JP3158356U - 人形用ブラシ - Google Patents

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泰子 橋本
泰子 橋本
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Abstract

【課題】構造が簡単で、機能性の向上が図れ、しかも、人形の毛の抜けや損傷を低減することが可能な人形用ブラシを提供すること。【解決手段】熱板を有するブラシ部を備え、前記ブラシ部によって人形の可逆熱変色性の毛をブラッシングしながら前記熱板の熱にて変色させる人形用ブラシにおいて、前記熱板の表面には、ブラッシング方向に延在し該ブラッシング方向に直交する方向に所定ピッチで溝を介して複数並設されて、前記毛をブラッシングするための櫛歯が形成されている。【選択図】図3

Description

本考案は、ブラシ部によって人形の可逆熱変色性の毛をブラッシングしながら熱板の熱にて変色させる人形用ブラシに関するものである。
従来、人形用ブラシとして、可逆性熱変色材がブレンドされたポリオレフィン状成形体を動物人形の体毛として使用し、面状発熱体(熱板)を備えたブラシで毛をブラッシングすることによって加熱し、それによって毛を変色させる人形用ブラシが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−321668号公報(図12)
特許文献1に開示された人形用ブラシは、面状発熱体に多数の孔を穿設し、その孔に熱伝導体に立設させた棒状突起を挿通させて面状発熱体の表面から突出させている構造であることから、構造が複雑であり、その組付けも煩雑である。
また、人形の毛の材質は熱を伝えにくいため、それを加熱するには、面状発熱体に毛を密着させる必要がある。しかし、特許文献1に開示された人形用ブラシでは、面状発熱体は平面であるため、加熱部の面積が小さく、さらに、棒状突起が立設されていることにより、尚のこと毛が接触し得る加熱部の面積が小さくなり、人形用ブラシとしての機能性を損ねているという問題がある。
また、棒状の突起を縦横に多数設けているため、棒状突起に毛が絡まりやすく、ブラッシングしにくい。そして、突起に毛が絡んだ際に、むりやりブラッシングするとすれば、人形の毛が抜けたり、毛を損傷したりする虞がある。
本考案は、このような実情に鑑みてなされたもので、構造が簡単で、機能性の向上が図れ、しかも、人形の毛の抜けや損傷を低減することが可能な人形用ブラシを提供することにある。
請求項1の考案は、熱板を有するブラシ部を備え、前記ブラシ部によって人形の可逆熱変色性の毛をブラッシングしながら前記熱板の熱にて変色させる人形用ブラシにおいて、前記熱板の表面には、ブラッシング方向に延在し該ブラッシング方向に直交する方向に所定ピッチで、両端が開放された溝を介して、複数並設されて前記毛をブラッシングするための櫛歯が形成されていることを特徴とする人形用ブラシである。
請求項2の考案は、請求項1に記載の人形用ブラシにおいて、前記溝は、ブラッシング方向に直交する断面が前記熱板の裏面に向けて膨らむように弧状となっていることを特徴とする。
請求項3の考案は、請求項1又は請求項2に記載の人形用ブラシにおいて、前記ブラシ部は、前記熱板の表面側に位置し人肌の接触を防止するカバー部材を備え、前記カバー部材は、前記ブラッシング方向に延在し該ブラッシング方向に直交する方向にスリットを介して所定ピッチで複数並設された棒状格子部材を有し、前記棒状格子部材によって前記熱板における前記櫛歯の表面を覆いつつ、且つ、前記スリットによって前記熱板における前記溝の表面を露出させるように構成されていることを特徴とする。
請求項4の考案は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の人形用ブラシにおいて、前記熱板は、他の熱源によって加熱される熱伝導板、又は熱源である発熱体であることを特徴とする。
請求項5の考案は、請求項1から3のいずれか一項に記載の人形用ブラシにおいて、前記熱板は熱伝導板であり、熱源であるペルチェ素子の各面に接するように前記熱板及び前記カバー部材の組が設けられていることを特徴とする。
請求項1の考案によれば、熱板の表面にブラッシング方向に延在する櫛歯を設けているので、人形の毛が熱板によって効果的にブラッシングされるとともに、熱板と人形の毛との間で熱交換がなされることになる。また、その熱交換は熱板の溝内で行われるため、熱板が平板である場合に比べて、熱板と人形の毛との接触面積が大きくなるので、効率的に熱交換が行えることになる。
