JP6479695B2 - 煙管を備えた真空式温水機 - Google Patents

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本発明は、管内を流れる燃焼ガスと管外の熱媒水との間で熱交換を行う煙管を備えた真空式温水機の改良に係り、特に、熱交換を行う煙管を螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記コルゲート形状パイプの煙管の下流側部分にコルゲート形状に適した伝熱促進体を挿入することによって、真空式温水機の大型化を抑制しつつ、安価な構成により燃焼ガスと熱媒水の熱交換効率の向上を図れるようにした煙管を備えた真空式温水機に関するものである。
従来、一般的な煙管(鋼管製のパイプ)を備えた真空式温水機としては、例えば、特公平01−020682号公報(特許文献1参照)に記載された真空式温水機が知られている。
図10は一般的な煙管20を備えた真空式温水機の一例を示すものであり、前記真空式温水機は、缶本体21、燃焼室22、バーナ23、熱媒水24、複数本の煙管20、減圧蒸気室25、温水熱交換器26、抽気ポンプ(図示省略)等を備えている。
尚、図10において、27は煙道、28は排気筒、29はヘッダー、30は水面覗き窓、31は熱媒水温度制御用サーミスタ、32は圧力スイッチ、33は缶圧力計、34は埋め込み式溶解栓である。
而して、前記真空式温水機は、缶本体21内を抽気ポンプにより大気圧以下に減圧して真空に近い状態とし、この状態でバーナ23により熱媒水24を加熱沸騰させて減圧蒸気室25内にそのときの熱媒水24の温度と同じ蒸気を発生させ、その蒸気が温水熱交換器26の表面で凝縮することで温水熱交換器26内の給水を加熱し、温水を作るようにしたものである。
また、バーナ23の燃焼ガスGは、燃焼室22の周囲にある熱媒水24と熱交換し、燃焼室22出口から燃焼室22の周囲に配置した多数の煙管20内に導かれ、煙管20の周囲にある熱媒水24と熱交換した後、煙道27から排出される。
前記真空式温水機は、缶本体21内が減圧されているため、封入している熱媒水24は、バーナ23によって加熱されると、直ちに沸騰し、そのときの熱媒水24の温度と同じ蒸気を発生する。この蒸気は、温水熱交換器26の表面で凝縮することによって給水を加熱し、水滴となって再び熱媒水24に戻る。その結果、真空式温水機においては、熱媒水24の補給が不要となり、空焚きの虞がない。
ところで、前記真空式温水機の煙管20には、一般的に通常の鋼管製のパイプから成る煙管20が用いられているため、熱交換効率があまり良くなく、熱交換効率を上げるために煙管20の本数を増加したり、長さを長くしたりする必要があり、装置が大型化してしまう問題があった。
また、前記真空式温水機の他に、吸収式冷温水機の再生器、煙管ボイラ、熱交換器等の煙管にも、一般的に通常の鋼管製のパイプから成る煙管が用いられているため、煙管を備えた吸収式冷温水機の再生器や煙管ボイラ等の装置においても真空式温水機と同様の問題が発生していた。
そこで、前記各装置の煙管20には、装置を大型化することなく熱交換効率の向上をさせるため、様々な工夫が施されていた。
例えば、前記煙管20には、図11に示すように、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプを煙管20として使用したり、また、図12に示すように、通常の鋼管製のパイプを煙管20として使用し、この煙管20内に軸方向に沿ってコイル(図示省略)やスクリュープレート(スクリュー状にひねった帯板)等の伝熱促進体35を挿入したり、或いは、図13に示すように、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプを煙管20として使用し、この煙管20内に前記伝熱促進体35を挿入したりしていた(特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
尚、伝熱促進体35は、煙管20の全域に挿入したり、煙管20の一部に挿入したりしている。
図11〜図13に示す煙管20においては、コルゲート形状パイプの内周面の凹凸や伝熱促進体35により煙管20内を流れる燃焼ガスGの流れが乱され、乱流が促進されて熱伝達率が向上することになる。
ところで、図11に示す煙管20の場合、燃焼ガスGの通過断面積が、煙管20の入口と出口で同じになっているため、煙管20の出口側では排ガス温度が下がり、燃焼ガスGの流速が落ちるため、熱伝達率が低下することになる(図14参照)。
