JP3163775U - 蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工、組立などの製造工程を簡素化することができ、営巣率が高く、断熱、防水、防湿などの基本性能に加えて耐久性能にも秀れ、運搬や保管の作業性も改善して効率的にマメコバチ類を越冬、飼育可能とする新たな蜂の巣技術を提供する。【解決手段】木質平板体3の一面30に複数条の凹溝5を、夫々の凹溝5間に当接代6が確保された平行状に刻設するようにし、同木質平板体3の奥行き方向に直行する縦断面で谷部5と山部6とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面4とする一方、当該木質平板体3の他面31がわは、該木質平板体3一面30の凹凸形当接面4が他面31のそれら谷部5と山部6とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部5には山部6が、山部6には谷部5が夫々対応するよう規制して谷部5と山部6とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面40となした単位構成板2の複数枚を上下に重ねて蜂用越冬巣を構成する。【選択図】図2
Description
この考案は、蜂の繁殖技術に関連するものであり、特に、マメコバチ(豆粉蜂:小角筒花蜂)などの筒花蜂類の越冬、繁殖に用いる蜂の巣を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
りんごやナシなどの果樹の花粉交配は、人の手による受粉作業が正確で、品質に秀れた果樹の生産に最も適しているが、後継者不足の農家などは、労働負担が大きく、開花期に受粉作業を終わらせることが困難となってしまい、近年では多くの園芸農家が、人を刺さず、穏やかな性格で花粉を沢山集めるという性質をもつマメコバチを利用した受粉が行われるようになっている。
りんごやナシなどの果樹の花粉交配は、人の手による受粉作業が正確で、品質に秀れた果樹の生産に最も適しているが、後継者不足の農家などは、労働負担が大きく、開花期に受粉作業を終わらせることが困難となってしまい、近年では多くの園芸農家が、人を刺さず、穏やかな性格で花粉を沢山集めるという性質をもつマメコバチを利用した受粉が行われるようになっている。
このように果樹類だけでなく、現在では野菜を含む様々な農産物の受粉にも広く利用されているマメコバチは、年一化性で1年の中11ヶ月は、内径6〜8mmの柱や木材の穴、枯草の茎、屋根葺き葦やその他の茅類の細長い穴に産卵、越冬して4月の上旬頃に成虫となって約1ヶ月間活動、産卵し、その過程で果樹の受粉に利用できるという性質を持つため、各園芸農家では、葦を紐などで束ねて枠箱に詰めたり、軒下に吊したり、倉庫内に重ねたりするなどしてマメコバチの巣を準備し、害鳥や冷害などを受けず、無事に次の春も沢山の成虫が受粉作業に協力してくれるよう管理、繁殖する必要がある。
しかしながら、マメコバチの巣は、梅雨や台風の雨水が浸透してしまうのを避けたり、厳冬期の温度管理を目的として倉庫内などに運搬し、また、春の気温が例年より高い年には、果樹の開花よりも早く成虫になってしまうのを防ぐために、一時的に冷蔵庫に保管するなどという管理を必要とすることがあり、こうした作業に際して、葦を束ねただけの蜂巣は、崩れ易く大量に埃が出るなどして非常に運搬しづらく、取扱いが困難であるという欠点があり、こうした葦を紐などで束ねただけの蜂の巣を改良しようと、近年では例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、合成樹脂製板の一面に溝を刻設したものを複数枚重ね合わせて所望の大きさの巣材とするものが開発されているが、天然素材である葦の束に比較して営巣率が低く、マメコバチの繁殖に適さないという致命的な欠点を有するものであった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、特許文献1(2)および(3)に見られるような、葦に似せた細長い紙管の一端を斜めに切り落として蜂の入口を形成すると共に、紙管の中間位置に紙栓を挿入して巣房形成用の仕切りを設けた上、多数本の紙管を束ねて蜂の巣としてなるものや、同特許文献1(4)のような、カラ繭の先端を切り、出入口を形成してなる営巣材を枠体に詰め込み、蜂の巣としたもの、または、例えば、同特許文献1(5)に開示されているもののように、中空セルを有する紙製体を複数層積層した上、ワックス処理してなる巣材を巣箱内に配置したものなどが散見される。