JP3155712B2 - ラジオ受信機の高周波選局回路およびその選局回路を構成する同調回路の製造方法 - Google Patents

ラジオ受信機の高周波選局回路およびその選局回路を構成する同調回路の製造方法

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JP3155712B2 JP18848096A JP18848096A JP3155712B2 JP 3155712 B2 JP3155712 B2 JP 3155712B2 JP 18848096 A JP18848096 A JP 18848096A JP 18848096 A JP18848096 A JP 18848096A JP 3155712 B2 JP3155712 B2 JP 3155712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラッキング調整のた
めのインダクタンスの調整を回路基板上で必要としない
ラジオ受信機の高周波選局回路およびその選局回路を構
成する同調回路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子同調方式のラジオ受信機において
は、高周波選局回路を構成するアンテナ同調回路、高周
波同調回路、局部発振同調回路は夫々コイル、可変容量
ダイオード、コンデンサを用いて形成される。このよう
な選局回路をラジオ受信機の回路基板上に個別の回路素
子を用いて形成する場合、各同調回路を形成するコイル
のインダクタンスはその可変範囲の中心になるようにあ
らかじめ調整しておき、回路基板に装着後に再度トラッ
キング調整が行われる。このトラッキング調整は、可変
容量ダイオードの同調電圧の下限で局部発振同調回路の
下限の発振周波数が得られるように発振コイルのインダ
クタンスを調整し、次に受信周波数の低域側のトラッキ
ングポイントと称される周波数でオーディオ出力が最大
になるようにアンテナ同調回路、高周波同調回路のコイ
ルのインダクタンスの調整が行われる。
【0003】さらに、高域側のトラッキングポイントで
オーディオ出力が最大になるようにアンテナ同調回路と
高周波同調回路のトリマコンデンサを用いて調整する場
合もある。このように個別の回路素子を用いて選局回路
を回路基板上に形成する場合、装着前のコイルの調整と
は別にコイルについての3回の調整が必要であり、しか
も夫々別の周波数で行われる。トリマコンデンサの調整
が加わる場合には、低域側のトラッキングポイントにお
ける調整と高域側のトリマコンデンサの調整を往復しな
がら行う必要があり、回路基板上で7〜9回のコイルの
調整が必要になる。
【0004】このような回路基板上での調整回数を少な
くするために、アンテナ同調回路、高周波同調回路、局
部発振同調回路をまとめてブロック化し、ラジオ受信機
の回路基板上と同じ条件でトラッキング調整を行い、回
路基板上での無調整化を目指すことも行われる。しか
し、選局回路全体のブロック化は、部品点数が多くなる
ために回路素子を装着してブロック内の回路素子間の接
続を行う基板が必要となり高価になる。また、アンテナ
同調回路、高周波同調回路、局部発振同調回路が近接し
ているので、特にFMラジオのように周波数が高くなる
と局部発振同調回路の輻射の影響が顕著になり、ブロッ
ク内の回路間の干渉を防ぐための回路素子の配置や配線
パターンの配置について種々の制約を考慮して設計する
必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラジオ受信
機の回路基板上におけるトラッキング調整のためのコイ
ルのインダクタンスの調整の必要をなくし、回路間の干
渉や回路素子の配置に制約の少ない高周波選局回路およ
びその選局回路を構成する同調回路の製造方法を提供す
ることにある。また、可変容量ダイオードの特性のばら
つきがあってもトラッキングエラーを小さくでき、かつ
トラッキング調整を容易に行なえる高周波選局回路を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンテナ同調
