JP3167188U - 超音波肉厚測定装置 - Google Patents

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阿部 晋太郎
晋太郎 阿部
野間 彰
野間  彰
原田 朋弘
朋弘 原田
永井 洋
洋 永井
英之 新家谷
英之 新家谷
健治 山田
健治 山田
寧 尾焼津
寧 尾焼津
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Abstract

【課題】ガイド管を確実かつ容易に固定することができる超音波肉厚測定装置を提供することを目的とする。【解決手段】管寄せ2に形成された検査孔4から管寄せ2に接続されたボイラチューブ3内に、ガイド管20を介してケーブルを挿入し、該ケーブルに設けられた超音波測定用のセンサプローブによってボイラチューブ3の肉厚を測定する超音波肉厚測定装置において、検査孔4から挿入されてボイラチューブ3に接続されたガイド管20を、拡径することによって固定する固定手段30を設ける。固定手段30は例えばバルーン40とエア供給管43とから構成する。【選択図】図2

Description

本考案は、超音波肉厚測定装置に関し、特にボイラの肉厚測定に好適な超音波肉厚測定装置に関する。
ボイラーチューブは定期的な肉厚測定を必要としている。一般的なボイラチューブの肉厚測定方法としては、インナーUT法や水浸UT法等が知られている。
特に管寄せに接続されているボイラーチューブの肉厚を計測しようとする場合には、インナーUT法により計測が行われているが、この方法では超音波プローブ(センサプローブ)をボイラチューブ内に挿入するためにボイラチューブ自体を切断する必要がある。また、超音波プローブをボイラチューブの内部に入れ込むために水流などの流体圧を加える必要がある。したがって、肉厚測定のための装置が大掛かりなものとなりコストが高いという欠点があった。
これに対して例えばごみ焼却ボイラのボイラチューブを計測しようとする場合、ボイラチューブの切断ができないことが多いため、炉内に足場を組んでボイラチューブの外面から肉厚をポイント計測する手法が採用されている。この手法では、計測精度の高度化や足場コストの低減等の課題があった。
一方で例えば特許文献1には、ガイド管を有する案内装置を用いることで、ボイラチューブを切断することなく該ボイラチューブの肉厚を測定する手法が提案されている。即ち、特許文献1の技術においては、管寄せに形成された検査孔から管寄せ内にガイド管を導入して管寄せ内を通過させることにより該ガイド管の先端をボイラチューブに導入する。その後、検査孔側からガイド管内に超音波プローブを導入し、該超音波プローブを前進させる。これによって、超音波プローブはガイド管内に沿って前進し、即ち、このガイド管に案内されるようにしてボイラチューブ内に導入される。
なお、この特許文献1の技術では、ガイド管の先端がボイラチューブ内に導入された際に該ガイド管の先端に配された電磁石に通電し、この通電による電磁石の磁力によってガイド管をボイラチューブの内壁面に固定することとしている。
特開2001−305110号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術においては、電磁石によってガイド管をボイラチューブに固定する手法を採用しているため、ガイド管の固定力に不安が残り、該ガイド管がボイラチューブから外れてしまうおそれがあった。
即ち、ボイラチューブの内壁面は湾曲した形状をなしているため、電磁石による固定力を強化するためには、該電磁石の形状を内壁面に沿った形状とする必要がある。しかしながら、ボイラチューブの内壁面の湾曲形状は一律ではないため、特定形状の電磁石では全てのボイラチューブに対応することができず、電磁石による固定力を十分に得ることができない場合があった。
また、検査孔とボイラチューブとがねじれの位置関係にある場合には、ガイド管が複雑な方向を向かざるを得ないため、十分な固定力を得ることができないという問題があった。
加えて、超音波プローブにより精密にボイラチューブの肉厚を測定するには、ボイラチューブ内の中心位置に超音波プローブを保持するための調芯機構が必須であり、この調芯機構はボイラチューブ測定部位の径に適合した大きさのものでなければいけない。しかしながら、例えばごみ焼却ボイラの場合、管寄せとボイラチューブの結合部位は異径チューブ(管寄せ側が小径でボイラチューブ側が大径)となっているものが多く、特許文献1に記されるような管寄せ内部からガイド管を使用してボイラチューブ内に超音波プローブを導入する方法を行うには、肉厚測定部位(即ち大径)のサイズに適合した調芯機構を備えた超音波プローブを、異径チューブの小径部位を通過させなければならない。このとき、従来のような調芯機構(例えばパンタグラフ型やブラシ型)を用いると、小径部位にさしかかった時に調芯機構が引っかかり、超音波プローブをボイラチューブ内に押し込めなかったり、また、たとえ押し込めるサイズであったとしても、既述のとおり十分なガイド管の固定力が得られていない場合、押込む力が固定力を上回り、ガイド管がボイラチューブから外れてしまうリスクが更に高まる。
そのため、超音波プローブをボイラチューブ内に正確に導入するためには、ガイド管を管寄せ内に確実に固定することができ、且つ管寄せとボイラチューブが結合する異径部位を、調芯機構を備えた超音波プローブが容易に通過できる構成を実現することが好ましい。
本考案はこのような課題に鑑みてなされたものであって、ガイド管を確実且つ容易に固定することができ、かつ管寄せとボイラチューブが結合する異径部位を、調芯機構を備えた超音波プローブが容易に通過できる超音波肉厚測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本考案は以下の手段を提案している。
即ち、本考案に係る超音波肉厚測定装置は、管寄せに形成された検査孔から前記管寄せに接続されたボイラチューブ内に、ガイド管を介してケーブルを挿入し、該ケーブルに設けられた超音波測定用のセンサプローブによって前記ボイラチューブの肉厚を測定する超音波肉厚測定装置であって、前記検査孔から挿入されて前記ボイラチューブに接続された前記ガイド管を、拡径することによって固定する固定手段を備えることを特徴とする。
このような特徴の超音波肉厚測定装置によれば、検査孔から管寄せ内に導入されてボイラチューブに接続されたガイド管を、固定手段の拡径によって強固に固定することができる。
