JP3157322U - 関節脱臼整復疑似体験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】肩関節の筋肉作用の観察と、関節脱臼の発生過程などの再現とが可能な関節脱臼整復疑似体験装置を提供する。【解決手段】装着部材4を人体の肩部形状に対応する逆カップ形状にするとともに、装着部材4から人体縛着用の帯状部材57を延設させ、併せて、肩甲骨を模した肩甲骨部材1と上腕骨を模した上腕骨部材とを互いに引き合わせて肩甲骨部材の上腕骨頭が肩甲骨部材の関節窩に摺動自在に嵌合する状態で装着部材4に取り付ける。【選択図】図1

Description

本考案は、少なくとも肩甲骨を模した肩甲骨部材と上腕骨を模した上腕骨部材とを有する肩関節部と、肩関節部を人体に装着するための装着部材とを備える関節脱臼整復疑似体験装置に関する。
骨折脱臼捻挫挫傷打撲などの損傷の治療に従事する医師、柔道整復師及びその他の医療系分野に従事する者は、所定の学校又は養成施設で知識と実技とを修得しなければならない。
例えば、柔道整復師になるためには、3年以上、所定の柔道整復師養成施設で、柔道整復師養成施設指定規則並びに柔道整復師養成施設指導要領によって定められた、解剖学、生理学、病理学、衛生学その他柔道整復師となるために必要な知識を修得し、認定実技審査に合格し、更に臨床実習を経験しなければならない。
このような学習において、人体の筋肉と骨格との関係とを学ぶためには、教科書、図解書及び骨格模型などが用いられており、特に、筋肉の動きとこの動きに合わせた骨格の動きを学ぶためには、平面的且つ静的である教科書及び図解書より、立体的且つ動的に知識を修得することができる立体模型を用いる方が有益とされている。
そこで、従来、市販の人体骨格模型に筋肉模造体を取り付けた疑似体験装置が提案され(例えば、特許文献1)、これを用いることにより、筋肉の動きとこの動きに合わせた骨格の動きとの理解を深めようとする試みがなされている。
特開2006−323103号公報
しかしながら、先に提案された疑似体験装置は、骨格模型同士の連結部が蝶番などで固定されているため、肩関節の脱臼、即ち、上腕骨部材の上腕骨頭が肩甲骨部材の関節窩から外れて何れかの方向にずれるという状態を再現することができない。従って、先に提案された疑似体験装置は、単に筋肉と骨格の動きを学習するための教材にすぎず、肩関節の脱臼整復を学ぶための教材となり得ない。
また、先に提案された疑似体験装置は、据置型の装置であるため、肩関節の脱臼整復の実技、即ち、ベットの上に腹ばいになった患者の手首に重りを付けて引っ張るか、又は床の上に仰向けになった患者の腕を引っ張りながら徐々上げるかなど、患者の体位を変更させながら行う施術を体験させるための教材となり得ない。
一方、医療教育の現場では、被験者となる人材を確保することが難しいため、施術を擬似的に体験させる教材の開発が望まれている。特に、肩関節の脱臼整復は、重要であるため、これを修得させるための教材の開発が強く望まれている。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたものであり、装着部材を人体の肩部形状に対応する逆カップ形状にするとともに、この装着部材から人体縛着用の帯状部材を延設させ、併せて、肩甲骨及び上腕骨の骨格模型を互いに引き合わせて上腕骨の上腕骨頭が肩甲骨の関節窩に摺動自在に嵌合する状態で装着部材に取り付けることにより、肩関節の筋肉作用の観察と、関節脱臼の発生過程などの再現とが可能な関節脱臼整復疑似体験装置を提供することを目的とする。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、少なくとも肩甲骨を模した肩甲骨部材と上腕骨を模した上腕骨部材とを有する肩関節部と、該肩関節部を人体に装着するための装着部材とを備える関節脱臼整復疑似体験装置であって、前記装着部材は、本体が人体の肩部形状に対応する逆カップ形状をなしているとともに、環状に所要の張力で締付ける人体縛着用の帯状部材が本体から延設されており、前記肩関節部は、前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材とが互いに引合うことにより前記上腕骨部材の上腕骨頭が前記肩甲骨部材の関節窩に摺動自在に嵌合し、この状態で前記装着部材に取付けられていることを特徴とする。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、装着部材本体が逆カップ形状をなしていることにより、人体の肩部に密着しやすくなっている。また、環状に所要の張力で締め付ける帯状部材を装着部材本体から伸ばし設けることにより、この帯状部材を人体の胴体に掛け回してずれないように装着部材本体を人体に縛り付ける。また、装着部材には、上腕骨部材と肩甲骨部材1とが互いに引き合うように嵌り合う状態で取り付けられていることにより、上腕骨部材の上腕骨頭を肩甲骨部材1の関節窩から摺り動かしてずらすことができる。その結果、関節脱臼及びその整復が忠実に再現される。
