JP3160678U - 浴槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材を使用した浴槽であって、箍を備えず多様な形状とすることが可能な浴槽を提供する。【解決手段】浴槽1は、底部10、底部の周縁から立ち上がる周壁部20、及び、周壁部の上端を被覆する環状の框部30を具備し、周壁部は、複数の木材片W1が並設され上端が框部と一体化された内側木材層21、内側木材層の外側で複数の木材片W2が並設され上端が框部と一体化された外側木材層22、及び、内側木材層及び外側木材層の間に設けられた繊維強化プラスチックの樹脂層23の三層構造であり、周壁部を外側から巻き締める箍は具備していないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本考案は、木材を使用した浴槽に関するものである。
ヒノキなどの木材製の浴槽の伝統的な形状は、平面視(真上から見たとき)の外形で四角形、円形、または、小判形にほぼ限られる。これは、従来の木材製の浴槽は、その製造方法ゆえに形状に制約があるからである。具体的には、板状の木材を使用して、角型ではない湾曲形状を備える浴槽を製造する場合は、短冊状(細長い板状)に切断された板材を使用し、これを多数並設することによって湾曲形状の周壁部を形成する。そして、その形状を保持すると共に板材間からの漏水を防ぐために、周壁部を外側から箍(たが)で巻き締める。そのため、従来の木材製の浴槽では、湾曲形状としては、箍を緩みなく締め付け易い円形または小判形に限定されていた。また、周壁部の外周に巻回された箍は、外観上で大変目立つものである。
このように箍が嵌められた木材製の浴槽、いわゆる桶風呂は、昔ながらの素朴な味わいを有し、好む人も多い一方で、近年では浴槽に多様な意匠が要請される傾向がある。そのため、伝統的な素材を使用した木材製の浴槽に対しても、従来にはない新規な形状が望まれている。
そこで、本考案は上記の実情に鑑み、木材を使用した浴槽であって、箍を備えず多様な形状とすることが可能な浴槽、の提供を課題とするものである。
上記課題を解決するため、本考案にかかる浴槽は、「底部、該底部の周縁から立ち上がる周壁部、及び、該周壁部の上端を被覆する環状の框部を具備し、該周壁部は、複数の木材片が並設され上端が前記框部と一体化された内側木材層、該内側木材層の外側で複数の木材片が並設され上端が前記框部と一体化された外側木材層、及び、前記内側木材層及び前記外側木材層の間に設けられた繊維強化プラスチックの樹脂層の三層構造であり、前記周壁部を外側から巻き締める箍は具備しない」ものである。
「木材片」の「木材」としては、特に限定されるものではないが、ヒノキ、サワラ、マキ、ヒバ、ネズコ等を使用することができる。
「内側木材層の上端」と「框部」との一体化、及び、「外側木材層の上端」と「框部」との一体化は、例えば、一方に突条または突部を設けると共に、他方にこれと対応する形状の溝または孔部を設けて、両者を嵌合させることにより行うことができる。或いは、接着剤を使用して接合することにより行うことができる。或いは、部材の嵌合と接着剤による接着とを併用して行うことができる。
「繊維強化プラスチック」のマトリックス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。また、強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の高弾性・高強度の樹脂繊維を、単独あるいは併用して使用可能である。
上記構成の浴槽では、内側木材層が複数の木材片を並設して形成されていることにより、木材片の間隙から漏水するおそれがあるところ、内側木材層と外側木材層との間に繊維強化プラスチックによる樹脂層が存在するため、この樹脂層によって漏水が防止される。そのため、複数の板材片によって組み上げられている周壁部であっても、従来の桶風呂とは異なり、漏水を防止するために板材片を箍で巻き締める必要がない。
