントラタ
イプでない場合は、MBのタイプがnonMC−Cod
edタイプ、または、nonMC−Coded+Qタイ
プであり(S114)、画面上の同じ位置にあるP1
クチャーのMBがイントラタイプである場合は(S11
5)、これから作る新しいMBをイントラタイプとして
(S116)、図5に示すS301以降の処理に進む。
また、S114において、MBのタイプがnonMC−
Codedタイプ、nonMC−Coded+Qタイプ
のいずれでもない場合は、図6に示すS401以降の手
順に進む。さらにS115において、画面上の同じ位置
にあるP1ピクチャーのMBがイントラタイプでない場
合は、図7に示すS501以降の手順に進む。
【0100】図4に示す、S201以降の手順では、フ
ラグFquant=0またはFquant=1であるならば(S2
01、S202)、P2ピクチャーのMBがイントラタ
イプでは(S112で判断された)、イントラタイプで
データはそのままか、またはDCT係数を制限する(S
203)。この場合、イントラ+Qタイプはイントラ+
Qタイプにする。また、量子化マトリックスに変更がな
い場合は、データはそのままか、またはDCTを制限す
る。
【0101】P2ピクチャーで量子化マトリックスが別
に設定されていてかつシーケンスヘッダ中の量子化マト
リックスに変更する場合(S204)は、P2ピクチャ
ーのMBのデータを可変長符号化のデコード(VLD)
し(S205)、MB毎の量子化係数を考慮してP2
クチャーの量子化マトリックスを逆量子化し、シーケン
スヘッダの中の量子化マトリックスで量子化し直す(S
206)。その後に、データを可変長符号化(VLC)
する(S207)。
【0102】また、図5に示す、S301以降の手順で
は、P2ピクチャーのMBがnonMC−Codedタ
イプ、nonMC−Coded+Qタイプの場合は、そ
のMBに対応するP1ピクチャーの対応する1つのMB
のタイプによって処理が変わる。
【0103】P1ピクチャーのそのMBがイントラタイ
プ、イントラ+Qタイプの場合、それぞれイントラタイ
プ、イントラ+Qタイプとする。P1ピクチャーとP2
クチャーの量子化マトリックスがほとんど同じで、どち
らの量子化マトリックスを用いてもよい場合は、データ
はそのままかまたはDCTの係数を制限する(S30
1、S302、S303)。
【0104】一方、量子化係数が異なる場合は、量子化
係数を変更する。つまり、P2ピクチャーのMBの量子
化係数を用いずP1ピクチャーのMBの量子化係数をそ
のまま使う(S304)。量子化マトリックスを変更す
る場合は、P1ピクチャーのMBのデータを可変長符号
化のデコード(VLD)し(S307)、上記と同様に
1ピクチャーの量子化マトリックスで逆量子化し、シ
ーケンスヘッダの中の量子化マトリックスで量子化し直
す。それは量子化も逆量子化と同じくP1ピクチャーの
元のMBの量子化係数を用いる(S308)。その後
に、データを可変長符号化(VLC)する(S30
9)。
【0105】図7に示す手順では、P1ピクチャーのM
Bがスキップタイプ、または、nonMC−Coded
タイプ、nonMC−Coded+Qタイプの場合は
(S501)、元の画像としてIピクチャーまで逆上れ
るので、スキップタイプとする(S502)。一方、P
1ピクチャーのMBがMC−notCodedタイプ、
MC−Codedタイプ、MC−Coded+Qタイプ
の場合は(S501)、そのmvをそのまま使ってMC
−notCodedタイプとする(S503、S50
4)。
【0106】また、図6の手順では、P2ピクチャーの
MBがMC−notCodedタイプ、MC−Code
dタイプ、MC−Coded+Qタイプの場合も、P1
ピクチャーのMBのタイプで処理が変わる。この時、一
般に、P2ピクチャーの1つのMBに対して、元の画像
の領域としてP1ピクチャーの4つのMBが対応する。
1ピクチャーの4つのMBともnonMC−Code
dタイプ、nonMC−Coded+Qタイプ、スキッ
プタイプの内のどれかのタイプならば(S401)、新
しいMBをMC−notCodedタイプとする(S4
02)。新たなmvとしてP2ピクチャーのMBのmv
をそのまま用いる(S403)。
【0107】P1ピクチャーの4つのMBが近い値のm