また、本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、前記肩関節部は、前記肩甲骨部材が弾性部材を介して前記装着部材に弾性支持されている構成であってもよい。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、肩甲骨部材が弾性部材を介して装着部材に弾性支持されていることにより、肩甲骨部材を装着部材に対して所定範囲で多方向に移動させることができ、例えば、肩関節の屈曲、伸展、挙上、下方移動、上方回旋及び下方回旋などの解剖学上の自然な動きを忠実に再現させる。その結果、関節脱臼及びその整復が忠実に再現される。
また、本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、前記肩関節部は、伸縮可能な紐状弾性体が筋肉模造体として前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材との間に張架されている構成であってもよい。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、上腕骨部材と肩甲骨部材との間に掛け渡されている筋肉模造体が伸縮可能であることにより、上腕骨部材の上腕骨頭を肩甲骨部材の関節窩から引っ張りずらして肩関節の脱臼状態を再現させる。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、前記肩関節部は、鎖骨を模した鎖骨部材を更に備え、前記鎖骨部材の肩峰端と前記肩甲骨部材の肩峰との間に、前記鎖骨部材の肩峰関節面とこれに接触する前記肩甲骨部材の肩峰関節面との摺動を規制する摺動規制部材を介在させている構成であってもよい。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、上述の摺動規制部材を備えることにより、例えば、上腕骨部材の末梢牽引に伴って肩甲骨部材にも同様の牽引力がかかり、実際の整復時に生じることのない肩甲骨部材が鎖骨部材からずれるという事態を防ぐことができる。その結果、肩関節の脱臼の整復が忠実に再現される。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材との間に張架される複数の筋肉模造体は、それぞれの端部が前記上腕骨部材の上腕骨体に接着された複数股分岐状の係止部に張着されている構成であってもよい。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、上腕骨部材と肩甲骨部材との間に掛け渡される複数の筋肉模造体を張った状態に取り付けるための係止部が複数の股状に分岐していることにより、筋肉模造体が互いに絡み合わないように異なる方向に張力がかかるように掛け渡されるので、解剖学上の筋肉の張力方向を正しく保ちながら肩関節の脱臼整復を疑似体験させることができる。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、前記肩甲骨部材の棘上窩と前記上腕骨部材の大結節との間に張架される棘上筋を模した筋肉模造体は、一端が前記肩甲骨部材の棘上窩に取付けられるとともに、前記上腕骨部材の大結節から前記肩甲骨部材の肩峰の下を走るように取り回された扁平の係止部に張着されている構成であってもよい。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置にあっては、上腕骨部材の大結節から肩甲骨部材の肩峰の下を走るように取り回されている係止部を扁平にしてあることにより、この係止部の厚みが薄くなり、この係止部が上腕骨部材の動作によって接近しあう大結節と肩峰との隙間に挟み込まれた状態となっても、上腕骨部材の動作を妨げることがない。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、被験者となる患者の協力がなくとも、肩関節の脱臼を忠実に再現させて、脱臼の整復を擬似的に体験させることができる。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置の全体構成を示す斜視図である。 本考案に係る肩甲骨部材を示す正面図である。 本考案に係る肩甲骨部材を示す背面図である。 本考案に係る上腕骨部材を示す図であり、(a)は正面図を示し、(b)は背面図を示す。 本考案に係る鎖骨部材を示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は底面図を示す。 本考案に係る装着部材を示す斜視図である。 本考案に係る装着部材を示す平面図である。 肩甲骨部材の支持構造を示す説明図である。 肩甲骨部材及び鎖骨部材の肩峰関節面の摺動を規制する板状片の取付状態を示す説明図である。 肩甲骨部材及び鎖骨部材の装着部材への取付態様を示す説明図である。 筋肉模造体の端部の取付態様を示す説明図であり、(a)は第1取付態様を示し、(b)は第2取付態様を示し、(c)は第3取付態様を示す。 筋肉模造体の上腕骨部材への取付態様を示す説明図である。 棘上筋を模した筋肉模造体の取付態様を示す説明図である。
本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置を本実施の形態を示す図に基づいて以下説明する。図1は本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置の全体構成を示す斜視図である。図1に示すとおり、関節脱臼整復疑似体験装置は、肩甲骨部材1、上腕骨部材2、鎖骨部材3及び装着部材4を備える。なお、本実施の形態において、肩関節部とは、肩甲骨部材1、上腕骨部材2及び鎖骨部材3を含む。
