JP3157664U - 流体収容パック - Google Patents

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Abstract

【課題】開封時の流体の飛散を大幅に抑制し、流体を搾り出す量及び方向を意図どおりに制御し、流体を搾り出した後における液ダレを防止する。【解決手段】流体を収容した合成樹脂製のパック本体Pの所定位置に、流体導出用のチューブ体Tを一体的に設けてあり、このチューブ体Tに挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材Sを設けてあり、このストッパー部材Sは、パック本体Pの一辺に沿うように折り曲げられ、かつパック本体Pから容易に分離できる保持体Phにより保持されてなる。【選択図】図1

Description

本考案は、調味液などの流体を収容しておき、必要に応じて流体を出して使うことができる流体収容パックに関する。
従来から、調味料などの流体を収容しておき、必要に応じて流体を出して使うことができる密封小袋包装体が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された密封小袋包装体は、四角形の密封小袋包装体において、内容物収容部を方形または長方形もしくはひし形となし、かつ内容物収容部の一角部開口用の破線もしくは切り込みを、上辺シール部と縦シール部にわたり一角部を横切るように設けたことを特徴とするものである。
この構成の密封小袋包装体であれば、破線もしくは切り込みを利用して切り離すことによって、一角部を開口させることができ、この開口を通して内容物を取り出すことができる。
しかし、密封小袋包装体を開封する場合には、一般に内容物を収容している本体部を把持した状態で、破線もしくは切り込みを利用して切り離す動作を行うのであるから、内容物が飛散する可能性が高く、手、テーブル等を汚してしまう。
また、破線もしくは切り込みによっては、切り口の形状が一定せず、この結果、内容物を搾り出す量、方向が作業者の意図どおりにならない。
さらに、内容物を搾り出した後の空袋にも多少の内容物が残留しているので、空袋を放置しておくことによって、液ダレが生じ、液ダレによる汚れが生じてしまう。また、内容物の搾り出し量が少ない場合には、内容物の残留量が多くなるので、液ダレに起因する不都合が顕著になってしまう。
さらにまた、内容物の一部のみを搾り出して使用し、残部を保存する、という用途には全く適用することができない。
特開平09−240693号公報
本考案が解決しようとする課題は、以下の通りである。
○本考案が解決しようとする第1課題
開封時の流体の飛散を大幅に抑制することができる流体収容パックを提供することである。
○本考案が解決しようとする第2課題
流体を搾り出す量及び方向を意図どおりに制御することができる流体収容パックを提供することである。
○本考案が解決しようとする第3課題
流体を搾り出した後における液ダレを防止することができる流体収容パックを提供することである。
○本考案が解決しようとする第4課題
流体の搾り出し量を抑制して、流体の噴出を防止することができる流体収容パックを提供することである。
○本考案が解決しようとする第5課題
2種類の流体を混ざらないように収容し、しかも、2種類の流体を搾り出すことができる流体収容パックを提供することである。
課題を解決するための手段は、本願の[実用新案登録請求の範囲]の各請求項に記載された考案である。
実用新案登録請求の範囲、明細書、図面等の用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下、用語の説明を行うこととする。
<用語の説明>
○パック本体とは、流体を収容するために合成樹脂を用いて製造されたものであり、例えば、合成樹脂製のシートを折り返し、この状態で、熱溶着、圧着などによりシートどうしを一体化してなるものである。
○チューブ体とは、流体を導出するのに適した内径のものであり、例えば、熱溶着、圧着などによりシートどうしを一体化する部分の一部にこのチューブ体を介在させておき、この状態でシートどうしを一体化することによって、パック本体に一体化することができる。
○ストッパー部材とは、チューブ体の内径と等しい外径を有し、かつチューブ体の長さよりも長い長さを有するものであり、例えば、チューブ体に挿入した状態においてチューブ体よりも外部に位置する把持操作部を有するとともに、把持操作部と挿入部との間に折り曲げ部を有している。また、挿入部の先端部をやや小径に形成しておくことが好ましく、挿入作業を容易にすることができる。
