JP3485463B2 - 排気熱回収器 - Google Patents

排気熱回収器

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JP3485463B2
JP3485463B2 JP06781698A JP6781698A JP3485463B2 JP 3485463 B2 JP3485463 B2 JP 3485463B2 JP 06781698 A JP06781698 A JP 06781698A JP 6781698 A JP6781698 A JP 6781698A JP 3485463 B2 JP3485463 B2 JP 3485463B2
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幹夫 越智
浩樹 丸山
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東陶機器株式会社
東陶ユプロ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料を燃焼させて
得られる熱の主要部分によって被加熱物体を加熱し、残
りの熱が燃焼排気に含まれる熱利用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料を燃焼させて得られる熱の主
要部分によって被加熱物体を加熱し、残りの熱が燃焼排
気に含まれる熱利用装置において、その燃焼排気に含ま
れる熱により被加熱物体を予熱する節炭器や燃焼用酸化
剤を予熱する空気予熱器が排気熱回収器として使用され
ており、効率の向上に貢献していた。また、低カロリー
ガスを燃料とする熱利用装置では、燃焼排気に含まれる
熱により燃料を予熱するガス予熱器が排気熱回収器とし
て併用されることもあった。
【0003】さらに、近年では気相、液相の平衡状態に
ある作動流体を密閉容器に封入してヒートパイプとし、
このヒートパイプの熱吸収部では排気の熱により液相の
作動流体が蒸発して気相となり、気相の作動流体が熱放
出部へ流れ、熱放出部では被加熱物体、燃焼用酸化剤、
燃料に熱を伝えて凝縮して液相となり、液相の作動流体
が熱吸収部へ流れ、これを繰り返すことで排気熱を回収
する技術も実用化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の排気熱回収器で
は、熱利用設備が高負荷運転を行っているときに高い効
率で排気熱を回収できる設計を行った場合には、いずれ
の回収方法でも、熱利用装置が低負荷運転を行っている
ときには排気の熱容量に比較して排気熱回収能力が過剰
となるため、排気の熱を奪いすぎ、排気熱回収器の排気
に接する面に排気中の水蒸気などが結露し、結露水中に
含まれる硫黄酸化物・窒素酸化物およびそのイオン化物
質により排気熱回収器の排気に接する面が腐蝕する場合
がある。また、耐食性の高い材質で排気熱回収器を製作
した場合には、腐蝕は緩和されるが、結露水の付着によ
り排気熱回収器の通気抵抗の増加、伝熱の阻害はまぬが
れない。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、熱利用装置が低負荷運転
を行っているときにも結露が発生しない廃熱回収器を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】上記
目的を達成するために請求項1は、燃料を燃焼させて得
られる熱の主要部分によって被加熱物体を加熱し、残り
の熱が燃焼排気に含まれる熱利用装置において、一方が
燃焼排気に直接または間接的に接して熱吸収部となり、
他方が被加熱物体、燃焼用酸化剤、燃料の内少なくとも
一つに直接または間接的に接して熱放出部となり、内部
に燃焼排気の露点温度以上に固相液相気相の三重点のあ
る物質を主に封じ込めた密閉容器を備えた。
【0007】内部に燃焼排気の露点温度以上に固相液相
気相の三重点のある物質を主に封じ込めた密閉容器によ
りヒートパイプを構成した場合、熱利用装置が高負荷運
転をしているときには、熱放出部の温度が作動流体の三
重点以上であるため、作動流体は熱放出部で凝縮し、熱
吸収部で蒸発することで多くの熱を運ぶことができる
が、熱利用装置が低負荷運転をしているときには、熱放
