JP3166468U

JP3166468U - 漆塗り楊枝および漆塗り楊枝のセット

Info

Publication number: JP3166468U
Application number: JP2010008366U
Authority: JP
Inventors: 幸宏餌取
Original assignee: 有限会社エトリ漆器店; 餌取恵子
Priority date: 2010-12-23
Filing date: 2010-12-23
Publication date: 2011-03-03
Anticipated expiration: 2020-12-23

Abstract

【課題】繰り返し使用でき、見た目にも楽しい天然素材からなる楊枝を提案する。【解決手段】漆塗り楊枝１では、木などの天然素材からなる楊枝本体２の表面全体に漆を塗布して塗布層３が形成されている。楊枝本体２における後端部２ｂの外周面部分および後端面２ｃには、顔料を含む漆が上塗りされて色付きの塗布層４が形成されている。【選択図】図１

Description

本考案は木、竹などの天然素材からなる楊枝に関し、特に、繰り返し使用可能であり、見た目にも楽しい漆塗り楊枝に関する。

楊枝（爪楊枝）は、一般に、数センチ以下の細長い棒状体の先を尖らせた形状をしており、歯の間に詰まった食べ滓を取り除くための道具、和菓子などの食品に添えて食品を切り分けて口に運ぶための道具、ばらけ易い料理を纏めるために串刺し状態に保持するための道具などとして広く使用されている。

楊枝は無垢な木製素材から製作されているものが一般的であり、このような楊枝は一回使用すると水分を含み折れやすくなり、また、先が丸くなりやすいので、使い捨てが前提となっている。木、竹などの天然素材からなる楊枝は特許文献１、２に記載されている。

特許第４４８０７３１号公報特許第４２７２２４２号公報

天然素材からなる楊枝を繰り返し使用できるようにするためには、塗料などを塗布するなどして耐久性等を高める必要があるが、臭い、安全性などの点を考慮して適切な表面処理を行う必要がある。また、天然素材の場合には天然素材の持つ地肌が露出して独特の風合いが出るが、塗料などを塗布した場合には美観上において面白みのない外観になりやすいという問題点がある。

本考案の課題は、このような点に鑑みて、繰り返し使用でき、見た目にも楽しい天然素材からなる楊枝を提案することにある。

上記の課題を解決するために、本考案においては木などの天然素材からなる楊枝本体の表面全体に漆を塗布すると共に、少なくとも、楊枝本体における後端側の外周面部分を、顔料を含む漆を塗布して色付き部分としたことを特徴としている。例えば、漆を楊枝本体の表面全体に塗布した後に、顔料を含む漆を上塗りすることにより色付き部分を形成することができる。

本考案の漆塗り楊枝は、漆によって覆われているので耐久性が高く、繰り返し使用するのに適している。漆は無臭であり、熱、湿気、酸、アルカリなどにも強く、腐敗防止効果および防虫効果もあるので、楊枝の塗料として適している。さらに、楊枝本体の後端部分は顔料を含む漆が塗布された色付き部分となっているので、外観上においても優れている。

ここで、単一色の色付き部分の代わりに、異なる色で塗り分けた色付き部分とすることも可能である。すなわち、楊枝本体の外周面部分は、その後端から長さ方向の途中位置までの間が、色の異なる顔料を含む漆によって塗り分けられていてもよい。

また、楊枝本体の表面全体を、その長さ方向に沿って、色の異なる顔料を含む漆によって複数に塗り分けることも可能である。

この構成の漆塗り楊枝は、各色に塗られたものをセットとして販売すれば、顧客の目にとまり易く、また、お土産などとして目を楽しませることができるので望ましい。そこで、本考案の漆塗り楊枝のセットは、透明な袋に複数本の漆塗り楊枝が収納されており、各漆塗り楊枝は上記のように色分け部分の付いた漆塗り楊枝であり、しかも、各漆塗り楊枝は相互に異なる色に塗り分けられていることを特徴としている。

この場合、各色の漆塗り楊枝を１本ずつ袋に収納して１セットとしてもよいが、同一色に塗り分けられている漆塗り楊枝を複数本ずつ袋に収納して１セットとすることもできる。

本考案の漆塗りの楊枝は、全体が漆の塗布層で覆われていると共に、少なくともその後端部分が顔料を含む漆で色分けされている。したがって、本考案によれば、繰り返し使用することができ、美観にも優れた楊枝を実現できる。