従って、箍を巻き締めるために形状が制約されていた従来の桶風呂とは異なり、本考案の浴槽は形状の自由度が高く、従来の桶風呂にはない新規な形状も含めて、多様な形状とすることができる。
また、周壁部は三層構造であり、漏水を防止するための樹脂層は、内側木材層と外側木材層という二つの木材層に挟まれている。加えて、周壁部の上端は框部で被覆されている。これにより、樹脂層が外部から視認されず外観が良い。そして、周壁部の内側も外側も木材層からなるため、木材の木目、肌触り、香りなど、従来の木製の浴槽の有する長所を損なうことなく、従来の木製の浴槽にはなかった形状の多様性を備えることができる。なお、内側木材層の上端を外側に向かって延出することにより、或いは、外側木材層の上端を内側に向かって延出することにより、樹脂層の上端を被覆する構成も想到し得るところ、この場合は、内側木材層または外側木材層の形状が複雑となり、製造のための労力や時間が多大なものとなる。これに対し、本考案では、三層構造の周壁部の上端が框部で被覆された上で、周壁部と一体化された簡易な構成であるため、内側木材層または外側木材層の形成が容易である。
本考案にかかる浴槽は、上記構成に加え、「前記樹脂層は前記内側木材層の外周面に積層されており、前記樹脂層と前記外側木材層との間には空隙が形成されている」ものとすることができる。
浴槽の漏水を防止するためには、内側木材層及び外側木材層の双方が樹脂層によって防水されていることまでは必要なく、内側木材層が樹脂層によって防水されていれば足りる。また、内側木材層及び外側木材層の双方を樹脂層で被覆する施工は手間がかかる。これに対し、上記構成の本考案は、内側木材層のみに樹脂層が積層されている簡易な構成であるため、浴槽の漏水が有効に防止された浴槽を容易に製造することが可能である。なお、樹脂層と外側木材層との間の空隙は、外側木材層には樹脂層が積層されないことによって形成される空隙であり、樹脂層が部分的に外側木材層の内周面に単に当接している場合を含むものである。また、この空隙には、断熱材を充填することもできる。
本考案にかかる浴槽は、上記構成において、「前記周壁部の外形は平面視で円形または楕円形であり、前記周壁部の前記底部に対する角度は100度〜150度である」ものとすることができる。
本考案の浴槽は、樹脂層によって防水性が担保されており、周壁部の形状の自由度が高いため、従来では箍を必要とした円形に、箍を使用することなく形成することができる。また、従来の桶風呂の形状には、小判形はあっても楕円形状はなかったところ、本考案では周壁部の外形を楕円形にすることができる。
加えて、従来の桶風呂では、箍を使用するゆえに周壁部の底部に対する角度を大きくすることはできなかった。これは、周壁部を構成する複数の板材間の隙間を無くし漏水を防止するために、周壁部を下方に向かって縮径する筒状に形成し、周壁部の外周面に箍を嵌めた上で、箍による巻き締め力に抗して底板を上方から落とし込むように周壁部の下端側開口に嵌め込んでいたことによる。このように、底板を上方から嵌め込む作業は、周壁部の底部に対する角度が大き過ぎる場合は困難である。そのため、従来では、周壁部の底部に対する角度は、詳細は後述するように100度に満たないものであった。これに対し、本考案の浴槽は箍が不要であるため、周壁部の底部に対する角度を100度以上とすることが可能であり、従来にない新規な形状の浴槽となる。なお、入浴のし易さ及び周壁部の製造のし易さを考慮して、周壁部の底部に対する角度は150度以下とされる。また、同理由により120度以下であればより望ましい。
本考案にかかる浴槽は、「前記周壁部の外形は平面視で円形または楕円形であり、前記周壁部の前記底部に対する角度は直角である」ものとすることもできる。