出部の温度が作動流体の三重点以下になり、熱放出部で
は凝縮の代わりに凝固が発生し、作動流体が熱吸収部に
流れなくなるため、熱の運搬が停止する。ヒートパイプ
の作動流体として三重点が燃焼排気の露点温度以上にあ
る物質を選んだので、熱利用装置が低負荷運転をしてい
るときに排気熱回収器の排気に接する面に排気中の水蒸
気などが結露が発生する以前に熱の運搬が停止すること
で、結露の発生を有効に防止することができる。
【0008】また、請求項2では、被加熱物体は水であ
り、水に燃焼気の熱を伝える熱交換器と、熱交換器に水
を供給する給水路と、熱交換器を出た水が通る給湯路
と、熱交換器を通った排気の通路を有し、多数のフィン
を有し排気通路を横断する管または多数の排気通路を横
断する平行な管により密閉容器の熱吸収部を構成し、給
水路または給湯路が密閉容器に接するまたは密閉容器の
内部を貫通することで密閉容器の熱放出部を構成した。
【0009】一般に、水を加熱して高温水を得ることを
目的とする熱利用装置である温水ボイラや家庭用給湯機
では、目的とする水の温度上昇に比べ、原因となる燃焼
気の温度が高いことが多く、その結果単位時間に供給さ
れる水の熱容量は燃焼気の元となる酸化剤や燃料の熱容
量に比べて大きいことが多い。そこで、排気の持つ熱を
回収する先には熱容量の大きい水を選ぶ事が有効であ
る。
【0010】排気の熱伝達率はヒートパイプの熱運搬量
に比べて大きくないので、熱吸収部は多数のフィンを設
けるまたは多数の平行な管で構成し、排気に接する面積
を拡大することで、効果的に熱を吸収することができ
る。水の熱伝達率は比較的大きいので、熱放出部は給水
路または給湯路が密閉容器に接するまたは密閉容器の内
部を貫通するような簡単な構造でも十分に熱を放出する
ことができる。このように効果的に熱を吸収、放出する
構造をとったので、熱利用装置が高負荷運転をしている
ときには高い効率で排気熱を回収できるが、ヒートパイ
プの作動流体として三重点が燃焼排気の露点温度以上に
ある物質を選んだので、熱利用装置が低負荷運転をして
いるときに排気熱回収器の排気に接する面に排気中の水
蒸気などが結露が発生する以前に熱の運搬が停止するこ
とで、結露の発生を有効に防止することができる。
【0011】また、請求項3では燃焼用酸化剤は大気か
ら供給される空気であり、大気と燃焼部とを結ぶ給気路
と、熱利用装置の外部に排気を導く排気路とを有し、多
数のフィンを有し排気路を横断する管または多数の排気
路を横断する平行な管により密閉容器の熱吸収部を構成
し、多数のフィンを有し給気路を横断する管または多数
の給気路を横断する平行な管により密閉容器の熱放出部
を構成した。
【0012】一般に、被加熱物体を高温に加熱すること
を目的とする熱利用装置である炉や、被加熱物体の相変
態を目的とする熱利用装置である蒸気ボイラでは、燃焼
用酸化剤として大気から得られる空気を利用することが
多いが、大気中の酸素濃度はあまり高くないので、燃料
を完全燃焼させるには多量の空気を必要とし、その結果
単位時間に供給される空気の熱容量は目的とする被加熱
物体の熱容量に比べて大きいことが多い。すなわち、被
加熱物体の予熱に排気の熱を利用しても、排気の熱容量
に比較して排気熱回収能力が過剰となる事はなく、排気
の熱を奪いすぎないので、排気熱回収器の排気に接する
面に排気中の水蒸気などが結露しない。そこで、本発明
によって排気の持つ熱を最終的に回収する先には熱容量
の大きい空気を選ぶ事が有効である。
【0013】排気の熱伝達率はヒートパイプの熱運搬量
に比べて大きくないので、熱吸収部は多数のフィンを設
けるまたは多数の平行な管で構成し、排気に接する面積
を拡大することで、効果的に熱を吸収することができ
る。空気の熱伝達率も排気の熱伝達率と同様、ヒートパ
イプの熱運搬量に比べて大きくないので、熱放出部は多
数のフィンを設けるまたは多数の平行な管で構成し、空
気に接する面積を拡大することで、効果的に熱を放出す
ることができる。このように効果的に熱を吸収、放出す
る構造をとったので、熱利用装置が高負荷運転をしてい
るときには高い効率で排気熱を回収できるが、ヒートパ
イプの作動流体として三重点が燃焼排気の露点温度以上
にある物質を選んだので、熱利用装置が低負荷運転をし
ているときに排気熱回収器の排気に接する面に排気中の
水蒸気などが結露が発生する以前に熱の運搬が停止する