回路、高周波同調回路、局部発振同調回路を有するラジ
オ受信機の高周波選局回路において、夫々の同調回路は
コイル、可変容量ダイオード、固定コンデンサから形成
されて同調回路ごとにブロック化されて同じ回路基板に
装着してあり、夫々の同調回路は少なくとも一つの共通
の同調電圧が可変容量ダイオードに加えられる時にトラ
ッキングエラーがなくなるようにコイルのインダクタン
スを調整してあり、同じ同調回路のブロック内の固定コ
ンデンサの容量値は、そのブロックで設定された容量可
変比が得られるように可変容量ダイオードの容量値のラ
ンクに応じて異ならせてあり、各同調回路のブロックは
受信帯域において共通の同調電圧で制御されることを特
徴とする。また本発明のラジオ受信機の高周波選局回路
を構成するアンテナ同調回路、高周波同調回路、局部発
振同調回路の製造方法は、夫々の同調回路をコイル、可
変容量ダイオード、固定コンデンサを用いて形成して同
調回路ごとにブロック化するに際して、可変容量ダイオ
ードの容量値のランクに応じた固定コンデンサを選択す
ることにより各同調回路に設定された容量可変比を得る
工程、一つの共通の同調電圧でトラッキングエラーがな
くなるように夫々の同調回路のコイルのインダクタンス
を調整する工程を含むことを特徴とする。
【0007】
【作用】選局回路がアンテナ同調回路、高周波同調回
路、局部発振同調回路にブロック化されており、回路間
の距離を自在に設定できるので各回路間の干渉は発生し
ないし、回路素子の配置の制約も考慮する必要がないの
で、ラジオ受信機の設計の自由度が向上する。また、可
変容量ダイオードのランクに応じた固定コンデンサを選
択することにより、各同調回路では設定された容量可変
比が得られる。そして、コイルによるトラッキング調整
は、受信機の回路基板に装着する前に一つの共通の同調
電圧で行われ、各同調回路を回路基板に装着して形成さ
れた選局回路での調整を行う必要がないので、コイルの
インダクタンスの調整回数をきわめて少なくできる。
【0008】
【実施例】以下、本発明のラジオ受信機の高周波選局回
路の実施例を示す図1から図4までを参照しながら説明
する。図1から図3までは回路図、図4は選局回路の構
成を示す断面図である。図1は高周波選局回路を構成す
るアンテナ同調回路であり、アンテナコイルL1の両端
間に直列接続された可変容量ダイオードD1、D2と固
定コンデンサC1が並列接続される。可変容量ダイオー
ドD1、D2はカソードを接続され、その接続点に抵抗
R1を経て端子1から同調電圧が加えられる。コイルL
1のタップには、端子2からアンテナ入力が加えられ
る。また、コイルL1の一端は結合コンデンサC2を経
て高周波増幅回路3に接続され、他端は接地される。そ
して、点線で囲まれた部分がブロックとして一体に形成
される。
【0009】図2は高周波同調回路であり、同調トラン
スの一次側コイルL2の一端は高周波増幅回路3に接続
され、他端はコンデンサC3を経て接地されると共に抵
抗R2を経て端子4からバイアス電圧を加えられる。二
次側コイルL3の両端間には、直列接続された可変容量
ダイオードD3、D4と固定コンデンサC4が並列接続
される。可変容量ダイオードD3、D4はカソードを接
続され、その接続点に抵抗R3を経て端子5から同調電
圧が加えられる。コイルL3の両端は結合コンデンサC
5、C6を経て混合回路6に接続する。そして、点線で
囲まれた部分がブロックとして一体に形成される。
【0010】図3は局部発振同調回路であり、発振コイ
ルL4の両端間に直列接続された可変容量ダイオードD
5、D6と固定コンデンサC7が接続される。可変容量
ダイオードD5、D6はカソードを接続され、その接続
点に抵抗R4を経て端子7から同調電圧が加えられる。
コイルL4の一端は結合コンデンサC8を経て局部発振
回路8に接続される。そして、点線で囲まれた部分がブ
ロックとして一体に形成される。このように、本発明で
は選局回路を構成する三つの同調回路が回路ごとにブロ
ック化される。また、夫々の同調回路はその回路ごとに
設定された容量値の可変範囲、つまり容量可変比が得ら