上記のように、従来の桶風呂では、周壁部の底部に対する角度を大きくすることができなかったことに加え、この角度を直角とすることもできなかった。これは、箍による巻き締め力に抗して底板を上方から落とし込むことによって、周壁部を構成する複数の板材間の隙間を無くすという効果を有効に得るためには、周壁部を下方に向かって縮径する筒状に形成する必要があったためである。これに対し、本考案では箍が不要であるため、周壁部の底部に対する角度を直角とすることが可能であり、従来にない新規な形状の浴槽となる。
本考案にかかる浴槽は、「前記周壁部の前記底部に対する角度は単一ではない」ものとすることができる。
従来の桶風呂では、周壁部の底部に対する角度が部分的に異なることはなく、周壁部の全周にわたり単一の角度であった。これは、周壁部の底部に対する角度が部分的に異なる場合は、箍と周壁部の外周面との間に部分的に隙間が生じてしまい、しっかりと巻き締めることができないからである。これに対し、本考案では箍が不要であるため、周壁部の底部に対する角度を部分的に異ならせることが可能であり、従来にない新規な形状の浴槽となる。
以上のように、本考案によれば、木材を使用した浴槽であって、箍を備えず多様な形状とすることが可能な浴槽、を提供することができる。
本考案の第一実施形態の浴槽の(a)平面図、(b)側面図、(c)A−A線断面図、及び、(d)B−B線断面図である。 A−A線断面図における要部拡大図である。 図1の浴槽の斜視図である。 本考案の第二実施形態の浴槽の(a)平面図、(b)側面図、及び、(c)C−C線断面図である。 C−C線断面図における要部拡大図である。 図4の浴槽の斜視図である。 本考案の第三実施形態の浴槽の(a)平面図、(b)E−E線断面図、及び、(c)F−F線断面図である。 第三実施形態の変形例の浴槽の(a)平面図、(b)G−G線断面図、及び、(c)H−H線断面図である。 本考案の他の実施形態の平面図である。 第一実施形態〜第三実施形態の浴槽に使用する排水栓の(a)平面図、(b)I−I線断面図、及び、(c)J−J線半断面図である。 従来の桶風呂における周壁部の角度を説明する図である。
以下、本考案の第一実施形態の浴槽1について、図1乃至図3に基づいて説明する。浴槽1は、底部10、底部10の周縁から立ち上がる周壁部20、及び、周壁部20の上端を被覆する環状の框部30を具備し、周壁部20は、複数の木材片W1が並設され上端が框部30と一体化された内側木材層21、内側木材層21の外側で複数の木材片W2が並設され上端が框部30と一体化された外側木材層22、及び、内側木材層21及び外側木材層22の間に設けられた繊維強化プラスチックの樹脂層23の三層構造であり、周壁部20を外側から巻き締める箍は具備しないものである。
また、浴槽1では、樹脂層23は内側木材層21の外周面に積層されており、樹脂層23と外側木材層22との間には空隙Sが形成されている。更に、浴槽1において、周壁部20の外形は平面視で楕円形であり、周壁部20の底部10に対する角度βは100度〜120度である。
より詳細には、底部10は、複数の木材片Wが並設された平板状の底部木材層11、及び、底部木材層11の底面に繊維強化プラスチックが積層された底部樹脂層12を備えている。また、底部10は、平面視の外形が内側木材層21の下端側開口21eの内周より若干大きい楕円形であり、下端側開口21eを閉塞するように内側木材層21に嵌め込まれている。なお、底部10には、排水管に接続されて排水栓50(後述)を受ける口金具(図示しない)が挿通される排水用孔部45が穿設されている。また、底部10の底面には、設置面から浴槽1を支持する脚体41が複数取り付けられている。
框部30は、平面視の外形が周壁部20の上端の外形と等しい楕円形であり、周壁部20の厚さと等しい幅を有する環状である。また、框部30の底面には、二本の溝部31,32が同心の楕円形状に形成されている。
周壁部20の内側木材層21は、複数の細長い木材片W1が、長手方向を上下方向に向けた状態で、それぞれの側面を突き合わせた状態で並設されることにより形成されている。それぞれの木材片W1は内側に湾曲しており、全体として平面視で楕円形の内側木材層21を形成している。また、内側木材層21の上端面には、框部30の内側の溝部31と対応した形状の突条21pが形成されている。