また、図12に示す煙管20や特許文献3の煙管の場合、伝熱促進体35により燃焼ガスGが撹拌され、また、煙管20の途中において通過断面積が小さくなり、燃焼ガスGの流速が上がるため、熱伝達率が向上する(図15参照)。
しかし、煙管20が通常の鋼管製のパイプにより形成されているため、コルゲート形状パイプの煙管20よりも熱伝達率が悪くなる(図14及び図16参照)。実験値では、通常のパイプは、コルゲート形状パイプに比較して熱伝達率が0.5〜0.65倍と悪くなっている。
また、燃焼ガスGは、煙管20の内面に沿ってではなく、伝熱促進体35を起点に渦流を発生するため、無駄な圧力損失が発生することになる。
更に、図13に示す煙管20の場合、伝熱促進体35は、構造上、コルゲート形状パイプの煙管20の最小内径よりも小さく作製し、コルゲート形状パイプの煙管20内に置く形で取り付けられている。そのため、伝熱促進体35は、コルゲート形状パイプの煙管20内に片寄った状態で配置されることになり、コルゲート形状パイプの煙管20と伝熱促進体35との間には、部分的に燃焼ガスGが流れない箇所や流れ易い箇所が発生し、伝熱面積を有効に利用することができず、無駄な圧力損失も発生することになる。
このように、真空式温水機等に用いられる煙管20には、様々な問題があった。
特公平01−020682号公報 特開平01−318865号公報 特開平07−119909号公報 特開平11−351696号公報
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、熱交換を行う煙管を螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記コルゲート形状パイプの煙管の下流側部分にコルゲート形状に適した伝熱促進体を挿入することによって、真空式温水機の大型化を抑制しつつ、安価な構成により燃焼ガスと熱媒水の熱交換効率の向上を図れるようにした煙管を備えた真空式温水機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、管内を流れる燃焼ガスと管外の熱媒水との間で熱交換を行う煙管を備えた真空式温水機において、前記煙管を、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記煙管の下流側部分で煙管出口側の燃焼ガス温度が低下し熱伝達率が下がった箇所に、伝熱促進体を挿入し、前記伝熱促進体を、コルゲート形状パイプの煙管内に挿入されるパイプと、パイプの外周面に前記コルゲート形状パイプの煙管の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィンとを備えたフィンチューブとし、前記スパイラルフィンのフィンピッチと前記コルゲート形状パイプの煙管の波ピッチとを同じピッチに形成したことに特徴がある。
本発明の請求項2の発明は、管内を流れる燃焼ガスと管外の熱媒水との間で熱交換を行う煙管を備えた真空式温水機において、前記煙管を、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記煙管の下流側部分で煙管出口側の燃焼ガス温度が低下し熱伝達率が下がった箇所に、伝熱促進体を挿入し、前記伝熱促進体を、コルゲート形状パイプの煙管内に挿入される棒状の芯材と、芯材の外周面に前記コルゲート形状パイプの煙管の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィンとを備えた伝熱促進体とし、前記スパイラルフィンのフィンピッチと前記コルゲート形状パイプの煙管の波ピッチとを同じピッチに形成したことに特徴がある。
本発明の請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記伝熱促進体のスパイラルフィンの外径は、前記コルゲート形状パイプの煙管の最大内径から最小内径の範囲内に収まるように設定されていることに特徴がある。
本発明の請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記伝熱促進体のスパイラルフィンの外周縁は、コルゲート形状パイプの煙管の内周面側の凸部に密着する状態で押し付け固定されていることに特徴がある。
本発明は、通常の鋼管製のパイプに比べて熱伝達率の良いコルゲート形状パイプを煙管に使用し、コルゲート形状パイプの煙管内にコルゲート形状に適した伝熱促進体を挿入しているため、燃焼ガスと熱媒水の熱交換効率の向上を図れ、真空式温水機の大型化を抑制することができる。
また、本発明は、伝熱促進体を汎用性のある安価なフィンチューブにより形成しているため、コスト低減を図ることができる。
