JP3155657B2 - 地中埋設水道管の漏水箇所調査方法 - Google Patents

地中埋設水道管の漏水箇所調査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地中埋設水道管の漏水箇
所調査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地中に埋設された水道管の漏水箇
所を調査する方法として、地中埋設水道管の一定区間内
の流量、流速、水圧を測定し、これらの値が規定値に達
しているか否かを調べておおまかな漏水の有無の判定を
行った後、音聴棒や漏水振動響聴装置(漏水探知機)に
より漏水音を基にして漏水箇所を検知する方法が行われ
ていた。
【0003】しかしながら、この方法は周囲の雑音の影
響を受け易く、特に都市部では交通音や雑踏等の影響で
作業が深夜に限られる等、作業効率上で大きな制約を受
ける欠点があった。
【0004】このような問題を解決するものとして、地
中埋設管内に稀ガス等のトレーサーガスを充填し、地表
から埋設管の敷設路に沿って複数のガス採取用パイプを
打ち込んで埋設管の破損箇所から漏れ出てくるトレーサ
ーガスを、該ガス採取用パイプを介して検出し、トレー
サーガスの検出時刻や濃度分布等から埋設管の破損箇所
を探知する方法(特開昭63−134930号公報)、
地中送水管から水を抜いた状態で送水管内にハロゲンガ
スを供給し、地表から一定間隔で複数の小孔を穿設し
て、この小孔にハロゲン感知器を順次臨ませて破損箇所
から漏れ出てくるハロゲンガスを検出する方法(特開平
4−184132号公報)等がある。
【0005】しかしながら、上記の方法はいずれも、複
数のガス採取用パイプを打ち込んだり、複数の小孔を一
定間隔であけたりする必要があり、作業が煩雑となる欠
点がある。また水道管の漏水箇所を調査しようとする場
合、検査区間の水道管中の水道水を抜いてからトレーサ
ーガスを供給するため、特に検査区間が広い場合には水
道水の抜き取りに多大な労力を要するとともに、検査終
了後に水道管に通水する時、管壁の錆等が流し出されて
復帰当初にいわゆる赤水を生じるという問題もあった。
【0006】一方、本出願人等は、調査区間内の水道管
内の水道水を抜く必要がなく、また複数のガス採取用パ
イプを打ち込んだり、地表から一定間隔で複数の小孔を
穿設する等の手間を必要としない検査方法として、ガス
溶解器等を用いて稀ガスを溶解させたトレーサー水を検
査対象区間内の地中埋設水道管に流し、水道管の破損箇
所から吹き出したトレーサー水中から放出され、地表に
漏れ出てくる稀ガスの濃度を地表上の稀ガス検出器で検
出して漏水箇所を検知する方法を提案した(特願平4−
174946号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】稀ガスを溶解したトレ
ーサー水が埋設水道管の破損箇所から吹き出すと、水道
管内圧よりも地中内の漏水箇所付近の圧力が低いため
に、トレーサー水中に溶解している稀ガスの一部(管内
圧力と地中内の漏水箇所付近の圧力差分)がトレーサー
水から放出される。上記特願平4−174946号の方
法は、トレーサー水から放出された後、土中を上昇して
地表面まで漏出してきた稀ガスを稀ガス検出器で検出す
ることにより漏水箇所を検知するものである。
【0008】地表上の稀ガス検出器で、地中の水道管の
破損箇所から吹き出したトレーサー水から放出され地表
面まで漏れ出てくる稀ガスを検出する方法では、検査対
象区間の地表面上を稀ガス検出器を移動させながら稀ガ
ス測定を行うものであり、稀ガス検出器が漏水箇所また
はその付近に到達した時に検出器によって稀ガスが検出
される。地中埋設水道管の破損箇所から吹き出たトレー
サー水中から放出された稀ガスは、一部分は気体の状態
で存在するが、他の部分は漏水箇所付近の滞留水や土中
の浸透水中に再溶解し、気体状態の希ガスと浸透水中に
