JP3162221U - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被診断対象物の内在物の層間剥離等の状態変化を、簡単に確認できるX線診断装置の提供。【解決手段】X線を被診断対象物2に向かって照射するX線発生部4と、被診断対象物2を透過したX線によって被診断対象物2内の内在物のX線画像を形成させるX線受像部5と、被診断対象物2内の内在物に交番磁界を印加させることで被診断対象物2内の内在物を振動させる電磁加振装置7とを備え、この電磁加振装置7により被診断対象物2内の内在物を振動させた状態時に、X線発生部4からのX線を被診断対象物2に向かって照射させることで、その被診断対象物2を透過したX線によって、内在物が振動するX線画像をX線受像部5に形成させて、X線画像を目視点検することによって、達成できる。【選択図】図1

Description

本考案は、被診断対象物に内在する内在物の状態変化を診断するX線診断装置に関するものである。
従来、被診断対象物であるところの、例えば、エスカレーターに用いられるハンドレールに埋設された内在物であるスチールコードの損傷状態を診断するX線診断装置としては、本体ケースと、この本体ケース内の下部に配設したX線発生部と、このX線発生部に対向して前記本体ケース内の上部に配設したX線撮像部と、このX線撮像部と前記X線発生部との間にハンドレールを設置する設置空間部とを備え、この設置空間部内にハンドレールの表面及び裏面が上下方向となる状態で設置すると共に、前記X線発生部からのX線をハンドレールの裏面側から照射させてそのハンドレールを透過したX線によってハンドレール内のX線画像を前記X線撮像部により取得するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかも、上述のX線診断装置では、前記X線発生部と前記X線撮像部との間に形成される設置空間部は、ハンドレールを、そのハンドレールの表面及び裏面が上下方向となる水平状態で設置することしかできない形状及び大きさに設定されていた。
特開平10−10060号公報
一般に、被診断対象物であるところのハンドレールとしては、ゴム材製の表面化粧ゴム層部とゴム製の中間ゴム積層部と裏面補強帆布層部を積層させると共に、該中間ゴム積層部内に、ハンドレールの伸び縮みを少なくし該ハンドレールの切断を抑えるための内在物(抗張体)としてワイヤー状若しくはテープ状のスチールコードを複数本内蔵させ、しかも、該中間ゴム積層部とスチールコードとを接着剤性の充填部材で接着することで該中間ゴム積層部とスチールコードとの間に隙間(空隙)が生じないように製作したものが、用いられている。
そのために、上述した特開平10−10060号公報のX線診断装置のように、ハンドレールの裏面側からハンドレールの表面側に透過したX線によるハンドレール内のX線画像では、スチールコードの切断状況やよれ状況を確認することができるが、ハンドレールを構成する中間ゴム積層部とスチールコードとの間が剥離(以下、層間剥離という。)している状態を確認することができないという問題点を有していた。
ところが、近年、内在物であるところのスチールコードの切断によるエスカレーター事故の発生を阻止するために、スチールコードのよりの発生及び切断の発生に至る初期現象である層間剥離の有無を確認して、その層間剥離の初期の段階で、ハンドレールの補修作業等の対策を行えるようにすることが求められている。なお、ここで、スチールコードのよりとは、ハンドレールの長手方向に対して直角方向にスチールコードがよれてしまった状態をいう。
本考案は、上述のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、被診断対象物内に設けられた内在物が振動するか否かを確認することにより、その内在物の状態の変化を簡単に目視診断することのできるX線診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案は、X線を被診断対象物に向かって照射するX線発生部と、前記被診断対象物を透過したX線によって前記被診断対象物内の内在物のX線画像を形成させるX線受像部とを備え、前記X線画像を目視診断することによって前記被診断対象物内の内在物の状態を確認するX線診断装置において、前記被診断対象物内の内在物に交番磁界を印加させることで前記被診断対象物内の内在物を振動させる電磁加振装置を設けると共に、この電磁加振装置により前記被診断対象物内の内在物に交番磁界を印加させた状態時に、前記X線発生部からのX線を前記被診断対象物に向かって照射させることで、その被診断対象物を透過したX線によって、前記内在物が振動するX線画像を前記X線受像部に形成させるようにしたことにある。
さらに、本考案は、X線発生部から前記被診断対象物に向かって照射させるX線の照射方向に対して、前記電磁加振装置から前記被診断対象物内の内在物に向かって印加される交番磁界の印加方向が交差するように、前記X線発生部と前記電磁加振装置を配設してなることを特徴としている。
さらに、本考案は、前記X線発生部を収納する下ケース部と、前記X線受像部を収納する上ケース部とからなり、この上ケース部内であって前記X線受像部より下方に前記被診断対象物を設置する設置空間部を形成してなる本体ケースを設けると共に、前記設置空間部を、その設置空間部に設置された前記被診断対象物を水平状態から垂直状態に回転させることのできる大きさに設定し、しかも、前記設置空間部に設置された前記被診断対象物を回転させることにより水平状態から垂直状態に保持させた前記被診断対象物に対して水平方向から前記被診断対象物に向かって前記電磁加振装置による交番磁界を印加させることで前記被診断対象物内の内在物を振動させると共に、前記X線発生部からのX線を、前記被診断対象物に向かって垂直方向から照射させてその前記被診断対象物を透過したX線によって前記内在物が振動するX線画像を前記X線受像部により取得するようにしてなることを特徴としている。なお、ここで、水平状態とは、ハンドレールの表面及び裏面が上下方向となるように設置空間部に略水平に設置される状態をいう。また、垂直状態とは、設置空間部内でハンドレールを水平状態から略90°回転させることによりハンドレールの両側面が上下方向となるように垂直に立てられた状態をいう。
さらに、本考案は、前記本体ケースを、X線発生部を収納する下ケース部と、X線受像部を収納する上ケース部とからなる二分割構成とすると共に、前記下ケース部に対して前記上ケース部をヒンジ機構により開閉自在とすることにより、前記被診断対象物を前記設置空間部に挿入するための挿入口を、前記本体ケースの正面若しくは背面のいずれか一方の面に形成される構成とし、さらに、前記上ケース部の左右側面の両面に前記被診断対象物を前記設置空間部から前記本体ケース外方に延在させための一対の開口を設け、この一対の開口から前記本体ケースの外方にX線が漏れるのを遮断する鉛カーテン部材を、前記上ケース部の左右側面の両面に設け、かつ、前記下ケース部の上面開口端縁に設けられて前記上ケース部側にX線が漏れるのを遮断する遮蔽板体を設け、しかも、前記被診断対象物を前記設置空間部から前記一対の開口の外方に延在させた被診断対象物の部分を、把持して回転させた後、前記設置空間部にて水平状態から垂直状態の間の任意の角度で保持させる回転角度調整保持手段を設けたことを特徴としている。
さらに、本考案は、前記設置空間部に設置される前記被診断対象物をエスカレーターのハンドレールとし、そのハンドレールの表面に、前記電磁加振装置を、その電磁加振装置からの交番磁界がハンドレールの表面から裏面に向かって印加させるように取り外し可能に装着すると共に、前記ハンドレールを、前記回転角度調整保持手段によって前記設置空間部内及び一対の開口内で回転させることにより、前記照射方向と印加方向との交差角度を可変させるようにしたことを特徴としている。
請求項1の考案によれば、電磁加振装置により交番磁界を、被診断対象物内の内在物に印加させることで、被診断対象物内の内在物が振動すると、その振動するX線画像が得られるので、そのX線画像を目視することにより、その内在物の状態の変化を確認することのできるX線診断装置を提供することができた。特に、被診断対象物がエスカレーターのハンドレールの場合には、スチールコードが層間剥離していると、そのスチールコードが振動(微動も含む)しているX線画像が得られるので、そのX線画像の振動の有無を目視診断することによって、層間剥離の現象が発生していることを、初期の段階で確認することができるため、エスカレーターのハンドレールの補修作業を、スチールコードが切断しない前に、確実に着手させることを可能にした。
さらに、請求項2の考案によれば、X線発生部から被診断対象物に向かって照射させるX線の照射方向に対して、電磁加振装置から被診断対象物内の内在物に向かって印加される交番磁界の印加方向が同一方向にならないようにすることができるので、電磁加振装置により交番磁界を被診断対象物内の内在物に印加させることにより、被診断対象物内の内在物が振動した場合の、その振動するX線画像を確実に得ることのできるX線診断装置を提供することができた。
さらに、請求項3の考案によれば、X線発生部を収納する下ケース部の上方に位置する設置空間部内にて、水平状態から垂直状態に保持された被診断対象物に対して、水平方向から被診断対象物に向かって電磁加振装置による交番磁界を印加させてその被診断対象物内の内在物を振動させると共に、X線発生部からのX線を、被診断対象物に向かって垂直方向から照射させてその被診断対象物を透過したX線によって内在物が上下振動(ハンドレールの長手方向に対して直角方向に振動)するX線画像をX線受像部により取得するようにしたので、エスカレーターのハンドレール等のように、帯状の被診断対象物内に埋設させたスチールコード等の抗張体の層間剥離の発生状況を、診断するのに好適なX線診断装置を提供することができた。