れるように可変容量ダイオードのランクに応じて固定コ
ンデンサの容量値を選択してある。そして、三つの同調
回路は同じ回路基板に装着される。なお、各同調回路に
接続する抵抗はトラッキング調整にほとんど関係しない
が、集積度を向上させるためにブロック内に収納される
場合もある。
【0011】図4はブロック化された各同調回路の物理
的構成を示す断面図であり、三つの回路は同じように構
成できる。図4において、10は合成樹脂のケースであ
り、11はコイル、12は可変容量ダイオード、13は
固定コンデンサである。14は、コイル11と可変容量
ダイオードをケース10内に別々に収納する隔壁であ
る。15はコイル11の端子、16は可変容量ダイオー
ドの端子である。コイル11は、合成樹脂のベース17
上のボビン18に線材19を巻回することにより形成さ
れており、ベース17の下側に植設された端子15に線
材19が接続する。固定コンデンサ13はベース17内
に収納され、リード21が端子15に接続する。このよ
うな固定コンデンサ13の収納技術は周知である。20
はボビン18に螺合している螺子コアであり、螺子20
を回動させることによりインダクタンスを調整できる。
【0012】ブロック内の回路素子は、接続の容易なコ
イル11とコンデンサ13を除いて、ブロックを調整用
基板や回路基板に装着することによりそれらの基板上の
配線パターンを利用して互いに接続するように形成され
ている。回路素子はケース10内に挿入して内部に固定
されているだけなので、従来の基板を用いてブロック化
された回路のように基板を使用しない。なお、図4はブ
ロック化の構成の一例を示すが、コイルだけを被うケー
スの側面に可変容量ダイオードを固着してもよい。ま
た、ケース10は金属製でシールドケースを兼ねる場合
もある。さらに、金属ケースで被われたコイルを可変容
量ダイオードと共に合成樹脂のケースに収納してブロッ
ク化してもよい。このブロックがアンテナ同調回路の場
合、コイル11がアンテナコイルL1、可変容量ダイオ
ード12が可変容量ダイオードD1、D2、固定コンデ
ンサ13が固定コンデンサC1に対応することは明らか
である。
【0013】このような高周波選局回路を構成する各同
調回路は、次のようにトラッキング調整を行い製造す
る。なお、理解を容易にするために実験室的な製造方法
を最初に説明する。まず、ブロック化されたアンテナ同
調回路、高周波同調回路、局部発振同調回路はトラッキ
ング調整を行うための調整用基板に装着され、調整用基
板の配線パターンを介して夫々の回路のブロック内の回
路素子の接続が行われる。そして、同調電圧を受信周波
数をカバーする電圧範囲内の一点に固定し、この共通の
同調電圧をアンテナ同調回路、高周波同調回路、局部発
振同調回路に加える。ここで、アンテナ同調回路、高周
波同調回路は受信周波数に同調するようにコイルL1、
コイルL3のインダクタンスを調整する。また、局部発
振同調回路は下側ヘテロダイン方式では(受信周波数−
中間周波数)で同調するように発振コイルL4のインダ
クタンスを調整する。このようにして、この一つの共通
の同調電圧でトラッキングエラーが発生しないように調
整する。
【0014】共通の同調電圧で同調する受信周波数は、
受信帯域の中心以下が望ましい。例えば、日本国内にお
けるFM放送の受信帯域である76〜90MHzを同調
電圧1.2 〜7 Vでカバーするとし、1.5 Vで78MHz
を受信するように受信機が設計されていれば、アンテナ
同調回路、高周波同調回路は78MHz、発振同調回路
は67.3MHz(78-10.7)に同調させる。この一つの
同調電圧において夫々の同調回路の同調を行うに際して
は、受信機の回路基板に同調周波数に影響を与える固定
コンデンサやストレー容量が存在する場合には、調整用
基板にも補正用のコンデンサを接続する等して調整用基
板上に回路基板と同じ状態を現出させる。
【0015】いずれにせよ、一つの共通の同調電圧で各
同調回路のトラッキング調整を行うことにより、その同
調電圧での各回路間のマッチングが保証される。これ
は、この同調電圧でのトラッキング調整を行われた多数
組の選局回路間でも保証される。つまり、1組目、2組
