JP3162081B2 - 冶金容器用の電極と冷却要素 - Google Patents

冶金容器用の電極と冷却要素

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冶金容器のための電極及び冶金容器壁のた
めの冷却要素に関し、電極又は冷却要素は、空洞を有
し、この空洞内で冷却媒体(液体又は液体/ガス混合
物)を吹き付けることによって冷却する装置を有するも
のである。
本発明は、さらに本発明による少なくとも1つの電極
を有するDCアーク炉に関する。
例えばDCアーク炉のような、電気炉製鋼用の冶金容器
においては、容器の耐火物内張りに組み入れられてこの
内張りを貫通している電極(底部電極)は、溶湯との電
気的接続を生じさせるための陽極として働く。溶融金属
に接触している電極のこれらの部分は、高温摩耗を受け
る。この理由により、底部電極のための種々の冷却装置
が、既に提案されている。
例として、DE−A−38 35 785は、容器の壁から突出
している電極の部分を包囲して冷却する冷却スリーブを
提案している。電極の狭い範囲が冷却されるだけで、冷
却される範囲は、電極と溶湯の熱的負荷接触面から離れ
た位置にあるから、冷却力は低い。このため、電極は、
比較的早く溶け、その使用寿命が短い。新しい電極は、
炉壁の耐火物材料に埋設しなければならないので、電極
の交換は面倒である。
電極体内に空洞を備え、水を吹き付けることでこれら
の空洞を冷却することが既に、提案されている(DE−B
−40 26 897、DE−A−43 35 065)。安全上の理由か
ら、これらの空洞は、溶融金属と接触している電極部分
からかなりの距離に位置しており、炉壁の外側に位置す
る。
このかなりの距離は、冷却するのを失敗した場合に、
或いは過剰な熱が電極に伝わった場合に、後者が、この
空洞に侵入できる程充分な程度に金属を溶融しないこと
を意図したものである。溶融金属と冷却水の接触は、特
に、もし水が溶融金属に含まれていると、爆発的な反応
を起こし、そのときに起こる蒸発と膨張が、溶湯を爆発
的に引裂する。また、爆発的なガス反応に先立って、水
の化学分解を除くことも不可能である。さらに、空洞へ
の溶融金属の侵入は、焼損した電極と空洞とを経由して
炉が湯漏れすることを意味する。
冷却空洞と溶融金属の大きな距離は、これら安全性を
考慮して選択されたので、冷却作用が不充分であること
を意味し、従って高い電極の溶損を意味する。
さらに、冶金容器の溶損を減らすように、特に高熱負
荷にさらされる冶金容器(例えば、電気アーク炉)の壁
部を冷却する必要がある。前述した同じ理由により、水
冷却システムは、ここでは問題のあるものであり、特に
前述した爆発的な反応というリスクは残ったままであ
る。もし、異常な操業条件下で、溶融金属が容器の壁を
破ってそのような冷却要素に侵入すると、ある状況下で
は、容器はこの焼かれた領域を経由して湯漏れする。
本発明は、最初に述べたタイプの電極と冷却要素を提
供する目的に基づくものであり、その電極又は冷却要素
は、より効果的な冷却装置を有し、安全の要求をを満足
するものである。
この目的は、空洞に侵入する溶融金属を捕集する少な
くとも一つの捕集装置が冷却空洞に配置されているとい
うことにより、本発明により成される。
本発明においては、「吹き付け」“spraying"という
言葉は、空洞の内壁の少なくとも一部分が冷却媒体によ
って冷却されるように空洞内への冷却媒体のどのような
タイプの散布をも意味するものとして理解される。1以
上のノズルによって、微細に分散される吹き付けが好ま
しい。水又は水/空気混合物が、冷却媒体として好まし
く使用される。他の冷却媒体の使用もまた可能である。
特に高い冷却作用は、冷剤として液体ナトリウムの使用
によって得られる。
侵入する溶融金属のための捕集装置は、空洞に侵入し
た溶融金属がさらに冶金容器の外壁に向かう浸透を防ぐ
か、少なくとも遅らせる装置を意味するものとして理解
される。ナトリウムを冷却液として使うのであれば、捕
集装置は加熱された媒体の還流を妨げないように、或い
は妨げるとすればわずかな程度となるように設計しなけ
ればならない。
