JP3159236U - L型擁壁およびl型擁壁ユニット - Google Patents

L型擁壁およびl型擁壁ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】滑動および転倒に対する安定性を高めたL型擁壁およびL型擁壁ユニットを提供する。【解決手段】本L型擁壁1は、垂直方向に設置される縦壁11と、縦壁11の下端部を基端として横方向に延設される底板12と、からなるL型擁壁であって、底板12の上面12aは、縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜して形成され、底板12の先端部には、底板12上の土圧の一部を受ける受圧壁13が上方に向けて突設される。【選択図】図1

Description

本考案は、土地造成等において土留めとして使用されるL型擁壁およびL型擁壁ユニットに関する。
従来、宅地や道路等の土地造成工事においては、垂直方向に設置される縦壁と、この縦壁の下端部を基端として横方向に延設される底板とからなるL型擁壁が使用されている。このL型擁壁は、一般的にプレキャスト鉄筋コンクリート構造となっており、地盤上に構築した基礎の上に予め製造されたL型擁壁を設置することで使用される。
このようなL型擁壁には、縦壁と底板が直交するように形成されたもの(直角L型擁壁)と、縦壁と底板が105度程度の鈍角をなすように形成されたもの(鈍角L型擁壁)とがある。このうち、鈍角L型擁壁は、底板反力の水平方向分力を滑動(水平方向の滑り)に対する抵抗力として活用することができる等、安定性および強度の面で直角L型擁壁よりも優れていることが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、鈍角L型擁壁は、直角L型擁壁に比べ、滑動や転倒に対する安定性を高めながらも軽量化することが可能となっている。また、縦壁側の根入れ深さを浅くすることができるため、必要掘削量を低減することが可能となっている。
実登3022072号公報
しかしながら、従来の鈍角L型擁壁は、直角L型擁壁に勝る安定性を備えてはいるものの、例えば地震等により過大な荷重が加わった場合の安定性は十分ではなく、近年の大地震の発生に伴う防災意識の高まりと共に、擁壁に対するさらなる安定性の向上が望まれている。
本考案は、斯かる実情に鑑み、滑動および転倒に対する安定性を高めたL型擁壁およびL型擁壁ユニットを提供しようとするものである。
(1)本考案は、垂直方向に設置される縦壁と、前記縦壁の下端部を基端として横方向に延設される底板と、からなるL型擁壁であって、前記底板の上面は、前記縦壁に対して鈍角をなすように傾斜して形成され、前記底板の先端部には、前記底板上の土圧の一部を受ける受圧壁が上方に向けて突設されることを特徴とする、L型擁壁である。
(2)本考案はまた、前記受圧壁の受圧面は、前記受圧壁の基端から先端に向けて漸次前記縦壁から離隔するように傾斜していることを特徴とする、上記(1)に記載のL型擁壁である。
(3)本考案はまた、前記底板の上面は、前記縦壁に対して95乃至115度の角度をなすように形成されることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のL型擁壁である。
(4)本考案はまた、前記受圧壁は、前記底板と一体的に形成されることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のL型擁壁である。
(5)本考案はまた、前記受圧壁は、揺動自在且つ所定の角度で固定可能に前記底板に取付けられた別部材から構成されることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のL型擁壁である。
(6)本考案はまた、前記底板の下面は、複数の水平面を前記底板の上面に沿って高さを変えて配置した階段状に形成されることを特徴とする、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のL型擁壁である。
(7)本考案はまた、前記底板の下面は、前記底板の前記基端側に設けられる第1水平面と、前記底板の先端側において前記第1水平面よりも低い位置に設けられる第2水平面と、を有して構成されることを特徴とする、上記(6)に記載のL型擁壁である。
