JP3164978U - 植物栽培パネルおよび植物栽培壁 - Google Patents

植物栽培パネルおよび植物栽培壁 Download PDF

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【課題】 広い面積の壁面を一様に緑化することを可能にする軽量な植物栽培パネルと、そのようなパネルを用いて構成される好ましい植物栽培壁とを提供する。【解決手段】 植物栽培パネル1は、保水材料を含有する繊維質のマット3を支持板2の表面上に取り付け、縦向きに設置するための設置用部分2aを上記支持板2に設けたものである。マット3は、縦向きに設置されたとき上縁部および下縁部となる部分を露出させるとともに、その上縁部を上記支持板2の上縁よりも上方にはみ出し、またはその下縁部を上記支持板2の下縁よりも下方にはみ出させておく。【選択図】 図1

Description

請求項に係る考案は、縦向きに設置することによって建物等の壁面緑化をはかることができる植物栽培パネルと、そのパネルを複数設置して構成される植物栽培壁とに関するものである。
建物等の壁面緑化に使用できる植物栽培パネルは、たとえば下記の特許文献1・2に記載されている。それらは、土ではなく不織布等の繊維を主要材料とするマット(基材)の中に根を張らせて植物を栽培するもので、繊維質のマットの表面に金網類をかぶせるとともに、周囲四辺を金属等の枠体で囲んでいる。面積のある壁面を広く覆う場合には、そのようなパネルを縦向きにし(つまり表面を縦にし)、互いに接近させて上下左右に複数配置することになる。
特開2006−246816号公報 実用新案登録第3157945号公報
しかし、特許文献1・2に記載されている植物栽培パネルを壁面緑化に使用する場合、つぎのような課題がともなう。すなわち、
i) パネルを縦向きにして使用すると、重力の影響によって上記マットにおける保水量が上下各部で不均一になる。つまり、繊維質のマットには適度な保水性をもたせてあるものだが、パネルを縦向きにすると、マットの下方部分(下端から10〜20cm程度の範囲)に水が多く溜まりやすい。その結果、上記のように枠体で囲まれたマットのうち、下方部分の一定範囲では根ぐされが発生しやすくなり植物が育ちがたくなる。壁面に沿って多数のパネルを配置する場合には、各パネルの下方部分で植物が育ちにくいため、良好に育つ部分とそうでない部分とが、図4(a)のようにムラになる(同図の斜線部は植物が育ちにくい)。そうなると、当該壁面の緑化状態が一様でなくなり、美観に欠けるうえ、ヒートアイランド現象の緩和という効果も薄れてしまう。
ii) 繊維質のマットに金網をかぶせたり、マットの周囲(上下左右)を枠体で囲んだりすると、それぞれのパネルは重量が増すとともにコストも上昇する。個々のパネルが重いと、それを縦向きに複数配置するためには相当に丈夫な支持構造が必要になり、壁面そのものや壁面に沿って設ける支持枠(栽培壁)に要するコストも上昇する。
本考案はそのような課題を解決するもので、広い面積の壁面等を一様に緑化することを可能にする軽量な植物栽培パネルと、そのようなパネルを用いて構成される好ましい植物栽培壁とを提供するものである。
考案による植物栽培パネルは、
a) 保水材料を含む繊維質のマットが支持板の表面上に取り付けられ、縦向きに(つまり支持板やマットの表面を鉛直または傾斜状態にして)設置されるための設置用部分(突起やワイヤ、穴等)が上記支持板に設けられたものであって、
b) 上記マットが、縦向きに設置されたとき上縁部および下縁部となる部分を露出させている(つまり上下の縁部が枠体等で覆われてはいない。枠体が設けられているとしても枠体に開口等があってマットの縁部が露出している)とともに、上記マットの上縁部が上記支持板の上縁よりも上方にはみ出し、またはその下縁部が上記支持板の下縁よりも下方にはみ出している(上縁部および下縁部がともに支持板の上下にはみ出している場合を含む)――ことを特徴とする。図1に示すパネル1は、考案による植物栽培パネルの一例である。