一方、周壁部20の外側木材層22は、上記の内側木材層21と同様に複数の木材片W2を並設して形成されており、その上端面には框部30の外側の溝部32と対応した形状の突条22pが形成されている。なお、外側木材層22の高さは内側木材層21の高さより大きく、その差は脚体41の高さより僅かに短い。これにより、底部10の底面に脚体41が取り付けられ、浴槽1が設置面に設置された状態では、脚体41は外側木材層22に遮られて外部からはほとんど視認されない。
ここで、本実施形態の浴槽1における周壁部20の底部10に対する角度βは、従来の桶風呂に比べてかなり大きい。ここで、従来の桶風呂では、複数の木材片を並設して下方に向かって縮径する筒状の周壁部を形成し、周壁部の外周面を箍で巻き締めた後、底板を上方から落とし込むように周壁部の下端側開口に嵌め込んでいた。これは、箍による巻き締め力に抗して底板を嵌め込むことにより、木材片間及び周壁部と底板との間の空隙を無くし、漏水を防ぐためである。このように、底板を上方から嵌め込む作業は、周壁部の傾斜が大き過ぎる場合は困難となる。一方で、周壁部の傾斜が小さく底板に対して垂直に近い場合は、上記の漏水を防ぐ効果が低減してしまう。
そのため、従来の桶風呂では、周壁部の傾斜は周壁部の厚さと同程度とされていた。すなわち、図11に示すように、ある縦断面において周壁部の上端から底部の延長面上に垂直に下ろした点から、底部の延長面と周壁部とが交差する点までの距離Lは、周壁部の厚さdと同程度であった。このことから、周壁部の厚さを一般的な5cm程度とすると、周壁部の高さが40cm〜60cmのとき、従来の桶風呂では、底面に対する周壁部の角度αは95度〜97度である。
これに対し、本実施形態の浴槽1では、図1(c)に示すように、周壁部20の上端から底部10の延長面上に垂直に下ろした点から、底部10の延長面と周壁部20とが交差する点までの距離Nを、周壁部20の厚さDの2倍〜5倍としても容易に製造することができる。この場合、上記と同様に周壁部20の厚さを約5cm、周壁部20の高さを40cm〜60cmとすると、底面に対する周壁部20の角度βは100〜120度となる。
次に、上記構成の浴槽1の製造方法を例示する。まず、複数の木材片を連結し、環状の框部30を組み立てる。このとき、木材片同士は、例えば、ホゾとホゾ孔との嵌合により連結することができる。そして、組み立てられた框部30の底面に、二本の溝部31,32を形成する。次に、複数の木材片W1を、それぞれの一端を内側の溝部31に嵌め込みつつ、隣接する木材片W1の側面を突き合わせて連結し、筒状の内側木材層21を形成する。このとき、木材片W1同士の連結は、上記と同様にホゾとホゾ孔との嵌合により行うことができる。そして、形成された内側木材層21の内周面及び外周面をカンナ等で削り、滑らかな楕円形状に整える。また、内側木材層21の下端面に、底部10を嵌め込むための段部21bを形成する。
一方、複数の木材片Wを連結して平板状とし、楕円形状に切り出して底部木材層11を形成する。ここで、木材片W同士の連結は、例えば、隣接する二つの木材片Wが互いに対面する側面において、一方には溝を設け、他方にはこの溝と対応する形状の突条を設け、両者を嵌合させることにより行うことができる。そして、所定形状に切り出された底部10を、内側木材層21の下端の段部21bに嵌め込み、内側木材層21の下端側開口21eを底部10で閉塞する。
