JP3163545U - 立旋盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性の向上を図り、切り込み量を増やした重切削加工を可能とする立旋盤を提供する。【解決手段】立旋盤1では、コラム部10とクロスレール部11とを一体に設け、接合部数の削減を図るとともに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとからなるコーナ部4aに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとに亘って、クロスレール部11の上面後方側端部11dとコラム部10の上面後方側端部10iとを跨ぐリブ部12を設け、更に、このリブ部12をコラム部10の他の壁部10dよりも厚肉に設けて、コラム4の剛性を高めている。立旋盤1は、コラム4の高剛性化を図ったことにより、切削加工の際に、加工反力Fが付加されてコラム4の上端部に曲げモーメントMが発生しても、クロスレール部11が背面11b側へ反り返るように変形することを防止することができる。【選択図】図4
Description
本考案は、剛性の向上を図り、従来より切り込み量を増やした重切削加工を可能にした立旋盤に関する。
従来より、特許文献1に示すような、工作物に鉛直方向の回転軸を中心とする回転運動を与えるとともに、切削工具に送り運動を与えることで、工作物を所定の形状に切削加工する立旋盤が広く普及している。このような立旋盤では、荒加工時などの工作物を一度に大きな切り込み量で切削加工する重切削加工等を行う場合に、加工時の加工力に応じて工作物から加工反力を受け、コラムが後方へ反り返るように変形したり、切削工具が振動する。このような変形及び振動は、加工物の加工精度に影響を与える。
したがって、従来よりも切り込み量を増やした重切削加工を行うには、工作物を回転させるモーター容量を大きくすることに加え、この変形及び振動を低減する必要がある。変形及び振動を低減するには、モーター容量が大きくなるのに応じて、従来よりも構成部品のそれぞれの肉厚を一様に厚くして剛性を高める方法がある。しかしながら、この方法では、大形化や重量化を招き、更には、コストも上昇するため好ましくない。
本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大形化や重量化を招くことなく、剛性の向上を図り、従来よりも切り込み量を増やした重切削加工を可能にした立旋盤を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本考案に係る立旋盤は、ベッドと、上記ベッド上の前方に回転自在に設けられ、保持した工作物を回転させる回転テーブルと、上記ベッド上の後方に固定されたコラムと、上記コラムの前面に水平方向に移動可能に支持されたX軸用スライドテーブルと、上記X軸用スライドテーブルの前面に鉛直方向に移動可能に支持されたZ軸用スライドテーブルと、上記Z軸用スライドテーブルの前面下方に配設され、上記工作物を切削する切削工具が上記コラムの前方の上記回転テーブ上に位置するように取り付けられる刃物台とを備え、上記コラムは、中空部を有するとともに、上記ベッドに固定されるフランジ部が形成されたコラム部と、上記コラム部の上面の前方に該コラム部と一体に設けられ、前面に上記X軸用スライドテーブルを水平方向に移動可能に支持するクロスレール部と、上記クロスレール部の背面と上記コラム部の上面とからなるコーナ部に、該クロスレール部の上面後方側端部と該コラム部の上面後方側端部とに跨って、互いに離間して形成されたリブ部とを有し、上記リブ部及び上記フランジ部は、上記コラム部の他の壁部よりも厚肉に形成さている。
本考案に係る立旋盤によれば、コラム部とクロスレール部とを一体に設け、接合部数の削減を図るとともに、クロスレール部の背面とコラム部の上面とからなるコーナ部に、クロスレール部の背面とコラム部の上面とに亘って、クロスレール部の上面後方側端部とコラム部の上面後方側端部とを繋ぐリブ部を設け、更に、このリブ部をコラム部の他の壁部よりも厚肉に設けて、コラムの高剛性化を図ることにより、切削加工の際に、加工反力が付加されてコラムの上端部に曲げモーメントが発生しても、クロスレール部が背面側へ反り返るように変形することを防止することができる。