本考案を適用した漆塗り楊枝を示す側面図である。図１の漆塗り楊枝の製造工程を示す説明図である。漆塗り楊枝のセットを示す説明図である。漆塗り楊枝の色分け状態の各種形態を示す説明図である。

以下に、図面を参照して本考案を適用した漆塗り楊枝の実施の形態を説明する。
図１に示すように、本実施の形態に係る漆塗り楊枝１は、天然素材、例えばブナ材からなる細長い棒状の楊枝本体２からなり、楊枝本体２の先端部２ａは先鋭端となっており、その後端部２ｂは所定の長さの凹凸状の装飾部分となっている。楊枝本体２の表面全体は半透明な漆の塗布層３によって覆われており、楊枝本体２の素材と漆による独特の風合いを呈している。楊枝本体２の後端部２ｂにおいては、その外周面部分および後端面２ｃが、顔料を含む漆を上塗りすることにより形成した不透明な色付き塗布層４によって覆われている。

図２を参照して漆塗り楊枝１の製造手順を説明する。まず、天然素材、例えばブナ材からなる細長い棒状の楊枝本体２を製作する。例えば円形断面の楊枝本体２を製作する。次に、楊枝本体２の表面全体に漆を塗布して、半透明な漆の塗布層３を形成する。しかる後に、楊枝本体２の後端部２ｂに塗布された塗布層３に、顔料を含む漆を上塗りして不透明な色付き塗布層４を形成する。漆の塗布層３を後端部２ｂを除く部分に形成し、後端部２ｂおよび後端面２ｃに顔料を含む漆を塗布して色付き塗布層４を形成することも可能である。

図３に示すように、漆塗り楊枝１は、各色の色付き塗布層４が形成されている複数本の漆塗り楊枝１Ｒ、１Ｇ、１Ｂ、１Ｙなどを透明な袋１０に収納した形態のセット２０として、店頭などで販売することができる。例えば、赤、緑、青、黄などの色の顔料を含む漆を用いて各色にすることができる。また、同一色の漆塗り楊枝を１本ずつ組み合わせたセットとしてもよいし、同一色の漆塗り楊枝を複数本ずつ組み合わせたセットとして販売することもできる。

次に、漆塗り楊枝の色分け部分は後端部のみでもよいが、図４（ａ）に示す漆塗り楊枝１Ａのように、後端から先端部２ａに向けて複数の異なる色の塗布層、例えば異なる色の塗布層４Ａ、４Ｂによって２色に色分けすることもできる。あるいは、図４（ｂ）に示す漆塗り楊枝１Ｂのように、楊枝本体２の全体を、複数の異なる色の塗布層、例えば、異なる色の塗布層４Ａ、４Ｂ、４Ｃの三色に色分けすることも可能である。

１、１Ｒ、１Ｂ、１Ｇ、１Ｙ、１Ａ、１Ｂ漆塗り楊枝
２楊枝本体
２ａ先端部
２ｂ後端部
３漆の塗布層
４、４Ａ、４Ｂ、４Ｃ顔料を含む漆の塗布層（色分け部分）
１０袋
２０漆塗り楊枝のセット

Claims

先端が先細り形状となっている細長い天然素材からなる楊枝本体が、その表面全体に塗布した漆によって覆われており、
少なくとも、楊枝本体における後端側の外周面部分が、顔料を含む漆が塗布された色付き部分となっていることを特徴とする漆塗り楊枝。
請求項１において、
楊枝本体の表面全体に塗布された漆の表面に、顔料を含む漆が上塗りされていることを特徴とする漆塗り楊枝。
請求項１または２において、
楊枝本体の外周面部分は、その後端から長さ方向の途中位置までの間が、色の異なる顔料を含む漆によって塗り分けられていることを特徴とする漆塗り楊枝。
請求項１または２において、
楊枝本体の外周面部分は、その後端から先端までの間が、色の異なる顔料を含む漆によって複数に塗り分けられていることを特徴とする漆塗り楊枝。
複数本の漆塗り楊枝と、
漆塗り楊枝が収納されている透明な袋とを有し、
各漆塗り楊枝は請求項１ないし４のうちのいずれかの項に記載の漆塗り楊枝であり、
各漆塗り楊枝はそれぞれ異なる色に塗り分けられていることを特徴とする漆塗り楊枝のセット。
請求項５において、
同一色に塗り分けられている漆塗り楊枝が複数本ずつ含まれていることを特徴とする漆塗り楊枝のセット。