さらに、請求項4の考案によれば、本体ケースの正面から水平状態に本体ケース内に挿入した被診断対象物を、本体ケースの上ケース部を閉じた状態でも、簡単に垂直状態を保持させることができ、かつ、本体ケースに設けた被診断対象物の挿入口及び被診断対象物を本体ケース外方に延在させるための一対の開口から本体ケースの外方にX線が漏れるのを遮断することができ、帯状の被診断対象物であってもその被診断対象物内に埋設させたスチールコード等の抗張体の層間剥離の発生状況の確認作業を、安全に手際よく行い得るX線診断装置を提供することができた。
さらに、請求項5の考案によれば、一対の回転角度調整保持手段によって、電磁加振装置を装着した被診断対象物を、本体ケースの上ケース部を閉じた状態でも、水平状態から垂直状態までの任意の角度に、簡単に保持させることができ、しかも、ハンドレールの設置角度を変えつつ、目視窓からX線画像を見ることで、水平状態から垂直状態までの画像の変化を、連続して診断作業者が目視することが可能であって、層間剥離に起因するスチールコードの上下振動(ハンドレールの長手方向に対して直角方向に振動)するのを確実に見つけ出すことができるX線診断装置を提供することができた。
本考案の一実施形態例に係わり、一部を破断してなるX線診断装置の正面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、被診断対象物を設置しない状態におけるX線診断装置の右側面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、被診断対象物を水平状態に設置してなるX線診断装置の右側面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、被診断対象物を垂直状態に設置してなるX線診断装置の右側面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置のX線発生部を構成する構成部品の配置を示すために、X線診断装置の上ケース部を開き遮蔽板体を取り除いた状態の下ケース部を上から見た図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の遮蔽板体の要部斜視図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の回転角度調整保持手段の正面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の電磁加振装置の要部斜視図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の電磁加振装置の要部断面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の拡大上面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の原理動作説明図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置がエスカレーターに取り付けられた状態を示す図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置によって診断させるエスカレーターのハンドレールの拡大断面図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の本体ケースの設置空間部に被診断対象物に該当するハンドレール及び電磁加振装置を設置する手順の説明図であって、(a)は、上ケース部を開いてハンドレールを設置空間部に挿入した状態図、(b)は、設置空間部に挿入したハンドレール表面に電磁加振装置を装着した状態図、(C)は、上ケース部を閉じて設置空間部へのハンドレール及び電磁加振装置の設置が完了した状態図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置の本体ケースの設置空間部に設置されたでハンドレールを回転させる手順の説明図であって、(a)は、水平状態のハンドレールに回転角度調整保持手段を嵌合させた状態図、(b)は、水平状態のハンドレールを約90°回転させてハンドレールを垂直状態にした図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置におけるX線発生部及びX線受像部並びに電磁加振装置の電気回路図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置によるスチールコードのよれ及び切断の発生状況を診断する際の、診断手順を示す流れ図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置によるスチールコードの層間剥離の発生状況を診断する際の、診断手順を示す流れ図である。 本考案の一実施形態例に係わり、X線診断装置によって得られたX線画像の模擬図を示し、(a)は、ハンドレールを水平状態の設置時に得られるX線画像の模擬図、(b)は、ハンドレールを45°傾斜した状態の設置時に得られるX線画像の模擬図、(c)は、ハンドレールを垂直状態に設置時に得られるX線画像の模擬図である。
以下、本考案の一実施形態例を、図1〜図19に基づき、具体的に説明する。
図1〜図4に示す一実施形態例のX線診断装置1は、被診断対象物2に該当する後述のエスカレーター40のハンドレール41における、そのハンドレール41内に埋設された内在物3に該当する後述のスチールコード43の層間剥離の有無を含む状態変化を診断するのに好適なものであって、X線をハンドレール41に向かって照射するX線発生部4と、ハンドレール41を透過したX線によってハンドレール41内のスチールコード43のX線画像を形成させるX線受像部5と、X線発生部4を収納する下ケース部6A及びX線受像部5を収納する上ケース部6Bとからなる本体ケース6と、ハンドレール41内のスチールコード43に交番磁界を印加させることでハンドレール41内のスチールコード43を振動させる電磁加振装置7を備え、電磁加振装置7によりハンドレール41内のスチールコード43に交番磁界を印加させた状態時に、X線発生部4からのX線をハンドレール41に向かって照射させることで、そのハンドレール41を透過したX線によって、スチールコード43が振動するX線画像をX線受像部5に形成させるようにしたものである。
本体ケース6は、図1に示すように、上ケース部6B内であってX線受像部5より下方に位置する部分に形成されてハンドレール41を設置するための設置空間部6Cと、本体ケース6の正面若しくは背面のいずれか一方の面にハンドレール41を設置空間部6Cに挿入するための挿入口6Dと、上ケース部6Bの左右側面の両面に設けられてハンドレール41を設置空間部6Cから本体ケース6外方に延在させための一対の開口6E、6Fと、下ケース部6Aの上面開口端に設けられて下ケース部6A側から上ケース部6BにX線が漏れるのを遮断する遮蔽板体8と、ハンドレール41を透過したX線がX線受像部5以外の部分に照射されて上ケース部6B内で反射・散乱するようなことがあってもそのX線が一対の開口6E、6Fから本体ケース6の外方に漏れるのを遮断する鉛カーテン部材9、9Aを設けるようにしてある。本実施形態例では、ハンドレール41を設置空間部6Cに挿入するための挿入口6Dは、本体ケース6の正面に形成するようにしてある。
遮蔽板体8は、図6に示すように、鋼板製であって方形状の平坦板8Aと、この平坦板8Aの左右端に形成され、かつ、下ケース部6Aの内側壁に向けられた載置片部6K、6Lに載置固定されるフランジ枠8Bと、平坦板8Aの略中央に設けられて、下ケース部6A内のX線発生部4で発生したX線を、上ケース部6B内のX線受像部5に向かって案内する案内筒状部8Cとからなっている。案内筒状部8Cは、下端開口8C−1がX線発生部4近接するように延在させ、かつ、上端開口8C−2がX線受像部5に対向した状態で平坦板8Aに一体的に形成されている。遮蔽板体8のフランジ枠8Bを下ケース部6Aの載置片部6K、6Lに固定した際には、遮蔽板体8の平坦板8Aと下ケース部6Aの上端開口端が略面一となるようにしてある。本実施形態例では、案内筒状部8Cの内径を、約50mmとし、かつ、案内筒状部8Cの下端開口8C−1から平坦板8Aの下面までの長さ寸法を、約60mmとしてある。
本体ケース6は、鋼板製の下ケース部6Aと鋼板製の上ケース部6Bの二分割構成とする共に、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bが開閉自在となるように、下ケース部6Aの背面下端と上ケース部6Bの背面下端をヒンジ機構10によって連結し、しかも、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bが閉じた状態を保持するための連結金具11を下ケース部6Aの正面下端と上ケース部6Bの正面下端に設けられている。連結金具11は、下ケース部6Aの正面下端側に設けた係止片11Aと、この係止片11Aに係止させるために上ケース部6Bの正面下端側に設けたリング11Bとからなり、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bを閉じた状態とし、その後、係止片11Aにリング11Bを係止させた後、そのリング11Bを下方に引っ張ることで、下ケース部6Aに対する上ケース部6Bの閉じた状態が堅牢に保持され、かつ、リング11Bを上方に引っ張って、そのリング11Bを係止片11Aから解除することで、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bを開いた状態とすることが、簡単にできるようにしてある(図1〜図2参照)。