(肩甲骨部材1)
図2は本考案に係る肩甲骨部材1を示す正面図であり、図3は本考案に係る肩甲骨部材1を示す背面図である。肩甲骨部材1は、ナチュラルキャスト製法を用いて身長170cmの成人の人体骨格標本から型取りされた等身大の人体骨格模型であり、肩甲骨を模したものである。肩甲骨部材1は、ウレタン樹脂で形成されている。
図2及び図3に示すとおり、肩甲骨部材1は、解剖学上の肩甲骨と同じく、関節窩100、肩峰101、肩峰関節面102、烏口突起103、肩甲下窩104、上角105、棘上窩106、肩甲棘107、棘下窩108、内側縁109、下角110及び外側縁111という部位に分けられている。
関節窩100は、外側縁111の上寄りに形成された窪みである。肩峰101は、肩甲骨部材1の背面から隆起して関節窩100を越えて正面側に突き出ている突出部分である。肩峰関節面102は、肩峰101の先端部に形成された面である。肩甲棘107は、肩甲骨部材1の背面から隆起した部分のうちの肩峰101及び肩峰関節面102以外の部分である。
烏口突起103は、肩峰101より正面視手前に鳥の嘴のように折れ曲がり上方に突出する部分である。肩甲下窩104は、肩甲骨部材1の正面に大きな浅いくぼみをなす部分である。上角105は、肩甲骨部材1の上端面の山のように盛り上がった部分である。棘上窩106は、肩甲骨部材1の上端から肩甲棘107にかけて船底形のくぼみをなしている部分である。棘下窩108は、肩甲棘107の下方に対極的なくぼみをなすとともに中央部が膨出している部分である。
内側縁109は、脊柱(図示せず)と略平行しつつ僅かに内方に凸の曲線を描く肩甲骨部材1の側端である。外側縁111は、上方から下方に向かって斜めに走る肩甲骨部材1の側端である。下角110は、内側縁109と外側縁111が交わる尖端である。
各部位には、異なる人体骨格模型と連結するためか、又は後述する筋肉模造体6を取り付けるためかの孔が開けられている。肩峰関節面102には、後述する板状片51を挟み込むための切れ込み120が形成されている。烏口突起103には、孔U1〜U3が横一列に開けられている。肩甲下窩104の略中央には、後述するコイル状圧縮ばね50を取り付けるための孔121が開けられている。棘上窩106には、孔A1及び孔A2が内側縁109に沿って開けられている。肩甲棘107には、孔T1〜T6が稜線に沿って開けられている。棘下窩108には、孔A3〜A9が周端縁に沿って開けられている。
(上腕骨部材2)
図4は本考案に係る上腕骨部材2を示す図であり、(a)は正面図を示し、(b)は背面図を示す。上腕骨部材2は、上腕骨に相当する人体骨格模型である。上腕骨部材2の素材は、ウレタン樹脂である。
図4に示すとおり、上腕骨部材2は、解剖学上の上腕骨と同じく、上腕骨頭200、大結節201、小結節202及び上腕骨体203という部位に分けられている。
上腕骨頭200は、上腕骨部材2の近位端に形成された半球状の部分である。大結節201は、上腕骨頭200の正面視外側に上腕骨部材1の長軸方向に沿って隆起する部分である。小結節202は、上腕骨頭200の正面側に隆起している部分である。上腕骨体203は、上腕骨頭200の下方に上腕骨頭200の直径より小径の直軸状に伸びている部分である。
各部位には、肩甲骨部材1と連結するためか、又は筋肉模造体6を取り付けるためかの孔が開けられている。大結節201と小結節202との間にある結節間溝には、孔D4及び孔D5が開けられている。小結節202より正面視内側には、孔D3が開けられている。上腕骨頭200の背面側には、孔D1及び孔D2が開けられている。
(鎖骨部材3)
図5は本考案に係る鎖骨部材3を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は底面図である。鎖骨部材3は、鎖骨を模した人体骨格模型である。鎖骨部材3の素材は、ウレタン樹脂である。
図5に示すとおり、鎖骨部材3は、解剖学上の鎖骨と同じく、肩峰端300、肩峰関節面301及び鎖骨体302という部位に分けられている。
肩峰端300は、肩甲骨部材1に接する外側端に形成された扁平状の部分である。肩峰関節面301は、肩峰端300の先端に形成された楕円形状の部分である。鎖骨体302は、肩峰端300から内側端に向けて直軸状に伸びている部分である。
各部位には、肩甲骨部材1と連結するためか、又は筋肉模造体6を取り付けるためかの孔が開けられている。肩峰端300には、孔S1〜S3が長軸方向に沿って開けられている。また、鎖骨体302には、孔S4〜S7が長軸方向に沿って開けられている。更にまた、肩峰関節面301には、板状片51を挟み込むための切れ込み310が形成されている。
(装着部材4)
図6は本考案に係る装着部材4を示す斜視図、図7は本考案に係る装着部材4を示す平面図である。装着部材4は、本体が可塑性樹脂で形成され、例えば、身長170cmの成人の肩部分から型取りされることにより製作されることにより、人体の肩部に密着する逆カップ形状をなしている。本実施の形態において、逆カップ形状とは、人体の肩部から見た投射の形状が略楕円であり、中央が円形に湾曲するように奥まって底部をなすことで深底状態となっている、お椀を逆さにしたような形状をいう。
