JP3165822B2 - 半導体量子細線デバイス - Google Patents

半導体量子細線デバイス

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JP3165822B2
JP3165822B2 JP34761297A JP34761297A JP3165822B2 JP 3165822 B2 JP3165822 B2 JP 3165822B2 JP 34761297 A JP34761297 A JP 34761297A JP 34761297 A JP34761297 A JP 34761297A JP 3165822 B2 JP3165822 B2 JP 3165822B2
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三聡 清水
睦郎 小倉
良作 鍛冶
格 中川
誠二 向井
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経済産業省産業技術総合研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体量子細線デバ
イスに関し、特に、負性抵抗を呈するトランジスタない
しダイオードとして構成できる量子細線デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】量子細線を用いたものではないが、多重
量子井戸層を用いることで電子のトンネルリングによる
負性特性を呈し得る在来の半導体デバイスとして、共鳴
トンネルリング・ホットエレクトロン・トランジスタ(R
EHT)と呼ばれるものがある。図5にはその代表的構成例
が断面構造によって示されていて、基板を兼ねることも
あるコレクタ層51にはその一部にコレクタ電極52がオー
ミック接触している外、その上にコレクタ障壁層53、ベ
ース層54が順次積層形成され、ベース層54の表面の一部
にはベース電極55がオーミック接触している。コレクタ
層51とベース層54はn+GaAs、コレクタ障壁層53は y=0.2
程度のAlyGa1-yAsで構成される。
【0003】ベース層54の上には複数層の積層構造から
成る多重量子井戸層60が形成され、その上にn+GaAsのエ
ミッタ層56が形成されて、これにエミッタ電極57が備え
られる。多重量子井戸層60は、一般にx=0.33程度の一対
のAlXGa1-XAs層63,61によりGaAs層62を挟んだ構造にな
っており、これら各層の厚味はそれぞれ50Å程度と薄
い。このような構成のため、図5中において断面構造の
右手に模式的にエネルギバンド構造を示すように、伝導
準位CBを基準にしてコレクタ層51からエミッタ層56に至
る主たる電流通路に沿って複数の量子井戸が生まれ、こ
こでは電子のエネルギが量子化されることになる。
【0004】従って、外部印加電圧により加速された電
子は、多重量子井戸層60における共鳴エネルギ準位RBと
等しいエネルギである場合にのみ、トンネリング効果の
享受を受けてエミッタ層56の側から多重量子井戸層60の
通過が可能となる。これを換言するなら、外部印加電圧
により加速された電子のエネルギが当該共鳴エネルギ準
位RBよりも低い場合には電流が流れず、ほぼ等しくなっ
た場合に電流が流れ、それよりも高くなると再び流れに
くくなるので、外部印加電圧を上げていくことにより電
子のエネルギを高めて行く過程で、一時期、電流が流れ
にくくなる負性抵抗現象が生ずる。こうしたことから、
このデバイスは単体で排他的論理和回路(EX-OR) を実現
し得る可能性が提示されている。
【0005】一方、昨今注目されている量子細線を用い
たデバイスとして、図6に示されている量子細線FET(電
界効果トランジスタ)70もある。量子細線とは、既に周
知のように、バリアによって周囲を囲まれた細線状の電
子を閉じ込める井戸である。細線の径あるいは幅と,バ
リアと井戸の電子のポテンシャルの差を調整することに
より、動作に関与する電子波の細線の幅方向の波数ベク
トルは一つに限定される。つまり、細線の幅方向の電子
の他の波数ベクトルに相当する準位は十分に高く、無視
できる状態であるか、あるいは他の波数ベクトルに相当
する状態は存在しないように設計される。従って、電子
は散乱や衝突による緩和が少なく、またその運動は量子
細線の長さ方向に限定されるため、高速走行が可能にな
る。
【0006】しかるに、図6に示す量子細線FET70 の場
合、GaAs基板等、適当な基板71の上に、周囲バリアとな
るAlXGa1-XAsから成る量子細線埋込層72中に埋め込んだ
形で特定の方向に伸びるGaAs量子細線73を形成し、量子
細線埋込層72上に形成された絶縁膜79上には、量子細線
73の伸びる方向に沿って順にソース電極75、ゲート電極
76、ドレイン電極77を配し、それぞれの電極75〜77は絶
縁膜79に開けた窓(図示の場合は量子細線に沿って一連
