JP2016003550A - 石積み壁の補強構造及び方法 - Google Patents

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【目的】石積み壁のはらみ出しを抑制する。
【構成】本発明に係る石積み壁の補強構造1は、石積み壁5の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置、同図では4つの位置から地山2に向けて補強材としてのロックボルト6をそれぞれ挿入配置するとともに、複数のロックボルト6のうち、水平に離間する2つのロックボルト6,6の頭部7,7には、山形鋼で構成された長尺状押さえ部材8を上下二段にそれぞれ連結してある。ここで、ロックボルト6は、それらの先端21を該ロックボルトの周囲のグラウト材22を介して地山2内のすべり面9より深い位置にそれぞれ定着してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、はらみ出し等の変状が発生し又は発生のおそれがある石積み壁に適用される石積み壁の補強構造及び方法に関する。
山間部等に見られる自然法面や整形によって生じた切土等の法面は、崖崩れ等が生じないよう、法面保護工によって保護する必要がある。
法面保護工としては、モルタルやコンクリートを吹き付ける法面吹付工、法枠工、法面緑化工などがあり、いずれも斜度や土質性状等に応じて適宜選択され、広く使用されているが、法面保護工の一つとして、裏ぐり石を背面に充填しながら間知石と呼ばれる組積材を積み上げる、いわゆる空積み擁壁や、組積材の背面にコンクリートを充填してなる練積み擁壁(重力式擁壁の一種)があり、特に前者の空積み擁壁は、城壁に用いられるなど、古くから採用されている保護工である。
ここで、空積み擁壁の場合、経年変化として、前方へはらみ出す、間知石同士が離隔して目地が発生するなどの変状を生じることがあり、かかる変状を放置すると、擁壁全体が不安定となり、崩落といった事態を招くおそれもある。
そのため、空積み擁壁に生じる変状を適切な対策工で抑制しなければならない。
特開2011−63971号公報 特開2011−65349号公報 特許第4530378号公報
空積み擁壁の変状を抑制する対策工としては、組積材を上から順に解体した後、あらためて積み直すといったものが提案されているが(特許文献1,2)、城壁等の歴史的建造物であればともかく、一般の空積み擁壁に採用するのは経済的な観点で現実的ではない。
一方、地震時に裏ぐり石が沈下して間知石を前方に押し出すことがはらみ出しの原因となる状況においては、間知石同士が取り合う出隅部や間知石の中央にグラウト材注入孔を削孔し、該グラウト材注入孔に異形鉄筋等の補強材(芯材)を挿入した上、補強材とグラウト材注入孔との隙間にグラウトパイプを挿入してグラウト材を注入することで、間知石の背後に拡がる裏ぐり石を補強材の周囲に固結させ、それによって裏ぐり石の沈下、ひいては間知石のはらみ出しや崩落といった事態を防止する耐震補強方法が知られている(特許文献3)。
しかし、特許文献3記載の工法は、地山が健全であることを前提とした工法であり、地山内にすべり面が存在していて該すべり面に沿って土塊が滑動しその土圧が裏ぐり石を介して間知石背面に作用することがはらみ出しの原因となる場合には、上述した耐震補強方法をもってしても、空積み擁壁の変状を抑制することは困難である。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、石積み壁のはらみ出しを抑制可能な石積み壁の補強構造及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る石積み壁の補強構造は請求項1に記載したように、石積み壁の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置から前記石積み壁の背後に拡がる地山に向けて挿入する形で該地山に補強材をそれぞれ配置し、所定の押さえ部材を、その背面に前記石積み壁を構成する組積材からの荷重が伝達可能となるように前記各補強材の頭部に連結した石積み壁の補強構造において、
前記各補強材の先端を前記地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着したものである。
