JP3164219B2 - 磁極分散対向型磁気アタッチメント - Google Patents

磁極分散対向型磁気アタッチメント

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JP3164219B2
JP3164219B2 JP52554696A JP52554696A JP3164219B2 JP 3164219 B2 JP3164219 B2 JP 3164219B2 JP 52554696 A JP52554696 A JP 52554696A JP 52554696 A JP52554696 A JP 52554696A JP 3164219 B2 JP3164219 B2 JP 3164219B2
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義信 本蔵
均 青山
孝 横山
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Aichi Steel Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F7/00Magnets
    • H01F7/02Permanent magnets [PM]
    • H01F7/0231Magnetic circuits with PM for power or force generation
    • H01F7/0252PM holding devices

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、磁気吸引力を利用して対象物を着脱自在に
接合する磁気アタッチメント(吸着体)に関する。 背景技術 従来の磁気アタッチメントとしては、キャップ型磁気
アタッチメントとサンドイッチ型磁気アタッチメントと
が広く知られている。 キャップ型磁気アタッチメントは、図21に示すよう
に、被吸着体106に対向する吸着面103に一方の磁極を持
ち逆に背向面104側に他方の磁極をもつ磁石101と、背向
面104側の磁極から磁石101の周囲の側面を迂回してその
縁で被吸着体106に対向する軟磁性体のキャップ型のヨ
ーク102とから構成される。この場合、背向面104側の磁
極からキャップ型のヨーク102を通り、被吸着体106を介
して被吸着体106に対向する他方の磁極へ至る磁力線ル
ープmが形成されて、磁石単体で被吸着体に対向する場
合よりも高い磁気吸引力を発揮する。このような磁気ア
タッチメントについては、特開平1−303145号、特開平
2−295557号、特開平2−295558号等の公開特許公報に
開示されている。 一方、サンドイッチ型磁気アタッチメントは、図22に
示すように、吸着面203と平行にN−S磁化方向を持つ
磁石201と、これをN−S両磁極側面から当接挟持する
二つの軟磁性体からなるヨーク202とから構成される。
この場合、一方の磁極からこれと当接するヨーク202を
通って被吸着体206を介し、反対側のヨーク202を通って
他方の磁極へ至る磁力線ループmが形成されて、さらに
高い磁気吸引力を発揮する。このような磁気アタッチメ
ントについては、特開平4−227253号等の公開特許公報
に開示されている。 従来のこのようなキャップ型およびサンドイッチ型の
磁気アタッチメントは、前述のように磁力線ループmに
より閉磁路構造を形成している。そのためこれらは、図
23に示すように、同質の磁石を使い、おなじ断面積と高
さの外形形状で構成しても、図中左に示す開磁路構造の
磁石単体よりも高い磁気吸引力を発揮している。 ところが従来の磁気アタッチメントでは、図24に示す
ように、磁気吸引力に飽和に近い現象が見られ、同じ断
面形状のまま高さのみを増やしていくと、ある程度以上
は磁気吸引力の向上に貢献しない。これは、ヨークの飽
和磁束密度を越えて磁力線を増すことができないため、
すでにヨークが飽和状態にある場合には、磁石とヨーク
の高さを増してもヨーク内の磁力線が増加しないせいで
あると考えられる。したがって、磁気吸引力の飽和が始
まる程度の高さで磁気アタッチメントの高さを留めてお
くのが経済上最適であり、たとえそれ以上高さを増して
も磁気吸引力の向上は期待できない。 逆に磁気吸引力の飽和が始まる付近よりも高さを減ら
し、薄型の磁気アタッチメントを製作すると、再び図24
の左側のごとくヨークの飽和磁束密度にはるかに満たな
い密度の低い磁力線ループしか形成しえなかった。した
がって、薄型にした磁気アタッチメントでは磁気吸引力
が少ななからず弱くなるという欠点があった。そのた
め、使用条件や用途によって磁気アタッチメントの高さ
が厳しく制限される場合には、必要な磁気吸引力を発揮
しえないという不都合がしばしば生じている。 発明の開示 そこで本発明の対向集積型磁気アタッチメントは、極
めて高さの低い薄型形状でありながら、十分強力な磁気
吸引力を発揮する磁気アタッチメントを提供することを
解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、一面
が吸側面となる板状あるいはシート状のアタッチメント
で、 永久磁石および軟磁性体のいずれか一方で形成され、
多数の柱状部および/または少なくとも1個の壁状部で
形成され、該柱状部および/または該壁状部の各側面が
隣接する他の該柱状部および/または該壁状部の側面と
間隔を隔てて位置し、該柱状部および/または該壁状部
の各頂面が該吸着面の一部を形成する第1磁性部材と、 該永久磁石および該軟磁性体のいずれか他方で形成さ
れ、該第1磁性部材を形成する該柱状部および/または
該壁状部の側面間を生め頂面が該吸着面の残部を形成す
るとともに該第1磁性部材とともにシート形状となる第
2磁性部材と、 該第1磁性部材および該第2磁性部材の該吸着面を形
成する各該頂面と背向する裏面を覆い該吸着側面と背向
する軟磁性体で形成された背向側部材とからなり、 かつ該永久磁石で形成された該第1磁性部材または第
2磁性部材は、該吸着面側の該頂面が全てN極またはS
極の一方の同一極となり、該頂面と背向する該裏面が全
てN極またはS極の他方の同一極となっていることを特
徴とする。 ここで、永久磁石には希土類磁石などのなるべく最大
エネルギ積が大きいものを使い、軟磁性体には極力飽和
磁束密度が高い材料を用いることが望ましい。 また、第1磁性部材および/または第2磁性部材の頂
面は、耐蝕性の薄膜、表面層、薄板等で覆われてこれを
介して吸着面を形成していてもよい。また、第1磁性部
材の側面を覆う第2磁性部材は、必ずしも第1磁性部材
の側面に密着している必要はなく、第1磁性部材と第2
磁性部材の間に間隙あるいは非磁性材料を介在させても
よい。さらに、第1磁性部材の頂面の形状は特に限られ
たものではなく、頂面は矩形、円形の他にも任意の形状
を取りうる。同様に第1磁性部材の高さ方向に前記断面
が変化していてもよく、例えばテーパしている第1磁性
部材を用いることも可能である。さらに、複数の第1磁
性部材が互いに平行である必要も必ずしもなく、吸着面
を曲面としてこれに垂直に第1磁性部材を配設してもよ
い。 なお、吸着面には第1磁性部材または第2磁性部材で
形成された1個の壁状部の頂面が表出するものとするこ
とができる。この場合、1個の壁状部の頂面で広い吸着
面の全ての部分に吸着力を発揮させるためこの壁状部の
頂面は吸着面の全ての部分にその一部が存在する屈曲し
た長い壁状となる。 第1磁性部材を該永久磁石とし、第2磁性部材を該軟
磁性体とし、第2磁性部材と背向側部材は一体的に形成
し、吸着面側に第1磁性部材を保持する凹部をもつ板状
体とすることもできる。そして第2磁性部材を多数の貫
通孔をもつ孔板部で形成し、第1磁性部材を孔板部の各
貫通孔に一体的に保持し、この孔板部の裏面に背向側部
材を配置することもできる。 また、第1磁性部材の一部を形成する1個の柱状部ま
たは1個の壁状部と第2磁性部材の一部とで所定形状の
第1ブロックを形成し、この第1ブロックを面状に複数
個配列して、全体のシート形状の第1磁性部材と第2磁
性部材とを構成してもよい。さらには、第1磁性部材を
該永久磁石とし、第1磁性部材の一部を形成する1個の
柱状部または1個の壁状部と第2磁性部材の一部および
背向側部材の一部とで断面一定の第2ブロックを形成
し、この第2ブロックを面状に複数個配列して本発明の
磁極分散対向型磁気アタッチメントを形成してもよい。 ブロックを互いに固定する手段としては、ブロック同
士をレーザビーム溶接もしくは電子ビーム溶接などで溶
接固定してしまう手段や、複数個配列されたブロックの
外周面を吸着面を除いて覆うケースを設けて固定保持す
る手段などがある。該ケースは、耐蝕性の材料からなる
ことが望ましい。 本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、耐蝕
性材料から形成されたケースで、吸着面を除く全周囲が
覆われた構成をとることもできる。また、第1磁性部材
および第2磁性部材を非磁性材層を介して当接させるこ
ともできる。 本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントは板状あ
るいはシート状で従来の磁気アタッチメントに比較して
極めて薄くすることができる。例えば、2.0mm以下の薄
さ、0.2mm以下の薄さとすることができる。 本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントには、被
吸着体についての限定はない。したがって、通常は軟磁
性体の平板を被吸着体に使用することが多いが、これと
は異なる構造や材質を持つものであっても構わない。た
とえば、被吸着体として本発明の磁極分散対向型磁気ア
タッチメントを使用することも可能である。この場合、
二つの対向集積型磁気アタッチメントが互いに吸着面を
接して吸着するので、通常の軟磁性体からなる被吸着体
を使用する場合よりも、さらに強力な磁気吸引力を期待
することができる。 被吸着体として極めて薄い軟磁性体シートあるいた薄
板を使用できる。従来の磁気アタッチメントでは強い吸
着力が得られなかった程度の薄い被吸着体であっても本
来の強い吸着力が得られる。被吸着体の極限の厚さは、
