JP3165286B2 - 高表面品位缶用めっき原板の製造方法 - Google Patents
高表面品位缶用めっき原板の製造方法Info
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Description
クロールを用いて圧延する湿式圧延方法に関する。
費者の嗜好に合った光沢(表面色調)を示すことは、そ
の商品価値を高めるものである。消費者の嗜好に合った
光沢を出す手段として、従来は専ら塗装材料および塗装
方法の改善が重要視されていた。一方ブリキ鋼板は、缶
素材費の削減のため年々薄手化の傾向にあり、そのため
材質は対座屈性などの観点から高強度化が求められてい
る。
して次の二つの方法に分けられる。一つは「Cなどの析
出硬化あるいは、固溶強化元素を少量から大量まで幅広
く含む鋼を熱間圧延、冷間圧延、焼鈍し、低圧下調質圧
延(乾式圧延)を実施する方法」、もう一つは「ある一
つの量レベルの析出硬化、固溶強化元素を含んだ鋼を、
熱間圧延、冷間圧延、焼鈍し、低圧下から高圧下まで幅
広い圧下率範囲で調質圧延(湿式圧延)を実施する方
法」である。
性を高めるために、表面に微小な凹凸を有するロール
(ダルロール)によって一定の粗度を付与される。乾式
調圧材の場合は、調圧第1スタンドのワークロールに高
粗度ダルロールを、第2スタンド以降のワークロールに
スクラッチロール(ブライトロール)を用いることで、
粗度付けとその微調整という機能を持たせている。この
際乾式調圧材は第1スタンドのワークロールが高粗度で
あること、さらに圧延液を使用しないためにロール表面
プロフィールの転写率が高いことから、調圧冷間圧延時
のモトリング(オイルピット模様)が残りにくい。
して圧延するため、通称HRT圧延と呼ばれる圧下率約
4%以上の範囲の圧延が可能となるが、この圧延形式を
採用する場合、一般的には全スタンドにスクラッチロー
ルを用いる。この理由は、湿式調圧にダルロールを用い
た場合、ダル山の影響でロールバイトへの圧延液の取り
込みが多くなって潤滑過多になるという現象と、ダル山
による摩擦係数アップという前述の現象とは正反対の現
象を一度に制御できないために、「ある圧延力に対して
ひとつの圧下率が決まらない」というジャンピング現象
を引き起こすという問題が発生する懸念があるからであ
る。このように湿式調圧は第1スタンドのワークロール
が低粗度であること、さらに圧延液による転写率低減化
作用により、モトリングが発生しやすいという短所を持
つ。
向に合わせるために、湿式調圧スタンドのワークロール
にダルロールの適用を試みているが、前述のジャンピン
グ現象回避のために第1スタンドのダルロールは低粗度
化しなければならないこと、さらに圧延液による転写率
低減化はダルロールにおいて特に顕在化されることによ
り、第1スタンドにダルロールを適用した場合、ほぼ1
00%表面にモトリングが残る。
ルを適用した場合、第1スタンドのスクラッチロールと
第2スタンド以降のダルロールの相乗効果によりモトリ
ングの発生はない。相乗効果とは、湿式調圧第1スタン
ドにおいてダルロールよりもスクラッチロールの方がモ
トリング消去性の高いことと、そしてロール表面転写率
の高い第2スタンド以降のワークロールをダルロールと
することでモトリング消去性をさらに高めることであ
る。
にブライト材と称されるブリキ鋼板には、第1スタンド
のワークロールに約0.8μmRa程度のロール、第2
スタンド以降のワークロールには約0.3μmRa以下
程度のロールが使用されるため、ショットダル加工、放
電ダル加工、レーザーダル加工のいずれを採っても、約
0.5μmRa程度以下のダル加工は生産性が上がらな
いという欠点がある。例えば、ショットダル加工時のフ
ィルター目詰まりや、レーザーダル加工時間の長時間化
などである。以上のことから、ロール製作にコストのか
かる第2スタンド以降のワークロールにはダル加工のな
いものが望ましい。
開平1−127103号公報に開示されているように、
上下ワークロールのモーター速度を検出し、その値をベ
ースに各ロールへの供給圧延液量を制御し、鋼帯表裏で
の色調差の発生防止を図るというものがあるが、この方
案はあくまでオイルピット制御による色調制御方案であ
り、オイルピットの解消が理想である薄目付ブリキ鋼板
には根本的な考え方の相違があると共に、本制御系設備
化の初期投資額などコスト面でもクリアすべき課題が多
いものと考えられる。
質圧延において低表面光沢度の缶用めっき原板を製造す
ること、鋼板表面品位を高める(模様などを消去する)
ことは非常に難しいし、その設備化コストも大きい。そ
こで本発明は、めっき原板の材質設計上有利な湿式調質
圧延において、低コストで、しかも低表面光沢度を維持
でき、さらにモトリングの発生もないという従来技術に
はなかった高表面品位缶用めっき原板を製造できる圧延
方法を提供するものである。
従来技術の問題点を解決し、ダルロールを用いて湿式調
圧を行うことで、低表面光沢度でしかもモトリングなど
のない高表面品位めっき原板を低コストで製造するもの
であって、その要旨は、冷間圧延の圧延液にESI値=
0の圧延液を使い、冷間圧延時のモトリング発生を皆無
とした冷延鋼帯を第1スタンドのワークロールにダルロ
ールを用いた湿式調質圧延で圧延をすることにある。
ンドのワークロールのみにダルロールを使用し、ロール
製作にコストのかかる第2スタンド以降のワークロール
にはダル加工のないものを使用する。この理由は前述の
通りである。
使うメリットは、この他にもダルロール長寿命化(粗度
劣化速度が遅い)が挙げられ、これはロール原単位削減
面からの効果も大きい。以上のような本発明の技術構成
により、低コストで高表面品位な薄目付ブリキ鋼板の製
造が可能となる。
板の湿式調圧材において、表面光沢度は乾式調圧材と同
等以上の低表面光沢度を有し、さらに表面にモトリング
のない低コストブリキ鋼板の製造が可能となった。従来
技術に比較したデータを図1に示す。図中11は従来の
湿式調圧材表面レベル、12は本発明実施後の湿式調圧
材表面レベル、13は乾式調圧材表面レベルであって、
本発明処理材が低表面光沢度を有していることがわか
る。