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、特許文献1(2)および(3)に見られるような、葦に似せた細長い紙管の一端を斜めに切り落として蜂の入口を形成すると共に、紙管の中間位置に紙栓を挿入して巣房形成用の仕切りを設けた上、多数本の紙管を束ねて蜂の巣としてなるものや、同特許文献1(4)のような、カラ繭の先端を切り、出入口を形成してなる営巣材を枠体に詰め込み、蜂の巣としたもの、または、例えば、同特許文献1(5)に開示されているもののように、中空セルを有する紙製体を複数層積層した上、ワックス処理してなる巣材を巣箱内に配置したものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(2)および(3)に示されているような、細長い紙管を多数本束ねてなる蜂の巣は、運搬中に、葦を束ねたものより埃が出ないという特徴が得られるものの、取扱い中にバラバラになり易い上、輸送や保管時の取扱いが困難で、雨水などに曝されてしまうと葦よりも脆弱なものとなってしまうという致命的な欠点があり、同特許文献1(4)のように、複数個のカラ繭を利用するものは、1個毎の繭を切欠き加工しなければならず、他の構造の蜂の巣に比較して生産効率が悪く、また、後者の特許文献1(5)に開示されたものは、ワックス処理してあるとはいうものの、所詮、紙製体を複数層積層する構造に変わりはなく、やはり、雨水などが一度浸透してしまうと急激にその強度を失い、変形、破損してしまう虞があるという避けられない難点を有していて、やはり耐久性上から一考を要するものであった。
(1)実用新案登録第3005998号公報 (2)特開2000−139271号公報 (3)実用新案登録第3058928号公報 (4)特開2001−292660号公報 (5)実開平5−37064号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種マメコバチ用の蜂の巣は、合成樹脂製のものでは営巣率が低いため、この問題を解消しようと様々な天然素材製のものが多数開発済みとなっているが、それらは何れも雨水などの浸透に弱かったり、生産が困難で経済的でなかったり、管状の巣材がバラバラになり易く取扱い性が悪いなどという欠点があり、永年、マメコバチの越冬、繁殖に携わり、葦束の取扱いの困難さや、風雨や気温、湿度の自然環境の変化に応じた管理の難しさなどから得られた様々な知見、および飼育する中から得た様々なマメコバチ独特の性質や特性などの情報に基づき、蜂の巣の材質、構造および製造工程上は勿論のこと、その輸送や保管、温・湿度管理の作業性を改善し効率化するための構成につき、更なる改善の可能性を痛感するに至ったものである。
上述したとおり、従前までに提案のある各種マメコバチ用の蜂の巣は、合成樹脂製のものでは営巣率が低いため、この問題を解消しようと様々な天然素材製のものが多数開発済みとなっているが、それらは何れも雨水などの浸透に弱かったり、生産が困難で経済的でなかったり、管状の巣材がバラバラになり易く取扱い性が悪いなどという欠点があり、永年、マメコバチの越冬、繁殖に携わり、葦束の取扱いの困難さや、風雨や気温、湿度の自然環境の変化に応じた管理の難しさなどから得られた様々な知見、および飼育する中から得た様々なマメコバチ独特の性質や特性などの情報に基づき、蜂の巣の材質、構造および製造工程上は勿論のこと、その輸送や保管、温・湿度管理の作業性を改善し効率化するための構成につき、更なる改善の可能性を痛感するに至ったものである。
(考案の目的)
そこで、この考案は、加工、組立などの製造工程を簡素化することができ、営巣率が高く、断熱、防水、防湿などの基本性能に加えて耐久性能にも秀れ、運搬や保管の作業性も改善して効率的にマメコバチ類を越冬、飼育可能とする新たな蜂の巣技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の蜂用越冬巣、およびそれに利用する新規な構造の単位構成板を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
そこで、この考案は、加工、組立などの製造工程を簡素化することができ、営巣率が高く、断熱、防水、防湿などの基本性能に加えて耐久性能にも秀れ、運搬や保管の作業性も改善して効率的にマメコバチ類を越冬、飼育可能とする新たな蜂の巣技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の蜂用越冬巣、およびそれに利用する新規な構造の単位構成板を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(考案の構成)
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の蜂用越冬巣は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした単位構成板に形成し、それら単位構成板の複数枚を上下に重ねる際に、隣接する相互の谷部同士、山部同士の位置が夫々合致するよう規制して積層状となし、それら山部同士の当接代を当接面として閉鎖された断面となる巣孔空間を、それら谷部同士によって多数平行する結束状のものとした構成を要旨とする蜂用越冬巣である。