目、3組目のアンテナ同調回路、高周波同調回路、局部
発振同調回路間で夫々トラッキング調整が行われたとす
ると、1組目、2組目、3組目の区別なくアンテナ同調
回路、高周波同調回路、発振同調回路を回路基板上で相
互に組み合わせて高周波選局回路を形成してもマッチン
グが保証される。したがって、調整用基板上でトラッキ
ング調整された選局回路は受信機の回路基板に装着して
組み合わされてもコイルの調整が不要である。なお、各
同調回路は必ずしも組み合わせて調整する必要はなく、
一つの共通の同調電圧で各同調回路ごとに独立に調整し
てもよい。
【0016】これは、共通の同調電圧、例えば前記した
1.5 Vではトラッキングエラーを生じないことによる。
しかし、共通の同調電圧を除く電圧では大きなトラッキ
ングエラーを発生する場合もある。これは可変容量ダイ
オードの特性のばらつきに起因することが多い。可変容
量ダイオードは特性を揃えるために、一般に容量値の近
似するものがランク分けして販売されている。このラン
ク分けは、特定の同調電圧を加えた時の容量値の範囲を
4〜5種類に分類するものであり、例えば出願人が製
造、販売する「KV1410」と称する可変容量ダイオ
ードは次のように4種類に分類されている。この可変容
量ダイオードは同調電圧が2〜8Vの範囲で使用され
る。同調電圧が2Vにおけるランク1の容量値の範囲は
41.33 〜42.59PF 、ランク2 は42.49 〜42.49PF 、ラン
ク3 は43.69 〜45.02PF 、ランク4 は44.92 〜46.29PF
である。なお、容量値は可変容量ダイオードを実施例の
ように直列に2個接続した場合の値である。同調電圧が
4V、6V、8Vでも同様に4種類に分類される。
【0017】したがって、一例として2Vにおけるラン
ク1の可変容量ダイオードが4Vではランク3、6Vで
はランク2、8Vではランク2に入るといったように分
類されることがある。その場合、可変容量ダイオードは
ランク「1-3-2-2 」といったランク分けした符号を付さ
れて販売される。このようにして分類された同じランク
の可変容量ダイオードは、同じ梱包内に収められ、同調
電圧の下限から上限までの範囲で特性の揃ったものとし
て客先に供給される。一方、選局回路の各同調回路では
必要な容量可変比、つまり最大容量と最小容量の比が設
定されており、アンテナ同調回路と高周波同調回路はほ
ぼ等しく、発振同調回路は上側ヘテロダイン方式では両
方の回路よりも小さく、下側ヘテロダイン方式の場合は
大きい。
【0018】そこで、可変容量ダイオードの容量値のラ
ンクにかかわらず、各同調回路の容量可変比が常に設定
された可変比になれば、ある周波数でトラッキング調整
を行うことにより他の周波数でもトラッキングエラーが
ほぼ発生しない状態にできる。ところで、同調回路の最
大周波数fmax 、最小周波数fmin 、最大容量Cmax
最小容量Cmin 間には(1)式の関係が成立する。ただ
し、その回路のコイルのインダクタンスは周波数にかか
わらず一定である。 fmax /fmin =(Cmax /Cmin 1/2 (1) 最大容量Cmax 、最大容量Cmax は可変容量ダイオード
と固定コンデンサの合成容量であるから、(2)式が成
立する。 Cmax /Cmin =(CVmax+CS )/(CVmin+CS ) (2) なお、CVmax、CVminは可変容量ダイオードの最大容量
と最小容量、CS は固定コンデンサの容量値である。
【0019】アンテナ同調回路であれば、CVmax、C
Vminは直列接続された可変容量ダイオードD1、D2に
より得られる最大容量と最小容量、CS は固定コンデン
サC1の容量に相当し、fmax 、fmin は受信周波数の
最大周波数90MHzと最小周波数76MHzに相当す
る。したがって、(2)式から可変容量ダイオードのラ
ンクの違いによってその最大容量CVmax、最小容量C
Vminが変わっても、ランクごとに固定コンデンサの容量
値CS を異ならせれば同調回路の容量可変比、つまりC
max /Cmin を一定にできることは明らかである。な
