JP3163191B2 - 石膏硬化体の製造方法 - Google Patents

石膏硬化体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半水石膏とアルカリ性
シリカゾルから石膏硬化体を製造する石膏硬化体の製造
方法に係り、とくに、アルカリ性シリカゾルのゲル化を
防止し、より高濃度のアルカリ性シリカゾルの使用を可
能とするものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半水石膏はその水和硬化性を
利用して建設用材、型材料、医療用材料等の原料として
幅広く使用されている。
【0003】このような石膏硬化体の機械的強度の改
善、耐水性の向上、その他様々な物性の改善を目的とし
て、種々の方法が提案されている。たとえば、特公昭5
6−22823公報、特開昭54−41933号公報、
特開昭54−25932号公報等には、石膏硬化体の機
械的強度等の改善を目的として、水性シリカゾル溶液と
半水石膏を水和、硬化させる方法が示されている。
【0004】しかしながら、上記公報にも示されている
ように、アルカリ性シリカゾルを半水石膏に混合する
と、著しいゲル化が起きるため、そのままでは、混合、
流し込みができず、所定の形状が得られない。このた
め、半水石膏と混和する際に生ずるアルカリ性シリカゾ
ルのゲル化現象を回避するために、アルカリ性シリカゾ
ルを水で希釈して、たとえばシリカ濃度を15%程度以
下として使用したり、あるいは、シリカゾル中のアルカ
リ金属をイオン交換法によって極端に減らし、酸性領域
で安定化させた酸性シリカゾルを用いることが必要とさ
れている。
【0005】なお、アルカリ性シリカゾルの著しいゲル
化は、コロイドとして水中で電気的に安定化させたシリ
カ粒子に対し、半水石膏の水和に伴って放出されるCa
2+イオンが作用する為に生ずる現象である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリカゾルと半水石膏
から高強度の石膏硬化体を得るには、シリカゾルの濃度
が高い状態で半水石膏の水和に必要な水量が確保され、
かつ混合物の分離が起きない最少量のシリカゾルが添加
されることが望ましい。理想的には、シリカゾルを添加
せずとも、半水石膏の水和に必要な水量のみで混合・流
し込みが行われる場合に、より高強度の硬化体を得るこ
とができると考えられるが、実際には、標準混水量の小
さいα型半水石膏を使用した場合でも流動性の低下は避
けられず、水/半水石膏比は極端には下げられない。
【0007】シリカゾルを用いると、混合時の材料の流
動性を高くすることが可能であることから、シリカ固形
分を増加させた分だけ水の添加量を実質的に減らせるこ
とは容易に推測できるが、高濃度のアルカリ性シリカゾ
ルを用いた場合は、半水石膏との混和により、アルカリ
性シリカゾル自体が重合してゲル化するため、均一な混
合物の製造は期待できない。しかしながら、前に述べた
ように、高濃度のシリカゾルが使用できれば、石膏硬化
体の強度を飛躍的に向上させることが可能であることか
ら、より高濃度のアルカリ性シリカゾルを用いて石膏硬
化体を得る方法がかねてから望まれてきた。
【0008】また、pHが7以下の酸性シリカゾルを使
用した場合、酸性物質である半水石膏とではゲル化を起
こすことなく、混和可能であることが知られている。し
かしながら、酸性領域でシリカゾルを安定化させるに
は、イオン交換法によってシリカゾルに含まれるアルカ
リ金属を極端に減少させる必要性があり、これには多く
の工程とエネルギーが必要であるため、高濃度の酸性シ
リカゾルを得るには非常に大きな困難を要する。
【0009】その一方で、アルカリ性シリカゾルの製造
では、このような工程を簡略化することができるため、
高濃度のものでも割合容易に得ることができる。したが
って、半水石膏との混和によるゲル化を起こさないよう
にできれば、高強度の石膏硬化体の製造には好都合であ
る。
【0010】本発明は、この様な点に鑑みなされたもの
で、半水石膏とアルカリ性シリカゾルを混合する際の、
アルカリ性シリカゾルのゲル化を防止して、より高濃度
のアルカリ性シリカゾルの使用を可能とし、これによっ
て、高強度の石膏硬化体を製造しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述したような観点か
ら、本発明者らは、半水石膏と混和する際に生ずるアル
カリ性シリカゾルのゲル化現象について鋭意研究を重ね
た結果、燐酸分すなわち燐酸あるいは燐酸塩を添加する
ことでゲル化を防止することが可能であることを見いだ
した。
【0012】さらに、この燐酸分の添加は、他の酸分の
添加では得られない石膏硬化体の特異な高強度化をもた
らすことも発見し、とくに、燐酸分のうち正燐酸および
/または正燐酸塩の添加については、石膏に対する添加
量と高強度化の効果との関係を解明し、実用化が可能と
なった。
【0013】すなわち、本発明の石膏硬化体の製造方法
は、半水石膏に、アルカリ性シリカゾルと、燐酸および
/または燐酸塩を混和するものである。
【0014】そして、石膏硬化体の製造に際して、α型
半水石膏を用いる場合、このα型半水石膏に対し、0.