被吸着体を構成する軟磁性体の飽和磁束密度にもよる
が、本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントを構成
する背向側部材の厚さと同程度の極めて薄いものとする
ことができる。 本発明の対向集積型磁気アタッチメントは、第1磁性
部材、第2磁性部材および背向側部材をそれぞれ別に形
成して組付けたり、軟磁性体で形成する部材を一体化
し、永久磁石で形成される部材を後で組付けることもで
きる。 また、軟磁性体よりなる板材の表面に多数の凹部また
は少なくとも1個の溝部を形成する工程、該凹部および
該溝部を永久磁石となる磁石素材で埋める工程、埋設さ
れた該磁石素材の表面を取り除き、該磁石素材の表面と
該永久磁石の間に介在する該板材の表面を同一面とする
面形成工程、該磁石素材を着磁させて表出している面側
を全てN極またはS極の一方の極その背向する裏面側を
全てN極またはS極の他方の極とする着磁工程、を実施
することで本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメント
を製造してもよい。 さらには、軟磁性体よりなる背向板の表面に永久磁石
となる磁石素材あるいは軟磁性体のいずれか一方で各側
面が隣接する他の側面と間隔を隔てて断面が一定の多数
の柱状部および/または少なくとも1個の断面が一定の
壁状部を形成する工程と、該磁石素材あるいは該軟磁性
体のいずれか他方で該柱状部および/または該壁状部の
間隔を埋める埋設工程と、表面部を取り除き該磁石素材
および該軟磁性体の両者が表出した吸着面を形成する面
形成工程と、該磁石素材を着磁させて表出している面側
を全てN極またはS極の一方の極その背向する裏面側を
全てN極またはS極の他方の極とする着磁工程と、を実
施して磁極分散対向型磁気アタッチメントを製造するこ
ともできる。 本発明の対向集積型磁気アタッチメントにおいては、
前述のように該永久磁石で形成された該第1磁性部材お
よび該第2磁性部材の一方は、該吸着面側の該一端面が
全てN極またはS極の一方の同一極となって吸着面の一
部を形成し、該一端面と背向する他端面が全てN極また
はS極の他方の同一極となっている。そして、軟磁性体
からなる背向側部材が、該永久磁石の該一端面に背向す
る他端面の他方の磁極に当接している。なおかつ、軟磁
性体で形成された該第1磁性部材または該第2磁性部材
の他方は、その一端面で吸着面の他の一部を形成し、こ
れに背向する他端面を背向側部材に当接している。 したがって、本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントの吸着面に被吸着体を当接させると、吸着面の一部
に面し永久磁石の一磁極をなす一端面から放射された磁
力線は、被吸着体の内部を通過して、吸着面の他の一部
をなす軟磁性体に導入され、これを透過して、次に軟磁
性体からなる背向側部材を通過し、永久磁石の他の磁極
へ還流する。このように、被吸着体を含めて閉じた磁気
回路が形成されるので磁気吸引力が生じる。ここで、永
久磁石は吸着面側の一端面が全てS極またはN極の一方
の同一極であり、かつ、第1磁性部材が複数個互いに間
隔を隔てて配置されているので、吸着面において第1磁
性部材と第2磁性部材の間にループの小さい、従来のル
ープと比較すると極めてループの小さい複数の磁力線ル
ープ(磁気回路)が形成され、あるいは極めてループの
小さい磁力線ループが連続して延びたものとなる。 このような磁力線ループが、各々の第1磁性部材につ
いて一組づつ形成され、あるいは連続して延びたものと
して形成されるので、一つ一つのあるいは部分部分の第
1磁性部材に流入または流出する磁気吸引力は大きくな
くても、本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントは
強い磁気吸引力を発揮することができる。上記磁気ルー
プが極めて小さく済むということは、とりもなおさず、
軟磁性体からなる背向側部材が薄くて済み、かつ、軟磁
性体および永久磁石からなる第1磁性部材および第2磁
性部材の吸着面に垂直のとった高さが低くても、飽和磁
束密度近くで軟磁性体を使用できるということである。 したがって、本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントにおいては、互いの間隔を隔てて配置された複数の
第1磁性部材を配設することにより、高さが低い永久磁
石を使って、それが供給する磁場で飽和に非常に近い状
態で軟磁性体を磁力線を導くヨーク(継鉄)として使用
できる。そのため、本発明の磁極分散対向型磁気アタッ
チメントは、高さの低い薄型でありながら従来の高さの
磁気アタッチメントに劣らない磁気吸引力を発揮するこ
とができる。その結果、単位体積当たりの磁気吸引力は
著しく向上する。 また、個々の第1磁性部材を通る磁気ループは小さ
く、磁束の絶対量も小さいので、磁束飽和に近い状態で
磁力線ループを通すために必要な被吸着体の厚みも少な
くて済む。 なお、耐蝕性のケースは、周囲の腐食性環境から磁石
等を隔離するほか、強固な構造体として各構成要素を相
互に固定してまとめる働きもする。 図面の簡単な説明 図1は実施例1の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である 図2は実施例1の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の一部の斜視図である 図3は実施例1の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の一部の断面図である 図4は磁気吸引力と全高の関係を示すグラフである。 図5は第1磁性部材の個数と全体積についての単位体
積当たりの磁気吸引力の関係を示すグラフである。 図6は実施例5の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である。 図7は実施例6の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である。 図8は図7中のVIII−VIII断面図である。 図9は実施例7の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である。 図10は図9中のX−X断面図である。 図11は実施例8の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である。 図12は図11中のXII−XII断面図である。 図13は実施例6〜8の変形態様の吸着側面を示す平面
図である。 図14は実施例9の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の分解斜視図である。 図15は実施例9の磁極分散対向型磁気アタッチメント
中の任意のブロックおよび第1磁性部材の分解斜視図で
ある。 図16は実施例10の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の斜視図である。 図17は実施例11の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の平面図である。 図18は実施例11の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の縦断面図である。 図19は実施例12の磁極分散対向型磁気アタッチメント
の平面図である。 図20はキャップヨークによる永久磁石の防食手段を示
す断面図である。 図21は従来のキャップ型磁気アタッチメントの構造図
である。 図22は従来のサンドイッチ型磁気アタッチメントの構
造図である。 図23は従来の磁気アタッチメントの磁気吸引力を比較
するグラフである。 図24は従来の磁気アタッチメントの高さと磁気吸引力
の関係を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施例である磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントを、図1〜図20に基づき説明する。ここで例
示する実施例のうち、実施例2〜4は数学モデルを立て
ての数値計算例であるが、経験上大過なく計算し得るこ
とが分かっている。 (実施例1:第1磁性部材の個数N=4=2×2) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、
図1に示すように、縦に2行、横に2列で4個の永久磁
石を内蔵しており、一面が被吸着体9と当接する吸着側
面4となる板状の磁気アタッチメントである。これは、
永久磁石で形成された第1磁性部材11〜14と、軟磁性体
で形成された第2磁性部材2および背向側部材3とから
構成されている。 すなわち、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ント10は、永久磁石で形成され一端面41(図示せず)〜
44が吸着側面4を形成し互いに間隔を隔てて配置された
第1磁性部材11〜14と、軟磁性体で形成され第1磁性部
材11〜14の一端面41〜44と交差する側面を覆い第1磁性
部材11〜14とで板状となる第2磁性部材2と、第1磁性
部材11〜14および第2磁性部材2の吸着側面4と背向す
る他端を覆い吸着側面4と背向する同じく軟磁性体で形
成された背向側部材3とからなる。なお、永久磁石で形
成された第1磁性部材11〜14は、吸着側面4側の一端面
41〜44が全て同一極(S極)となり、この一端面41〜44
と背向する他端面が全て他方の同一極(N極)となって
いる。 見方を変えるならば本実施例は、第1磁性部材11〜14
は永久磁石であり、第2磁性部材および背向側部材3は
軟磁性体から一体に形成されて、吸着側面4に第1磁性
部材11〜14が嵌着保持される複数(4個)の有底穴21〜
24をもつ板状体20である磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の外
形寸法は、縦横それぞれ3mm、高さ0.7mmである。したが
ってこれは吸着側面4が面積9mm2の正方形をなす板厚0.