また、本発明に係る石積み壁の補強構造は、前記押さえ部材を長尺状押さえ部材で構成するとともに、該長尺状押さえ部材の各端を、前記補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結したものである。
また、本発明に係る石積み壁の補強構造は、前記長尺状押さえ部材の背面のうち、前記2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と前記組積材の表面との間に拡がる間隙に荷重伝達部材を介在させたものである。
また、本発明に係る石積み壁の補強構造は、前記荷重伝達部材を、袋体内に注入された充填材を固化させて構成したものである。
また、本発明に係る石積み壁の補強方法は請求項5に記載したように、石積み壁の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置から前記石積み壁の背後に拡がる地山に向けて補強材をそれぞれ挿入することで該補強材を前記地山に配置するとともに、前記各補強材の先端を前記地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着し、
長尺状押さえ部材の背面に前記石積み壁を構成する組積材からの荷重が伝達可能となるように、該長尺状押さえ部材の各端を、前記補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結し、
前記長尺状押さえ部材の背面のうち、前記2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と前記組積材の表面との間に拡がる間隙に袋体を配置し、
該袋体の外面が前記長尺状押さえ部材の背面及び前記組積材の表面に当接するように前記袋体内に充填材を注入し、
前記充填材を固化させるものである。
本発明に係る石積み壁の補強構造においては、石積み壁の壁面から石積み壁の背後に拡がる地山に向けて挿入する形で該地山に補強材を複数配置するとともに、所定の押さえ部材を、その背面に上述した石積み壁を構成する組積材からの荷重が伝達可能となるように各補強材の頭部に連結するが、補強材を配置するにあたっては、各補強材の先端を地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着する。
このようにすると、地山のうち、すべり面の上方に位置する土塊が該すべり面に沿って滑動しようとしたとき、直接又は裏ぐり石を介して組積材の背面に作用する土圧は、各押さえ部材を介してそれぞれの補強材に伝達され、上述した定着箇所で反力をとることによって組積材が支持されることとなり、かくして組積材のはらみ出しが防止される。
また、上述した補強材及び押さえ部材が設置された組積材(以下、直接補強組積材と呼ぶ)に挟まれるようにそれらの間に位置する組積材は、それらが互いに噛合し又は壁面直交方向に沿ったせん断力が相互に伝達可能な状態であれば、補強材及び押さえ部材で直接支持されていなくても、直接補強組積材を介して間接的に支持されるため、該直接補強組積材と同様、それらのはらみ出しが防止される。
本発明の対象となる石積み壁は、空積み擁壁が典型例となるが、練積み擁壁にも適用が可能である。
一方、直接補強組積材に挟まれるようにそれらの間に位置する組積材が互いに噛合しておらずかつ壁面直交方向に沿ったせん断力が相互に伝達不可能な状態の場合、補強材及び押さえ部材が設置されていないために、それらのはらみ出しを防止することは困難となる。
かかる場合においては、上述の押さえ部材を長尺状押さえ部材で構成するとともに、該長尺状押さえ部材の各端を、上述した補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結した構成とすればよい。
このようにすると、直接補強組積材に挟まれるようにそれらの間に位置する組積材は、長尺状押さえ部材の背面に当接されることによって補強材で支持されることとなり、直接補強組積材と同様、はらみ出しが防止される。
長尺状押さえ部材は、石積み壁の壁面に対して平行な面内である限り、その配置方向は任意であり、水平配置、斜め配置をはじめ、法尻から法肩に沿った配置、すなわち鉛直面内配置でもかまわないし、構成材料、配置段数その他の具体的構成も任意である。
ここで、長尺状押さえ部材の背面のうち、2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と組積材の表面との間に間隙が存在する場合には、その間隙に荷重伝達部材を介在させればよい。