に縦方向に伸びる窓)を介し、量子細線73に臨んでい
る。ここで、量子細線73を埋め込んでいる埋込層72にあ
って、当該量子細線73と各電極75〜77に挟まれる部分は
かなり薄くなっており、図中ではこの部分を特にバリア
層74として指摘している。
【0007】このデバイス70では、電子はソース電極75
から薄いバリア層74を介して量子細線73中に注入され、
当該薄いバリア層74がこの下ではいわゆるゲート絶縁膜
となるゲート電極76に印加する電圧により、同じく薄い
バリア層74を介してドレイン電極77に引出されて行く電
子の量、すなわち電流の大きさが電界効果現象で制御さ
れる。量子細線73を利用しているだけに、高速な動作が
期待されるが、もとより、このままの構成では負性特性
等は呈さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、負性特性を
呈し得る高速な素子、また、能動素子とするならばそれ
に加えて高利得な素子を提供せんとする上では、図5に
示したREHT50ではいまだ不満足である。すなわちまず、
従来のREHT50では、デバイス中に冶金学的に作り込まれ
た多重量子井戸層60、つまり、それぞれが実体のある層
として作り込まれた層61〜63により形成される障壁での
衝突による緩和過程の存在があり、高速化を阻む要因に
なる。
【0009】さらに、多重量子井戸層60中の二次元量子
井戸で形成される障壁に入射する電子は、三次元に広が
りをもった結晶から成るエミッタ層56より入射するた
め、量子井戸と平行方向の波数ベクトルをも有し、当該
入射電子の進行方向は量子井戸の法線方向に対して角度
を持つことになる。一方、共鳴トンネリングするか否か
は、量子井戸と垂直方向の波数ベクトルの大きさによっ
て決まる。その結果、共鳴トンネリングする電子の、量
子井戸と平行方向の波数ベクトルに対する制限はなく、
その分だけ自由度が出てしまい、共鳴することによりト
ンネリングする電子の運動エネルギは、その自由度に相
当する分だけ幅があることになって、障壁のトンネリン
グ特性を十分に引き出すことができない。
【0010】加えて、エミッタ層56は三次元的なバルク
結晶であり、電子と電子の散乱や、電子と格子の散乱を
避け難いため、移動する電子のエネルギが一定になら
ず、エミッタ層56から多重量子井戸層60に垂直入射する
電子だけを考えてもエネルギに幅があり、やはりこの理
由によっても、障壁のトンネリング特性を十分に引き出
すには支障があった。また、既述のように、二次元量子
井戸60を構成する層61〜63は冶金学的に作り込まれた実
体のある層であるので、形成される障壁の高さはそれら
の層61〜63における半導体の組成で一義的に決まってし
まい、デバイスとしての特性調整のために、作製してし
まった後から、障壁の高さを調整ないし変化させる等は
不可能であった。
【0011】こうした制約を打破するには、例えば量子
細線を用いて電子の移動度を高め、電子の衝突などによ
る緩和過程を低減する必要がある。しかし、例えば図6
に示したような量子細線FET70 にヒントを得て、用いら
れている量子細線73の中に、図5に示した組成の異なる
半導体層61〜63から成る多重量子井戸層60に相当する実
体構造を作り込むこと等は、現実問題として極めて困難
である。原子層の厚さのオーダで幅を制御された量子細
線73中に、さらに組成の異なる量子箱を同じく原子層の
厚さのオーダで、しかもその長さをも厳密に制御して作
り込む等、至難の技で、歩留まりをも考えると、現状で
は不可能と言っても良い。また、仮にできたとしても、
やはり冶金学的に作り込んだ領域では、後に特性調整す
ることができず、歩留まりは大きく取れない。
【0012】本発明はこうした点に鑑みて成されたもの
で、従来の欠点を解消するか、少なくとも緩和し得る原
理構成を有し、高速動作可能な負性特性デバイスを提供
せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明ではまず、基本的に、主たる電流通路(主た
る電子通路)を量子細線により構成し、この量子細線
に、量子細線の長さ方向に沿って互いに離間した電子の
注入領域と引出領域を設ける。そして、これら領域間
に、冶金学的に作り込まれた領域ではなく、外部印加電
界により選択的に形成される多重量子障壁領域を設け
る。これにより、高速動作を保証しながらの負性特性を
実現できる。
【0014】この基本構造の下に、本発明は種々展開で
き、まず多重量子障壁領域は、具体的には量子細線の長
さ方向に沿って互いに離間する電子注入領域と電子引出
領域の間にあって、Nを2以上の整数として第一組から
第N組に属するそれぞれ複数の電極を量子細線長さ方向
に沿って所定の順番で隣接配置し、それぞれを直接に量
子細線に接触させるか、または薄いバリア層を介してそ
れぞれを量子細線に臨向させることにより、選択的に形
成できる。ただし、一般には組数Nは2で十分である。
つまり、第一組に属する電極と第二組に属する電極を量