お、可変容量ダイオードの最大容量CVmaxは使用される
同調電圧が最小の時、最小容量CVminは使用される同調
電圧が最大の時に夫々得られる。
【0020】したがって、(2)式における最大容量C
Vmaxと最小容量CVminは、同調電圧が夫々最小と最大の
時の可変容量ダイオードの容量値を代入すればよい。可
変容量ダイオードはランク分けされているので、そのラ
ンクにおける容量値の範囲の中央値を代入するとよい。
例えば、前記した「KV1410」の可変容量ダイオー
ドは同調電圧が2Vで最大容量CVmaxになるが、そのラ
ンクが1の場合にはランク1の容量値の範囲の中央値で
ある41.96PF を代入するとよい。最大容量CVmaxにおい
ても同じ考えでよい。アンテナ同調回路、高周波同調回
路、局部発振同調回路の夫々の同調回路においては、ト
ラッキングエラーをなくすために必要な容量可変比が設
定されるが、その同調回路ごとに設定された容量可変比
が常に得られるように可変容量ダイオードのランクに応
じて固定コンデンサの容量値CS を異ならせればよい。
ブロックとして一体に形成されたコンデンサ以外に、回
路基板上に同調周波数に影響を与えるコンデンサが存在
する場合には、その容量値も含めて容量可変比が一定に
なるようにブロック化されたコンデンサの容量値を異な
らせればよい。
【0021】本発明の高周波選局回路を構成する各同調
回路の製造方法は、このように一つの共通の同調電圧で
トラッキングエラーの発生をなくすこと、可変容量ダイ
オードのランクに応じて、各同調回路で設定された容量
可変比が得られるような容量値の固定コンデンサを各同
調回路に接続することを主な要件としている。実際に
は、各同調回路で設定された容量可変比を得るための固
定コンデンサの容量値は可変容量ダイオードのランクに
応じて実験段階又は設計段階であらかじめ決めることが
できる。したがって、実際の製造は図5に示すよう工程
図に沿って行うことにより効率的になる。まず、可変容
量ダイオードを必要なランクごと、固定コンデンサを必
要な容量値ごとに夫々分類する。なお、固定コンデンサ
は一般的な国際規格であるE24シリーズによる容量分
類、可変容量ダイオードは容量値による通常のランク分
類が夫々存在するので、このような分類は購入時に簡単
に行なえる。(工程1)
【0022】次に各同調回路ごとに、可変容量ダイオー
ドのランクに応じた固定コンデンサを選択する。(工程
2) そして、可変容量ダイオード、可変容量ダイオードのラ
ンクに応じて選択された固定コンデンサ、さらにコイル
を接続して同調回路のブロックを形成する。このことに
より、各同調回路で設定された容量可変比が共通の同調
電圧の範囲で得られる。(工程3) 次に、一つの共通の同調電圧において各同調回路のイン
ダクタンスを調整してトラッキングエラーが発生しない
ようにする。(工程4) このことにより、同調電圧の範囲が受信帯域をカバーす
る範囲に設定される。インダクタンスの調整は、アンテ
ナ同調回路、高周波同調回路、局部発振同調回路を同時
に調整用基板に装着して行ってもよいし、別々に装着し
て行ってもよい。なお、工程2と工程3は、一つの工程
と見ることもできる。このようにすれば、アンテナ同調
回路、高周波同調回路、局部発振同調回路を受信機の回
路基板上に装着して組み合わされた選局回路は、何らコ
イルのインダクタンスを調整しなくても受信帯域の全帯
域でトラッキングエラーを小さくできる。
【0023】なお、回路基板上で組み合わされた本発明
の選局回路は図6に簡潔に示す接続図に示すように共通
の同調電圧で制御してもトラッキングエラーを極めて小
さくできる。しかし、また図7に示す接続図のように、
PLL回路で制御される局部発振同調回路33に加えら
れる同調電圧とは別に、補正回路30を経たその同調電
圧をアンテナ同調回路31及び高周波同調回路32に加
えることもできる。そして、各同調回路ごとの同調電圧
を微妙に調節して変えることによりトラッキングエラー
をほぼなくすことができる。この補正回路30は通常は
マイクロコンピュータで制御されるが、回路基板に装着
した後のインダクタンス調整が不要な本発明の高周波選
