JP3165961B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JP3165961B2
JP3165961B2 JP08610399A JP8610399A JP3165961B2 JP 3165961 B2 JP3165961 B2 JP 3165961B2 JP 08610399 A JP08610399 A JP 08610399A JP 8610399 A JP8610399 A JP 8610399A JP 3165961 B2 JP3165961 B2 JP 3165961B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱装置に関し、
特に熱負荷変動が大きな用途、例えば蒸気発生装置など
に好適な蓄熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気は、一般にボイラを使用し、化石燃
料の燃焼、又は電力によって水を加熱することによっ
て、発生されている。この蒸気は、加熱用、暖房用、殺
菌用、洗浄用等に利用される。
【0003】しかし、ボイラで代表される従来の蒸気発
生装置は、蒸気使用量が時間的に大きく変動するような
運転方法については、配慮がされておらず、このような
場合は、図8に示すような蒸気アキュムレータ52の追
設が必要であった。このため、従来の蒸気発生装置は、
大きさおよび価格の点で経済的な装置となっていなかっ
た。特に、殺菌用又は洗浄用の蒸気使用の場合は、極端
な間歇的、集中的な蒸気使用となっており、従来の蒸気
発生装置では、特に経済的に問題があった。
【0004】例えば、130℃〜150℃で数十秒間加
熱するような食品の殺菌、数分間加熱すような食品容器
や試験用サンプリング容器等の殺菌に蒸気を使用するよ
うな短期間の蒸気使用においては、特に、大容量の蒸気
アキュムレータ52を設置することとなり、消費蒸気量
に対して大がかりな装置となっていた。また、図8にお
いて蒸気57の供給を行わない時間も蒸気アキュムレー
タ52へ蒸気56を供給する必要からボイラ51を運転
する必要があった。この蒸気アキュムレータ52内は高
温高圧の温水・蒸気を保有する必要から、運転操作にお
いては安全上についても十分注意を払う必要があった。
【0005】この問題を解決する手段として、従来にお
いても蓄熱材を用いてその中に加熱源及び水が導入され
る伝熱管が配設された蒸気発生器がある(実願昭63−
125986号)。しかし、この蓄熱材を用いた蒸気発
生器は、蓄熱温度、蓄熱方法、出熱方法が明確でなく、
また、十分な蓄熱及び出熱が行われない欠点があった。
例えば、蓄熱材に代表的なマグネシアを用いたものは、
蓄熱時においては、加熱源である電気ヒータで蓄熱材を
加熱する際、該電気ヒータから蓄熱材へ熱が十分な速度
で伝わらず、電気ヒータが焼損する問題が見られた。ま
た、出熱時において、蓄熱材が十分な高温であっても、
蒸気を発生できなくなる問題が見られた。その理由は、
蓄熱材とヒータ及び蓄熱材と伝熱管の間に空気層が生じ
ており、この空気層によってヒータと蓄熱材の間の熱伝
達が低下していることによると思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
ボイラで代表される蒸気発生装置は殺菌用等の蒸気使用
量が時間的に大きく変動する使用に対して十分な配慮が
されておらず、このような使用の蒸気発生装置として
は、経済上の問題があった。また蓄熱材を用いた蒸気発
生装置は蓄熱材内の熱移動について十分な配慮がされて
おらず、十分な蓄熱・出熱が行われない問題があった。
【0007】つまり、従来の蒸気発生器は、蒸気使用量
が時間的に大きく変動する殺菌用、洗浄用等の蒸気発生
装置には適しない問題があった。一方、実開昭60−1
0159号公報に、蓄熱材内の熱移動を改善した深夜電
力利用の蓄熱式瞬間湯沸器が提案されている。これによ
れば、蓄熱材として固体と液体を併用すると、液体の存
在により温水を取り出す熱交換器と固体蓄熱材との間に
空隙が生じないので、熱移動が非常によく行われる。
かし、この従来技術の液体の蓄熱材は、水又は水酸化カ
ルシウムなどの水溶液なので沸点が低いため、蓄熱温度
の上限が抑えられるから、十分な量の蒸気を発生させる
蒸気発生装置の蓄熱材としては適用できない。また、水