また、本考案に係る超音波肉厚測定装置は、前記管寄せ内に配置され、エアが供給されることで膨張するバルーンと、該バルーンにエアの給排が可能なエア供給管とを備えることが好ましい。
このような特徴の超音波肉厚測定装置によってガイド管を固定する際には、エアが供給されていない状態のバルーンを管寄せ内に配置し、その後エア供給管を介して該バルーンにエアを供給してバルーンを膨張、即ち、拡径させる。これによって、バルーンがガイド管を管寄せの内壁面に向かって、あるいは、ボイラチューブに向かって押圧し、即ち、バルーンの押圧力によってガイド管を固定することができる。
また、管寄せの内壁面に密着させたバルーンによって、ガイド管を管寄せの軸線方向に押圧して該ガイド管を固定する構成であってもよい。
さらに、例えばバルーンをガイド管に外嵌される環状に形成し、当該バルーンにエアを供給して管寄せの内壁面に密着させることによってガイド管を固定する構成であってもよい。
一方、本考案に係る超音波肉厚測定装置は、前記管寄せに複数の前記ボイラチューブが接続されており、前記センサプローブは複数の前記ボイラチューブのうちの一の前記ボイラチューブに前記ガイド管を介して挿入され、前記固定手段は、一端が前記ガイド管に接続されて、可動可能とされたアームと、前記管寄せの外部から前記アームの可動を操作して、該アームの他端を前記ボイラチューブ内に挿入させる操作用ワイヤとを備えるものであってもよい。
このような特徴の超音波肉厚測定装置にガイド管を固定する際には、ガイド管がボイラチューブに接続された後、操作用ワイヤを操作することでアームを可動させ、当該アームの他端を他のボイラチューブ、即ち、ガイド管が接続されたボイラチューブとは別のボイラチューブ内に導入する。これにより、ガイド管を一のボイラチューブに接続した状態で容易に固定することができる。
さらに、本考案に係る超音波肉厚測定装置は、前記アームの他端に設けられ、該アームの他端が前記ボイラチューブ内に挿入された際に、該ボイラチューブの少なくとも径方向に拡縮可能とされる固定用拡縮部材と、前記管寄せの外部から前記固定用拡縮部材を拡径させる第一拡径用ワイヤと、前記管寄せの外部から前記固定用拡縮部材を縮径させる第一縮径用ワイヤとを備えるものであることが好ましい。
このような特徴の超音波肉厚測定装置にガイド管を固定する際には、ガイド管がボイラチューブに接続された後、操作用ワイヤを操作することでアームを可動させ、当該アームの他端に固定された固定用拡縮部材を他のボイラチューブ、即ち、ガイド管が接続されたボイラチューブとは別のボイラチューブ内に導入する。なお、このように固定用拡縮部材をボイラチューブに導入する段階では、該固定用拡縮部材を縮径された状態としている。
その後、第一拡縮用ワイヤを操作することによって、他のボイラチューブ内にて固定用拡縮部材を拡径させる。すると、固定用拡縮部材の外周が他のボイラチューブの内壁面に密着することで、該固定用拡縮部材が他のボイラチューブ内に固定される。この固定用拡縮部材の他のボイラーチューブに対する固定力はアームを介してガイド管に伝達される。これにより、ガイド管を一のボイラチューブに接続した状態で強固に固定することができる。
なお、この場合、前記固定手段が、前記アームを前記ガイド管の軸線方向にスライド移動可能とさせるスライド機構と、前記管寄せの外部から前記アームのスライド移動を操作するスライド用ワイヤとを備えるが好ましい。
スライド用ワイヤを操作することでアームを管寄せの軸線方向にスライドさせることができるため、アームに固定された固定用拡縮部材をより容易に他のボイラチューブ内に導入することができる。
また、前記固定手段は、前記固定用拡縮部材としてバルーンを備え、前記第一拡径用ワイヤ及び前記第一縮径用ワイヤに代えて前記管寄せの外部から前記バルーンにエアの給排が可能なエア供給管を備えているものであってもよい。
上記同様アームを操作することによってバルーンを他のボイラチューブ内に導入し、その後、このバルーンにエア供給管を介してエアを供給することで膨張、即ち、拡径させると、当該バルーンが他のボイラチューブの内壁面に密着する。これによって、アームを介してバルーンに接続されたガイド管を、一のボイラチューブに接続した状態で強固に固定することができる。
さらに、本考案に係る超音波肉厚測定装置においては、前記ケーブルに、前記ボイラチューブ内において前記センサプローブの軸線を前記ボイラチューブの軸線に一致させる調芯機構が設けられ、該調芯機構は、前記ボイラチューブ内で該ボイラチューブの径方向に拡縮可能とされた調芯用拡縮部材と、前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を拡径させる第二拡径用ワイヤと、前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を縮径させる第二縮径用ワイヤとを備えることが好ましい。
このような調芯機構を備えることで、センサプローブが管寄せとボイラチューブが結合する異径部位を容易に通過してボイラチューブ内に導入でき、センサプローブによるボイラチューブの肉厚の測定をより精度高く行うことができる。
また、本考案に係る超音波肉厚測定装置は、前記ケーブルの少なくとも一部が、順次連続して接続される複数の球体から構成されていることが好ましい。
ケーブルが複数の球体から構成されているため、該ケーブルを容易に屈曲させることができる。また、ガイド管内及びボイラチューブ内でケーブルを前進させる際に、ケーブルが屈曲している場合であっても、ケーブルの前進力が複数の球体を介して順次伝達される。したがって、たとえ複雑に曲折したガイド管内や管寄せとボイラチューブが結合している異径部位、ボイラチューブのベンド部分でもケーブルを確実に前進させることができる。
さらに、本考案に係る超音波肉厚測定装置において、前記ガイド管は、前記センサプローブと摺接可能な内周面を有する内管と、該内管の外周側に設けられたフレキシブルホースとを備えるものであることが好ましい。
これによって、ガイド管内を通過するセンサプローブの抵抗を低減させることができる。したがって、ガイド管内にてセンサプローブが引っ掛かってしまうことを回避することができ、より円滑にケーブルを前進、後退させることが可能となる。