さらに、下ケース部6Aと上ケース部6Bの間は、連結金具11によって、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bが閉じた状態を保持させた際には、気密状態が保持されるように、下ケース部6Aと上ケース部6Bの当接面の形状等が工夫されている。また、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bを最大に開くと、その上ケース部6Bの開いた状態が保持されるようにしてある。本体ケース6は、縦寸法L1が約365mm、横寸法L2が約360mmに、奥行寸法L3が約160mmとなる大きさに設定してある。
本体ケース6の上ケース部6Bの上面の左右端側には、図1〜図2に示すように、それぞれ一個の本体ケース6全体を持ち上げる際に使用する第1ハンドル6Gが、設けられている。本体ケース6の上ケース部6Bの正面の左右端側には、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bを開閉させる際に使用する第2ハンドル6Hが、それぞれ一個設けられている。本体ケース6の下ケース部6Aの正面の左右端側には、ハンドレール41の診断位置を調整する際、本体ケース6全体を左右に移動させる際に使用する第3ハンドル6Jが、それぞれ一個設けられている。
本体ケース6の設置空間部6Cの容積は、本体ケース6の上ケース部6Bを開いて、本体ケース6の正面に設けた挿入口6D側から本体ケース6の上ケース部6Bの上面にハンドレール41を略水平状態に載せた後、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態で、そのハンドレール41の長手方向(本体ケース6の左右方向)を回転軸Zとして、そのハンドレール41を略垂直状態に回転させることが可能な大きさとしてある。本体ケース6の左右側面に設けられた一対の開口6E、6Fは、ハンドレール41のように被診断対象物2が本体ケース6の左右幅(横寸法L2)よりも長いものであっても、そのハンドレール41を、本体ケース6の上ケース部6Bを開いて、本体ケース6の正面に設けた挿入口6D側から本体ケース6の上ケース部6Bの上面に略水平状態に載せた際に、そのハンドレール41が本体ケース6外方に延在し、かつ、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態で、ハンドレール41の長手方向(本体ケース6の左右方向)を回転軸Zとしてハンドレール41を水平状態から垂直状態に回転させることを可能にする大きさの略台形状としてある(図14の(a)〜図15の(a)及び(b)参照)。
一対の回転角度調整保持手段12、13は、図7に示すように、被診断対象物2に該当するハンドレール41を挟む挟み部12A、13Aと、この挟み部12A、13Aを診断作業者が回転させるための握り部12B、13Bを有している。一対の回転角度調整保持手段12、13は、図15の(a)及び(b)に示すように、一対の開口6E、6Fに嵌合して本体ケース6外方に延在しているハンドレール41を、本体ケース6の外方にて挟み部12A、13Aを挟み込んだ後、握り部12B、13Bを、ハンドレール41の長手方向を回転軸Zにして回転させることで、ハンドレール41を水平状態から垂直方向に立てた状態までの範囲で、ハンドレール41の設置状態を変えることができるようにしてある。なお、本体ケース6の左右側面には、一対の回転角度調整保持手段12、13の握り部12B、13Bから診断作業者が手を離しても、被診断対象物2が水平状態から垂直状態の間の任意の角度で保持された状態が維持されるように、一対の回転角度調整保持手段12、13の回転した状態を保持するための保持機構を設けるようにしてもよい。
遮蔽板体8の下面全面(案内筒状部8Cの外周壁も含む)並びに下ケース部6Aの内側壁及び内底には、鉛板材14が貼り付けられている(図6参照)。この鉛板材14によって、下ケース部6A内のX線発生部4から遮蔽板体8の案内筒状部8C内に向かって照射されるX線が、何らかの原因で下ケース部6A内に漏洩拡散しても、その漏洩拡散したX線が下ケース部6A内から外部(下ケース部6Aの内側壁及び内底の外方並びに上ケース部6B側)に漏洩拡散するのを阻止するようにしてある。また、本実施形態例では、ハンドレール41に照射したX線及びハンドレール41を透過してX線受像部5に向かったX線が、何らかの原因で上ケース6B内に漏洩拡散しても、その漏洩拡散したX線が、本体ケース6の上ケース部6B内から外部に漏洩拡散することがないように、上ケース部6Bの内側壁及び上面にも鉛板材14を貼り付けると共に、一対の開口6E、6Fを鉛カーテン部材9、9Aで覆うようにしている。
鉛カーテン部材9、9Aは、可撓性のある鉛製の材料から短冊状に作られており、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、被診断対象物2に該当するハンドレール41を、そのハンドレール41の長手方向を回転軸Zにして回転させた場合であっても、一対の開口6E、6Fが覆われるように、本体ケース6の上ケース部6Bの左右外側壁に固定されている(図1〜図4参照)。
電磁加振装置7は、本体ケース6内の設置空間部6Cに設置される被診断対象物2に該当するハンドレール41の表面側に、マジックテープ(登録商標)等のテープ類からなるい装着部材15によって、取り付け取り外し可能に、装着される(図14参照)。被診断対象物2に該当するハンドレール41の表面側に電磁加振装置7を装着するには、図14の(a)、(b)、(c)に示すように、上ケース部6Bを開いて、下ケース部6Aの上端開口に設けた遮蔽板体8上に、被診断対象物2に該当するハンドレール41の表面側が水平となるように載せた後、そのハンドレール41の表面側に電磁加振装置7を装着部材15により取り外し可能に設けるようにすればよい。本実施形態例では、ハンドレール41の表面側に電磁加振装置7を装着部材15により直接固定することで、ハンドレール41を回転させても、常に、ハンドレール41の表面から裏面に向かって電磁加振装置7による交番磁界が印加させるようにすることにより、ハンドレール41内の内在物3に該当するスチールコード43が、ハンドレール41の表面側から裏面側に向かう方向と同方向に左右振動するようにしてある。
本実施形態例のX線診断装置1では、図15の(a)及び(b)に示すように、振装置7が装着されたハンドレール41を、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、回転軸Zを軸として回転させる(図15において反時計方向に回転させる)ことにより、電磁加振装置7からハンドレール41内のスチールコード43に向かって印加される交番磁界の印加方向Qと、X線発生部4のX線発生管16から照射されるX線Pの照射方向Sが交差する交差角度Rを、変化させることができるようにしてある(図11参照)。
そして、電磁加振装置7からハンドレール41内のスチールコード43に向かって印加される交番磁界の印加方向Qと、X線発生部4のX線発生管16から照射されるX線Pの照射方向Sとが交差する交差角度Rが、略0°になる場合とは、図15の(a)に示すように、電磁加振装置7を装着したハンドレール41を本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内に水平に設置した状態のままであって、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、ハンドレール41を回転させない状態のときである。この場合には、スチールコード43に向かって印加される交番磁界の印加方向QとX線発生部4のX線発生管16から照射されるX線Pの照射方向Sとが略同一方向となるので、ハンドレール41の裏面側から表面側に透過したX線により、X線画像がX線受像部5に形成される。そして、そのX線画像には、ハンドレール41内に埋設されたスチールコード43がハンドレール41の長手方向に複数本配列されており、その複数本配列されているスチールコード43が正常であった場合には、複数本のスチールコード43が一直線上に整然と並んで表示される。ところが、その複数本配列させているスチールコード43がよれたりあるいは切断したりしていた場合には、図19の(a)に示す模擬図のようなX線画像A1が、X線受像部5に形成される。そのX線画像A1には、ハンドレール41の長手方向に対して直角方向にスチールコード43がよれてしまった状態や切断したスチールコード43が上下左右に移動した状態が明確に表示される。
次に、電磁加振装置7を装着したハンドレール41を、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内に水平に設置した状態から、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、ハンドレール41を回転させることで、スチールコード43に向かって印加される交番磁界の印加方向QとX線発生管16から照射されるX線Pの照射方向Sとの交差角度Rを変化させる。そして、電磁加振装置7が装着されたハンドレール41を、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、水平状態から略45°回転させた状態、すなわち、設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で略45°で傾斜した状態の、ハンドレール41に向かってX線発生部4のX線発生管16からのX線Pを照射して、その傾斜したハンドレール41を透過したX線により、図19の(b)に示す模擬図のように、X線画像A2がX線受像部5に形成される。
そのX線画像A2には、ハンドレール41内に埋設された複数本のスチールコード43が少し重なった状態で表示される。そして、複数本のスチールコード43の中で、層間剥離が発生しているスチールコード43Aの場合は、目視窓28からX線画像A2を見ると、スチールコード43Aが上下に振動していることが表示され、かつ、スチールコード43Aが振動しているためにぼかされて表示されると共に、層間剥離が発生していないスチールコード43Bの場合は、振動しないために濃く表示される。