溶液による蓄熱槽や伝熱管等の腐食の問題がある。
【0008】本発明の目的は、蓄熱材とヒータ又は伝熱
管と間の熱移動を促進し、時間的に大きく変動する熱負
荷に対しても、十分な蓄熱・出熱が行われる蓄熱材を用
いた蓄熱装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、蓄熱材とヒ
ータ及び伝熱管との間に生じる空気層に、蓄熱温度域で
液相となる熱媒体を充填させることにより、達成され
る。
【0010】すなわち、本発明の蓄熱装置は、蓄熱材を
備えた蓄熱槽と、この蓄熱槽内に配設された加熱源及び
液体が導入される伝熱管とを備え、前記蓄熱材は固体よ
り成る第1物質と、蓄熱温度域で液体となり、前記第1
の物質と前記伝熱管と前記加熱源との間に形成される隙
間を満たす機能を有する第2物質とからなるものとする
ことを特徴とする。
【0011】ここで、第1物質はマグネシアを主成分と
する物質であるのがよい。また、第2物質は硝酸ナトリ
ウム、亜硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムの混合物、又
は、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムの混合物であるの
がよい。また、蓄熱槽出口側の伝熱管外表面に伝熱フィ
ンを設け、伝熱管の単位長さ当りの伝熱面積を蓄熱槽入
口側より蓄熱槽出口側が大きく形成するのがよい。ま
た、伝熱管はCrが14重量%以上、Cが0.03重量
%以下のオ−ステナイト系ステンレス鋼であるものがよ
い。また、蓄熱槽入口の伝熱管内部が二重管に形成され
ているものがよい。
【0012】上記の手段によれば、蓄熱材の構成要素で
あるマグネシア等から成る第1物質と電気ヒータ等の加
熱源との間、及びこの第1物質と伝熱管との隙間に生じ
ている空気層に加熱されて液体となった熱媒体である第
2物質が供給されると、この部分の熱伝達は、熱媒体が
供給されない場合の数倍〜数十倍に増加する。それによ
って、蓄熱時においては、ヒータから蓄熱材への熱伝達
が良好となるので、ヒータの焼損がなくなる。また、出
熱時においては、蓄熱材から伝熱管への熱伝達が良好と
なるので、十分な熱量を蓄熱材から取り出せるようにな
り、従来装置において見られた蓄熱材が高温状態でも蒸
気等の高温の熱負荷を取り出せないという問題がなくな
る。また、第2物質は、蓄熱温度域で液体であり、沸騰
する状態には至らないから、蓄熱槽の耐圧を必要以上に
高くすることなく、積極的に蒸気を発生させることがで
きる。そのうえ、第1物質及び第2物質は、常温ではい
ずれも固体であるから、装置を使用しない期間等におい
ては、液体の蓄熱材に比べて、蓄熱槽や伝熱管を構成す
る金属の腐食が起こり難く、しかも製造又は輸送時の取
り扱いが容易である。
【0013】
【実施の形態】以下、本発明の蓄熱装置を蒸気発生装置
に適用してなる一実施の形態を説明する。つまり、本発
明の一実施の形態は、蓄熱材とヒ−タ及び蓄熱材と伝熱
管の間の空気層に、硝酸塩、亜硝酸塩を供給するもので
ある。
【0014】この蓄熱材を用いた蒸気発生装置は、図1
に示した如く、蓄熱槽11及び膨張タンク18から主に
構成される。蓄熱槽11内には、電気ヒ−タ14及び伝
熱管13が設置され、蓄熱材12の構成要素である固体
の第1物質としてマグネシア、蓄熱温度域で液体となる
第2物質すなわち熱媒体として硝酸ナトリウム/亜硝酸
ナトリウム/硝酸カリウムの混合物(俗称HITEC)
又は硝酸ナトリウム/硝酸カリウムの混合物(俗称Dra
wSalt)が充填されている。
【0015】本発明の一実施形態に用いるHITEC
は、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
の三成分の混合剤であり、これら三成分の重量比率は、
それぞれ6.9%,48.9%,44.2%,または、
その近傍の値である。これら三成分から成るHITEC
は、融点が142℃、熱分解開始温度が約600℃であ
る。上記三成分の重量比率が上記数値よりずれると、融
点が次第に上昇し、熱分解温度が次第に低下する。極端
な場合として、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムまた
は硝酸カリウムの単一成分にすると、融点は、それぞ
れ、308℃、270℃、333℃となる。また、熱分