また、熱板の表面にブラッシング方向に延在する櫛歯を設けているので、構造も簡単なものとなる。
請求項2の考案によれば、熱板の溝は断面が弧状となっているため、熱板の溝内面と人形の毛とが接触しやすくなるので、より効率的に熱交換が行えることになる。
請求項3の考案によれば、カバー部材によって、人肌が熱板へ接触するのが防止されることになる。
請求項4の考案によれば、熱板は、他の熱源によって加熱される熱伝導板、又は熱源である発熱体であるので、人形の毛を加熱により変色させることができる。
請求項5の考案によれば、一方の熱板で加熱又は冷却して熱変色させた髪の毛を、他方の熱板で冷却または加熱して元の色に戻すことができる。
本考案に係る人形用ブラシを備えた美髪用玩具セットを示した斜視図である。 図1の美髪用玩具セットの分解斜視図である。 図1の人形用ブラシを示した斜視図である。 図3の人形用ブラシの分解斜視図である。 図1の人形用ブラシにおける熱板加熱回路の構成図である。 図3におけるVI−VI線断面図である。 図1における連客ケースの縦断面図である。 人形用ブラシの他の変形形態を概念的に示した側面図である。 人形用ブラシのさらに他の実施形態を概念的に示した断面図である。
以下に、本考案に係る人形用ブラシの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(美髪用玩具セット100について)
図1には美髪用玩具セット1の外観が示されている。この美髪用玩具セット1は、図1及び図2に示すように、人形10の髪の毛11に熱を加えて変色させる人形用ブラシ20と、人形用ブラシ20を載置するためのブラシホルダ44と、加熱変色された人形10の髪の毛11を元の色に戻す冷却用ケース40とを備えている。
(人形10について)
人形10の髪の毛11は、例えば、可逆性熱変色材がブレンドされたポリオレフィン樹脂のフィラメント状成形体によって形成されている。この場合の可逆性熱変色材としては、従来公知の電子供与性呈色性化合物と電子受容性顕色剤との組み合わせをベースとした熱変色成分が有効である。例えば、電子供与性発色剤、フェノール性水酸基を有する化合物及びそれらの金属塩・芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸などの電子受容性顕色剤、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類等の変色温度調節剤からなる熱変色顔料を用いればよい。これらによれば、少なくとも常温〜80℃程度の温度帯域で十分に可逆的に変色する。勿論、熱交換によって可逆的に色が変化するものであればこれに限定されない。
(人形用ブラシ20について)
人形用ブラシ20は図3に示すようにグリップ部A及びブラシ部Bを備えている。人形用ブラシ20は、図3及び図4に示すように、人形用ブラシ20の裏側を画成する裏側ケース21を備えている。裏側ケース21の内面には、回路基板22を収容するリブ枠21aが形成され、さらにリブ枠21a内には、クッション材23を収容するリブ枠21bが形成されている。
回路基板22には、熱板加熱回路の一部を構成するサーミスタ24、トランジスタ25及びヒューズ26等の電子部品が、ホルダ27を介して搭載されている。回路基板22の中央部には、孔22aが形成されている。この回路基板22はリブ枠21a内に取り付けられる。一方、リブ枠21b内にはクッション材23が収容されている。このクッション材23は上記孔22aの箇所で回路基板22を貫通し、さらに、ホルダ27を貫通して、サーミスタ24、トランジスタ25及びヒューズ26に接触しており、裏側ケース21の押圧力によってそれらを熱板31に押し付け密着させている。
また、リブ枠21aには、導線28をリブ枠21a内に導入するための切欠き21cが形成されている。裏側ケース21には、切欠き21cが形成されている部分に、パッキン29が設置されている。また、リブ枠21aの上面には環状のパッキン30が設置されている。
パッキン30の上には熱伝導板である熱板31が設置されている。
さらに、熱板31の表面側にはカバー部材32が裏側ケース21の先端部開口を覆い被さるようにして取り付けられている。
また、裏側ケース21の基端部開口には、該開口を覆うようにしてグリップ部Bの表面ケース33が取り付けられている。この表面ケース33には、先端側に孔33aが形成され、その孔には、パイロットランプとなるLED34が嵌挿されている。
(電源及び熱板加熱回路)
人形用ブラシ20は、電源であるバッテリBT(図5参照)をグリップ部Aに備えることが好ましいが、上記導線29に接続されるコードによって外部電源を利用して熱板31を加熱するように構成されていてもよい。