考案の植物栽培パネルは、そのマット内に根を張らせて植物を栽培できるもので、作用効果としてつぎのような特徴を有している。
まず、上記a)のように、繊維質のマットが植栽用基材とされ、それが支持板の表面上に取り付けられているので、壁面緑化等のために縦向きに設置されても基材が落下する心配がない。縦向きに設置することは、支持板に設けられた設置用部分を利用して容易に行うことができる。また、マットは保水材料を含有するため、水受け具等が付設されなくとも、縦向きにされた状態で自身が適度な保水性を有し、植物の生育に適している。なお、繊維質のマットとしては、たとえば回収繊維を原料とする反毛を含むフェルト製のマット等を使用することができ、保水材料としては、たとえばレーヨンその他のパルプ系保水材料を使用できる。
そして、上記b)の構成から、この植物栽培パネルは、縦向きにして上下に2以上並べて設置されるとき(図2の例を参照)、広い面積の壁面等を一様に緑化することが可能になる。それはつぎの理由による。このパネルでは、マットの上縁部および下縁部が露出しているとともに、その上縁部が支持板よりも上方にはみ出し、または下縁部が支持板よりも下方にはみ出している。そのため、2以上のパネルを縦向きにして上下に並べる場合、上になるマット(の下縁部)とその下に位置するマット(の上縁部)とが接触し合うように各マットを設置することができる。そうして上下のマット同士を接触させて縦向きに設置すると、各パネルのマットごとに水が過剰に溜まる部分のできることが避けられる。水が過剰に溜まりやすい各マットの下方部分でも、下縁部をその下のマットと接触させて設置しておくなら水は下のマットへと円滑に移動するため、マットごとに保水過剰な部分ができることがないからである(図4(b)参照)。上下に並べた2以上のパネルのうち、最も下のパネルにおけるマットの下方部分には水が溜まりやすく、そこでは植物も根ぐされを起こしやすいが、そのような部分は緑化壁面の下方部分に限られ、従来の例のように壁面の緑化状態にムラが生じることはない。最も下のパネルのマットについては、下方へのはみ出し長さを長くして、適切に緑化される部分の面積を他のパネルと同じにする、という対応も可能である。
マットの上縁部および下縁部を露出させ、したがってそれらの縁部を完全に覆う枠体は設けないことから、それぞれの植物栽培パネルを軽量に構成することができる。個々のパネルを軽量化できると、それらを複数設置するための支持構造や壁面等についても、必要な強度を低下させて軽量化・低コスト化を図ることができる。
上記の植物栽培パネルにおいて、マットは、
・ 厚さが20〜40mmであり、
・ 上下左右(縦向きに設置されたとき正面から見て上下左右)のいずれの縁部も枠体で囲まれてはおらず、厚さ方向にマットを貫通する複数の留め具(ボルト等)によって、取外し可能な状態に上記支持板に取り付けられているのが好ましい。
そのような植物栽培パネルは、とくに軽量に構成することができる。軽量に構成できるのは、第一に、マットの厚さが20〜40mmと薄いからである。このようにマットが薄いと、灌水によってマットに保水させた状態においてもパネルの重量があまり大きくはならない。なお、マットは縦向きに設置して使用することから、上記のように薄くしても、厚さ方向ではなく下向きに(つまりマットの面の広がりの方向に)十分に根を張らせることができ、したがってサルビアやペチュニア、ゼラニウム、マリーゴールド等の大きめの植物をも健全に栽培することができる。
軽量化できる理由の第二は、パネルのうち上下および左右の縁部が枠体で囲まれてはいない点にある。つまり、従来のパネルに比べて周囲四辺分の枠体の重量が削減されることにより軽量化が図られる。枠体によって周囲の各縁部を囲まなくとも、繊維が十分に絡められたマットを使用して、それを上記のようにマットを貫通する複数の留め具により支持板上に取り付ければ、マットと支持板との一体性は確保される。そのような留め具は、マットの複数箇所を留める点状のものであるため、マットの全周を覆う線状または面状の枠体に比べて軽量なものとすることができる。