次に、内側木材層21の外周面を繊維強化プラスチックで被覆し樹脂層23を形成する。ここで、樹脂層23を形成する作業は、例えば、樹脂を含浸させた繊維材を、刷毛やローラ等を用いて内側木材層21の外周面に貼り付けるハンドレイアップ式、または、スプレーガンで樹脂を吹き付けながら繊維材を貼り付けるスプレーアップ式により行うことができる。また、繊維材としては、樹脂層23に対して所望する強度や剛性に応じて、ガラスマット、ガラスクロス、ガラスロービングクロス、カーボンクロス等を、単独または併用して使用することができる。なお、繊維材の貼着に先立ち、ゲルコート樹脂による下地処理を行い、その上に繊維材を貼着することにより、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂とゲルコート樹脂層とを一体化させても良い。
内側木材層21の外周面を被覆した繊維強化プラスチックを、加熱処理により硬化させると、内側木材層21の外周面に積層された状態で樹脂層23が形成される。また、底部木材層11の底面も同様に繊維強化プラスチックで被覆し、底部樹脂層12を積層する。
その後、内側木材層21と同様に外側木材層22を形成する。すなわち、複数の木材片W2のそれぞれの一端を框部30の外側の溝部32に嵌め込みつつ、互いの側面を突き合わせて連結し筒状の外側木材層22とする。このとき、本実施形態では樹脂層23と外側木材層22との間に空隙Sが形成される設計であるため、繊維材の重ね合わせによって樹脂層23に多少の凹凸が生じていたとしても、外側木材層22の形成に支障がない。なお、この空隙Sには、断熱材を充填することができる。最後に、外側木材層22の外周面の形状を整え、底部10の底面に脚体41を取り付ければ、上記構成の浴槽1が得られる。
上記のように、第一実施形態の浴槽1によれば、複数の板材片W1によって組み上げられている内側木材層21における漏水が、内側木材層21に積層された樹脂層23によって防止されているため、従来の桶風呂とは異なり、箍を嵌める必要がない。これにより、周壁部20の形状の自由度が高く、従来の木製の浴槽にはなかった楕円形という形状とすることが可能となっている。加えて、底部10に対する周壁部20の角度βは、100度〜120度という従来の桶風呂では不可能であった大きな角度であり、このことによっても、従来の桶風呂にはない新規な形状となっている。
また、樹脂層23は内側木材層21及び外側木材層22に挟み込まれ、周壁部20の上端は木材製の框部30によって被覆されているため、外観上は木材のみからなる木製の浴槽1である。これにより、本実施形態の浴槽1によれば、伝統的な素材である木材を使用した浴槽に対する要請と、従来の木製の浴槽にはない新規な形状に対する要請に、同時に応えることができる。
更に、樹脂層23は内側木材層21のみに積層されており、外側木材層22には積層されていないため、三層構造の周壁部20の構成が簡易で製造が容易である。加えて、樹脂層23と外側木材層22との間に形成される空隙Sには、断熱材を充填することができるため、保温性の高い浴槽1とすることができる。
加えて、本実施形態では、周壁部20と同様に底部10も複数の木材片Wを並設した木材の層(底部木材層11)を備えているが、その底面には底部樹脂層12が積層され、底部10における漏水も有効に防止されている。これにより、大きな一枚板を用いることなく、小サイズの複数の板材で底部10を形成することができる。
次に、第二実施形態の浴槽2について、図4乃至図6を用いて説明する。第一実施形態の浴槽1との相違は、周壁部20bの外形及び底部10に対する周壁部20bの角度である。すなわち、浴槽2の周壁部20bの外形は平面視で円形であり、周壁部20bの底部10に対する角度は直角である。
上述したように、従来の桶風呂では、箍による巻き締め力に抗して底板を上方から嵌め込むことによる効果を有効に得るために、底板に対する周壁部の角度を直角とすることができなかった。これに対し、本実施形態の浴槽2では箍が不要であるため、周壁部20bの底部10に対する角度を直角とすることが可能である。これにより、本実施形態の浴槽2は、周壁部20bの外形が円形であり、且つ、底部10に対する周壁部20bの角度が直角という、従来の木製の浴槽にはなかった形状とすることが可能となっている。