解開始温度は、それぞれ、380℃、320℃、333
℃となる(共立出版、化学大辞典より)。したがって、
HITECのように上記三成分の混合剤にすると、単一
成分より、融点が130℃以上低下し、熱分解開始温度
が約330℃上昇する。
【0016】本発明の一実施形態の第2物質(熱媒体)
にHITECを用いるとこの熱媒体は142℃から約6
00℃の範囲で、安定した液体状態にあって、蓄熱材と
ヒータ及び蓄熱材と伝熱管との間の空気層を埋めること
ができる。これにより、この部分の熱伝達が良好となっ
て間歇的、集中的な使用となる殺菌用等の蒸気使用に応
えることができる。殺菌用には、150℃程度(圧力:
5ata)の蒸気を使用することから、150℃以上の
温度域で液体となるHITECは、有効な熱媒体となり
える。
【0017】熱媒体としては、ダウサムで代表される有
機系熱媒体がよく知られている。しかし、この有機系熱
媒体は350〜400℃以上になると、熱分解が発生す
るため、蓄熱材の温度は350〜400以下にする必要
がある。
【0018】硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物
(DRAW−SALT)もHITECと同様に硝酸塩で
あることから、HITECと同等の温度特性を有してい
る。
【0019】上記蓄熱材12は、ヒ−タ14からの加熱
によって高温となる。伝熱管13への通水は、蒸気発生
の要求が生じたときに行われる。伝熱管13へ供給され
た水15は、高温の蓄熱材12から加熱され、蒸気16
となって排出される。水15の供給量によって蒸気16
の乾き度、過熱度が変化する。水15の供給量が、蓄熱
材12からの加熱量に対して、少ないならば、発生蒸気
16は過熱蒸気となる。水15の供給量を増加するにし
たがって、飽和蒸気、湿り蒸気となる。
【0020】本発明の一実施形態によれば、蓄熱材12
とヒ−タ14及び蓄熱材12と伝熱管13の間の空気層
を第2物質が液体となった熱媒体が埋めるため、熱伝達
が良好となる。このため、蓄熱時においては、蓄熱材1
2に対する急速加熱が可能となる。また、出熱時におい
ては、蓄熱材12から伝熱管13への急速熱伝達が可能
となる。
【0021】図2に、本発明に係る蓄熱槽11内に熱媒
体を供給した場合と供給しない場合の発生蒸気量の比較
を示し、図3に、このときの蓄熱槽11内蓄熱材の温度
変化を示す。蓄熱材の容積は400lであり、蓄熱温度
は450℃、発生蒸気の圧力は5ataで、蒸気流量は5
0kg/hの条件において比較した。図2より本発明では
50kg/hの蒸気流量で140分間運転を継続できるの
に対し、従来は3分間で蒸気流量が低下してしまうこと
がわかる。また、図3より、本発明では蓄熱材の熱が有
効に使われたことが解る。すなわち、蓄熱槽内に熱媒体
を供給すると蒸気発生量を数十倍増加できる。
【0022】本発明の他の実施形態を図4に示す。本例
は、伝熱管の伝熱面積を水の流れ方向にしたがって、伝
熱フィン20等の設置により、増加させるようにするも
のである。伝熱面積の増加は、連続的でもステップ状に
変化してもよい。
【0023】本実施形態の効果は、蓄熱材12に生じる
温度分布の大きな偏差(下流側が高温になりやすい)を
なくし、これにより、蓄熱材12からの加熱によって発
生する蒸気量を増加することができる。
【0024】伝熱管13に供給された水15は、蓄熱材
12から加熱され、順次温水、湿り蒸気、乾き蒸気と変
化しながら昇温する。このため、伝熱面積が一定の場合
は、蓄熱材12からの加熱量は、水の流れにしたがって
減少し、蓄熱材12の温度分布に大きな偏差が生じる。
上記例では下流側程伝熱性が高い構造であるため、この
偏差が縮少する。そして、蓄熱材12の平均温度が従来
技術より低温まで、蒸気16の発生が可能となるため、
従来技術よりも多くの蒸気発生が可能となる。
【0025】図5に、伝熱管13にフィン20を付け、
水の流れ方向にしたがって、伝熱管の単位長さ当りの伝
熱面積を3段階に変化したときの、蓄熱材12の温度変
化の一例を示す。フィンなしの上流側は伝熱管1cm当た
りの伝熱面積が3.14cmであり、粗にフィンを設置
した中間部は伝熱面積が6.28cmであり、密にフィ
ンを設置した下流側は9.54cmである。
【0026】その結果、図示のとおり、フィン20を付
けると伝熱管入口近傍の温度と出口近傍の温度差は縮少