7mmの板状磁気アタッチメントである。ちなみに、本実
施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の磁気吸引
力を算出するために想定した被吸着体9は、縦横同寸で
板厚0.35mmの軟磁性体からなる平板である。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10を、
説明の便宜上、縦に第1磁性部材の行数で2等分、横に
同じく2等分して示せば、図2に示す直方体に分割され
る。同図には、代表として第1磁性部材11を含む直方体
と、その吸着側面4に当接する部分の被吸着体9を示し
た。この直方体は、永久磁石からなる第1磁性部材11
と、一体に形成された軟磁性体からなる第2磁性部材2
および背向側部材3から構成されている。そして、第2
磁性部材2および背向側部材3は、1個の第1磁性部材
11を保持する断面正方形の有底穴21をもち軟磁性体から
なるブロック8を形成している。したがって、本実施例
の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、このブロッ
ク8が、縦に2行、横に2列、すなわち4個、面状に配
列されて一体に形成されたものと見なすこともできる。 さて、前述のブロック8、第1磁性部材11および被吸
着9の形状寸法は、その縦断面を図3に示す通りであ
る。すなわち、ブロック8の形状は、縦横各1.5mm、高
さ0.7mmの直方体であり、これに穿たれた有底穴21なら
びに第1磁性部材11の形状は、縦横1.1mm、高さ0.4mmの
直方体である。したがって、第1磁性部材11の前後左右
には、厚さ0.2mmの第2磁性部材2があって第1磁性部
材11の四方の側面を覆っており、また、吸着側面4の一
部をなす第1磁性部材11の一端面41と背向するN極側の
他端面には、厚み0.3mmの背向側部材3が当接してい
る。 このような構成によれば、永久磁石からなる第1磁性
部材11のN極から出た磁力線mは、互いに反発して背向
側部材3内の周辺部に広がり、飽和磁束密度に近い高密
度で第2磁性部材2内を流れ、吸着側面4から放出され
て被吸着体9に導かれる。そして、被吸着体9内に流入
した磁力線mは、図示しない周囲のブロックの磁力線に
反発しながら第1磁性部材11のS極に引き寄せられ、被
吸着体9内を透過して、再び吸着面4を通り第1磁性部
材11の一端面41からS極へそれぞれ還流する。 このように、本実施例では各ブロック8および各ブロ
ックに保持された第1磁性部材11〜14について、それぞ
れ第1磁性部材11〜14の周囲を取り巻く磁力線ループm
が形成されて、吸着側面4から飽和磁束密度に近い高い
磁束密度を維持したまま磁力線が放出される。それゆ
え、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10
は、より低い高さで、かつより薄い被吸着体9を使用し
ながら、従来の高さが高い磁気アタッチメントに劣らぬ
磁気吸引力を発揮することができる。 なお、図1および図2では、磁極分散対向型磁気アタ
ッチメント10と被吸着体9との区別を明瞭にする目的
で、両者の間に間隔を開けて作図されているが、実際の
運用では吸着側面4と被吸着体9とは密接に当接するこ
とが望ましい。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の各
構成要素の形状寸法、磁気特性、材料等の諸元は、以下
の表1に示す通りである。同表には、被吸着体9も合わ
せて掲載した。また、第1磁性部材1を格納した第2磁
性部材2および背向側部材3からなる仮想的な単位磁石
構造体であるブロック単体の外形寸法をも掲載した(各
ブロックは、同一に構成され、そのの有底穴の内寸は、
既に掲載した第1磁性部材1の寸法に等しい。) このような構成の本実施例の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメント10は、高さ0.70mmで330〔gf〕の磁気吸引力
を発揮し得た。ちなみに測定の際使用した被吸着体9の
高さ(板厚)は、0.35mmであり、磁極分散対向型磁気ア
タッチメント10と被吸着体9を合わせても、全高は1.05
mmに過ぎない。 また、本実施例の対向集積型磁気アタッチメント10の
体積Vは6.30〔mm3〕であり、単位体積当たりの磁気吸
引力F/Vは52.4〔gf/mm3〕であった。ちなみに、被吸着
体9も含めた全体積V′は9.45〔mm3〕であり、これに
基づいて求めた単位体積当たりの磁気吸引力F/V′は34.
9〔gf/mm3〕であった。 (実施例2:第1磁性部材の個数N=16=4×4) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント(図
略)は、縦に4行、横に4列で16個の永久磁石を内蔵し
ており、前述の実施例と同様に一面が被吸着体と当接す
る吸着側面となる板状の磁気アタッチメントである。こ
れは、永久磁石で形成された16個の第1磁性部材と、軟
磁性体で形成された第2磁性部材および背向側部材とか
ら構成されている。 すなわち、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントは、永久磁石で形成され一端面が吸着側面を形成し
互いに間隔を隔てて配置された16個の第1磁性部材と、
軟磁性体で形成され第1磁性部材の一端面と交差する側
面を覆い16個の第1磁性部材とで板状となる第2磁性部
材と、第1磁性部材および第2磁性部材の吸着側面と背
向する他端を覆い吸着側面と背向する同じく軟磁性体で
形成された背向側部材とからなる。なおかつ、永久磁石
で形成された第1磁性部材は、吸着側面側の一端面が全
て同一極(S極)となり、この一端面と背向する他端面
が全て他方の同一極(N極)となっている。 見方を変えるならば本実施例は、16個の第1磁性部材
は永久磁石であり、第2磁性部材および背向側部材は軟
磁性体から一体に形成されて、吸着側面に第1磁性部材
が嵌着保持される16個の有底穴をもつ板状体である磁極
分散対向型磁気アタッチメントである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの外形
寸法は、縦横それぞれ3mm、高さ0.350mmである。したが
ってこれは吸着側面が面積9mm2の正方形をなす点では実
施例1と同様であるが、高さは半減して0.350mmのより
薄い板状磁気アタッチメントである。ちなみに、本実施
例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの磁気吸引力を
算出するために想定した被吸着体は、縦横同寸で板厚0.
175mmの軟磁性体からなる平板である。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントを、説
明の便宜上、縦に第1磁性部材の行数で4等分、横に同
じく4等分すれば、直方体に分割される。この直方体
は、前述の実施例1と同様に、永久磁石からなる第1磁
性部材と、一体に形成された軟磁性体からなる第2磁性
部材および背向側部材から構成されている。そして、第
2磁性部材および背向側部材は、1個の第1磁性部材を
保持する断面正方形の有底穴をもち軟磁性体からなるブ
ロックを形成している。したがって、本実施例の磁極分
散対向型磁気アタッチメントは、このブロックが、縦に
4行、横に4列、すなわち16個、面状に配列されて一体
に形成されたものと見なすこともできる。 さて、前述のブロック、第1磁性部材および被吸着体
の形状寸法は、次の通りである。すなわち、ブロックの
形状は、縦横各0.75mm、高さ0.35mmの直方体であり、こ
れに穿たれた有底穴ならびに第1磁性部材の形状は、縦
横0.55mm、高さ0.20mmの直方体である。したがって、第
1磁性部材の前後左右には、厚さ0.1mmの第2磁性部材
があって第1磁性部材の四方の側面を覆っており、ま
た、吸着側面の一部をなす第1磁性部材の一端面と背向
するN極側の他端面には、厚み0.15mmの背向側部材が当
接している。つまり、このブロックおよび同ブロックの
有底穴に保持された第1磁性部材は、実施例1で図2お
よび図3を参照して説明したものと相似で各寸法を半分
にしたものである。 したがって、このような構成によれば、実施例1と同
様の磁力線ループが16個の第1磁性部材のそれぞれにつ
いて形成され、吸着側面から飽和磁束密度に近い高い磁
束密度を維持したまま磁力線が放出される。それゆえ、
本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、さら
により低い高さで、かつさらにより薄い被吸着体を使用
しながら、従来の高さが高い磁気アタッチメントにあま
り劣らぬ磁気吸引力を発揮することができる。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの各構
成要素の形状寸法、磁気特性、材料等の諸元は、以下の
表2に示す通りである。本表でも、被吸着体および単位
磁石構造体としてのブロックについて併せて掲載した。 このような構成の本実施例の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントは、高さ0.350mmで325〔gf〕の磁気吸引力を
発揮し得ると計算された。ちなみに計算の際使用した被