図6及び図7に示すとおり、装着部材4には、後述するコイル状圧縮ばね50を取り付けるためのばね取付用孔400、後述する人体縛着用の縛帯57を取り付けるための縛帯取付用矩形孔401〜404、並びに人体骨格模型を取り付けるためか又は筋肉模造体6を取り付けるためかの孔K1〜K17が開けられている。
(その他の部材)
関節脱臼整復模擬体験装置は、上述の部材のほかに、コイル状圧縮ばね50、板状片51、紐輪52、リベット53、上腕骨係止用紐54、棘上筋係止用紐55、結着用紐56、縛帯57及び筋肉模造体6を備える。図8は肩甲骨部材1の支持構造を示す説明図である。コイル状圧縮ばね50は、肩甲骨部材1を装着部材4に弾性支持させるための弾性部材である。コイル状圧縮ばね50は、細長い金属線が螺旋状に巻かれたものであり、弾性範囲内でかかった力に応じて変形し、かかった力を取り去れば元の形に戻るという性質を有する。
図9は肩甲骨部材1及び鎖骨部材3の肩峰関節面の摺動を規制する板状片51の取付状態を示す説明図である。板状片51は、鎖骨部材3の肩峰関節面301と肩甲骨部材1の肩峰関節面102との摺動を規制するための摺動規制部材である。板状片51は、ポリプロピレンなどの合成樹脂素材が薄く板状に伸ばされて変形八角形状にカットされたものであり、周端部に孔が複数開けられている。
図11は筋肉模造体6の端部の取付態様を示す説明図であり、(a)は第1取付態様を示し、(b)は第2取付態様を示し、(c)は第3取付態様を示す。紐輪52は、人体骨格模型同士を連結するためか、又は筋肉模造体6を取り付けるためかの係止部材である。紐輪52は、非弾性の紐が環状にされたものである。また、リベット53は、紐輪52などを固定するための部材であり、円板状の頭部を有する金属棒であって、取り付けの孔に差し込まれて金属棒の端面がかしめられることにより紐輪52などを固定する。
なお、本願において、「係止」とは、一の要素と他の要素が特定の関係(位置関係)を満たした場合に、一の要素が他の要素の動きを停止させ、または固定するような相互の関係を示すものとする。
図12は筋肉模造体6の上腕骨部材2への取付態様を示す説明図である。上腕骨係止用紐54は、筋肉模造体6を上腕骨部材2に取り付けるための係止部材である。上腕骨係止用紐54は、非弾性であって且つ断面が扁平であり、両端部が貼り合わせられることにより一部に輪が形成されている。上腕骨係止用紐54は、第1上腕骨係止用紐540、第2上腕骨係止用紐541、第3上腕骨係止用紐542、第4上腕骨係止用紐543及び第5上腕骨係止用紐544からなり、これらの紐の一端が上腕骨部材2の上腕骨体203の所定の位置に貼り重ねられることにより、貼り重ねの箇所からこれらの紐が複数股状に分岐しているようになっている。なお、分岐についての詳細な説明は、後述する。
図13は棘上筋を模した筋肉模造体601の取付態様を示す説明図である。棘上筋係止用紐55は、棘上筋を模した筋肉模造体601を取り付けるための係止部材であり、非弾性であって且つ断面が扁平である。
結着用紐56は、人体骨格模型同士を連結するためか、又は筋肉模造体6を取り付けるためかの係止部材であり、非弾性である(図11参照)。
縛帯57は、装着部材4を人体に縛り付けるための部材であり、ポリプロピレン製の平織テープ570と、平織テープの端部に取り付けられた尾錠571とからなる(図1参照)。縛帯57は、平織テープ570が縛帯取付用矩形孔401〜404からそれぞれ伸び出ている。
筋肉模造体6は、肩関節に付着する棘上筋、肩甲下筋、棘下筋、小円筋、大円筋、鎖骨下筋、小胸筋、僧帽筋、前鋸筋、菱形筋、大胸筋及び三角筋についての模型であり、繊維で覆い被された細長いゴムである。即ち、筋肉模造体6は、伸縮可能な紐状の弾性体である。
筋肉模造体6は、最大張力に応じて被覆繊維が銀色、青色又は赤色に分けられている。具体的には、最大張力6kg/cmの筋肉模造体6は、銀色繊維で覆われ、最大張力4kg/cmの筋肉模造体6は、青色繊維で覆われ、最大張力3kg/cmの筋肉模造体6は、赤色繊維で覆われている。
詳述すると、棘上筋を模した筋肉模造体601には、銀色繊維で覆われたものと、青色繊維で覆われたものと、赤色繊維で覆われたものとが1本ずつ用いられる。なお、棘上筋とは、肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内面から起始し、肩峰の下を外方へ走り、上腕骨大結節の上部へ停止する筋であり、肩関節を外転するときに作用する。
肩甲下筋を模した筋肉模造体602は、青色繊維で覆われたものが1本用いられる。なお、肩甲下筋とは、肩甲骨の肩甲下窩・肩甲骨肋骨面から起始し、筋束が三角形に集まって外方へ向かい、肩関節の前を出て上腕骨小結節・小結節稜に停止する筋であり、肩関節を内旋するときに作用する。
棘下筋又は小円筋を模した筋肉模造体603は、青色繊維で覆われたものが1本用いられる。なお、棘下筋とは、肩甲骨の棘下窩・棘下筋膜の内面(広範囲)から起始し、筋束が集中して外方へ向かい、上腕骨大結節の中部に停止する筋肉であり、肩関節の外旋するときに作用する。また、小円筋とは、棘下筋に一部覆われている肩甲骨の後面外側縁上部の1/2から起始し、上腕骨大結節の下部に停止する筋であり、肩関節を外旋及び軽度の内転するときに作用する。