子細線の長さ方向に沿い、その一つずつを交互に入れ子
状に配すれば良い。
【0015】このような構造とすると、これらN組に属
する各電極の集合体は多重量子障壁形成電極となり、各
電極の幅(量子細線の長さ方向に沿う幾何的寸法)をそ
れぞれ適当なるように設計、製作した上で、それぞれの
組に属する電極ごとに適当なる電位を印加することによ
り、これら電極群の下の量子細線部分にはその長さ方向
に沿って複数の障壁が選択的に形成され、多重量子障壁
領域が選択的に形成される。つまり、量子細線自体の中
に冶金学的に実体のある薄層ないし量子箱を複数作り込
む必要もなく、所望する障壁高、障壁間幅、繰返し個数
の多重量子障壁領域をかなりな自由度で形成することが
できる。素子作製後の調整ももちろん可能である。
【0016】一方で、上記の電子注入領域も電子引出領
域も、やはり量子細線中に冶金学的に作り込まれた領域
ではなく、当該量子細線に直接するか、または薄いバリ
ア層を介して電子のやり取りが可能な程度に近接する電
子注入電極と電子引出電極を設けることにより、それら
電極に印加する電位の如何によって電子の注入ないし引
出しが可能なようにすることで構成し得る。もっとも、
先掲の多重量子障壁形成電極も含め、量子細線とこれら
電極が直接に接触することによる一義的ではない接触電
位の問題や、高周波信号を取扱う場合における量子細線
の表面を介しての一定ではない電極間表皮効果等を考え
ると、原理的には直かに接触させても良いものの、望ま
しくは薄いバリア層を介して量子細線に臨向させた方が
良い。
【0017】しかるに、上記のように、多重量子障壁形
成領域の外は電子注入領域と電子引出領域とのみを有す
る構成の場合、それは一種のトンネルダイオードに似た
動作となり、後に詳しく説明するように、これに電子波
の可干渉性による電子波フィルタ特性が加味されたもの
となって、電子注入電極(カソードないしエミッタと呼
べる)から注入された電子のエネルギの増加過程におい
て、何段階かの特定のエネルギとなった時点ごとに電子
引出電極(アノードないしコレクタと呼べる)から電子
を引出すことのできるデバイスとなる。つまり、周波数
次元で見ると、印加される信号周波数の特定高調波のみ
を通過させ得るダイオードとなる。
【0018】これに対し、本発明のより実用的な形態と
しては、電子注入領域と多重量子障壁領域の間に制御領
域ないし加速領域を設け、電子波フィルタ付きのトラン
ジスタとして構成することができる。電子注入領域をエ
ミッタ領域、電子引出領域をコレクタ領域と呼んだ場
合、制御領域ないし加速領域はベース領域と呼ぶことが
できる。そして、この領域を形成するのにも、やはり量
子細線に対し電子のやり取りが可能なように、当該量子
細線に直接に接触するか、望ましくは薄いバリア層を介
して臨向するベース電極を設けることができる。このよ
うな構造では、エミッタ領域とベース領域間の電位差に
より加速エネルギを調整でき、多重量子障壁領域に入射
させる電子エネルギを制御でき、なおかつ、トランジス
タ構造によるために利得を取ることができる。
【0019】多重量子障壁領域の位置は、上述のように
ベース領域とコレクタ領域の間に代えて、エミッタ領域
とベース領域の間にすることもできる。この場合には、
当該多重量子障壁領域に電位を印加している多重量子障
壁形成電極の中、エミッタ電極に一番近い電極と当該エ
ミッタ電極との電位差に基づいて多重量子障壁領域に入
射させる電子の加速エネルギが決まる。
【0020】なお、本発明で用いる量子細線やその周囲
のバリア層(埋込層)には、一般には III−V族混晶半
導体系材料の使用が望ましいが、原理的にはシリコン等
のIV族半導体やII−VI族混晶半導体系の材料も使用でき
る。一般に量子細線にIV族単結晶半導体を用いる場合に
は、バリア層には例えばSiO2などが相応しい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1(A),(B) には、本発明に従っ
た場合の望ましい実施形態として、上述した本発明要旨
構成群の中、より実用的な形態である量子細線トランジ
スタ10を構築した構成例が示されている。
【0022】例えばGaAsで構成できる基板11の上には、
量子細線を閉じ込める周囲バリア層となる量子細線埋込
層12が例えばAlGaAs系材料で堆積形成され、その中に、
電子ないし電流の主たる通路となる量子細線13が埋め込
まれている。量子細線13の材質はこれもGaAs系であって
良く、その断面幅も既存の技術に従い十分小さく、例え
ば 100Å程度にされている。電子波の導波路となる量子
細線13中では、既に述べたように、入射電子のエネルギ
を一定にし得、電子と電子の散乱や電子と格子の散乱等
を低減することができ、電子の運動を量子細線13の長さ
方向に限定することができるため、極めて高速な走行が
可能になる。
【0023】量子細線埋込層12の表面上には、例えばSi