(8)本考案はまた、前記底板の下面は、前記縦壁に対して鈍角をなすように傾斜して形成された取付面に略楔形状の固定部材を固定することにより、階段状に形成されることを特徴とする、上記(6)または(7)に記載のL型擁壁である。
(9)本考案はまた、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載のL型擁壁と、前記L型擁壁が有する前記底板の下面形状に合わせて地盤側に敷設される複数の土嚢からなる基礎部と、を有することを特徴とする、L型擁壁ユニットである。
(10)本考案はまた、前記基礎部は、前記底板の複数の前記水平面の間の段部に一部の前記土嚢の側面が対向するように階段状に構成されることを特徴とする、上記(9)に記載のL型擁壁ユニットである。
(11)本考案はまた、前記土嚢は、直方体状の土嚢袋と、前記土嚢袋の内部に収容される矩形状のガイド枠と、隣接する前記ガイド枠同士を接続する接続部材と、を備え、前記基礎部は、隣接する前記土嚢同士が前記接続部材により互いに接続された状態で格子状に配列された複数の前記土嚢を、複数段積み重ねて構成されることを特徴とする、上記(9)または(10)に記載のL型擁壁ユニットである。
本考案に係るによれば、滑動および転倒に対する安定性を高めるという優れた効果を奏し得る。
(a)本発明の実施形態のL型擁壁の斜視図である。(b)L型擁壁の側面図である。 本発明の実施形態のL型擁壁ユニットを示した斜視図である。 基礎部を構成する土嚢を示した図である。 L型擁壁ユニットを土留めとして設置した状態の一例を示した図である。 (a)および(b)受圧壁をL型擁壁本体とは別部材から構成するようにした例を示した図である。 (a)および(b)L型擁壁の底板の下面を従来のL型擁壁と同様の形状に形成した例を示した図である。 別部材を固定することによりL型擁壁の底板の下面を階段状に形成した例を示した図である。
以下、本考案の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態のL型擁壁1の斜視図であり、同図(b)は、L型擁壁1の側面図である。L型擁壁1は、プレキャスト鉄筋コンクリート構造であり、これらの図に示されるように、垂直方向に延設された縦壁11と、縦壁11の下端部を基端として横方向に延設された底板12と、底板12の先端部から上方に向けて斜めに突設された受圧壁13とから構成されている。
縦壁11は、L型擁壁1が土留めとして使用される場合に、垂直方向に設置される部分である。本実施形態では、底板12の反対側の面が外部に露出する正面11aであり、正面11aは滑らかな平面または適宜の装飾が施された面となっている。縦壁11の背面11bには、図示は省略するが、必要に応じて補強リブや隣接するL型擁壁1同士を連結するための連結部等が適宜に設けられる。また、縦壁11には、正面11aおよび背面11bの間を貫通する排水孔が、必要に応じて適宜の位置に設けられる。
底板12は、縦壁11の下端部の背面11b側から略水平方向に延設されている。底板12の上面12aは、縦壁に対して角度θをなすように形成されている。この角度θは、特に限定されるものではなく、底板12上に埋め戻す土粒子の内部摩擦角に応じて適宜に設定することができる。但し、一般的な土壌を使用し、底板12の上面12a上に設置(覆土)する場合を考慮すると、角度θは、95乃至115度の範囲内に設定することが好ましく、100乃至110度の範囲内に設定することがより好ましい。
底板12の下面12bは、底板12の基端側に設けられる第1水平面12b1と、底板12の先端側に設けられる第2水平面12b2と、第1水平面12b1および第2水平面12b2の間の段部12b3とを有して構成されており、上面12bに沿った階段状となっている。具体的には、第1水平面12b1および第2水平面12b2は、縦壁に対して略直交するように、すなわち設置時に略水平方向となるように形成され、第2水平面12b2は、第1水平面12b1よりも低い位置に設けられている。段部12b3は、本実施形態では縦壁11と略平行、すなわち略垂直方向に形成しているが、これに限定されるものではなく、斜めに形成するようにしてもよい。