このようにすれば、一部の組積材が周囲の組積材よりも後退している等の理由によって石積み壁の壁面に凹凸が生じており、そのために長尺状押さえ部材の背面を組積材の表面に当接させることが難しい場合であっても、荷重伝達部材を介して組積材からの荷重を長尺状押さえ部材に伝達させることが可能となり、上述したはらみ出しをより確実に防止することが可能となる。
荷重伝達部材は、鋼板等で構成されたスペーサーでもかまわないが、袋体内に注入された充填材を固化させて構成したならば、石積み壁の壁面の凹凸になじませるように配置することができるため、長尺状押さえ部材の背面と組積材の表面との荷重伝達が良好に行われることとなり、かくしてはらみ出しの抑制作用が確実に発揮される。
袋体内に注入された充填材を固化させて荷重伝達部材を構成する具体的な手順としては、複数の補強材を、それらの先端が地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着されるように地山に配置した後、長尺状押さえ部材の背面に組積材からの荷重が伝達可能となるように、該長尺状押さえ部材の各端を、補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結し、次いで、長尺状押さえ部材の背面のうち、2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と組積材の表面との間に拡がる間隙に袋体を配置し、しかる後、袋体の外面が長尺状押さえ部材の背面及び組積材の表面に当接するように、袋体内に充填材を注入し、次いでこれを固化させればよい。
本実施形態に係る石積み壁の補強構造1を示した図であり、(a)は正面図、(b)はA−A線方向に沿う鉛直断面図。 本実施形態に係る石積み壁の補強構造1の作用を示した説明図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はB−B線方向から見た矢視図。 変形例に係る石積み壁の補強構造を示した正面図。 別の変形例に係る石積み壁の補強構造を示した正面図。 石積み壁の補強方法の実施手順を示した図であり、(a)は水平断面図、(b)及び(c)はC−C線に沿う鉛直断面図。
以下、本発明に係る石積み壁の補強構造及び方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る石積み壁の補強構造を示した正面図及び鉛直断面図である。同図に示したように、本実施形態に係る石積み壁の補強構造1は、地山2との間に裏ぐり石3を充填しながら該地山の前方に組積材としての間知石4を積み上げてなる石積み壁5に本発明を適用した例を示したものであり、石積み壁5の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置、同図では4つの位置から地山2に向けて補強材としてのロックボルト6をそれぞれ挿入配置するとともに、複数のロックボルト6のうち、水平に離間する2つのロックボルト6,6の頭部7,7には、山形鋼で構成された長尺状押さえ部材8を上下二段にそれぞれ連結してある。
長尺状押さえ部材8は、直接補強組積材としての間知石4a,4a及びそれらに挟まれるように位置する間知石4bからの荷重が背面に伝達可能となるように、該長尺状押さえ部材の各端をロックボルト6,6の頭部7,7にそれぞれ連結してある。
長尺状押さえ部材8,8のうち、下段の長尺状押さえ部材8は、比較的はらみ出しが生じやすい石積み壁5の下縁から例えば1/3程度の高さ範囲に配置し、上段の長尺状押さえ部材8は、下段配置された長尺状押さえ部材8から例えば1.5m程度上方に離間した高さ位置に配置するのがよい。
ロックボルト6は、それらの先端21を該ロックボルト周囲のグラウト材22を介して地山2内のすべり面9より深い位置にそれぞれ定着してある。
本実施形態に係る石積み壁の補強構造1を構築するには、まず、石積み壁5の壁面から地山2に向けてボルト挿入孔(図示せず)を削孔する。
ボルト挿入孔は、図1に示したように間知石4aの中央近傍を削孔開始位置として公知の削孔機で適宜削孔すればよいが、孔底が地山2内のすべり面9より深い位置となるように形成する。
なお、ボルト挿入孔は、後工程において長尺状押さえ部材8を設置する際、その背面が、間知石4a,4aのみならず、それらの間に位置する間知石4bの表面にも当接するよう、石積み壁5の壁面が面一とみなせる場所に設置するものとする。