ことで、結露の発生を有効に防止することができる。
【0014】また、請求項4では燃料は単位量あたりの
発熱量が低い気体燃料であり、燃焼部に気体燃料を送る
燃料路と、熱利用装置の外部に排気を導く排気路とを有
し、多数のフィンを有し排気路を横断する管または多数
の排気路を横断する平行な管により密閉容器の熱吸収部
を構成し、多数のフィンを有し燃料路を横断する管また
は多数の燃料路を横断する平行な管により密閉容器の熱
放出部を構成した。
【0015】一般に、単位量あたりの発熱量が低い気体
燃料は、その中に含まれる可燃成分の割合が低く、完全
燃焼するために必要な空気の量も供給する燃料の量に比
べて少なくて良い。そのため、単位時間当たり供給され
る燃料の熱容量は、燃焼用空気と同程度または大きいこ
とがある。そこで、本発明によって排気の持つ熱を最終
的に回収する先には熱容量の大きい燃料も選ぶ事が有効
である。
【0016】排気の熱伝達率はヒートパイプの熱運搬量
に比べて大きくないので、熱吸収部は多数のフィンを設
けるまたは多数の平行な管で構成し、排気に接する面積
を拡大することで、効果的に熱を吸収することができ
る。気体燃料の熱伝達率も排気の熱伝達率と同様、ヒー
トパイプの熱運搬量に比べて大きくないので、熱放出部
は多数のフィンを設けるまたは多数の平行な管で構成
し、気体燃料に接する面積を拡大することで、効果的に
熱を放出することができる。このように効果的に熱を吸
収、放出する構造をとったので、熱利用装置が高負荷運
転をしているときには高い効率で排気熱を回収できる
が、ヒートパイプの作動流体として三重点が燃焼排気の
露点温度以上にある物質を選んだので、熱利用装置が低
負荷運転をしているときに排気熱回収器の排気に接する
面に排気中の水蒸気などが結露が発生する以前に熱の運
搬が停止することで、結露の発生を有効に防止すること
ができる。
【0017】また、請求項5では密閉容器に封じ込める
主な物質は、ナフタレン、クロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、グリコール酸、ビフェニル、アゾベンゼンのうち一
種類または複数種類を選ぶこととした。
【0018】一般に、燃料を燃焼させて出る燃焼排気の
露点温度は50℃から60℃であることが多い。本発明
の主目的である低負荷運転時の結露発生防止のために
は、それ以上に固相液相気相の三重点のある物質を任意
に選べばよいが、三重点が必要以上に高い物質では熱利
用装置が中程度の負荷の運転をしているときにも熱の運
搬が停止するため、排気熱回収の効果が得られない場合
が増える。そこで、広い温度範囲で熱の運搬ができ、結
露発生防止も好適な範囲に三重点ある物質の内、入手が
容易で熱的化学的に安定な物質として前述の物質の中か
ら選んで使用することとした。また、この中から複数種
類を選びのその混合物を作動流体とすることで、熱の運
搬の開始と停止の温度域が広くなり、より最低負荷に近
い状態まで排気熱回収を可能としつつ、熱利用装置が低
負荷運転をしているときに排気熱回収器の排気に接する
面に排気中の水蒸気などが結露が発生する以前に熱の運
搬を減少または停止することで、結露の発生を有効に防
止することができる。
【0019】また、請求項6では、密閉容器に封じ込め
る物質には、主な物質の他に燃焼排気の露点温度以下に
三重点のある物質も少量含めた。
【0020】一般に、熱利用装置では低負荷運転時にも
比較的多くの熱を排気が含んでおり、回収熱量が制限さ
れれば、最低負荷運転でも排気熱回収の可能な物があ
る。そのような装置に対して本発明を適用する場合、前
述の結露発生防止も好適な範囲に三重点ある物質を主な
作動流体として使用しつつ、主な物質の他に燃焼排気の
露点温度以下に三重点のある物質も少量含めるのがよ
い。熱利用装置が低負荷運転をしているときには主な物
質は凝固して熱の運搬に作用しなくなるが、少量含めた
物質が最小負荷運転まで熱を少量運搬するため、排気熱
回収器の排気に接する面に排気中の水蒸気などが結露が
発生する以前に熱の運搬を大幅に減少することで、結露
の発生を有効に防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面により詳細に説明する。
【0022】図1は本発明を家庭用給湯機に適用した構