O2により構成できる絶縁膜19が基板11の大域的領域上に
設けられており、その上に量子細線13の長さ方向に沿
い、図中、手前から順に、電子注入電極であるエミッタ
電極15、制御電極ないし加速電極であるベース電極16、
以下に説明する復数組の電極群の入れ子構造から成る多
重量子障壁形成電極18、そして電子引出電極となるコレ
クタ電極17が互いに適当な距離だけ離間して設けられて
いる。ここで便宜的に、量子細線13の長さ方向に沿う各
電極の寸法を、それぞれ「幅」と呼ぶ。
【0024】各電極16〜18はそれぞれ適当な金属、望ま
しくはチタンと金との合金等により構成されるが、それ
ぞれ絶縁膜19に開けた窓を介し、量子細線13に対し直接
に接触するか、これも既に述べたように、各種の電気的
干渉の問題を回避するため、望ましくは薄いバリア層14
を介して量子細線13に臨向している。この場合、絶縁膜
19に開けられる開口は量子細線13の長さに沿って一連に
溝状に開けられた開口であって、ここに表面が露出する
薄いバリア層14は、量子細線埋込層12にあって量子細線
13と各電極16〜18の臨向し合う部分に挟まれ、この部分
の厚味は 100Åないし 200Å程度とされる。換言する
と、エミッタ電極15、ベース電極16、コレクタ電極17の
各々と量子細線13との間では電子のやり取りが可能な厚
さにされている。多重量子障壁形成電極18と量子細線13
間では、電界効果現象が生ずるように作製条件が決めら
れ、必要に応じてはこの部分のバリア層14の厚味は厚く
されても良い(特にそのようにしなくても、印加する電
位の関係で、電子の注入、引出しは行われないようにす
ることもできる)。
【0025】多重量子障壁形成電極18は、原則としては
Nを2以上の整数として全N個の複数組の各々に属する
複数の電極を量子細線13の長さ方向に沿い所定の順段で
配して成るが、一般に組数Nは2であって良く、図示の
場合は第一組電極群と第二組電極群とに属するそれぞれ
四つの電極18a,18b が量子細線長さ方向に沿い、交互に
設けられている。各電極群に属する電極18a,18b は、根
本の部分で絶縁膜19上に位置する平面状の共通電極に接
続しているため、幾何的に見るとそれぞれ櫛型電極とな
っている。なお、図1中においては第一組に属する電極
18a も第二組に属する電極18b も、共に同じ幅であるか
のように示しているが、実際のデバイスでは所望の条件
を満たすために相当に異なることの方が多い。この点は
やがて明らかになる。
【0026】いずれにしてもこのような構造では、図1
(B) に示すようなエネルギバンド構造を実現することが
できる。ここで、エミッタ電極15に臨向する量子細線13
の部分はエミッタ領域13E となり、同様にベース電極16
に臨向する部分はベース領域13B、これら電極17に臨向す
る部分はコレクタ領域13C となり、多重量子障壁形成電
極18に臨向する部分は多重量子障壁領域13M となる。
【0027】しかるに、図1(B) に示すように、エミッ
タ電極15及びベース電極16に印加する電位を調整するこ
とで、エミッタ領域13E に注入された電子のポテンシャ
ルVeがベース領域13B の電子のポテンシャルVbよりも高
くなるように設定する。コレクタ領域13C 中の電子のポ
テンシャルVcは、この場合、ベース領域13B 中のそれVb
と同じで良い。なお便宜上、電子ポテンシャルの符号は
量子細線13中の各領域にそれぞれ対応する各電極15〜18
に印加する電位の符号としても用いる。
【0028】一方、多重量子障壁領域13M は、第一組電
極群中の各電極18a の幅と印加されている電圧で領域長
LaとポテンシャルVma が決まる第一領域群と、第二組電
極群中の各電極18b の幅と印加されている電圧で領域長
LbとポテンシャルVmb が決まる第二領域群の交互配置か
ら成るように構成され、隣接する一対の第一、第二領域
が基本単位となって、その繰り返し構造により、量子細
線13中に選択的に多重量子障壁が形成される。量子細線
13中の電子は散乱が少ないため、電子波としての可干渉
性をもち、その結果、多重量子障壁領域13M は電子波の
フィルタとして作用し、入射電子を透過または反射する
作用を持つ。
【0029】ここで重要なことは、本発明によると、こ
うした多重量子障壁領域13M は、図5に示した従来例に
認められるような、冶金学的に作り込まれた領域ではな
く、上述の通り、第一、第二組電極群18a,b に印加する
電位の如何により、相当程度任意に障壁高を調整できる
領域であるということである。そもそも微細な量子細線
13中にこのような多重量子障壁領域を冶金学的に作り込
むことは極めて困難である。仮にできたとしても、外部
印加電界により制御可能にはならない。作り込み領域に
おけるように、急峻な障壁プロファイルを描くことこそ
難しいが、低くて幅広い障壁でも、これを繰返せば十分
な共鳴効果を見込むことができるため、外部印加電位に
より制御可能であるという優位性は動かない。
