JP3162803B2 - 天然ゴム漿液の濃縮方法 - Google Patents

天然ゴム漿液の濃縮方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ゴムラテックス成
分からゴム分を除去した天然ゴム漿液(Natural Rubber
Serum) の濃縮方法に関する。詳しくは、天然ゴムの生
産国において、ゴムラテックスからゴム分を分離した後
の廃液による環境汚染を防止すると共に、この廃液から
製造される、肥料、ゴム加硫促進剤、表面処理剤、薬
品、化粧品等の出発原料となる天然ゴム漿液を逆浸透膜
を用いて濃縮し、天然ゴム漿液濃縮液(Natural Rubber
Serum Concentrate)を作製する天然ゴム漿液の濃縮方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム含有植物は極めて多種類の植物が発
見されているが、工業用原料として今日栽培されている
のはゴム樹と呼ばれるヘベア・ブラジリエンシスであ
る。ゴム樹から得られる白色の乳状液(ラテックスとい
う)の組成は、約35wt%のゴム分(ゴム炭化水素)
と、約5wt%のタンパク質、脂肪酸、糖分等よりなる非
ゴム分と、残りは水分である。これらの成分が水を分散
媒としてゴム炭化水素を分散相とした疎水性コロイドゾ
ルを形成している。
【0003】一般にRSS(リブド スモークド シー
ト)やブラウン クレープ等の天然ゴムは、このラテッ
クスを水で希釈してごみを除去した後、凝固剤として蟻
酸、酢酸、硫酸等を添加してゴム分を凝固して分離し、
このゴム分を脱水乾燥、微生物によるゴムの変質防止の
ための燻煙等の工程を行なって製造される。
【0004】ところで、このような天然ゴム製造工程に
おいて、凝固したゴム分を取り除いた水溶液は、天然ゴ
ム漿液(Natural Rubber Serum 以下、NRSとする)
と呼ばれ、従来、そのまま廃棄される場合が多く、その
中に含まれる蛋白質、糖質等の非ゴム分の腐敗により、
悪臭等の環境汚染の問題があった。また、NRSを浄化
処理槽で処理する方法もあるが、莫大な費用がかかる割
には、腐敗臭が激しく、公害問題ともなり、効果があが
っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に対
し、本発明者らはこのNRSをスプレードライ工程によ
り粉末化することにより、NRSに含まれる蛋白質、糖
質、ビタミン等の有効成分を含有する有用な工業原料を
得る方法を発明し、先にこれを提案している(特開昭6
1−293201号公報参照)。この方法によって得ら
れた粉末は、平均粒径10〜100μmの非ゴム成分
で、肥料、ゴム加硫促進剤、表面処理剤、薬品、化粧品
等の出発原料として好適に用いることができる。しかも
粉末であるので、取扱いも便利である。ところが、この
粉末は吸湿性が高く、製造当初は取扱い性に優れるもの
の、長期間保管すると吸湿により凝集して塊状となって
しまい、取扱いが困難になってしまう。また、吸湿によ
りその中に含まれる蛋白質、糖質等の腐敗が始まり、悪
臭を発するという問題点もある。
【0006】また、上記技術の問題点を解決した技術と
して、NRSを50〜70℃に余熱した後、600〜6
70mmHgの減圧下で60〜95℃の温度で固形分含有量
を30〜80%に濃縮する技術を開発し(特開平3−7
0702号公報参照)、このNRS濃縮液(Natural Ru
bber Serum Concentrate 以下、NRSCとする)を利
用する方法を提案している。この方法によれば、NRS
に含まれる有効成分を変質・腐敗させることなく長期間
保存することが可能である。
【0007】ところが、この方法をもってしても、NR
Sを減圧下で加熱することにより濃縮を行うので、蛋白
質、アミノ酸、ビタミンおよび糖類等の、肥料、ゴム加
硫促進材、表面処理剤、薬品、化粧品等に利用できる有
効成分が分解あるいは変質してしまう可能性がある。ま
た、加熱による濃縮であるので、多量のNRSを処理す
るためには莫大な熱エネルギーおよび大掛かりな設備が