次に、削孔されたボルト挿入孔にロックボルト6をそれぞれ挿入することで該ロックボルトを地山2に配置するとともに、ボルト挿入孔にグラウト材を加圧注入することにより、ロックボルト6の先端21を、周囲のグラウト材22を介して地山2内のすべり面9より深い位置にそれぞれ定着する。
グラウト材は、セメントミルク、モルタルその他公知のグラウト材から適宜選択すればよい。
次に、複数のロックボルト6のうち、水平に離間する2つのロックボルト6,6の頭部7,7が、長尺状押さえ部材8の各端に形成されたボルト挿通孔(図示せず)にそれぞれ挿通されるように、該長尺状押さえ部材を石積み壁5の壁面に水平配置し、次いで、長尺状押さえ部材8の背面が間知石4a及び間知石4bの表面に当接された状態で、該長尺状押さえ部材から突出するロックボルト6の頭部7にナット10を嵌めてねじ込むことにより、長尺状押さえ部材8をロックボルト6,6の頭部7,7に連結する。
かかる連結作業は、上下二段の各長尺状押さえ部材8についてそれぞれ同様に行う。
このように構築された石積み壁の補強構造1においては、図2(a)に示すように、地山2のうち、すべり面9の上方に位置する土塊が該すべり面に沿って滑動しようとしたとき、間知石4aの背面に作用する土圧は、長尺状押さえ部材8を介してロックボルト6に伝達されるが、ロックボルト6の先端21がその周囲のグラウト材22を介して地山2内のすべり面9より深い位置に定着されているため、上述の土圧は、定着箇所であるロックボルト6の先端21に作用する反力によって支持される。
また、間知石4a,4aに挟まれるように位置する間知石4bについても図2(b)に示すように、それらの背面に作用する土圧が長尺状押さえ部材8を介してロックボルト6に伝達されるため、かかる土圧は上述と同様に、ロックボルト6の先端21に作用する反力によって支持される。
以上説明したように、本実施形態に係る石積み壁の補強構造1によれば、石積み壁5の壁面から地山2に向けて挿入する形で該地山にロックボルト6を複数配置するにあたり、各ロックボルト6の先端21をその周囲のグラウト材22を介して地山2内のすべり面9よりも深い位置にそれぞれ定着するようにしたので、地山2のうち、すべり面9の上方に位置する土塊が該すべり面に沿って滑動しようとしたとき、ロックボルト6が挿通された間知石4aの背面に作用する土圧は、長尺状押さえ部材8を介してロックボルト6に伝達された後、定着箇所である先端21に作用する反力で支持されることとなり、かくして、間知石4aのはらみ出しを防止することができる。
また、本実施形態に係る石積み壁の補強構造1によれば、本発明の押さえ部材を長尺状押さえ部材8で構成したので、ロックボルト6,6が設置された間知石4a,4aのみならず、それらに挟まれるように位置する間知石4bについても、それらの表面が長尺状押さえ部材8の背面に当接することにより、間知石4bの背面に作用する土圧は、間知石4aと同様、長尺状押さえ部材8を介してロックボルト6に伝達される。
そのため、間知石4bが互いにあるいは間知石4aとの間で噛合しておらずかつ壁面直交方向に沿ったせん断力が相互に伝達不可能な状態であっても、間知石4bのはらみ出しを防止することができる。
本実施形態では、長尺状押さえ部材8を上下二段配置するようにしたが、上述したように長尺状押さえ部材の具体的構成は任意であり、配置段数を例えば三段配置するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、ロックボルト6を間知石4aの中央近傍位置に貫通させるようにしたが、これに代えて、図3に示すように隣接する間知石4が取り合う隅部近傍を削孔開始位置としてもかまわない。
この場合、長尺状押さえ部材8は同図に示すように、ロックボルト6を取り囲む4つの間知石4aの表面に各端が当接される形で配置される。
また、本実施形態では、本発明の押さえ部材を長尺状押さえ部材8で構成した例を説明したが、これに代えて、図4に示すように、各ロックボルト6の頭部7に正方形状の鋼製プレートからなる押さえ部材38をそれぞれ連結するようにしてもよい。
かかる構成においても、ロックボルト6が挿入配置された間知石4aについては、本実施形態と同様に該ロックボルトで直接支持される。
また、間知石4のうち、4つの間知石4aを結ぶ矩形範囲41の内側に位置する間知石4についても、それらが互いに噛合し又は壁面直交方向に沿ったせん断力が相互に伝達可能な状態であれば、ロックボルト6及び押さえ部材38で直接支持されていなくても、4つの間知石4aを介して間接的に支持されるため、それらのはらみ出しを防止することができる。
