JP3156193B2 - ブリスターパック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、筆記具、塗布具等の文
具類一般、或いはその他の被包装物の包装、そして店頭
の陳列用として被包装物を収納するブリスターパックに
係り、特に被包装物を収容する凹部を有するブリスター
を接着する台紙を破いて被包装物を取り出す開封構造に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、台紙を破いて被包装物を取り出す
ブリスターパックの開封構造としては、実公昭59−4324
7 号（以下、前者）、実公昭63−48544 号（以下、後
者）等の公告公報において知られている。然るに、前者
のブリスターパックは被包装物を収容する凹部を有する
ブリスターを接着する台紙に、ブリスターとの接着内縁
（凹部の膨出形状）に沿った切れ目を設けることで、切
れ目により囲繞されている台紙部分を取り除くように台
紙を切れ目に沿って破いて被包装物を取り出すようにし
た開封構造である。一方、後者のブリスターパックは台
紙に、ブリスターと接着するその内側に一辺を除いて屈
曲させた略Ｕ字形に切れ目を設け、前記一辺には折線を
設けて、折線より折り曲げるように台紙を切れ目に沿っ
て破いて被包装物を取り出すようにした開封構造であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のブリ
スターパックは開封する時に切れ目のコーナーに設けら
れている略内向き半円状の打抜き切れ目に指を突っ込ん
で台紙に孔を開け、台紙を切れ目に沿って破くものであ
ることから、突っ込んだ指を切れ目縁に引っ掛けるなど
により怪我する虞れがある。又、この前者においては切
れ目に沿って台紙を破く時に台紙が切れ目に沿って速か
に破れず、切れ目の特に各コーナー等における破断途中
で該切れ目の断続的な線上から外れて台紙が破けてしま
い、大変苦労して開封しているのが現状である。即ち、
切れ目に沿って台紙をちぎるように破ることから、どう
しても繋ぎ目が速かに破断されないと切れ目から外れて
台紙部分が破けてしまう。そのために、破断が切れ目か
ら外れたら、再度切れ目に沿わせて破ると言ったことを
繰り返さなければならず、面倒で簡単に開封することが
できない等の不具合を有する。一方、後者においては開
封する時に切れ目の一辺に略内向き半円状に設けられて
いる打抜き切れ目に指を突っ込んで台紙に孔を開け、台
紙を切れ目に沿って破くものであることから、前者と同
様に指先を怪我する。そして、台紙が切れ目に沿って速
かに破れず、簡単に開封することができない等の不具合
を有する。

【０００４】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、切れ目を挟む台紙の両側を掴んで引っ張ると
言った開封操作で、しかも小さな力で台紙を切れ目に沿
って簡単に破ることができ、更には被包装物を収納する
ブリスターの凹部内に指等を突っ込んで該被包装物を取
り出すと言ったことをせずに被包装物を取り出すことが
できるブリスターパックの開封構造を提供する事を目的
とする。

【０００５】

【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が講じる技術的手段は、台紙に合成樹脂製ブリ
スターを接着して、該ブリスターの凹部に被包装物を収
納してなるブリスターパックに於いて、台紙に、ブリス
ターの凹部の幅方向略中央において、該凹部の長さ方向
略全長に亘る直線上における一部に適宜長さの長尺切れ
目を設けると共に残る直線上には該長尺切れ目の両側に
繋ぎ目を介して短尺切れ目を断続的に設け、更に前記直
線の両端には前記凹部の幅方向に延びる拡開切れ目を設
けたことを要旨とする。

【０００６】上記長尺切れ目の長さ方向略中央における
その両側の台紙部分に、開封表示を施したことを要旨と
する。

【０００７】上記両端の拡開切れ目を、近接する夫々の
短尺切れ目と連続させたことを要旨とする。

【０００８】上記ブリスターの凹部の膨出形状に応じて
両端の拡開切れ目の切込み形態を変えたことを要旨とす
る。

【０００９】

【作 用】而して、上記した本発明の請求項１の技術
的手段によれば、長尺切れ目を設けた台紙の両側部分を
掴んで（摘んで）台紙を、長尺切れ目が開く開封方向に
引っ張る。すると、長尺切れ目の切込み縁に存在する繋
ぎ目からブリスターの凹部の長さ方向略全長に亘る直線
の両端の拡開切れ目に向けた短尺切れ目の切込み縁間に
存在する繋ぎ目へと次々に破断が進行して行く。この
時、長尺切れ目から開口が始まることで、各繋ぎ目には
引き裂く方向の破断作用が働いて引き裂かれるように繋
ぎ目は次々と破断されて行く。それにより、台紙は被包
装物が収納されているブリスターの凹部の長さ方向略全
長に亘り直線的に破れる。