「冶金容器の壁部」“wall of a metallurgical vess
el"という言葉は、広く解釈されるもので、例えば、
底、側壁、蓋等のどんな壁でも含む。
本発明による電極又は冷却要素において、空洞は容器
壁部の耐火物内張りの内側に突出し、安全上の危険な
く、溶融物に面する端部領域に接近している。もし、非
常に好ましくない作業状況の場合に、電極が、溶融金属
が空洞に侵入する程度にまで溶けると、この溶融金属
は、捕集装置によってせき止められ、電極を通って炉を
外に漏れるのを防止する。本発明は、吹き付け冷却に使
用される相対的に少量の水のため、驚くべきことに、溶
融金属とスプレーミストとの間の接触による爆発的な反
応の危険がないことを認識している。収集装置は、わず
かな程度にまで冷却媒体の還流を防止するように設計さ
れる。こうして、溶融金属が侵入した場合には、空洞の
同じ領域に存在するであろう冷却媒体が、すばやく流れ
を止めるか、後退させる。この方法で、捕集装置によっ
て止められた溶融金属は、爆発的な反応という危険をも
たらす程度に残留水を含むことが防止される。
本発明による冷却要素は、容器壁(好ましくは、特に
熱負荷のある位置で)に組み入れることができ、容器壁
−溶融金属接触面から近い距離で、その冷却作用を行う
ことができる。もし、作業上の失敗で、溶融金属が容器
壁を通り冷却要素に入ったら、本発明により提供される
捕集装置によって止められる。
水又は水/空気混合物が冷却媒体として使用された場
合には、作業条件は、冷却されるはずの空洞の内壁に水
が接触する時に、水が大部分又は完全に蒸発するよう
に、有利に選択される。これは2つの利点がある。第1
に、水の熱吸収容量だけでなく、水−蒸気相転移の非常
に大きな蒸発熱も冷却に使われるので、冷却水の相対的
にわずかな流れであっても、高い冷却作用を生じる。も
し異常な操業条件下で、溶融金属が空洞に侵入すると、
空洞内の温度は、侵入前には実質的に全ての水が蒸発
し、侵入後は溶融金属が吹き付けた水ではなく蒸気だけ
に接触する程度にまで上昇するであろう。これはさらに
爆発的な反応の危険を減らす。こうして、正常な操業中
でさえ、スプレーされた水又はその大部分が空洞の壁部
と接触して蒸発するように操業条件を設定することが、
安全性をさらに高める。
空洞から流れ出る加熱された水又は蒸気は、真空ポン
プなどの減圧源を使用して吸い出すのが好都合である。
ポンプの吸引力は、スプレー水を除去する必要な吸引力
より高く選ぶことが可能である。もし必要なら、付加的
に空気が入口より導入され、それにより冷却媒体の除去
を助ける。こうして、捕集装置での水の貯留がないこと
を確実にできる。
本発明による電極において、捕集装置は、電極の主軸
に沿って空洞の断面を狭くするための装置として設計す
るのが好ましい。電極の主軸は、容器壁を通る方向に向
けた縦軸である。この主軸に沿った空洞の断面の狭い部
分は、空洞の断面がこの主軸に垂直な面で低減すること
を意味する。このような狭い部分は、溶融金属が冷却媒
体より粘度がたかいのでその流れを止めるか又は減速さ
せる。その断面の狭い部分は、その断面が複数の小さな
断面積に分割するように設計するのが有利である。例え
ば、捕集装置は、細溝板(slotted plate)又は孔開き
板(perforated plate)を有するものがよい。除去すべ
き冷却媒体のための通路が存在しているのが好ましい。
孔開き板の場合には、孔は、例えば、細溝の形でその中
に配置されている。以下の本文では、孔開き板で述べる
が、これは、冷却媒体が通過する適当な開口部、例え
ば、孔、細溝などを有するどのような板をも意味するも
のと理解される。
孔開き板は、空洞に導入された冷却媒体が戻るのを妨
げないが、侵入した溶融金属を、一方では断面積の狭い
部分で機械的に、他方では、その吸収熱容量により熱的
に、停止させる。孔開き板は、溶融材料が凝固するか又
は少なくとも粘凋になりもはやその板の開口部を貫通す
ることができない程度に溶融材料の前部側を冷却する過
程で、その溶融材料により加熱される。交互に配列した
複数の捕集装置が、安全性を高めるために備えられても
よい。もし捕集装置(例えば、孔開き板)が溶融金属の
温度より高い融点を有する材料から成るものであれば、