なお、上記のような留め具によってマットを取外し可能に支持板上に取り付けると、開花時期を過ぎた植物が栽培されているマットは、支持板から取り除き、またはさらに他の植物が植えられたマットと交換することも可能である。
上記のパネルにおいて、上記支持板が、回収繊維を原料とするフェルトを加熱および加圧することにより固められた繊維板であり、また上記マットが、回収繊維を原料とする綿繊維に保水材料としてレーヨン繊維が混合されたものであると、さらに好ましい。
支持板およびマットとして上記のように回収繊維を原料とするものを使用すると、古着等の繊維系廃材を活用することによる資源の有効利用を図ることができる。しかも、回収繊維を原料とする綿繊維にレーヨン繊維が混合されたものをマットとすると、使用ずみのマットを、焼却等することなく土に戻すことができる。つまり、綿繊維もレーヨン繊維もオーガニック材料であるため、支持板から取り外したマットを畑の保温材等として使用し、そのまま放置して(または土を被せて)土壌にすることができ、その点でも地球環境上きわめて好ましい。
上記マット内に、粒状の緩効性肥料が含められているのも好ましい。
その場合、マット内に全く土壌を含めなくとも、また灌水の際に水分中に肥料(液肥)を混ぜなくとも、パネルによって植物を健全に育てることができる。
考案による植物栽培壁は、上記いずれかの植物栽培パネルが、縦向きにされ上下に2以上並べて設置されたものであって、
・ フレーム(骨組)構体を備えるとともに、上記支持板の設置用部分を用いて上記植物栽培パネルを取外し可能に設置するパネル設置部材を含み、
・ 上下に並べられた上記2以上の植物栽培パネルを、それらのうち上方(他の1以上のパネルよりも上の位置)に設置される植物栽培パネルにおけるマットの下縁部とそのすぐ下に設置される植物栽培パネルにおけるマットの上縁部とが接触し合う位置関係に設置できるように、上記のパネル設置部材を有すること――を特徴とする。図2の植物栽培壁10は、考案による植物栽培壁の一例である。
上のように構成した植物栽培壁は、上記のフレーム構体およびパネル設置部材により、植物栽培パネルを縦向きにして上下に2以上並べて設置することができ、もって壁のように植物を栽培することを可能にする。しかも、パネル設置部材の作用により、2以上の植物栽培パネルのうち上方のパネルにおけるマットの下縁部とその下に設置されるパネルにおけるマットの上縁部とが接触し合うように設置できることから、上述のように上下のマット間に及ぶ一連の広い範囲で保水性を均一にすることができ、上下のほぼ全域に及ぶ広い範囲で健全に植物を栽培し、ムラのない一様な緑化を進めることができる。
個々の植物栽培パネルが軽量に構成されることから、フレーム構体やパネル設置部材に関しても簡単かつ軽量なものにすることができ、したがって全体のコストも相当に低減することができる。なお、パネル設置部材は植物栽培パネルを取外し可能に設置するものであるため、壁面緑化等の必要性に乏しく開花も少ない冬季等にはパネルを取り除くことができて好ましい。
灌水用の給水具は、上記のとおりマットが接触し合うように設置された2以上の植物栽培パネルのうち、最も上の植物栽培パネルにおけるマットの上縁部に対して設けられているのがよい。図2における符号18は、そのような給水具の一例としてのホースを示している。
上のようにすると、給水具の数が少ないにもかかわらず、それによって好ましい灌水を行うことができる。すなわち、上記給水具から灌水されると、最も上の植物栽培パネルにおけるマットから、その下にあって上下の縁部同士を接触させている他のすべてのマットに水が伝わり、各部で適切に保水されるからである。
上記のとおりマットが接触し合う位置に設置された2以上の植物栽培パネルは、上下方向への間隔をおいて2組以上設置されるのもよい。たとえば図3のように構成するのである。