以下としたのは、所謂中炭素材以下を意図しており、こ
れ以上のC%では湿式圧延並の圧下率(約4〜9%)を
与えても、市販の製品硬度レベルを遥かに超え現状では
その要求がない、つまり、実質的に乾式の調質圧延しか
行われないためである。また、焼鈍−調質圧延前の冷延
における圧延液の乳化安定度指数ESI(Emulsion Stab
ilty Index)を零にするとは、圧延液の性質としては、
油と水の分離性が良いことを意味している。このESI
は、エマルジョンを所定の容器に入れ、所定の時間静置
した後、容器の上層、中層、下層を別容器に抜き取る。
この時の下層濃度/上層濃度の比をESI値と称してい
る。
圧延するものは、ロールとストリップ間への圧延油の取
り込みが、必然的に多くなり、オイルピットと呼ぶ汚れ
が発生する。また、圧延油は一般的にエマルジョンとい
う状態で水を混合しており、エマルジョンの粒径の差異
(粒径分布)により発生するオイルピットの大きさ、深
さが異なる。そしてオイルピット形状分布がマクロ的に
模様としてみえるのが、モトリングである。本発明で
は、このモトリングを消去するために、水と油の分離性
のよい(ESI=0)油を用いるのであり、エマルジョ
ンとならない状態の圧延油で圧延することにより、モト
リング形態を均一化し、モトリングの発生を抑制する。
C含有量0.04%、Si含有量<0.03%、Mn含
有量<0.03%、P含有量<0.02%、S含有量<
0.015%、Al含有量<0.004%の合金成分を
持つ鋼を用い、仕上温度890℃にて熱間圧延し、冷延
サイズ0.22×950mmにESI値=0の圧延液で圧
延した鋼板を、690℃で25秒均熱し400℃で1分
間過時効処理した。その鋼板に調質圧延で、第1スタン
ドのワークロールに0.6μmRaのショットダルロー
ルを、そして、第2スタンド以降のワークロールに0.
25μmRaのスクラッチロールを用いて、水溶性圧延
液濃度〜20%の調質圧延を実施した。また圧延時の圧
下率範囲はHRTと呼ばれる約4〜9%程度に設定し
た。
で約20〜30程度となり、目標としていた乾式調圧材
レベルの低光沢度を達成した。これは従来の湿式調圧時
のものに比較して、表面光沢度で約20以上も低い値と
なる。さらにTFSめっきを実施しても、乾式調圧材と
同等レベルの低表面光沢度のものが得られ、表面のモト
リング発生もなくなった。
度20%において、第1スタンドの圧延力約1000
t、第2スタンド圧延力約500t、第1〜2間中間テ
ンション約5t程度で連続圧延でき、対モトリング性、
対絞り性などの問題ない圧延を実現した。またロール寿
命についても、連続200t以上の圧延をしても、粗
度、光沢度、モトリング共に問題のない缶用めっき原板
を提供できた。これは第2スタンド以降のワークロール
にダルロールを用いた場合の1.4倍以上原単位削減効
果となった。
質圧延において低表面光沢度でモトリングのない高表面
品位ブリキ鋼低コストにて製造する技術を完成した。ま
た付帯効果として、本技術のテンパー2素材というひと
つの成分系の鋼板から、調質圧延圧下率を変更すること
によりテンパー2からテンパー5グレードまでの製品材
質の造り分けが可能となり、熱間、冷間圧延の生産性も
向上した。
圧延において低光沢度でモトリングのない高表面品位ブ
リキ鋼板を、低コストにて製造する技術を完成し、表面
性状起因の屑化量が減少し生産性が向上した。さらにロ
ール原単位も約70%に減少した。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 C含有量0.1重量%以下の鋼板を、乳
化安定度指数ESI値=0の圧延液で冷間圧延し、さら
に当該鋼板を焼鈍後、第1スタンドのワークロールにダ
ルロールを適用した湿式調質圧延を行うことを特徴とす
る高表面品位缶用めっき原板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15398193A JP3165286B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 高表面品位缶用めっき原板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15398193A JP3165286B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 高表面品位缶用めっき原板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH079005A JPH079005A (ja) | 1995-01-13 |
JP3165286B2 true JP3165286B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=15574307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15398193A Expired - Lifetime JP3165286B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 高表面品位缶用めっき原板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3165286B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5104413B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2012-12-19 | Jfeスチール株式会社 | 缶用鋼板用原板の製造方法 |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP15398193A patent/JP3165286B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH079005A (ja) | 1995-01-13 |
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