本考案の超音波肉厚測定装置によれば、バルーンや固定用拡縮部材等の固定手段の拡径によって、ボイラチューブに接続されたガイド管を容易かつ強固に固定することができる。さらに、ボイラチューブ内で該ボイラチューブの径方向に拡縮可能とされた調芯用拡縮部材と、前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を拡径させる第二拡径用ワイヤと、前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を縮径させる第二縮径用ワイヤとを備えた調芯機構を用いれば、管寄せとボイラチューブ結合部の異径チューブを容易にセンサプローブが通過でき、複数の球体から構成されるケーブルによって、センサプローブをボイラチューブ測定部位まで確実に到達させることができる。したがって、ガイド管がボイラチューブから外れてしまうことを回避することができ、且つボイラチューブの肉厚測定をより円滑に行なうことが可能となる。
実施形態の超音波肉厚測定装置及びボイラの全体概要図である。 第一実施形態の超音波肉厚測定装置におけるガイド管及び固定手段の縦断面図である。 バルーンによるガイド管の固定方法を説明する図である。 バルーンとエア給排管との接続方法を説明する図である。 ガイド管を管寄せ内に導入してボイラチューブ付近まで到達させる手順を説明する図である。 ボイラチューブ付近まで到達したガイド管をボイラチューブに接続させる手順を説明する図である。 バルーンによるガイド管の固定方法の他の例を説明する図である。 バルーンによるガイド管の固定方法の他の例を説明する図である。 バルーンによるガイド管の固定方法の他の例を説明する図である。 第二実施形態の超音波肉厚測定装置におけるガイド管及び固定手段の縦断面図である。 スライド機構をレールの延在方向から見た図である。 アーム及び固定用拡縮部材の側面図である。 ストッパ部の縦断面図である。 第二実施形態の固定手段によってガイド管を固定する手順を説明する図である。 第二実施形態の固定手段の他の例を説明する図である。 第二実施形態の固定手段の他の例を説明する図である。 第三実施形態に係る調芯機構の縦断面図であって、調芯用拡縮部材の縮径を示す図である。 第三実施形態に係る調芯機構の縦断面図であって、調芯用拡縮部材の拡径状態を示す図である。 調芯用拡縮部材の拡径状態及び縮径状態を示す図である。 ケーブルの他の例を示す図である。 ガイド管が内管とフレキシブルホースとから構成されている例を示す図である。 ガイド管がフレキシブルホースとエルボ管とから構成されている例を示す図である。
〔第一実施形態〕
以下、本考案に係る超音波肉厚測定装置10の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示す超音波肉厚測定装置10は、ボイラ1におけるボイラチューブ3の肉厚を測定するために用いられる。
ボイラ1は、管寄せ2と複数のボイラチューブ3とを備えている。ボイラチューブ3は水蒸気の流路となる複数の小径管であって、管寄せ2の軸線方向に沿って配列されて一端が管寄せ2に接続されている。これらボイラチューブ3は管寄せ2と連通状態とされており、それぞれ該管寄せ2から斜め下方に向かって延在している。また、管寄せ2の上部には、点検用の検査孔4が該管寄せ2の軸線方向に離間して複数開口している。この検査孔4と上記ボイラチューブ3とは互いにねじれの位置関係となるように配置されている。
超音波肉厚測定装置10は、検査孔4及び管寄せ2内を介してボイラチューブ3にケーブル11を挿入し、当該ケーブル11の先端に設けられたセンサプローブ12によってボイラチューブ3の肉厚を計測する。
この超音波肉厚測定装置10は、図1に示すように、ケーブル11及びセンサプローブ12に加えて、ケーブル巻き取り装置13と、データ収集機器14と、データ解析PC15と、カメラ16と、カメラコントローラ17と、画像モニタ18と、ガイド管20とを備えており、さらに図2に示す固定手段30を備えている。
ケーブル11は例えば金属やビニール等からなる長尺状の部材であって、全長にわたって屈曲可能とされている。
センサプローブ12は、上記ケーブル11の先端部に設けられており、超音波を発することによってボイラチューブ3の肉厚データを測定可能とされている。なお、上記ケーブル11には、当該センサプローブ12に接続された配線が一体に設けられている。
なお、例えばケーブル11をスプリングワイヤ構造とし、その内周側をセンサプローブ12の配線が挿通する構成であってもよい。また、このようにケーブル11をスプリングワイヤ構造とする場合、ケーブル11先端側におけるワイヤ径を後端側に比べて大きく設定することがより好ましい。これにより、既述の複数の球体から構成されるケーブルと同じように、ケーブル11を押し込む際の力をより確実に先端に伝達することができる。
ケーブル巻き取り装置13は、ケーブル11の後端に接続されており、ボイラチューブ3内に挿入されたケーブル11を巻き取るために使用される。
データ収集機器14は、センサプローブ12によって測定されたボイラチューブ3の肉厚データがケーブル11を介して入力される。即ち、データ収集機器14は、ボイラチューブ3の肉厚データを収集する役割を有している。
データ解析PC15はデータ収集機器14が収集したボイラチューブ3の肉厚データを解析するために使用されるコンピュータである。
カメラ16は、上記ケーブル11が挿入された検査孔4とは別の検査孔4から管寄せ2内に挿入され、当該管寄せ2内の映像を撮影するために用いられる。撮影画像を確認しながらガイド管を管寄せ内に導入することで、測定対象のボイラチューブ管穴に確実に配することができる。
また、カメラコントローラ17は、管寄せ2内に配置されたカメラ16を該管寄せ2の外部から操作するためのコントローラであって、配線を介してカメラ16と接続されている。
さらに、画像モニタ18は、カメラ16が撮像した管寄せ2内の映像を写し出すモニタであって、カメラ16が撮像した映像データが入力される。
次にガイド管20について図2を参照して説明する。ガイド管20は、ケーブル11及びセンサプローブ12のボイラチューブ3への導入をガイドする管であって、ボイラチューブ3の肉厚の測定に先立って管寄せ2内に配置される。
このガイド管20は、その軸線方向全域にわたって蛇腹状をなすフレキシブルホースから構成されている。これによってガイド管20は、伸縮自在かつ屈曲自在とされるとともに、屈曲した際には外力が作用しない限り当該屈曲状態を保持することができるようになっている。また、このガイド管20は、該ガイド管20の軸線回りに捩じる力に対して剛性を有している。このようなガイド管20は、検査孔4内から管寄せ2内に挿入され、該管寄せ2内にて屈曲しながら延在し、その先端がボイラチューブ3にされている。
固定手段30は、管寄せ2内にてボイラチューブ3に接続されたガイド管20を固定する役割を有しており、本実施形態においては、図2に示すように、バルーン40とエア供給管43とから構成されている。