○保持体とは、パック本体に対して容易に分離できるように設けられ、かつストッパー部材の把持操作部を保持できる形状を有するものであり、例えば、把持操作部を包囲する合成樹脂製シートを、熱溶着、圧着などにより、部分的にパック本体に一体化してなるものである。
○絞り部とは、チューブ体の、パック本体内部側の端部に内向きに設けられて流体の流量を制限するものであり、例えば、チューブ体の端部から、中心軸線方向に向かって延びるように一体形成した薄膜体である。
○流体とは、流動性のあるものをいい、具体的には、パック本体から搾り出し可能な程度の流動性を有するものであればよく、流動性が大きい液体、流動性が小さい流動体を含む。より具体的には、納豆用のタレ、カラシ、餃子用のタレ、ラー油、弁当用の醤油、ソース、マヨネーズ等が例示できる。
本考案者は、上記の従来技術が有する各種の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねて、本考案を完成した。
本考案者が、本考案が解決しようとする課題の重要性に気付く契機となったのは、従来技術の問題点を生じる最大の原因が、内容物を収容した包装体を把持した状態で、切り離しのために力を加えることを解消する必要があることに気付いていなかったことである。
本考案者が、本考案が解決しようとする課題の重要性に気付く契機となったのは、従来技術の問題点を生じる最大の原因が、内容物を搾り出した後における液ダレを解消する必要があることに気付いていなかったことである。
本考案者は、開封時における流体の飛散を防止でき、しかも流体を搾り出した後における液ダレを解消することができるものはないかと種々検討・模索を重ねて本考案を完成した。
課題を解決するための手段は、本願の実用新案登録請求の範囲の各請求項に記載の考案であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
○第1の考案(請求項1に記載の考案)
上記の課題を解決するための第1の考案(請求項1に記載の考案)は、
流体を収容した合成樹脂製のパック本体の所定位置に、流体導出用のチューブ体を一体的に設けてあり、このチューブ体に挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材を設けてあり、このストッパー部材は、パック本体の一辺に沿うように折り曲げられ、かつパック本体から容易に分離できる保持体により保持されてなることを特徴とする流体収容パックである。
○第2の考案(請求項2に記載の考案)
上記の課題を解決するための第2の考案(請求項2に記載の考案)は、
チューブ体は、パック本体内部側の端部に絞り部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体収容パックである。
○第3の考案(請求項3に記載の考案)
上記の課題を解決するための第3の考案(請求項3に記載の考案)は、
パック本体は、互いに異なる流体を収容する2つの流体収容部を有し、チューブ体の側面に流体導出用の開口が形成されてあり、一方の流体収容部がチューブ体の端部に連通され、他方の流体収容部が流体導出用の開口に連通されてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体収容パックである。
○第1の考案の効果
第1の考案によれば、
流体を収容した合成樹脂製のパック本体の所定位置に、流体導出用のチューブ体を一体的に設けてあり、このチューブ体に挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材を設けてあり、このストッパー部材は、パック本体の一辺に沿うように折り曲げられ、かつパック本体から容易に分離できる保持体により保持されてなる
という特徴的な構成要件により、
ストッパー部材を取り外すことで、流体を搾り出せる状態とし、ストッパー部材を挿入することで、液体を絞りだせない状態とすることができ、流体の飛散、液ダレを防止でき、しかも、流体の搾り出し量及び方向を制御することができる流体収容パックを提供することができた。
すなわち、本考案が解決しようとする第1課題、第2課題、第3課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第2の考案の効果
第2の考案によれば、
チューブ体は、パック本体内部側の端部に絞り部が一体に形成されている
という特徴的な構成要件により、
流体の搾り出しの程度を抑制して、流体が噴出することを防止することができる流体収容パックを提供することができた。