し(一点鎖線)、また、平均温度も約70℃低下した
(同図aとbとの差)。そして、蒸気発生量は25%増
加した。なお、このときの蓄熱槽の条件は、図2、図3
と変わらない。
【0027】本発明の他の実施形態は、伝熱管の耐熱衝
撃性を向上するため、伝熱管の材質を選択するものであ
る。つまり、伝熱管材質の主成分である鉄への添加成分
元素を適宜選択するものである。添加成分として、クロ
ムが14重量%以上、炭素が0.03重量%以下である
とよい。クロムは30重量%以上になるとコストアップ
になるので、それ以下とするのがよい。また、他に、ニ
ッケルを80重量%以下,ケイ素を3重量%以下,マン
ガンを5%以下,リンを1%以下,イオウを1%以下,
モリブデンを5%以下,チタンを5%以下,ニオブを1
%以下のうち複数の成分を含むとよい。そして、この伝
熱管はオーステナイト系のステンレスであると熱衝撃に
強い組織となるのでよい。
【0028】この実施形態によれば、蓄熱材からの加熱
により高温となった伝熱管へステップ状に水を供給して
も伝熱管には割れが生じなくなる。上記した材質の伝熱
管として、JIS−G3463で規定されたSUS30
4LTB(C<0.03wt%、Si<1.00wt%,
Mn<2.00wt%,P<0.04wt%,S<0.0
30wt%,Ni:9.00〜13.00wt%,Cr:
18,00〜20,00wt%)を用い、蓄熱温度が60
0℃において、伝熱管内へ水を供給したときは、伝熱管
に割れが生じなかった。しかし、上記した条件を満たさ
ない伝熱熱管であるJIS−G3462で規定のSTB
20(C:0.10〜0.20wt%,Si:0.10〜
0.5wt%,Mn:0.30〜0.60wt%,P<0.
035wt%,S<0.035wt%,Cr:0.50〜
0.80wt%,No:0.40〜0.65wt%)を用
いた場合は、伝熱管に割れが生じた。
【0029】本発明の他の実施形態を図6に示す。本実
施形態は、伝熱管13の水15の入口に、断熱管21を
設置して二重管構造にするものである。断熱管21に
は、セラミック,ニッケルクロム鉄合金管等の耐熱衝撃
性の材料を用いる。
【0030】この実施形態によれば、更に高温の蓄熱材
からの加熱により高温となった伝熱管へステップ状に水
を供給しても伝熱管には割れが生じなくなった。
【0031】伝熱管13に外径15.9mm、肉厚1.2mm
のSUS304LTBを用い、この伝熱管13内に断熱
管として外径15mm、肉厚0.3mmのニッケルクロム鉄
合金管を挿入した。その結果、蓄熱温度が700℃にお
いて、伝熱管13内へステップ状に水を供給したが、伝
熱管に割れが生じなかった。しかし、上記同条件で、断
熱管を挿入しない場合は、伝熱管に割れが生じた。
【0032】前記した蓄熱材、伝熱管、伝熱フィン及び
断熱管を有する蒸気発生装置において、この装置の蓄熱
温度(最高温度)を400〜600℃にする。蓄熱温度
を高温にすると、単位容積当りの蓄熱量が増加し、蒸気
発生量を多くできるため、蓄熱槽を小型化できる。しか
し、蓄熱温度が高くなると、伝熱管の耐熱性、耐熱衝撃
の問題、熱媒体の耐熱性の問題から、無制限に高くはで
きない。
【0033】伝熱管にSUS304LTBオーステナイ
トステンレス鋼管を用いると、蓄熱温度は700℃程度
にできるが、熱媒体にHITECを用いると蓄熱温度は
600℃以下にする必要がある。
【0034】入熱時のヒータ近傍の熱媒体の温度は、ヒ
ータからの加熱によって、熱媒体の平均温度より数十℃
高くなることから、蓄熱温度は、熱媒体の耐熱温度より
数十℃低い温度が最高使用温度となる。なお、ヒータ近
傍の蓄熱材温度と蓄熱材の平均温度の差は、ヒータの熱
負荷によって変化することから、蓄熱温度は400〜6
00℃とするのが妥当な温度である。
【0035】図7に、本発明の一実施形態及び他の一実
施形態である蓄熱槽の蓄熱温度を変化したときの発生蒸
気量を示す。発生蒸気量は、蓄熱温度を高くするにした
がって増加する。
【0036】しかし、蓄熱温度が550℃以上になると
HITECが分解し、二酸化窒素が発生した。電気ヒー
タへの印加電圧を200Vから140Vに低下し、入熱
速度を10kwにしたところ、蓄熱温度が570℃以下
では、二酸化窒素を示す臭気がしなかった。一方、印加
電圧を200Vから280Vにし、入熱速度を40kw
にしたところ、蓄熱温度が510℃を越え、二酸化窒素