局回路で特に効果的に利用できる。
【0024】なお、コンピュータ制御されたこのような
補正回路を用いてアンテナ同調回路、高周波同調回路、
局部発振同調回路に加える同調電圧を細かく調節するこ
とは、例えば特開平3-145339号等により公知であるが、
その効果は未だに満足できるものではない。これは、電
圧を細かく制御できるが広い範囲の電圧を制御でき難い
というコンピュータ制御されたこのような補正回路の能
力の不足によるものであるから、すでに共通の同調電圧
でトラッキングエラーを極めて小さくできている本発明
の選局回路に用いることによりはじめてその効果をいか
んなく発揮できる。34は回路基板、35は同調電圧が
加えられる端子、36は配線パターンを表しており、図
6と図7の同一部分は同じ符号を付与してある。回路基
板34は受信機を構成する他の回路素子も装着されてい
るが、選局回路の装着される部分だけを表してある。ま
た、実施例ではブロックとして一体に形成された固定コ
ンデンサは一つであるが、回路構成によってはトラッキ
ングに影響するコンデンサが複数存在する場合もある。
その場合には、最も影響する一つのコンデンサを一体に
するか、複数のコンデンサを含んだブロック構造にすれ
ばよい。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のラジオ受信
機の高周波選局回路はそれを構成する同調回路ごとに一
体にブロック化されている。また、そのブロック内の回
路素子間の接続は調整用基板や回路基板の配線パターン
により行われる。同調回路ごとにブロック化されること
により、選局回路の個々の回路間、つまりアンテナ同調
回路、高周波同調回路、局部発振同調回路の干渉は発生
しにくくなり、回路素子の配置に制約がないので設計の
自由度が向上する。このことは、周波数の高いFM受信
機では特に重要な効果である。さらに本発明の選局回路
を構成する同調回路の製造方法は、可変容量ダイオード
の容量値のランクに応じて各同調回路で設定された容量
可変比が得られるように固定コンデンサの容量値を選択
すること、及び一つの共通の同調電圧でトラッキングエ
ラーの発生をなくすことを要件としている。このことに
より、可変容量ダイオードの容量値がランクの違いによ
ってばらついても、各同調回路を回路基板上に装着して
組み合わされた高周波選局回路はコイルのインダクタン
スの調整を必要としない。したがって、従来行われてい
た回路基板上の面倒なインダクタンスの調整が一挙にな
くなり、トラッキング調整が容易になるというきわめて
重要な効果を得ることができる。さらに、可変容量ダイ
オードのランクを制限する必要がないので、全てのラン
クのものを無駄にすることなく使用できる経済的な効果
もある。また、最近では、図7のように同調回路ごとに
コンピュータ制御された電圧補正回路を使用し、トラッ
キング調整を行う試みもあり、そのためのICも開発さ
れている。この場合においても、本発明の同調回路のブ
ロックを用いることによりトラッキングエラーを極めて
小さくできるので、電圧補正回路を用いることによりい
っそう正確なトラッキング調整が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラジオ受信機の高周波選局回路のア
ンテナ同調回路の実施例を示す回路図である。
【図2】 同、高周波同調回路の実施例を示す回路図で
ある。
【図3】 同、局部発振同調回路の実施例を示す回路図
である。
【図4】 本発明のラジオ受信機の選局回路を構成する
各同調回路の物理的構成例を示す断面図である。
【図5】 本発明のラジオ受信機の高周波選局回路を構
成する同調回路の製造方法を示す工程図である。
【図6】 本発明の高周波選局回路の接続図である。
【図7】 本発明の高周波選局回路の別の接続図であ
る。
【符号の説明】
L1 アンテナコイル D1、D2 可変容量ダイオード

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ同調回路、高周波同調回路、局
    部発振同調回路を有する高周波選局回路において、夫々