吸着体の高さ(板厚)は、0.175mmであり、磁極分散対
向型磁気アタッチメントと被吸着体を合わせても、全高
は0.525mmに過ぎない。 また、本実施例の対向集積型磁気アタッチメントの体
積Vは3.15〔mm3〕であり、単位体積当たりの磁気吸引
力F/Vは103〔gf/mm3〕であった。ちなみに、被吸着体も
含めた全体積V′は4.73〔mm3〕であり、これに基づい
て求めた単位体積当たりの磁気吸引力F/V′は68.8〔gf/
mm3〕であった。 (実施例3:第1磁性部材の個数N=256=16×16) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント(図
略)は、縦に16行、横に16列で256個の永久磁石を内蔵
しており、前述の実施例と同様に一面が被吸着体と当接
する吸着側面となる板状の磁気アタッチメントである。
これは、永久磁石で形成された256個の第1磁性部材
と、軟磁性体で形成された第2磁性部材および背向側部
材とから構成されている。 すなわち、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントは、永久磁石で形成され一端面が吸着側面を形成し
互いに間隔を隔てて配置された256個の第1磁性部材
と、軟磁性体で形成され第1磁性部材の一端面と交差す
る側面を覆い256個の第1磁性部材とで板状となる第2
磁性部材と、第1磁性部材および第2磁性部材の吸着側
面と背向する他端を覆い吸着側面と背向する同じく軟磁
性体で形成された背向側部材とからなる。なおかつ、永
久磁石で形成された第1磁性部材は、吸着側面側の一端
面が全て同一極(S極)となり、この一端面と背向する
他端面が全て他方の同一極(N極)となっている。 見方を変えるならば本実施例は、256個の第1磁性部
材は永久磁石であり、第2磁性部材および背向側部材は
軟磁性体から一体に形成されて、吸着側面に第1磁性部
材が嵌着保持される256個の有底穴をもつ板状体である
磁極分散対向型磁気アタッチメントである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの外形
寸法は、縦横それぞれ3mm、高さ0.0875mmである。した
がってこれは吸着側面が面積9mm2の正方形をなす点では
実施例1,2と同様であるが、高さはさらに減って0.0875m
mの極めて薄い板状磁気アタッチメントである。ちなみ
に、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの磁
気吸引力を算出するために想定した被吸着体は、縦横同
寸で板厚0.04375mmの軟磁性体からなる平板である。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントを、説
明の便宜上、縦に第1磁性部材の行数で16等分、横に同
じく16等分すれば、256個の直方体に分割される。この
直方体は、前述の実施例1と同様に、永久磁石からなる
第1磁性部材と、一体に形成された軟磁性体からなる第
2磁性部材および背向側部材から構成されている。そし
て、第2磁性部材および背向側部材は、1個の第1磁性
部材を保持する断面正方形の有底穴をもち軟磁性体から
なるブロックを形成している。したがって、本実施例の
磁極分散対向型磁気アタッチメントは、このブロック
が、縦に16行、横に16列、すなわち256個、面状に配列
されて一体に形成されたものと見なすこともできる。 さて、前述のブロック、第1磁性部材および被吸着体
の形状寸法は、次の通りである。すなわち、ブロックの
形状は、縦横各0.1875mm、高さ0.0875mmの直方体であ
り、これに穿たれた有底穴ならびに第1磁性部材の形状
は、縦横0.1375mm、高さ0.05mmの直方体である。したが
って、第1磁性部材の前後左右には、厚さ0.025mmの第
2磁性部材があって第1磁性部材の四方の側面を覆って
おり、また、吸着側面の一部をなす第1磁性部材の一端
面と背向するN極側の他端面には、厚み0.0375mmの背向
側部材が当接している。つまり、このブロックおよび同
ブロックの有底穴に保持された第1磁性部材は、実施例
1で図2および図3を参照して説明したものと相似で、
各寸法を1/8にしたものである。 したがって、このような構成によれば、実施例1と同
様の磁力線ループ256個の第1磁性部材のそれぞれにつ
いて形成され、吸着側面から飽和磁束密度に近い高い磁
束密度を維持したまま磁力線が放出される。それゆえ、
本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、極め
て低い高さで、かつ極めて薄い被吸着体を使用しなが
ら、従来の高さが高い磁気アタッチメントにそれほど劣
らぬ磁気吸引力を発揮することができる。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの各構
成要素の形状寸法、磁気特性、材料等の諸元は、以下の
表3に示す通りである。本表でも、被吸着体およびブロ
ック(寸法は外形のみ)について併せて掲載した。 このような構成の本実施例の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントは、高さ0.875mmで288〔gf〕の磁気吸引力を
発揮し得ると計算された。ちなみに計算の際使用した被
吸着体の高さ(板厚)は、0.04375mmであり、磁極分散
対向型磁気アタッチメントと被吸着体を合わせても、全
高は0.13125mmに過ぎない薄さである。 また、本実施例の対向集積型磁気アタッチメントの体
積Vは0.7875〔mm3〕であり、単位体積当たりの磁気吸
引力F/Vは366〔gf/mm3〕であった。ちなみに、被吸着体
も含めた全体積V′は1.18125〔mm3〕であり、これに基
づいて求めた単位体積当たりの磁気吸引力F/V′は244
〔gf/mm3〕であった。 (実施例4:第1磁性部材の個数N=10,000=100×100) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント(図
略)は、縦に100行、横に100列で10,000個の永久磁石を
内蔵しており、前述の実施例と同様に一面が被吸着体と
当接する吸着側面となる板状の磁気アタッチメントであ
る。これは、永久磁石で形成された10,000個の第1磁性
部材と、軟磁性体で形成された第2磁性部材および背向
側部材とから構成されている。 すなわち、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメ
ントは、前述の各実施例と同様の技術的思想に基づき、
永久磁石からなる10,000個の第1磁性部材と、これらを
磁極方向同一で平行に保持する第2磁性部材および背向
側部材とから構成される。 見方を変えるならば本実施例は、10,000個の第1磁性
部材は永久磁石であり、第2磁性部材および背向側部材
は軟磁性体から一体に形成されて、吸着側面に第1磁性
部材が嵌着保持される10,000個の有底穴をもつ板状体で
ある磁極分散対向型磁気アタッチメントである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの外形
寸法は、縦横それぞれ3mm、高さ0.014mmである。したが
ってこれは吸着側面が面積9mm2の正方形をなす点では前
述の各実施例と同様であるが、高さは僅か0.014mmの極
めて薄い板状磁気アタッチメントである。ちなみに、本
実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの磁気吸引
力を算出するために想定した被吸着体は、縦横同寸で板
厚0.007mmの軟磁性体からなる平板である。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントも、縦
横それぞれに100等分すれば、10,000個の直方体に分割
して考えられる。この直方体は、前述の各実施例の直方
体と同様の構成で、寸法のみ一律に縮小された相似形の
ものであり、同様の作用をもつ。したがって、本実施例
の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、この直方体
が、縦横各100個、すなわち10,000個、面状に配列され
て一体に形成されたものと見なすこともできる。 さて、前述の直方体の各構成要素の形状寸法は、次の
通りである。すなわち、軟磁性体からなるブロックの形
状は、縦横各0.03mm、高さ0.014mmの直方体であり、こ
れに穿たれた有底穴ならびにこれに保持される永久磁石
からなる第1磁性部材の形状は、縦横各0.022mm、高さ
0.008mmの直方体である。したがって、第1磁性部材の
前後左右には、厚さ0.004mmの第2磁性部材があって第
1磁性部材の四方の側面を覆っており、また、吸着側面
の一部をなす第1磁性部材の一端面と背向するN極側の
他端面には、厚み0.006mmの背向側部材が当接してい
る。つまり、このブロックおよび同ブロックの有底穴に
保持された第1磁性部材は、実施例1で図2および図3
を参照して説明したものと相似で、各寸法を1/50にした
ものである。 したがって、このような構成によれば、実施例1と同
様の磁力線ループが10,000個の第1磁性部材のそれぞれ