vをもったMC−notCodedタイプ、MC−Co
dedタイプ、MC−Coded+Qタイプの時(S4
04〜S406)、新たなmvをもった新たなMC−n
otCodedタイプとする(S407、S408)。
この時、まずP1ピクチャーの4つのMBうちの1つの
MBのmvを選ぶ。条件は4つのMBが近い値というこ
となので、どのMBのmvを用いても同じである。あら
かじめ画面の左上の位置のMBのmvを用いるとか、m
vをメモリしているメモリの中の最初のMBのmvを用
いるとか決めておけばよい。
【0108】そして、上記のように選んだP1ピクチャ
ーのMBのmvとP2ピクチャーのMBのmvをベクト
ル合成する。そして、この新たなmvを上記のこのP’
ピクチャーのMBの動きベクトルとする。4つのmvす
べてがほとんど0に近い値の時は(S405)、P1
クチャーの4つのMBすべてがnonMCタイプの時と
同じ処理とする(S402、S403)。
【0109】上記以外の場合は、元の画像としてIピク
チャーに逆上れない場合である。つまり、P1ピクチャ
ーの4つのMBがmvがばらばらな幾つかのMCタイプ
のMBかまたはnonMCタイプが混合された場合か、
4つの内すくなくとも1つのMBがイントラタイプのM
Bである場合である(S404〜S406)。この場合
は、P2ピクチャーのこのMB(1つのMBである)の
データがすでに画像データにまで復号しメモリしてある
ので(S409、S410)、その画像データをDCT
し(S411)、シーケンスヘッダ中の量子化マトリッ
クスと量子化係数を用いて量子化し(S412)、この
MBのデータを可変長符号化(VLC)し(S41
3)、最終的にATVのエンコードをする。
【0110】以上のような処理によって、簡略化した
P’ピクチャーを作成することができる。このフローチ
ャートそのままを各ブロックの役割の回路で実現するこ
とができ、この処理を実際の回路で構成することができ
る。このような処理によって作成したP’ピクチャーの
データ量はイントラタイプのMBが増えることになるの
で、一般に元のP2ピクチャーに比べデータ量が多くな
ってしまう。また、この合成後のP’ピクチャーとIピ
クチャーが時間的に離れている場合や、これらのIピク
チャー、Pピクチャーの間の映像の動きが激しい場合
は、イントラタイプのMBの数が増加し、増加するデー
タ量が多くなる。たとえ、イントラタイプのMBが多く
なりエンコードし直す部分が広くなっても、元の画像の
復号時のパラメータを流用するので、比較的簡単にエン
コードができる。また、新たにイントラタイプのMBに
変更した部分のDCTの係数を適当に制限することによ
って符号量を低減させる。DC成分のみに制限すれば、
イントラタイプのMBの増加によるデータ量の増加を押
さえることができる。
【0111】このように、DCTの係数を制限しても、
通常は誤り訂正できない部分が少なくまたは短時間でし
かも間欠的であるので、視覚的に目立たないはずであ
る。データのほとんどが誤り、また長時間誤り訂正でき
ないような場合というのは、テープがひどく損傷してい
る場合であり、常識的に再生不可能な場合である。VH
Sも含めた民生用のVCRとしては、大きな損傷を受け
た映像信号に対して大きな補修を行うというような場合
は想定しておらず、かつ、処理にしてもコストにしても
技術的に全く別なシステムである。したがって、本発明
は民生用のVCRを想定しているので、前述のような処
理は妥当である。
【0112】誤り修正については以上であるが、誤り訂
正できない場合から誤り訂正できる場合へ復旧すること
を考える。例えば、ディタルVCRが記録するATV方
式の信号において、1つのスライスのなかにイントラタ
イプのMBがある場合、そのイントラタイプのMBを強
制的に新たにスライスの開始するMBとする。つまり、
スライスの先頭でないイントラタイプのMBをスライス
の先頭にすることによって、独立に復号できる最小単位
であるスライスの数を増やし、誤り訂正できるように復
旧する場合の、復旧できる時点を増やすことができる。
この手段によって、誤り訂正できない場合の画質劣化を
低減することができる。
【0113】ただし、スライスの先頭にするには、スラ
イスヘッダを挿入すればよいが、そのためにデータ量が