再溶解した希ガスとの間に気液平衡状態が成立する。ト
レーサー水の供給を止めて通常の水を流すと、漏水箇所
から漏出した水中に、通常の水に溶解している酸素や窒
素がガスとして放出され、これらのガスが土中の滞留水
や浸透水に気体の状態で存在する希ガスと置換して稀ガ
スを追い出し、更に気液平衡が破れて浸透水から放出さ
れた希ガスも追い出すため、漏水箇所からはトレーサー
水の供給を止めた後にも稀ガスが検出される。このた
め、稀ガス検出器が水道管の漏水箇所が埋設されている
地表に到達するまでの間トレーサー水を常時流し続ける
必要は必ずしもないが、通常、2〜4時間程度の間はト
レーサー水を流し続ける必要がある。
【0009】しかしながら、水道管の漏水箇所が埋設さ
れている地表に到達した稀ガス検出器が、地表に漏れ出
てきた希ガスを検知し漏水箇所を検出するために必要な
稀ガスの量は、埋設水道管中を流したトレーサー水中に
溶解させた稀ガスの全量に比べて遙に少ない量(短時間
トレーサー水を流した程度で十分な量)である。従って
実際の調査では必要以上に多くのトレーサー水を流して
いるため、多量の稀ガスが浪費されていることになる。
稀ガスは大気中の含有量が少ない貴重な資源であるとと
もに比較的高価であり、稀ガスの浪費を抑えることは省
資源の上でも検査コストを低減化する上でも有利であ
る。
【0010】上記したように埋設水道管中にトレーサー
水を流し続ける時間は2〜4時間程度必要であり、この
間に流れたトレーサー水中の稀ガスの大部分は無駄とな
るため、稀ガスの浪費を低減化する方法として、トレー
サー水中に溶かし込む稀ガスの濃度を低くする方法が考
えられる。稀ガスは大気中に存在する量が非常に少ない
ガスであるから、地表に漏れ出てきた稀ガスの濃度が低
くても、大気中に存在する稀ガスの影響で測定誤差を生
じる虞れが非常に低く、漏水箇所において漏れ出してき
た稀ガスを高い精度で検出可能である。しかしながら、
トレーサー水中に溶かし込む稀ガス濃度を低くすると、
漏水箇所から地表まで漏れ出てくる稀ガス濃度も比例し
て低下し、地表に漏れ出てくる稀ガス濃度が低くなる
と、稀ガスの拡散の影響が大きくなって、水道管の漏水
箇所が埋設されている地表付近における稀ガスの検出は
可能であるものの、稀ガスが検出される範囲が広くなっ
て漏水箇所における稀ガス濃度のピークが認められなく
なり、この結果、漏水箇所を正確に検出し難くなるとい
う問題があった。
【0011】本発明者等は、トレーサーガス中の稀ガス
濃度を低くすることにより稀ガスの全使用量を少なくで
き、しかも漏水箇所から漏れ出てきた希ガスを検出し、
漏水箇所を正確に発見し得る方法として、トレーサーガ
スとして稀ガスと酸素との混合物を用いる方法を提案し
た。この方法は、調査対象区間内の水道管に、稀ガスと
酸素との混合物からなるトレーサーガスを圧入して水道
管内に稀ガスを充満させ、漏水箇所から土中に漏出した
トレーサーガス中の酸素ガスが漏水箇所付近の還元状態
にある土層中の2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化
することにより、トレーサーガス中の酸素ガスが消費さ
れてトレーサーガス中の稀ガス濃度が元のトレーサー
ガス中の稀ガス濃度よりも高くなることを利用したもの
であり、稀ガス濃度が高くなったトレーサーガス中の稀
ガスを、地表面上においてに検出することにより上記の
問題を解決せんとするものである。
【0012】調査対象区間の水道管内をトレーサーガス
で充満させる上記方法は、トレーサーガスを水に溶解さ
せるためのガス溶解器等の装置やガス溶解のための手間
を必要とせず、調査対象区間が狭い場合には、少ない稀
ガス使用量で効率的に漏水箇所を検出できる方法であ
。しかしながら、調査対象区間が広い場合には、トレ
ーサーガスを水に溶解したトレーサー水を調査対象区間
に流す方法よりも逆に多量の稀ガスを必要とするという
問題もあった。従って、調査対象区間の広さに応じ、調