バルーン40は、例えばゴムやビニール等の部材からなる内部が中空状とされた略球体状の部材であって、内部にエアが導入されることで膨張する一方、内部からエアが排出されることで収縮するように構成されている。
このバルーン40には、例えば図3に示すように、その表面に当該バルーン40と同質材料からなる取っ手41が突出するように設けられており、当該取っ手41に挿通された結束用部材42がガイド管20に固定され、あるいは結束されることによって、これらバルーン40とガイド管20とが一体に固定されている。
エア供給管43は、上記バルーン40にエアを給排する役割を有する管であって、図2に示すように、その一端がバルーン40に接続されており、他端が給排制御弁46を介して図示しないエア源に接続されている。
このエア供給管43の一端は、より詳細には図4に示すように、ホースニップル44を介してバルーン40に接続されており、ホースニップル44とエア供給管43とは、これらを結束するようにして巻き付けられたホースバンド45によって一体に固定されている。これによって、エアを漏洩させることなく、エア供給管43を介してバルーン40ンへのエアの給排を可能としている。
次に、以上のような構成の超音波肉厚測定装置10によってボイラチューブ3の肉厚を測定する手順について説明する。
まず図5及び図6を参照して、管寄せ2内に検査孔4を介してガイド管20を導入し、該ガイド管20の一端をボイラチューブ3に接続させる手順について説明する。図5及び図6においては、ガイド管20に結束用部材42を介して固定されたバルーン40の図示を省略している。なお、管寄せ2内におけるガイド管20の動きは、他の検査孔4から管寄せ2内に挿入されたカメラ16によって撮影され、ガイド管20の映像が画像モニタ18に映し出される。作業者はこの画像モニタ18を見ながらガイド管20の設置作業を行う。
具体的には、図5に示すように、作業員の手作業によって、ガイド管20をその一端から検査孔4を介して管寄せ2内に押し込んでいく。この際、検査孔4が管寄せ2の径方向に向かって開口していることから、当該検査孔4を介して管寄せ2内に導入されるガイド管20は管寄せ2の径方向に沿って進行していく。
そして、ガイド管20の一端を、管寄せ2の内壁面における検査孔4に対向する周方向位置、即ち、当該内壁面における検査孔4と周方向に180°離間した位置に当接させ、さらにガイド管20を押し込んでいく。すると、ガイド管20は、当該ガイド管20を押し込む力と管寄せ2の内壁面からの反力によって屈曲しガイド管20の押し込み方向から180°屈曲して管寄せ2の内壁面における検査孔4と同一の周方向位置に当接する。即ち、検査孔4から導入されたガイド管20が、管寄せ2内にて略U字状をなすように屈曲し、その一端が管寄せ2の内壁面に当接する。
そして、さらにガイド管20を管寄せ2内に押し込むと、ガイド管20の先端側は、U字状の屈曲状態を維持したまま、管寄せ2の軸線方向に移動していく。即ち、ガイド管20における検査孔4に沿って延びる部分と当該部分から180°屈曲した部分とが平行状態を維持しながら、ガイド管20におけるこれら二つの部分の間が管寄せ2の内壁面に沿って延びていく。その後、画像モニタ18によりガイド管20の位置を見ながら、ガイド管20の先端における管寄せ2内の軸線方向位置が、当該ガイド管20を接続すべきボイラチューブ3における管寄せ2内の軸線方向と一致したと判断した際に、作業員がガイド管20の管寄せ2内への押し込みを終了する。
次いで、図6に示すように、ガイド管20を管寄せ2の外部から該ガイド管20の軸線回りに回転させる。すると、ガイド管20がその軸線回りの捩れに剛性を有していることから、ガイド管20はその全周にわたってその軸線回りに回転する。これによって、ガイド管20の先端は、管寄せ2の内壁面当接した状態で、該内壁面の周方向に移動する。この際のガイド管20の先端の動きを画像モニタ18によって観察することで、当該ガイド管20の先端がボイラチューブ3における管寄せ2の接続部に到達した時点で、ガイド管20の回転を停止する。
これにより、検査孔4から管寄せ2内に導入されたガイド管20の一端がボイラチューブ3に接続される。なお、このようにボイラチューブ3に接続されたガイド管20は、検査孔4近傍における第一屈曲部21と、ボイラチューブ3近傍における第二屈曲部22とを有しており、即ち、管寄せ2内にて二回屈曲した状態とされる。
そして、このようにガイド管20をボイラチューブ3に接続した後、固定手段30によってガイド管20をボイラチューブ3内にて固定する。即ち、エア供給管43を介してバルーン40にエアを供給することによって該バルーン40を膨張させる。すると、本実施形態では、図2に示すように、バルーン40が第二屈曲部22の屈曲の内側に設けられているため、該バルーン40が第二屈曲部22を管寄せ2の内壁面に向かって押圧する。このバルーン40の押圧力によって、管寄せ2はバルーン40と管寄せ2の内壁面に挟まれるようにして固定される。
その後、ガイド管20内にケーブル11を挿通させることによって該ケーブル11をボイラチューブ3内に導入する。即ち、例えばケーブル11を作業員がガイド管20内に導入し、当該ガイド管20内に順次送り込むと、ケーブル11はガイド管20の延在方向に沿って当該ガイド管20に案内されるようにして進行していく。これによってケーブル11の先端がボイラチューブ3内の所定位置まで導入される。その位置からケーブル巻き取り装置13を利用しながらケーブル11を巻取り、ボイラチューブ3内をケーブル11が後退していく過程において、該ケーブル11に設けられたセンサプローブ12によってボイラチューブ3の肉厚測定が行われる。
このようにセンサプローブ12によって測定されたボイラチューブ3の肉厚データは、ケーブル11に一体に設けられた配線を介してデータ収集機器14に伝送される。そして、センサプローブ12によるボイラチューブ3の肉厚測定を終えた後には、ボイラチューブ3及びガイド管20から該ケーブル11を引き抜く。これによって、肉厚測定作業が終了する。
以上のように、本実施形態の超音波肉厚測定装置10によれば、ガイド管20を管寄せ2内に導入してボイラチューブ3に接続した後に、バルーン40を膨張させることによってガイド管20を押圧して該ガイド管20を管寄せ2内に固定する。これによって、ガイド管20がボイラチューブ3から不用意に外れてしまうことを回避することができる。