すなわち、本考案が解決しようとする第4課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第3の考案の効果
第3の考案によれば、
パック本体は、互いに異なる流体を収容する2つの流体収容部を有し、チューブ体の側面に流体導出用の開口が形成されてあり、一方の流体収容部がチューブ体の端部に連通され、他方の流体収容部が流体導出用の開口に連通されてある
という特徴的な構成要件により、
2種類の流体を混ざらないように保持することができ、しかも、2種類の流体を搾り出すことができる流体収容パックを提供することができた。
すなわち、本考案が解決しようとする第5課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
本考案の流体収容パックの一実施形態を示す概略正面図である。 ストッパー部材の構成を示す概略拡大図であり、(A)が概略斜視図を、(B)が(A)において丸で囲んだ部分の拡大図を、それぞれ示している。 チューブ体の構成を示す概略拡大図であり、(A)が概略横断平面図を、(B)が概略斜視図を、それぞれ示している。 本考案の流体収容パックの他の実施形態を示す概略正面図である。 チューブ体の構成を示す概略拡大斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本考案の流体収容パックの実施の形態を詳細に説明する。
第1の考案の流体収容パックは、
流体を収容した合成樹脂製のパック本体の所定位置に、流体導出用のチューブ体を一体的に設けてあり、このチューブ体に挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材を設けてあり、このストッパー部材は、パック本体の一辺に沿うように折り曲げられ、かつパック本体から容易に分離できる保持体により保持されてなることを特徴としている。
第2の考案の流体収容パックは、
チューブ体は、パック本体内部側の端部に絞り部が一体に形成されていることを特徴としている。
第3の考案の流体収容パックは、
パック本体は、互いに異なる流体を収容する2つの流体収容部を有し、チューブ体の側面に流体導出用の開口が形成されてあり、一方の流体収容部がチューブ体の端部に連通され、他方の流体収容部が流体導出用の開口に連通されてあることを特徴としている。
[図1]は、本考案の流体収容パックの一実施形態を示す概略正面図である。
[図2]は、ストッパー部材の構成を示す概略図であり、(A)が概略斜視図を、(B)が(A)において丸で囲んだ部分の拡大図を、それぞれ示している。
[図3]は、チューブ体の構成を示す概略図であり、(A)が概略横断平面図を、(B)が概略斜視図を、それぞれ示している。
この流体収容パックは、合成樹脂製のシートを折り返し、かつ熱溶着、圧着、接着などにより所定位置でシート同士を一体化することにより形成され、かつ流体を収容したパック本体Pと、パック本体Pの所定位置に装着されて内部と外部を連通するチューブ体Tと、チューブ体Tに挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材Sとを有している。
ここで、パック本体Pのサイズは、流体の必要量、使用目的、流体の流動性等を考慮して設定することが好ましい。また、この実施形態において、パック本体Pは、透明な合成樹脂製のシートからなっており、内容物を簡単に視認することができる。もちろん、不透明な合成樹脂製のシートからなるものであってもよい。
チューブ体Tは、シート同士の一体化部分に対応させて、やや膨出した外形を有し、かつパック本体Pの内部に位置する端部には、中心軸線に向かって延びる絞り部材Tsが設けられてなるものである。ここで、絞り部材Tsは、チューブ体Tの内径よりも小さい口径の開口を有するものであり、パック本体Pから流体が噴出することを阻止して、流体を穏やかに導出することができる。したがって、流体の流動性が高い場合には、絞り部材Tsの開口を小さくし、流体の流動性が低い場合には、絞り部材Tsの開口を大きくすればよく、流体の流動性に合わせて最適な導出性能を実現することができる。
なお、シート同士の一体化の性能が向上すれば、チューブ体Tの外形を円形にすることができる。
ストッパー部材Sは、チューブ体Tに挿入される本体部S1と、本体部S1をチューブ体Tから抜き取るために把持する把持操作部S2と、本体部S1と把持操作部S2とを折り曲げ可能に連結する折り曲げ連結部S3とを有している。