造・原理図である。
【0023】水は上水から供給され、湯は給湯栓などに
接続される。ガスは都市ガスを使用し、電源は家庭用A
C100Vの商用電源に接続される。給湯栓が開かれる
と、水流スイッチ201により水流を検知して燃焼用送
風機301を駆動させ、燃焼室302を換気した後、ガ
ス電磁弁303を開くとともに点火装置401によりバ
ーナ304に着火させる。着火の確認を火炎電流検知器
402によって行った後、出湯温度検出サーミスタ40
3で検出される出湯温度が温度設定器404で設定され
た温度によるよう、マイコンを組み込んだ電装基板40
5がガス比例弁305を制御し、燃焼用送風機301は
空気比1.6になるよう回転数制御される。
【0024】バーナ304の炎は燃焼室302内で完全
燃焼し、最大燃焼の時には温度1355℃の毎時77標
準立方メートルの燃焼気となる。この燃焼気は熱交換器
203で対高発熱量比78%の効率で水を加熱し、25
2℃の燃焼排気となり排気路上流306に導かれる。燃
焼排気は、91枚のフィン102を有し、内部にナフタ
レンを封入した密閉容器の吸熱部101を通過する。フ
ィン102は厚さ0.4mmの燐脱酸銅で、一枚の大き
さは高さ50mm、幅100mmのとき、ヌッセルト数
7.54、フィン効率60%である。密閉容器は外径2
0mm、厚さ1mmの燐脱酸銅管で、内面に図示しない
ステンレス鋼製の金網をウィックとして挿入して作動流
体の液相が満遍なく広がるようにしている。密閉容器の
吸熱部101を通過した燃焼排気は対高発熱量比5%の
割合で排気熱回収され、162℃の排気として排気路下
流307を通って大気に放出される。本実施例では、フ
ィン付の管で吸熱部を構成したが、多数の平行な細管で
構成して表面積を拡大しても同様の効果が得られる。ま
た、本実施例では、管は円形断面の物を使用している
が、設計の対象に応じて矩形やへん平の管を使用するこ
ともできる。
【0025】給水路202を通った水は、フィンチュー
ブ式熱交換器203で加熱され、給湯路204に導かれ
る。給湯路204を通った湯は二重管構造の密閉容器の
放熱部103の内管側を通過し、前述の排気から回収さ
れた熱を受ける。密閉容器の放熱部103は、凝縮した
作動流体がスムースに吸熱部101に流れ落ちるよう
に、吸熱部101よりも上方に設けている。密閉容器の
放熱部103の外管外側には、外部への熱の放散を妨げ
るために、図示しないグラスウール保温筒で覆ってい
る。湯の通る密閉容器の放熱部103の内管内側には、
伝熱を促進するために図示しない弦巻バネ状の乱流促進
体を挿入している。作動流体が凝縮する密閉容器の放熱
部103の内管外側には、凝縮を促進するため、多孔質
の銅粉の燒結材を銅管と一体で成形している。本実施例
では、排気熱を給湯路204に回収したが、給水路20
2に回収しても同様の効果が得られる。本実施例では、
管長を短くするため密閉容器を水通路が貫通する構造と
したが、水通路と密閉容器放熱部と接する管で構成し鑞
付けによって固定しても良い。この場合、伝熱に寄与す
る内面の割合が減少するので、管の長さは長くする必要
があるが、構造が簡単なため製作が容易である。
【0026】以上が本発明を家庭用給湯機に適用した構
造・原理図の説明である。
【0027】図2は、密閉容器放熱側温度(横軸)に対
するヒートパイプが運ぶ熱量を無次元化(縦軸)したグ
ラフの例である。図2の曲線Aは、燃焼排気が結露せず
に排気熱の回収可能な上限値を示す。この燃焼排気は
0.02ppmの硫酸ガスを含むため露点温度が上昇
し、真の露点温度は65℃である。しかし、ヒートパイ
プが運ぶ熱量が少ないときには、熱抵抗が増し、吸熱部
温度が放熱部温度よりも高くなるため、曲線Aは低温側
に延びる形状となる。図2の曲線Bは、約80℃に三重
点のあるナフタレンを作動流体としたときの特性であ
る。結露の可能性のある温度域では実質的に熱の運搬が
ないため、吸熱部での燃焼排気の結露は発生しない。
【0028】図2の曲線Cは約50℃〜60℃に三重点
のあるクロロ酢酸を作動流体に使用した場合の特性であ
る。前述のように燃焼排気の露点温度が通常よりもやや
高いので前述の曲線Aと交わり、結露する領域が存在す
る。曲線Dは、前述のナフタレンとクロロ酢酸をほぼ等
量作動流体として使用したときの特性である。二種類の
物質を使用したので、その特性は両者の中間的な物とな
