JP3156684B2 - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP3156684B2
JP3156684B2 JP32521298A JP32521298A JP3156684B2 JP 3156684 B2 JP3156684 B2 JP 3156684B2 JP 32521298 A JP32521298 A JP 32521298A JP 32521298 A JP32521298 A JP 32521298A JP 3156684 B2 JP3156684 B2 JP 3156684B2
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/3515All-optical modulation, gating, switching, e.g. control of a light beam by another light beam

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチに関
し、特に光ファイバ通信や光情報処理等の分野で用いら
れる光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ通信、光交換、光情報
処理のシステムの全光化が広く提唱され、その実現に向
けた研究開発が活発に行われている。システムの全光化
とは、システム内の伝送路、多重/分離回路、論理回路
等を伝搬する信号が、途中で光−電気、電気−光の変換
を受けずに光のまま伝えられることを意味する。
【0003】このような全光化システムには、光信号を
高速で制御する素子が要求される。従来、光制御には、
電気信号により光制御を行う方法(電気−光制御)がと
られてきたが、近年、より高速性が期待される方法とし
て、光により光制御を行う方法(光−光制御)が注目さ
れている。特に、光通信システムにおいて、超高速の光
−光制御型のスイッチ(光−光スイッチ)が光分離回路
(光デマルチプレクサ)に応用されれば、光通信システ
ムの高速化を実現する上で大きなブレイクスルーとな
る。光−光スイッチにおいては、高速性が最も重視され
る性能であるが、他に、低スイッチングエネルギー、高
繰り返し動作、コンパクトなサイズなど多くの性能も同
時に要求される。特に、スイッチングエネルギーに関し
ては、半導体レーザ、ファイバアンプ、あるいは半導体
光アンプによって出力可能な光パルスエネルギーの範囲
内にあることが求められる。
【0004】これらの性能を実現する上で、まず問題と
なるのは、光−光スイッチの駆動原理である非線形光学
効果のフィギュアオブメリットχ(3)/ταがほぼ一定
という経験則である。ここで、χ(3)は非線形性の大き
さ、τは応答時間、及びαは信号損失である。非線形光
学効果は、非共鳴励起型と共鳴励起型に大別されるが、
どちらも高効率性と高速性を同時に提供することは困難
であると考えられている。まず、非共鳴励起型において
は、高速性が期待されるが、効率が低い。したがって、
高いスイッチングエネルギーまたは長い相互作用長が要
求される。これに対して、共鳴励起型の場合は、高効率
であるが、非線形光学媒質中に実励起される電子の緩和
が遅いという点が問題であり、これが高速動作実現を妨
げる。
【0005】しかし、近年、共鳴励起型の高効率性は実
用上大きな魅力であることが、再認識され、遅い緩和の
問題を克服する様々な方法が提案されている。例えば、
特開平10−115844号公報には、共鳴励起型の非
線形光学効果を利用した光−光スイッチが記載されてい
る。図3を参照して、共鳴励起型の非線形光学効果を利
用した光−光スイッチの動作を説明する。図5は光スイ
ッチの構成を示すブロック図、図6は信号光又は制御光
の波形図である。非線形光導波路1には、信号光・制御
光入力ポート11より周波数ω1の信号光パルスおよび
周波数ω0の制御光パルスが入力される。信号光は、そ
の周波数ω1が非線形光導波路1の透明領域に設定され
る。他方、制御光は、非線形光導波路1で吸収または増
幅され、非線形屈折率変化を引き起こす。したがって、
信号光は非線形光導波路1において非線形位相シフトと
これに伴う光周波数シフトを受ける。非線形光導波路1
を出射した信号光は、光周波数フィルタ2を通過した
後、信号光出力ポート12へ導かれる。光周波数フィル
タ2は、中心周波数がω2へシフトした信号光パルスが