底板12の上面12aには、必要に応じて補強リブや連結部等が設けられる。また、底板12には、L型擁壁1を基礎上に設置した後に、下面12b下側にモルタル等を注入するための孔を設けるようにしてもよい。
本実施形態では、底板12の上面12aを傾斜させることにより、受圧壁13に土圧の一部を受けさせるようにしている。また、設置時に略水平となる第1水平面12b1および第2水平面12b2を底板12の下面12bに設けることにより、基礎の構築を容易にすると共に、隣接して設置される複数のL型擁壁1の高さ合わせや面合わせを容易にし、据付工事の作業性を向上させている。また、段部12b3を設けることにより、滑動に対する抵抗力を土中の深い部分で発生させ、滑動に対する安定性を向上させている。
受圧壁13は、詳細は後述するが、傾斜面である底板12の上面12a上を滑り落ちる土粒子を受け止めることにより、土粒子が拘束圧を受けて固化した状態となる固化領域を底板12上に生成するためのものである。受圧壁13は、底板12の先端部から上方に向けて斜めに突設されている。そして、受圧壁13において土圧を受ける面である受圧面13aは、受圧壁の基端から先端に向けて漸次前記縦壁11から離隔するように傾斜した状態となっている。
本実施形態では、このように受圧面13aを傾斜させることにより、受圧壁13に加わる土圧(拘束圧)が増大するようにしている。なお、受圧面13aの傾斜角度は特に限定されるものではなく、底板12上に埋め戻す土粒子の内部摩擦角に応じて適宜に設定すればよい。また、受圧壁13の形状や長さ、材質等は、特に限定されるものではなく、適宜に傾斜させた受圧面13aを構成することができる形状であればどのようなものであってもよい。
図2は、L型擁壁ユニット2を示した斜視図である。同図に示されるように、L型擁壁ユニット2は、L型擁壁1と、地盤側に敷設されてL型擁壁1が上部に載置される基礎を構成する基礎部3とを有している。基礎部3は、複数の直方体状の土嚢30を格子状に配列すると共に複数段積み重ねることで、L型擁壁1の底板12の下面12bに合わせた階段状に構成されている。
図3は、基礎部3を構成する土嚢30を示した図である。同図に示されるように、土嚢30は、直方体状の土嚢袋31と、土嚢袋31の内部に収容される矩形状のガイド枠32と、隣接するガイド枠32同士を接続する接続部材33とを備えている。
ガイド枠32は、土嚢袋31の底に置いて複数の土嚢を整列させるためのガイドの働きをするものであり、互いに結合されて矩形状の枠を構成する4つの板状リブ32aと、対向する板状リブ32a同士を繋いでガイド枠32の形状を維持する梁32bとから構成されている。ガイド枠32は、図示を省略した固定片を土嚢袋31の外側から土嚢袋31を貫通してガイド枠32に結合させることにより土嚢袋31に固定される。
接続部材33は、両端に爪33aを備え、爪33aをガイド枠32に係合させることで、隣接するガイド枠32同士を接続する。これにより、格子状に配列された複数の土嚢30は、隣接する土嚢30同士が互いに接続された状態となる。接続部材33は、このように隣接する土嚢30同士を接続することにより、複数の土嚢30を一体化して強度を向上させる。また、接続部材33は、土嚢30を配列する際に、各土嚢30間に適切な隙間を確保するという機能を有している。
なお、本実施形態の土嚢30は、本考案の考案者の一部による特許発明であり、その詳細については、特許第4019100号公報を参照されたい。
図4は、L型擁壁ユニット2を土留めとして設置した状態の一例を示した図である。L型擁壁ユニット2を設置する場合、まず地盤40上に複数の土嚢30を配列して積み重ねることにより、基礎部3を構成する。このとき、同図に示すように土嚢30を垂直方向に一列となるように積み重ねてもよいし、土嚢30の位置をずらして千鳥状に積み重ねるようにしてもよい。土嚢30を積み重ねる段数は、地盤40の状態に応じて適宜に設定すればよい。また、地盤40によっては、L型擁壁1の直下にのみ土嚢30を配置するようにしてもよく、この場合は掘削量を削減すると共に作業工数を削減することができる。
基礎部3の上部には、L型擁壁1の底板12の下面12b(すなわち、第1水平面12b1、第2水平面12b2および段部12b3)の形状に合わせた段差34を形成する。この段差34は、同図に示すように1段の土嚢30で形成してもよいし、L型擁壁1に対して土嚢30のサイズが小さい場合には、複数段の土嚢30で形成してもよい。