更に、本発明は、伝熱促進体をフィンチューブやフィンチューブに近い構造の伝熱促進体により形成しているため、定期的なメンテナンスにおいてコルゲート形状パイプの煙管の掃除を行う場合、伝熱促進体を回転させながら取り外すことができ、コルゲート形状パイプの煙管の内周面の凹部に堆積、固着した煤を伝熱促進体の取り外しと同時に粉砕することができる。
更に、本発明は、既設の真空式温水機においても、通常の鋼管製のパイプから成る煙管を、伝熱促進体を挿入したコルゲート形状パイプの煙管に交換するだけで、大掛かりな工事を行うことなく、熱交換効率の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る煙管を備えた真空式温水機の概略縦断面図である。 真空式温水機に用いる煙管及び伝熱促進体を示し、コルゲート形状パイプの煙管にフィンチューブから成る伝熱促進体を回転挿入して行く状態の一部省略切欠正面図である。 真空式温水機に用いる煙管及び伝熱促進体を示し、コルゲート形状パイプの煙管にフィンチューブから成る伝熱促進体を所定寸法まで挿入した状態の一部省略切欠正面図である。 真空式温水機に用いる煙管及び伝熱促進体を示し、コルゲート形状パイプの煙管にフィンチューブから成る伝熱促進体を押し込み固定した状態の一部省略切欠正面図である。 コルゲート形状パイプの煙管とフィンチューブから成る伝熱促進体の寸法関係を示す説明図である。 フィンチューブから成る伝熱促進体の変形例を示し、スパイラルフィンをセレートタイプとした伝熱促進体の拡大側面図である。 伝熱促進体の変形例を示し、棒状の芯材の外周面にスパイラルフィンを螺旋状に巻き付けた伝熱促進体の一部切欠正面図である。 フィンチューブから成る伝熱促進体を挿入したコルゲート形状パイプの煙管の熱伝達率を表すグラフである。 フィンチューブから成る伝熱促進体を挿入した煙管を蒸気ボイラの過熱管等の伝熱管として使用した状態の説明図である。 従来の煙管を備えた真空式温水機の概略縦断面図である。 従来の煙管を示し、コルゲート形状パイプを煙管とした一部省略切欠正面図である。 従来の煙管を示し、通常の鋼管製のパイプ内に伝熱促進体を挿入した一部省略切欠正面である。 従来の煙管を示し、コルゲート形状パイプ内に伝熱促進体を挿入した一部省略切欠正面である。 コルゲート形状パイプの煙管の熱伝達率を表すグラフである。 通常の鋼管製のパイプから成る煙管内に伝熱促進体を挿入した煙管の熱伝達率を表すグラフである。 通常の鋼管製のパイプから成る煙管の熱伝達率を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る煙管1を備えた真空式温水機の一例を示し、前記真空式温水機は、内部が大気圧以下に保持された密閉状の缶本体2と、缶本体2内に形成された燃焼室3と、燃焼室3に接続されたバーナ4と、缶本体2内の下部に燃焼室3が水没するように貯留された熱媒水5(例えば、水)と、燃焼室3の周囲に熱媒水5に浸漬する状態で配置され、燃焼室3から排出された燃焼ガスGが流れる複数本の煙管1と、缶本体2内の上部に形成される減圧蒸気室6と、減圧蒸気室6に配置され、発生した蒸気を水との熱交換により凝縮して液化させる温水熱交換器7と、缶本体2内を大気圧以下に減圧する抽気ポンプ(図示省略)等を備えており、前記煙管1を、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管1とし、前記煙管1の下流側部分で煙管1出口側の燃焼ガスG温度が低下し熱伝達率が下がった箇所に、コルゲート形状に適した伝熱促進体8を挿入したものである。
尚、図1において、9は煙道、10は排気筒、11はヘッダー、12は水面覗き窓、13は熱媒水温度制御用サーミスタ、14は圧力スイッチ、15は缶圧力計、16は埋め込み式溶解栓である。
前記真空式温水機に用いる煙管1は、図2〜図4に示す如く、炭素鋼鋼材等の金属材により螺旋状に形成したコルゲート形状パイプから形成されており、コルゲート形状パイプの内周面及び外周面には、凹凸が螺旋状に且つ所定のピッチで形成されている。
前記コルゲート形状パイプの煙管1においては、内周面に形成した凹凸により管内を流れる燃焼ガスGの流れが乱され、乱流が促進されて熱伝達率が向上することになる。
前記伝熱促進体8は、図2〜図5に示す如く、コルゲート形状パイプの煙管1内に軸方向に沿って挿入されるパイプ8aと、パイプ8aの外周面にコルゲート形状パイプの煙管1の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィン8bとを備えたフィンチューブにより形成されている。