005重量%以上好ましくは0.01〜3.0重量%の
正燐酸(HPO)、またはこの正燐酸と等モルの正
燐酸塩あるいは正燐酸と正燐酸塩の混合物をアルカリ性
シリカゾルに添加したものを混和するものである。
【0015】また、石膏硬化体の製造に際して、β型半
水石膏を用いる場合、β型半水石膏に対し、0.01重
量%以上好ましくは0.05〜5.0重量%の正燐酸
(HPO)、またはこの正燐酸と等モルの正燐酸塩
あるいは正燐酸と正燐酸塩の混合物をアルカリ性シリカ
ゾルに添加したものを混和するものである。
【0016】つぎに、使用する材料について説明する。 燐酸分 アルカリ性シリカゾルと半水石膏とを混合する際に生ず
るゲル化現象は、燐酸分の添加によって防止することが
可能である。正燐酸(組成式 HPO)は、燐酸分
としては最も単純かつ安価な点で好ましく用いられる
が、他の燐酸あるいは燐酸塩も使用することができ、た
とえば、正燐酸のアルカリ中和塩であるNaPO
NaHPO、NaHPO、(NHPO
や、トリポリ燐酸塩あるいはメタ燐酸塩等の縮合燐酸塩
を使用することも可能である。これらの燐酸分は、半水
石膏とアルカリ性シリカゾルとを混和する前に、アルカ
リ性シリカゾルに添加しておけばよい。
【0017】そして、ゲル化現象の防止だけでなく、石
膏硬化体の高強度化を望む場合には、添加量と高強度化
の効果との関係が解明され、安定した効果が得られるの
で、正燐酸および/または正燐酸塩の添加が望ましい。
【0018】石膏硬化体の高強度化を目的とするとき
の、正燐酸や正燐酸塩の添加量は、半水石膏の種類やこ
れに含まれる不純物の形態および量、アルカリ性シリカ
ゾルの濃度や量に応じて増減する必要があるが、α型半
水石膏の場合、正燐酸を0.005重量%以上、好まし
くは0.01〜3.0重量%、β型半水石膏の場合、正
燐酸を0.01重量%以上好ましくは0.05〜5.0
重量%添加すると、半水石膏と混合した際のシリカゾル
のゲル化を防止するだけでなく、石膏硬化体の強度が極
めて高くなる。
【0019】また、α型半水石膏、β型半水石膏のそれ
ぞれにおいて、粉末度を調整して使用する場合がある
が、粉砕によって半水石膏とアルカリ性シリカゾルの混
合時のゲル化現象は促進される傾向にあるが、粉末度を
高めたものを使用する場合には、燐酸分の添加量を増加
させることで調整が可能である。
【0020】また、正燐酸の代りに正燐酸塩を用いる場
合あるいは正燐酸と正燐酸塩の混合物を用いる場合、モ
ル比換算で等モルとなるように増量することで、正燐酸
と同様に石膏硬化体の高強度化の効果を得ることが可能
であるが、NaPOや(NHPOのように
水溶液のpHが高いものもは、モル比で1/5程度に減
らす必要がある。なお、シリカゾルのゲル化を防止する
だけであれば、添加量は極めて少なくてよく、上述した
値の1/5程度でも効果がある。
【0021】アルカリ性シリカゾル アルカリ性シリカゾルは、ゾル液中の含有シリカが2〜
50重量%であるものが市販されており、これらがその
まま使用できるが、低濃度ものは、水の添加量を実質的
に減らすことにはならない。
【0022】半水石膏 半水石膏には、α型及びβ型があり、このうちα型半水
石膏は低混水量で混和が可能であるため、より高強度の
石膏硬化体を製造するためには好ましい特性を有する。
しかし、β型半水石膏においても、従来から知られてい
るように、シリカゾルの添加により半水石膏と水の混和
物の流動性を著しく高めることができ、これによって、
水添加量の削減が可能であるため、高強度の石膏硬化体
の製造は可能である。したがって、用途に応じて選択し
て使用することが可能である。
【0023】さらに、半水石膏と類似した特性を持つも
のに、III型無水石膏があり、これは可溶性無水石膏
と呼ばれるように著しい水和活性度を有する。また、特