について形成され、吸着側面から飽和磁束密度に近い高
い磁束密度を維持したまま磁力線が放出される。それゆ
え、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントは、
極薄形状で、かつ極薄の被吸着体を使用しながら、従来
の高さが高い磁気アタッチメントに数割劣る程度の比較
的強い磁気吸引力を発揮することができる。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントの各構
成要素の形状寸法、磁気特性、材料等の諸元は、以下の
表4に示す通りである。本表でも、被吸着体およびブロ
ック(寸法は外形のみ)について併せて掲載した。 このような構成の本実施例の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントは、高さ0.014mmで116〔gf〕の磁気吸引力を
発揮し得ると計算された。ちなみに計算の際使用した被
吸着体の高さ(板厚)は、0.007mmであり、磁極分散対
向型磁気アタッチメントと被吸着体を合わせても、全高
は0.021mmに過ぎない極薄形状をしている。 また、本実施例の対向集積型磁気アタッチメントの体
積Vは0.126〔mm3〕であり、単位体積当たりの磁気吸引
力F/Vは920〔gf/mm3〕と極めて高かった。ちなみに、被
吸着体も含めた全体積V′は0.189〔mm3〕であり、これ
に基づいて求めた単位体積当たりの磁気吸引力F/V′は6
14〔gf/mm3〕であった。 ここで、本発明の対向集積型磁気アタッチメントの効
果をよりいっそう明らかにする目的で、比較用の従来技
術による磁気アタッチメントを製作した。 従来例としてのこの磁気アタッチメントは、その全体
の断面を図21に示すように、単一の永久磁石101と、吸
着側面を除いて永久磁石101の全外周面を覆うヨーク102
とで主要部分が構成されたものを想定した。その外形寸
法は、磁気アタッチメント本体の高さが1.4mm、縦横共
に3mmである。各寸法は、前述の各実施例で仮想した一
つの永久磁石とこれを保持する軟磁性体のブロックとか
らなる直方体と相似に設定され、吸着側面の面積は各実
施例の磁極分散対向型磁気アタッチメントと同一の9
〔mm2〕に設定された。ちなみに被吸着体106の板厚も相
似に0.7mmに設定された。 その結果、磁気吸引力Fは335〔gf〕と算出され、一
方この磁気アタッチメントの体積Vは12.6mm3にもなる
ので、単位体積当たりの磁気吸引力F/Vは僅か26.6〔gf/
mm3〕であった。ちなみに、被吸着体も含めた全体積
V′は18.9〔mm3〕であり、これに基づいて求めた単位
体積当たりの磁気吸引力F/V′は17.7〔gf/mm3〕であっ
た。 (比較検討) 以上説明した従来例および本発明の実施例1〜4につ
いて、第1磁性部材の個数(永久磁石の個数)N、磁気
アタッチメントの高さH、体積Vと、このような構成の
磁気アタッチメントで発揮しえた性能として磁気吸引力
Fおよび単位体積当たりの磁気吸引力F/Vを、一覧表に
して以下の表5に示す。 この表5から明らかなように、集積される第1磁性部
材の個数(磁石の個数)Nが増加するに連れて、高さH
および体積Vは、ともにNの平方根に反比例して激減し
ている。それに比べ、磁気吸引力Fはそれほど衰えてい
ない。したがって、結果的に体積当たりの磁気吸引力F/
Vは、第1磁性部材を集積するに従って、飛躍的に向上
することが分かる。 こうして、本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメン
トによって、薄型でも十分強力な磁気吸着力を発揮する
磁気アタッチメントを提供することができることも明ら
かにされた。 (比較検討の補足) 参考までに前述の各例について、被吸着体の板厚tを
考慮して、磁気アタッチメントの高さHと板厚tを合算
した全高(H+t)、磁気アタッチメントの体積Vと被
吸着体の体積とを合算した全体積V′、および全体積の
単位体積当たりの磁気吸引力F/V′を、一覧表にして以
下の表6に示す。 この表6から明らかなように、被吸着体の板厚や体積
を考慮に入れた場合でも、前述の対向集積型磁気アタッ
チメントの諸元と同様の傾向を示す。すなわち、永久磁
石からなる第1磁性部材の個数Nが増加するに連れて、
全高(H+t)および全体積V′は、ともにNの平方根
に反比例して激減している。それに比較して磁気吸引力
Fはそれほど低下せず、単位体積当たりの磁気吸引力F/
V′に至っては逆に大幅に増加している。その様子を、
図4および図5に示す。 すなわち、図4に示すように、第1磁性部材の個数N
が増加して全高(H+t)が減少しても、N=100で全
高(H+t)が従来例の1/10程度になるまでは磁気吸引
力Fに目立った低下は見られず、それ以上第1磁性部材
の個数Nを増して薄型化を進めると、急速に磁気吸引力
Fが低下していることが予想される。なお、磁気アタッ
チメントの高さHは、前述の各例ではいずれも全高(H
+t)の2/3であるから、高さHについてもこれと同様
の傾向があるといえる。 また、図5の示すように、N=100程度までは、被吸
着体を含む全体積あたりの磁気吸引力F/V′は、第1磁
性部材の個数Nの平方根にほぼ比例して増加することが
分かる。N=100程度以降では、F/V′の伸びは鈍化する
傾向にあるが、なおNの増加に伴って増加し続けること
が見て取れる。ところで、全体積V′は、磁気アタッチ
メントの体積Vの1.5倍であるので、単位体積当たりの
磁気吸引力F/VについてもF/V′と同じ傾向があると言え
る。 したがって、本発明によれば、第1磁性部材を100個
ほど集積して厚み(高さ)を従来の1/10に減じながら、
磁気吸引力の低下はあまりない薄型の磁極分散対向型磁
気アタッチメントを提供できることが明らかになった。
そして、ある程度の磁気吸引力の低下を我慢すれば、さ
らに集積度(第1磁性部材の個数N)を上げて更なる薄
型化も可能であることも明らかになった。また、本発明
の磁極分散対向型磁気アタッチメントによれば、集積度
を上げることにより、単位体積当たりの磁気吸引力F/V
の極めて高い高性能な磁気アタッチメントを提供できる
ことが分かった。 ここで、本発明で限定していない被吸着体について簡
単に言及しておく。 前述のように被吸着体の板厚tは、各実施例および従
来例の磁気アタッチメントの高さHの半分に設定されて
いる。つまり、被吸着体の板厚はこの程度あれば十分な
磁気吸引力を前述の各実施例の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントに発揮させることができる。これよりも板厚
の薄い被吸着体を使用することも可能であるが、その場
合には磁気吸引力は幾分か低下することであろう。ただ
し、前述の各実施例の第2磁性部材および背向側部材よ
りも高い飽和磁束密度をもつ材料で被吸着体を製作すれ
ば、この限りではない。 なお、被吸着体として本発明の磁極分散対向型磁気ア
タッチメントを使用することも可能である。この場合、
第1磁性部材の磁極を逆並びとした二つの磁極分散対向
型磁気アタッチメントが互いに吸着側面を接して吸着す
るので、軟磁性体からなる被吸着体を使用して測定した
本実施例の磁気吸引力よりも、さらに強力な磁気吸引力
の発揮を期待することができる。 さて、以上の実施例1〜4によって、従来技術による
磁気アタッチメントに比較して本発明の磁極分散対向型
磁気アタッチメントがいかに優れたものであるかが明ら
かになった。そこで、以下にはある程度実用を念頭にお
いた実施例を紹介し、本発明の適用範囲の広さを示す。 (実施例5) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、
図6に示すように、縦に11行、横に6列、掛け合わせて
66個の四角柱状の永久磁石からなる第1磁性部材11〜16
6が、軟磁性体からなる第2磁性部材2および背向側部
材3で保持された一面が吸着側面4となる板状のアタッ
チメントである。 すなわちこれは、永久磁石で形成され一端面が吸着側
面4を形成し互いに間隔を隔てて配置された複数(66
個)の第1磁性部材11〜166と、軟磁性体で形成され、
第1磁性部材11〜166の一端面と交差する側面を覆い第
1磁性部材11〜166とで板状となる第2磁性部材2と、
第1磁性部材11〜166および第2磁性部材2の吸着側面
4と背向する他端を覆い吸着側面4と背向する軟磁性体
で形成された背向側部材3とから構成される。なおかつ
本実施例は、永久磁石で形成された第1磁性部材11〜16
6は、吸着側面4側の一端面が全てN極またはS極の一
方の同一極となり、その一端面と背向する他端面が全て
N極またはS極の他方の同一極となっていることを特徴
とする磁極分散対向型磁気アタッチメント10である。 なお、第2磁性部材2および背向側部材3は共に軟磁
性体から一体に形成され、吸着側面4に66個の第1磁性
部材11〜166が嵌着保持される66個の有底穴21〜266をも
つ板状体20としている。したがって、本実施例の磁極分
散対向型磁気アタッチメント10は、軟磁性体からなる板
状体20の吸着側面4に穿った立方体状の有底孔21〜266
に、永久磁石からなる同寸の立方体をした第1磁性部材
11〜166を磁極の向きを統一して、有底孔21〜266の底面
に当接するまで挿入して製作することができる。 ここで本実施例では、有底孔21〜266および第1磁性