透過するよう設定される。
【0006】非線形光導波路1で生じる非線形屈折率変
化は、制御光の吸収または増幅により引き起こされる。
制御光吸収の場合には非線形光導波路中のキャリアが増
加し、制御光増幅の場合にはキャリアが減少するが、い
ずれのキャリア数変化によっても非線形屈折率変化が引
き起こされ、信号光に非線形位相シフトが与えられる。
このような共鳴励起による非線形位相シフト(Δφ)の
典型的な時間特性は、制御光パルスに追随する超高速の
立ち上がりと、キャリア再結合に伴う遅い立ち下がりで
ある。
【0007】以下、制御光吸収による非線形屈折率変化
を考える。制御光吸収型の場合、非線形位相シフトは非
線形光導波路中のキャリア数に比例すると近似できる。
したがって、非線形位相シフトΔφの時間特性を記述す
る式として、 d(Δφ)/dt=G−d(Δφ)/τ (1) なるレート方程式を用いることができる。ここで、Gは
制御光パルスの瞬時強度に比例する量、τは緩和時間で
ある。非線形位相シフトの時間微分は、信号光が受ける
周波数シフト(Δω)を与える。 Δω=d(Δφ)/dt (2)
【0008】短パルスの制御光によって励起される非線
形位相シフトの場合、ほとんどレート方程式の第一項の
みが周波数シフトに寄与し、 Δω=d(Δφ)/dt〜G (3) と表わされる。これは、制御光パルスと同時に入射され
る信号光に対してのみ大きな周波数シフトが与えられる
ことを意味する。例えば、パルス幅3psの制御光を用
いる場合、3ps程度の間、信号光に大きな周波数シフ
トが与えられる。立ち下がりは通常nsオーダーである
ので、屈折率変化の緩和に伴う周波数シフト量は、屈折
率変化の立ち上がりの際の値より2桁から3桁小さい。
【0009】図3(b)を参照して、従来の光スイッチ
の動作を説明する。入力される信号光パルス列は、パル
ス幅2ps、繰返し周波数160GHzのパルス列をデ
ータ変調したものである。これに対し、制御光パルス列
は、パルス幅3ps、繰返し周波数10GHzである。
信号光パルスには、非線形位相シフト2πが与えられ、
さらに、制御光パルスと同時に入射される信号光パルス
に対してのみ周波数シフトが与えられる。周波数シフト
が与えられた信号光パルスのスペクトルの中心周波数は
ω2となる。
【0010】上記の動作条件では、ω1からω2へのシ
フト量は、0.5THz程度である。制御光パルスによ
って引き起こされる光周波数フィルタ2は、中心周波数
がω2へシフトした信号光パルスのみを透過させ、出力
ポート12より出力させる。これにより、簡単な構成で
高速かつ高効率の全光スイッチが実現される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(3)式の二番目の等
号の両辺を時間について積分すればわかるように、制御
光によって励起される非線形位相シフト量Δφは、Gを
時間について積分した量、すなわち制御光パルスエネル
ギーに比例すると考えてよい。そこで、スイッチ動作に
必要な非線形位相シフトを見積もることにより、制御光
パルスエネルギーを考察する。非線形位相シフト量は、
(3)式の一番目の等号からわかるように、 Δφ〜Δω×t0 (4) であり、信号光に与えるべき周波数シフト量と制御光パ
ルス幅で定まる。
【0012】まず、スイッチ動作に必要な周波数シフト
量は、周波数シフトした成分とそれ以外の成分が光周波
数フィルタにおいて識別可能となるよう、信号光パルス
のスペクトル幅Δω1より大きくする必要がある。 Δω>Δω1 (5) また、「従来の技術」で説明した光スイッチにおいて
は、制御光パルス幅が信号光パルス幅より大きな値に設
定され、 t0>t1 (6) である。したがって、(4)式より、 Δφ>Δω1×t1 (7) となる。
【0013】ここで、光パルスの時間波形とスペクトル
波形の間はフーリエ変換によって結び付けられ、このた
め、信号光パルスのパルス幅t1とスペクトル幅Δω1
の積は一定の値以下にはならないことはよく知られてい
る。パルス幅とスペクトル幅の積の最小値を与えるパル
スは、フーリエ変換限界パルスと呼ばれる。(7)式
は、非線形位相シフト量が、信号光パルスのフーリエ変
換限界条件で与えられるt1とΔω1を代入した値以下
にはならないことを意味する。
【0014】さらに、光通信システムの受信端における
光分離回路への応用では、信号光パルスがファイバ中の
伝搬の際に群速度分散および非線形光学効果の影響を受