また、本考案に係る立旋盤によれば、ベッド及びコラムの接合部となるコラムのフランジ部をコラム部の他の壁部よりも厚肉に設けて、ベッド及びコラムの接合部の高剛性化を図ったことにより、切削加工の際に、加工反力が付加されてコラムの上端部に曲げモーメントが発生しても、ベッド及びコラムの接合部の変形を防止することができ、ベッドとコラムとの接合状態を維持することができる。
更に、本考案に係る立旋盤によれば、コラムの高剛性化を図るとともに、ベッド及びコラムの接合部の高剛性化を図ったことにより、コラム及び接合部の振動吸収性が向上し、切削加工の際に発生する振動を吸収することができる。よって、本考案に係る立旋盤によれば、従来よりも切り込み量を増やした重切削加工を行うことができる。更に、本考案に係る立旋盤によれば、コラムの肉厚を一様に厚くするものよりも小型化や軽量化を図ることができる。
以下、本考案が適用された立旋盤について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下、本考案が適用された立旋盤1について、下記の順番で説明を行う。
1 立旋盤の構成
2 立旋盤の動作
3 立旋盤の作用効果
4 立旋盤の変形例
2 立旋盤の動作
3 立旋盤の作用効果
4 立旋盤の変形例
<1 立旋盤の構成>
本考案が適用された立旋盤1は、主に1度に大きな切り込み量で切削加工する重切削加工を行う荒加工専用機である。具体的に、立旋盤1は、図1に示すように、床面に据え付けられるベッド2と、ベッド2上の前方に回転自在に設けられ、保持した工作物を回転させる回転テーブル3と、ベッド2上の後方に固定されたコラム4と、コラム4の前面に水平方向に移動可能に支持されたX軸用スライドテーブル5と、X軸用スライドテーブル5の前面5aに鉛直方向に移動可能に支持されたZ軸用スライドテーブル6と、Z軸用スライドテーブル6の前面6aの下方に配設され、工作物を切削する切削工具が取り付けられる刃物台7とを備えている。
本考案が適用された立旋盤1は、主に1度に大きな切り込み量で切削加工する重切削加工を行う荒加工専用機である。具体的に、立旋盤1は、図1に示すように、床面に据え付けられるベッド2と、ベッド2上の前方に回転自在に設けられ、保持した工作物を回転させる回転テーブル3と、ベッド2上の後方に固定されたコラム4と、コラム4の前面に水平方向に移動可能に支持されたX軸用スライドテーブル5と、X軸用スライドテーブル5の前面5aに鉛直方向に移動可能に支持されたZ軸用スライドテーブル6と、Z軸用スライドテーブル6の前面6aの下方に配設され、工作物を切削する切削工具が取り付けられる刃物台7とを備えている。
なお、以下、鉛直方向をZ軸方向とし、水平方向のうちの、図2中の左右方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とする。
床面に据え付けられるベッド2は、図1に示すように、略矩形箱状に形成されている。ベッド2は、鋳造によって形成された鋳物であり、軽量化及び低コスト化のために、内部に中空部を設け、所定の肉厚で形成されている。なお、ベッド2の壁部は、40mmの厚さを有するように設けられている。中空部内には、高剛性化のために、格子状、V字状、対角状等のリブ部材が形成されており、これらのリブ部材によりトラス構造となっている。
ベッド2の上面2aの前方には、図1に示すように、回転テーブル3が配設されている。回転テーブル3は、上面が水平となり、鉛直方向の回転軸を中心として回転するように、ベッド2に回転自在に支持されている。ベッド2に回転自在に支持されている回転テーブル3は、略円形状に形成されている。回転テーブル3の上面には、切削加工が行われる工作物を保持するチャック部8が設けられている。チャック部8は、回転テーブル3の回転軸を中心として放射状に設けられた案内溝と、この案内溝に摺動自在に設けられたチャック爪とからなる。このようなチャック部8は、回転テーブル3上に工作物が置かれると、複数のチャック爪にて工作物の側面に係合して工作物を保持する。