【0030】本発明の量子細線トランジスタ10におい
て、エミッタ電極15より量子細線13のエミッタ領域13E
に注入された電子は、ベース領域13B とエミッタ領域13
E の部分の電子のポテンシャルの差により加速されて、
多重量子障壁領域13M に入射される。そして、この多重
量子障壁領域13M により選択的に反射または透過され、
透過電子はコレクタ領域13C に到達し、コレクタ電極17
を介し外部回路に取り出され、主たる電流線路である量
子細線13に電流が流れる。
【0031】電子をそのエネルギの如何により選択的に
反射、透過する電子波フィルタとなるべき多重量子障壁
領域13M に入射する電子波の当該エネルギE は、ベース
領域13B に印加されるベース電位Vbとエミッタ領域13E
に印加されるエミッタ電位Veによって決まる。エミッタ
電圧Veを低くすればエネルギE は高くなり、高くすれば
低くなる。エミッタ電圧Veの増減に対し、コレクタ電流
が負性抵抗を示すためには、入射電子波のエネルギE を
低くした時に反射率が低下するように、つまりは電子波
フィルタである多重量子障壁領域13M を電子が透過しや
すくなるように設計すれば良い。そして、そのために望
まれる反射特性は、入射エネルギE を例えば高めて行く
過程において、反射率が高くなったり低くなったりする
特性、すなわち、ある決まった周期で反射と透過を交互
に繰り返す特性である。
【0032】そのような特性を持つ多重量子障壁領域13
M について述べるために、まず多重量子障壁領域13M に
よる電子波フィルタの特性を決める大きな要因について
触れる。多重量子障壁領域13M は、既述の通り、本発明
では長さLaでポテンシャルの高さVma の第一領域と、長
さLbでポテンシャルの高さVmb の第二領域から成ってい
るが、とりあえず第一組に属する電極18a に臨向する第
一領域について考察するに、hをプランク定数、Maを当該
第一領域内における電子の質量とすると、エネルギE の
電子波の波長λa は下式で与えられる。 λa = h/{2Ma(E-Vma)}1/2 ・・・・
【0033】この第一領域のみの効果を考えた場合、エ
ネルギE の電子波を反射するための条件は下式とな
る。 λa = 4La/n,(n=1,3,5,...) ・・・・
【0034】従って、上記,式より、第一領域が反
射可能な効果を持つエネルギEan は不連続な値を持ち、
下式により表される。 Ean =(h2n2/32MaLa2)+Vma ・・・・
【0035】ここで、隣接する離散値の間隔、つまりエ
ネルギEan とエネルギEan+1 との間隔ΔEan を求める
と、 ΔEan =h2(2n+1)/32MaLa2,(n=1,3,5,...) ・・・・ と
なり、これより nが大きい時、つまり、Ean がポテンシ
ャルVma に比べて高い程、この間隔ΔEan は大きくなる
ことが分かる。
【0036】全く同様にして、第二組の電極18b に臨向
する第二領域においても、この間隔ΔEbm は下式によ
り求められる。 ΔEbm =h2(2m+1)/32MbLb2,(m=1,3,5,...) ・・・・
【0037】実際には、多重量子障壁領域13M による電
子波フィルタの特性は、入射電子波に対する第一、第二
領域の各々の効果以外に、それらが多重化されているこ
とによる効果がある。そのため、各領域ごとの効果のみ
を考慮して議論するのは不完全ではあるが、必要とする
反射特性を持つフィルタを設計するには有効である。そ
こで、引き続き、これら各領域単独での効果のみを考え
て、入射電子波のエネルギを変化させていった場合にお
ける多重量子障壁領域13M の反射、透過特性を述べる。
【0038】ある特定の入射電子波のエネルギEOに対し
て多重量子障壁領域13M が高反射を与えるようにするに
は、La,Lbを固定にして Vma,Vmbを調整することによ
り、ある n=nO,m=mOに対し既掲の条件を満たすようにす
るか、あるいは Vma,Vmbを固定してLa,Lbを調整するこ
とにより、ある n=nO,m=mOに対し既掲の条件を満たすよ
うにすることで可能である。そこで、その時に入射エネ
ルギをEO近辺で変化させた時にどのような反射特性を示
すか考えるに、例えば入射エネルギをEOよりも小さくし
て行ったとすると、第一、第二領域でn=n-1,あるいはm=
m-1 で透過する特性を示し、さらに小さくするとn=n-2,
あるいはm=m-2 で再び反射させる特性を示す。逆に、電
子の入射エネルギをEOよりも大きくして行った場合に
は、n=n+1,あるいはm=m+1 で透過する特性を示し、n=n+
2,あるいはm=m+2 で再び反射させる特性を示す。
【0039】このように、入射電子波のエネルギを変化
させていった場合の多重量子障壁領域13M の反射や透過
特性は、多くの場合、複雑なものとなる。しかし以下の
二つの場合においては、入射電子波のエネルギを変化さ
せた場合に、周期的に反射率を変化させることが可能で
ある。