けた後に光スイッチに入力されることを考慮しなければ
ならない。すなわち、信号光パルスのパルス幅t1およ
びスペクトル幅Δω1はファイバ中の伝搬により広が
り、フーリエ変換限界の条件からはずれるものと考えら
れる。その場合、(7)式よりわかるようにスイッチ動
作に必要な非線形位相シフト量は増大する。すなわち、
制御光パルスエネルギーの増大を招く。
【0015】そこで、本発明の目的は、非線形導波路と
波長選択手段からなる全光型の光スイッチにおいて、低
エネルギー動作を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る光スイッチ(以下、第1の発明とい
う)は、信号光および制御光を入力する手段と、前記制
御光の吸収または増幅により非線形屈折率変化を引き起
こし信号光に光周波数シフトを与える非線形光学媒質か
ら成る光導波路と、前記光導波路を出射する信号光のう
ち非線形屈折率変化に伴ってシフトした光周波数成分を
透過させる光周波数フィルタとを備えた光スイッチにお
いて、前記制御光は、そのパルス幅が前記信号光のパル
ス幅より狭く設定されていることを特徴とする。
【0017】第1の発明では、好適には、前記光導波路
で前記制御光の吸収によって前記信号光に周波数シフト
が与えられる場合、前記光周波数フィルタが、短波長透
過フィルタである。また、前記非線形光学媒質から成る
光導波路が、光増幅作用を有す非線形導波路であって、
信号光波長が利得領域に設定されていても良い。
【0018】また、本発明に係る別の光スイッチ(以
下、第2の発明という)は、信号光および制御光を入力
する手段と、前記制御光の吸収または増幅により非線形
屈折率変化を引き起こし信号光に光周波数シフトを与え
る非線形光学媒質から成る光導波路と、前記光導波路を
出射する信号光のうち入力時の光周波数成分および非線
形屈折率変化に伴ってシフトした光周波数成分を異なる
出力ポートへ回折させる手段とを備えた光スイッチにお
いて、前記制御光は、そのパルス幅が前記信号光のパル
ス幅より狭く設定されていることを特徴とする。
【0019】前記回折させる手段は、光導波路を出射す
る信号光のうち入力時の光周波数成分および非線形屈折
率変化に伴ってシフトした光周波数成分を異なる出力ポ
ートへ回折させる限り、その構成に制約はなく、例えば
アレイ導波路グレーティング(AWG)を使用すること
ができる。
【0020】第1及び第2の発明では、非線形光学媒質
から成る光導波路の構成には制約はなく、例えばInG
aAsPからなるコア層と、InPからなるクラッド層
とから構成されていても良く、また、InP基板上に形
成したInGaAs/InGaAsP多重量子井戸構造
をコア層としていても良く、更には、Ga As 系の化合
物半導体層で構成されていても良い。
【0021】〔作用(効果をもたらすための手段の働
き)〕制御光パルス幅を信号光パルス幅より短くした場
合、「発明が解決しようとする課題」で述べた(6)式
の条件が不要である。したがって、フーリエ変換限界条
件を満たす信号光パルスの光スイッチ動作に必要な非線
形位相シフト量は、 Δφ>Δω1×t0 となる。すなわち、「従来の技術」で述べた光スイッチ
に比べ、非線形位相シフト量、及び、これに比例する制
御光パルスエネルギーは、t0/t1程度低減される。
さらに、フーリエ変換限界条件からパルス幅t1やスペ
クトル幅Δω1が広がった信号光パルスが光スイッチに
入力される場合、Δω1の増大に対応して制御光パルス
エネルギーを増加させればよく、t1の増大に伴って制
御光パルスエネルギーを増加させる必要はない。
【0022】なお、「従来の技術」で述べた光スイッチ
では、信号光パルスのほぼ全体が周波数シフトを受けた
のに対し、本発明による光スイッチでは、制御光パルス
と同時に入射される信号光パルスの一部分のみに周波数
シフトが起こるが、光分離回路等への応用に差し支えは
ない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、第1の発明に係る光スイッチの実施形
態の一例であって、図1は本実施形態例の光スイッチの
構成を示すブロック図、図2(a)、(b)及び(c)
は、それぞれ、本実施形態例の光スイッチの信号光、又
は制御光の波形図である。本実施形態例の光スイッチ
は、非線形光導波路1と光周波数フィルタ2とから構成
されている。非線形光導波路1には、周波数ω1の信号