また、回転テーブル3を回転自在に支持するベッド2の背面2bには、図2に示すように、回転テーブル3を回転する主軸駆動機構である主軸用サーボモータ9が配設されている。主軸用サーボモータ9の駆動力は、主軸用無端ベルト9aからベッド2の背面2b側に設けられた主軸用プーリ9bに伝達されて、主軸用プーリ9bからベッド2の中空部に設けられた複数の歯車からなる動力伝達部を介して、回転テーブル3に伝達される。なお、主軸用サーボモータ9は、ベッド2とは別置形のものであってもよい。
コラム4は、図1及び図3に示すように、略コの字状の門形に形成され、ベッド2の上面2aの後方に配設されている。コラム4は、鋳造によって形成された鋳物であり、図4に示すように、コラム部10と、コラム部10の上面10aの前方にコラム部10と一体に設けられ、X軸方向に延設されたクロスレール部11と、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aからなるコーナ部4aに設けられたリブ部12とを有する。
コラム部10は、図4に示すように、軽量化及び低コスト化のために、内部に中空部10bを有し、所定の肉厚で形成されている。コラム部10の中空部10b側の内壁面には、高剛性化のために、所定の肉厚で、鉛直方向に設けられた縦リブと水平方向に設けられた横リブとからなる格子状の内壁補強リブ部10cが形成されている。具体的に、コラム部10の壁部10dは、40mmの厚さを有し、内壁補強リブ部10cは、30mmの厚さを有するように設けられている。
また、コラム部10の下面10eには、図1に示すように、外側に延出されたフランジ部10fが形成されている。フランジ部10fは、ベッド2との接合部であり、ボルト13によってベッド2のコラム接合部2cに締結されることで、コラム4をベッド2に固定する。なお、フランジ部10f及びコラム接合部2cは、それぞれ、65mmの厚さを有するように設けられている。
コラム部10に一体に設けられたクロスレール部11は、図4に示すように、コラム部10の上面10aの前方に、クロスレール部11の前面11aがコラム部10の前面10gよりも前方側に突出して、X軸方向に延設されている。これにより、切削工具は、コラム4からより前方に離間した位置に設けることができる。よって、ベッド2上には、直径の大きな回転テーブル3を搭載することができる。コラム4のクロスレール部11の前面11aには、図1及び図3に示すように、X軸方向に平行する上下2本のX軸用リニアガイド14,14が延設されている。X軸用リニアガイド14は、リニアレールと、このリニアレールに螺合されたスライドブロックとからなる。リニアレールは、クロスレール部11の前面11aにボルトで締結されて固定されている。リニアレールに螺合されたスライドブロックは、X軸用スライドテーブル5にボルトで締結されて固定されている。このようなX軸用リニアガイド14,14は、X軸用スライドテーブル5をX軸方向に移動可能に支持する。
クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aからなるコーナ部4aに設けられたリブ部12は、図2及び図4に示すように、所定の肉厚を有し、X軸方向に所定の間隔を設けて複数個形成されている。リブ部12は、クロスレール部11の上面11c及び背面11bからなる上面後方側端部11dと、コラム部10の上面10a及び背面10hからなる上面後方側端部10iとを跨ぐような形状を有し、クロスレール部11の背面11b及びコラム部10の上面10aに一体に形成されている。すなわち、リブ部12は、クロスレール部11の背面11bの一部とコラム部10の上面10aの一部とに亘って形成されるのではなく、クロスレール部11の背面11bの全体とコラム部10の上面10aの全体とに亘って形成される。具体的に、リブ部12は、クロスレール部11の上面11cと面一となる第1の面12aと、この第1の面12a及びコラム部10の上面後方側端部10iを跨ぐ傾斜した傾斜面12bとからなる。リブ部12は、これに限定されるものではなく、クロスレール部11の背面11bの全体とコラム部10の上面10aの全体とに亘って形成されるものであれば、上面11cと面一となる面及び背面10hと面一となる面とからなる断面略矩形状や、傾斜面のみからなる三角状のものでもよい。なお、リブ部12は、65mmの厚さを有するように設けられている。