また、本実施形態では、長尺状押さえ部材8の両端に位置する間知石4a,4aとそれらの間に挟まれるように位置する間知石4bとは、図2(b)に示すように概ね面一であるとしたが、図5(a)に示すように長尺状押さえ部材8の背面のうち、ロックボルト6,6との連結部位に挟まれた領域と間知石4bの表面との間に間隙が存在する場合には、その間隙に荷重伝達部材51を介在させればよい。
ロックボルト6,6との連結部位に挟まれた領域と間知石4bの表面との間に荷重伝達部材51を介在させるには、まず、上述した実施形態と同様の手順で、複数のロックボルト6を、それらの先端21が地山2内のすべり面9よりも深い位置にそれぞれ定着されるように該地山に配置するとともに、ロックボルト6との連結部位で長尺状押さえ部材8の背面に間知石4aからの荷重が伝達可能となるように、該長尺状押さえ部材を、相異なる2本のロックボルト6,6の各頭部7,7にそれぞれ連結する。
次に、長尺状押さえ部材8の背面のうち、ロックボルト6,6の連結部位に挟まれた領域と間知石4bとの表面との間に拡がる間隙に、図5(b)に示すように袋体53を配置する。
袋体53は、止水性を有しかつ膨張自在な材質で形成する。
次に、図5(c)に示すように、袋体53内に充填材52を注入することにより、袋体53を膨張させてその外面を長尺状押さえ部材8の背面と間知石4bの表面に当接させる。
充填材52は、例えば無収縮モルタルで構成することができる。
次に、充填材52を固化させて荷重伝達部材51とする。
このようにすれば、荷重伝達部材51を石積み壁5の壁面の凹凸になじませるように配置することができるため、長尺状押さえ部材8の背面と間知石4bの表面との荷重伝達が良好に行われることとなり、かくして上述したはらみ出しの抑制作用が確実に発揮される。
1 石積み壁の補強構造
2 地山
4,4a,4b 間知石(組積材)
5 石積み壁
6 ロックボルト(補強材)
7 ロックボルトの頭部
8 長尺状押さえ部材(押さえ部材)
9 すべり面
21 ロックボルトの先端
38 押さえ部材
51 荷重伝達部材
52 充填材
53 袋体

Claims (5)

  1. 石積み壁の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置から前記石積み壁の背後に拡がる地山に向けて挿入する形で該地山に補強材をそれぞれ配置し、所定の押さえ部材を、その背面に前記石積み壁を構成する組積材からの荷重が伝達可能となるように前記各補強材の頭部に連結した石積み壁の補強構造において、
    前記各補強材の先端を前記地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着したことを特徴とする石積み壁の補強構造。
  2. 前記押さえ部材を長尺状押さえ部材で構成するとともに、該長尺状押さえ部材の各端を、前記補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結した請求項1記載の石積み壁の補強構造。
  3. 前記長尺状押さえ部材の背面のうち、前記2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と前記組積材の表面との間に拡がる間隙に荷重伝達部材を介在させた請求項2記載の石積み壁の補強構造。
  4. 前記荷重伝達部材を、袋体内に注入された充填材を固化させて構成した請求項3記載の石積み壁の補強構造。
  5. 石積み壁の壁面であって該壁面に沿って互いに離間する複数の位置から前記石積み壁の背後に拡がる地山に向けて補強材をそれぞれ挿入することで該補強材を前記地山に配置するとともに、前記各補強材の先端を前記地山内のすべり面よりも深い位置にそれぞれ定着し、
    長尺状押さえ部材の背面に前記石積み壁を構成する組積材からの荷重が伝達可能となるように、該長尺状押さえ部材の各端を、前記補強材のうち、相異なる2本の補強材の各頭部にそれぞれ連結し、
    前記長尺状押さえ部材の背面のうち、前記2本の補強材の連結部位に挟まれた領域と前記組積材の表面との間に拡がる間隙に袋体を配置し、
    該袋体の外面が前記長尺状押さえ部材の背面及び前記組積材の表面に当接するように前記袋体内に充填材を注入し、
    該充填材を固化させることを特徴とする石積み壁の補強方法。
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