有利である。溶鋼用の冶金容器の場合には、捕集装置
は、例えば、ステンレス鋼板から成るものでよく、その
厚みは、例えば、30mmでよい。
電極の場合は、空洞は、電極の主軸に平行に伸びる最
も大きい寸法を有するものが有利である。円筒上の設計
で、球状のキャップの形に設計された円筒の端部が、溶
融金属と接触する電極の端部側に向いている。空洞は、
容器の壁部とその耐火物内張りの内に伸びていて、空洞
の端面と容器内部に突出している電極のその端面との距
離は、数センチメートル(例えば、5から10cm)であれ
ばよい。これで、有効な冷却ができる。
好ましくは、冷却媒体をスプレーするための少なくと
も1個のノズルが、冶金容器の内側に面している空洞の
端部領域に配置されている。このようにして、この端部
領域は、高い熱負荷を受けるが、特に効果的に冷却され
る。電極の場合には、冷却剤は、空洞を通って、基本的
には、電極の主軸の方向に伸びる管により、ノズルに供
給される。冷却媒体の供給の主たる機能に加えて、この
管は、同時に空洞の断面積を狭めることができ、これに
より、捕集装置の一部を構成する。
好ましくは、それは、厚肉金属管として設計される。
その外径は、(円筒状の)空洞の内径の約30−70%であ
る。その厚肉は、金属管が、高い吸収熱容量を有し、侵
入するどのような金属でも急速な冷却と凝固をすること
に寄与する。
捕集装置、またはその部分(例えば、孔開き板)は、
空洞内に管を有する。捕集装置が孔開き板であれば、こ
れらは、まだ液体の冷却媒体が孔開き板上に沿って流
れ、開口部を通って落下しないように、空洞の壁部側に
離れて案内されるようなある角度で配置される。
空洞の壁部は、好ましくは、熱伝導率の高い材料から
成り、例えば、銅又は銅合金からなっている。例とし
て、空洞は、球状キャップの形状で一端封止の銅シリン
ダにより囲まれていてもよい。球状キャップの封端部
は、容器の内側に向いている。
中空状銅シリンダのこの端面の封止は、冶金容器の内
側に突出している。この金属体は、好ましくは、鋳鋼の
フード又は銅のフードで、(例えば、溶接、かしめ、圧
入により)銅シリンダに取着される。銅フードと銅シリ
ンダとは、互いに一体に接合されてもよい。電極の操業
中は、溶融金属は、熱平衡に達するまで、鋳鋼フードを
溶かす。こうして、電極の封止部が、熱負荷と温度に依
存して、大きくなったり小さくなったりするにつれて、
いわゆる鋼の難溶性物質(steel salamander)を形成す
る。鋳鋼フードに対比して、銅フードが、改善された熱
電導率を有するので、凝固しつつある鋼も銅フード上
で、鋼の難溶性物質を作る。銅フードを使用すると、こ
の材料のより高い熱伝導率は、さらに安全対策として、
スプレー冷却した空洞を、溶湯からわずかにより大きい
距離に配置することが可能であり、そして、溶湯と空洞
の水冷内部表面との間に、さらに大きな安全距離がある
ことを意味する。圧力センサが、空洞中に配置されても
よい。鋼が空洞に侵入した場合には、圧力が変化し、水
の供給が直ちに遮断される。
本発明による電極又は冷却要素には、1つ以上の温度
センサがあってもよい。空洞の内側端部の壁、これに隣
接する電極体(鋳鋼フード)内の空洞の外側に各々の場
合、1個の温度センサを配置するのが、有利である。い
ろいろな測定法が、溶融金属材料の温度を決定すること
ができる。冷却要素の場合には、温度センサは、例え
ば、冷却要素の好ましくは銅又は鋼から成る壁の表面又
は内部に配置してもよい。
本発明によれば、吹込み管又はランスが、固体、液体
及び/または気体を冶金容器内に導入するために、備え
られてもよい。その結果、例として、溶湯中に酸素、ま
たは酸化用不純物を、または、例えば、鋼の加炭のため
に粉末石炭を導入することもできる。吹込み管は、冷却
されるのが好ましく、電極の場合には、冷却媒体のため
の供給管の内側に同軸に通すのが有利であり、この冷却
媒体が吹込み管の周囲を流れる。
本発明による電極の適用可能性は、溶融金属への電流
の供給には制限されない。冶金容器の耐火物内張りの冷
却と運用寿命の増加のためにのみ使用することもでき
る。このために、これは、電流供給に使用するときと同
様に、冶金容器の耐火物内張り中に配置される。冷却の