即ち、ガイド管20内にケーブル11を導入もしくは引き抜く際には、該ケーブル11とガイド管20とが摺接することになるため、場合によってはガイド管20がボイラチューブ3から外れるおそれがある。これに対して本実施形態においては、ガイド管20を管寄せ2内において確実に固定することができるため、上記不都合を解消して、ボイラチューブ3の肉厚測定を円滑に行うことが可能となる。
なお、例えば図7に示すように、管寄せ2内に導入されてボイラチューブ3に接続されたガイド管20の第二屈曲部22の屈曲の外側にバルーン40を設置してもよい。この場合、エア供給管43によるエアの供給により膨張したバルーン40は、ガイド管20をボイラチューブ3に向かって押圧する。これによっても、上記同様、ガイド管20を管寄せ2内にて確実に固定することができる。
また、例えば図8に示すように、バルーン40を環状に構成してガイド管20に外嵌させるように配置してもよい。具体的には、ガイド管20における第一屈曲部21と第二屈曲部22との間の部分に当該バルーン40を外嵌させるように配置する。このようなバルーン40を管寄せ2内にて膨張させると、該バルーン40の外周部が管寄せ2の内壁面に全周にわたって密着する。これによって、バルーン40がその内側においてガイド管20を保持するようにして、当該ガイド管20を管寄せ2に固定することができる。
さらに、例えば図9に示すように、上記のような環状のバルーン40を、ガイド管20に外嵌させることなく、例えば、ガイド管20を管寄せ2内におけるボイラチューブ3との接続部の近傍に配置し、ガイド管20を管寄せ2の軸線方向に向かって押圧するよる構成であってもよい。この場合も、上記同様、ガイド管20を管寄せ2内に確実に固定することができる。
次に、本考案の第二実施形態について説明する。この第二実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。図10に示すように、第二実施形態の超音波肉厚測定装置10は、固定手段30の構成について第一実施形態とは相違する。
即ち、第一実施形態の固定手段30が、バルーン40とエア供給管43とから構成されていたのに対して、第二実施形態の固定手段30は、スライド機構50と、スライド用ワイヤ53と、アーム60と、固定用拡縮部材70と、操作用兼拡径用ワイヤ83と第一縮径用ワイヤ84とを備えている。
スライド機構50は、ガイド管20の先端付近、即ち、ガイド管20における第二屈曲部22よりもさらに先端側の部分にバンド50aを介して取り付けられている。このスライド機構50は、図10及び図11に示すように、バンド88を介してガイド管20に取り付けられたレール51と、該レール51に対してスライド可能に取り付けられたスライド部52とから構成されている。
レール51は、ガイド管20の軸線方向に延在するように配置されており、当該レール51に対して上記スライド部52材が該レール51の延在方向にスライド可能に取り付けられている。
スライド用ワイヤ53は、一端が上記スライド機構50におけるスライド部52に一体に固定されており、他端側は、検査孔4を介して管寄せ2の外部に配置されている。
アーム60は、図10に示すように、その一端がスライド機構50におけるスライド部52に回動可能に取り付けられて直線状に延びるアーム基端部61と、該アーム基端部61の先端から該アーム基端部61の延在方向に直交して延びるアーム先端部62とから構成されている。
即ち、アーム60のアーム基端部61の一端は、例えばリベット等の回動支持部63によってスライド部52に取り付けられており、これによってアーム60はガイド管20の外周の接線に平行な軸線回りに回動可能とされている。また、アーム先端部62は、アーム基端部61がガイド管20の径方向に延在している際に、ガイド管20と平行に該ガイド管20の先端側に向かって延在するように設けられている。
固定用拡縮部材70は、上記アーム先端部62の先端に一体に設けられており、図12に示すように、主軸部71と、基端部73と、スライド係合部74と、複数の湾曲ワイヤ75と、接続部材75aと、ストッパ部77と、付勢部材82とから構成されている。
主軸部71は、アーム先端部62の先端から該アーム先端部62の軸線の延長線状に延在しており、その先端には、該主軸の径方向に張り出すフランジ部72が設けられている。
基端部73は、主軸部71とアーム先端部62との境界において、これら主軸部71及び先端アーム60部の径方向に張り出すようにして一体に設けられている。
スライド係合部74は、上記主軸部71における基端部73よりも先端側において、該主軸部71の軸線方向にスライド移動可能に外嵌されている。
湾曲ワイヤ75は、それぞれ可撓性を有する金属等から構成された長尺状の部材であって、その一端が基端部73に接続されるとともに他端がスライド係合部74に接続されている。この湾曲ワイヤ75は、主軸の径方向外側に凸状をなすように湾曲しており、主軸の周方向に間隔をあけて複数設けられている。
接続部材75aは、弾性材料から形成されたリング状の部材であって、上記複数の湾曲ワイヤ75の湾曲の頂点部を接続している。即ち、上記湾曲ワイヤ75の湾曲の頂点には、それぞれリング部材76が設けられており、当該リング部材76を挿通するように上記接続部材75aが設けられることで複数の湾曲ワイヤ75がまとめられている。
ストッパ部77は、主軸部71の外周において突没可能に設けられた突起であって、主軸部71の外周から突出した状態において上記スライド係合部74と互いに係合可能とされている。即ち、このストッパ部77は、図13に示すように、ストッパ本体78とバネ81とから構成されている。
ストッパ本体78は、その主軸部71の先端側に当たる部分が、主軸部71の外周面における接線に平行な軸線回りに回動可能に設けられており、これにより、主軸部71の外周から突没可能とされている。また、ストッパ本体78には、主軸部71から突出した状態において、主軸部71の先端側から後端側に向かうに従って漸次主軸部71の径方向外側に向かう傾斜面79を備えている。さらに、ストッパ本体78における当該傾斜面79の後端には、該ストッパ本体78が主軸部71の外周面から突出した状態において、傾斜面79よりも主軸部71の外周面に対する傾斜角度が急峻とされた係合面80が接続されている。
バネ81は、ストッパ本体78を主軸の外周面から突出する方向に付勢しており、これによってストッパ本体78は、外力が作用しない限り突出状態とされている。