次に、基礎部3上部の段差34の形状に合わせてL型擁壁1を基礎部3の上に載置する。具体的には、基礎部3の段差34部分の土嚢30の側面30aにL型擁壁1の底部12の段部12b3を対向させた状態で、L型擁壁1を載置する。このとき、必要に応じてL型擁壁1の下面12bと基礎部3の土嚢30との間にモルタルや砂利等を充填する。また、隣接するL型擁壁1の間で高さ合わせや面合わせを行う場合は、第1水平面12b1または第2水平面12b2と基礎部3との間にスペーサ等を適宜挿入する。最後に、L型擁壁1の縦壁11の背面11b側に背面土41を覆土し、正面11a側に正面土42を覆土する。
本実施形態のL型擁壁ユニット2では、複数の土嚢30から基礎部3を構成しているため、地盤40の状態によらず、容易に基礎部3を構築することが可能となっている。特に、本実施形態では、土嚢30がガイド枠32および接続部材33を備えているため、地盤40が軟弱であっても適切な間隔で土嚢30を連結して迅速に配列することが可能であり、さらにこの結果、十分な強度を有する基礎部3を軟弱な地盤40上に構築することができるようになっている。
また、本実施形態のL型擁壁1では、底板12の下面12bを階段状に構成しているため、従来の鈍角L型擁壁とは異なり、複数の土嚢30から構成される基礎部30上にも容易に設置可能となっている。また、縦壁11の正面11a下部が正面土42から受ける力F1と共に、段部12b3が対向する土嚢30の側面30aから受ける力F2を滑動に対する抵抗力として安定的に発揮させることができる。すなわち、正面土42の表面から深い位置であり、且つ縦壁11から背面11b側に離れた位置に段部12b3を設けることにより、雨水等により正面土42の状態が変化したような場合であっても、少なくとも力F2を滑動に対する抵抗力として発揮させることができる。
さらに、本実施形態のL型擁壁1は、受圧壁13を設けることにより、底板12上の背面土41の土圧の一部を受圧面13aで受け、L型擁壁1の安定性を高めるようにしている。具体的には、底板12上の土粒子は、上面12aの傾斜に沿って同図の矢印Aが示す方向に滑りを起こすが、受圧面13aによってこの滑りが制限され、土粒子は図に示す固化領域50内に拘束されることとなる。ここで、固化領域50の上面51は、背面土41の内部摩擦角に基づく角度で傾斜した傾斜面となる。そして、この固化領域50内の土粒子は、上方の背面土41および上載荷重による土圧が付加応力として作用することにより、粒子間摩擦が発生して固化する。
すなわち、本実施形態のL型擁壁1によれば、土粒子が押し固められてL型擁壁1と半ば一体的に固化した固化領域50が、底板12上に生成される。従って、背面土41は、領域50の上面51に沿って同図の矢印Bが示す方向に滑りを起こすこととなる。これにより、同図に示されるように、縦壁11が背面土41および上載荷重による土圧Pを受ける高さH1が、土留め高さH2よりも小さい範囲となるため、L型擁壁1の縦壁11に加わる土圧が軽減されることとなる。
また、固化領域50の上面51は、縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜しているため、従来の鈍角L型擁壁と同様に、底板反力F3の水平方向分力F4を滑動に対する抵抗力として利用することが可能となっている。
このように、本実施形態では、受圧壁13を設けることによって底板12上に固化領域50を生成し、L型擁壁1の滑動および転倒に対する安定性をさらに高めるようにしている。また、例えば地震等により過大な荷重がL型擁壁1に加わったような場合にも、この荷重を固化領域50によって適度に分散し、且つ縦壁11が受ける土圧Pを軽減することができるため、従来の鈍角L型擁壁以上の安定性を備えることが可能となっている。
なお、本実施形態では、受圧壁13を底板12と一体的に構成している、すなわち底板12に受圧壁13を備える形状にL型擁壁1はプレキャストされるが、受圧壁13をL型擁壁1本体とは別部材から構成するようにしてもよい。