次に、電磁加振装置7が装着されたハンドレール41を、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、本体ケース6の設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で、水平状態から略90°回転させることにより、図11に示すように、電磁加振装置7及びX線発生部4が配置されてスチールコード43に向かって印加される交番磁界の印加方向QとX線発生管16から照射されるX線Pの照射方向Sとの交差角度Rが、最大となり、かつ、ハンドレール41が設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で垂直方向に立てられた状態となる[図4、図11、図15の(b)参照]。この状態で、ハンドレール41に向かって電磁加振装置7による交番磁界を印加させると、ハンドレール41内のスチールコード43が水平方向に振動し、しかも、設置空間部6C及び一対の開口6E、6F内で垂直方向に立てられた状態のハンドレール41に向かって、X線発生部4のX線発生管16からX線Pが垂直方向から照射させられてそのハンドレール41を透過したX線によって、図19の(c)に示す模擬図のように、X線画像A3がX線受像部5に形成される。そのX線画像A3には、複数本のスチールコード43の中で、層間剥離が発生していない複数本のスチールコード43Bが重なった状態で太く濃く表示されると共に、複数本のスチールコード43の中で、層間剥離が発生しているスチールコード43Aが、目視窓28からX線画像A3を見ると、スチールコード43Aが上下に振動していることが表示され、かつ、スチールコード43Aの層間剥離による隙間Gが表示される。
本体ケース6の下ケース部6A内には、図1〜図5に示すように、X線発生部4が配設されている。X線発生部4は、図5に示すように、X線発生管16と、高圧発生装置(フライバックトランス)17と、ヒーター制御装置(ヒーターコントロール)18と、バッテリー(蓄電池)19と、充電器20と、直交流変換器(インバーター)21を有しており、本体ケース6の下ケース部6A内の内底中央部にX線発生管16に位置し、その左側に高圧発生装置17に、かつ、その右側にヒーター制御装置18、バッテリー19、充電器20及び直交流変換器21が位置するように、配設されている。高圧発生装置(フライバックトランス)17には、交直流変換器17Aが、隣接するか、若しくは内蔵させるかして、設けられている。
X線発生管16は、陰極であるフイラメントで発生させた電子を、陽極であるターゲットに高速で衝突させることで、X線を発生させるものであって、その発生したX線を、X線発生管16に設けた小孔からX線発生管16の上方に、約18度の照射角度(立体角)で照射させるようにしてあり、しかも、そのX線発生管16は、X線発生管16からのX線がX線受像部5にのみ照射されるように、本体ケース6の下ケース部6A内底に固定されている(図1、図11を参照)。
高圧発生装置17は、X線発生管16の陽極に接続されて、そのX線発生管16に印加する3万eVの高電圧を発生させるものである。直交流変換器21からの交流電圧(100V)が、交直流変換器17Aに入力されると、24Vの直流電圧が高圧発生装置17に入力されることで、その高圧発生装置17が3万eVの高電圧を発生させるようにしてある。ヒーター制御装置18は、X線発生管16の陰極を加熱調整してX線発生管16の陽極に向かう電子を発生させるものである。バッテリー(蓄電池)19からの直流電圧(12V)は、直交流変換器21により、交流電圧(100V)に変換される。バッテリー19は、商用電源に、電源スイッチ22及び安全フユーズ23を介してコンセント24により接続される。充電器20は、80V〜220Vの電源電圧を入力することが可能であり、12Vの出力電圧でバッテリー19を充電できるようにしてある(図16参照)。
本体ケース6の上ケース部6B内の略中央には、図1に示すように、X線受像部5が配設されている。そのX線受像部5は、縦長の鉛遮蔽筒体24と、この鉛遮蔽筒体24の下端縁側に取り付けた受像板25と、この受像板25の上方に位置して鉛遮蔽筒体24に設けた受像管(電子倍増管)26と、鉛遮蔽筒体24の上端縁側に設けた防護鉛硝子27とから構成されており、本体ケース6の上ケース部6Bの略中央に設けた円形の目視窓28に透明性の防護鉛硝子27が対向するようしてある。
鉛遮蔽筒体24は、受像板25に照射されて受像管26を透過してきたX線が本体ケース6の上ケース部6B内に漏れるのを阻止する機能を有している。受像板25は、直径75mmの円状板ガラス上に各種材料のX線表示膜を積層状に塗布することで作られており、X線を発光エネルギーに変換して画像を形成する機能を有している。受像管25は、光倍増電圧3万Vを印加することで、受像板25に形成された画像を、鮮明な画像とする機能を有している。防護鉛硝子27は、鉛遮蔽筒体24のX線が目視窓28に到達するのを阻止する機能を有している。
本体ケース6の上ケース部6Bの上面には、図10に示すように、目視窓28の右側に、開始釦(START釦)29、停止釦(STOP釦)30、キースイッチ31、動作ブザー32及び動作表示ランプ33が配設され、かつ、目視窓28の左側に、タイマー34及び使用度数計35が配設されている。
開始釦29は、操作(オン)することで、X線発生部4の動作が開始してX線発生管16からX線Pを発生させるものである。停止釦30は、X線発生部4のX線発生管16からX線Pを発生させている状態の時に、何らかの緊急事態が発生した際、操作(オフ)することで、X線発生部4の動作を停止させてX線発生管16からのX線Pの発生を停止させるものである。キースイッチ31は、バッテリー19を受像管26に接続する機能を有している。
動作ブザー32は、X線発生部4が動作している間は動作して、X線発生管16からのX線Pが発生中であることを報知し、かつ、X線発生部4が動作しなくなると、動作を停止してその報知を停止するものである。動作表示ランプ33は、X線発生部4が動作している間は点滅若しくは点灯して、X線発生管16からX線Pが発生中であることを表示し、かつ、X線発生部4が停止すると消灯して、X線発生管16からX線Pが発生していないことを表示するものである。タイマー34は、X線発生部4の連続動作時間(例えば、120〜180秒)を設定するものであって、設定された連続動作時間に達すると、X線発生部4の高圧発生装置17への通電を遮断させて、X線発生部4が異常に加熱されるのを阻止する機能を有している。使用度数計35は、X線発生部4によるX線の発生動作回数を計測表示するものであって、その発生動作回数を累計表示(来歴表示)するようにしたものである。
電磁加振装置7は、図8及び図9に示すように、鉄板等の非磁性材製の上箱36Aとアルミニューム等の磁性材製の下箱36Bとからなる箱体36と、この箱体36内に設けた逆凹状コア37と、この逆凹状コア37の一端側部及び他端側部に巻装してなる少なくとも一対の電磁コイル38、38Aと、この一対の電磁コイル38、38Aへの交流電圧の入り切りを行う加振操作スイッチ39のリード線39Aとを備えている。本実施形態例の電磁加振装置7では、加振操作スイッチ39と一対の電磁コイル38、38Aと直交流変換器21が直列に接続されて、直交流変換器21の交流電圧100Vが、一対の電磁コイル38、38Aに印加されるようにしてある(図16参照)。
電磁加振装置7は、図8及び図9に示すように、箱体7A内の中央部に逆凹状コア37を配置し、かつ、箱体36の下面には、逆凹状コア37の両下端面に対向する位置に磁束通路用開口36Cが設けられている。電磁加振装置7は、その箱体36の下面に設けた磁束通路用開口36Cを介して逆凹状コア37の両下端面からの交番磁界が被診断対象物2に該当するハンドレール41の表面側から背面側に向かって印加されることで、ハンドレール41内の内在物2に該当するスチールコード43が振動するように、装着部材15により、図14の(a)〜図14の(c)に示す手順で、ハンドレール41の表面側に取り付けられる。
加振操作スイッチ39は、一対の回転角度調整保持手段12、13でハンドレール41を、回転させながら電磁加振装置7の起動・停止を行うことができるように設けられている。本実施形態例では、上ケース部6Bを開いた状態でハンドレール41に電磁加振装置7に装着した後、上ケース部6Bを閉じた状態で電磁加振装置7の起動・停止を行えるようにするために、電磁加振装置7と加振操作スイッチ39を接続するためのリード線39Aを、上ケース部6Bの左右側面に設けた開口6E若しくは開口6Fから引き出すようにすると共に、図7に示すように、加振操作スイッチ39を、一対の回転角度調整保持手段12、13の握り部12B、13Bのいずれか一方の先端部に取り付けることによって、一対の回転角度調整保持手段12、13を握った診断作業者の手で、加振操作スイッチ39のオンオフ(入り切り)操作ができるようにしてある。
被診断対象物2に該当するエスカレーター40のハンドレール41は、図12に示すように、エスカレーター40の欄干を構成するハンドレールガイド42に、移動可能に、かつ、着脱可能に、装着させている。エスカレーター40のハンドレール41は、図13に示すように、ゴム材製の表面化粧ゴム層部41Aとゴム製の中間ゴム積層部41Bと背面補強帆布層部41Cを積層させるとともに、該中間ゴム積層部41B内に、該ハンドレール41の伸び縮みを少なくし該ハンドレール41の切断を抑えるためのスチールワイヤーやスチールテープなどからなるスチールコード43を複数本内蔵させ、しかも、該中間ゴム積層部41Bとスチールコード43とを接着剤性の充填部材で接着することで該中間ゴム積層部41Bとスチールコード43との間に間隙Gが生じないように製作したものが、用いられている。