にβ型半水石膏に類似した特性を有することが知られて
いる。したがって、III型無水石膏も半水石膏と同様
に使用することができる。また、これらの石膏は、単体
あるいは混合して使用することが可能であり、望まれる
特性に応じて任意に選択して使用することができる。
【0024】また、半水石膏の粉末度は、低いブレーン
値の半水石膏が混和時の水添加量及びアルカリ性シリカ
ゾルの添加量を削減することが可能である点で好ましい
が、特に限定されるものではない。半水石膏は、製造由
来に応じた各種の不純物を含有し、不純物の形態によっ
てもアルカリ性シリカゾルのゲル化状態、半水石膏の凝
結速度が変化するが、この場合には燐酸分の添加量を変
えることで調整が可能である。たとえば、各種の半水石
膏において、粉末度の大きいもの、凝結時間の短いもの
は、混合物のゲル化が促進さるため、燐酸分の添加量を
増加させて調整を行ない、粉末度の小さいもの、凝結時
間の長いものは、燐酸分の添加量を削減することで調整
を行なう。
【0025】混和剤 石膏硬化体の補強、軽量化、その他の特性を付与するた
めに、様々な添加材が使用される。たとえば軽量骨材、
繊維、樹脂などであるが、混和の際に、アルカリ性シリ
カゾルをゲル化させない特性を持ち、かつ半水石膏の水
和に著しい影響を与えないものであれば、使用が可能で
ある。
【0026】
【作用】アルカリ性シリカゾルのゲル化現象は、アルカ
リ性にすることで水中で電気的に安定化されたシリカ粒
子に対して半水石膏の溶解に伴って放出されるCa2+
イオンが作用するために起きる現象であり、石膏以外に
も同様の作用を引き起こす物質は多数みられる。燐酸分
は、半水石膏の溶解によって放出されるCa2+イオン
と反応しやすい性質を持つため、このCa2+イオンが
シリカ粒子に作用を与える前にこれを捕捉する効果を有
すると考えられ、この効果によって、アルカリ性シリカ
ゾルのゲル化が抑えられるものと考えられる。
【0027】また、作用の詳細は解明されていないが、
Ca(HPOのように、水に対して溶解性のあ
る燐酸カルシウム類も、アルカリ性シリカゾルのゲル化
を抑えることが確認されている。したがって、各種の燐
酸分を添加することにより、高濃度のアルカリ性シリカ
ゾルと半水石膏とを混合して、高強度の石膏硬化体を作
ることができる。
【0028】さらに、正燐酸および/または正燐酸塩等
の燐酸分の添加によると、他の酸分の添加では期待でき
ない硬化体のより一層の高強度化が可能となる。この燐
酸分の添加による石膏硬化体の特異な高強度化につい
て、添加による作用の詳細は確認されていない。しかし
ながら、この燐酸分の添加によって、半水石膏とアルカ
リ性シリカゾルから得られる石膏硬化体の強度は飛躍的
に改善されるため、石膏硬化体の新たな用途が期待され
る。
【0029】
【実施例】本発明の実施にあたって、材料には次のもの
を使用した。 水 蒸留水 正燐酸その他の燐酸分 関東化学(株)製 試薬一級以上 硫酸 半井化学(株)製 試薬一級 塩酸 関東化学(株)製 試薬一級 アルカリ性シリカゾル 触媒化成(株)製 カタロイドSI−50 (濃度50%、pH9.2) α型半水石膏 標準混水量 30% 終結時間 65分 粉末度 Bl’=1400cm/g β型半水石膏 標準混水量 70% 終結時間 28分 粉末度 Bl’=5400cm/g
【0030】実施例1〜10 燐酸分として正燐酸を用い、これを、シリカ濃度の調整
に必要な水とともに、アルカリ性シリカゾルに所定量添
加し、均一に攪拌して、配合ゾル液を作り、この配合ゾ
ル液と半水石膏とを混合し、この混合物を型枠に流し込
み2時間養生した後、脱型し、その後3日間45℃で乾
燥して石膏硬化体を製造した。
【0031】そして、圧縮強度を測定するために、硬化