【００１０】請求項２の技術的手段によれば、開封表示
が施されている長尺切れ目を挟むその両側の表示部分を
掴んでその開封方向に台紙を引っ張ると、請求項１の如
く、長尺切れ目側の繋ぎ目から両端の拡開切れ目に向け
た短尺切れ目間の繋ぎ目は引き裂かれるように破断され
て行く。

【００１１】請求項３の技術的手段によれば、請求項１
の如く、台紙が両端の拡開切れ目に達するブリスターの
凹部の長さ方向略全長に亘り直線的に破れると、開口し
た開封口から被包装物が自動的に飛び出す。詳しく説明
すると、台紙の破れが長尺切れ目からブリスターの凹部
の長さ方向略全長に亘る短尺切れ目、そして両端の拡開
切れ目に達するにつれて徐々に大きくなる開封口の開口
変化に伴い（追従して）ブリスターの凹部が、膨出形状
から水平に引き伸ばされるように変形するその動きによ
り被包装物は開口した開封口から押し出されて自動的に
飛び出す。

【００１２】請求項４の技術的手段によれば、上記した
請求項の如く、台紙の両側を掴んで台紙を引っ張り、台
紙を長尺切れ目、そして短尺切れ目に沿わせて両端の拡
開切れ目に向けて破いて行くと、拡開切れ目の切込み形
態に応じた開口形態にて台紙が開封する。換言すれば、
ブリスターの凹部に収納されている被包装物の大きさ等
の形状に合わせて台紙が破れ拡開する。

【００１３】

【実 施 例】本発明の実施の一例を図面に基づいて以
下説明すると、図１乃至図３は請求項１及び２に係るブ
リスターパックの第１実施例を示し、被包装物１を収納
する長尺な凹部2-1 を有するブリスター２を接着する台
紙３に、前記凹部2-1 の幅方向略中央において、該凹部
2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘る直線上における一部に適
宜長さの長尺切れ目４を設けると共に残る直線上には繋
ぎ目５を介して短尺切れ目６を断続的に設けて、開封す
る時に台紙３の破れが長尺切れ目４の切込み縁に存在す
る繋ぎ目７から短尺切れ目６の切込み縁間に存在する繋
ぎ目５へと引き裂く方向の破断作用が働いて各繋ぎ目
７，５が引き裂かれるよう前記凹部2-1 の長さ方向略全
長に亘り進行するようにしてなる。

【００１４】ブリスター２は、シート状の熱可塑性合成
樹脂等の所望の透明樹脂材料により被包装物１の外形
（輪郭）に略沿わせた幅及び長さ、そして深さを有する
凹部2-1 を膨出成形してなる周知の構造を成し、該凹部
2-1 の膨出形状に沿う周囲の縁辺部2-2 （接着代）を接
着等により台紙３に固着せしめて被包装物１を包装する
ものである。一方台紙３は、ブリスター２とにより包装
する被包装物１の形状及びその包装形態に応じた形状
に、例えば図示例の如く筆ペン等のように全長に亘り略
同一太さとする長尺筆記具からなる被包装物１の形状及
びその包装形態に応じた形状に裁断加工され、ブリスタ
ー２が接着される表面には商品名や注意書き等が印刷、
更には合成樹脂コート等の表面処理が施された厚紙等か
らなり、ブリスター２を接着する部分に該ブリスター２
の凹部2-1 の幅方向略中央で、該凹部2-1 の長さ方向略
全長Ｌに亘り１本の長尺切れ目４と、この長尺切れ目４
の切込み縁の繋ぎ目７から複数本の短尺切れ目６を繋ぎ
目５を介して断続的に設ける。そして、短尺切れ目６が
存在する直線の両端には前記凹部2-1 の幅方向に延びる
拡開切れ目８を設ける。