図5(a)および(b)は、受圧壁13をL型擁壁1本体とは別部材から構成するようにした例を示した図である。この例では、同図(a)に示されるように、受圧壁13は、底板12の先端部に揺動ピン13bを介して揺動自在に取付けられる。そして、同図(b)または(c)に示されるように、L型擁壁1を設置する際には、受圧壁13は、ボルトや係合、接着等の既知の手法により所定の角度で固定される。
このように、受圧壁13をL型擁壁1本体とは別部材から構成し、揺動自在に取付けることにより、L型擁壁1の保管時や運搬時等において複数のL型擁壁1を受圧壁13に影響されることなくコンパクトに積層することができる。また、受圧面13aの傾斜角度を適宜に設定することが可能になると共に、受圧壁13の形状や長さを容易に変更することが可能となる。なお、この場合の受圧壁13は、L型擁壁1本体と同様に鉄筋コンクリートから構成してもよいし、鉄等の金属や、その他の材料から構成するようにしてもよい。また、別部材の受圧壁13を揺動自在に固定するのではなく、ボルトや係合等により受圧壁13をL型擁壁1本体に着脱可能に固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、L型擁壁1の底板12の下面12bを階段状に形成した例を示したが、本考案はこれに限定されるものではなく、下面12bを従来のL型擁壁と同様の形状に構成するようにしてもよい。
図6(a)および(b)は、L型擁壁1の底板12の下面12bを従来のL型擁壁と同様の形状に形成した例を示した図であり、同図(a)は下面12bを縦壁11と直交するように形成した例、同図(b)は下面12bを縦壁11と鈍角をなすように形成した例を示している。同図(a)および(b)に示されるように下面12bを形成することにより、従来以上の安定性を備えるL型擁壁1を従来通りの施行方法で設置することができる。
なお、既存の鈍角L型擁壁の底板の先端部に別部材の受圧壁13をボルト等により固定することで、L型擁壁1を構成するようにしてもよい。また、既存の直角L型擁壁の底板上面に傾斜面を追加した上で先端部に別部材の受圧壁13を固定することにより、L型擁壁1を構成するようにしてもよい。
図7は、別部材を固定することによりL型擁壁1の底板12の下面12bを階段状に形成した例を示した図である。この例では、L型擁壁1は、同図に示されるように、縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜して形成された底板12下側の取付面12cに略楔形状の固定部材14を固定することによって、底板12の下面12bが階段状に形成される。この場合、取付面12cに対する固定部材14の固定方法は、ボルトや係合、接着等の既知の固定方法を採用することができる。なお、さらに受圧壁13を別部材の固定により形成するようにしてもよいことはいうまでもない。
このようにすることで、L型擁壁1の製造や運搬を容易にすることができる場合がある。また、例えば既存の鈍角L型擁壁を活用して、本考案のL型擁壁1を構成することができる。なお、この場合の取付面12cは、全ての面が縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜した面である必要はなく、同図に示されるように、例えば縦壁11と直交する面等の異なる角度の面が含まれていてもよい。また、取付面12cに固定部材14を固定するための突起等が設けられていてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るL型擁壁1は、垂直方向に設置される縦壁11と、縦壁11の下端部を基端として横方向に延設される底板12と、からなるL型擁壁であって、底板12の上面12aは、縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜して形成され、底板12の先端部には、底板12上の土圧の一部を受ける受圧壁13が上方に向けて突設されている。
このような構成とすることで、縦壁11に加わる土圧Pを軽減することが可能となり、滑動および転倒に対する安定性を従来以上に高めることができる。特に、地震等により過大な荷重がL型擁壁1に加わったような場合にも、この荷重を適度に分散すると共に、縦壁11が受ける土圧Pを軽減することができるため、従来の鈍角L型擁壁以上の安定性を備えることが可能となる。