【0040】第一に、ΔEan =ΔEbm の場合で、動作に
関係する範囲でもΔEan ≒ΔEbm となっている場合であ
る。長さLaとLbは等しくないため、小さな nや mに対し
てはこの条件は満たされず、ある程度大きな nと mに対
してのみ成立する。その一例として、入射エネルギEO
100meVの電子波に対し、第一領域長La=400Å、第二領域
長Lb=313.2Å、n=16, m=9でペア数が 8ペアの条件の下
に、反射するように設計された多重量子障壁領域13M の
反射スペクトルを特性行列を用いて計算した結果を図2
に示す。このとき、Vma=-109.9meV,Vmb=-23.3meVとな
り、ΔEan ≒ΔEbmの条件を満たす。なお、多重量子障
壁領域における第一、第二領域のポテンシャルと入射電
子波のエネルギは、ベース電位Vbを基準としており、多
重量子障壁領域13M の出射側であるコレクタの電位Vcは
ベース電位Vbと等しいとしてある。
【0041】してみるに、図2から明らかなように、入
射してくる電子波のエネルギがそれぞれ略ゞ50meV,100m
eV,160meV,230meVの時には多重量子障壁領域13M は高反
射率特性を示しており、それ以外の所では透過するよう
になっている。このように、多重量子障壁領域13M の第
一、第二領域のΔEan,ΔEbm の値を等しくすなるように
設計することで、反射と透過をある範囲で交互に示すよ
うな電子波のフィルタを作ることが可能である。
【0042】入射電子波のエネルギ変化に対し、周期的
に反射率を変化させ得る第二の場合は、ΔEan とΔEbm
が上記とは逆に大きく異なる場合、つまりΔEan <<Δ
Ebm,またはΔEan >>ΔEbm の場合である。例えばΔEa
n <<ΔEbm の場合、入射エネルギをある程度変化させ
ても、多重量子障壁領域13M の反射特性は一方の領域の
寄与で決まり、その範囲で他方の領域は常に反射するよ
うな寄与を与えることができるので、反射する範囲をよ
り広くとることが可能となる。
【0043】一例として、入射エネルギEOが100meVの電
子波に対し、La=400Å, Lb=100Å,n=15, m=15で多重量
子障壁領域13M 中の第一、第二領域のペア数が 4ペアの
条件の下、反射するように設計された多重量子障壁領域
13M の反射スペクトルを計算した結果を図3に示す。こ
の時、Vma=109.9meV, Vmb=-3.26meVである。電子波のエ
ネルギが各々50meV,100meV,160meV 等を中心として幅約
40meV の領域で高反射率となっている。隣接する一対の
高反射率領域の間のやや複雑な反射特性を示す領域は、
電子波を透過する領域である。これは、室温(300K)での
電子の熱エネルギが26meV あり、これよりも小さい範囲
での反射率の変化は平均化されて観測されるためであ
る。しかし、明らかなように、上記の事実からして、負
性抵抗を与える設計として、入射エネルギを変化させた
時に反射と透過を交互に繰り返すような多重量子障壁領
域13M の設計が十分に可能なことが分かる。
【0044】従って、既述したように、エミッタ電極15
より量子細線13中に注入された電子は、当該エミッタ領
域13E とベース領域13B の電子エネルギ差に相当するエ
ネルギを得て多重量子障壁領域13M に入射するが、その
エネルギに対して多重量子障壁領域13M が反射特性を示
す場合には、電子は反射されてベース電極16等から排出
される。回路インピーダンス条件によってはエミッタ電
極側に逆流する。対して、その時のエネルギでは多重量
子障壁領域13M が透過特性を示す場合には、入射した電
子は当該多重量子障壁領域13M を透過してコレクタ領域
13C に到達し、薄いバリア層14を介しコレクタ電極17か
ら排出されてコレクタ電流を生成する。このような動作
は、量子細線13中の電子の移動度が大きいため、極めて
高速に行われる。
【0045】そして、多重量子障壁領域13M が例えば図
3に示した特性を有するならば、入射電子のエネルギが
0meVから300meVに変化するようにエミッタ電極15に加え
る電圧を変化させた場合、反射から始まり、五回の反射
と透過を繰り返した後に反射で終わる特性が得られ、つ
まりはエミッタ電極15の電圧を変化させて行くに従っ
て、コレクタ電流は五回の増減を示すことになる。
【0046】結局、この多数回の負性抵抗を示すトラン
ジスタ10は、入力信号の周波数に位相の整合した高調波
信号を発生できることになる。例えば図3に示した特性
を有する多重量子障壁領域13M の組み込まれた量子細線
トランジスタ10では、入射電子波のエネルギが0meVから
100meVの範囲である特定の周波数fで変動するような場
合、コレクタ−エミッタ間のデバイス内主電流通路を介
して得られる電流出力にはその四次高調波4fの信号が含
まれることになる。これは、入射電子波のエネルギが0m
eVから100meVになり、再び0meVになるまでにコレクタ電