下ケース部6Aの下部には、X線診断装置1全体を、エスカレーター40のハンドレールガイド42に走行可能に支持するための支持装置44が設けられている。支持装置44は、例えば、図示しないが、ハンドレールガイド42の両側面に係合する一対の係合部材と、この一対の係合部材を、ハンドレールガイド42の両側面を係合する方向に移動させたりあるいはハンドレールガイド42の両側面から離れる方向に移動させたりための操作機構部と、下ケース部6Aの下面に設けられてハンドレールガイド42の上面を転動する一対のローラ部材とから構成するようにしてもよい。本体ケース6の下ケース部6A及び上ケース部6Bには、縦長のX線診断装置1を保管時に横に倒して倉庫等に収納できるように複数個の弾性足を設けるようにしてもよい。本体ケース6の下ケース部6A内には、X線発生管16を冷却するための、冷却ファンを設けるようにしてもよい。なお、本実施形態例のX線診断装置1は、高圧発生装置17が動作してX線発生管16からのX線Pが発生しても、本体ケース6外に放射されるX線量は、海や山において人が一日に浴びる自然放射線量よりも少ないところの、1μSv以下となるように設計されている。
X線診断装置1の電気回路は、図16に示すように、X線発生管16と、このX線発生管16の陽極側に接続された高圧発生装置17と、この高圧発生装置17の入力側に接続された交直流変換器17Aと、X線発生管16の陰極側に接続されたヒーター制御装置18と、商用電源に接続される充電器20と、この充電器20によって充電されるバッテリー19と、このバッテリー19から出力される直流電圧を交流電圧に変換させる直交流変換器21と、バッテリー19に接続されたキースイッチ31と、このキースイッチ31に直列に接続された開始釦29と、この開始釦29に直列に接続された停止釦30と、開始釦29に直列に接続されたリレー45と、高圧発生装置17が動作中であることを報知する動作ブザー32と、キースイッチ31が入りに操作されたことを表示する動作表示ランプ33と、この動作表示ランプ33に並列に接続されたタイマー34と、電磁加振装置7のオンオフを行わせる操作スイッチ39と、バッテリー19に接続された使用度数計35と、リレー45に直列に接続された安全スイッチ46から構成されている。安全スイッチ46は、下ケース部6A内に設けられて、上ケース部6Bが開かれたりあるいは連結金具11、11Aが解かれたりすると、バッテリー19と直交流変換器21の接続を遮断することで、X線発生部4の動作中であった場合には、その動作を停止させて、X線発生管16からのX線Pの発生を停止させる。
リレー45は、4個の常開接点Ry1、常開接点Ry2、常開接点Ry3及び常開接点Ry4を有し、常開接点Ry1は開始釦29に並列に、常開接点Ry2はバッテリー19の出力側と直交流変換器21の入力側の間に直列に、常開接点Ry3は動作表示ランプ33とタイマー34の並列回路に対して直列に、常開接点Ry4は直交流変換器21と高圧発生装置17との間に直列に、それぞれ接続されている。タイマー34は、常閉接点TX1と常開接点TX2を有し、常閉接点TX1は安全スイッチ46と直列に、常開接点TX2は使用度数計35に内蔵されている電池(図示せず)と直列に、それぞれ接続されている。使用度数計35は、常開接点TX2がオンしたとき、使用度数計35に内蔵した電池(図示せず)により作動して使用度数1が加算されるようになっている。直交流変換器21の出力は、電磁加振装置7とヒーター制御装置18と交直流変換器17Aに、入力されるようにしてある。交直流変換器17Aは、直交流変換器21からの交流電圧100Vを直流電圧24Vに変換する機能を有し、その直流電圧24Vを高圧発生装置17に入力するようにしたものである。バッテリー19の出力は、X線受像部5の受像管26に、入力されるようにしてある。
次に、X線診断装置1の電気回路の動作を、図16に基づき、説明する。図16において、始めに、キースイッチ31をオンすると、X線受像部5の受像管26にバッテリー19の12Vが印加される。この状態で、開始釦29をオンすると、リレー45が作動して、常開接点Ry2及び常開接点Ry4がオンするので、直交流変換器21の出力電圧(AC100V)がヒーター制御装置18と交直流変換器17Aに印加されると共に、X線受像部5の受像管26にバッテリー19の直流電圧12Vを印加されることで、X線発生管16からX線Pが発生され、かつ、X線受像部5にX線画像を形成させ、しかも、加振操作スイッチ39をオンすることで電磁加振装置7の一対の電磁コイル38、38Aに直交流変換器21の出力電圧(AC100V)が印加されて電磁加振装置7よりハンドレール41内のスチールコード43に交番磁界を印加されそのスチールコード43が振動させられ、かつ、そのスチールコード43が振動するX線画像がX線受像部5に表示させると共に、動作ブザー32が作動し、高圧発生装置17が動作してX線発生管16からのX線Pが発生中であることが報知される。
また、開始釦29をオンすることで、リレー45が作動して、常開接点Ry1がオンするので、開始釦29をオフさせても、リレー45の作動状態が保持される。さらに、開始釦29をオンすることで、リレー45が作動して、常開接点Ry3がオンすることにより、動作表示ランプ33が点滅若しくは点灯し、高圧発生装置17が動作してX線発生管16からのX線Pが発生中であることが表示される共に、タイマー34が作動するので、常開接点TX2がオンさせられるため、使用度数計35が作動して高圧発生装置17の動作数が1つ加算される。そして、タイマー34の設定時間(連続動作時間)が経過すると、常閉接点TX1及び常開接点TX2がオフさせられるので、リレー45が停止して、常開接点Ry1、常開接点Ry2、常開接点Ry3及び常開接点Ry4がオフさせられるため、高圧発生装置17の動作が停止して、動作ブザー32が報知を停止し、かつ、動作表示ランプ33が消灯すると共に、使用度数計35が停止し、しかも、電磁加振装置7への直交流変換器21の出力電圧の印加が遮断される。
次に、上記構成のX線診断装置1を用いたハンドレール41のスチールコード43のよれ及び切断の発生状況を診断する際の、診断手順を、図17に基づき説明する。
始めに、予め、ハンドレールチェッカー等により、エスカレーター40のハンドレール41全長につき、ハンドレール41のスチールコード43の損傷チェックを行い、そのスチールコード43のスチールコード43が損傷しているとしてチェックされた部分に位置するハンドレール41の外表面にマークMを付した後、そのハンドレール41を運転移動させて、図17に示すハンドレール移動工程S1のように、ハンドレール41の外表面に付したマークMが、エスカレーター40の下部水平部に位置させるようにする。
次いで、ハンドレール移動工程S1が終了すると、図17の固定工程S2に進む。図17の固定工程S2では、ハンドレール41のエスカレーター40の下部水平部に位置する部分をエスカレーター40のハンドレールガイド42から外した後、支持装置44によってX線診断装置1の本体ケース6を、図12に示すように、ハンドレールガイド42に固定する。この場合、本体ケース6は、第1ハンドル6Gを握って持ち上げてハンドレールガイド42上に載置し、その後、ハンドレール41のマークMの位置がX線診断装置1の目視窓28の下方に略位置するように、第3ハンドル6Jを握って本体ケース6全体を左右に調整移動した後、その本体ケース6を支持装置44によって固定するようにすればよい。
次いで、固定工程S2が終了すると、図17の設置工程S3に進む。図17の設置工程S3では、本体ケース6の連結金具11を解除することで、第2ハンドル6Hを握って上ケース部6Bを開いた状態にした後、本体ケース6の下ケース部6Aの上面にハンドレール41を水平状態に載置し、その後、上ケース部6Bを閉じて連結金具11を施錠することで、X線診断装置1の本体ケース6の設置空間部6Cに、被診断対象物2であるハンドレール41を設置する(図14参照)。
次いで、設置工程S3が終了すると、図17の動作開始表示工程S4に進む。図17の動作開始表示工程S4では、タイマー34をセットした後、キースイッチ31をオンさせることで、動作表示ランプ33を点灯させる。
次いで、図17の動作開始表示工程S4が終了すると、図17のX線量計測工程S5に進む。図17のX線量計測工程S5では、開始釦29をオンさせることで、X線を発生させ、かつ、動作ブザー32を動作させて、X線が発生中であることを報知すると同時に、携帯用のX線ポケット線量計(図示せず)によって、X線診断装置1の本体ケース6から漏洩拡散しているX線量を計測する。
次いで、図17のX線量計測工程S5が終了すると、図17の判定工程S6に進み、X線量の計測数値が所定値を超えていないか否かを判定する。この判定の結果、計測数値が所定値を超えていないと判定された場合には、図17のよれ及び切断の目視診断工程S7に進む。図17のよれ及び切断の目視診断工程S7では、X線受像部5に形成されたX線画像を目視窓28より直接みることにより、スチールコード43のよれ及び切断の状況を診断する。この場合、水平状態に設置されたハンドレール41の裏面側から表面側に垂直方向に透過したX線によりX線受像部にX線画像が形成され、図19(a)の模擬図に示すようなX線画像図A1が得られ、スチールコード43のよれ及び切断の進行状況を診断することができる。すなわち、図19(a)の模擬図に示すようなX線画像図A1には、複数本のスチールコード43が並んで左右(ハンドレール41の長手方向)に延在している状態が映し出されるため、その複数本のスチールコード43が、上下方向(ハンドレール41の長手方向に対して直角方向)に移動してよれてしまったりあるいは切断して左右上下に移動したりすると、そのよれ及び切断がX線画像に映し出されるので、スチールコード43のよれ及び切断の進行状況を診断できる。この診断の際に、目視窓28にビデオカメラを装着して、スチールコード43のよれ及び切断の進行状況を撮影するようにしてもよい。
次いで、よれ及び切断の目視診断工程S7が終了したならば、図17の片付け工程S8に進む。片付け工程S8では、キースイッチ31をオフした後、X線診断装置1の本体ケース6の設置空間部6Cからハンドレール41を外し、その後、X線診断装置1をエスカレーター40のハンドレールガイド42から外して、X線診断装置1等を片付けることにより、全ての診断作業を終了させる。