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の蜂用越冬巣は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした単位構成板に形成し、それら単位構成板の複数枚を上下に重ねる際に、隣接する相互の谷部同士、山部同士の位置が夫々合致するよう規制して積層状となし、それら山部同士の当接代を当接面として閉鎖された断面となる巣孔空間を、それら谷部同士によって多数平行する結束状のものとした構成を要旨とする蜂用越冬巣である。
(関連する考案)
上記した蜂用越冬巣に関連し、この考案には、それに利用する単位構成板も包含している。
即ち、所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした、この考案の基本をなす前記蜂用越冬巣に利用する単位構成板である。
上記した蜂用越冬巣に関連し、この考案には、それに利用する単位構成板も包含している。
即ち、所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした、この考案の基本をなす前記蜂用越冬巣に利用する単位構成板である。
より具体的には、所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面とした上、当該木質平板体の奥行き方向両端面を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部としてなるものとした、この考案の基本をなす前記蜂用越冬巣に利用する単位構成板である。
以上のとおり、この考案の蜂用越冬巣によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、木製の単位構成板を複数枚積層してなるものとしてあり、合成樹脂製の従来型のものに比較してマメコバチの営巣率が格段に高くなり、しかも樹脂製バンドなどで結束状とすることにより、運搬や保管が容易で埃も出ずに衛生的に管理することが可能である上、保温性に秀れているから、巣孔空間中に産卵した卵が、越冬し、春に成虫となって巣立つまで、より確実に保護、管理することが容易になり、マメコバチの繁殖に格段に有利なものになるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
加えて、単位構成板を複数枚重ねる場合に、各表裏配置となる接合代同士を接合するよう重ね合わせるだけで、自動的に当接面間に管路状の巣孔空間が隣接状、且つ平行に配列されたものとなり、巣孔の千鳥状高密度配置を実現化すると共に、蜂用越冬巣の組み立て作業を効率的に行えるものになるという大きな効果を奏することになり、しかも、所定厚寸法の中央に確保した芯材部が、高い強度を確保して不用意な割れや曲がりなどの破損を防止して格段に秀れた耐久強度を達成したものとすることができる上、木質平板体の奥行き方向両端面を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部としてなるものは、当該蜂用越冬巣の各巣孔端開口周辺に下り勾配の蜂用着地部か、または、登り勾配の廂部が形成されるものとし、蜂の着地を容易にすると共に、雨除けや日除けを形成して居住性を高め、一段と営巣率を向上するものになるという効果が得られる。
上記したとおりの構成からなるこの考案の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
単位構成板は、その複数枚を積層状に一体化すると、その当接面間に複数条の巣孔を束ねた状態に形成できるようにする機能を担うものであり、必ず木質平板体の表裏面に複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、表裏の谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面としてなるものとしなければならず、木質平板体の奥行き方向両端面を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部としてなるものとすることができ、木質系であれば特にその素材に左右されるものではないが、経済性や自然環境への配慮などの理由からして廃材、間伐材の活用が望ましく、それらの耐久強度を考慮すると、各凹溝は、木板の年輪(直線状)方向に沿って平行状となるよう刻設したものとすべきであり、その他木質廃棄物のチップや大鋸屑などを圧縮、成形してなるようなものの利用も考えられる。
単位構成板は、その複数枚を積層状に一体化すると、その当接面間に複数条の巣孔を束ねた状態に形成できるようにする機能を担うものであり、必ず木質平板体の表裏面に複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、表裏の谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面としてなるものとしなければならず、木質平板体の奥行き方向両端面を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部としてなるものとすることができ、木質系であれば特にその素材に左右されるものではないが、経済性や自然環境への配慮などの理由からして廃材、間伐材の活用が望ましく、それらの耐久強度を考慮すると、各凹溝は、木板の年輪(直線状)方向に沿って平行状となるよう刻設したものとすべきであり、その他木質廃棄物のチップや大鋸屑などを圧縮、成形してなるようなものの利用も考えられる。