ためにのみ使用するときは、本発明の電極の設計を変形
する必要はなく、単に、電流供給の装置を省略すること
が可能である。請求の範囲によって提供される保護は、
本発明により形成されて、冷却目的のために専ら使用さ
れる装置にまで広げようとするものである。
本発明は、さらに、本発明による少なくとも1つの電
極及び/又は本発明による冷却要素を有するDCアーク炉
に関するものである。
本発明の例示的な実施例が図面を参照しながら以下に
説明する。
図1 本発明による電極の縦断面図を示す。
図2 本発明による第2の電極の縦断面を示し、付加
的に炉内部に物質を導入するための吹込み管を有してい
る。
図3は、冶金容器の壁部のための本発明による冷却要
素の縦断面を示し、冷却要素は金属浴ための炉底下ノズ
ルを備えている。
図4は、この冷却要素の断面積を示す。
図1は、DCアーク炉の底部に組み込まれた本発明の電
極を示す。炉壁は、多層設計となっている。それは、金
属外壁1、耐火物材料から作られた安全コース2、さら
に、耐火物内張り3(「アンカーホルト“ankerhort"」
耐火物ラミング材)とから成っている。
本発明による電極は、4で示すが、この炉壁を貫通し
ている。電極は、中空上のシリンダ5で、銅から製造さ
れ、炉壁内部に伸びて、ラミング材3の内側から約50mm
の距離で終端し、球状のキャップ形状又は半球状の端部
封止部6を有している。鋼フード7は、炉内に突出する
が、銅シリンダ5に、端部6の範囲で溶接されている。
鋼フード7の直下では、銅シリンダ5が、耐火材料製の
円錐状(又は適当な円柱状)ケーシングにより取り巻か
れている。電流は、銅シリンダを取り巻く接続クリップ
9を介して電極に供給される。
厚肉の鋼管10が、銅シリンダ5の内部に共同軸上に配
置され、鋼管は、上下に配列した5個の環状の孔開き板
11により銅シリンダの内壁に接続され、その孔開き板11
により所定位置に保持されている。この管10は、冷却媒
体(好ましくは、水、又は空気/水混合物)を供給管路
(feedline)12により供給する。端面6に面するその端
部で、管10は、ノズル13を有し、これによって、14で示
したように、冷却材が、円錐状に、端面6の内面上に吹
き付けられる。その端面6の反対側に位置する端部で、
銅シリンダは、加熱された冷却媒体の排除のために排出
口15を有する。この排出口15は、冷却媒体の排除を助け
るために、減圧源(真空ポンプ、下降管の吸引作用)に
接続されているのがよい。排出口15を減圧源に接続する
ことは、冷却媒体又はその一部が端面6の内面に接触す
るときに蒸発し、液体でなく気体の形で排出口を通じて
除去されなければならないときに、特に有用である。温
度センサ(熱電対)16、17が、一方では、鋳鋼フードの
領域の温度を、他方では、銅シリンダの端面の温度を測
定する。
炉と電極の操業中は、冷却媒体が、管路12を経由して
管10に供給され、銅シリンダの内部にノズル13により吹
き付けられる。加熱された冷却媒体は、主として、銅シ
リンダ5の内壁に沿って、孔開き板11を貫通して下方に
流れ、排出口15を通って排出される。炉中に配置した溶
融金属(通常は、溶鋼)は、熱平衡が成り立つまで鋼フ
ードを溶かす。その結果、鋼の難溶物がラミング材にま
で達する。冷却媒体を吹き付けることによって生じた高
い冷却作用により、また端面と溶融材料との間の距離に
より、通常の操業条件下では、鋼フードや鋼の難溶物
は、完全には溶けないであろう。
もし必要ならば、排出口15に接続された真空ポンプ
は、吹き付けた水の容積を除去するに必要な排出容量よ
り高い排出能を持っているのがよい。この場合に、水供
給管10は、別の管(不図示)によって同軸状に取り囲ま
れているのがよく、その場合には、圧力をバランスさせ
るために、シリンダによって囲まれた空洞にこれら二つ
の管の間の隙間と供給経路(同様に不図示)を通って、
外部空気が通るようにするのが好ましい。
万が一冷却材の低下又は完全な遮断の時は、鋼フード
は、溶融金属が直接銅シリンダの端面16に接触して溶解
し、溶融金属がその内部(空洞18)に侵入する程度に溶
けることがあり、溶融金属は、厚肉管10と上端の孔開き
板11に接触する。銅シリンダ5の内部の断面の減少によ