次に、第三実施形態の浴槽3について、図7を用いて説明する。第一実施形態の浴槽1及び第二実施形態の浴槽2との大きな相違は、底部10に対する周壁部20cの角度が単一ではないことである。
より具体的には、周壁部20cの外形は平面視で小判形であり、周壁部20cは、底部10に対する角度が直角の垂直面部20pと、底部10に対する角度が直角より大きい傾斜面部20iを備えている。ここで、「小判形」とは、対向する一対の辺が同一長さの直線であり、且つ、対向する他の一対の辺が半円弧状である形状である。そして、本実施形態では、周壁部20cにおいて、直線状の一対の辺の上端から下端側に向けて下降している壁面が垂直面部20pとなっており、円弧状の一対の辺の上端から下端側に向けて下降している壁面が傾斜面部20iとなっている。
また、第三実施形態は、図8に示すような変形例の浴槽3bとすることもできる。浴槽3bは、浴槽3と同じく周壁部20cの外形が平面視で小判形であって、周壁部20cにおいて、一対の円弧状の辺の一方の上端から下端側に向けて下降している壁面が傾斜面部20iとなっており、他方の円弧状の辺、及び、直線状の一対の辺の上端から下端側に向けて下降している壁面が、何れも垂直面部20pとなっている。
このような浴槽3,3bの形状も、従来の桶風呂では実現できなかった形状である。なぜなら、桶風呂の周壁部に垂直面部と傾斜面部とが存在すると、箍を嵌める場合に、垂直面部と傾斜面部との境界付近で箍が周壁部の外周面に沿いにくく、隙間が生じてしまい、箍をしっかりと巻き締めることができないからである。これに対し、本実施形態では箍が不要であるため、周壁部20cを垂直面部20pと傾斜面部20iとを共に備える構成とすることが可能であり、従来の桶風呂では実現できない新規な形状の浴槽となっている。
なお、第一実施形態〜第三実施形態の浴槽1,2,3,3bに穿設された排水用孔部45を閉塞するために、図10に示すような排水栓50を使用することができる。ここで、排水栓50は、排水用孔部45に埋設され配水管に接続される筒状の口金具(図示しない)に嵌挿される栓本体50bと、排水用孔部45の開端を被覆するカバー部50cとを備えている。より具体的には、栓本体50bは栓筒部51、栓底部52、及び栓蓋部53を備える有底有蓋の略円筒状であり、栓底部52は完全に閉じた面として排水用孔部45を閉塞する一方、栓蓋部53には貫通する本体孔部55が設けられている。また、栓蓋部53の上面には円板状で栓蓋部53より大径のカバー部50cが接合されている。このカバー部50cは木材製であり、本体孔部55と重畳する位置に、本体孔部55と同形のカバー部孔部58が貫通して穿設されている。なお、栓本体50bは、ステンレス等の金属製、あるいは樹脂製とすることができる。
かかる構成により、排水栓50の栓本体50bを排水用孔部45に埋設された口金具に嵌挿すると、排水用孔部45の開端縁に浴槽の底部10上面より一段低く形成されている段部45bでカバー部50cが係止され、浴槽の底部10上面とカバー部50cの上面とがほぼ同一面となった状態で、排水用孔部45の開端がカバー部50cによって被覆される。
ここで、一般的な浴槽では、排水用孔部を閉塞する排水栓は、浴槽とは異なる材料で形成されているため、排水栓が目立ってしまい浴槽の意匠が損なわれ易い。これに対し、上記構成の排水栓50では、カバー部50cが木材製であり、浴槽の底部10(底部木材層11)と同素材であるため、排水栓50が目立ちにくく浴槽の意匠が損なわれないものとなっている。なお、カバー部50cは、底部木材層11の材料と同一の木材を用いて形成すれば、より目立ちにくく、更に好適である。