X軸用リニアガイド14,14によりX軸方向に移動可能に支持されているX軸用スライドテーブル5は、図1及び図3に示すように、Z軸方向に長い略矩形板状に形成されている。X軸用スライドテーブル5は、X軸方向駆動機構15によって、X軸方向に駆動される。X軸用スライドテーブル5をX軸方向に駆動するX軸方向駆動機構15は、クロスレール部11の前面11aに、X軸用リニアガイド14,14に挟まれるようにX軸方向に平行して延設されている。X軸方向駆動機構15は、X軸用サーボモータ16と、X軸用ボールねじ17とからなる。
X軸用サーボモータ16は、正転及び逆転可能とされ、図1及び図3に示すように、クロスレール部11のX軸方向の一側面に配設されている。X軸用サーボモータ16の出力軸は、減速機構を介してX軸用ボールねじ17に連結されている。X軸用サーボモータ16に連結されたX軸用ボールねじ17は、クロスレール部11の前面11aに、X軸用リニアガイド14,14に挟まれるようにX軸方向に平行して延設されている。X軸用ボールねじ17は、ネジ軸と、このネジ軸に螺合するナット部とからなる。ネジ軸は、両端近傍が軸受等の支持部材で回転自在に支持されている。ネジ軸に螺合するナット部は、X軸用スライドテーブル5の裏面に形成された係合部材にボルト等で締結されて固定されている。このようなX軸用サーボモータ16は、X軸用ボールねじ17を正転又は逆転することで、X軸用スライドテーブル5を、X軸方向の一方又は他方に駆動する。
また、X軸用スライドテーブル5の前面5aには、図1及び図3に示すように、Z軸方向に平行する左右2本のZ軸用リニアガイド18,18が延設されている。Z軸用リニアガイド18は、リニアレールと、このリニアレールに螺合されたスライドブロックとからなる。リニアレールは、X軸用スライドテーブル5の前面5aにボルトで締結されて固定されている。リニアレールに螺合されたスライドブロックは、Z軸用スライドテーブル6にボルトで締結されて固定されている。このようなZ軸用リニアガイド18,18は、Z軸用スライドテーブル6をZ軸方向に移動可能に支持する。
Z軸用リニアガイド18,18によりZ軸方向に移動可能に支持されているZ軸用スライドテーブル6は、図1及び図3に示すように、X軸用スライドテーブル5よりもZ軸方向にやや長い略矩形箱状に形成されている。Z軸用スライドテーブル6は、Z軸方向駆動機構19によって、Z軸方向に駆動される。Z軸用スライドテーブル6をZ軸方向に駆動するZ軸方向駆動機構19は、X軸用スライドテーブル5の前面5aに、Z軸用リニアガイド18,18に挟まれるようにZ軸方向に平行して延設されている。Z軸方向駆動機構19は、Z軸用サーボモータ20と、Z軸用ボールねじ21とからなる。
Z軸用サーボモータ20は、正転及び逆転可能とされ、図1及び図3に示すように、X軸用スライドテーブル5の上端面5bに配設されている。Z軸用サーボモータ20の出力軸は、減速機構を介してZ軸用ボールねじ21に連結されている。Z軸用サーボモータ20に連結されたZ軸用ボールねじ21は、X軸用スライドテーブル5の前面5aに、Z軸用リニアガイド18,18に挟まれるようにZ軸方向に平行して延設されている。Z軸用ボールねじ19は、ネジ軸と、このネジ軸に螺合するナット部とからなる。ネジ軸は、両端近傍が軸受等で回転自在に支持されている。ネジ軸に螺合するナット部は、Z軸用スライドテーブル6の裏面に形成された係合部材にボルト等で締結されて固定されている。このようなZ軸用サーボモータ20は、Z軸用ボールねじ21を正転又は逆転することで、Z軸用スライドテーブル6を、Z軸方向の一方又は他方に駆動する。