増えてしまう。この問題の解決方法は、記録の時はスラ
イスヘッダを挿入して記録し、誤り訂正ができた通常再
生の時はそのスライスヘッダを除去して出力すればよ
い。誤り訂正ができなかった場合は、そのトランスポー
トパケットを1つ破棄して、スライスヘッダを挿入した
まま送信してもデータ量は増えないことになるので、A
TVのデコーダで問題は起こらない。
【0114】VCRに記録する時は、SBを1つ増やし
て、データの増加分をその新たなSBに割り当てて吸収
する。その際識別信号とデータ量を示す信号も一緒に記
録しておく。識別信号はスライススタートコードを2〜
3回繰り返すものでよい。データ量を固定にして、デー
タ量を示す信号を省略してもよい。
【0115】Pピクチャー、Bピクチャーにおいては、
イントラタイプのMBは大体スライスの先頭になってい
るはずである。また、スライス中のイントラタイプのM
Bは数は多くないはずである。
【0116】Iピクチャーにおいては、すべてがイント
ラタイプのMBなので、すべてのMBをスライスの先頭
とするとデータ量が増え過ぎてしまうので、画像の横1
列のMBの中にスライスの先頭が何個か存在するように
設定する。例として、画面の横方向に8つのスライスの
先頭があるようにする。また、画面の中央ではそのスラ
イスの先頭の間隔を狭め、画面の端の方ではその間隔を
広げるようにする。回路の量を少なくするには、等間隔
の方がよいので等間隔にしてもよい。
【0117】最小限のスライスヘッダは次のようにな
る。 スライススタートコード 32ビット 量子化係数 5ビット イントラスライスヘッダ 1ビット イントラスライス 1ビット 予約情報 7ビット 付加ビットスライス 1ビット(0にセット) 合計 47ビット
【0118】スライススタートコードを2回繰り返して
他のスライスの先頭と区別することにすると、1つのス
ライスの先頭を増やす毎に合計79ビット、約10バイ
トのデータが増える。画像の横方向の1列のMBについ
て8カ所のスライスの先頭を設定するとしたので、デー
タ量は最大約70バイト増加する。1つのSBは77バ
イトのデータ容量があるので、1つのSBを割り当てる
だけで、このデータ量の増加を吸収できる。
【0119】以上を整理すると、Iピクチャーの画像の
横方向1列のMBは画像によって異なるがおおよそ1ト
ラックのデータ量に対応するので、Iピクチャーの場合
はおおよそ1トラックで通常再生用のデータの記録に使
うSBを1つ増やし、Pピクチャー、Bピクチャーでは
ほとんどの場合割り当てるSBの数を増やさないという
ことになる。
【0120】高速再生のためのデータについては、例え
ば、1つのスライスのデータが1つのSBのデータにな
るように構成することによって、1つのSBで誤り訂正
ができなかった場合でも、1つのスライスが復号できな
いだけに留めることができる。
【0121】また、高速再生のためのデータを作る時
に、1つのSB毎にSBの開始時点にスライスヘッダを
作り挿入する。その後高速再生のためのデータを作成し
て行き、SBに割り当てる高速再生のためのデータ量を
越えたMBの前のMBまでをそのSBのデータとする。
SBの余った部分についてはスタッフィングバイトを割
り当てる。
【0122】誤り訂正不能な場合がなくならず、かつそ
の頻度が多くない場合は、誤り訂正を余計に付加するよ
りも回路規模が少なくてすむ、この方法が有効である。
【0123】また、画面の端では、2〜4個のSBを1
つのスライスとし、画面中央では1個のSBを1個のス
ライスとする。このようにすることで上記のスライスヘ
ッダの数を減らすことができ、その結果として全体のデ
ータ量の増加を抑制することができる。
【0124】
【発明の効果】請求項1または2の発明によれば、通常
再生用のデータと高速再生用のデータを別の領域に記録
するディジタルVCR等再生装置において、高速再生用
のデータを使ってスライス単位かまたはマクロブロック
単位で置き換える方法により通常再生の誤り修正を行う
ことで、容易な処理で誤り訂正ができない部分が増えて
も画質劣化を視覚上低減することができる。請求項3の
発明によれば、MPEG2の規格によってデータ圧縮さ
れた画像データにおいて、いくつかのPピクチャーを合