面積の広い植物栽培壁に上下左右にパネルを並べて設置する場合、ともすればその壁面が風の流れを遮ることがある。しかし、上記のように植物栽培パネルを上下に2組以上に分け、各組同士の間に間隔をとるなら、上下に空いたその間の部分が風の通り道になる。そのため、窓のある建物の前面に植物栽培壁を設ける場合にも、スムーズに窓に風を通せることになる。
考案の植物栽培パネルは、マット内に根を張らせて植物を栽培できるもので、これを縦向きにして上下に2以上並べて設置することにより、広い面積の壁面等を一様に美しく緑化することができる。そしてそのために、ヒートアイランド現象という環境問題の緩和に役立てることができる。また、軽量なものとして構成でき、それを設置するための支持構造や壁面等をも軽量化して低コストにすることが可能である。
このパネルの支持板およびマットとして回収繊維を原料とするものを使用し、もって古着等繊維系廃材の有効活用を促進することもできる。上記マットに綿繊維やレーヨン繊維のみを使用するようにして、使用後のマットの焼却を不要にし、環境保全のメリットを高めるのもよい。
考案の植物栽培壁によれば、上記の植物栽培パネルを縦向きにして上下に2以上並べて設置するとき、広い範囲で健全に植物を栽培して、ムラのない一様な緑化壁面を形成できる。また、フレーム構体やパネル設置部材を含めて全体を軽量で簡単なものに構成することができ、コストを低減できる。
この植物栽培壁ではさらに、給水具の数が少なくても好ましい灌水を行えるようにし、または、窓のある建物の前面に設けるのに適した、風の流れを遮らない緑化壁面を形成することもできる。
考案による植物栽培パネル1を示す側面図(図1(a))、背面図(同(b)、および正面図(同(c))である。 考案による植物栽培壁10を示す側面図(図2(b))および背面図(同(b)。同(a)におけるb−b矢視図)である。 考案による別の植物栽培壁20を示す側面図である。 図4(a)は、マット3’を枠体4’で囲んだ従来の植物栽培パネル1’を壁面に沿って配置した状態を概念的に示す正面図であり、同(b)は、考案による植物栽培パネル1を同様に配置した状態を示す概念的正面図である。
図1〜図4に考案の実施形態を示す。
まず、図1(a)〜(c)に、考案による植物栽培パネル1を示す。このパネル1は、木材様の支持板2の表面に繊維質のマット3を重ねて取り付けたものである。
支持板2とマット3とは、図1(a)のように積層し、マット3を貫通するボルト3b(座金付き)によって分離可能なように取り付けている。ボルト3bは、マット3の表面から通し、その先端を支持板2に差し入れる(ねじ込む)ことによって取り付け、図1(c)のとおり間隔をおいて6箇所に使用している。一方、支持板2の裏面には、上部2箇所に図1(b)のように取付金具2aを設けている。取付金具2aは、Jの字を逆向きにした形の断面をもつ金属材をボルトにより支持板2に固定したもので、パネル1の設置用部分として機能する。
支持板2は、回収繊維を原料とするフェルトを加熱および加圧することにより固めて擬木とした、いわゆる繊維板である。この繊維板は、厚さが1cm前後で幅と長さがいずれも約50cmという大きさのもので、たとえばつぎのようにして製造する。1)廃棄等された衣類のボロを反毛機にかけて繊維を綿の状態に戻し、2)これに、バインダー用の熱可塑性樹脂としてポリプロピレン繊維等を混合させる、3)混合した繊維を均一に絡み合わせ、さらにニードルパンチ法で調整してフェルトを成形する、4)そのフェルトを積層させたうえ、熱可塑性樹脂の溶融温度よりわずかに高い温度にまで熱風式加熱機等により加熱し、5)プレス成形機にて加圧プレスしたうえ冷却・固化させる。なお、原料の繊維としては、綿やポリエステル繊維、毛、ナイロンなど種々のものを使用できる。