大円筋を模した筋肉模造体604は、青色繊維で覆われたものが1本用いられる。なお、大円筋とは、肩甲骨の下角部から起始し、前外方へ向かい、上腕骨小結節稜に停止する筋であり、肩関節を伸展、内転又は内旋するときに作用する。
鎖骨下筋を模した筋肉模造体605は、青色繊維で覆われたものが1本用いられる。なお、鎖骨下筋とは、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうちの一つであり、肋骨(第1)を起始とし、上外方に集まりながら、鎖骨の下面に停止する筋である。鎖骨下筋は、胸鎖関節を牽引に対して保護し、鎖骨を前方に引き下げるときに作用する。
小胸筋を模した筋肉模造体606は、青色繊維で覆われたものが1本用いられる。なお、小胸筋とは、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうちの一つであり、肋骨前面(第3〜第5前面)を起始とし、上外方に集まりながら、肩甲骨の烏口突起に停止する筋である。小胸筋は、呼吸補助筋であるが、肩甲骨を外前方に引き、胸壁からその後縁を離れさせるように作用する。
僧帽筋を模した筋肉模造体607は、青色繊維で覆われたものが4本用いられる。僧帽筋とは、外後頭隆起を起始とし、正中を下に下るように項靱帯、上項線、第7〜第12胸椎まで続き、鎖骨の外側1/3、肩峰及び肩甲骨の肩甲棘に停止する筋である。僧帽筋は、肩甲骨を持ち上げたときに作用する。
前鋸筋を模した筋肉模造体608は、青色繊維で覆われたものが5本用いられる。前鋸筋とは、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうちの一つであり、肋骨(第1〜第9)腱弓を起始とし、肩甲骨と胸郭との間を後上方に走りながら、肩甲骨に停止する筋である。前鋸筋は、肩甲骨を前外方に引くときに作用する。
菱形筋を模した筋肉模造体609は、青色繊維で覆われたものが3本用いられる。菱形筋とは、脊椎から起こり、左右の肩甲骨に停止する、一対の筋である。菱形筋は、肩甲骨を後ろに引くときに作用する。
大胸筋を模した筋肉模造体610は、青色繊維で覆われたものが2本用いられる。大胸筋とは、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうち、鎖骨、胸骨と肋軟骨(第2〜第7前面)、腹直筋鞘の3部を起始とし、上外方に集まりながら、上腕骨の大結節稜に停止する筋である。
三角筋を模した筋肉模造体611は、赤色繊維で覆われたものが1本用いられる。三角筋とは、三角筋の肩甲棘部が肩甲棘から、肩峰部が肩峰から、鎖骨部が鎖骨の外側部の1/3からそれぞれ起始し、肩関節を覆う様に外下方へと走り、上腕骨三角筋粗面に停止する筋である。三角筋は、上腕を屈曲、伸展、内転、外転、内旋又は外旋するときに作用する。
このように本考案に係る関節脱臼整復模擬体験装置は、複数の部材により構成されている。以下、これらの部材を用いた関節脱臼整復疑似体験装置の組立について説明する。
(紐輪52及び結着用紐56の取付)
まず、紐輪52又は結着用紐56が各部材の孔に以下のように取り付けられる。なお、図1において他の部材の死角となって図示されていない紐輪52又は結着用紐56については、図2〜図7を適宜参照することを前提として説明する。肩甲骨部材1において、孔A1、孔A8及び孔A9に1本の紐輪52が正面側から取り付けられ、孔A2に1本の紐輪52及び2本の結着用紐56が正面側から取り付けられ、孔A3及び孔A4に1本の紐輪52が背面側から取り付けられ、孔A5及び孔A6に1本の紐輪52が正面側及び背面側から取り付けられ、孔A7に1本の結着用紐56が挿通される。挿通された結着用紐56は、交差する両端部が結び合わされて環状にされる(図2及び図3参照)。
また、肩甲骨部材1において、孔T1及び孔T2に2本の紐輪52が背面側から取り付けられ、孔T3〜T5に1本の紐輪52が背面側から取り付けられ、孔U1に1本の紐輪52が正面側から取り付けられる(図2参照)。
鎖骨部材3において、孔S1に1本の紐輪52が上方から取り付けられ、孔S4及び孔S6に1本の紐輪52が下方から取り付けられ、孔S5に2本の紐輪52が上方から取り付けられるとともに1本の紐輪52が下方から取り付けられる(図5参照)。
装着部材4において、孔K5、孔K9、孔K11、孔K15及び孔K16に2本の紐輪52が表面側から取り付けられ、孔K6〜K8、孔K10、孔K12〜14及び孔K17に1本の紐輪52が表面側から取り付けられる(図6及び図7参照)。
このように各孔に取り付けられた紐輪52又は結着用紐56(孔A7に取り付けたものを除く。)は、リベット53により固定される。
(肩甲骨部材1と装着部材4との連結)
次に、肩甲骨部材1が装着部材4に取り付けられる。図10は肩甲骨部材1及び鎖骨部材3の装着部材4への取付態様を示す説明図である。肩甲骨部材1は、孔121の正面側の周辺位置(図2の環状鎖線の部分)にコイル状圧縮ばね50の一端部が取り付けられる。コイル状圧縮ばね50は、一端部と肩甲骨部材1との間を水硬性樹脂又は熱可塑性樹脂の硬化材501により塗り固められるとともに、硬化材501にタッピングねじ502がねじ込まれることにより、重ねて固定がなされる(図8参照)。