部材11〜166を立方体状としたが、工作上の都合などで
円柱状や他の形状に変更することは一向に構わない。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の外
形形状は、図示のように縦3.0mm、横4.0mm、高さ(厚
み)0.2mmの略矩形の平板状をなしており、四隅は角を
落とされている。これの吸着側面4と当接して吸着され
る被吸着体9は、吸着側面4と同形の平面形をした板厚
0.1mmの軟磁性体製の平板である。これから分かるよう
に、本発明によれば極めて薄い磁極分散対向型磁気アタ
ッチメント10およびその被吸着体9を提供することがで
きる。 (実施例6) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、
図7に示すように、一面が吸着側面4となる平面形が六
角形の平板状の磁気アタッチメントである。 すなわちこれは、永久磁石で形成され一端面が吸着側
面4を形成し互いに間隔を隔てて配置された複数(19
個)の第1磁性部材11〜119と、軟磁性体で形成され第
1磁性部材11〜119の一端面と交差する側面を覆い第1
磁性部材11〜119とで板状となる第2磁性部材2と、第
1磁性部材11〜119および第2磁性部材2の吸着側面4
と背向する他端を覆い吸着側面4と背向する軟磁性体で
形成された背向側部材3とからなる磁極分散対向型磁気
アタッチメント10である。ここで、図8に示すように、
永久磁石で形成された第1磁性部材11〜119は、吸着側
面4側の一端面41〜419(一部図示)が全てS極の同一
極となり、一端面41〜419と背向する他端面が全てN極
の同一極となっている。また、再び図7および図8に示
すように、第2磁性部材2および背向側部材3は、軟磁
性体から一体に形成され、吸着側面4に円柱状の第1磁
性部材11〜119が嵌着保持されるこれらと同数の平底の
丸穴である有底穴21〜219をもつ六角形の板状体20とし
ている。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の特
徴は、板状体20が六角形であり、第1磁性部材11〜119
および有底穴21〜219が円柱状をしていることの他に、
第1磁性部材11〜119の配列規則にある。すなわち、本
実施例では、第1磁性部材11〜119のうち、隣合う任意
の3個を選んで各々の中心点を結べば正三角形が形成さ
れるように配列されている。たとえば、図7に示すよう
に、吸着側面4上で3個の第1磁性部材11,14,15を選べ
ば、これらの各中心点は正三角形Tの各頂点に位置して
いる。 このような配列によれば、最も稠密に吸着側面4上に
第1磁性部材11〜119を配置することができ、磁気吸引
力を向上させることができる。より一層の薄型化や単位
体積当たりの磁気吸引力の向上は、第1磁性部材の集積
個数を増やすことにより容易に実現できる。あるいは、
前述の第1磁性部材の配列規則を守ったまま、六角形以
外の別の平面形の磁極分散対向型磁気アタッチメントを
製作することもできる。 また、このような配列の有底穴21〜219を板状体20の
吸着側面4から穿つことは、NC精密ボール盤などの既知
の工作機械で容易に可能である。したがって、本実施例
の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、製作が容易
で磁気吸引力(もしくは単位体積当たりの磁気吸引力)
がより高く、円形に近い狭い空間にも容易に配設して利
用することができる。 なお、被吸着体に限定はないので、通常は軟磁性体の
平板を用いるが、その他の構成の被吸着体を用いてもよ
い。例えば、磁極の向きを全て逆転させた本実施例の磁
極分散対向型磁気アタッチメントを被吸着体として用い
れば、より強力な磁気吸引力を発揮する可能性がある。 (実施例7) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は前
述の実施例6と同様、図9に示すように、一面が吸着側
面4となる平面形が六角形の平板状の磁気アタッチメン
トである。円柱状の永久磁石からなる第1磁性部材11〜
119が、隣接する任意の3個をとると正三角形を形成す
る配列で、第2磁性部材2中の有底穴21〜219内に配設
されている点でも実施例6と同様である。 実施例6と異なる点は、板状体20を構成する第2磁性
部材と背向側部材とが当初別体に製作されることであ
る。すなわち、図10に示すように、本実施例の磁極分散
対向型磁気アタッチメント10において、板状体20は、有
底穴21〜219(一部図示)を形成する貫通孔51〜519をも
つ孔板部5(第2磁性部材)と、孔板部5の一面50に一
体的に配置され有底穴21〜219の底を形成する裏面板部
6(背向側部材)とから構成される。孔板部5および裏
面板部6は、軟磁性体から構成され、外周面上に表出し
た両者の接合面で電子ビーム溶接またはレーザ溶接など
で一体に接合され、板状体20を形成している。したがっ
て、溶接箇所Wは、図9および図10に示すように、薄い
六角柱状の板状体20の全外周を巡っている。 このように構成された本実施例の磁極分散対向型磁気
アタッチメント10は、次のようにして製作することがで
きる。 すなわち、先ず、ドリルなどの切削工具がぶれない程
度の適当な高さ(厚み)をもった六角柱状の軟磁性体
に、NC精密ボール盤などで貫通孔51〜519を穿ち、その
後、この六角柱状の軟磁性体をスライスして複数個の孔
板部5を製作する。あるいは、孔板部5になる六角形の
薄板を複数枚重ねて固定した六角柱に、貫通孔51〜519
を穿ち、一時に複数枚の孔板部5を製作する。次に、精
密プレスまたはレーザ溶断などの工作法で軟磁性体の薄
板から切り出された裏面板部6を、孔板部5の一面50に
当接させ、圧着した状態で両者の接合面を前述のように
電子ビーム溶接またはレーザ溶接などで接合する。しか
るのちに、今や有底穴21〜219を形成する貫通孔51〜519
内に、永久磁石からなる円筒状の第1磁性部材11〜119
を、磁極の方向を統一して、一端が穴の底に当接するま
で挿入し、固定する。固定の手段としては、締まり嵌
め、接着剤による固定、あるいは後述のキャップヨーク
による封印などの手段がある。第1磁性部材を挿入固定
したあとは、吸着側面4を研削または研磨して平面に近
くし、被吸着体との密着性を高めるとなお良い。 前述の製作法によれば、板状体20の一枚一枚に精密に
深さ制御された平底の有底孔を多数開ける必要がなく、
複数個の孔板部5を一度に製作できるので、生産性が高
まるという効果をあらたに生じる。 (実施例8) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10も、
前述の実施例7と同様に、図11に示すように、一面が吸
着側面4となる平面形が六角形の平板状の磁気アタッチ
メントである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10が実
施例7と異なる点は、実施例7とは逆に、第1磁性部材
11〜119が軟磁性体からなり、第2磁性部材2が吸着側
面4と垂直方向に磁化された永久磁石からなることであ
る。 すなわち、図11および図12に示すように、本実施例の
磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、軟磁性体で形
成され一端面が吸着側面4を形成し互いに間隔を隔てて
配置された複数(19個)の第1磁性部材11〜119と、永
久磁石で形成され第1磁性部材11〜119の一端面と交差
する側面を覆い第1磁性部材11〜119とで板状となる第
2磁性部材2と、第1磁性部材11〜119および第2磁性
部材2の吸着側面4と背向する他端を覆い吸着側面4と
背向する軟磁性体で形成された背向側部材3とから構成
される。ここで、永久磁石で形成された第2磁性部材2
は、吸着側面4側の一端面40が全てS極の一方の同一極
となり、一端面40と背向する他端面が全てN極の同一極
となっている。 本実施例では、図12に示すように、磁極分散対向型磁
気アタッチメント10の吸着側面4に軟磁性体からなる被
吸着体9を当接させると、第1磁性部材11〜119(一部
図示)に周囲の第2磁性部材2を形成する永久磁石のN
極から磁力線が流入する。第1磁性部材11〜119に流入
した磁力線は、その内部を透過して吸着側面4から放射
され、被吸着体9を透過して、吸着側面4に面した第2
磁性部材2のS極へ還流する。このように、被吸着体9
を透過する複数の磁力線ループmが形成されるので、本
実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、前述
の各実施例と同様に薄型形状でありながら強力な磁気吸
引力を発揮することができる。 なお、被吸着体は前述の軟磁性体からなる被吸着体9
に限定されるものではない。したがって、本実施例とは
第2磁性部材2の極性を逆転させた磁極分散対向型磁気
アタッチメントを被吸着体として使用してもよいし、前
述の実施例6または実施例7の磁極分散対向型磁気アタ
ッチメントを被吸着体として使用してもよい。 (実施例6〜8の変形態様) 前述の実施例においては、軟磁性体からなる部材が磁
束飽和密度に近い状態になるように、軟磁性体からなる
部材と永久磁石からなる部材の寸法形状を設計するのが
理想であるが、種々の制約によりそれが叶わぬ場合もあ