査対象区間内にトレーサーガスを充満させるか、調査対
象区間内にトレーサー水を流すかを選択すべきである。
【0013】上記したように調査対象区間が広い場合に
は、トレーサー水を流す方法を採用することが経済的に
も有利である。しかしながら、トレーサーガスとして稀
ガスと酸素との混合物を用いた場合、トレーサーガスを
水に溶解させたトレーサー水を調査対象区間に流す方法
では、調査対象区間内にトレーサーガスを充満させる方
法のような効果が得られないことが判明した。即ち、
発明者等の研究によると、稀ガスと酸素のみとの混合物
を水に溶解したトレーサー水を用いた場合、酸素が過剰
に存在することから希ガスと共に酸素が広範囲の土層に
拡散し、広範囲の土層中において前記酸化反応が引き起
こされ、しかも酸化反応は水に溶解した希ガスの放出を
誘発する働きがあるので、広範囲の土層中において希ガ
スが放出され、その結果地表において広範囲に希ガスが
検知されるので稀ガスの濃度のピークが不明瞭になり、
水道管の漏水箇所の上部に位置する地表を特定すること
が困難になるためであると判明した。
【0014】本発明者等は、かかる問題点に鑑み更に鋭
意研究した結果、トレーサーガスとして、稀ガスと酸素
及び窒素との特定の割合の混合物を用いることにより、
トレーサーガスを水に溶かし込んだトレーサー水を流し
て漏水箇所を検出する方法において、検査に使用する稀
ガスの全量を低減化でき、しかもトレーサーガス中の稀
ガス濃度が低下しても高い精度で漏水箇所を検出できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の地中埋設水
道管の漏水箇所調査方法は、地中に埋設された水道管中
に、稀ガスを含むトレーサーガスを溶解させたトレーサ
ー水を流し、埋設水道管の破損箇所から地中に漏出した
トレーサー水から放出されて地表面に漏出してくる稀ガ
スを、地表上の稀ガス検出器で検知して漏水箇所を検出
する方法において、トレーサーガスとして容積比で稀ガ
〜50と、酸素及び窒素の混合物95〜50の割合
の混合ガスを用いることを特徴とする。
【0016】本発明において稀ガスとしてはヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が
挙げられるが、なかでも密度が小さく地中から地上へ拡
散し易いヘリウムが最も好ましい。本発明においてトレ
ーサーガスとして稀ガスと、酸素及び窒素との混合ガス
を用いる。トレーサーガスにおける稀ガスと、酸素及び
窒素の混合物との混合比率は容積比で、稀ガス:酸素及
び窒素の混合物=1〜50:99〜50、好ましくは5
〜50:95〜50、特に好ましくは5〜20:95〜
80である。水道管内の水道水供給圧力が高い場合に
は、トレーサーガス中の稀ガスの割合を上記範囲内で少
なくすることができるが、供給圧力が低い場合には稀ガ
スの割合を上記範囲内で多くする必要がある。また酸素
と窒素との混合比率は容積比で、酸素:窒素=1:1〜
10程度が好ましく、特に1:1〜4が好ましい。
【0017】トレーサーガスを水に溶解させるための手
段としては、水とトレーサーガスとを静的に接触せしめ
る静的法、加圧状態で水とトレーサーガスとを接触せし
める加圧法、ガス透過膜を用いるガス透過膜法等が挙げ
られる。これらの方法によってトレーサーガスが水中に
溶解したトレーサー水が得られるが、トレーサー水中に
おけるトレーサーガスは完全に溶解していなくとも良
く、一部は溶解せずに混入した状態で存在していても良
い。トレーサー水は検査を行っている間常に流す必要は
なく、検査所要時間の半分程度の時間で良いが、通常、
検査時間は8時間程度でありトレーサー水を流す時間は
3時間程度が好ましい。
【0018】トレーサー水は、浄水場、給水場の送水口
や、消化栓等から水道管中に流し込むことができる。ト
レーサー水を浄水場、給水場の送水口から供給する場
合、送水口に、ガス溶解器、ガス溶解槽、送水ポンプ等