マット3は、これも回収繊維を主な原料とする、厚さ約3cmのフェルトである。すなわち、廃棄等された衣類のボロを反毛機にかけて繊維を綿の状態に戻し、これを均一に絡み合わせニードルパンチを行ってフェルトにしたものである。繊維としては、綿やポリエステル繊維、毛、ナイロンなど種々のものを使用できるが、これらの繊維のみでは保水性がないので、レーヨンやスフ等のパルプ系の繊維、あるいは紙シートを保水材料として混合させてある。レーヨン繊維を混合させる場合、その割合はマット3の全体の10〜30重量%程度とする。なお、マット3を焼却することなく土中等に廃棄できるようにするうえでは、綿繊維とレーヨン繊維とでマット3を構成するのが好ましい。
適度な保水性をもたせているので、このマット3には、図1(c)に示す複数箇所の穴3aに植物の苗を植え(またはタネを埋め込み)、もってマット3上で植物を育てることができる。通常は、図1のようにパネル1を縦にし、マット3の表面を鉛直ないしそれに近い姿勢にして、建物の壁面に沿った箇所等で植物を栽培する。マット3の繊維の間に粒状の緩効性肥料をあらかじめ分散させておくと、液肥を含む灌水をする必要がなく、水やりが楽になり維持コストが低下する。
このマット3は、横幅が支持板2と同じであるものの、縦の長さは支持板2よりも5cm前後長くしている。そして図示のとおり、マット3の上縁部3xと下縁部3yとは露出させ、その下縁部3yが支持板3の下縁より下方にはみ出すように支持板2に取り付けている。
マット3をこのように取り付けてなる植物栽培パネル1は、図4(b)に示すように、複数のパネル1を縦向きにして上下に並べるとき、それら各パネル1のマット3同士を接触させて上下に連続させることができる。つまり、上になるマット3のはみ出た下縁部3yを、その下に位置するマット3の上縁部3xに接触させて設置することができ、そのためにマット3同士をつなぎ合わせることが可能なのである。
そのようにマット3同士を上下につなぐ場合、発明者の実験によると、それぞれのマット3の下方部分に水が溜まってしまうことが避けられる。水が溜まりやすいのは最下段にあるマット3の下方部分(図4(b)の斜線部分)のみとなり、それ以外の広い面積部分ではマット3は適度な保水状態に保たれ、植物に根ぐされ等が発生しない。一方、図4(a)のように、マット3’の全周縁部が枠体4’で囲まれた従来型の植物栽培パネル1’を使用する場合には、パネル1’を上下に並べて配置しても水の溜まりやすい部分(斜線部分)が各パネル1’ごとに下方部分に分布し、根ぐされ等により植物が育ちがたい面積が多くなる。
縦向きにしたパネル1同士を上下に複数つないで構成する植物栽培壁10の例を、図2(a)・(b)に示す。植物栽培壁10は、鋼材等を用いて製作したフレーム構体6に、上述の植物栽培パネル1を上下および左右に並べて複数設置したものである。建物Aの壁面に沿って設けることにより、当該壁面の夏場の温度上昇を抑制する。
フレーム構体6には、軽量形鋼製の柱に鋼管製の支持棒7aを水平に複数架け渡し、さらには、鉄板による留め板7bを取り付けている。支持棒7aに取付金具2aを掛けるとともに、留め板7bに通すボルトを支持板2の裏面にねじ込むことにより、各パネル1をフレーム構体6上に設置できる。留め板7bのそのボルトを外すと、設置したパネル1を元どおりに取り外すことができる。フレーム構体6の最上部は、連結部材9によって建物Aと接続し、また灌水用の給水具(等間隔で多数箇所に下向きの開口が設けられたパイプまたはホース)8を外側に設けている。
支持棒7aの位置と上下の間隔を適切に設定しているため、パネル1を上記のように設置すると、図2(a)のとおり、各パネル1のマット3同士が同じ円直面内で上下につながった(つまり各マット3の上下の縁部同士が接触した)状態になる。そうなると、給水具8による灌水が好ましい状態ですべてのマット3に及ぶため、図4(b)で説明したように広い範囲で植物が健全に育ち、好ましい緑化壁面が形成される。