【００１５】長尺切れ目４は、台紙３の両側を引っ張っ
て長尺切れ目４からその切込み方向両側の短尺切れ目６
に沿って台紙３を直線的に破く際に長尺切れ目４の切込
み縁の繋ぎ目７と短尺切れ目６間の繋ぎ目５とが小さな
力で破断するように図る。換言すれば、従来のブリスタ
ーパックのように引っ張り力のみにて繋ぎ目を破断する
と言った大きな力を必要とする破断部分を取り止めて、
引き裂くと言う小さな力で破断することができる引き裂
く方向の破断作用が、その切込み縁に存在する短尺切れ
目６との繋ぎ目７から短尺切れ目６間に存在する繋ぎ目
５へと次々と作用し、繋ぎ目７，５が小さな力で破断す
るように図る。従って、この長尺切れ目４の切込み長さ
Ｌ₁ はその切込み長さＬ₁ の中央部位における台紙３の
両側を掴んで該長尺切れ目４が開口する方向に引っ張っ
た際にその切込み縁の繋ぎ目７に上述した引き裂く方向
の破断作用が即座に作用して該繋ぎ目７が破断するよう
に設定し台紙３に切込む。

【００１６】尚、長尺切れ目４の切込み位置はブリスタ
ー２の凹部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘る直線上におけ
るその一端側寄り（図２（イ）参照）、又は直線上の長
さ方向中央（図２（ロ）参照）、或いは直線上の他端側
寄り（図２（ハ）参照）のいずれかの部分に上述した切
込み長さＬ₁ にて設けるものである。

【００１７】短尺切れ目６は、長尺切れ目４の切込み縁
からブリスター２の凹部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘る
直線の両端に至る台紙３部分に、長尺切れ目４の切込み
縁の繋ぎ目７から周知長さの繋ぎ目５を介して断続的に
設けて、長尺切れ目４から始まる台紙３の破れが前記凹
部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘り直線的に行われるよう
にする。尚、この短尺切れ目６の切込み長さＬ₂ は運搬
中の衝撃や振動等により、或いは店頭に陳列された状態
において客が触れる、そして掴む等により繋ぎ目７，５
が不用意に破断されない程度とする。

【００１８】拡開切れ目８は、１本の長尺切れ目４と複
数本の短尺切れ目６とから直線的に破られることで略菱
形に開口される開封口の両端開口縁にナイフ等により切
込み（切れ目）を入れることなく、ブリスター２の凹部
2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘り収納されている筆ペン等
の被包装物１を取り出せるように図る。即ち、筆ペン等
の被包装物１の端部が開口された開封口の両端開口縁に
引っ掛かることなく取り出すことができるように該両端
開口縁を拡開せしめるもので、前記凹部2-1 の幅方向全
幅に亘る切込み長さにて且つ夫々繋ぎ目９を介して両側
の短尺切れ目６に対して略Ｔ字状に設けて、長尺切れ目
４、短尺切れ目６とから略Ｉ形の開封構造とする（図２
（イ）（ロ）（ハ）参照）。

【００１９】図中10は長尺切れ目４の切込み長さＬ₁ の
長さ方向略中央におけるその両側の台紙３裏面に図示の
ように施した開封表示であり、この開封表示10の表示部
分を両手で掴んでその開封方向に台紙３を引っ張ること
で、上述したように長尺切れ目４の切込み縁の繋ぎ目
７、両端の拡開切れ目８に向けて直線的に至る各短尺切
れ目６間の繋ぎ目５、そして両端の拡開切れ目８の繋ぎ
目９は引き裂かれるように次々に破断され、台紙３はブ
リスター２の凹部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘る両端の
拡開切れ目８に向けて直線的に破れる。