具体的には、フィンチューブのパイプ8aは、伝熱促進体8を燃焼ガスGの温度が400℃以下で使用するため、鋼管等の耐熱性の低い比較的安価な材料により形成されている。このパイプ8aの先端は、金属製のキャップ8cを溶接により固着することにより閉塞されている。
一方、フィンチューブのスパイラルフィン8bは、比較的安価な冷間圧延鋼(SPCC)等の金属材により形成されており、パイプ8aの外周面にコルゲート形状パイプの煙管1の螺旋方向と同じ方向になるように巻き付け固定されている。
また、スパイラルフィン8bのフィンピッチP′は、コルゲート形状パイプの煙管1の波ピッチPと同じピッチP′に形成されている。即ち、コルゲート形状パイプの煙管1の波ピッチPとフィンチューブのフィンピッチP′とは、同一寸法に設定されている。
更に、スパイラルフィン8bの外径φdは、図5に示す如く、コルゲート形状パイプの煙管1の最大内径φdから最小内径φdの範囲内に収まるように形成されている。即ち、フィンチューブのスパイラルフィン8bの外径φdは、φd>φd>φdの関係になるように設定されており、コルゲート形状パイプの煙管1の内方に回転挿入可能なクリアランスを確保し且つ極力コルゲート形状パイプの煙管1の最大内径φdに近い寸法が好ましい。
そして、フィンチューブから成る伝熱促進体8は、コルゲート形状パイプの煙管1の下流側部分で煙管1出口側の燃焼ガスG温度が低下し且つ熱伝達率が下がった箇所に挿入固定されている。
前記伝熱促進体8(フィンチューブ)をコルゲート形状パイプの煙管1内に挿入固定するには、先ず、伝熱促進体8をコルゲート形状パイプの煙管1の出口側に回転挿入して行き、次に、伝熱促進体8をコルゲート形状パイプの煙管1内に所定寸法まで挿入し、最後に、伝熱促進体8をコルゲート形状パイプの煙管1に押し込む(図2〜図4参照)。
そうすると、伝熱促進体8は、スパイラルフィン8bの外径φdがφd>φd>φdの関係になるように設定されているため、スパイラルフィン8bの外周縁がコルゲート形状パイプの煙管1の内周面側の凸部に密着する状態で押し付け固定されることになる。
また、フィンチューブから成る伝熱促進体8は、コルゲート形状パイプの煙管1の波ピッチPとフィンチューブのフィンピッチP′とが同一寸法に設定されているため、コルゲート形状パイプの煙管1内に均等な旋回流路を形成することになる。
更に、フィンチューブのスパイラルフィン8bは、流路の形成及び乱流促進を目的とするが、コルゲート形状パイプの煙管1の内周面に密着しているため、伝熱用としても効果を発揮することになる。
尚、上記の実施形態においては、伝熱促進体8を形成するフィンチューブのスパイラルフィン8bをソリッドタイプのフィンとしたが、他の実施形態においては、図6に示す如く、フィンチューブのスパイラルフィン8bをセレートタイプのフィンとしても良い。セレートタイプのフィンは、セレートにより乱流を生じ、ソリッドタイプのフィンに比べて熱伝達率がアップする。
また、上記の実施形態においては、伝熱促進体8をフィンチューブにより形成したが、他の実施形態においては、図7に示す如く、伝熱促進体8を、コルゲート形状パイプの煙管1内に挿入される棒状の芯材8a′と、芯材8a′の外周面に前記コルゲート形状パイプの煙管1の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィン8bとを備えた伝熱促進体8としても良い。この場合、スパイラルフィン8bのフィンピッチP′とコルゲート形状パイプの煙管1の波ピッチPとは、同じピッチに形成されている。また、スパイラルフィン8bの外径は、φd>φd>φdの関係に成るように設定されている。
更に、上記の実施形態においては、スパイラルフィン8bを比較的安価な冷間圧延鋼(SPCC)により形成したが、他の実施形態においては、スパイラルフィン8bをアルミや銅等の熱伝導率の高い金属材により形成しても良い。
而して、伝熱促進体8を挿入した煙管1を備えた真空式温水機においては、缶本体2内を抽気ポンプにより大気圧以下に減圧して真空に近い状態とし、この状態でバーナ4により熱媒水5を加熱沸騰させて減圧蒸気室6内にそのときの熱媒水5の温度と同じ蒸気を発生させ、その蒸気が温水熱交換器7の表面で凝縮することで温水熱交換器7内の給水を加熱して温水を作る。
また、バーナ4の燃焼ガスGは、燃焼室3の周囲にある熱媒水5と熱交換し、燃焼室3出口から燃焼室3の周囲に配置した多数の煙管1内に導かれ、煙管1の周囲にある熱媒水5と熱交換した後、煙道9から排出される。
ところで、上述した真空式温水機において、ボイラ効率が90%で煙管1に伝熱促進体8がない場合、煙管1の入口で約1000℃の燃焼ガスGは、熱媒水5と熱交換され、図14に示すように煙管1の出口側に向かう程、熱伝達率が低下し、約200℃で煙道より排出される。