り、管10とは、一方では溶融金属が上方に流れるのを機
械的に防止し、他方では、高い吸収熱容量により、溶融
材料の前部が完全に凝固するか若しくは少なくとも上部
側の穴開き板11を通って上方に流れないようにその溶融
材料を冷却する。それにもかかわらず、例外的状況で、
金属が最初の孔開き板11を通って侵入してきたとして
も、最初の板11の直下に溶融金属を捕集するためにさら
に4つの孔開き板がある。これは、どのような状況で
も、溶融金属は、銅シリンダを通って、銅シリンダを溶
かしながら炉壁1、2、3の外側に位置する領域には侵
入することができないことを確実にする。銅シリンダが
溶ければ、銅シリンダは、排出口15の領域では、比較的
低融点であり、炉がかなり完全に空になるまで湯漏れさ
せる原因となっていた。孔開き板は11は、例えば、鋼か
ら成る。
図2は、本発明の実施例を示すが、ここでは、固体、
気体、及び/又は液体を溶融金属内に導入するための吹
込み管19がある。吹込み管19は、銅シリンダ5と管10の
内側の同軸状に通っており、管10の内側を通る領域で
は、冷却剤がその周囲を流れており、それで冷却されて
いる。この実施例では、2つ以上のノズル13が、管10の
周囲に分配されて、銅管5の端面領域6を冷却する目的
で備えられている。
示した実施例では、孔開き板11と管10とが、共に、本
発明による捕集装置を構成している。
DCアーク炉では、本発明の複数の(例えば、6本)の
電極が、陰極の直下に、炉底の中心の領域で約1メート
ルの円の周囲に相等しい角度距離で、陽極として一般
に、配置される。
もし本発明による1つの電極が電流供給には使用され
ずに、炉の耐火物内張りのための冷却要素として利用さ
れると、接触クリップ9は省略され、電極は、電源に接
続されない。この場合は、冷却機能だけが、耐火物内張
りの運用寿命を改善するために、特に、高い熱負荷を受
ける位置で、利用される。
図3と図4は、冶金容器の壁部について、本発明によ
る冷却要素の他の実施例を示す。冷却要素は、21で示す
が、冶金容器(例えば、電気アーク炉)の壁20内に装着
されている。複数のこれら冷却要素は、炉の周囲上に、
好ましくは、溶鋼の液レベル22直下領域で、配分するよ
うに配置されている。冷却要素21のハウジング23は、銅
又は鋼から成り、炉底部の炉殻を貫通して、耐火物内張
りに組み込まれている。それは、空洞を取り囲んでい
る。有利な点は、冷却要素が、外側から接近可能として
あり、メンテナンスと、もし必要なら交換とが大きな経
費を要することなく可能である。ここに示した冷却要素
の実施例は、溶融金属中に特に固体/気体材料を導入す
るための可動の浸漬ランス(underbathlance)を持って
いる。もし、本発明のこれら複数の冷却要素が炉の周囲
上に分配して配置されれば、少数の要素だけがそのよう
な浸漬ランスを備えていてもよい。
8個のスプレーノズル26が、ステンレス鋼板25に配置
されており、この板は、捕集装置として設計され、より
詳しくは以下に述べるが、スプレーからのスプレー円錐
が、部分的に互いに重なり合って、基本的には、溶融金
属に対面する冷却要素ハウジングあるいはケーシング23
の領域が、その表面全体を冷却媒体(好ましくは、水)
で覆われる。冷却要素の冷却が効くこの前面と溶融金属
との間に、冶金容器の壁部21は、厚み100mmの耐火物板
から成っている。この耐火物板は、浸漬ランス24を通す
ことができる孔を備えている。
ノズル26によりスプレーされた冷却媒体は、真空ポン
プに接続された排出管27を通って、排出される。吸引力
は、回収する冷却水を吸い出すのに必要な吸引力より大
きい。これは、さらに説明される捕集装置に水の溜まる
のを防止する意図である。この増加した吸引力が冷却要
素21の内部の圧力が著しく低下させるのを避けるため
に、付加的な管28が、その管により外部空気が吸い込ま
れるように、備えられている。管28は、冷却要素中の内
圧を監視するために、圧力センサを備えていてもよい。
管27を通って入る空気の容積は、制限器(不図示)によ
り調整できる。
高い冷却容量を達成するために、本発明による冷却要
素は、溶融金属に比較的近くに配置されている、即ち、