図5には、熱板31を加熱する熱板加熱回路の一例が示されている。この熱板加熱回路においては、抵抗R1、R2、R3及びサーミスタ24がブリッジ回路を構成し、その対辺の電位差をコンパレータUによって検出している。コンパレータUは−入力側の電位が+入力側の電位より高い状態においてトランジスタ25に電流を流し、トランジスタ25が加熱される。熱板31にはサーミスタ24とトランジスタ25とが密着しているので、トランジスタ25の発熱によって熱板31が加熱される。それに伴いサーミスタ24も加熱されて抵抗値が小さくなり、やがてコンパレータUの+入力側の電位が−入力側の電位より高くなるため、トランジスタ25の電流が遮断され、トランジスタ25の加熱が止まることにより熱板31の温度上昇が収まり一定の温度に保持されることになる。この場合の動作条件について説明すれば、RTH/R2>R1/R3にてトランジスタ25が通電状態となり、RTH/R2<R1/R3にてトランジスタ25が遮断状態となることである。なお、熱板31をサーミスタ24やトランジスタ25で加熱する代わりに、ニクロム線によって熱板31を加熱してもよい。
なお、図5においてSWはスイッチであり、バッテリBTがグリップ部Aに設けられる場合にはスイッチSWは人形用ブラシ20に設けられる。バッテリBTが外部に設けられる場合には、スイッチSWは外部に設けてもよいし、人形用ブラシ20に設けてもよい。なお、図5においてヒューズ26は省略してある。
(熱板31及びカバー部材32について)
ブラシ本体Bが備える熱板31及びカバー部材32は次のように構成されている。
熱板31は熱伝導板であり、熱伝導性の良い金属(例えばアルミニウム)、又は熱伝導性フィラーを多量に配合した合成樹脂等によって形成されている。熱板31の表面には、図4及び図6に示すように、ブラッシング方向に延在しブラッシング方向に直交する方向に所定ピッチで、両端が開放された溝31aを介して、複数並設された櫛歯31bを備えている。溝31aは、ブラッシング方向に直交する断面が熱板31の裏面側に膨らむように弧状に形成されている。
カバー部材32は、図4に示すように、格子部321と、格子部321を支持する基枠322とを有している。
格子部321は、図4及び図5に示すように、ブラッシング方向に延在する棒状格子部材32aがブラッシング方向に直交する方向に所定ピッチでスリット32bを介して複数並設されることによって構成されている。
このカバー部材32においては、棒状格子部材32aで熱板31の櫛歯31bの表面を覆いつつ、且つ、スリット32bで熱板31の溝31aの表面を露出させるようになっている。この場合、棒状格子部材32aは、熱板31の櫛歯31bの歯先を構成することになる。したがって、ブラッシング方向に直交する断面で見た場合、棒状格子部材32aの外形線と熱板31の溝31aの外形線とが連続していることが好ましい。
棒状格子部32aの上面は例えば波形となっていてもよい。要は、人肌が熱板31に接触するのを防止できることである。
一方、基枠322は、棒状格子部材32aの両端を支持する支持部322a,322aを有している。各支持部322aには、ブラッシング方向の両側に亘って延在し、且つ、ブラッシング方向に直交する断面の外形線が裏面に向けて膨らむような弧状切欠き322bが形成されている。この弧状切欠き322bは、ブラッシング方向に直交する断面で見た場合、スリット32bに対応する位置にある。この弧状切欠き322bは、ブラッシング方向に直交する断面で見た場合、上記熱板31の溝31aの外形線と合致していることが好ましい。なお、基枠322は、該基枠322を裏側ケース21にねじ止めするための取付部322c,322cを有している。
(ブラシホルダ44について)
ブラシホルダ44は、図2に示すように、下部に台部44aを備え、該台部に背板44bを備えている。そして、台部44aには、ブラシ20の把持部を収容する孔44cが形成され、背板44bには、前方に向けてブラシ20の上部を挟持する一対の舌片44dが設けられている。このブラシホルダ44は冷却用ケース40と一体となっている。
(冷却用ケース40について)
冷却用ケース40は、ケース本体41の前部に配設された人形収容部42と、人形収容部42の後方に配置される冷却タンク43とを備えている。
人形収容部42は、円筒状を成し、ケース本体41に回転自在に配設されている。この人形収容部42には、前部上方に開口42aが形成されており、両側壁には、人形10を挟持するための舌片42bが設けられている。