図3には、別の形態の植物栽培壁20を示している。この植物栽培壁20も、上記と同じ植物栽培パネル1を、複数のマット3を上下に接触させる形でフレーム構体16上に設置したもので、やはり上下左右に広がる緑化壁面を建物Bの壁面に沿って形成する。ただしこの例では、上下に並べる全てのマット3を接触させるのではなく、パネル1の集合を上下2組に分けて中ほどに空間を設け、その空間を建物Bへの風の通り道にしている。つまり、上方の二つのパネル1についてはマット3同士を接触させ、下方の二つのパネル1についてもマット3同士を接触させるが、それらの間には隙間を設ける。また、上方の二つのパネル1のうち下段のものは、開口面積を広げて風が通りやすくなるよう、下方部分が外向きに出るような傾斜を付けて設置している。
なお、図3において、符号17a・17bはパネル設置部材としての支持棒および留め板をさしており、符号17cも、パネル1を上記のように傾斜させて設置するための支持片である。符号19は建物Bとの連結部材で、符号18は潅水用の給水具である。給水具18は、上記した2組のパネル1の上にそれぞれ配置している。また符号Ba・Bbは、建物Bにおける開放可能な窓である。植物栽培壁20は、このように窓がある建物の前面に設ける場合には、パネル1を複数組に分けて設置することにより、それらの間を風の通り道にするのが好ましい。
1 植物栽培パネル
2 支持板
2a 取付金具(設置用部分)
3 マット
3a ボルト(留め具)
3x 上縁部
3y 下縁部
6・16 フレーム構体
7a・17a 支持棒(パネル設置部材)
7b・17b 留め板(パネル設置部材)
8・18 給水具
10・20 植物栽培壁

Claims (7)

  1. 保水材料を含有する繊維質のマットが支持板の表面上に取り付けられ、縦向きに設置されるための設置用部分が上記支持板に設けられた植物栽培パネルであって、
    上記マットが、縦向きに設置されたとき上縁部および下縁部となる部分を露出させているとともに、その上縁部が上記支持板の上縁よりも上方にはみ出し、またはその下縁部が上記支持板の下縁よりも下方にはみ出していることを特徴とする植物栽培パネル。
  2. 上記マットは、厚さが20〜40mmであり、上下左右のいずれの縁部も枠体で囲まれてはおらず、厚さ方向にマットを貫通する複数の留め具によって、取外し可能な状態に上記支持板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培パネル。
  3. 上記支持板が、回収繊維を原料とするフェルトを加熱および加圧することにより固められた繊維板であり、上記マットが、回収繊維を原料とする綿繊維に保水材料としてレーヨン繊維が混合されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培パネル。
  4. 上記マット内に、粒状の緩効性肥料が含められていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物栽培パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の植物栽培パネルが、縦向きにされ上下に2以上並べて設置された植物栽培壁であって、
    フレーム構体を備えるとともに、上記支持板の設置用部分を用いて上記植物栽培パネルを取外し可能に設置するパネル設置部材を含み、
    上下に並べられた上記2以上の植物栽培パネルを、それらのうち上方に設置される植物栽培パネルにおけるマットの下縁部とその下に設置される植物栽培パネルにおけるマットの上縁部とが接触し合う位置関係に設置できるように、上記のパネル設置部材を有することを特徴とする植物栽培壁。
  6. 上記のとおりマットが接触し合う位置に設置された2以上の植物栽培パネルのうち、最も上の植物栽培パネルにおけるマットの上縁部に対して、灌水用の給水具が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の植物栽培壁。
  7. 上記のとおりマットが接触し合う位置に設置された2以上の植物栽培パネルが、上下方向への間隔をおいて2組以上設置されていることを特徴とする請求項6に記載の植物栽培壁。
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