【００２０】而して、以上の如く構成したブリスターパ
ックによれば、台紙３の裏面に施されている開封表示10
の表示部分を掴んでその開封方向に台紙３を引っ張る。
すると、長尺切れ目４から開口が始まり（図３（イ）の
状態）、そして引き裂く方向の破断作用が働いて長尺切
れ目４の切込み縁の繋ぎ目７から両端の拡開切れ目８に
向けた短尺切れ目６間の繋ぎ目５へと次々に破断が進行
し、台紙３は被包装物１が収納されているブリスター２
の凹部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘り直線的に破れる
（図３（ロ）の状態）。従って、従来のブリスターパッ
クの如き、引っ張り力のみにて繋ぎ目を破断するような
大きな力を必要とせずに繋ぎ目７，５を引き裂くと言っ
た小さな力で台紙３を破いて被包装物１を取り出すこと
ができる。

【００２１】図４乃至図６は上記した第１実施例詳述の
ブリスターパックにおいて、両端の拡開切れ目８を近接
する夫々の短尺切れ目６と連続させて設けることで、台
紙３が両端の拡開切れ目８に達するブリスター２の凹部
2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘り直線的に破れると、開口
した開封口から被包装物１が自動的に飛び出すようにし
た請求項３に係るブリスターパックの第２実施例を示
す。尚、斯る第２実施例は両端の拡開切れ目８を近接す
る夫々の短尺切れ目６と連続させた切込み形態とした以
外の構成においては第１実施例詳述と基本的に同じであ
ることから同じ構成部分に同じ符号を用いることでその
説明は省略する。然るに、斯る第２実施例は第１実施例
詳述の如く、台紙３の裏面に施されている開封表示10の
表示部分を掴んでその開封方向に台紙３を引っ張って台
紙３を直線的に破るその破れが長尺切れ目４からブリス
ター２の凹部2-1 の長さ方向略全長Ｌに亘る短尺切れ目
６、そして両端の拡開切れ目８に達するにつれて徐々に
大きくなる開封口の開口変化に伴い（追従して）ブリス
ター２の凹部2-1 が、膨出形状から略水平に引き伸ばさ
れるように変形するその動きにより被包装物１が開口し
た開封口から押し出されて自動的に飛び出すようにした
ものである（図５（イ）の状態から図５（ハ）の状
態）。

【００２２】従って、斯る第２実施例のブリスターパッ
クによれば、被包装物１を収納するブリスター２の凹部
2-1 内に指等を突っ込んで該被包装物１を取り出すと言
ったことをせずに被包装物１を、台紙３を長尺切れ目４
から両端の拡開切れ目８に至る短尺切れ目６に沿って破
るその開封操作にて自動的に取り出すことができること
から、より一層簡便、そして取扱い性が更に向上し、有
益である。

【００２３】図７は上記した第１実施例詳述のブリスタ
ーパックにおいて、両端の拡開切れ目8-1 ，8-2 の切込
み方向或いはその切込み形状の切込み形態を変えた第３
及び第４実施例を示す。尚、斯る第３乃至第４実施例は
両端の拡開切れ目8-1 ，8-2の切込み方向或いは切込み
形状を変えた以外の構成においては第１実施例詳述と基
本的に同じであることから同じ構成部分に同じ符号を用
いることでその説明は省略する。然るに、図７（イ）に
示す第３実施例のブリスターパックは両端の拡開切れ目
8-1 を近接する短尺切れ目６からブリスター２の凹部2-
1 の幅方向に向けて適宜の角度（鈍角）にて略Ｖ字状に
切込んで設けたものである。一方、図７（ロ）に示す第
４実施例のブリスターパックの場合は両端の拡開切れ目
8-2 を近接する短尺切れ目６からブリスター２の凹部2-
1 の幅方向に向けて湾曲させた略Ｕ字状に切込んで設け
たものである。

【００２４】図８乃至図９は上記した第１実施例詳述の
ブリスターパックにおいて、両端の一方又は双方の拡開
切れ目8-3 ，8-4 ，8-5 ，8-6 ，8-7 の切込み形態をブ
リスター12の凹部12-1の膨出形状に応じて変えた請求項
４に係るブリスターパックの第５実施例乃至第８実施例
を示す。尚、斯る第５乃至第８実施例においても拡開切
れ目8-3 ，8-4 ，8-5 ，8-6 ，8-7 の切れ目形態、そし
て被包装物11が収納される凹部12-1の膨出形状に応じて
ブリスター12及び台紙13の形状を変えた以外の構成にお
いて第１実施例詳述と基本的に同じであることから同じ
構成部分に同じ符号を用いることでその説明は省略す
る。