なお、上記構成の排水栓50は、先端にカギ状の引掛部が形成されたオープナー(図示しない)を使用して、排水用孔部45から引き抜くことができる。具体的には、オープナーの引掛部を、カバー部孔部58及び本体孔部55を介して栓本体50b内部の空間に挿入し、更に引掛部の先端が栓蓋部53の下方に位置するように差し入れる。その状態で、オープナーを引っ張れば、引掛部を栓蓋部53の裏面に引き掛けた状態で、排水栓50を排水用孔部45から引き抜くことができる。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、第一実施形態では、周壁部20の外形が楕円形で、底部10に対して周壁部20が直角より大きく傾斜している浴槽1を例示したが、楕円形の周壁部の底部に対する角度を、直角とすることもできる。また、第二実施形態では、周壁部20bの外形が円形で、底部10に対して周壁部20bが直角である浴槽2を例示したが、円形の周壁部の底部に対する角度を、直角より大きな角度とすることもできる。
また、周壁部の形状は上記に例示したものに限定されない。例えば、図9に平面視の外形を示すように、径の異なる円弧を直線で結んだ形状の周壁部を備える浴槽4や(図9(a)参照)、径の異なる円弧を円弧で結んだ瓢箪型の周壁部を備える浴槽5(図9(b)参照)とすることができる。加えて、第三実施形態では、底部10に対する周壁部20cの角度が単一ではない例として、周壁部20cが垂直面部20pと傾斜面部20iを共に備える場合を例示したが、これに限定されず、一つの浴槽の周壁部が部分ごとに傾斜角度が変化する傾斜面部で形成されているものとすることができる。例えば、図9(c)に例示するように、周壁部の上端と下端とで、その外形は共に楕円形であっても相似形ではない周壁部を備える浴槽6とすることができる。この場合、周壁部全体が傾斜面部であるが、その傾斜角度は周方向に沿って変化する。
更に、上記では、周壁部の外形として、円弧状や楕円弧状など湾曲した部分を含む形状を例示した。本考案は、周壁部の形状を、湾曲した部分を含む多様な形状とできる点で極めて意義があるが、もちろん湾曲した部分を有しない浴槽にも適用可能である。例えば、平面視で五角形、六角形、八角形など、平面のみで構成された周壁部を、内側木材層、樹脂層、及び、外側木材層の三層構造とすることにより、防水性の高い浴槽とすることができる。
1,2,3,3b,4,5,6 浴槽
10 底部
20,20b,20c 周壁部
21 内側木材層
22 外側木材層
23 樹脂層
30 框部
W1,W2 木材片
S 空隙

Claims (5)

  1. 底部、該底部の周縁から立ち上がる周壁部、及び、該周壁部の上端を被覆する環状の框部を具備し、
    該周壁部は、複数の木材片が並設され上端が前記框部と一体化された内側木材層、該内側木材層の外側で複数の木材片が並設され上端が前記框部と一体化された外側木材層、及び、前記内側木材層及び前記外側木材層の間に設けられた繊維強化プラスチックの樹脂層の三層構造であり、
    前記周壁部を外側から巻き締める箍は具備しない
    ことを特徴とする浴槽。
  2. 前記樹脂層は前記内側木材層の外周面に積層されており、
    前記樹脂層と前記外側木材層との間には空隙が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の浴槽。
  3. 前記周壁部の外形は平面視で円形または楕円形であり、
    前記周壁部の前記底部に対する角度は100度〜150度である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴槽。
  4. 前記周壁部の外形は平面視で円形または楕円形であり、
    前記周壁部の前記底部に対する角度は直角である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴槽。
  5. 前記周壁部の前記底部に対する角度は単一ではない
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の浴槽。
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