流は四回の増減を繰り返すからである。しかも、出力信
号は入力信号に位相が整合している。
【0047】もちろん、本発明に従う図1図示の量子細
線トランジスタ10を実際の回路に組み込場合には、一般
にはエミッタ電極15を基準電位(代表的には接地電位)
に付け、エミッタ−ベース間に入力信号を印加する使い
方が多くなると思われるが、その場合にはベース電極16
の電位に対し、多重量子障壁領域13M を形成するための
各電極18a,b に印加する電位が無信号時に所定の電位差
を置くように、これらの間に固定バイアスを印加すれば
良い。
【0048】図4(A),(B) は、本発明の他の実施形態を
示している。図中にて用いている符号において、これま
で説明したと同じものは、同一ないし同様で良い構成要
素を示し、それらに関する説明も、これまでのものを略
ゞそのまま適用できる。
【0049】図4(A) に示す実施形態は、多重量子障壁
領域形成電極18とそれによって選択的に形成される多重
量子障壁領域13M を、エミッタ電極15(エミッタ領域13
E)とベース電極16(ベース領域13B)間に移したものであ
る。この構造では、多重量子障壁領域13M に入射させる
電子波の加速エネルギは、エミッタ電極15と多重量子障
壁領域13M にあって最もエミッタ電極15に近い電極18a
との間に印加する電位差により得ることになり、ベース
電極16に印加する電位の如何に応じ、多重量子障壁領域
13M を透過し得た電子波がベース領域13B をも透過すれ
ば、コレクタ電流を生成することになる。もちろん、多
重量子障壁領域13M に対する設計要因等は既述した所と
同様の手順を採用でき、入射電子波エネルギに関しての
離散的な負性特性を得ることができる。
【0050】図4(B) に示す実施形態の場合には、ベー
ス電極が省略された格好になっていて、二端子型のため
にカソード電極とも呼べるエミッタ電極15と、同様にア
ノード電極とも呼べるコレクタ電極17の間に、多重量子
障壁形成電極18が設けられているのみである。このよう
な場合にも、同図に併示のようなエネルギバンド構造が
実現するように設計し、コレクタ領域13C の電子ポテン
シャルを小さくしながら、多重量子障壁領域13M 印加す
る電位を調整すれば、ある意味でトンネルダイオードに
似た動作をなし、利得こそ稼げないが、入射電子波エネ
ルギに対し離散的な負性特性を示す量子細線ダイオード
10’が得られるので、同様に高調波発振回路等に用いる
ことができる。
【0051】以上、本発明の幾つかの実施形態につき説
明したが、本発明の要旨構成に従う限り、任意の改変は
自由である。先にも触れたように、本発明に使用できる
半導体材料としては、GaAsなどを始めとする III-V族混
晶半導体の外、IV族半導体やII−VI族混晶半導体等も使
用できる。また、量子細線13は、直線であることが波動
的干渉を最低限に抑え、高速動作させる上では最も望ま
しいが、必要に応じては屈曲成形しても、本発明を具現
することができる。超高密度半導体集積回路を構築する
際、本発明のデバイスを用いるに際し、直線に限らない
量子細線を用いることは、配線の自由度を増し、簡単化
する効果にも繋がる。
【0052】さらに、各電極15〜18は、図示の場合、同
一の平面上に並設されていた。しかし、これら電極の一
つまたは幾つかを、他の電極とは直交する配置関係にす
ることができる。例えば、量子細線13が埋込層12の側面
に近い位置にあるならば、この側面に特定の電極を設
け、量子細線13に臨向させることができる。もっと積極
的に、量子細線13の側面近くにあって絶縁膜19から埋込
層に至る溝を穿ち、図示の電極配置とは直交する関係で
一つまたは幾つか、あるいは全ての電極をこの溝の中に
形成しても良い。このようにすれば、単位デバイス当た
りの平面占有面積が低減し、本デバイスを集積回路に応
用する場合、平面的な集積密度を高めることができる。
【0053】なお、エミッタ領域、コレクタ領域、そし
てベース領域に関しては、基本的にはその形成寸法に関
し、多重量子障壁領域に要求される程の極めて高い寸法
精度は要求されないので、冶金学的に作り込んだ領域と
しても十分に実現性がある。バリア層を挟んで電子のや
り取りが可能なように配された電極により、選択的に形
成される場合でも、量子細線13の対応部分を予め高濃度
化しておく等は自由である。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、負性特性を呈し得る半
導体高速動作デバイスが提供できる。しかも、主たる電
流通路(電子波導波路)として用いている量子細線自体
の中に冶金学的に実体のある薄層ないし量子箱を作り込
む必要もなく、所望の障壁高、障壁間幅、繰返し個数の
多重量子障壁領域をかなりな自由度で形成することがで
き、素子作製後の調整も可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従い構成された量子細線トランジスタ