巣孔空間は、繁殖対象となる蜂が営巣に適する管状の空間を形成する機能を担い、例えば、マメコバチの場合には、各内径を5〜10mm望ましくは6〜8mmに設定すべきであり、当接代は、複数枚の単位構成板同士を積層状に重ね合わせる場合の、当接面を形成可能とするものであり、巣孔の高密度配置を考慮すると、巣孔の内径寸法と同等程度の巾寸法に設定したものとするのが望ましく、それらの開口断面形状は、円形か六角形とするのが良いが、場合によっては三角形以上の多角形、例えば五角形や八角形などとすることが可能であって、各凹溝の一方端か、または中途一箇所かの何れかに隔壁を形成し、葦の節を再現可能としたものとすることができる。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の蜂用越冬巣の斜視図、図2の単位構成板の斜視図、図3の単位構成板の正面図、図4の単位構成板の平面図、図5の単位構成板の側面図、図6の蜂用越冬巣の側面図、および、図7の図6中A−Aの断面図に示す事例は、木質平板体3の一面30に複数条の凹溝5を、夫々の凹溝5間に当接代6が確保された平行状に刻設するようにし、同木質平板体3の奥行き方向に直行する縦断面で谷部5と山部6とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面4とする一方、当該木質平板体3の他面31がわは、該木質平板体3一面30の凹凸形当接面4が他面31のそれら谷部5と山部6とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部5には山部6が、山部6には谷部5が夫々対応するよう規制して谷部5と山部6とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面40となした単位構成板2の複数枚を上下に重ねてなるものとした、この考案の蜂用越冬巣における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この考案の蜂用越冬巣1の単位構成板2は、建築廃材や間伐材などの廃棄木材を利用した所定奥行き寸法、所定横幅寸法の平面長方形状であって、所定の板厚寸法に設定した木質平板体3の一面30がわは、その奥行き方向に貫通状であって、上下反転台形状の複数条の凹溝5,5,……を、夫々の凹溝5,5,……間に所定間隔の当接代6,6,……が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体3の奥行き方向に直行する縦断面で谷部5,5,……と山部6,6,……とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面4とする一方、当該木質平板体3の他面31がわは、該木質平板体3の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面30がわの凹凸形当接面4とは、同木質平板体3の軸芯部分32(図3に示す)に所定肉厚とした芯材部33を挟んで、同軸芯32に対称な同一断面形状とするものの、その谷部5,5,……と山部6,6,……とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部5,5,……には山部6,6,……が、山部6,6,……には谷部5,5,……が夫々対応するよう規制して谷部5,5,……と山部6,6,……とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面40となし、単位構成板2は、図2および図5に示すように、その木質平板体3の奥行き方向両端面34,34を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部34,34としてなるものとしてある。
当該蜂用越冬巣1は、それら単位構成板2,2,……の複数枚を上下に重ねる際に、隣接する相互の谷部5,5,……同士、山部6,6,……同士の位置が夫々合致するよう規制して積層状となし、それら山部6,6,……同士の当接代6,6,……を当接面6,6,……として閉鎖された断面となる巣孔空間7,7,……を、それら谷部5,5,……同士によって多数平行する結束状のものとしてなるものであり、例えば、外周壁周囲を樹脂製の結束バンドなどで一纏めに束ねて一個のブロック状の塊に形成したものである。