また、コイル状圧縮ばね50は、他端部がウレタン素材又はスポンジ素材の緩衝材504を介在して装着部材4のばね取付用孔400の周辺位置(図6の環状鎖線の部分)に取り付けられている(図10参照)。
そして、両端部が団子状に結ばれた引張用紐503が肩甲骨部材1の孔121からコイル状圧縮ばね50の内部を経て装着部材4のばね取付用孔400まで掛け渡されることにより、コイル状圧縮ばね50に力が加わり、その復元力により肩甲骨部材1と装着部材4とが引っ張り固定される。その結果、肩甲骨部材1は、装着部材4に対する可動範囲が所定範囲に制限される。
(肩甲骨部材1と鎖骨部材3との連結)
次に、肩甲骨部材1は、切れ込み120に板状片51の一端部が差し込まれ、一端部の孔と肩甲骨部材1の孔T6とが一致するように板状片51の位置調整がなされる。また、鎖骨部材3の切れ込み310に板状片51の他端部が差し込まれ、他端部の孔と鎖骨部材3の孔S1とが一致するように板状片51の位置調整がなされる(図9及び図10参照)。
板状片51は、孔T6と孔S1との間に補強用の紐が掛け渡されることにより、肩甲骨部材1と鎖骨部材3とを連結させる(図10参照)。また、肩甲骨部材1の孔U2と鎖骨部材3の孔S2との間に補強用の紐が掛け渡されるとともに、肩甲骨部材1の孔U3と鎖骨部材3の孔S3との間に補強用の紐が掛け渡されることにより、鎖骨部材3が肩甲骨部材1に固定される(図2及び図5参照)。
(鎖骨部材3と装着部材4との連結)
次に、鎖骨部材3が装着部材4に取り付けられる。鎖骨部材3の孔S7には、2本の補強用の紐が挿通されている(図1参照)。第1の紐は、端部が装着部材4の孔K1と孔K4とに取り付けられてリベット53により固定され、第2の紐は、端部が装着部材4の孔K2と孔K3とに取り付けられてリベット53により固定されている(図1及び図6参照)。その結果、鎖骨部材3は、装着部材4に固定される。
(肩甲骨部材1と上腕骨部材2との連結)
次に、上腕骨部材2が肩甲骨部材1に取り付けられる。上腕骨部材2の孔D1に2本の紐輪52が取り付けられ、上腕骨部材2の孔D5に1本の紐輪52が取り付けられる(図1、図4及び図13参照)。また、上腕骨部材2の孔D2と孔D4とは、繋がっており、結着用紐56が刺し通されている。この結着用紐56は、孔D1及び孔D5の紐輪52に規制されながら、交差する両端部が結び合わされて環状にされている(図13参照)。
また、上腕骨部材2は、上腕骨体203に上腕骨係止用紐54が以下のように貼り付けられている。上腕骨部材2の小結節202の下方の上腕骨体203に第5上腕骨係止用紐544が上腕骨部材2の長軸方向と交差する方向に輪ができるように貼り付けられている(図示せず)。また、上腕骨部材2の大結節201の下方の上腕骨体203に第2上腕骨係止用紐541が上腕骨部材2の長軸方向と交差する方向に輪ができるように貼り付けられている(図1及び図12参照)。このとき、第2上腕骨係止用紐541と第5上腕骨係止用紐544とは、同じ高さとなるように貼り付けられている。
また、第2上腕骨係止用紐541の取付位置より下方に第3上腕骨係止用紐542が上腕骨部材1の長軸方向に沿って輪ができるように貼り付けられている(図1及び図12参照)。また、第1上腕骨係止用紐540が第3上腕骨係止用紐542の取付位置から分岐して斜め上方に伸び出るように上腕骨体203に貼り付けられている。更にまた、第4上腕骨係止用紐543が第1上腕骨係止用紐540及び第3上腕骨係止用紐542の取付位置から分岐して斜め上方に伸び出るように上腕骨体203に貼り付けられている。このように、第1上腕骨係止用紐540〜第5上腕骨係止用紐544は、複数股状に分岐しているようになっている。
そして、第1上腕骨係止用紐540〜第5上腕骨係止用紐544は、貼付箇所が水硬性樹脂又は熱可塑性樹脂により塗り固められ、その上から非伸縮性の接着テープが巻かれることにより補強されている(図1及び図12参照)。
(筋肉模造体6の取付)
次に、筋肉模造体6の端部が紐輪52又は結着用紐56に取り付けられる。取付方法は、取り付けるべき筋肉模造体6の種類に応じて3種類が使い分けられる。第1取付方法は、団子状に結ばれた端部が紐輪52に引っ掛けられ(図11(a)参照)、第2取付方法は、環状にされた端部が紐輪52に繋がれ(図11(b)参照)、第3取付方法は、環状にされた筋肉模造体6の一部が紐輪52に繋がれている(図11(c)参照)。なお、取付場所によっては、紐輪52の代わりに結着用紐56が用いられる。
まず、回旋筋腱板(ロテーターカフ)に属する棘上筋、肩甲下筋、棘下筋及び小円筋を模した筋肉模造体6が所定の順番に従って取り付けられる。
棘上筋を模した筋肉模造体601は、全体が環状となるように両端部が紐で縛られ、この状態で肩甲骨部材1の孔A2の結着用紐56に第3取付方法を用いて繋がれている(図13参照)。棘上筋係止用紐55は、上腕骨部材2の孔D2からD4に刺し通された結着用紐56により上腕骨部材2の大結節201付近に取り付けられ、ここから肩甲骨部材1の肩峰101の下を通るように取り回され、棘上筋を模した筋肉模造体601に繋げられて両端部が結び合わされる(図13参照)。このとき、棘上筋係止用紐55は、棘上筋を模した筋肉模造体601の張力が十分に発揮できるように長さ調整がなされる。