成する手段によって、そのPピクチャーの直前のIピク
チャーから時間的に離れたPピクチャーによる画像をデ
コードできるようにPピクチャーを再構成して、あらか
じめテープ上に記録しておき、このデータを用いてPピ
クチャーの誤り修正を行う手段によって、このPピクチ
ャーに起こった訂正できない誤りはこのPピクチャー以
後に影響を及ぼさないようにでき、誤り訂正ができない
部分が増えても視覚上の画質劣化の低減をすることがで
きる。なお、テープへの記録時に、イントラMBについ
てスライスヘッダが付加されていない時、スライスヘッ
ダを作成し付加してからテープ上に記録することによっ
て、誤り訂正できない場合でも次のスライスを早くMP
EG2デコーダに入力することができるので、復旧が早
い。また、高速再生用のデータについても、SBのデー
タが1つのスライスのデータになるように構成すること
によって、高速再生用のSBにおいて誤り訂正不能にな
ってもその影響を最小限に留めることができる。請求項
またはの発明によれば、データ量を低減でき、画質
の向上を図ることができる。請求項の発明によれば、
誤り訂正のできない場合の画質劣化を低減できる。請求
の発明によれば、データ量が増え過ぎるのを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の誤り修正の回路のブロック図
である。
【図2】実施例に係る誤り訂正不能なSBの発生の様子
とその時の修正の行った後のSBの様子を示すものであ
って、(a)は誤り修正前の有効データ例を、(b)は
誤り修正後のSBの有効データ例を示している。
【図3】本発明の実施例のPピクチャーの合成の手順の
フローチャートである。
【図4】本発明の実施例のPピクチャーの合成の手順の
フローチャートである。
【図5】本発明の実施例のPピクチャーの合成の手順の
フローチャートである。
【図6】本発明の実施例のPピクチャーの合成の手順の
フローチャートである。
【図7】本発明の実施例のPピクチャーの合成の手順の
フローチャートである。
【図8】従来技術のSD−VCRの回路ブロック図であ
る。
【図9】1本のトラックのSB構造を示す図である。
【図10】(a)、(b)はそれぞれSD−VCRが考
慮している2種類のヘッド配置例の説明図である。
【図11】(a)、(b)はそれぞれ高速再生時のヘッ
ドトレースの例の説明図である。
【図12】ATVの伝送パケットのフレーム構成説明図
である。
【図13】ATV方式のデータ圧縮を行った映像信号に
おいて誤り訂正不能なデータが発生した時の誤り伝搬の
様子の説明図であって、(a)はIピクチャーで誤り訂
正不能なデータが発生した場合を示し、(b)Pピクチ
ャーで誤り訂正不能なデータが発生した場合を示してい
る。
【符号の説明】
11 SD−VCR再生系 12 ECC 20 デマルチプレクサ 21 パケットインターフェース 22、23 トランスポートパケットデコード回路 24、25 PESパケットデコード回路 26、27 アドレス検出回路 28 置き換えデータ作成回路 29 PESパケットエンコード回路 30 トランスポートパケットエンコード回路 41 再生信号 42 誤り訂正後のデータ 42 SBの誤りを示す信号 47 出力ビットストリーム 48 通常再生用のデータ 49 高速再生用のデータ 51 置き換え用のデータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 20/12,20/18 H04N 5/91 - 5/956 H04N 7/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MPEG規格にしたがってデータ圧縮さ
    れた映像信号を、通常再生についてはそのまま記録媒体
    に記録し、特殊再生についてはその映像信号から専用の
    映像信号を作成して前記記録媒体に記録するディジタル
    記録再生装置において、 符号化された通常再生用映像信号を復号する通常再生用
    映像信号復号手段と、 符号化された特殊再生用映像信号を復号する特殊再生用
    映像信号復号手段と、 前記通常再生用映像信号に誤りが多く復号できない部分
    がある場合に、復号された特殊再生用映像信号をその復