溶融金属からは相対的に薄い耐火物隔壁20の厚みだけ離
れている。炉操業の過程での摩耗の結果として耐火物板
20の厚みがさらに薄くなると、鋼の凝固層が、上記の鋼
の難溶物のように、冷却要素の前部にできる。もし、異
常な操業条件の下では、溶融金属は、冷却要素の中に侵
入したなら、以下に概説する捕集装置が炉の漏れを防止
する。
第1の捕集装置25は、ステンレス鋼の細溝を形成した
板の形で、溶融金属の面する冷却手段前面に、基本的に
平行に配列される。溶湯のもれに対する最初の障壁が形
成される。ステンレス鋼の細溝板25の厚みは30mmであ
る。細溝板25とほぼ垂直な細溝板29、30と、特に、図4
から判るようなその配置が、第2の捕集装置として備え
られている。さらに、ステンレス鋼の細溝板31が、第3
の障壁として、排出管27の前方に配置されている。
ステンレス鋼の細溝板が、捕集装置として、戻るって
来る冷却水が細溝板を通過するのを可能にしているけれ
ども、冷却要素を通過する溶融金属に対しては障壁を形
成する。溶融金属の前部は、ステンレス鋼の板に接触す
ると、直ちに、冷めて凝固する。捕集装置に使用される
ステンレス鋼の高い融点が侵入してくる溶融金属に大し
て付加的な防護を提供する。
冷却要素の内部の圧力は、管28に接続された圧力セン
サにより監視されている。鋼が侵入したとき、内圧は急
激に変化する。圧力センサは、次のノズルへの供給を急
に抑制して、こうして、吹きつけ水が冶金容器に入るの
を防止する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−111879(JP,A) 特開 平3−279779(JP,A) 特開 平4−86480(JP,A) 特開 平8−35779(JP,A) 特表 平9−506994(JP,A) 米国特許4947405(US,A) 西独国特許出願公開2637632(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 7/06 H05B 7/12 F27D 1/12 F27D 9/00 F27D 11/10 F27B 3/14 C21B 7/10

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの空洞(18)と該空洞(1
    8)中に冷却媒体を吹き付けて冷却する少なくとも1つ
    の装置(10、12、13)とを有する冶金容器用の電極にお
    いて、 空洞(18)中に侵入してくる溶融金属を捕集するための
    少なくとも1つの捕集装置(11)が空洞(18)に配置さ
    れていることを特徴とする冶金容器用の電極。
  2. 【請求項2】捕集装置(11)が、電極の主軸に沿って空
    洞(18)の断面を狭くする装置としても設計されている
    ことを特徴とする請求の範囲1に記載の電極。
  3. 【請求項3】捕集装置(11)が排除されるべき冷却媒体
    のための通路開口部を有することを特徴とする請求の範
    囲2に記載の電極。
  4. 【請求項4】捕集装置が、少なくとも1つの孔開き板
    (11)を有することを特徴とする請求の範囲3に記載の
    電極。
  5. 【請求項5】空洞(18)が電極の主軸に平行に伸びる最
    大寸法を有することを特徴とする請求の範囲1乃至4に
    記載の電極。
  6. 【請求項6】冷却媒体を吹き付けるための少なくとも1
    つのノズル(13)が、空洞(18)の端部領域で内側に向
    けて配置されていることを特徴とする請求の範囲5に記
    載の電極。
  7. 【請求項7】冷却剤が、空洞(18)を通って基本的に
    は、電極の主軸方向に伸びる管(10)によってノズルに
    供給されることを特徴とする請求の範囲6に記載の電
    極。
  8. 【請求項8】該管が、厚肉金属管(10)として設計され
    ていることを特徴とする請求の範囲7に記載の電極。
  9. 【請求項9】捕集装置(11)が、空洞中に該管を保持す
    る請求の範囲7又は8に記載の電極。
  10. 【請求項10】空洞(18)の壁部が、熱伝導率の高い材
    料から成ることを特徴とする請求の範囲1乃至9に記載