付勢部材82は、上記主軸部71におけるスライド係合部74とフランジ部72との間の部分に外嵌されたコイルスプリングであって、一端がフランジ部72に接続されるとともに他端がスライド係合部74に接続されている。この付勢部材82の付勢力によって、スライド係合部74はストッパ部77よりも主軸部71の先端側に引っ張られており、これによってスライド係合部74は、ストッパ部77と係合不能とされた初期位置に位置している。また、スライド係合部74がこの初期位置に位置している際には、各湾曲ワイヤ75は、それぞれ伸張して湾曲が緩い状態とされている。これにより、各湾曲ワイヤ75の頂点を結ぶ円の径は比較的小さくされており、即ち、固定用拡縮部材70が縮径状態とされている。
操作用兼拡径用ワイヤ83は、一端側がアーム60におけるアーム先端部62に沿って延びてスライド係合部74に接続されるとともに、他端側は検査孔4を介して管寄せ2の外部に配置されている。なお、本実施形態においては、操作用兼拡径用ワイヤ83が、アーム60を操作する操作用ワイヤと固定用拡縮部材70を拡径させる第一拡径ワイヤとしての機能を兼用している。なお、これら操作用ワイヤ及び第一拡径用ワイヤを操作用兼拡径用ワイヤ83に代えて別個に設けてもよい。
また、第一縮径用ワイヤ84は、その一端が、アーム60におけるアーム先端部62に沿って延びてストッパ部77のストッパ本体78における後端側に主軸部71の内部から接続されている。
次に、このような第二実施形態の超音波肉厚測定装置10におけるガイド管20の固定手順について図14を参照して説明する。
まず、図14(a)に示すように、第一実施形態と同様にガイド管20を検査孔4から管寄せ2内に導入し、該ガイド管20の先端をボイラチューブ3に接続する。なお、この状態においては、スライド機構50はそのスライド部52をガイド管20の後端側、即ち、図14(a)における上側に位置させている。また、アーム60はそのアーム基端部61をガイド管20の先端側に向かって延在させており、アーム先端部62はアーム基端部61の先端からガイド管20の内側に向かって延在している。
次いで、操作用兼拡径用ワイヤ83を管寄せ2の外部から引っ張ることによって、図14(b)に示すように、固定用拡縮部材70を持ち上げ、該固定用拡縮部材70に接続されたアーム60を回動支持部63回りに回動させる。これによって、アーム60のアーム基端部61がガイド管20の径方向に延在した状態となり、アーム先端部62はガイド管20の軸線方向先端側に向かって延在した状態となる。
この際、アーム60のアーム基端部61の延在方向の寸法が、隣り合うボイラチューブ3の間隔と略同一の場合、アーム60の先端に設けられた固定用拡縮部材70は、ガイド管20が接続された一のボイラチューブ3に隣接する他のボイラチューブ3の開口に臨んだ状態となる。
続いて、スライド用ワイヤ53を管寄せ2の外部から引っ張ることによって、図14(c)に示すように、スライド部52をガイド管20の軸線方向先端側に向かって移動させる。これによって、アーム60によって接続された固定用拡縮部材70もスライド部52と平行に移動し、即ち、ガイド管20の軸線方向先端側に移動する。その結果、固定用拡縮部材70が、他のボイラチューブ3内に導入される。
そして、この状態において操作用兼拡径用ワイヤ83を管寄せ2の外部からさらに引っ張ると、図12(b)に示すように該操作用兼拡径用ワイヤ83に接続されたスライド係合部74が主軸部71の後端側に向かって引き上げられ、該スライド係合部74と基端部73との間隔が小さくされる。
すると、これらスライド係合部74と基端部73とを接続する複数の湾曲ワイヤ75は、主軸部71の軸線方向に圧縮されることにより、該湾曲ワイヤ75の湾曲をさらに大きくするように主軸部71の径方向外側に突出していく。これにより、複数の湾曲ワイヤ75の頂点同士を結ぶ円の径が大きくなり、即ち、図14(d)に示すように、固定用拡縮部材70が拡径した状態となる。
そして、操作用兼拡径用ワイヤ83による引っ張りによって、スライド係合部74がストッパ部77まで到達すると、図13(b)に示すように、スライド係合部74の内周面がストッパ本体78の傾斜面79を押圧することにより、ストッパ本体78はバネ81の付勢力に抗して主軸部71の外周面から没する。そして、スライド係合部74がストッパ本体78を通過すると、ストッパ本体78がバネ81の付勢力によって再度主軸部71の外周面から突出する。
これにより、ストッパ本体78の係合面80とスライド係合部74とが互いに係合可能となるため、操作用兼拡径用ワイヤ83によるスライド係合部74の引っ張りを停止したとしてもスライド係合部74がストッパ部77よりも主軸部71の先端側に移動することはない。即ち、付勢部材82によるスライド係合部74の主軸部71先端側への付勢に抗して、スライド係合部74の位置がストッパ部77の後端側に保持される。
そして、このように拡径した固定用拡縮部材70の外周、即ち、湾曲ワイヤ75の湾曲の頂点がボイラチューブ3の内周面に当接し、固定用拡縮部材70がボイラチューブ3内に固定される。これによって、固定用拡縮部材70にアーム60を介して接続されたガイド管20もその位置が固定される。
また、ガイド管20の位置の固定を解除する際には、第一縮径用ワイヤ84を管寄せ2の外部から引っ張る。すると、図13(b)に示すように、第一縮径用ワイヤ84の先端が接続されたストッパ本体78が主軸部71の内部に引き込まれることにより、ストッパ本体78の主軸部71外周面からの突出状態が解除される。これによって、ストッパ本体78とスライド係合部74との係合状態が解除され、スライド係合部74は付勢部材82の付勢に従って主軸部71の先端側に移動する。この結果として、湾曲ワイヤ75が伸張して湾曲状態が緩くなることにより、固定用拡縮部材70が縮径した状態となる。
以上のように、本実施形態において超音波肉厚測定装置10にガイド管20を固定する際には、操作用ワイヤを操作することでアーム60を可動させ、当該アーム60に固定された固定用拡縮部材70を他のボイラチューブ3、即ち、ガイド管20が接続されたボイラチューブ3とは別のボイラチューブ3内に導入する。
その後、操作用兼拡縮用ワイヤを操作することによって、他のボイラチューブ3内にて固定用拡縮部材70を拡径させる。すると、固定用拡縮部材70の外周が他のボイラチューブ3の内壁面に密着することで、該固定用拡縮部材70が他のボイラチューブ3に固定される。この固定用拡縮部材70と他のボイラチューブ3とによる固定力はアーム60を介してガイド管20に伝達され、即ち、ガイド管20を一のボイラチューブ3に接続した状態で強固に固定することができる。
また、本実施形態においては、スライド用ワイヤ53を操作することでアーム60をガイド管20の軸線方向にスライドさせることができるため、より容易にアーム60に固定された固定用拡縮部材70を他のボイラチューブ3内に導入することができる。