肩甲下筋を模した筋肉模造体602は、肩甲骨部材1の孔A2の結着用紐56と上腕骨部材2の孔D4の結着用紐56との間、及び、肩甲骨部材1の孔A7の結着用紐56と上腕骨部材2の孔D4の結着用紐56との間に第3取付方法を用いて繋がれている(図2及び図4参照)。
棘下筋及び小円筋を模した筋肉模造体603は、一端部が肩甲骨部材1の孔A3の紐輪52に第2取付方法を用いて繋がれ、中央部が上腕骨部材2の孔D1の紐輪52により引っ張られ、他端部が肩甲骨部材1の孔A4の紐輪52に第2取付方法を用いて繋がれている(図1及び図3参照)。
大円筋を模した筋肉模造体604は、一端部が肩甲骨部材1の孔A9の紐輪52に第2取付方法を用いて繋がれ、他端部が第5上腕骨係止用紐544に第2取付方法を用いて繋がれている(図1及び図2参照)。
次に、回旋筋腱板以外の筋肉を模した筋肉模造体6が所定の順番に従って取り付けられる。鎖骨下筋を模した筋肉模造体605は、一端部が鎖骨部材3の孔S5の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれ(図1及び図5参照)、他端部が装着部材4の孔K5の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれている(図1及び図6参照)。
小胸筋を模した筋肉模造体606は、一端部が装着部材4の孔K11の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれ(図6参照)、中央部が肩甲骨部材1の孔U1の紐輪52により引っ張られ(図2参照)、他端部が装着部材4の孔K9の紐輪52に第1取付方法を用いて引っ掛けられている(図6参照)。
僧帽筋を模した筋肉模造体607は、鎖骨部材3の孔S5の紐輪52と装着部材4の孔K17の紐輪52との間(図1参照)、鎖骨部材3の孔S1の紐輪52と装着部材4の孔K16の紐輪52との間(図1参照)、肩甲骨部材1の孔T1の紐輪52と装着部材4の孔K15の紐輪52との間(図3及び図6参照)、肩甲骨部材1の孔T2の紐輪52と装着部材4の孔K14の紐輪52との間に第1取付方法を用いて繋がれている(図1、図3及び図6参照)。
前鋸筋を模した筋肉模造体608は、肩甲骨部材1の孔A1の紐輪52と装着部材4の孔K12の紐輪52との間、肩甲骨部材1の孔A2の紐輪52と装着部材4の孔K11の紐輪52との間、肩甲骨部材1の孔A5の紐輪52と装着部材4の孔K10の紐輪52との間、肩甲骨部材1の孔A7の紐輪52と装着部材4の孔K9の紐輪52との間、肩甲骨部材1の孔A8の紐輪52と装着部材4の孔K8の紐輪52との間に第1取付方法を用いて繋がれている(図2及び図6参照)。
菱形筋を模した筋肉模造体609は、肩甲骨部材1の孔T1の紐輪52と装着部材4の孔K16の紐輪52との間(図1参照)、肩甲骨部材1の孔A5の紐輪52と装着部材4の孔K15の紐輪52との間(図2及び図6参照)、肩甲骨部材1の孔A6の紐輪52と装着部材4の孔K13の紐輪52との間に第1取付方法を用いて繋がれている(図2及び図6参照)。
大胸筋を模した筋肉模造体610は、一端部が鎖骨部材3の孔S6の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれ(図1及び図5参照)、中央部が第2上腕骨係止用紐541に引っ張られ(図1及び図12参照)、他端部が装着部材4の孔K5の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれている(図1及び図6参照)。また、別の筋肉模造体610は、一端部が装着部材4の孔K6の紐輪52に繋がれ(図1及び図6参照)、中央部が第2上腕骨係止用紐54`1に引っ張られ(図1及び図12参照)、他端部が装着部材4の孔K7に繋がれている(図1及び図6参照)。
三角筋を模した筋肉模造体611は、一端部が鎖骨部材3の孔S5の紐輪52に第1取付方法を用いて繋がれ、第3上腕骨係止用紐542と、鎖骨部材3の孔S4の紐輪52と、肩甲骨部材1の孔T6の紐と、第1上腕骨係止用紐540と、肩甲骨部材1の孔T5の紐輪52と、第1上腕骨係止用紐540と、肩甲骨部材1の孔T4の紐輪52と、第4上腕骨係止用紐543とに順次引っ張られ、他端部が肩甲骨部材1の孔T3の紐輪52に繋がれている(図1及び図12参照)。
このように本考案に係る関節脱臼整復疑似体験装置は、複数の部材を用いて組み立てられる。以下、関節脱臼整復疑似体験装置の動きについて説明する。
(縛帯57による人体の胴体への固定)
関節脱臼整復疑似体験装置は、以下の動作により人体の胴体に取付固定される。装着部材4の縛帯取付用矩形孔401及び403から伸び出た縛帯57は、一対となり、自然な体勢にあるときの関節窩の中心から鎖骨を結んだ仮想線に沿って人体の胴体に掛け回され、尾錠571で調整されて必要な張力で人体の胴体を締め付ける(図1及び図6参照)。また、装着部材4の縛帯取付用矩形孔402及び404から伸び出た縛帯57は、一対となり、上腕を外転させて大結節と肩峰とが接触する位置で肘頭と関節窩の中心とを結んだ仮想線に沿って人体の胴体に掛け回され、尾錠571で調整されて必要な張力で人体の胴体を締め付ける(図1及び図6参照)。
(肩関節の脱臼状態)