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの考案の蜂用越冬巣1の各単位構成板2,2,……は、建築廃材や間伐材などの廃棄木材を利用しているから、材料に要する経費を不要とするばかりでなく、それら廃棄物の処分や再生処理などが一切不要となり、廃棄物の発生量を大幅に削減できるという効果を奏するものとなり、図1ないし図7に示すように、複数枚の単位構成板2,2,……を積層状に組み合わせ、複数本の巣孔空間7,7,……を断面形千鳥状配置となるよう、高密度に束ねた状態に形成することができるから、従来型の板材積層型の蜂の巣に比較して格段に多数本の巣孔空間7,7,……を密集状に形成可能となり、複数枚の単位構成板2,2,……を概略筐体形状とするよう積層、一体化してなる当該蜂用越冬巣1は、その外郭形状および寸法の大幅な小型、軽量化を達成することができる上、設置スペースの効率化と、搬送作業の労働負担を大幅に軽減できるものになり、しかも木質平板体3の奥行き方向両端面を所定角度に傾斜し、各巣孔空間7,7,……の開口端周辺に蜂用着地・廂部34,34,……を形成してなるものは、蜂の着地が容易で、開口面積が大きく出入りが容易になり、且つ、廂部を形成して風雨雪の浸入を阻止すると共に、強い夏の日差しを遮り、営巣率および越冬率を格段に高めたものとすることができるという秀れた効果が得られる。
以上のとおりの構成からなるこの考案の蜂用越冬巣1の各単位構成板2,2,……は、建築廃材や間伐材などの廃棄木材を利用しているから、材料に要する経費を不要とするばかりでなく、それら廃棄物の処分や再生処理などが一切不要となり、廃棄物の発生量を大幅に削減できるという効果を奏するものとなり、図1ないし図7に示すように、複数枚の単位構成板2,2,……を積層状に組み合わせ、複数本の巣孔空間7,7,……を断面形千鳥状配置となるよう、高密度に束ねた状態に形成することができるから、従来型の板材積層型の蜂の巣に比較して格段に多数本の巣孔空間7,7,……を密集状に形成可能となり、複数枚の単位構成板2,2,……を概略筐体形状とするよう積層、一体化してなる当該蜂用越冬巣1は、その外郭形状および寸法の大幅な小型、軽量化を達成することができる上、設置スペースの効率化と、搬送作業の労働負担を大幅に軽減できるものになり、しかも木質平板体3の奥行き方向両端面を所定角度に傾斜し、各巣孔空間7,7,……の開口端周辺に蜂用着地・廂部34,34,……を形成してなるものは、蜂の着地が容易で、開口面積が大きく出入りが容易になり、且つ、廂部を形成して風雨雪の浸入を阻止すると共に、強い夏の日差しを遮り、営巣率および越冬率を格段に高めたものとすることができるという秀れた効果が得られる。
(結 び)
叙述の如く、この考案の蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの合成樹脂製の蜂の巣技術に比較して蜂の営巣率を格段に高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、巣孔の配置密度を高めて同じ体積スペース内により多く巣孔を形成することが可能となり、蜂の越冬、繁殖に関わる作業性を大幅に改善し得るものとなることから、高齢化に伴って人工授粉作業が困難になっている各種果樹農家や野菜農家は勿論のこと、こうした農家に蜂を供給する養蜂業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
叙述の如く、この考案の蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの合成樹脂製の蜂の巣技術に比較して蜂の営巣率を格段に高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、巣孔の配置密度を高めて同じ体積スペース内により多く巣孔を形成することが可能となり、蜂の越冬、繁殖に関わる作業性を大幅に改善し得るものとなることから、高齢化に伴って人工授粉作業が困難になっている各種果樹農家や野菜農家は勿論のこと、こうした農家に蜂を供給する養蜂業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この考案の蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
蜂用越冬巣を示す斜視図である。
単位構成板を示す斜視図である。
単位構成板を示す正面図である。
単位構成板を示す平面図である。
単位構成板を示す側面図である。
蜂用越冬巣を示す側面図である。
図6中A−Aを示す断面図である。
1 蜂用越冬巣
2 単位構成板
3 木質平板体
30 同 一面
31 同 他面
32 同 軸芯部分
33 同 芯材部
34 同 蜂用着地・廂部(奥行き方向両端面)
4 凹凸形当接面
4お 同 位相凹凸形当接面
5 凹溝(谷部)
6 当接代(山部、当接面)
7 巣孔空間
2 単位構成板
3 木質平板体
30 同 一面
31 同 他面
32 同 軸芯部分
33 同 芯材部
34 同 蜂用着地・廂部(奥行き方向両端面)
4 凹凸形当接面
4お 同 位相凹凸形当接面
5 凹溝(谷部)
6 当接代(山部、当接面)
7 巣孔空間
Claims (9)
- 所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした単位構成板に形成し、それら単位構成板の複数枚を上下に重ねる際に、隣接する相互の谷部同士、山部同士の位置が夫々合致するよう規制して積層状となし、それら山部同士の当接代を当接面として閉鎖された断面となる巣孔空間を、それら谷部同士によって多数平行する結束状のものとしたことを特徴とする蜂用越冬巣。