なお、例えば変形例として、例えば図15に示すように、アーム60のアーム基端部61がスライド部52に回動可能に設けられているのに代えて、アーム基端部61がスライド部52からガイド管20の径方向に伸縮可能な構成とされていてもよい。この場合、アーム基端部61の先端に第一操作用ワイヤ85が接続されており、また、固定用拡縮部材70のスライド係合部74には操作用兼拡径用ワイヤ83に代えて第一拡径用ワイヤ86が接続されている。
この例では第一操作用ワイヤ85を管寄せ2の外部から引っ張ることで、当該アーム基端部61の寸法を任意に伸張させることができる。これによって、例えば隣り合うボイラチューブ3同士の間隔の寸法にかかわらず、アーム60先端に取り付けた固定用拡縮部材70を他のボイラチューブ3に臨むように配置することができる。
また、例えば図16に示すように、固定用拡縮部材70としてバルーン40を採用し、管寄せ2の外部からバルーン40にエアの給排が可能なエア供給管43を設けてもよい。この場合、収縮した状態のバルーン40をアーム60の操作によって他のボイラチューブ3内に導入し、その後、エア供給管43を介してバルーン40にエアを供給し膨張させることで、当該バルーン40をボイラチューブ3の内壁面に密着させる。これによって、実施形態同様、固定用拡縮部材70としてのバルーン40にアーム60を介して接続されたガイド管20の位置を固定することができる。
次に、本考案の第三実施形態について説明する。この第三実施形態においては、第一及び第二実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。図17に示すように、第三実施形態の超音波肉厚測定装置10は、ケーブル11の先端にセンサプローブ12の軸線をボイラチューブ3の軸線に一致させる調芯機構100を備えている。
この調芯機構100は、一対の調芯用拡縮部材101を備えており、これら一対の調芯用拡縮部材101の間にセンサプローブ12が配置されている。
調芯用拡縮部材101は、それぞれ上記固定用拡縮部材70と同様の構成をなしている。
即ち、一対の調芯用拡縮部材101のうち一方の調芯用拡縮部材101は、ケーブル11の先端から該ケーブル11と同軸に延在する主軸部71を備えており、さらに、上記固定用拡縮部材70同様、基端部73、スライド係合部74、複数の湾曲ワイヤ75、接続部材75a、ストッパ部77及び付勢部材82を備えている。
また、この一方の調芯用拡縮部材101の先端にはセンサプローブ12が設けられており、他方の調芯用拡縮部材101は、該センサプローブ12の先端側から該センサプローブ12と同軸に伸びる主軸部71を備えている。そして、この他方の調芯用拡縮部材101も、上記固定用拡縮部材70同様、基端部73、基端部73、スライド係合部74、複数の湾曲ワイヤ75、接続部材75a、ストッパ部77及び付勢部材82を備えている。
また、この調芯機構100には、一対の調芯用拡縮部材101を拡径させるための第二拡径用ワイヤ102と縮径させるための第二縮径用ワイヤ103とを備えている。
第二拡径用ワイヤ102は一対の調芯用拡縮部材101のスライド係合部74に接続されており、該第二拡径用ワイヤ102を引っ張ることで、初期位置に位置するスライド係合部74を後端側に向かって移動させることができるようになっている。
また、第二縮径用ワイヤ103は、一対の調芯用拡縮部材101のストッパ部77におけるストッパ本体78の後端に固定されており、引っ張ることでストッパ本体78の主軸部71外周面からの突出状態が解除されるようになっている。
ここで、ボイラチューブ3は、図17に示すように、管寄せ2との接続箇所付近が径の小さい小径部3aとされ、接続箇所から離間した部分が径の大きな大径部3bとされている。即ち、ボイラチューブ3は、管寄せ2との接続箇所から小径部3a、大径部3bが連続するように形成されている。
したがって、ガイド管20を介してケーブル11及びセンサプローブ12をボイラチューブ3内に導入する際、調芯機構100の外径を小径部3aと同一した場合には、大径部3bにおける調芯を適切に行うことができない一方、調芯機構100の外径を大径部3bと同一とした場合には、調芯機構100が小径部3aを通過することができず、大径部3bにおける肉厚測定を行うことができなくなってしまう。
これに対して、本実施形態の調芯機構100においては、その外径を任意に変更することができるため、小径部3aの通過を容易としつつ大径部3bにおける調芯を確実に行うことができる。
即ち、ケーブル11及びセンサプローブ12をボイラチューブ3に導入し、調芯機構100がボイラチューブ3の小径部3aを通過する際には、一対の調芯用拡縮部材101のそれぞれを縮径状態として、即ち、スライド係合部74を初期位置に位置させて、これら調芯用拡縮部材101の外径を小径部3aの内径以下とする。これによって、小径部3aによって妨げられることなく、調芯用拡縮部材101を大径部3bに導入することができる。したがって、ケーブル11の押し込み力を低減させることができる。
そして、大径部3bにおいて調芯を行う際には、図19(b)に示すように、第二拡径用ワイヤ102を管寄せ2の外部から引っ張ることにより、調芯用拡縮部材101のスライド係合部74を主軸部71の後端側に移動させ、湾曲ワイヤ75をさらに湾曲させる。これによって、図18に示すように、調芯用拡縮部材101が拡径してその外周が大径部3bの内壁面に当接し、調芯用拡縮部材101の中心軸線、即ち、主軸部71の軸線がボイラチューブ3の大径部3bの軸線に一致する。これと同時に、主軸部71と軸線が一致するセンサプローブ12の軸線が大径部3bの軸線に一致し、即ち、センサプローブ12の調芯が完了する。これによって、容易かつ確実にセンサプローブ12の調芯を行うことができ、精度の高い肉厚測定を行うことが可能となる。
また、ボイラチューブの肉厚測定作業が終了した後にケーブル11及びセンサプローブ12をボイラチューブ3から引き抜く際には、第二縮径用ワイヤ103を引っ張ることにより、ストッパ部77とスライド係合部74との係合を解除させ、調芯用拡縮部材101を小径部3aの内径以下に縮径させる。これによって、調芯用拡縮部材101が容易に小径部3aを通過することができ、即ち、調芯用拡縮部材101の存在が妨げとなることなく、ケーブル11及びセンサプローブ12をボイラチューブ3から引き抜くことができる。
なお、例えばリング部材76を湾曲ワイヤ75の延在方向回りに回転可能として車輪として使用してもよい。この場合、調芯用拡縮部材101がボイラチューブ3の小径部3aを通過する際にリング部材76が内壁面に当接して回転することで、調芯用拡縮部材101がより容易に小径部3aを通過することができる。したがって、ケーブル11の押し込みや引っ張りの力を低減させることが可能となる。