の臭気がした。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、時
間的に大きく変動する熱負荷使用においても、十分な蓄
熱・出熱が行われる蓄熱材を有する蓄熱装置を提供でき
る。したがって、例えば、蒸気発生装置に適用すれば、
蒸気発生量を時間的に大きく変動できる経済的な蒸気発
生装置を提供できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の蓄熱装置を適用した蒸気
発生装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の蓄熱装置を適用した蒸気
発生装置の性能を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の蓄熱装置を適用した蒸気
発生装置の性能を示す図である。
【図4】本発明の他の一実施形態である伝熱管にフィン
を取り付けた蓄熱装置を適用した蒸気発生装置の構成図
である。
【図5】本発明の他の一実施形態である伝熱管にフィン
を取り付けた蓄熱装置の効果を示す図である。
【図6】本発明の他の一実施形態である伝熱管内への断
熱管の取り付けを示す断面図である。
【図7】本発明の蓄熱装置を適用した蒸気発生装置の蓄
熱温度と蒸気発生量の関係を示す図である。
【図8】従来技術の一例であるボイラと蒸気アキュムレ
ータを組み合わせた負荷変動に適した蒸気発生装置の構
成を示す図である。
【符号の説明】
11 蓄熱槽、12 蓄熱材、13 伝熱管、14 電
気ヒータ、20 伝熱フィン、21 断熱管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 忠幸 東京都港区浜松町二丁目4番1号 バブ コック日立株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−205793(JP,A) 特開 昭63−190144(JP,A) 実開 昭60−10159(JP,U) 特公 昭53−14785(JP,B2) 実公 昭62−42295(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 7/02 601 F22B 1/28 F28D 20/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材を備えた蓄熱槽と、この蓄熱槽内
    に配設された加熱源及び流体が導入される伝熱管とを備
    えた蓄熱装置において、前記蓄熱材は、次の(1)と
    (2)とから構成してなることを特徴とする蓄熱装置。(1) 固体の蓄熱材である第1物質。(2) 蓄熱温度域で液体となり、前記第1の物質と前記
    伝熱管と前記加熱源との間に形成される隙間を満たす機
    能を有する第2物質。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第1の物質はマグネ
    シアを主成分とする物質であることを特徴とする蓄熱装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、第2物質は硝
    酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムの混
    合物、又は、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウムの混合物
    である蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、蓄
    熱槽出口側の伝熱管外表面に伝熱フィンが設けられ、伝
    熱管の単位長さ当りの伝熱面積は蓄熱槽出口側が蓄熱槽
    入り口側より大きく形成されている蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、伝
    熱管はCrが14重量%以上、Cが0.03%以下のオ
    ーステナイト系ステンレス鋼である蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、蓄
    熱槽入り口の伝熱管内部が二重管に形成されている蓄熱
    装置。
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