図17の判定工程S6において、計測数値が所定値を超えていると判定された場合には、図17の修理工程S9に進む。修理工程S9では、停止釦30を押すことにより、バッテリー19を解放させて、X線の発生を停止させた後、X線診断装置1の点検修理等を行う。
次いで、図17の修理工程S9が終了したならば、図17の測定工程S10に進む。測定工程S10では、X線ポケット線量計によって、X線診断装置1の本体ケース6から漏洩拡散しているX線量が所定値を超えているか否かを測定する。
次いで、図17の測定工程S10が終了すると、図17の再判定工程S11に進み、X線量の計測数値が所定値を超えていないか否かを再判定する。この判定の結果、計測数値が所定値を超えていないと判定された場合には、図17のよれ及び切断の目視診断工程S7に進み、スチールコード43のよれ及び切断の状況を診断した後、片付け工程S8に進み、全ての診断作業を終了させる。なお、図17の再判定工程S11において、計測数値が所定値を超えていると判定された場合には、計測数値が所定値を超えていないと判定されるまで、修理工程S9−測定工程S10−再判定工程S11を、繰り返した後、計測数値が所定値を超えていないと判定されるようになると、目視診断工程S7−片付け工程S8と進み、全ての診断作業を終了させる。
上記診断手順によれば、本実施形態のX線診断装置1により、電磁加振装置7を使用することなく、ハンドレール41のよれ及び切断の診断作業を、安全に円滑に行うことができる。
次に、上記構成のX線診断装置1を用いた、ハンドレール41のスチールコード43の層間剥離の発生状況を診断する際の、診断手順を、図18に基づき説明する。
始めに、予め、ハンドレールチェッカー等により、エスカレーター40のハンドレール41全長につき、ハンドレール41のスチールコード43の損傷チェックを行い、そのスチールコード43のスチールコード43が損傷しているとしてチェックされた部分に位置するハンドレール41の外表面にマークMを付した後、そのハンドレール41を運転移動させて、図18に示すハンドレール移動工程S12のように、ハンドレール41の外表面に付したマークMが、エスカレーター40の下部水平部に位置させるようにする。
次いで、ハンドレール移動工程S12が終了すると、図18の固定工程S13に進む。図18の固定工程S13では、ハンドレール41のエスカレーター40の下部水平部に位置する部分をエスカレーター40のハンドレールガイド42から外した後、支持装置44によってX線診断装置1の本体ケース6を、図12に示すように、ハンドレールガイド42に固定する。この場合、本体ケース6は、第1ハンドル6Gを握って持ち上げてハンドレールガイド42上に載置し、その後、ハンドレール41のマークMの位置がX線診断装置1の目視窓28の下方に略位置するように、第3ハンドル6Jを握って本体ケース6全体を左右に調整移動した後、その本体ケース6を支持装置44によって固定するようにすればよい。
次いで、固定工程S13が終了すると、図18の装着工程S14に進む。図18の装着工程S14では、本体ケース6の連結金具11を解除することで、第2ハンドル6Hを握って上ケース部6Bを開いた状態にした後、本体ケース6の下ケース部6Aの上面に、スカレーター40のハンドレール41を、そのハンドレール41の表面側を上に向けて水平状態に載置した後、そのハンドレール41の表面のマークMを付した位置の近傍に電磁加振装置7を、装着部材15により、直に装着する[図1及び図14の(b)参照]。上記構成のX線診断装置1では、ハンドレール41の表面に付したマークMの位置から約100mmずらした位置に電磁加振装置7を装着するようにしている。
次いで、装着工程S14が終了すると、図18の設置工程S15に進む。図18の設置工程S15では、上ケース部6Bを閉じて連結金具11を施錠することで、X線診断装置1の本体ケース6の設置空間部6Cに、ハンドレール41及び電磁加振装置7を設置する[図14(c)参照]。
次いで、図18の設置工程S15が終了すると、図18の動作開始表示工程S16に進む。図18の動作開始表示工程S16では、タイマー34をセットした後、キースイッチ31をオンさせることで、動作表示ランプ33を点滅若しくは点灯させる。
次いで、動作開始表示工程S16が終了すると、図18のX線量計測工程S17に進む。図18のX線量計測工程S17では、開始釦29をオンさせることで、X線発生管16からX線Pを発生させ、かつ、動作ブザー32を動作させて、高圧発生装置17が動作してX線発生管16からのX線Pが発生中であることを報知すると同時に、携帯用のX線ポケット線量計(図示せず)によって、X線診断装置1の本体ケース6から漏洩拡散しているX線量を計測する。
次いで、図18のX線量計測工程S17が終了すると、図18の判定工程S18に進み、X線量の計測数値が所定値を超えていないか否かを判定する。この判定の結果、計測数値が所定値を超えていないと判定された場合には、図18の剥離の目視診断工程S19に進む。図18の層間剥離の目視診断工程S19では、電磁加振装置7を動作させると共に、ハンドレール41を水平状態から垂直状態までの範囲で一対の回転角度調整保持手段12、13を回転させながら、X線受像部5に形成されたX線画像を目視窓28より直接見ることで、スチールコード43の剥離の状況を診断する。この場合、X線発生部4のX線発生管16からハンドレール41に向かって照射させるX線Pの照射方向Sと、電磁加振装置7からハンドレール41内のハンドレール41に向かって印加される交番磁界の印加方向Qの交差角度Rを、一対の回転角度調整保持手段12、13でハンドレール41を、そのハンドレール41の長手方向を回転軸Zとして回転させることにより、変化させる。これにより、本体ケース6の設置空間部6C内で略45°傾斜したハンドレール41に対して垂直方向に透過したX線によりX線受像部5にX線画像を形成した場合には、図19の(b)の模擬図に示すようなX線画像図A2が得られ、かつ、本体ケース6の設置空間部6C内で垂直状態に設置されたハンドレール41の一方の側面側から他方の側面側に垂直方向に透過したX線によりX線受像部5にX線画像を形成した場合には、図19の(c)の模擬図に示すようなX線画像図A3が得られる。この図19の(b)に示すX線画像図A2では、スチールコード43のよれ及び切断の発生状況の確認が図19の(a)に示すX線画像図A1よりも困難になり、かつ、図19の(c)に示すX線画像図A3よりも、スチールコード43の層間剥離に基づく隙間Gの診断が困難になる。また、図19の(c)に示すX線画像図A3では、スチールコード43の層間剥離に基づく隙間G及び振動の有無の診断を確実にすることができる。この診断の際に、目視窓28にビデオカメラを装着して、スチールコード43の層間剥離の発生状況を撮影するようにしてもよい。
次いで、剥離の目視診断工程S19が終了したならば、図18の片付け工程S20に進む。片付け工程S20では、キースイッチ31をオフした後、X線診断装置1の本体ケース6の設置空間部6Cからハンドレール41を外し、その後、X線診断装置1をエスカレーター40のハンドレールガイド42から外して、X線診断装置1等を片付けることにより、全ての診断作業を終了させる。
図18の判定工程S18において、計測数値が所定値を超えていると判定された場合には、図18の修理工程S21に進む。修理工程S21では、停止釦30を押すことにより、バッテリー19を解放させて、X線発生部4のX線発生管16からのX線Pの発生を停止させた後、X線診断装置1の点検修理等を行う。
次いで、図18の修理工程S21が終了したならば、図18の測定工程S22に進む。測定工程S22では、X線ポケット線量計(図示せず)によって、X線診断装置1の本体ケース6から外部に漏洩拡散しているX線量が所定値を超えているか否かを測定する。
次いで、図18の測定工程S22が終了すると、図18の再判定工程S23に進み、X線量の計測数値が所定値を超えていないか否かを再判定する。この判定の結果、計測数値が所定値を超えていないと判定された場合には、図18の層間剥離の目視診断工程S19に進み、スチールコード43の層間剥離の状況を診断した後、片付け工程S20に進み、全ての診断作業を終了させる。また、図18の再判定工程S23において、計測数値が所定値を超えていると判定された場合には、計測数値が所定値を超えていないと判定されるまで、修理工程S21−測定工程S22−再判定工程S23を、繰り返した後、計測数値が所定値を超えていないと判定されるようになると、目視診断工程S19−片付け工程S20と進み、全ての診断作業を終了させる。
上記診断手順によれば、上述の一実施形態例のX線診断装置1により、電磁加振装置7を設置することで、ハンドレール41の層間剥離の診断作業を、安全に円滑に行うことができる。なお、上記診断手順によれば、X線量計測工程S17及び判定工程S18並びに測定工程S22及び再判定工程S23にて、漏洩しているX線量の計測数値が所定値を超えていないことを確認してから、電磁加振動装置7を動作させて目視診断を行うようにしているので、上述の一実施形態例のX線診断装置1によるX線診断作業を、安全に行うことができる。
さらに、上記診断手順によれば、上記目視診断工程S19においては、ハンドレール41を回転させつつ電磁加振装置7の操作(入り切り)を行う作業と目視窓からX線画像を見て目視診断を行う作業を、1人の診断作業者で行うようししているが、それらの作業を複数の診断作業者で行うようにしてもよい。
さらに、上記診断手順によれば、上記装着工程S14及び設置工程S15においては、ハンドレール41に電磁加振装置7を装着した状態で、上ケース部6Bを閉じた後に、本体ケース6の設置空間部6Cから一対の開口6E、6Fの外方に延在させたハンドレール41の左右両方部分を、一対の回転角度調整保持手段12、13で把持するようにしているが、上ケース部6Bを開けたまま、本体ケース6の設置空間部6Cから一対の開口6E、6Fの外方に延在させたハンドレール41の該当部分を一対の回転角度調整保持手段12、13で把持すると同時に、ハンドレール41に電磁加振装置7を装着部材15で装着した状態とした後、上ケース部6Bを閉じるようにしてもよい。