これに対して、図1に示す真空式温水機のように、煙管1の下流側部分に伝熱促進体8を挿入している場合、煙管1内を流れる燃焼ガスGの流速が上がり、燃焼ガスGの乱流状態が促進され、且つ燃焼ガスGが煙管1の内周面側に沿って流れるため、図8に示すように煙管1の出口側で熱伝達率が向上し、燃焼ガスGは約160℃で煙道より排出される。この場合、計算値でボイラ効率は2%向上する。
このように、上述した構成の真空式温水機は、通常の鋼管製のパイプに比べて熱伝達率の良いコルゲート形状パイプ(実験値では、熱伝達率が1.5倍〜2.0倍)を煙管1に使用し、コルゲート形状パイプの煙管1内にコルゲート形状に適した伝熱促進体8を挿入しているため、燃焼ガスGと熱媒水5の熱交換効率の向上を図れ、真空式温水機の大型化を抑制することができる。
また、この真空式温水機は、伝熱促進体8を汎用性のある安価なフィンチューブにより形成しているため、コスト低減を図れる。
更に、この真空式温水機は、伝熱促進体8をフィンチューブやフィンチューブに近い構造の伝熱促進体8により形成しているため、定期的なメンテナンスにおいて煙管1の掃除を行う場合、伝熱促進体8を回転させながら取り外すことができ、コルゲート形状パイプの煙管1の内周面の凹部に堆積、固着した煤を伝熱促進体8の取り外しと同時に粉砕することができる。
本発明に係る真空式温水機に用いた伝熱促進体8を挿入した煙管1は、真空式温水機の他に、吸収式冷温水機の再生器、煙管ボイラ、蒸気ボイラ、熱交換器等においても利用可能である。
図9はフィンチューブから成る伝熱促進体8を挿入した煙管1を蒸気ボイラの過熱管等の伝熱管として使用した一例を示すものであり、煙管1とフィンチューブから成る伝熱促進体8との間に燃焼ガスGを流すと共に、伝熱促進体8のパイプ8a内に蒸気を流してパイプ8aを過熱管として使用したものである。
1は煙管
2は缶本体
3は燃焼室
4はバーナ
5は熱媒水
6は減圧蒸気室
7は温水熱交換器
8は伝熱促進体
8aはパイプ
8a′は芯材
8bはスパイラルフィン
8cはキャップ
9は煙道
10は排気筒
11はヘッダー
12は水面覗き窓
13は熱媒水温度制御用サーミスタ
14は圧力スイッチ
15は缶圧力計
16は埋め込み式溶解栓
Gは燃焼ガス
Pは煙管の波ピッチ
P′はフィンチューブのフィンピッチ
φdは煙管の最大内径
φdは煙管の最小内径
φdはスパイラルフィンの外径

Claims (4)

  1. 管内を流れる燃焼ガスと管外の熱媒水との間で熱交換を行う煙管を備えた真空式温水機において、前記煙管を、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記煙管の下流側部分で煙管出口側の燃焼ガス温度が低下し熱伝達率が下がった箇所に、伝熱促進体を挿入し、前記伝熱促進体を、コルゲート形状パイプの煙管内に挿入されるパイプと、パイプの外周面に前記コルゲート形状パイプの煙管の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィンとを備えたフィンチューブとし、前記スパイラルフィンのフィンピッチと前記コルゲート形状パイプの煙管の波ピッチとを同じピッチに形成したことを特徴とする煙管を備えた真空式温水機。
  2. 管内を流れる燃焼ガスと管外の熱媒水との間で熱交換を行う煙管を備えた真空式温水機において、前記煙管を、螺旋状に形成したコルゲート形状パイプの煙管とし、前記煙管の下流側部分で煙管出口側の燃焼ガス温度が低下し熱伝達率が下がった箇所に、伝熱促進体を挿入し、前記伝熱促進体を、コルゲート形状パイプの煙管内に挿入される棒状の芯材と、芯材の外周面に前記コルゲート形状パイプの煙管の螺旋方向と同じ方向に螺旋状に巻き付けられたスパイラルフィンとを備えた伝熱促進体とし、前記スパイラルフィンのフィンピッチと前記コルゲート形状パイプの煙管の波ピッチとを同じピッチに形成したことを特徴とする煙管を備えた真空式温水機。
  3. 前記伝熱促進体のスパイラルフィンの外径は、前記コルゲート形状パイプの煙管の最大内径から最小内径の範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の煙管を備えた真空式温水機。
  4. 前記伝熱促進体のスパイラルフィンの外周縁は、コルゲート形状パイプの煙管の内周面側の凸部に密着する状態で押し付け固定されていることを特徴とする請求項3に記載の煙管を備えた真空式温水機。
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