光パルスおよび周波数ω0の制御光パルスが、信号光・
制御光入力ポート11から入力される。信号光は、その
周波数ω1が非線形光導波路1の透明領域に設定され
る。他方、制御光は、非線形光導波路1で吸収または増
幅され、非線形屈折率変化を引き起こす。したがって、
信号光は非線形光導波路1において非線形位相シフトと
これに伴う周波数シフトを受ける。非線形光導波路1を
出射した信号光は、光周波数フィルタ2を通過した後、
信号光出力ポート12へ導かれる。光周波数フィルタ2
は、周波数ω2より高周波側の光を透過させる。
【0024】非線形光導波路1で生じる非線形屈折率変
化は、制御光の吸収または増幅により引き起こされる。
制御光吸収の場合には、非線形光導波路中のキャリアが
増加し、制御光増幅の場合にはキャリアが減少するが、
いずれのキャリア数変化によっても非線形屈折率変化が
引き起こされ、信号光に非線形位相シフトが与えられ
る。このような共鳴励起による非線形位相シフトの典型
的な時間特性は、制御光パルスに追随する超高速の立ち
上がりと、キャリア再結合に伴う遅い立ち下がりであ
る。
【0025】「従来の技術」で説明したように、パルス
幅の短い制御光によって非線形位相シフトが励起される
場合、制御光パルスと同時に入射される信号光に対して
のみ大きな周波数シフトが与えられる。例えば、パルス
幅0.5psの制御光を用いる場合、0.5ps程度の
間、信号光に大きな周波数シフトが与えられる。立ち下
がりは通常nsオーダーであるので、屈折率変化の緩和
に伴う周波数シフト量は、屈折率変化の立ち上がりの際
の値より2桁から3桁小さい。
【0026】次に、図2を参照して、光スイッチの動作
を説明する。入力される信号光パルス列は、パルス幅2
ps、繰返し周波数160GHzのパルス列をデータ変
調したものである。これに対し、制御光パルス列は、パ
ルス幅0.5ps、繰返し周波数10GHzである。上
述したように、制御光パルスと同時に入射される信号光
パルスの一部に対して光周波数の高周波側へのシフトが
起こる。光周波数フィルタ2は、高周波側へシフトした
信号光成分のみを透過し、出力ポート12より出力させ
る。これにより、簡単な構成で高速かつ高効率の全光ス
イッチが実現される。
【0027】実施形態例1の実施例 本実施例は、実施形態例1の実施例であって、実施形態
例1の光スイッチの構成を更に詳しく説明するものであ
る。本実施例では、非線形導波路1は、InGaAsP
をコアとしInPをクラッドとする埋め込み型の半導体
光導波路である。この半導体光導波路は、InP基板上
にInGaAsPを有機金属気相エピタキシー(MOV
PE)法により成長し、これをリソグラフィーおよびウ
ェットエッチングによりストライプ状に加工し、再びM
OVPE法によりInGaAsPを埋め込むためのIn
Pを成長することにより作成される。
【0028】さらに、この光導波路の両端面には無反射
コーティングが施される。InGaAsPで成る光導波
部は、吸収端波長1.500μmであり、厚さ0.3μ
m、幅1μm、長さ300μmである。光周波数フィル
タ2は、波長1.547μm、1.546μm、1.5
45μmで透過率が最大透過率の10%、50%、90
%となるようなハイパスフィルタ(短波長透過フィル
タ)である。制御光はパルス幅0.5ps、波長1.5
00μmであり、この波長は非線形光導波路1のコアを
成すInGaAsPの吸収領域に設定されている。ま
た、信号光はパルス幅2ps、スペクトル幅1.3n
m、波長1.550μmであり、この波長は非線形光導
波路1の光導波部の透明領域に設定されている。
【0029】信号光パルスには、非線形位相シフトπ/
4が与えられ、さらに、制御光パルスと同時に入射され
る信号光パルスの一部に高周波側への周波数シフトが起
こる。周波数シフト量は最大で0.5THzとなる。周
波数シフトを引き起こすのに必要な非線形位相シフト量
を、「従来の技術」で説明した光スイッチの場合と比較
すると、1/4となった。これは、制御光パルス幅を2
psから0.5psへ小さくしたためである。光スイッ
チ動作に必要な制御光パルスエネルギーは、非線形位相
シフト量にほぼ比例すると近似されるので、本発明によ
る光スイッチでは、「従来の技術」で説明された光スイ
ッチに比べ低エネルギー動作が可能となった。
【0030】実施形態例2 本実施形態例は、第2の発明に係る光スイッチの実施形
態の一例であって、図3は本実施形態例の光スイッチの