必要となってしまい、高効率でNRSCを製造できると
は言い難いという問題点もある。
【0008】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、NRSに含まれる蛋白質、アミノ
酸、ビタミン、糖類等の有効成分をより高い効率で有効
利用することができ、しかも簡易な設備で高効率でNR
SCを製造することができる天然ゴム漿液の製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、天然ゴムラテックス成分からゴム分を除
去した天然ゴム漿液を逆浸透膜を用いて濃縮し、前記天
然ゴム漿液中の固形分含有量を10〜30重量%とする
ことを特徴とする天然ゴム漿液の濃縮方法を提供する。
つまり、本発明の天然ゴム漿液の濃縮方法においては、
得られた天然ゴム漿液を、加熱、冷却等を行うことなく
逆浸透膜を用いて濃縮することにより、前記目的を達成
するものである。
【0010】また、前記逆浸透膜は、NaCl阻止率が
10〜99.5%であるのが好ましい。
【0011】また、前記逆浸透膜による天然ゴム漿液の
濃縮の前処理として、天然ゴムラテックス成分からゴム
分を除去した天然ゴム漿液を12〜72時間放置して浮
上する固形分を除去するのが好ましい。
【0012】このような本発明の天然ゴム漿液の濃縮方
法によって得られた天然ゴム漿液濃縮液は、必要に応じ
て更に濃縮され、あるいはスプレードライ等の処理によ
って粉体化されて、肥料、化粧品、薬品、飼料等として
有効利用される。
【0013】以下、本発明の天然ゴム漿液の濃縮方法に
ついて詳細に説明する。本発明の天然ゴム漿液の濃縮方
法(以下、濃縮方法とする)は、天然ゴムの製造工程に
おいて、天然ゴムラテックスに凝固剤として蟻酸、酢
酸、硫酸等を添加してゴム分を凝固した後、凝固・沈殿
したゴム分を取り除いた水溶液、いわゆる天然ゴム漿液
(以下、NRSとする)を逆浸透膜を用いて濃縮し、固
形分含有量が10〜30重量%の天然ゴム漿液濃縮液
(以下、NRSCとする)を製造するものである。この
ような本発明の濃縮方法においては、通常の天然ゴム製
造工程によって副生する各種のNRSはいずれも使用可
能である。
【0014】本発明の濃縮方法においては、逆浸透膜に
よる濃縮の前処理として、原料となるNRSを所定時間
常温で放置し、浮上した固形分を分離するのが好まし
い。原料である天然ゴム漿液を所定時間放置することに
より、先のゴム分の分離によって除ききれなかったゴム
分を主体とする固形分を浮上させ、これを分離すること
ができ、逆浸透膜による濃縮をより高効率にすることが
できる。
【0015】NRSの放置時間は、好ましくは12時間
〜72時間程度、より好ましくは16時間〜24時間程
度である。放置時間を12時間〜72時間程度とするこ
とにより、ゴム分等の固形分の分離をより確実なものと
して、後の逆浸透膜による濃縮を高効率とすることがで
き、しかも残留するゴム分等の逆浸透膜や設備への付着
を好適に防止することができる。
【0016】本発明の濃縮方法は、天然ゴム製造工程に
よって副生したNRS、好ましくはこのNRSを前述の
ように所定時間放置して浮上した固形分を分離したNR
Sを、逆浸透膜(RO膜)を用いて固形分含有量が10
〜30重量%となるまで濃縮してNRSCとする。
【0017】周知のように、逆浸透膜は主にかん水や海
水より飲料水を製造するのに使用されており、食塩など
の低分子溶質を含む溶液を逆浸透膜に接触させて溶液に
圧力を加えると、膜の反対側からは溶質濃度の低い溶液
が透過流出する。つまり、溶液を濃縮することができ
る。従って、このような逆浸透膜を用いることにより、
加熱を行うことなくNRSから主に水分、さらに、必要
に応じて糖分、低分子有機成分、硫酸根、灰分等の有機
成分および無機成分を分離してNRSを濃縮することが
できる。
【0018】本発明においては、逆浸透膜を用いてNR
Sを濃縮して固形分含有量を10〜30重量%のNRS
Cとする。逆浸透膜によって濃縮したNRSCの固形分
含有量が10重量%未満では、輸送等の際に有効成分の