また、Z軸用スライドテーブル6の前面6aの下方には、図1及び図3に示すように、刃物台7が配設されている。刃物台7には、工作物を切削するためのバイトやドリル等の切削工具が取り付けられる。このような刃物台7は、略矩形箱状に形成され、Z軸用スライドテーブル6の前面6aと工作物との接触を回避するために、下面7aがZ軸用スライドテーブル6の下端部6bより下方に突出するように形成されている。刃物台7は、取り付けられる切削工具がコラム4より前方の回転テーブル3上に位置するように、設けられている。
以上のような立旋盤1は、具体的に、下記に示すような仕様で形成されている。
・加工能力
最大旋削外径: 1600mm
最大旋削高さ: 400mm
最大スイング: 1600mm
最大加工物質量: 3000kg
最大切削力: 6000N
最大トルク: 36000N・m
・ヘッド(X軸用スライドテーブル5、Z軸用スライドテーブル6、刃物台7)
ヘッド上下(Z軸)移動量: 450mm
ヘッド最下位置(回転テーブル3上面より): 250mm
ヘッド左右(X軸)移動量: 1000mm
取り付け得るバイトの大きさ: 50×50mm
・回転テーブル3
直径: 1250mm
回転速度: 1〜100rpm
・送り
早送り速度(X軸、Z軸): 8000mm/rev
・電動機
主電動機: AC55/45kw
送り用(X軸、Z軸): ACサーボモータ 7.0kw
・電源
電源: 200/220V
操作回路: AC200/DC24
電源容量: 400A
・機械の大きさ
最大高さ: 3500mm
所要床面積: 3000×2500mm
機械の質量: 15000kg
最大旋削外径: 1600mm
最大旋削高さ: 400mm
最大スイング: 1600mm
最大加工物質量: 3000kg
最大切削力: 6000N
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・回転テーブル3
直径: 1250mm
回転速度: 1〜100rpm
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・電動機
主電動機: AC55/45kw
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・電源
電源: 200/220V
操作回路: AC200/DC24
電源容量: 400A
・機械の大きさ
最大高さ: 3500mm
所要床面積: 3000×2500mm
機械の質量: 15000kg
<2 立旋盤の動作>
次に、以上のような構成を有する立旋盤1の動作について説明する。ここでは、立旋盤1を用いて、工作物の面削りを行う際の動作について説明する。
次に、以上のような構成を有する立旋盤1の動作について説明する。ここでは、立旋盤1を用いて、工作物の面削りを行う際の動作について説明する。
先ず、切削加工の対象となる工作物が、回転テーブル3上に配置され、回転テーブル3のチャック部8によって保持される。次いで、バイト等の切削工具が、刃物台7に取り付けられる。次いで、工作物が、主軸用サーボモータ9により駆動された回転テーブル3によって、Z軸方向の回転軸を中心に回転される。次いで、Z軸用スライドテーブル6が、Z軸方向駆動機構19により駆動されてZ軸方向の所定の切り込み量の分だけ下方に移動される。次いで、X軸用スライドテーブル5が、X軸方向駆動機構15により駆動されて、X軸方向の一方に移動される。そして、刃物台7に取り付けられた切削工具の刃先が、回転している工作物の端面に当たって、切削加工を行う。
なお、上述したような面削りを行うことの他に、外丸削り、中ぐり等の各種の加工を行うことができる。
以上のような本考案が適用された立旋盤1は、例えば、材質が機械構造用炭素鋼鋼材S45Cからなり直径800mmの工作物を、回転テーブル3の周速度170m/min、X軸方向の送り速度0.6mm/revの切削条件で、重切削加工を行ったときに、1度で20mmの切り込み量までビビりもなく切削加工することができた。したがって、本考案が適用された立旋盤1では、従来の同サイズの立旋盤では20mm切り込むのに5mmの切り込み量で4回行っていたものが、1度で切削加工することができた。更に、これにより、加工時間の短縮を図ることもできた。
<3 立旋盤の作用効果>