【００２５】然るに、図９（イ）に示す第５実施例のブ
リスターパックは第１実施例詳述のブリスターパックに
おいて、一端の拡開切れ目８の切込み長さよりも他端の
拡開切れ目8-3 の切込み長さを長くしたものである。詳
しく述べると、例えば図示例の如くボトルタイプの塗布
具（修正器）等のようにインクを貯蔵する容器（タン
ク）11-1部分に比べてキャップ11-2により被嵌密閉され
ている筆記部分、所謂ペン先側が先細状に細い被包装物
11のような場合にはキャップ11-2の尾端側の拡開切れ目
8-3 を該キャップ11-2の輪郭（太さ）範囲で短尺な切込
み長さにて切込み、一方容器11-1の底部側の拡開切れ目
8-3 を容器11-1の輪郭（形状）範囲で長尺な切込み長さ
にて切込むことで、一端側と他端側との輪郭が異なる被
包装物11の大きさ等の形状に合わせた開封口にて台紙13
を開口し得る開封構造としてなる。

【００２６】尚、他端に設けた長尺な拡開切れ目8-3 は
図示例のように短尺切れ目６との繋ぎ目９からその切込
み方向に向けて１本の切れ目とするも、或いはその切込
み方向の途中に更に繋ぎ目を設けるも良い。そして、斯
る第５実施例のブリスターパックにおいては長尺切れ目
４を容器11-1の底部側の拡開切れ目8-3 側寄りに位置さ
せて設けることで、切込み長さを異にする両端の拡開切
れ目８，8-3 に向けて長尺切れ目４から短尺切れ目６に
沿わせて台紙13を直線的に破った後に、その一連の開封
操作（開封動作）で両端の拡開切れ目８，8-3 による開
封口の開口縁の拡開が期待できる。即ち、被包装物11を
取り出すことができる大きさの開封口形状にて台紙13を
破く開封口の拡開が期待できる。

【００２７】従って、斯る第５実施例のブリスターパッ
クによれば、台紙13の両側を掴んで台紙13を引っ張り、
台紙13を長尺切れ目４、そして短尺切れ目６に沿わせて
両端の拡開切れ目８，8-3 に向けて破いて行くと、台紙
13は一端側と他端側との輪郭が異なる被包装物11の大き
さ等の形状に合わせた開封口にて破れ開封する。

【００２８】図９（ロ）に示す第６実施例のブリスター
パックは上述した第５実施例詳述のブリスターパックに
おいて、該実施例詳述の拡開切れ目8-3 の切込み形態を
更に変えたものである。然るに、斯る第６実施例におい
ては容器11-1の輪郭範囲よりも短く切込み、そしてその
両端切込み縁から繋ぎ目14を介して更に容器11-1の輪郭
に沿うブリスター12の凹部12-1の幅方向全幅に亘り適宜
の角度（鈍角）にて更に切込んだ略台形状の切込み形態
とする拡開切れ目8-4 を設けることで、被包装物11の取
り出しを更に向上させた開封構造としたものである。

【００２９】図９（ハ）に示す第７実施例のブリスター
パックは上述した第５実施例詳述の被包装物11におい
て、キャップ11-2の尾端側の拡開切れ目8-5 を上述した
第３実施例詳述の如く、短尺切れ目６からキャップ11-2
の輪郭（太さ）範囲でブリスター12の凹部12-1の幅方向
に向けた適宜の角度（鈍角）にて略Ｖ字状に切込み、一
方容器11-1の底部側の拡開切れ目8-6 を容器11-1の輪郭
範囲で長尺な湾曲状に切込むことで、一端側と他端側と
の輪郭が異なる被包装物11の大きさ等の形状に合わせた
開封口にて台紙13を開口し得る開封構造としてなる。