量の割りにコストが高くなってしまう。
【0019】また、逆浸透膜によってNRSCの固形分
含有量が30重量%を超えるまで濃縮を行うと、浸透圧
が大きくなってしまい、その浸透圧に逆らって濃縮を行
うためには非常に大きな圧力が必要となり、濃縮効率が
極めて低くなってしまう。また、濃縮液側で塩の析出が
生じて、逆浸透膜が目詰まり等を起こし、やはり透過効
率の低下すなわち濃縮効率の低下を生じる。
【0020】本発明に用いられる逆浸透膜には特に限定
はなく、全芳香族ポリアミド系、酢酸セルロース系、ポ
リエチレンイミン系、ポリエチレンオキサイド系、架橋
アラミド系、ポリアミド系複合膜等の公知の各種の逆浸
透膜が好適に例示され、得られたNRSCの用途等に応
じて適宜選択すればよい。中でも特に、全芳香族ポリア
ミド等は、耐熱性、耐酸・耐アルカリ性、供給水の許容
濁度等の点で優れており好適に用いることができる。
【0021】本発明の濃縮方法に用いられる逆浸透膜の
NaCl阻止率は、得られたNRSCの用途等に応じて適宜
選択すればよいが、好ましくはNaCl阻止率が10〜9
9.5%程度のものが、より好ましくは、NaCl阻止率が
40〜99%程度のものが使用される。特に、NaCl阻止
率40〜99.5%の逆浸透膜を用いることにより、肥
料やゴム加硫促進剤等に利用できる有効成分が流出する
ことなく、しかも好適な効率およびランニングコストで
のNRSの濃縮を行うことができる。
【0022】なお、NaCl阻止率は、一般的に下記式で算
出される。
【数1】
【0023】また、用いる逆浸透膜の透過量は、濃縮す
る液によって大きく変動するものであり、特に限定はな
く、濃縮効率等の点で高いほうが好ましいが、通常、
4.0〜25m3/day 程度である。
【0024】さらに、濃縮の操作圧力は、用いる逆浸透
膜やモジュールの種類等に応じて適宜設定すればよい
が、通常、10〜70Kg/cm2程度である。
【0025】本発明の濃縮方法に用いられる逆浸透膜の
モジュールには特に限定はなく、平面膜締め付け型、螺
旋型、管型、中空糸型等、公知の各種のモジュールが好
適に例示される。
【0026】本発明の濃縮方法は、このような逆浸透膜
を用い、得られた天然ゴム漿液を、加熱、冷却等を行う
ことなく逆浸透膜を用いて濃縮する。
【0027】図1に、本発明の濃縮方法を実施する設備
の一例を概念的に示す。図1に示される例において、原
料となるNRSは、必要に応じて所定時間放置され浮上
した固形分を除去されて原料槽10に投入される。
【0028】原料槽10に投入されたNRSはポンプ1
4によって原料槽10から輸送されて、プレフィルタ1
6によって先に分離できなかった不溶性の高分子物質等
の不純物が除去され、バルブ18を経て逆浸透膜のモジ
ュール20に供給される。なお、モジュール20に流入
するNRSの温度、およびモジュール20内部の圧力
は、温度計21および圧力計24によって計測されてい
る。モジュール20内部のNRSの圧力、つまり操作圧
力は、前述のようにモジュール20に応じて適宜設定す
ればよい。
【0029】モジュール20においては、NRS中の水
分、場合によっては硫酸根等の無機・低分子有機成分等
が逆浸透膜を通過して分離されNRSが濃縮される。
【0030】モジュール20によって分離された水は、
排出ライン22より系外に排出される。排出ライン22
からの水分の流量は、透過液流量計25によって計測さ
れる。また、排出ライン22には、分離された水を原料
槽10に戻すための戻りライン26が設けられている。
【0031】一方、モジュール20で濃縮されたNRS
は、バルブ27を経て濃縮液流量計28によって流量を
計測されて再度原料槽10に流入する。つまり、図示例
の設備においては、NRSはモジュール20を含む系を
循環することによって徐々に濃縮され、固形分含有量1
0〜30重量%のNRSCとされる。なお、モジュール
20から流出したNRSの流圧は圧力計30によって計
測される。また、バルブ27の上流には、モジュール2
0から流出したNRSをポンプ14に直接供給するバイ