冷却タンク43はL字状を成し、下部前面壁が半円筒状に凹んだ形となっている。そして、この冷却タンク43の上部には、給排水孔43aが形成され、該給排水孔43aには蓋43bが嵌着される。そして、この冷却タンクは、ケース本体41の上部に形成された開口41aから挿入されてケース本体41に装填される。この冷却タンク43は、冷却水(例えば氷水)が入れられて使用される。
(美髪用玩具セット100の使用方法)
人形用ブラシ20を使用する場合には、ブラシホルダ44から人形用ブラシ20を取り出し、人形10の髪の毛11をブラッシングする。すると、人形10の髪の毛は、カバー部材32によってブラッシングされ、ブラッシング中に髪の毛11は熱板31に接触して加熱され、それによって変色する。その後に、人形用ブラシ20を、ブラシホルダ44の台部44aの孔44cに把持部を収容させ、舌片44dによって挟持させることによって、ブラシケース44に装着して格納する。
一方、人形10の髪の毛11を直後に元に戻すには、図7に示すように、冷却用ケース40を使用する。すなわち、髪の毛11が加熱変色された人形10を人形収容部42に収容させ、舌片42bによって挟持させる。そして、髪の毛11を人形収容部42の外に位置させた状態で、図6に示すように、髪の毛11が冷却タンク43に対向するように位置させる。すると、髪の毛11は、冷却タンク43内の冷却水によって冷却され、元の色に戻される。
(ブラシの変形例)
図8に示すブラシ50は、上記実施形態のブラシ20に当て板51を付設し、アイロンブラシとして構成されている。このブラシ50では、裏側ケース21の基端に当て板51を回動自在に設置している。そして、このブラシ50では、ブラッシングの際に人形10の髪の毛11が当て板51によって熱板31に押し付けられる。したがって、髪の毛11の変色効果を高めることができる。
(ブラシの他の変形例)
図9に示すブラシ60は、熱源としてペルチェ素子61を使用し、その両面に熱伝導板である熱板62,63を当接させ、それらの外面を覆うように上記実施の形態と同様なカバー部材64,65をそれぞれ配設している。このブラシ60では、ペルチェ素子61の一方の面に接触している熱板62が加熱され、ペルチェ素子61の他方の面に接触している熱板63が冷却される。したがって、このブラシ60によれば、一方の熱板62によって人形10の髪の毛11が熱変色され、他方の熱板64によって熱変色された髪の毛11を元の状態に戻すことができる。
なお、上記実施の形態では、熱変色させる対象は例えば、動物人形等の他の形象玩具の毛であってもよい。
また、上記実施の形態では、熱源24としてサーミスタ,ペルチェ素子等の発熱体を使用し、その熱源24で発生した熱を熱板31に伝達しているが、熱板31自体を面状発熱体などの熱源としてもよい。
10 人形
11 髪の毛
20 ブラシ
31 熱板
31a 棒状格子部材
31b 溝
32 カバー部材
321 格子部
322 基枠
32b スリット

Claims (5)

  1. 熱板を有するブラシ部を備え、前記ブラシ部によって人形の可逆熱変色性の毛をブラッシングしながら前記熱板の熱にて変色させる人形用ブラシにおいて、前記熱板の表面には、ブラッシング方向に延在し該ブラッシング方向に直交する方向に所定ピッチで、両端が開放された溝を介して、複数並設されて前記毛をブラッシングするための櫛歯が形成されていることを特徴とする人形用ブラシ。
  2. 前記溝は、ブラッシング方向に直交する断面が前記熱板の裏面に向けて膨らむように弧状となっていることを特徴とする請求項1に記載の人形用ブラシ。
  3. 前記ブラシ部は、前記熱板の表面側に位置し人肌の接触を防止するカバー部材を備え、前記カバー部材は、前記ブラッシング方向に延在し該ブラッシング方向に直交する方向にスリットを介して所定ピッチで複数並設された棒状格子部材を有し、前記棒状格子部材によって前記熱板における前記櫛歯の表面を覆いつつ、且つ、前記スリットによって前記熱板における前記溝の表面を露出させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人形用ブラシ。
  4. 前記熱板は、他の熱源によって加熱される熱伝導板、又は熱源である発熱体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の人形用ブラシ。
  5. 前記熱板は熱伝導板であり、熱源であるペルチェ素子の各面に接するように前記熱板及び前記カバー部材の組が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の人形用ブラシ。
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