    の電極。
  11. 【請求項11】この材料が銅又は銅合金であることを特
    徴とする請求の範囲10に記載の電極。
  12. 【請求項12】それが、冶金容器の内部に向けた空洞
    (18)の端部領域(6)に配置された金属体(7)を有
    し、その金属体が、冶金容器の内側に突出していること
    を特徴とする請求の範囲1乃至11に記載の電極。
  13. 【請求項13】この金属体が鋳鋼フード(7)であるこ
    とを特徴とする請求の範囲12に記載の電極。
  14. 【請求項14】それが少なくとも1つの温度センサ(1
    6、17)を有することを特徴とする請求の範囲1乃至13
    に記載の電極。
  15. 【請求項15】それが付加的に、冶金容器の内部に固体
    及び/又は液体及び/又は気体を導入するための吹込み
    管(19)(ランス)を有することを特徴とする請求の範
    囲1乃至14に記載の電極。
  16. 【請求項16】吹込み管(19)が冷却装置を有すること
    を特徴とする請求の範囲15に記載の電極、
  17. 【請求項17】水又は水/気体混合物が、冷却媒体とし
    て使用されることを特徴とする請求の範囲1乃至16に記
    載の電極。
  18. 【請求項18】ナトリウムが、冷却媒体として使用され
    ることを特徴とする請求の範囲1乃至16に記載の電極。
  19. 【請求項19】請求の範囲1乃至18に記載の少なくとも
    1つの炉底電極を有することを特徴とするDCアーク炉。
  20. 【請求項20】少なくとも1つの空洞(32)と、この空
    洞(32)に冷却媒体を吹き付けることによって冷却する
    ための少なくとも1つの装置(26)を有する冶金容器の
    壁部のための冷却要素において、 空洞(32)に侵入してくる溶融金属を捕集するための少
    なくとも1つの捕集装置(25、30、31)が、空洞(32)
    に配置されていることを特徴とする冷却要素。
  21. 【請求項21】捕集手段(25、30、31)が除去されるべ
    き冷却媒体のための通路開口部を有することを特徴とす
    る請求の範囲20に記載の冷却要素。
  22. 【請求項22】捕集装置が、少なくとも1つの孔開き板
    若しくは細溝板(25、30、31)を有する請求の範囲21に
    記載の冷却要素。
  23. 【請求項23】冷却媒体を吹き付けるための少なくとも
    1つのノズル(26)が、空洞(32)の領域で、冶金容器
    の内部に向けて、配置されていることを特徴とする請求
    の範囲20乃至21に記載の冷却要素。
  24. 【請求項24】空洞(32)の壁部が、熱伝導率の高い材
    料から成ることを特徴とする請求の範囲20乃至23に記載
    の冷却要素。
  25. 【請求項25】この材料が、銅又は銅合金であることを
    特徴とする請求の範囲24に記載の冷却要素。
  26. 【請求項26】それが、冶金容器の内部に向けた空洞の
    端部領域に配置された金属体を有し、その金属体が、冶
    金容器の内側に突出していることを特徴とする請求の範
    囲20乃至25に記載の冷却要素。
  27. 【請求項27】この金属体が鋳鋼又は銅のフードである
    ことを特徴とする請求の範囲26に記載の冷却要素。
  28. 【請求項28】それが少なくとも1つの温度センサを有
    することを特徴とする請求の範囲20乃至26に記載の冷却
    要素。
  29. 【請求項29】それが付加的に、冶金容器の内部に固体
    及び/又は液体及び/又は気体を導入するための吹込み
    管(24)(ランス)を有することを特徴とする請求の範
    囲20乃至28に記載の冷却要素。
  30. 【請求項30】冷却媒体として、水又は水/気体混合物
    が使用される請求の範囲20乃至29に記載の冷却要素。
  31. 【請求項31】ナトリウムが冷却媒体として使用される
    請求の範囲20乃至29に記載の冷却要素。
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