パスライン32がバルブ34を介して設けられる。
【0032】図示例においては、NRSはモジュール2
0を含む系を循環することによって濃縮されているが、
本発明の濃縮方法はこれには限定はされず、モジュール
20を1回〜所定回数通過することによってNRSを濃
縮するものであってもよく、あるいは、モジュール20
を多段で設けたものであってもよい。
【0033】原料であるNRSの成分によって異なり厳
密に限定することはできないが、このようにして得られ
たNRSCには、α−グロブリン、ヘベイン等の各種の
蛋白質; グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ
酸; 硫黄、カリウム、マグネシウム等の灰分; ラウ
リン酸、パルミチン酸等の脂肪酸; 硫酸アンモニウム
等のアンモニウム塩; 等、産業上有用な成分が多数含
まれる。なお、用いる逆浸透膜のNaCl阻止率によってN
RSCに含まれる成分は異なり、NaCl阻止率が高い場合
には、アミノ酸、金属分、硫酸アンモニウム等がNRS
Cに含まれるが、NaCl阻止率が低い場合には、これらは
透過液側に流出する比率が高くなる。従って、用いる逆
浸透膜のNaCl阻止率によってはNRSCのみならず透過
液をさらに濃縮して有効成分を得てもよい。
【0034】本発明の濃縮方法によって製造されたNR
SCは、各種の処理を施されて目的物とされる。例え
ば、さらに蒸発法によって濃縮を行ってもよく、この場
合には蒸発法のみによる従来の方法に比べ、熱エネルギ
ーコストを大幅に削減することができる。また、逆浸透
膜を選択して組み合わせて用いてもよく、この場合に
は、蛋白質、アミノ酸、ビタミン等の熱的に不安的な物
質を選択的に分離し、有効利用することができる。以下
に、その一例を示す。
【0035】図2に、製造されたNRSCの処理の一例
をフローチャートで示す。図2(a)に示される例にお
いては、逆浸透膜(RO膜)によって濃縮されたNRS
Cは、さらに例えば蒸発法によって減圧下で加熱濃縮さ
れて固形分含有量60〜70重量%のNRSCとされ、
あるいはスプレードライヤーによって脱水されてNRS
C粉末とされる。蒸発法によって濃縮されたNRSCは
肥料等に加工される。一方NRSC粉末からはケブラキ
トールが製造され、ケブラキトール以外の残部は培地等
として利用される。
【0036】また、図2(b)に示される例では、逆浸
透膜によってNRSを濃縮する際に硫酸根を分離する。
なお、硫酸根を分離する際には逆浸透膜としてはNaCl阻
止率が40%程度のものを選択すればよい。得られたN
RSCは、前述の図2(a)に示される例と同様に処理
されて肥料あるいはケブラキトール等とされる。他方、
逆浸透膜と透過した透過液は、硫酸アンモニウム等の硫
酸根を含むものであり、肥料として加工される。
【0037】図3に本発明の濃縮方法によって得られた
NRSC処理の別の例を示す。図2に示される例におい
ては、天然ゴムラテックスを採取したNRSを直接逆浸
透膜によって濃縮したが、図3に示される例において
は、NRSを限外濾過膜(UF膜 分画分子量8000
程度)によって濾過した後、これを透過したNRSを逆
浸透膜によって濃縮する。
【0038】限外濾過膜を透過したNRSは、NaCl阻止
率40%程度の第1逆浸透膜によって濃縮される。得ら
れたNRSCはスプレードライによって粉末化されてケ
ブラキトールや蛋白質パウダーとして化粧品、培地、肥
料等として使用される。他方、第1逆浸透膜を透過した
透過液(NRS)は、NaCl阻止率90%程度の第2逆浸
透膜によって再度濃縮され、濃縮液は先のものと同様に
ケブラキトール、化粧品、肥料等に加工される。
【0039】以上、本発明の天然ゴム漿液の濃縮方法に
ついて詳細に説明したが、本発明はこれには限定はされ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の改良
および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。図1に示される設備を用い、天