本体部S1は、先端部を先細のテーパー状に形成してチューブ体Tへの挿入を容易にしているとともに、折り曲げ連結部S3寄りの所定位置を先太のテーパー状(折り曲げ連結部S3側が太くなるテーパー状)に形成してチューブ体Tへの挿入を制限している。
把持操作部S2には、滑り止めとして機能する環状溝が複数本形成されている。
折り曲げ連結部S3は、折り曲げ時に内側になる部分が小さな曲率半径の切欠凹所を有し、折り曲げときに外側になる部分が大きな曲率半径の切欠凹所を有している。
パック本体Pには、容易に取り外し可能(分離可能)な保持体Phが設けられている。この保持体Phは、パック本体Pの一辺に沿うように折り曲げられた把持操作部S2を保持するものであり、ミシン目を複数個所に形成しておくことによって、パック本体Pからの取り外し(分離)を容易に達成することができる。
上記の構成の流体収容パックの作用は次の通りである。
流体をパック本体Pから導出する場合には、先ず、保持体Phをパック本体Pから取り外し(分離し)、把持操作部S2を本体部S1とほぼ1直線状になるようにする。
この状態において、把持操作部S2をチューブ体Tから抜き取り、チューブ体Tの外端部を受け皿等に向けてパック本体Pを押圧することによって、流体を導出することができる。
以上の説明からわかるように、パック本体Pを破断するのではなく、本体部S1をチューブ体Tから抜き取るのであるから、流体が飛散するおそれを殆ど皆無にすることができる。
また、流体の搾り出し量、方向を意図どおりに制御することができる。
そして、流体を所望量だけ搾り出した後は、本体部S1をチューブ体Tに挿入する。
これによって、流体の液ダレを防止することができる。
もちろん、残った流体を保存することもできる。
[図4]は、本考案の流体収容パックの他の実施形態を示す概略正面図である。
[図5]は、チューブ体の構成を示す概略斜視図である。
この流体収容パックは、互いに異なる流体を収容する第1収容室P1、第2収容室P2を有するパック本体Pを有し、第1収容室P1はチューブ体Tの端部に連通され、第2収容室P2はチューブ体Tの側部に連通されている。
そして、チューブ体Tは、端部に絞り部材Tsを有し、かつ、側部所定位置に開口部Toを有している。
また、第1収容室P1、第2収容室P2は、チューブ体Tに向かって先細になる形状を有している。
なお、他の部分の構成は、上記の実施形態と同様であるから、説明を省略する。
この構成の流体収容パックを採用した場合には、本体部S1をチューブ体Tから抜き取った後に、一方の収容室の出口近傍を押圧しておくことによって、他方の収容室のみから流体を搾り出すことができる。
したがって、この操作を繰り返すことによって、各収容室から順次流体を搾り出すことができる。
もちろん、両収容室から同時に流体を搾り出すこともできる。
この流体収容パックは、納豆用のタレとカラシ、餃子用のタレとラー油等に好適である。
この場合には、流体収容パックを2種類準備する必要がないので、製造時の管理の簡素化を達成することができる。また、パック本体Pの形状を工夫することによって、製造工程の一部を省略することができる。
P パック本体
P1 第1収容室
P2 第2収容室
Ph 保持体
S ストッパー部材
S1 本体部
S2 把持操作部
S3 折り曲げ連結部
T チューブ体
Ts 絞り部材
To 開口部

Claims (3)

  1. 流体を収容した合成樹脂製のパック本体(P)の所定位置に、流体導出用のチューブ体(T)を一体的に設けてあり、このチューブ体(T)に挿入されて流体の導出を阻止するストッパー部材(S)を設けてあり、このストッパー部材(S)は、パック本体(P)の一辺に沿うように折り曲げられ、かつパック本体(P)から容易に分離できる保持体(Ph)により保持されてなることを特徴とする流体収容パック。
  2. チューブ体(T)は、パック本体内部側の端部に絞り部(Ts)が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体収容パック。
  3. パック本体(P)は、互いに異なる流体を収容する2つの流体収容部(P1)(P2)を有し、チューブ体(T)の側面に流体導出用の開口(To)が形成されてあり、一方の流体収容部(P1)がチューブ体(T)の端部に連通され、他方の流体収容部(P2)が流体導出用の開口(To)に連通されてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体収容パック。
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