    号できない部分の映像信号に置き換える映像信号置き換
    え手段と、データ圧縮を行った特殊再生用映像信号を復号するとき
    のパラメータを流用して、復号後の通常再生用映像信号
    を符号化して符号化特殊再生用映像信号を作成する手段
    と、 を備えることを特徴とするディジタル記録再生装置。
  2. 【請求項2】 高能率符号化がMPEGの規格にしたが
    ったものであって、MPEGの規格にしたがってデータ
    圧縮された映像信号を、通常再生についてはそのまま記
    録媒体に記録し、特殊再生についてはその通常再生用映
    像信号の中のフレーム間処理を行わない映像信号である
    Iピクチャーの映像信号から特殊再生用の映像信号を作
    成して前記記録媒体に記録するディジタル記録再生装置
    において、 符号化された通常再生用映像信号を復号する通常再生用
    映像信号復号手段と、 符号化された特殊再生用映像信号を復号する特殊再生用
    映像信号復号手段と、 通常再生用映像信号の中でIピクチャー映像信号の誤り
    によってそのIピクチャーが復号できない場合に、特殊
    再生のために作成したIピクチャーの映像信号でその復
    号できない部分の映像信号を置き換える映像信号置き換
    え手段と、データ圧縮を行った特殊再生用映像信号を復号するとき
    のパラメータを流用して、復号後の通常再生用映像信号
    を符号化して符号化特殊再生用映像信号を作成する手段
    と、 を備えることを特徴とするディジタル記録再生装置。
  3. 【請求項3】 MPEG規格に従ったデータ圧縮を行っ
    た映像信号を再生するディジタル記録再生装置におい
    て、 データ圧縮を行った、フレーム間処理を行わないIピク
    チャーの特殊再生用映像信号を復号するときのパラメー
    タを流用して、復号後の前方向予測技術を用いたPピク
    チャーの通常再生用映像信号を符号化して特殊再生用映
    像信号を作成する手段を有することを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のディジタル記録再生装置。
  4. 【請求項4】 MPEG規格に従ったデータ圧縮を行っ
    た映像信号のディジタル記録再生装置において、 再生画像の1秒当たりの再生フレーム数を減らす目的
    で、データ圧縮を行った映像信号を一旦復号する手段
    と、 復号の時に複数の動きベクトルをベクトル合成する手段
    と、 イントラマクロブロックについては復号した画像信号を
    復号した時のヘッダ情報の中のパラメータをそのまま流
    用して再び符号化する手段とを備えたことを特徴とする
    請求項1乃至3のうちの何れかに記載のディジタル記録
    再生装置。
  5. 【請求項5】 フレーム間の処理を行わないIピクチャ
    ーと数枚のPピクチャーから復号される画像において、
    数枚のPピクチャーを合成することによって、Iピクチ
    ャーとその合成されたPピクチャーのみから復号するよ
    うにしたことを特徴とする請求項に記載のディジタル
    記録再生装置。
  6. 【請求項6】 MPEG規格に従ったデータ圧縮を行っ
    た映像信号を記録再生するディジタル記録再生装置にお
    いて、ディジタル記録再生装置において起こるドロップ
    アウト等の誤り訂正できない場合から誤り訂正できる場
    合に復旧した時に、MPEG規格に従ったデータ圧縮の
    映像信号の復号器において、イントラタイプのマクロブ
    ロックの直前をスライスの開始とするように変更するブ
    ロック開始位置変更手段を備えることを特徴とする請求
    4または請求項5に記載のディジタル記録再生装置。
  7. 【請求項7】 フレーム間の処理をしないIピクチャー
    のイントラタイプのマクロブロックについて、画像の横
    方向のマクロブロックの列の中でスライスの開始位置を
    適切な数にする手段を有することを特徴とする請求項
    に記載のディジタル記録再生装置。
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