さらに、上記診断手順の片付け工程S20において、X線診断装置1の本体ケース6の設置空間部6Cからハンドレール41を外す場合、ハンドレール41から電磁加振動装置7を取り除いた後に行うようにしてもよいし、ハンドレール41に電磁加振動装置7を取り付けた状態で行うようにしてもよい。また、上記目視診断工程S19においては、ハンドレール41を、一対の回転角度調整保持手段12、13で回転させるようにしているが、一対の回転角度調整保持手段12、13のいずれか一方の回転角度調整保持手段でハンドレール41を、回転させるようにしてもよい。
上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、ハンドレール41内のスチールコード43が剥離していた場合に、そのスチールコード43が振動する状態を示すX線画像が得られるので、スチールコード43の剥離の有無を簡単に判定することができ、かつ、X線画像のスチールコード43の振動の大きさを目視診断することで、スチールコード43の剥離の損傷進行状況を把握することができる。しかも、上述の一実施形態例からなる1個のX線診断装置1によって、電磁加振装置7を設置することなく、ハンドレール41のよれ及び切断の診断作業を、安全に円滑に行うことができると共に、電磁加振装置7を設置することで、ハンドレール41の層間剥離の診断作業を、安全に円滑に行うことができる。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、電磁加振装置7の電源を、X線発生部4の電源となるバッテリー19及び直交流変換器21側から取るようにしたので、電磁加振装置7の小形化が可能であって、X線受像部5とX線発生部4を収納した本体ケース6内に、その本体ケース6を大きくすることなく、電磁加振装置7を収納することができる。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、帯状に長いハンドレール41であっても、そのハンドレール41を、本体ケース6の前面に設けた挿入口6Dから、本体ケース6の設置空間部6Cに収納することができ、診断作業性が向上すると共に、X線診断装置1の運搬時等において、本体ケース6の上ケース部6Bの上面に設けられているところの、開始釦29、停止釦30、タイマー34、使用度数計35などの部品が、周囲の物に衝突する等して、損傷してしまうのを、本体ケース6の上ケース部6Bの上面の左右端側のそれぞれに設けた第1ハンドル6Gによって、阻止されるので、取扱性が向上する。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、X線発生部4を収納する下ケース部6AとX線受像部5を収納する上ケース部6Bとをヒンジ機構10により開閉自在とし、下ケース部6Aに対して上ケース部6Bを最大に開くと、その上ケース部6Bの開いた状態が保持されるので、本体ケース6の設置空間部6Cへのハンドレール41の設置作業及びそのハンドレール41への電磁加振装置7の装着作業が容易となる。なお、上述の一実施形態例のX線診断装置1では、電磁加振装置7をハンドレール41の表面に取り付けるようにして、上ケース部6B内壁側に取り付けるようにしていないので、上ケース部6B側が、電磁加振装置7の重量分、重くなることがなく、上ケース部6Bの開閉を円滑に行うことができる。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、X線発生部4のX線発生管16から遮蔽板体8の案内筒状部8C内を通りハンドレール41に照射されることで、そのハンドレール41を通り抜けてX線受像部5の受像板25に向かったX線が、万一、上ケース部6B内のX線受像部5以外の部分にて漏洩拡散するようなことがあっても、鉛製の鉛カーテン部材9、9によって、一対の開口6E、6Fから本体ケース6の上ケース部6Bの外方にX線が漏洩拡散するのを確実に遮断することができ、しかも、X線発生部4から遮蔽板体8の案内筒状部8C内に向かって照射されるX線が、何らかの原因で下ケース部6A内に漏洩拡散しても、その漏洩拡散したX線が下ケース部6A内から外部に漏洩拡散するのを、遮蔽板体8の下面全面並びに下ケース部6Aの内側壁及び内底に貼り付けた鉛板材14によって、確実に遮断することができ、安全である。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態にしても、挿入口6Dから設置空間部6C内に水平状態に挿入したハンドレール41を、そのハンドレール41の両側面が上下方向となる垂直状態に、一対の回転角度調整保持手段12、13によって、ハンドレール41を回転させることで、円滑に設置させることができる。しかも、スチールコード43に電磁加振装置7により交番磁界を印加した状態で、ハンドレール41を回転させてハンドレール41の設置角度を変化させつつ、ハンドレール41を水平状態から垂直状態までの画像の変化を連続して、診断作業者が、目視窓28からX線画像を見ることにより、層間剥離に起因するハンドレール41の振動を、確実に見つけ出すことができ、目視診断を円滑に行うことができる。そして、スチールコード43の振動を見つけ出すことで、層間剥離が起こり始めた初期段階でのハンドレール41の補修作業等の対策を行うことが可能となり、ハンドレール41が切断に至るのを事前に阻止できる。
さらに、上述の一実施形態例のX線診断装置1によれば、本体ケース6内にバッテリー19及び充電器20を内蔵させる構造にしてあるので、商用交流電源に接続するためのコンセントが設置されていない都市交通(地下鉄等)のエスカレーター40の設置現場においても、X線画像による目視診断を行うことを可能にしており、利便性がよい。
上述した本発明の一実施形態例では、本体ケース6の上ケース部6Bに設けた目視窓28から、診断技術者が直接、X線受像部5のX線画像を見ることで、被診断対象物2内の内在物3の状態を診断するようにしているが、これに限定されない。目視窓28にビデオカメラを装着して、ビデオカメラのメモリーにX線画像を記憶させ、そのメモリーに記憶させたX線画像を別途設けたモニター画面に表示させて、モニター画面上で、ハンドレール41内のスチールコード43の状態を診断するようにしてもよい。また、ビデオカメラで撮影したスチールコード43のよれ状況及び切断の状況が表示された図19(a)の模擬図に示すX線画像図A1と、スチールコード43の層間剥離の状況が表示された図19(c)の模擬図に示すX線画像図A3とを、診断報告書等に掲載するようにすることで、エスカレーター40を所有する顧客に、そのエスカレーター40のハンドレール41の損傷状況を正確に知らせることができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、電磁加振装置7の取り付け位置を、ハンドレール41の表面のマークMを付した位置から約100mmずらした位置とすることで、ハンドレール41のマークMを付した位置に向かってX線を照射しても、電磁加振装置7がX線画像に映し出されることがないので、水平状態のハンドレール41に電磁加振装置7を取り付けた状態のまま、かつ、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態で、ハンドレール41のよれ及び切断の診断作業とハンドレール41の層間剥離の診断作業とを、連続して行うことができるようになるため、便利である。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、本体ケース6の背面側にヒンジ機構10を設け、かつ、本体ケース6の正面側に連結金具11を設けるようにしているが、これに限定されない。本体ケース6の正面側にヒンジ機構10を設け、かつ、本体ケース6の背面側に連結金具11を設けるようにすることもできる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、本体ケース6の設置空間部6Cから一対の開口6E、6Fの外方に延在させた被診断対象物であるハンドレール41の左右両方部分を、一対の回転角度調整保持手段12、13で把持してハンドレール41を回転させるようにしているが、これに限定されない。回転角度調整保持手段12若しくは回転角度調整保持手段13のいずれか一方のみで、ハンドレール41を回転させるようにすることもできる。その場合、電磁加振装置7に連結体で回転角度調整保持手段12若しくは回転角度調整保持手段13を一体化する構造とするようにしてもよい。