なお、受圧壁13(受圧面13a)の高さおよび幅は、埋め戻される背面土41の性質や要求される安定性の程度等に応じて適宜の寸法に設定することができる。
また、受圧壁13の受圧面13aは、受圧壁13の基端から先端に向けて漸次縦壁11から離隔するように傾斜している。このようにすることで、受圧壁13に加わる土圧(拘束圧)を増大させ、硬化領域50における土粒子の拘束効果を増大させることができる。なお、受圧面13aの傾斜角度は、底板12上に設置する地盤の土粒子に合わせ、拘束効果が最大となるように適宜の角度に設定することができる。すなわち、受圧面13aは、土粒子の性質によっては、例えば受圧壁13の基端から先端に向けて漸次縦壁11に近接するように傾斜していてもよいし、縦壁11と平行であってもよい。
また、底板12の上面12aは、縦壁11に対して95乃至115度の角度をなすように形成されているため、安定性の向上に寄与する固化領域50を底板12上に確実に生成することができる。
また、受圧壁13は、底板12と一体的に形成されているため、受圧壁13に十分な強度を持たせながらも軽量に構成することができる。
また、受圧壁13は、揺動自在且つ所定の角度で固定可能に底板12に取付けられた別部材から構成されるようにしてもよい。この場合、複数のL型擁壁1をコンパクトに積層した状態で保管や運搬をすることができる。また、受圧面13aの傾斜角度を、底板12上に設置する地盤の土粒子に合わせた適宜の角度に設定することができると共に、受圧壁13の形状や長さを容易に変更することができる。
また、底板12の下面12bは、複数の水平面12b1、12b2を底板12の上面12aに沿って高さを変えて配置した階段状に形成されている。このため、従来のL型擁壁以上の安定性を備えながらも、施工時の作業性を向上させることができる。また、水平面12b1、12b2を有することで、土嚢上にも問題なく設置することができるため、軟弱地盤を補強するための工法として近年注目されている土嚢工法と組み合わせることで、軟弱地盤上であっても容易にL型擁壁1を設置することができる。
なお、本実施形態では、底板12の下面12bを、第1水平面12b1、第2水平面12b2および段部12b3を備える2段の階段状に形成した例を示したが、本考案はこれに限定されるものではなく、下面12bを3段以上の階段状に構成するようにしてもよい。また、本実施形態では、土嚢30上にL型擁壁1を設置する例を示したが、本考案はこれに限定されるものではなく、コンクリートの打設等による一般的な基礎上にL型擁壁1を設置するようにしてもよい。
また、底板12の下面12bは、底板12の基端側に設けられる第1水平面12b1と、底板12の先端側において第1水平面12b1よりも低い位置に設けられる第2水平面12b2と、を有して構成されている。すなわち、本考案では、比較的簡易な構成で上述の効果を発揮することが可能であり、L型擁壁1の製造コストを低減させることができる。
また、底板12の下面12bは、縦壁11に対して鈍角をなすように傾斜して形成された取付面12cに略楔形状の固定部材14を固定することにより、階段状に形成されるようにしてもよい。この場合、L型擁壁1の製造や運搬を容易にすることができる場合がある。
また、本実施形態に係るL型擁壁ユニット2は、L型擁壁1と、L型擁壁1が有する底板12の下面12bの形状に合わせて地盤40側に敷設される複数の土嚢30からなる基礎部3と、を有している。このような構成とすることで、地盤40の状態によらず、容易に基礎部3を構築してL型擁壁1を設置することができる。すなわち、従来の工法と比較してはるかに迅速且つ低コストで軟弱地盤上に土留めの擁壁を設置することができる。
また、基礎部3は、底板12の複数の水平面12b1、12b2の間の段部12b3に一部の土嚢30の側面30aが対向するように階段状に構成されている。このため、正面土42の状態によらず、段部12b3と土嚢30の側面30aとにより滑動に対する抵抗力を安定的に発揮させ、L型擁壁1の安定性をさらに高めることができる。
また、土嚢30は、直方体状の土嚢袋31と、土嚢袋31の内部に収容される矩形状のガイド枠32と、隣接するガイド枠32同士を接続する接続部材33と、を備え、基礎部3は、隣接する土嚢30同士が接続部材33により互いに接続された状態で格子状に配列された複数の土嚢30を、複数段積み重ねて構成されている。