体を2×2×2cmに切断し、インストロン万能試験機
を用いて一軸圧縮試験を行った。載荷速度は0.5mm
/分とし、圧縮破壊荷重値から圧縮強度を算出した。こ
の結果を表1に示す。なお、混合時の流動性の違いか
ら、1試料当たり、α型半水石膏は500g、β型半水
石膏は300g使用したが、表には、石膏100g当た
りの数値を示してある。
【0032】
【表1】
【0033】比較例1〜6 燐酸分を添加しない比較例で、燐酸分を添加しない他
は、上記実施例1〜10と同様にして、石膏硬化体を製
造し、圧縮強度を求めた。この結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2に示す結果から、正燐酸を
添加すると、半水石膏との混合時に生ずるシリカゾルの
ゲル化現象を効果的に防止できるとともに、高濃度のシ
リカゾルの使用が可能であることが確認できる。なお、
実施例6では、β型半水石膏に対して0.034重量%
の正燐酸添加でシリカゾルがゲル化しているが、これ
は、使用したβ型半水石膏の粉末度が大きく、凝結が早
いためである。このように粉末度の高いβ型半水石膏を
使用する場合でも、実施例7のように、正燐酸の添加量
を増すことで、ゲル化を防止し、かつ高強度の石膏硬化
体を得ることができる。また、逆に、使用するβ型半水
石膏の粉末度が小さい場合、たとえば、粉末度がブレー
ン値で3000cm/g程度のβ型半水石膏では、
0.002重量%の正燐酸添加でゲル化を防止すること
が可能であり、さらに、正燐酸の添加量を増加して、
0.01重量%添加することで、圧縮強度が280kg
f/cmという高強度の石膏硬化体が得られた。
【0036】実施例1〜5では、α型半水石膏には、粉
末度がブレーン値で1400cm/gのものを使用し
ているが、ゲル化を防止するだけの目的ならば、正燐酸
の添加量は0.005重量%でよい。また、さらに粉末
度の小さいα型半水石膏では、正燐酸の添加量を削減す
ることが可能で、ブレーン値で1000cm/gのα
型半水石膏では、0.001重量%の添加でゲル化の防
止ができ、0.005重量%の添加で、圧縮強度が50
4kgf/cmの高強度の石膏硬化体が得られた。
【0037】比較例7〜12 比較例7,8は燐酸分の代わりに他の酸をシリカゾルに
添加した場合の比較例、比較例9はシリカゾルを使用せ
ず、酸無添加の水と石膏とを混合した場合の比較例、比
較例10〜12はシリカゾルを使用せず、正燐酸を含む
数種の酸を添加した水と石膏とを混合した場合の比較例
で、これ以外は、上記実施例1〜10と同様にして、石
膏硬化体を製造し、圧縮強度を求めた。この結果を表3
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】比較例8のように、硫酸を添加しても、シ
リカゾルのゲル化現象を防止することができるが、シリ
カゾルも酸も使わない比較例9と比べると判るように、
高強度化の目的でシリカゾルを使う意味はなく、また、
硫酸を添加した比較例8に対し、正燐酸を添加した実施
例2(表1)では、硬化体の圧縮強度が飛躍的に向上
し、2倍近い強度発現が得られていることから、燐酸分
の添加による特異な高強度が理解できる。
【0040】また、比較例9と比較例10〜12とか
ら、シリカゾルを使用しない酸のみの添加は正燐酸も含
めて一般的に石膏硬化体の強度を低下させることが理解
できるが、実施例1〜5(表1)のようにシリカゾルと
燐酸分を組み合わせると、石膏硬化体の強度が飛躍的に
向上し、燐酸添加による高強度化が極めて特異であるこ
とが判る。
【0041】実施例11〜16 実施例11〜16は正燐酸の代わりに各種の燐酸塩を用
いた実施例で、これ以外は、上記実施例1〜10と同様
にして、石膏硬化体を製造し、圧縮強度を求めた。この