る。例えば、実施例6〜8において第2磁性部材2に余
裕があって第1磁性部材11〜119のまわりに磁束を集中
させたい場合には、図13に示すように、第2磁性部材2
に複数の星型孔hを設けることも可能である。星型孔h
は、互いに隣接し合う任意の三つの第1磁性部材の間の
第2磁性部材2に穿たれた、三つの尖端をもつ星型断面
の孔で、背向側部材3を底とする有底孔としてもよい
し、背向側部材3を貫通する貫通孔として設けることも
可能である。また、吸着側面4の開口からの奥に進むに
つれて狭まる有底孔であってもよい。 このような星型孔hを第2磁性部材2に設けることに
より、第1磁性部材11〜119の各々の周囲に略円筒状に
第2磁性部材2が配設されるので、磁力線ループは第1
磁性部材11〜119の周囲にほぼ軸対称に形成される。こ
れが最も有効な磁力線ループの形状なので、本変形態様
によれば、磁極分散対向型磁気アタッチメントの重量当
たりの磁気吸引力を最大にすることができる。
【0085】 (実施例9) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10も、
図14に示すように、一面が吸着側面4となる板状の磁気
アタッチメントである。これは、永久磁石で形成され一
端面41が吸着側面4の一部を形成し互いに間隔を隔てて
配置された複数の第1磁性部材1と、軟磁性体で形成さ
れ第1磁性部材1の一端面41と交差する側面を覆い第1
磁性部材1とで板状となる第2磁性部材2と、第1磁性
部材1および第2磁性部材2の吸着側面4と背向する他
端を覆い吸着側面4と背向する軟磁性体で形成された背
向側部材3とから構成されている。かつ、永久磁石で形
成された第1磁性部材1は、図15に示すように、吸着側
面4側の一端面41が全てS極となり、一端面41と背向す
る他端面が全てN極となっている。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の特
徴は、図15に示すように、軟磁性体からなる第2磁性部
材2が1個の第1磁性部材1を保持する有底凹部7をも
つブロック8からなり、再び図14に示すように、第1磁
性部材1をもつブロック8が面状に複数個配列されてい
ることである。 ここで、各ブロック8にはそれぞれ一つの第1磁性部
材1が有底凹部7に嵌めこまれて、接着またはロウ付け
などの手段で固定されている。となり合う各ブロック8
の接合部は、レーザ溶接または電子ビーム溶接等の手段
で、強固に接合されている。また、図14に示すように、
吸着側面4を除く全外周面を覆うケースCが、複数個配
列されたブロック8を固定して強固な構造体にまとめて
いる。ケースCの材料には耐蝕性の高いものが用いら
れ、本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の
耐蝕性を向上している。なお、ケースCの材質は、非磁
性体でも軟磁性体でもよい。その他に耐蝕性を向上させ
る手段としては、樹脂で周囲を覆うことも有効である。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10にお
いても、複数個配列されたブロック8の最外周部を除い
て、実施例1〜4などと同様の磁力線ループを各第1磁
性部材1毎に形成し、薄型形状でありながら強力な磁気
吸引力が発揮される。本実施例の長所は、ブロック8を
幾つでも継ぎ足していけるので、用途によって限定され
る吸着側面4の形状に対して、いかようにも対応できる
ことである。したがって、オーダーメイドの磁極分散対
向型磁気アタッチメントを、量産品にあまり劣らない価
格で提供できるという利点がある。 (実施例10) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10も、
図16に示すように、一面が吸着側面4となる板状のアタ
ッチメントである。これは、永久磁石で形成され一端面
41〜45が吸着側面4を形成し互いに間隔を隔てて配置さ
れた複数(5個)の第1磁性部材11〜15と、軟磁性体で
形成され第1磁性部材11〜15の一端面41〜45と交差する
側面を覆い第1磁性部材とで板状となる第2磁性部材20
〜25と、第1磁性部材1および第2磁性部材20〜25の吸
着側面4と背向する他端を覆い吸着側面4と背向する軟
磁性体で形成された背向側部材3とから構成される。か
つ永久磁石で形成された第1磁性部材11〜15は、吸着側
面4側の一端面41〜45が全てS極となり、一端面41〜45
と背向する他端面が全てN極となっている。 第2磁性部材20〜25および背向側部材3は、軟磁性体
で一体に形成された板状体である。この板状体の吸着側
面4には、間隔を隔てて第1磁性部材11〜15が嵌着保持
される矩形断面の溝が設けられている。したがって、本
実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10は、軟磁
性体の平板に適当な間隔を隔てて平行に矩形断面の溝を
彫ることにより、容易に製作することができるので、低
価格で大量生産し易いという利点がある。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10が、
前述の他の実施例と異なる点は、その構造が2次元的に
構成されていることである。すなわち、図16の図面に平
行などの断面を取っても、同図の端面と同様の構造、寸
法を持った断面が得られる。したがって、永久磁石から
なる各第1磁性部材11〜15から出る磁力線は、図16の図
面に平行な磁力線ループを形成して、図示しない被吸着
体を吸着する。 なお、本実施例に限ったことではないが、本発明の磁
極分散対向型磁気アタッチメントは、第1磁性部材の数
が十分に多ければ、用途に応じて任意の平面形に切り出
して使用することが可能である。 (実施例11) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の平
面図を図17、縦断面図を図18に示す。この磁気アタッチ
メント10はその上面が吸着側面となる厚さ200μm、縦3
mm、横3.8mmのシート状のものである。この磁気アタッ
チメント10は、永久磁石で形成され、縦方向の一辺に沿
って平行に延び横方向の辺で折れ曲がり逆方向に延び、
また逆方向に延びるように折り曲がった1個の壁状の第
1磁性部材1と、軟磁性体で形成され、この第1磁性部
材11の両側面および裏面を一体的に覆い、本発明の第2
磁性部材2および背向側部材3を構成する板状体20で形
成されている。 第1磁性部材11は幅が約280μm、厚さが約100μmで
Pt−Fe合金でできている。板状体20は耐蝕性軟磁性材料
である19Cr−2Mo−Ti鋼(SUS444)よりなる板状体20で
形成され、その第2磁性部材2に該当する部分の幅は13
0μm、厚さは第1磁性部材11の厚さと同じく約100μm
である。なお、背向側部材3は厚さが約100μmであ
る。 本実施例の磁気アタッチメント10は次に説明するよう
に半導体の製造に使用されるフォトリソグラフィ、エッ
チングおよびスパッタリング技術を用いて製造したもの
である。板状体20は、厚さ200μm、縦3mm、横3.8mmの
シート状の基板の上面に図17に示すようにフォトリソグ
ラフィを用いて幅280μm、間隔130μmのジグザグ状の
パターンを残すように皮膜を形成し、その後塩化第2鉄
水溶液により皮膜に覆われていないジグザグ状のパター
ンをハーフエッチングして深さ100μmの溝を形成して
調製した。第1磁性部材11は溝の形成された板状体20の
上面にPt−Fe合金をマグネトロンスパッタリングして溝
を埋め、その後再び板状体20の上面が表出するように研
磨して形成した。その後、板状体20の上下方向に磁力線
が延びる方向に着磁し、第1磁性部材11の表出している
上面をN極、その背向する下面をS極としたものであ
る。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10はそ
の吸引力が380gfであった。 本実施例では厚さ200μmの基板を用いたが、より厚
い基板のものでも、あるいはブロック状のものでもよ
い。基板を厚くしても磁気吸引力が高まることはない
が、軟磁性体でできたブロックの一部表面部分を本発明
の磁極分散対向型磁気アタッチメントとすることができ
る。 (実施例12) 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10の平
面図を図19に示す。本実施例の磁気アタッチメント10は
実施例11の磁気アタッチメントと同様に半導体の製造に
使用されるフォトリソグラフィ、エッチングおよびスパ
ッタリング技術を用いて製造したもので、その上面が吸
着側面となる厚さ200μm、縦3mm、横4.0mmのシート状
のものである。この磁気アタッチメント10は、永久磁石
で形成され、縦6列、横8列で合計48個の第1磁性部材
11〜48とこれら48個の第1磁性部材の両側面および裏面
を一体的に覆い、本発明の第2磁性部材2および背向側
部材3を構成する板状体20で形成されている。 第1磁性部材11は一辺が400μmの正方形状の柱状で
厚さは約100μmでPt−Fe合金でできている。板状体20
は耐蝕性軟磁性材料である19Cr−2Mo−Ti鋼(SUS444)
よりなる板状体20で形成され、その第2磁性部材2に該