このような構成とすることで、地盤40の状態によらず、土嚢30の敷設をきわめて容易にすることができる。また、土嚢30を適切な間隔で配置すると共に各土嚢30を連結することができるため、基礎部3に十分な強度を持たせ、地盤40を確実に補強することができる。
以上、本考案の実施の形態について説明したが、本考案のL型擁壁およびL型擁壁ユニットは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本考案のL型擁壁およびL型擁壁ユニットは、土地の造成以外にも各種土木工事の分野で利用することができる。
1 L型擁壁
2 L型擁壁ユニット
3 基礎部
11 縦壁
12 底板
12a 底板の上面
12b 底板の下面
12b1 第1水平面
12b2 第2水平面
12b3 段部
12c 取付面
13 受圧壁
13a 受圧面
14 固定部材
30 土嚢
30a 土嚢の側面
31 土嚢袋
32 ガイド枠
33 接続部材
40 地盤

Claims (11)

  1. 垂直方向に設置される縦壁と、
    前記縦壁の下端部を基端として横方向に延設される底板と、からなるL型擁壁であって、
    前記底板の上面は、前記縦壁に対して鈍角をなすように傾斜して形成され、
    前記底板の先端部には、前記底板上の土圧の一部を受ける受圧壁が上方に向けて突設されることを特徴とする、
    L型擁壁。
  2. 前記受圧壁の受圧面は、前記受圧壁の基端から先端に向けて漸次前記縦壁から離隔するように傾斜していることを特徴とする、
    請求項1に記載のL型擁壁。
  3. 前記底板の上面は、前記縦壁に対して95乃至115度の角度をなすように形成されることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のL型擁壁。
  4. 前記受圧壁は、前記底板と一体的に形成されることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のL型擁壁。
  5. 前記受圧壁は、揺動自在且つ所定の角度で固定可能に前記底板に取付けられた別部材から構成されることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のL型擁壁。
  6. 前記底板の下面は、複数の水平面を前記底板の上面に沿って高さを変えて配置した階段状に形成されることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のL型擁壁。
  7. 前記底板の下面は、前記底板の前記基端側に設けられる第1水平面と、前記底板の先端側において前記第1水平面よりも低い位置に設けられる第2水平面と、を有して構成されることを特徴とする、
    請求項6に記載のL型擁壁。
  8. 前記底板の下面は、前記縦壁に対して鈍角をなすように傾斜して形成された取付面に略楔形状の固定部材を固定することにより、階段状に形成されることを特徴とする、
    請求項6または7に記載のL型擁壁。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のL型擁壁と、
    前記L型擁壁が有する前記底板の下面形状に合わせて地盤側に敷設される複数の土嚢からなる基礎部と、を有することを特徴とする、
    L型擁壁ユニット。
  10. 前記基礎部は、前記底板の複数の前記水平面の間の段部に一部の前記土嚢の側面が対向するように階段状に構成されることを特徴とする、
    請求項9に記載のL型擁壁ユニット。
  11. 前記土嚢は、直方体状の土嚢袋と、前記土嚢袋の内部に収容される矩形状のガイド枠と、隣接する前記ガイド枠同士を接続する接続部材と、を備え、
    前記基礎部は、隣接する前記土嚢同士が前記接続部材により互いに接続された状態で格子状に配列された複数の前記土嚢を、複数段積み重ねて構成されることを特徴とする、
    請求項9または10に記載のL型擁壁ユニット。
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