然ゴム漿液(NRS)の濃縮を行った。逆浸透膜のモジ
ュール20としては、NaCl阻止率98.6%(25℃
3.5%NaCl溶液)、透過量5.7m3/day の性能を持
つ逆浸透膜(Firm Tec社製 FT−30)を螺旋状に巻
いたもの(直径102mm、長さ1016mmの円筒状)を
用いた。
【0041】上記条件で固形分含有量が4.3重量%の
NRS100リットルを濃縮して80リットルの水分等
を分離した結果、固形分含有量16.8重量%の天然ゴ
ム漿液濃縮液(NRSC)を得ることができた。原料の
NRS、得られたNRSC、および透過液の組成を下記
表1に示す。なお、表1に示されるNRSCの組成は、
日本食品分析センターによる。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示されるように、本発明によれば、
必要成分を分解、変質あるいはロスすることなく、好適
にNRSを濃縮してNRSCを得ることができる。以上
の結果より、本発明の効果は明らかである。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の天
然ゴム漿液の濃縮方法によれば、逆浸透膜を用いた簡易
な設備によって、天然ゴム漿液に含まれる蛋白質、アミ
ノ酸、ビタミン、および糖類等の肥料、ゴム加硫促進
材、表面処理剤、薬品、化粧品等に利用できる有効成分
を分解や変質することなく天然ゴム漿液を濃縮すること
ができる。しかも、加熱のための熱エネルギーを大幅に
低減することができ、良好な生産効率で天然ゴム漿液の
濃縮を行うことができる。あるいは、蒸発法による濃縮
と組み合わせることによって、蒸発法のみの場合と比べ
てエネルギー効率を大幅に低減することができ、また、
逆浸透膜を選択して組み合わせることによって有効成分
を選択的にかつ高効率で分離することができる。また、
簡単な設備装置で濃縮を行うことができるので、天然ゴ
ム漿液の収集における輸送効率を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の天然ゴム漿液の濃縮方法を実施する
設備の一例を概念的に示す図である。
【図2】 (a)および(b)は本発明の天然ゴム漿液
の濃縮方法によって得られた天然ゴム漿液濃縮液の処理
方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の天然ゴム漿液の濃縮方法によって得
られた天然ゴム漿液濃縮液の処理方法の別の例を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10 原料槽 14 ポンプ 16 プレフィルタ 18,27,34 バルブ 20 モジュール 21 温度計 22 排出ライン 24,30 圧力計 25 透過液流量計 26 戻りライン 28 濃縮液流量計 32 バイパスライン
フロントページの続き (72)発明者 影 山 邦 夫 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム 株式会社 平塚製造所内 (56)参考文献 特開 平3−70702(JP,A) 特開 昭61−293201(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08C 1/075 WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴムラテックス成分からゴム分を除去
    した天然ゴム漿液を逆浸透膜を用いて濃縮し、前記天然
    ゴム漿液中の固形分含有量を10〜30重量%とするこ
    とを特徴とする天然ゴム漿液の濃縮方法。
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WO2022222895A1 (zh) * 2021-04-22 2022-10-27 云南省热带作物科学研究所 天然橡胶乳清发酵产物提取物、其制备方法及用途

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