さらに、上述した本発明の一実施形態例の電磁加振装置7を、商用交流電源による交流電圧を一対の電磁コイル38、38Aに印加する商用交流電源回路と、直流電池の直流を直交流変換器により交流に変換しその変換された交流電圧を一対の電磁コイル38、38Aに印加するための直交流変換電源回路と、商用交流電源回路と直交流変換電源回路を切替えるための電源切替えスイッチを備え、この電源切替えスイッチにより、前記商用交流電源回路からの交流電圧を一対の電磁コイル38、38Aに印加した後、直交流変換電源回路からの交流電圧を一対の電磁コイル38、38Aに印加する構成とするようにしてもよい。これにより、ハンドレール41内のスチールコード43の振動を大きくすることができるので、被診断対象物2内の内在物3の状態の変化を見逃すことがなく、X線画像による目視診断を確実に行えるX線診断装置を提供することができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例の電磁加振装置7に、一対の電磁コイル38、38Aを直列接続若しくは並列接続の切替えを可能にする直並列切替えスイッチを設ける構成とするようにしてもよい。これにより、ハンドレール41内のスチールコード43の振動を大きしたり小さくしたりすることができるため、その振動の有無を、X線画像で、難なく確認することができるため、診断作業を円滑に行うことを可能にしたX線診断装置を提供することができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、電磁加振装置7を被診断対象物2であるハンドレール41に装着する際、そのハンドレール41の表面のマークMを付した位置から約100mmずらした位置に電磁加振装置7を取り付けると共に、そのハンドレール41の表面のマークMを付した位置に向かってX線を照射するようにしているが、これに限定されない。ハンドレール41の表面のマークMを付した位置に電磁加振装置7を取り付けるようにすることも可能である。但し、ハンドレール41の表面のマークMを付した位置に電磁加振装置7を取り付けた状態でハンドレール41のマークMを付した位置に向かってX線を照射すると、X線画像に電磁加振装置7が映し出されてしまうので、スチールコード43のよれ及び切断の発生状況を診断する診断作業をする場合には、電磁加振装置7をハンドレール41に装着することなく、図17の流れ図に示す診断手順で行い、かつ、スチールコードの層間剥離の発生状況を診断する診断作業をする場合には、本体ケース6の設置空間部6C内で水平状態に設置されたハンドレール41の表面側に電磁加振装置7を装着し、そのハンドレール41を約90°回転させることにより、そのハンドレール41を本体ケース6の設置空間部6C内で垂直状態に設置した後に、そのハンドレール41の一方の側面側から他方の側面側に垂直方向に向かってX線を照射することによって、そのハンドレール41を透過したX線によりX線受像部5にX線画像を形成するようにする必要がある。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、電磁加振装置7を、被診断対象物2であるハンドレール41の表面に直に、装着するようにしているが、これに限定されない。電磁加振装置7を本体ケース6の上ケース部6B内に取り付けた状態で、その電磁加振装置7が、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態にしたとき、本体ケース6の設置空間部6Cで垂直方向に立てたハンドレール41に対して水平方向からハンドレール41に向かって逆凹状コア37による交番磁界が印加されるように、そのハンドレール41に当接若しくは近接させる構造とするようにしてもよい。これにより、本体ケース6の上ケース部6Bを閉じた状態で、ハンドレール41のよれ及び切断の診断作業とハンドレール41の層間剥離の診断作業とを、連続で行うことができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、設置空間部6Cを、その設置空間部6Cに設置された被診断対象物2に該当するハンドレール41を水平状態から垂直状態に回転させることのできる大きさに設定し、しかも、設置空間部6Cに設置されたハンドレール41を回転させることにより水平状態から垂直状態に保持させたハンドレール41に対して水平方向からハンドレール41に向かって電磁加振装置7による交番磁界を印加させるようにしているが、これに限定されない。本体ケース6内にハンドレール41を垂直状態でしか設置できないように、設置空間部6Cの大きさ及びハンドレール41を設置空間部6Cから本体ケース6外方に延在させための一対の開口6E、6Fの形状・大きさに設定した構造とすることにより、ハンドレール41の層間剥離の診断作業のみを行えるX線診断装置とすることもできる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、被診断対象物2を、エスカレーター40のハンドレール41としているが、これに限定されない。本発明は、例えば、電動機プーリーと駆動プーリーを連結手段として用いられる積層状のベルト内の抗張体に生じている層間剥離を診断するX線診断装置としても適用することができる。
さらに、上述した本発明の一実施形態例では、電気コード類の損傷状況を診断するX線診断装置あるいは食品類内に侵入した針等の異物有無を診断するX線診断装置としても適用することができる。そして、電気コード類の損傷状況を診断する場合には、電磁加振装置7及び一対の回転角度調整保持手段12、13を使用することなく、上ケース部6Bを閉じた状態で、その上ケース部6Bの一対の開口6E、6Fの外方に延在させた電気コード類の部分を、診断作業者が握って、その電気コード類を設置空間部6C内で回転させながら、かつ、上ケース部6Bの外方に引っ張ることで、電気コード類へのX線の照射位置を変えながらX線受像部5に形成されたX線画像を目視診断することにより、電気コード類の全周及び全長につき、切断等の損傷状況を確認することができる。
また、食品類内に侵入した針等の異物有無を診断する場合には、上ケース部6Bを開いて、下ケース部6Aの上面に、合成樹脂製のパレット等に載せた食品類を置き、その後、上ケース部6Bを閉じることにより、食品類を本体ケース6の設置空間部6Cに設置した状態とした後、その食品類にX線を照射することにより、X線受像部5に形成されたX線画像に針等の異物を映し出すことができる。
1 X線診断装置
2 被診断対象物
3 内在物
4 X線発生部
5 X線受像部
6 本体ケース
6A 下ケース部
6B 上ケース部
6C 設置空間部
6D 挿入口
6E、6F 一対の開口
7 電磁加振装置
8 遮蔽板体
9、9A 鉛カーテン部材
10 ヒンジ機構
12、13 一対の回転角度調整保持手段
15 装着部材
16 X線発生管
17 高圧発生装置
18 ヒーター制御装置
24 鉛遮蔽筒体
25 受像板
26 受像管
27 防護鉛硝子
28 目視窓
37 逆凹状コア
38、38A 一対の電磁コイル
39 加振操作スイッチ
41 ハンドレール
43 スチールコード
M マーク
P X線
Q 印加方向
S X線の照射方向
R 交差角度

Claims (5)

  1. X線を被診断対象物に向かって照射するX線発生部と、前記被診断対象物を透過したX線によって前記被診断対象物内の内在物のX線画像を形成させるX線受像部とを備え、前記X線画像を目視診断することによって前記被診断対象物内の内在物の状態を確認するX線診断装置において、前記被診断対象物内の内在物に交番磁界を印加させることで前記被診断対象物内の内在物を振動させる電磁加振動装置を設けると共に、この電磁加振動装置により前記被診断対象物内の内在物に交番磁界を印加させた状態時に、前記X線発生部からのX線を前記被診断対象物に向かって照射させることで、その被診断対象物を透過したX線によって、前記内在物が振動するX線画像を前記X線受像部に形成させることを特徴とするX線診断装置。
  2. 前記X線発生部から前記被診断対象物に向かって照射させるX線の照射方向(S)に対して、前記電磁加振動装置から前記被診断対象物内の内在物に向かって印加される交番磁界の印加方向(Q)が交差するように、前記X線発生部と前記電磁加振動装置を配設したことを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記X線発生部を収納する下ケース部と、前記X線受像部を収納する上ケース部とからなり、この上ケース部内であって前記X線受像部より下方に前記被診断対象物を設置する設置空間部を形成してなる本体ケースを設けると共に、前記設置空間部を、その設置空間部に設置された前記被診断対象物を水平状態から垂直状態に回動させることのできる大きさに設定し、しかも、前記設置空間部に設置された前記被診断対象物を回動させることにより水平状態から垂直状態に保持させた前記被診断対象物に対して水平方向から前記被診断対象物に向かって前記電磁加振動装置による交番磁界を印加させることで前記被診断対象物内の内在物を振動させると共に、前記X線発生部からのX線を、前記被診断対象物に向かって垂直方向から照射させてその前記被診断対象物を透過したX線によって前記内在物が振動するX線画像を前記X線受像部により取得するようにしてなる請求項1乃至2のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  4. 前記本体ケースを、X線発生部を収納する下ケース部と、X線受像部を収納する上ケース部とからなる二分割構成とすると共に、前記下ケース部に対して前記上ケース部をヒンジ機構により開閉自在とすることにより、前記被診断対象物を前記設置空間部に挿入するための挿入口を、前記本体ケースの正面若しくは背面のいずれか一方の面に形成される構成とし、さらに、前記上ケース部の左右側面の両面に前記被診断対象物を前記設置空間部から前記本体ケース外方に延在させための一対の開口を設け、この一対の開口から前記本体ケースの外方にX線が漏れるのを遮断する鉛カーテン部材を、前記上ケース部の左右側面の両面に設け、かつ、前記下ケース部の上面開口端に設けられて前記上ケース部側にX線が漏れるのを遮断する遮蔽板体を設け、しかも、前記被診断対象物を前記設置空間部から前記一対の開口の外方に延在させた被診断対象物の部分を、把持して回動させた後、前記設置空間部にて水平状態から垂直状態の間の任意の角度で保持させる回転角度調整保持手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のX線診断装置。
  5. 前記設置空間部に設置される前記被診断対象物をエスカレーターのハンドレールとし、そのハンドレールの表面に、前記電磁加振動装置を、その電磁加振動装置からの交番磁界がハンドレールの表面から裏面に向かって印加させるように取り外し可能に装着すると共に、前記ハンドレールを、前記回転角度調整保持手段によって前記設置空間部内及び一対の開口内で回動させることにより、前記照射方向(S)と印加方向(Q)との交差角度(R)を可変させるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のX線診断装置。
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