り、燃焼排気の結露を防止しつつより広い範囲で効率よ
く排気熱を回収できるようになる。
【0029】図3は図2と同様のグラフで別の実施例を
示した物である。曲線Aおよび曲線Bは図2と同じで、
それぞれ燃焼排気の結露限界と、ナフタレンを作動流体
としたときの特性を示す。曲線Eは前述のナフタレンを
主な作動流体とし、三重点が約0℃の水を3%加えた場
合の特性である。水の三重点は低いので全温度範囲で熱
を運ぶが、量は少ないため曲線Aと交わることなく燃焼
排気の結露を防止しつつ最も広い範囲で排気熱を回収で
きるようになる。
【0030】図4は図2・図3と同様のグラフで別の実
施例を示した物である。曲線Aおよび曲線Bは図2・図
3と同じで、それぞれ燃焼排気の結露限界と、ナフタレ
ンを作動流体としたときの特性を示す。曲線Fは前述の
ナフタレン60%とクロロ酢酸37%を主な作動流体と
し、前述の水を3%加えた場合の特性である。曲線Aと
交わることなく燃焼排気の結露を防止しつつ最も広い範
囲で効率よく排気熱を回収できるようになる。
【0031】なお、以上の例において、固相液相気相の
三重点は常圧下での融点で近似しても実質的には誤差は
生じない。
【0032】図5は、本発明を天然ガスなど高発熱量燃
料の火力発電用ボイラの空気予熱器に適用した要部の断
面図である。給気路501から供給された空気は図示し
ないボイラで燃料を燃焼させ、超臨界の過熱蒸気を発生
させる。燃焼排気は節炭器と呼ばれる図示しない水予熱
器により一部熱回収されるが、一般的に発電に用いられ
る再熱再生サイクルでは、給水量は多くないため、節炭
器では充分な排気熱回収ができず、多くの熱を持ったま
ま排気路306に流入する。
【0033】排気路306の中には燐酸クロメート処理
により耐食性を高め、ドローレスタイプの成形を受けた
比較的硬質で高熱伝導率のアルミニューム製フィン10
2を多数鑞付けされ、フィン102を互いに共有した複
数のステンレス鋼管を密閉容器の熱吸収部101を設け
ている。その作動流体は前述のナフタレンとクロロ酢酸
を主とし、少量の水を加えた物である。ステンレス鋼管
の内面には微細な半円形の溝を付け液相のウィックとし
ている。
【0034】排気路に隣接する給気路501の中には排
気路と同じ構造のステンレス鋼管を熱放出部103とし
て設け、熱吸収部101とつないでいる。液相の作動流
体が熱吸収部にスムースに流れるよう、給気路501を
排気路306よりも上方に位置させることもできる。
【0035】図6は、本発明を高炉ガスなど低発熱量燃
料の火力発電用ボイラの空気ガス予熱器に適用した要部
の断面図である。給気路501から供給された空気とガ
ス供給路601から供給された燃料ガス図示しないボイ
ラで燃焼し、超臨界の過熱蒸気を発生させる。燃焼排気
は節炭器と呼ばれる図示しない水予熱器により一部熱回
収されるが、一般的に発電に用いられる再熱再生サイク
ルでは、給水量は多くないため、節炭器では充分な排気
熱回収ができず、多くの熱を持ったまま排気路306に
流入する。本実施例では単位時間当たり空気とガスとが
ほぼ等量供給されるが、排気の量は空気とガスを合計し
た量に匹敵するため、排気熱回収は空気とガスの両方で
行っている。
【0036】排気路306の中には燐酸クロメート処理
により耐食性を高め、ドローレスタイプの成形を受けた
比較的硬質で高熱伝導率のアルミニューム製フィン10
2を多数鑞付けされ、フィン102を互いに共有した複
数のステンレス鋼管を密閉容器の熱吸収部101を設け
ている。その作動流体は前述のナフタレンとクロロ酢酸
を主とし、少量の水を加えた物である。ステンレス鋼管
の内面には微細な半円形の溝を付け液相のウィックとし
ている。空気とガスの両方に吸収した熱を送るため、熱
吸収部101はその両端が開いた形状をしており、空気
路501とガス供給路601は排気路306の両側に位
置している。
【0037】空気路501とガス供給路601の中には
それぞれ排気路と同じ構造のステンレス鋼管を熱放出部
103として設け、それぞれ熱吸収部101とつないで
いる。液相の作動流体が熱吸収部にスムースに流れるよ
う、給気路501とガス供給路601を排気路306よ
りも上方に位置させ、密閉容器形状が全体として上に開