本考案が適用された立旋盤1は、直径が大きな工作物を従来よりも一度に大きな切り込み量で切削加工するために、回転テーブル3上に設けられた切削工具からコラム4を離間させ、工作物に従来よりも大きな加工力を付与しようとしている。したがって、加工時に付与した加工力に応じて図4中の矢印Fに示すような工作物から付与された加工反力Fと、切削工具及びコラム4の離間した距離とに比例して、図4中の矢印Mに示すようなコラム4の上端部に発生してコラム4を後方へ反り返るように変形させる曲げモーメントMが大きくなる。本考案が適用された立旋盤1では、コラム部10とクロスレール部11とを一体に設け、接合部数の削減を図るとともに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとからなるコーナ部4aに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとに亘って、クロスレール部11の上面後方側端部11dとコラム部10の上面後方側端部10iとを跨ぐリブ部12を設け、更に、このリブ部12をコラム部10の他の壁部10dよりも厚肉に設けて、コラム4の剛性を高めている。
本考案が適用された立旋盤1は、直径が大きな工作物を従来よりも一度に大きな切り込み量で切削加工するために、回転テーブル3上に設けられた切削工具からコラム4を離間させ、工作物に従来よりも大きな加工力を付与しようとしている。したがって、加工時に付与した加工力に応じて図4中の矢印Fに示すような工作物から付与された加工反力Fと、切削工具及びコラム4の離間した距離とに比例して、図4中の矢印Mに示すようなコラム4の上端部に発生してコラム4を後方へ反り返るように変形させる曲げモーメントMが大きくなる。本考案が適用された立旋盤1では、コラム部10とクロスレール部11とを一体に設け、接合部数の削減を図るとともに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとからなるコーナ部4aに、クロスレール部11の背面11bとコラム部10の上面10aとに亘って、クロスレール部11の上面後方側端部11dとコラム部10の上面後方側端部10iとを跨ぐリブ部12を設け、更に、このリブ部12をコラム部10の他の壁部10dよりも厚肉に設けて、コラム4の剛性を高めている。
したがって、本考案が適用された立旋盤1は、コラム4の高剛性化を図ったことにより、切削加工の際に、図4中の矢印Fに示すような加工反力Fが付加されてコラム4の上端部に図4中の矢印Mに示すような曲げモーメントMが発生しても、クロスレール部11が背面11b側へ反り返るように変形することを防止することができる。
また、本考案が適用された立旋盤1は、ベッド2及びコラム4の接合部となるコラム4のフランジ部10fをコラム部10の他の壁部10dよりも厚肉に設けて、ベッド2及びコラム4の接合部の高剛性化を図ったことにより、切削加工の際に、図4中の矢印Fに示すような加工反力Fが付加されてコラム4の上端部に図4中の矢印Mに示すような曲げモーメントMが発生しても、ベッド2及びコラム4の接合部の変形を防止することができ、ベッド2とコラム4との接合状態を維持することができる。
更に、本考案が適用された立旋盤1は、コラム4の高剛性化を図るとともに、ベッド2及びコラム4の接合部の高剛性化を図ったことにより、コラム4及び接合部の振動吸収性が向上し、切削加工の際に発生する振動を吸収することができる。
よって、本考案が適用された立旋盤1は、従来よりも切り込み量を増やした重切削加工を行うことができる。更に、本考案が適用された立旋盤1は、コラム4の肉厚を一様に厚くするものよりも小型化や軽量化を図ることができる。
<4 立旋盤の変形例>
なお、本考案が適用された立旋盤1は、複数のマガジンにそれぞれ切削工具を保持するとともに、指令に応じて切削工具を選択してZ軸用スライドテーブル6の刃物台7に自動着脱する自動工具交換機構を備えるようなものでもよい。
なお、本考案が適用された立旋盤1は、複数のマガジンにそれぞれ切削工具を保持するとともに、指令に応じて切削工具を選択してZ軸用スライドテーブル6の刃物台7に自動着脱する自動工具交換機構を備えるようなものでもよい。