関節脱臼整復疑似体験装置は、以下の動作により肩関節の脱臼状態を再現する。上腕骨部材2は、末端部が引っ張られることにより、上腕骨頭200が肩甲骨部材1の関節窩100から外れ、筋肉模造体6の張力により、肩甲骨部材1の関節窩100に対して前方、後方、下方又は上方の何れかの方向に向かってずれる。
(肩関節の脱臼整復)
関節脱臼整復疑似体験装置は、以下の動作により肩関節の脱臼整復を再現する。上腕骨頭200は、末端が引っ張られることにより、上腕骨頭200が脱臼再現時の位置から前方、後方、下方又は上方に移動して肩甲骨部材1の関節窩100の位置に戻り、筋肉模造体6の張力により肩甲骨部材1の関節窩100に嵌り込む。このとき、実際の人体骨格には生じない、鎖骨部材3の肩峰関節面301と肩甲骨部材1の肩峰関節面102との摺り動きが板状片51により規制されることにより、実際の人体骨格と略同じ動きが再現される。また、コイル状圧縮ばね50により装着部材4の可動範囲が実際の人体骨格と略同じ範囲となるように制限される。
なお、本実施の形態において、筋肉模造体6は、繊維により被覆された細長いゴムであるが、更に、2色の繊維を長軸方向に交互に被覆してツートンカラー状態にするか、長軸方向に目盛りを入れることにより、その伸縮状態を体験者に視認させるようにしてもよい。
1 肩甲骨部材
100 関節窩
101 肩峰
102 肩峰関節面
103 烏口突起
104 肩甲下窩
105 上角
106 棘上窩
107 肩甲棘
108 棘下窩
109 内側縁
110 下角
111 外側縁
120 切れ込み
121 孔
2 上腕骨部材
200 上腕骨頭
201 大結節
202 小結節
203 上腕骨体
3 鎖骨部材
300 肩峰端
301 肩峰関節面
302 鎖骨体
310 切れ込み
4 装着部材
400 ばね取付用孔
401 縛帯取付用矩形孔
402 縛帯取付用矩形孔
403 縛帯取付用矩形孔
404 縛帯取付用矩形孔
50 コイル状圧縮ばね
501 硬化材
502 タッピングねじ
503 引張用紐
504 緩衝材
51 板状片
52 紐輪
53 リベット
54 上腕骨係止用紐
540 第1上腕骨係止用紐
541 第2上腕骨係止用紐
542 第3上腕骨係止用紐
543 第4上腕骨係止用紐
544 第5上腕骨係止用紐
55 棘上筋係止用紐
56 結着用紐
57 縛帯
570 平織テープ
571 尾錠
6 筋肉模造体
601 棘上筋を模した筋肉模造体
602 肩甲下筋を模した筋肉模造体
603 棘下筋又は小円筋を模した筋肉模造体
604 大円筋を模した筋肉模造体
605 鎖骨下筋を模した筋肉模造体
606 小胸筋を模した筋肉模造体
607 僧帽筋を模した筋肉模造体
608 前鋸筋を模した筋肉模造体
609 菱形筋を模した筋肉模造体
610 大胸筋を模した筋肉模造体
611 三角筋を模した筋肉模造体

Claims (6)

  1. 少なくとも肩甲骨を模した肩甲骨部材と上腕骨を模した上腕骨部材とを有する肩関節部と、該肩関節部を人体に装着するための装着部材とを備える関節脱臼整復疑似体験装置であって、
    前記装着部材は、本体が人体の肩部形状に対応する逆カップ形状をなしているとともに、環状に所要の張力で締付ける人体縛着用の帯状部材が本体から延設されており、
    前記肩関節部は、前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材とが互いに引合うことにより前記上腕骨部材の上腕骨頭が前記肩甲骨部材の関節窩に摺動自在に嵌合し、この状態で前記装着部材に取付けられていることを特徴とする関節脱臼整復疑似体験装置。
  2. 前記肩関節部は、前記肩甲骨部材が弾性部材を介して前記装着部材に弾性支持されていることを特徴とする請求項1に記載の関節脱臼整復疑似体験装置。
  3. 前記肩関節部は、伸縮可能な紐状弾性体が筋肉模造体として前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材との間に張架されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の関節脱臼整復疑似体験装置。
  4. 前記肩関節部は、鎖骨を模した鎖骨部材を更に備え、
    前記鎖骨部材の肩峰端と前記肩甲骨部材の肩峰との間に、前記鎖骨部材の肩峰関節面とこれに接触する前記肩甲骨部材の肩峰関節面との摺動を規制する摺動規制部材を介在させることを特徴とする請求項3に記載の関節脱臼整復疑似体験装置。
  5. 前記上腕骨部材と前記肩甲骨部材との間に張架される複数の筋肉模造体は、それぞれの端部が前記上腕骨部材の上腕骨体に接着された複数股分岐状の係止部に張着されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の関節脱臼整復疑似体験装置。
  6. 前記肩甲骨部材の棘上窩と前記上腕骨部材の大結節との間に張架される棘上筋を模した筋肉模造体は、一端が前記肩甲骨部材の棘上窩に取付けられるとともに、前記上腕骨部材の大結節から前記肩甲骨部材の肩峰の下を走るように取り回された扁平の係止部に張着されていることを特徴とする請求項5に記載の関節脱臼整復疑似体験装置。
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