結果を先の実施例2のデータとともに表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】この表4に示す結果から、各種の燐酸塩
が、正燐酸と同様に、半水石膏との混合時におけるシリ
カゾルのゲル化を効果的に防止できるとともに、高濃度
のシリカゾルの使用が可能となり、しかも、石膏硬化体
の高強度化に寄与することがわかる。なお、Na
のような縮合燐酸塩や、NaPOのように水溶
液のpHが高いもの〔(NHPOも同様〕は、
極少量の添加でよく、正燐酸(HPO)の最適添加
量と等モルで使用すると、かえって強度が低下してしま
う。
【0044】上述した実施例では、正燐酸あるいは燐酸
塩を単独で使用したが、正燐酸を単独で使用した場合で
も、アルカリ性シリカゾル中のアルカリ分と中和反応を
起こし、正燐酸のアルカリ塩が生成する。このため、正
燐酸と正燐酸塩の混合物を使用したのに等しい、したが
って、当然のことながら燐酸と燐酸塩の混合物を使用す
ることもできる。
【0045】本発明の実施に際して、使用する半水石膏
の種類、不純物の形態によってアルカリ性シリカゾルの
ゲル化状態、半水石膏の凝結速度が変化するが、この場
合には燐酸分の添加量を変えることで調整が可能であ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、半水石膏とアルカリ性
シリカゾルから石膏硬化体を製造する際に、燐酸および
/または燐酸塩を配合に加えることで、これまで混合時
に避けることのできなかったアルカリ性シリカゾルのゲ
ル化現象を防止することができるとともに、高濃度のア
ルカリ性シリカゾルの使用が可能となる。したがって、
より高強度の石膏硬化体を製造することができる。ま
た、シリカゾルとの組み合わせにより、石膏硬化体の強
度を飛躍的に向上させることも可能である。とくに、燐
酸分のうち正燐酸および/または正燐酸塩の添加は、高
強度化を目的とした場合に、石膏に対する添加量と高強
度化の効果との関係が安定し、添加量の調節が容易で、
実用上極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−131045(JP,A) 特開 昭56−169161(JP,A) 特開 昭53−69552(JP,A) 特開 昭49−38919(JP,A) 特開 昭54−25932(JP,A) 特開 昭54−41933(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/14 C04B 11/28 C04B 22/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半水石膏に、アルカリ性シリカゾルと、
    燐酸および/または燐酸塩を混和することを特徴とする
    石膏硬化体の製造方法。
  2. 【請求項2】 α型半水石膏に対し、0.005重量%
    以上好ましくは0.01〜3.0重量%の正燐酸(H
    PO)、またはこの正燐酸と等モルの正燐酸塩あるい
    は正燐酸と正燐酸塩の混合物をアルカリ性シリカゾルに
    添加したものを混和することを特徴とする石膏硬化体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 β型半水石膏に対し、0.01重量%以
    上好ましくは0.05〜5.0重量%の正燐酸(H
    )、またはこの正燐酸と等モルの正燐酸塩あるいは
    正燐酸と正燐酸塩の混合物をアルカリ性シリカゾルに添
    加したものを混和することを特徴とする石膏硬化体の製
    造方法。
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