更に、本考案が適用された立旋盤1は、コラム4の壁部10dの厚さを40mm、コラム部10のリブ部12の厚さを65mm、フランジ部10fを65mmに設けることに限定されるものではない。本考案が適用された立旋盤1は、リブ部12及びフランジ部10fの厚さをコラム4の他の壁部10dよりも厚肉に設け、コラム4の肉厚を一様に厚くするものよりも大型化や重量化を招くことなく、コラム4の剛性を高めることができ、従来よりも切り込み量を増やした重切削加工を行うことができるものであればよい。
1 立旋盤、2 ベッド、2a 上面、2b 背面、2c コラム接合部、3 回転テーブル、4 コラム、4a コーナ部、5 X軸用スライドテーブル、5a 前面、5b 上端面、6 Z軸用スライドテーブル、6a 前面、6b 下端部、7 刃物台、7a 下面、8 チャック部、9 主軸用サーボモータ、9a 主軸用無端ベルト、9b 主軸用プーリ、10 コラム部、10a 上面、10b 中空部、10c 内壁補強リブ部、10d 壁部、10e 下面、10f フランジ部、10g 前面、10h 背面、10i 上面後方端部、11 クロスレール部、11a 前面、11b 背面、11c 上面、11d 上面後方端部、12 リブ部、13 ボルト、14 X軸用リニアガイド、15 X軸方向駆動機構、16 X軸用サーボモータ、17 X軸用ボールねじ、18 Z軸用リニアガイド、19 Z軸方向駆動機構、20 Z軸用サーボモータ、21 Z軸用ボールねじ
Claims (3)
- ベッドと、
上記ベッド上の前方に回転自在に設けられ、保持した工作物を回転させる回転テーブルと、
上記ベッド上の後方に固定されたコラムと、
上記コラムの前面に水平方向に移動可能に支持されたX軸用スライドテーブルと、
上記X軸用スライドテーブルの前面に鉛直方向に移動可能に支持されたZ軸用スライドテーブルと、
上記Z軸用スライドテーブルの前面の下方に配設され、上記工作物を切削する切削工具が上記コラムの前方の上記回転テーブ上に位置するように取り付けられる刃物台とを備え、
上記コラムは、
中空部を有するとともに、上記ベッドに固定されるフランジ部が形成されたコラム部と、
上記コラム部の上面の前方に該コラム部と一体に設けられ、前面に上記X軸用スライドテーブルを水平方向に移動可能に支持するクロスレール部と、
上記クロスレール部の背面と上記コラム部の上面とからなるコーナ部に、該クロスレール部の上面後方側端部と該コラム部の上面後方側端部とに跨って、互いに離間して形成されたリブ部とを有し、
上記リブ部及び上記フランジ部は、上記コラム部の他の壁部よりも厚肉に形成さている立旋盤。 - 上記クロスレール部は、上記コラム部の上面の前方に、上記コラム部の前面より前方側に突出して設けられている請求項1記載の立旋盤。
- 上記コラム部の壁部の厚さは、40mmであり、
上記フランジ部の厚さは、65mmであり、
上記リブ部の厚さは、65mmである請求項1又は請求項2記載の立旋盤。
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JP2010005283U JP3163545U (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 立旋盤 |
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---|---|---|---|---|
CN107971503A (zh) * | 2017-12-21 | 2018-05-01 | 温岭市大众精密机械有限公司 | 一种数控动柱立式车床 |
WO2023097545A1 (zh) * | 2021-12-01 | 2023-06-08 | 爱佩仪测量设备有限公司 | 超轻型五轴铣削机 |
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2010
- 2010-08-06 JP JP2010005283U patent/JP3163545U/ja not_active Expired - Fee Related
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