の概略構成とエネルギバンド構造例の説明図である。
【図2】本発明で用いる選択的に形成され得る多重量子
障壁領域における反射、透過特性の一例の特性図であ
る。
【図3】本発明で用いる選択的に形成され得る多重量子
障壁領域における反射、透過特性の他の一例の特性図で
ある。
【図4】本発明の他の実施形態の概略構成とエネルギバ
ンド構造例の説明図である。
【図5】従来のREHTの概略構成図である。
【図6】従来の量子細線FET の概略構成図である。
【符号の説明】
10 本発明量子細線トランジスタ 10’本発明量子細線ダイオード 11 基板 12 量子細線埋込層 13 量子細線 13E 量子細線中のエミッタ領域 13B 量子細線中のベース領域 13C 量子細線中のコレクタ領域 13M 量子細線中に選択的に形成される多重量子障壁領域 14 バリア層 15 エミッタ電極 16 ベース電極 17 コレクタ電極 18 多重量子障壁形成電極 18a 多重量子障壁形成電極を構成する第一組に属する電
極 18b 多重量子障壁形成電極を構成する第二組に属する電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 誠二 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内 審査官 瀧内 健夫 (56)参考文献 特開 平4−152575(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/00 - 29/96 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負性特性を呈するための半導体量子細線
    デバイスであって;長さを有する量子細線と; 該量子細線の長さ方向に沿って互いに離間しながら該量
    子細線に設けられた電子注入領域及び電子引出領域と; 該電子注入領域と該電子引出領域との間にあって外部印
    加電界により選択的に形成される電子波の干渉効果を利
    用した多重量子障壁領域と; を有して成る半導体量子細線デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体量子細線デバイス
    であって; Nを2以上の整数として第一組から第N組に属するそれ
    ぞれ複数の電極を量子細線長さ方向に沿って所定の順番
    に従い隣接配置し、それぞれを直接に量子細線に接触さ
    せるか、または薄いバリア層を介してそれぞれを量子細
    線に臨向させて成る多重量子障壁形成電極を設け; 該多重量子障壁形成電極に印加する電位の如何により、
    上記多重量子障壁領域を選択的に形成すること; を特徴とする半導体量子細線デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体量子細線デバイス
    であって; 上記Nは2であって、第一組に属する複数の電極と第二
    組に属する複数の電極を、上記量子細線の長さ方向に沿
    い、一つずつ交互入れ子状に配したこと; を特徴とする半導体量子細線デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体量子細線デバイス
    であって; 上記電子注入領域及び上記電子引出領域、該量子細線
    に直接接触するか、または薄いバリア層を介して電子の
    やり取りが可能な程度に近接する電子注入電極と電子引
    出電極に印加する電位の如何により、選択的に形成され
    ること; を特徴とする半導体量子細線デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体量子細線デバイス
    であって; 上記電子注入領域と上記多重量子障壁領域の間、または
    該多重量子障壁領域と上記電子引出領域との間に、さら
    に制御領域を有すること; を特徴とする半導体量子細線デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項記載の半導体量子細線デバイス
    であって; 上記制御領域、上記量子細線に直接接触するか、また
    は薄いバリア層を介して電子のやり取りが可能な程度に
    該量子細線に近接する制御電極に印加する電位の如何に
    より、選択的に形成されること; を特徴とする半導体量子細線デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体量子細線デバイス
    であって; 上記電子注入電極はエミッタ電極、上記電子引出電極は
    コレクタ電極、上記制御電極はベース電極として、負性
    特性を有するトランジスタ動作可能な半導体量子トラン
    ジスタ。
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