【００３０】図９（ニ）に示す第８実施例のブリスター
パックは上述した第５実施例詳述の被包装物11におい
て、キャップ11-2の尾端側の拡開切れ目8-7 を上述した
第４実施例詳述の如く略Ｕ字状に切込み、一方容器11-1
の底部側には第６実施例詳述の如く略台形状に切込んだ
切込み形態の拡開切れ目8-4 とすることで、一端側と他
端側との輪郭が異なる被包装物11の大きさ等の形状に合
わせた開封口にて台紙13を開封し得る開封構造としてな
る。

【００３１】尚、上述した第５乃至第８実施例詳述の被
包装物11の大きさ等の形状に応じた拡開切れ目8-3 ，8-
4 ，8-5 ．8-6 、8-7 の切込み形態の組み合わせによる
開封構造において限定されるものではなく、例えば第７
実施例詳述に略Ｖ字状の拡開切れ目8-5 を第５乃至第６
実施例詳述の拡開切れ目８に変えて、又は第７実施例詳
述の長尺な湾曲状に切込んだ拡開切れ目8-6 を第６及び
第８実施例詳述の拡開切れ目8-4 に変えて組み合わせた
ブリスターパックの開封構造とすも良く、それらの組み
合わせは自由である。又、拡開切れ目8-3 ，8-4 ，8-5
．8-6 、8-7 と隣接する短尺切れ目６と図４に示す第
２実施例において詳述したように連続させた切込み形態
とするも良く、自由である。

【００３２】

【発明の効果】本発明のブリスターパックは叙上の如く
構成した開封構造としてなるから、下記の作用効果を奏
する。 ．請求項１の技術的手段によれば、長尺切れ目を挟む
台紙の両側部分を掴んで（摘んで）台紙を、長尺切れ目
が開く開封方向に引っ張ると、長尺切れ目の開口に伴い
該長尺切れ目の切込み縁に存在する繋ぎ目に引き裂く方
向の破断作用が働いて該繋ぎ目は引き裂かれ、その引き
裂く方向の破断作用は次に両端の拡開切れ目に向けた短
尺切れ目の切込み縁間に存在する繋ぎ目へと作用し、両
端の拡開切れ目に至る短尺切れ目間の全ての繋ぎ目が引
き裂かれるよう次々に破断されて行く。それにより、台
紙は被包装物が収納されているブリスターの凹部の長さ
方向略全長Ｌに亘り直線的に破れる。

【００３３】．請求項２の技術的手段によれば、開封
表示が施されている両側の表示部分を掴んでその開封方
向に台紙を引っ張ると、請求項１の如く、長尺切れ目の
切込み縁に存在する繋ぎ目から両端の拡開切れ目に向け
た短尺切れ目間の繋ぎ目に引き裂く方向の破断作用が働
いて台紙は被包装物が収納されているブリスターの凹部
の長さ方向略全長Ｌに亘り直線的に破れる。

【００３４】．請求項３の技術的手段によれば、請求
項１の如く、長尺切れ目が開く開封方向に引っ張り台紙
が両端の拡開切れ目に達するブリスターの凹部の長さ方
向略全長Ｌに亘り直線的に破れると、開口した開封口か
ら被包装物が自動的に飛び出す。詳しく説明すると、台
紙の破れが長尺切れ目からブリスターの凹部の長さ方向
略全長に亘る短尺切れ目、そして両端の拡開切れ目に達
するにつれて徐々に大きくなる開封口の開口変化に伴い
（追従して）ブリスターの凹部が、膨出形状から水平に
引き伸ばされるように変形するその動きにより被包装物
は開口した開封口から押し出されて自動的に飛び出す。

【００３５】．請求項４の技術的手段によれば、上記
した請求項の如く、台紙を長尺切れ目、そして両端の拡
開切れ目に至る短尺切れ目に沿わせて破いて行くと、拡
開切れ目の切込み形態に応じた開口形態にて台紙が破れ
て開封する。換言すれば、ブリスターの凹部に収納され
ている被包装物の大きさ等の形状に合わせて台紙が破れ
る。

