JP3167061U - 塗料ミストが飛散しない構造を持つ自動吹付塗装装置 - Google Patents

Abstract

【課題】アスファルト舗装の下地となる防水塗装において塗料ミストが飛散しない吹付塗装装置を提供するとともに自動化し効率的に塗装を行う。【解決手段】上面に開口部を持つフードを路面との間に僅かな間隔を空けて保持する。開口部からノズルを差込み、塗料を吹付ける。フード上部にダクトホースを付けブロアで吸引する。フードと路面の隙間から空気が勢い良く流入し、漂っている塗料ミストはこの流れに乗って吸引され、フィルターに捕捉される。上面の開口部周辺の空気も吸引されるためそこからの飛散も無い。ノズル・フードは本体に取り付けられたレール上を移動する。ノズルの往復速度、送り速度、移動パターン、塗装範囲、塗料の噴射量等を設定し、自動で塗装を行う。また、車輪及び動力（モータ等）を付け自走式にすることで１つの範囲が終わると次に移動し広い面積を全て自動で塗装することができる。【選択図】図１

Description

この考案はアスファルト舗装の下地となる防水塗装を行う上での塗料ミストの飛散防止及び塗装の自動化に関するものである。

雨水がアスファルト舗装の下の土まで浸透すると、土が流出しアスファルトが陥没することがある。陥没を防ぐため舗装の下地となる路面に防水塗料を吹き付け、土まで染み込まないようにする方法がある。

コンクリートの橋等においても雨水が染み込むことによりコンクリートや鉄筋が傷むのを防ぐため、下地として防水塗装を行っている。

吹付塗装において塗料ミストの飛散を防止する方法は様々考案されている。
特許文献１ではノズルにフードを付け、フードの縁から空気を吹き出しエアカーテンを形成することによって周囲に飛散しないようにした上で、塗料ミストを吸引し飛散を防いでいる。
特許文献２ではフードの縁に帯電性繊維群をつけ、塗料ミストを電気的に吸着する方法が述べられている。
特許文献３ではフードの縁にスリットを設けそこから吸引することで塗料ミストの飛散を防いでいる。

特許公開 平６−１９０３０８ スプレー塗装装置 特許公開 平１０−２９６１５３ 塗料ミストの飛散防止及び飛散防止具 特許公開 平１１−３４７４６３ 塗料ミスト飛散防止方法及び装置

アスファルト舗装の下地となる防水塗装は手作業で吹き付けられているが、道路工事の現場ではすぐ脇を一般車両が通行していることも多く、塗料ミストが飛散しないようにするだけでなく作業員の安全についても配慮しなければならない。
簡単な構造で塗料ミストの飛散を防止する塗装装置を提供するとともに、自動化することにより安全を確保し効率化・省力化を図る。

上面に開口部を持つフード１を路面３との間に隙間を空けて保持し、開口部よりノズル２を差し込み、吹付塗装を行う。ノズル２には路面３との間隔を調整する機構及び搖動する機構４が付く。フード１の上部にはダクトホース６を付けブロア９で吸引する。フード１と路面３の隙間から空気が勢い良く流入し、漂っている塗料ミスト５はその流れに乗って吸引されブロア９手前のフィルター８に捕捉される。また、上面の開口部からも空気が流れ込み吸引されることにより、そこからの塗料ミスト５の飛散も防ぐ。

ノズル２及びフード１は装置本体のレール１０に載っており、横に移動することで広い範囲を塗装する。外側に枠１１を付け塗装する範囲を示すとともに、その範囲に人が入らないようにする。また、装置本体には車輪１５及び動力（モータ等）を付け自走式にする。
ノズル２の動作パターン、搖動速度、送り速度、塗料の噴射量などの値を入力することにより自動で塗装作業を行う。所定の範囲が終わると移動して次の範囲を塗装する。

吹付塗装における塗料ミストの飛散防止を従来のものより簡単な構造で実現している。
本考案の塗装装置は自走式であるため、一つの範囲の塗装が終わると次に移動し、広い面積を全て自動で塗装することができる。そのため作業員がスプレーガンを持って行っている防水塗料の吹付作業が大きく効率化される。
また、塗料ミストの飛散防止のため作業員が衝立を持ってそばに立つといった必要もなくなる。工事現場の傍らを一般車両が通行している場合も多くあり、省力化とともに安全にもつながる。

ノズルおよびフードの構成を示す図 塗装装置の外観を示す図

本考案の塗装装置は図１に示すノズル・フード部を持ち、図２に示すように自動で塗装作業を行うとともに自走式で移動可能である。

ノズル２及びフード１の部分を図１に示す。
路面３との間にわずかな隙間を空けてフード１を保持する。フード１の上面に開口部を設けそこからノズル２を差し込み、塗料を吹き付ける。ノズル２には路面３との距離を調整する機構及び搖動する機構４が付く。
フード１上部にはダクトホース６を付けブロア９で吸引する。フード１と路面３の隙間から空気が速い速度で流入する。漂っている塗料ミスト５はこの流れに乗って吸引され、ブロア９手前のフィルター８で捕捉される。上面の開口部からも吸引されるため、そこから塗料ミスト５が飛散することもない。

装置の外観を図２に示す。
ノズル２及びフード１は装置本体のレール１０に載り横に移動することで広い範囲を塗装する。外側に枠１１を付けフードが移動する範囲を示すとともに、その範囲に人が入らないようにする。また、装置本体には車輪１５及び動力（モータ等）を付け自走式で移動できるようにする。
ノズル２の動作パターン、搖動速度、送り速度、塗料の噴射量等の値を入力することにより自動で塗装作業を行う。所定の範囲が終わると移動して次の範囲を塗装する。

作業者がスプレーガンを持って行っているアスファルトの下地塗装が、自動化されてこれまでより効率よく行うことができ、工事期間の短縮が図れる。また作業員の安全や塗料ミストの飛散防止等のメリットもあり、今後大いに利用される。

この塗装装置はアスファルト舗装の下地塗装以外にも、広い平面の塗装に利用可能である。

１…フード
２…ノズル
３…路面
４…ノズル搖動機構
５…塗料ミスト
６…ダクトホース
７…吸引された空気の流れ
８…フィルター
９…ブロア
１０…フード・ノズル移動レール
１１…枠
１２…制御卓
１３…操作パネル
１４…座席
１５…車輪

Claims (2)

1. アスファルト舗装の下地となる防水塗装の吹付を行う塗装装置であって、上面に開口部を持つフードを路面との間に隙間を空けて保持し、開口部よりノズルを差し込み塗装する。ノズルには路面との間隔を調整する機構及び搖動する機構が付く。フード上部にダクトホースを付けブロアで吸引することによりフードと路面の隙間から空気が勢い良く流入し、漂っている塗料ミストを吸引する。また、上面の開口部からも空気が流れ込み吸引されることによりそこからの塗料ミストの飛散も防ぐ構造の吹付塗装装置
2. 請求項１の吹付塗装装置をレールに載せ、搖動方向と直角の方向にも動いて塗装を行うよう自動化するとともに、車輪、駆動装置を付け自走式とした塗装装置

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