構成を示すブロック図、図4(a)、(b)及び(c)
は、それぞれ、本実施形態例の光スイッチの信号光、又
は制御光の波形図である。本実施形態例の光スイッチ
は、非線形光導波路1とアレイ導波路グレーティング
(AWG)3とから構成されている。非線形光導波路1
には、周波数ω1の信号光パルスおよび周波数ω0の制
御光パルスが信号光・制御光入力ポート11より入力さ
れる。信号光は、その周波数ω1が非線形光導波路1の
透明領域に設定される。他方、制御光は、非線形光導波
路1で吸収または増幅され、非線形屈折率変化を引き起
こす。したがって、信号光は非線形光導波路1において
非線形位相シフトとこれに伴う周波数シフトを受ける。
非線形光導波路1を出射した信号光は、AWG3中で回
折され、異なる光周波数成分は異なる信号光出力ポート
から出射される。
【0031】次に、図4を参照して、本実施形態例の光
スイッチの動作を説明する。入力される信号光パルス列
は、パルス幅2ps、繰返し周波数160GHzのパル
ス列をデータ変調したものである。これに対し、制御光
パルス列は、パルス幅0.5ps、繰返し周波数10G
Hzである。信号光パルスには、非線形位相シフト2π
が与えられ、さらに、制御光パルスと同時に入射される
信号光パルスの一部に対して光周波数の高周波側へのシ
フトが生じる。AWG6において、周波数ω1の成分は
信号光出力ポート14より、周波数がシフトした成分は
信号光出力ポート13より、それぞれ出射される。これ
により、高速かつ高効率の光スイッチが、簡単な構成で
実現される。
【0032】実施形態例2の実施例 本実施例は、実施形態例2の実施例であって、実施形態
例2の光スイッチの構成を更に詳しく説明するものであ
る。本実施例では、非線形光導波路1は、実施形態例1
の実施例と同様に、InGaAsPをコアとしInPを
クラッドとする埋め込み型の半導体光導波路である。制
御光はパルス幅0.5ps、波長1.500μmであ
り、この波長は非線形光導波路1のコアを成すInGa
AsPの吸収領域に設定されている。また、信号光はパ
ルス幅2ps、スペクトル幅1.3nm、波長1.55
0μmであり、この波長は非線形光導波路1の光導波部
の透明領域に設定されている。
【0033】制御光パルスと同時に入射された信号光パ
ルスの一部に高周波側への周波数シフトが起こり、シフ
ト量は最大で0.5THzである。AWG6において、
波長1.550μmの成分は信号光出力ポート12よ
り、波長が短波長側にシフトした成分は信号光出力ポー
ト13より、それぞれ出射される。これにより光スイッ
チ動作が得られる。
【0034】上述の実施形態例1及び実施形態例2で
は、InGaAsPをコアとしInPをクラッドとする
半導体非線形導波路を用いた光スイッチを例にとって説
明したが、本発明によれば、InP基板上に形成しうる
InGaAs/InGaAsP多重量子井戸構造をコア
とする場合、またはGaAs基板上に形成しうる材料を
用いた場合など他の材料から成る半導体非線形導波路を
用いた場合においても同様の光スイッチが得られる。
【0035】また、半導体非線形導波路単体と光周波数
フィルタ単体またはAWG単体とを組み合わせて構成し
た場合を例にとって説明したが、本発明によれば、半導
体基板上に形成されたモノリシック光回路により構成し
た場合など他の部品を用いて構成した場合においても同
様の効果が得られる。
【0036】さらに、信号光波長に関しては、非線形導
波路の透明領域に限定されるものではない。光増幅作用
を有する非線形導波路を用いる場合には、信号光波長を
利得領域に設定しても同様の効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光スイ
ッチによれば、制御光のパルス幅を信号光のパルス幅よ
り狭く設定することにより、低エネルギーの制御光パル
スによる動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の光スイッチの構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】図2(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
本実施形態例の光スイッチの信号光、又は制御光の波形
図である。