いたV字型にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を家庭用給湯機に適用した構造・原理
図。
【図2】本発明の作用を説明する一実施形態の図。
【図3】本発明の作用を説明する他の実施形態の図。
【図4】本発明の作用を説明する他の実施形態の図。
【図5】本発明を高発熱量燃料の火力発電用ボイラの空
気予熱器に適用した要部の断面図。
【図6】本発明を低発熱量燃料の火力発電用ボイラの空
気予熱器に適用した要部の断面図。
【符号の説明】
101・・・密閉容器の熱吸収部 102・・・密閉容器の熱吸収部のフィン 103・・・密閉容器の熱放出部 102・・・密閉容器の熱放出部のフィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−219669(JP,A) 特開 昭54−152262(JP,A) 特開 平7−19647(JP,A) 特開 平9−10927(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 7/02 602 F24H 1/00 F24D 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を燃焼させて得られる熱の主要部分
    によって被加熱物体を加熱し、残りの熱が燃焼排気に含
    まれる熱利用装置において、一方が燃焼排気に直接また
    は間接的に接して熱吸収部となり、他方が被加熱物体、
    燃焼用酸化剤、燃料の内少なくとも一つに直接または間
    接的に接して熱放出部となり、内部に燃焼排気の露点温
    度以上に固相液相気相の三重点のある物質を主に封じ込
    めた密閉容器を備えることを特徴とする排気熱回収器。
  2. 【請求項2】 前記被加熱物体は水であり、水に燃焼気
    の熱を伝える熱交換器と、前記熱交換器に水を供給する
    給水路と、前記熱交換器を出た水が通る給湯路と、前記
    熱交換器を通った排気の通路を有し、多数のフィンを有
    し前記排気通路を横断する管または多数の前記排気通路
    を横断する平行な管により前記密閉容器の熱吸収部を構
    成し、前記給水路または前記給湯路が前記密閉容器に接
    するまたは前記密閉容器の内部を貫通することで前記密
    閉容器の熱放出部を構成することを特徴とする請求項1
    記載の排気熱回収器。
  3. 【請求項3】 前記燃焼用酸化剤は大気から供給される
    空気であり、大気と燃焼部とを結ぶ給気路と、前記熱利
    用装置の外部に排気を導く排気路とを有し、多数のフィ
    ンを有し前記排気路を横断する管または多数の前記排気
    路を横断する平行な管により前記密閉容器の熱吸収部を
    構成し、多数のフィンを有し前記給気路を横断する管ま
    たは多数の前記給気路を横断する平行な管により前記密
    閉容器の熱放出部を構成する事を特徴とする請求項1に
    記載の排気熱回収器。
  4. 【請求項4】 前記燃料は単位量あたりの発熱量が低い
    気体燃料であり、燃焼部に前記気体燃料を送る燃料路
    と、前記熱利用装置の外部に排気を導く排気路とを有
    し、多数のフィンを有し前記排気路を横断する管または
    多数の前記排気路を横断する平行な管により前記密閉容
    器の熱吸収部を構成し、多数のフィンを有し前記燃料路
    を横断する管または多数の前記燃料路を横断する平行な
    管により前記密閉容器の熱放出部を構成する事を特徴と
    する請求項1または3に記載の排気熱回収器。
  5. 【請求項5】 前記密閉容器に封じ込める主な物質は、
    ナフタレン、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、グリコール
    酸、ビフェニル、アゾベンゼンのうち一種類または複数
    種類を選んで使用することを特徴とする請求項1ないし
    4記載の排気熱回収器。
  6. 【請求項6】 前記密閉容器に封じ込める物質には、前
    記主な物質の他に燃焼排気の露点温度以下に固相液相気
    相の三重点のある物質も少量含むことを特徴とする請求
    項5記載の排気熱回収器。
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