以上、本考案の実施形態について詳細に説明したが、本考案の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、図20に示すように、ケーブル11を順次連続して接続される複数の球体110から構成し、その内部にセンサプローブ12の配線を通過させてもよい。これにより、ガイド管20内をケーブル11を前進させる際に、ケーブル11が屈曲している場合であっても、ケーブル11の前進力が複数の球体110を介して順次伝達される。したがって、ケーブル11を確実に前進させることができる。
また、例えばガイド管20を、図21(a)に示すように、ケーブル11と摺接可能な内周面を有する内管111と、該内管111と同軸にこの内管111の外周側に設けられたフレキシブルホース112とから構成してもよい。内管111としては、フレキシブルホース112の屈曲の妨げとなることないゴム等の材質から形成されたものを採用することが好ましい。
また、内管111は、図21(b)に示すように、ガイド管20の延在方向の一部のみに設けた構成としてもよい。この場合、ガイド管20の先端付近にエルボ管状の内管111を配置することが好ましい。
これによって、ガイド管20内を通過するケーブル11の抵抗を低減させることができる。よって、ガイド管20内にてケーブル11が引っ掛かってしまうことを回避することができるため、より円滑にケーブル11を前進、後退させることが可能となる。
さらに、例えば図22に示すように、ガイド管20をフレキシブルホース112と該フレキシブルホース112の先端に設けられたエルボ管113とから構成してもよい。また、エルボ管113の先端には、ボイラチューブ3に対して嵌合される固定金具を設けられていることが好ましい。これによって、ガイド管20の先端をより円滑かつ確実にボイラチューブ3に接続することができる。
1…ボイラ,2…管寄せ,3…ボイラチューブ4…検査孔,10…超音波肉厚測定装置,11…ケーブル,12…センサプローブ,20…ガイド管,30…固定手段,40…バルーン,43…エア供給管,50…スライド機構,51…レール,52…スライド部,53…スライド用ワイヤ,60…アーム,70…固定用拡縮部材,83…操作用兼拡径用ワイヤ(操作用ワイヤ、第一拡径用ワイヤ),84…第一縮径用ワイヤ,85…操作用ワイヤ,86…第一拡径用ワイヤ,100…調芯機構,101…調芯用拡縮部材,102…第二拡径用ワイヤ,103…第二縮径用ワイヤ,110…球体,111…内管,112…フレキシブルホース,113…エルボ管

Claims (9)

  1. 管寄せに形成された検査孔から前記管寄せに接続されたボイラチューブ内に、ガイド管を介してケーブルを挿入し、該ケーブルに設けられた超音波測定用のセンサプローブによって前記ボイラチューブの肉厚を測定する超音波肉厚測定装置であって、
    前記検査孔から挿入されて前記ボイラチューブに接続された前記ガイド管を、拡径することによって固定する固定手段を備えることを特徴とする超音波肉厚測定装置。
  2. 前記固定手段は、
    前記管寄せ内に配置され、エアが供給されることで膨張するバルーンと、
    該バルーンにエアの給排が可能なエア供給管とを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波肉厚測定装置。
  3. 前記管寄せに複数の前記ボイラチューブが接続されており、
    前記センサプローブは複数の前記ボイラチューブのうちの一の前記ボイラチューブに前記ガイド管を介して挿入され、
    前記固定手段は、
    一端が前記ガイド管に接続されて、可動可能とされたアームと、
    前記管寄せの外部から前記アームの可動を操作して、該アームの他端を前記ボイラチューブ内に挿入させる操作用ワイヤとを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波肉厚測定装置
  4. 前記アームの他端に設けられ、該アームの他端が前記ボイラチューブ内に挿入された際に、該ボイラチューブの少なくとも径方向に拡縮可能とされる固定用拡縮部材と、
    前記管寄せの外部から前記固定用拡縮部材を拡径させる第一拡径用ワイヤと、
    前記管寄せの外部から前記固定用拡縮部材を縮径させる第一縮径用ワイヤとを備えることを特徴とする請求項3に記載の超音波肉厚測定装置。
  5. 前記固定手段が、
    前記アームを前記ガイド管の軸線方向にスライド移動可能とさせるスライド機構と、
    前記管寄せの外部から前記アームのスライド移動を操作するスライド用ワイヤとをさらに備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の超音波肉厚測定装置。
  6. 前記固定手段は、
    前記固定用拡縮部材としてバルーンを備え、
    前記第一拡径用ワイヤ及び前記第一縮径用ワイヤに代えて前記管寄せの外部から前記バルーンにエアの給排が可能なエア供給管を備えていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の超音波肉厚測定装置。
  7. 前記ケーブルに、前記ボイラチューブ内において前記センサプローブの軸線を前記ボイラチューブの軸線に一致させる調芯機構が設けられ、
    該調芯機構は、
    前記ボイラチューブ内で該ボイラチューブの径方向に拡縮可能とされた調芯用拡縮部材と、
    前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を拡径させる第二拡径用ワイヤと、
    前記管寄せの外部から前記調芯用拡縮部材を縮径させる第二縮径用ワイヤとを備えることを特徴とする請求項6に記載の超音波肉厚測定装置。
  8. 前記ケーブルの少なくとも一部が、順次連続して接続される複数の球体から構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波肉厚測定装置。
  9. 前記ガイド管は、
    前記ケーブルと摺接可能な内周面を有する内管と、
    該内管の外周側に設けられたフレキシブルホースとを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波肉厚測定装置。
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