【００３６】従って、本発明のブリスターパックによれ
ば、長尺切れ目の両側の台紙部分を掴んで引っ張ると言
った開封操作で、長尺切れ目の切込み縁に存在する繋ぎ
目から両端の拡開切れ目に向けた短尺切れ目間の繋ぎ目
に作用する引き裂く方向の破断作用により小さな力で台
紙を破ることができることから、力のない子供や女性等
であっても簡単に破いて開封することができる。しか
も、台紙を破るその開封操作で開口した開封口から被包
装物が自動的に飛び出すことから、従来のブリスターパ
ックのように、ブリスターの凹部内に指等を突っ込んで
被包装物を取り出すと言ったことをせずに被包装物を取
り出すことができ、より一層簡便、そして取扱い性が更
に向上し、有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明ブリスターパックの第１実施例を示し
た斜視図

【図２】 台紙に対する長尺切れ目、短尺切れ目、拡開
切れ目の切込み形態を示した背面図で、（イ）はブリス
ターの凹部の長さ方向略全長に亘る直線上における一端
側寄りに長尺切れ目を設けた切込み形態、（ロ）は直線
上における中央に長尺切れ目を設けた切込み形態、
（ハ）は直線上における他端側寄りに長尺切れ目を設け
た切込み形態

【図３】 台紙の両側を引っ張って台紙を長尺切れ目、
短尺切れ目に沿って両端の拡開切れ目に向けて破いて開
封する状態を示した斜視図で、（イ）はその途中の状
態、（ロ）はブリスターの凹部の長さ方向略全長に亘り
直線的に破いた状態

【図４】 本発明ブリスターパックの第２実施例を示し
た背面図

【図５】 台紙を長尺切れ目、短尺切れ目に沿って両端
の拡開切れ目に向けて破いて開封する過程におけるブリ
スターの変形状態を示した断面図で、（イ）は台紙の両
側を引張る直前の状態、（ロ）は長尺切れ目の開口に伴
いブリスターの凹部が膨出形状から水平に引き伸ばされ
始めた状態、（ハ）は台紙が両端の拡開切れ目に向けて
破れ、ブリスターの凹部が略水平に引き伸ばされて開口
した台紙の開封口から被包装物１が押し出された状態

【図６】 図５（ハ）の状態を示した斜視図

【図７】 本発明ブリスターパックの第３乃至第４実施
例を示し、（イ）は第３実施例の背面図、（ロ）は第４
実施例の背面図

【図８】 本発明ブリスターパックの第５乃至第８実施
例に係る斜視図

【図９】 同第５乃至第８実施例を示し、（イ）は第５
実施例の背面図、（ロ）は第６実施例の背面図、（ハ）
は第７実施例の背面図、（ニ）は第８実施例の背面図

【符号の説明】

１，11…被包装物 ２，12…ブリスタ
ー 2-1 ，12-1…凹部 ３，13…台紙 ４…長尺切れ目 ５，７，９…繋ぎ目 ６…短尺切れ目 10…開封表示 ８，8-1 ，8-2 ，8-3 ，8-4 ，8-5 ，8-6 ，8-7 …拡開
切れ目

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 75/36

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙に合成樹脂製ブリスターを接着し
   て、該ブリスターの凹部に被包装物を収納してなるブリ
   スターパックに於いて、 台紙に、ブリスターの凹部の
   幅方向略中央において、該凹部の長さ方向略全長に亘る
   直線上における一部に適宜長さの長尺切れ目を設けると
   共に残る直線上には該長尺切れ目の両側に短尺切れ目を
   断続的に設け、更に前記直線の両端には前記凹部の幅方
   向に延びる拡開切れ目を設けたことを特徴とするブリス
   ターパック。
2. 【請求項２】 請求項１記載のブリスターパックにおい
   て、 長尺切れ目の長さ方向略中央におけるその両側の台紙部
   分に、開封表示を施したことを特徴とするブリスターパ
   ック。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載のブリスターパック
   において、 両端の拡開切れ目を、近接する夫々の短尺切れ目と連続
   させたことを特徴とするブリスターパック。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３いずれか記載のブリスタ
   ーパックにおいて、 ブリスターの凹部の膨出形状に応じて両端の拡開切れ目
   の切込み形態を変えたことを特徴とすブリスターパッ
   ク。