    の同調回路はコイル、可変容量ダイオード、固定コンデ
    ンサから形成されて同調回路ごとにブロック化されて同
    じ回路基板に装着してあり、夫々の同調回路は少なくと
    も一つの共通の同調電圧が可変容量ダイオードに加えら
    れる時にトラッキングエラーがなくなるようにコイルの
    インダクタンスを調整してあり、同じ同調回路のブロッ
    ク内の固定コンデンサの容量値は、そのブロックで設定
    された容量可変比が得られるように可変容量ダイオード
    の容量値のランクに応じて異ならせてあることを特徴と
    するラジオ受信機の高周波選局回路。
  2. 【請求項2】 アンテナ同調回路、高周波同調回路、局
    部発振同調回路を有する高周波選局回路において、夫々
    の同調回路はコイル、可変容量ダイオード、固定コンデ
    ンサから形成されて同調回路ごとにブロック化されて同
    じ回路基板に装着してあり、夫々の同調回路は少なくと
    も一つの共通の同調電圧が可変容量ダイオードに加えら
    れる時にトラッキングエラーがなくなるようにコイルの
    インダクタンスを調整してあり、同じ同調回路のブロッ
    ク内の固定コンデンサの容量値は、そのブロックで設定
    された容量可変比が得られるように可変容量ダイオード
    の容量値のランクに応じて異ならせてあり、各同調回路
    のブロックは受信帯域において共通の同調電圧で制御さ
    れることを特徴とするラジオ受信機の高周波選局回路。
  3. 【請求項3】 アンテナ同調回路、高周波同調回路、局
    部発振同調回路を有する高周波選局回路において、夫々
    の同調回路はコイル、可変容量ダイオード、固定コンデ
    ンサから形成されて同調回路ごとにブロック化されて同
    じ回路基板に装着してあり、夫々の同調回路は少なくと
    も一つの共通の同調電圧が可変容量ダイオードに加えら
    れる時にトラッキングエラーがなくなるようにコイルの
    インダクタンスを調整してあり、同じ同調回路のブロッ
    ク内の固定コンデンサの容量値は、そのブロックで設定
    された容量可変比が得られるように可変容量ダイオード
    の容量値のランクに応じて異ならせてあり、アンテナ同
    調回路、高周波同調回路のブロックの同調電圧は、受信
    帯域においてコンピュータ制御された補正回路を経た同
    調電圧であって、局部発振同調回路の同調電圧とは別の
    同調電圧で制御されることを特徴とするラジオ受信機の
    高周波選局回路。
  4. 【請求項4】 高周波選局回路を構成するアンテナ同調
    回路、高周波同調回路、局部発振同調回路の製造方法に
    おいて、夫々の同調回路をコイル、可変容量ダイオー
    ド、固定コンデンサを用いて形成して同調回路ごとにブ
    ロック化するに際して、可変容量ダイオードの容量値の
    ランクに応じた固定コンデンサを選択することにより各
    同調回路に設定された容量可変比を得る工程、一つの共
    通の同調電圧でトラッキングエラーがなくなるように夫
    々の同調回路のコイルのインダクタンスを調整する工程
    を含むことを特徴とするラジオ受信機の高周波選局回路
    の同調回路の製造方法。
  5. 【請求項5】 高周波選局回路を構成するアンテナ同調
    回路、高周波同調回路、局部発振同調回路の製造方法に
    おいて、夫々の同調回路をコイル、可変容量ダイオー
    ド、固定コンデンサを用いて形成して同調回路ごとにブ
    ロック化するに際して、可変容量ダイオードの容量値の
    ランクに応じた固定コンデンサを選択することにより各
    同調回路に設定された容量可変比を得た後で、一つの共
    通の同調電圧でトラッキングエラーがなくなるように夫
    々の同調回路のコイルのインダクタンスを調整すること
    を特徴とするラジオ受信機の高周波選局回路の同調回路
    の製造方法。
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