当する部分の幅は80μm、厚さは第1磁性部材1の厚さ
と同じく約100μmである。なお、背向側部材3は厚さ
が約100μmである。 本実施例の磁気アタッチメント10も実施例11の磁気ア
タッチメントと同様にして製造したものである。板状体
20は、厚さ200μm、縦3mm、横4.0mmのシート状の基板
の上面に図19に示すようにフォトリソグラフィを用いて
一辺が400μmの正方形のパターン48個を残すように、
幅80μmの縦横に延びる格子状の皮膜を形成し、その後
塩化第2鉄水溶液により皮膜に覆われていない48個の正
方形のパターンをハーフエッチングして深さ100μmの
穴を形成して調製した。第1磁性部材は穴の形成された
板状体20の上面にPt−Fe合金をマグネトロンスパッタリ
ングして溝を埋め、その後再び板状体20の上面が表出す
るように研磨して形成した。その後、板状体20の上下方
向に磁力線が延びる方向に着磁し、第1磁性部材11の表
出している上面をN極、その背向する下面をS極とした
ものである。 本実施例の磁極分散対向型磁気アタッチメント10はそ
の吸引力が410gfであった。 (耐蝕性に関する備考) 本発明の磁極分散対向型磁気アタッチメントを構成す
る材料は、必ずしも耐蝕性に優れたものばかりとは限ら
ない。特に永久磁石材料は、要求性能を満たすために、
耐蝕性が十分でないものを使わざるを得ないこともまま
ある。一方、使用環境には、腐食性のガスや液体が存在
することもあり、長期間の使用には十分な耐蝕性が要求
される場合が多い。わけても、義歯用磁気アタッチメン
トなど人体に使用するものは、体液に曝される上、安全
性の要求上極めて高い耐蝕性が必要とされる。防錆防食
対策としては、次に挙げるような手段が考えられる。 (1)キャップヨークの使用 図20に示すように、永久磁石からなる第1磁性部材1
の一端面41を、吸着側面4と平行に一段下げて設ける。
そして、吸着側面4と第1磁性部材1の一端面41との間
に生じた空間に、耐蝕性の軟磁性体からなる薄板状のキ
ャップヨークC1を、同じく耐蝕性の軟磁性体からなる第
2磁性部材2との間に僅かな間隙を空けて、磁極をなす
一端面41に当接させる。キャップヨークC1と第2磁性部
材2との間の間隙には、細い薄板状の耐蝕性の非磁性体
からなるキャップスペーサC2を設けてこれを埋める。第
2磁性部材2の吸着側面4、キャップヨークC1およびキ
ャップスペーサC2の外側の一端面は同一平面をなし、吸
着側面4を形成している。第2磁性部材2の吸着側面4
とキャップヨークC1との接合面、およびキャップヨーク
C1とキャップスペーサC2との接合面は、吸着側面4の外
側から電子ビーム溶接またはレーザ溶接で溶接され、第
1磁性部材1を密封固定している。 したがって、前述の構成によれば、特に耐蝕性が劣る
場合が多い永久磁石を、外部の腐食性環境から隔離して
保護することができる。 なお、吸着側面4に面したS極をなす一端面41に流入
する磁力線は、非磁性体からなるキャップスペーサC2を
避けて、軟磁性体からなるキャップヨークC1から流入す
る。したがって、キャップスペーサC2の働きで、第2磁
性部材2から吸着側面4を出ずに直接第1磁性部材1の
S極に流入する磁力線の短絡を最少に抑えることができ
る。その結果、キャップヨークC1を使わず一端面41と吸
着側面4とを一致させた場合に劣らぬ磁気吸引力が発揮
される。 (2)その他の防錆防食手段 その他の磁極分散対向型磁気アタッチメントを防錆防
食する手段としては、以下の手段が考えられる。 耐蝕性メッキ、樹脂塗装 樹脂または耐蝕性金属で被覆(上記ケースの使用を含
む) 以上詳述したように、本発明の磁極分散対向型磁気ア
タッチメントは、吸着側面に同一磁極を向けた永久磁石
で第1磁性部材または第2磁性部材を形成し、第1磁性
部材の磁極を分散し互いに対向させることにより、極め
て高さの低い薄型形状でありながら、十分強力な磁気吸
引力を発揮することができるという効果を持つ。その結
果、単位体積当たりの磁気吸引力を大幅に向上させうる
という効果も生じる。また、任意の平面形に形成するこ
とができるという効果もある。更に、付随的な効果とし
て被吸着体の厚さを本発明の磁極分散対向型磁気アタッ
チメントの厚さよりさらに薄くすることができ、被吸着
体の厚さが極めて薄い場合でも十分な磁気吸引力が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 7/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一面が吸着面となる板状あるいはシート状
    のアタッチメントで、 永久磁石および軟磁性体のいずれか一方で形成され、多
    数の柱状部および/または少なくとも1個の壁状部で形
    成され、該柱状部および/または該壁状部の各側面が隣
    接する該柱状部および/または該壁状部の他の側面と間
    隔を隔てて位置し、該柱状部および/または該壁状部の
    各頂面が該吸着面の一部を形成する第1磁性部材と、 該永久磁石および該軟磁性体のいずれか他方で形成さ
    れ、該第1磁性部材を形成する該柱状部および/または
    該壁状部の側面間を埋め頂面が該吸着面の残部を形成
    し、該第1磁性部材とともにシート形状となる第2磁性
    部材と、 該第1磁性部材および該第2磁性部材の該吸着面を形成
    する各該頂面と背向する裏面を覆い該吸着側面と背向す
    る軟磁性体で形成された背向側部材とからなり、 かつ該永久磁石で形成された該第1磁性部材または該第
    2磁性部材は、該吸着面側の該頂面が全てN極またはS
    極の一方の同一極となり、該頂面と背向する該裏面が全
    てN極またはS極の他方の同一極となっていることを特
    徴とする磁極分散対向型磁気アタッチメント。
  2. 【請求項2】該第1磁性部材は該永久磁石であり、該第
    2磁性部材は該軟磁性体から形成され、該第2磁性部材
    と該背向側部材は一体的に形成され該吸着面側に該第1
    磁性部材を保持する凹部をもつ板状体である請求項1記
    載の磁極分散対向型磁気アタッチメント。
  3. 【請求項3】該第2磁性部材は多数の貫通孔をもつ孔板
    部からなり、該第1磁性部材は該孔部の各該貫通孔に一
    体的に保持された多数の該柱状部および/または該壁状
    部からなる請求孔1記載の磁極分散対向型磁気アタッチ
    メント。
  4. 【請求項4】該第1磁性部材および該第2部材は、該第
    1磁性部材の一部を形成する1個の該柱状部または1個
    の該壁状部と該第2磁性部材の一部となる部分とで形成
    された所定形状の第1ブロックが面状に複数個配列され
    て形成されたものである請求項1記載の磁極分散対向型
    磁気アタッチメント。
  5. 【請求項5】該第1磁性部材の一部を形成する1個の該
    柱状部または1個の該壁状部と該第2磁性部材の一部と
    該背向側部材の一部とで所定形状の第2ブロックが形成
    され、該第2ブロックが面状に複数個配列されて形成さ
    れる請求項1記載の磁極分散対向型磁気アタッチメン
    ト。
  6. 【請求項6】該吸着面を除く全周囲を耐蝕性材料から形
    成されたケースで覆われている請求項1記載の磁極分散
    対向型磁気アタッチメント。
  7. 【請求項7】該第1磁性部材および該第2磁性部材は非
    磁性材層を介して当接している請求項1記載の磁極分散
    対向型磁気アタッチメント。
  8. 【請求項8】該永久磁石で形成されている該第1磁性部
    材および該第2磁性部材は、耐蝕性の軟磁性体からなる
    薄板状のキャップヨークをもち、該キャップヨークの表
    面が該吸着面を形成する請求項1記載の磁極分散対向型
    磁気アタッチメント。
  9. 【請求項9】軟磁性体よりなる板材の表面に多数の凹部
    または少なくとも1個の溝部を形成する工程、 該凹部および該溝部を永久磁石となる磁石素材で埋める
    工程、 埋設された該磁石素材の表面を取り除き、該磁石素材の
    表面と該永久磁石の間に介在する該板材の表面を同一面
    とする面形成工程と、 該磁石素材を着磁させて表出している面側を全てN極ま
    たはS極の一方の極その背向する裏面側を全てN極また
    はS極の他方の極とする着磁工程と、 からなることを特徴とする磁極分散対向型磁気アタッチ
    メントの製造方法。
  10. 【請求項10】軟磁性体よりなる背向板の表面に永久磁
    石となる磁石素材あるいは軟磁性体のいずれか一方で各
    側面が隣接する他の側面と間隔を隔てて断面が一定の多
    数の柱状部および/または少なくとも1個の断面が一定
    の壁状部を形成する工程と、 該磁石素材あるいは該軟磁性体のいずれか他方で該柱状
    部および/または該壁状部の間隔を埋める埋設工程と、 表面部を取り除き該磁石素材および該軟磁性体の両者が
    表出した吸着面を形成する面形成工程と、 該磁石素材を着磁させて表出している面側を全てN極ま
    たはS極の一方の極その背向する裏面側を全てN極また
    はS極の他方の極とする着磁工程と、 からなることを特徴とする磁極分散対向型磁気アタッチ
    メントの製造方法。
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