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が半円形か半楕円形かの何れかに形成され、それらを合わせて形成される巣孔空間の縦断面形を円形か楕円形かの何れかにしてなるものとした、請求項1記載の蜂用越冬巣
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が三角形または転倒三角形かの何れかに形成され、それらを合わせて形成される巣孔空間の縦断面形を四画形にしてなるものとした、請求項1記載の蜂用越冬巣
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が台形または転倒台形かの何れかに形成され、それらを合わせて形成される巣孔空間の縦断面形を六画形にしてなるものとした、請求項1記載の蜂用越冬巣
- 所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面となした、請求項1記載の蜂用越冬巣に利用する単位構成板。
- 所定厚とした木質平板体の一面がわは、その奥行き方向に貫通状であって所定形状とした複数条の凹溝を、夫々の凹溝間に所定間隔の当接代が確保された平行状に刻設、形成するようにし、同木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面で谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される凹凸形当接面とする一方、当該木質平板体の他面がわは、該木質平板体の奥行き方向に直行する縦断面において、前記した一面がわの凹凸形当接面とは、同木質平板体の軸芯部分に所定肉厚とした芯材部を挟んで、同軸芯に対称な同一断面形状とするものの、その谷部と山部とが一畝ずつズレ込み、相互の谷部には山部が、山部には谷部が夫々対応するよう規制して谷部と山部とが整然と並列状に繰り返される位相凹凸形当接面とした上、当該木質平板体の奥行き方向両端面を夫々所定角度に傾斜し、蜂用着地・廂部としてなるものとした、請求項1記載の蜂用越冬巣に利用する単位構成板。
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が半円形か半楕円形かの何れかに形成されてなるものとした、請求項5または6何れか一項記載の蜂用越冬巣に利用する単位構成板。
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が三角形または転倒三角形かの何れかに形成されてなるものとした、請求項5または6何れか一項記載の蜂用越冬巣に利用する単位構成板。。
- 凹凸形当接面および位相凹凸形当接面は、共に夫々の凹溝縦断面形が台形または転倒台形かの何れかに形成されてなるものとした、請求項5または6何れか一項記載の蜂用越冬巣に利用する単位構成板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010005589U JP3163775U (ja) | 2010-08-20 | 2010-08-20 | 蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板 |
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JP2010005589U JP3163775U (ja) | 2010-08-20 | 2010-08-20 | 蜂用越冬巣、およびそれに利用する単位構成板 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111955261A (zh) * | 2020-09-01 | 2020-11-20 | 安徽省农业科学院蚕桑研究所 | 一种诱导蜜蜂授粉增产枇杷的方法 |
CN113080105A (zh) * | 2021-05-20 | 2021-07-09 | 吴晓彬 | 一种脱粉器 |
-
2010
- 2010-08-20 JP JP2010005589U patent/JP3163775U/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111955261A (zh) * | 2020-09-01 | 2020-11-20 | 安徽省农业科学院蚕桑研究所 | 一种诱导蜜蜂授粉增产枇杷的方法 |
CN111955261B (zh) * | 2020-09-01 | 2023-10-03 | 安徽省农业科学院蚕桑研究所 | 一种诱导蜜蜂授粉增产枇杷的方法 |
CN113080105A (zh) * | 2021-05-20 | 2021-07-09 | 吴晓彬 | 一种脱粉器 |
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