【図3】実施形態例2の光スイッチの構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】図4(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
実施形態例2の光スイッチの信号光、又は制御光の波形
図である。
【図5】従来の光スイッチの構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図6(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、
従来の光スイッチの信号光、又は制御光の波形図であ
る。
【符号の説明】
1 非線形光導波路 2 光周波数フィルタ 3 アレイ導波路グレーティング(AWG) 11 信号光・制御光入力ポート 12 信号光出力ポート 13 信号光出力ポート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−115844(JP,A) 特開 平6−265945(JP,A) Applied Physics L etters,Vol.70,No.26 (1997)pp.3498−3500 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 G02F 1/313 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光および制御光を入力する手段と、
    前記制御光の吸収または増幅により非線形屈折率変化を
    引き起こし信号光に光周波数シフトを与える非線形光学
    媒質から成る光導波路と、前記光導波路を出射する信号
    光のうち非線形屈折率変化に伴ってシフトした光周波数
    成分を透過させる光周波数フィルタとを備えた光スイッ
    チにおいて、 前記制御光は、そのパルス幅が前記信号光のパルス幅よ
    り狭く設定されていることを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 信号光および制御光を入力する手段と、
    前記制御光の吸収または増幅により非線形屈折率変化を
    引き起こし信号光に光周波数シフトを与える非線形光学
    媒質から成る光導波路と、前記光導波路を出射する信号
    光のうち入力時の光周波数成分および非線形屈折率変化
    に伴ってシフトした光周波数成分を異なる出力ポートへ
    回折させる手段とを備えた光スイッチにおいて、 前記制御光は、そのパルス幅が前記信号光のパルス幅よ
    り狭く設定されていることを特徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記光導波路で前記制御光の吸収によっ
    て前記信号光に周波数シフトが与えられる場合、前記光
    周波数フィルタが、短波長透過フィルタであることを特
    徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記非線形光学媒質から成る光導波路
    が、光増幅作用を有す非線形導波路であって、信号光波
    長が利得領域に設定されていることを特徴とする請求項
    1に記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記回折させる手段が、アレイ導波路グ
    レーティングであることを特徴とする請求項2に記載の
    光スイッチ。
  6. 【請求項6】 前記非線形光学媒質から成る光導波路
    が、InGaAsPからなるコア層と、InPからなる
    クラッド層とから構成されていることを特徴とする請求
    項1から5のうちのいずれか1項に記載の光スイッチ。
  7. 【請求項7】 前記非線形光学媒質から成る光導波路
    が、InP基板上に形成したInGaAs/InGaA
    sP多重量子井戸構造をコア層としていることを特徴と
    する請求項1から5のうちのいずれか項に記載の光ス
    イッチ。
  8. 【請求項8】 前記非線形光学媒質から成る光導波路
    が、Ga As 系の化合物半導体層で構成されていること
    を特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記
    載の光スイッチ。
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