を接続することにより、送水口とつながった全水道管網
の検査を行うことができる。また地中に埋設された水道
管には、制水弁、消化栓が所定距離毎(通常、200m
毎)に設けられており、短い区間の調査を行う場合に
は、検査しようとする区間を挟む2つの制水弁を閉じ、
この遮断区間内にある2つの消化栓間にガス溶解器、ガ
ス溶解槽、送水ポンプ等を直列に接続して水を循環し得
るループを形成することにより、閉鎖区間内の水道管の
調査を行うことができる。
【0019】トレーサー水中のトレーサーガスは、トレ
ーサー水が水道管内にある時には、水中に完全に溶解し
ているか一部が混入した気液平衡状態が保たれている
が、トレーサー水が水道管の破損箇所から地中に漏れ出
すと、水道管内圧力よりも地中内の漏水箇所付近の圧力
が低いために平衡状態が崩れてトレーサーガスはトレー
サー水から放出される。本発明方法では、トレーサー水
から放出され地中を上昇して地表に漏れ出てきたトレー
サーガス中の稀ガスを稀ガス検出器で検出する。
【0020】稀ガス検出器としては、稀ガスの種類に応
じたものを用い、例えばヘリウムの場合にはヘリウムリ
ークディテクターや熱伝導式の検出器が、他の稀ガスの
場合には熱伝導式の検出器等が用いられる。
【0021】
【作用】埋設水道管の破損箇所付近の土には水道管から
漏れ出た水が浸透しており、この付近の土は空気が遮断
されているために酸素不足の還元状態となっている。こ
のような状態にある漏水箇所に、稀ガスと酸素及び窒素
とを溶解したトレーサー水が漏れ出ると、トレーサー水
から放出されたトレーサーガス中の酸素は還元状態にあ
る土層中の2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化する
ことにより消費され、酸化反応は水に溶解した希ガスの
放出を誘発し、地表には稀ガス濃度の高いトレーサーガ
スが漏出してくる。このため、トレーサー水中に溶かし
込んだトレーサーガス中の稀ガス濃度は低くても、地表
に漏出してくるトレーサーガス中では元のトレーサーガ
ス中よりも稀ガス濃度が高くなる。しかも、稀ガスと酸
素のみを溶解したトレーサー水が漏れ出る場合と異な
り、本発明においては酸素の絶対量が少ないので、広範
囲にわたって起きる酸化反応が起き、その酸化反応に誘
発されて広範囲にわたって希ガスが放出されるというこ
とがないので、稀ガスの濃度のピークが不明瞭になると
いうことがない。このため、希ガスと酸素のみを溶解し
たトレーサー水を用いる場合のように、稀ガスの拡散に
よる影響を受け難く、漏水箇所において稀ガス濃度のピ
ークが認められるものと考えられる。
【0022】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
【0023】
【実施例】実施例、比較例 漏水箇所付近における稀ガスの濃度分布を測定するた
め、漏水箇所既知の水道管にトレーサーガスを溶解した
トレーサー水を3時間流した後、トレーサー水の供給を
止めて通常水を流し、漏水箇所を中心とした2m四方の
稀ガスの濃度分布を市販のヘリウムリークディテクター
(日本真空技術製:DLMSTP−3)により測定し
た。実験はトレーサーガスの種類の異なる実験番号〜
の5種類について行った。稀ガス濃度の測定は、トレ
ーサー水を流している時と、トレーサー水の供給を止め
た後、通常水を流して1時間後、2時間後、3時間後、
4時間後、5時間後に行った。実験番号の結果を図1
の(a)〜(f)に、実験番号の結果を図2の(a)
〜(f)に、実験番号の結果を図3の(a)〜(f)
に、実験番号の結果を図4の(a)〜(f)に、実験
番号の結果を図5の(a)〜(f)にそれぞれ示す。
【0024】図1〜図5のいずれにおいても、(a)の
符号を付した図はトレーサー水供給中の測定結果を、
(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)を付した図
は、それぞれトレーサー水供給中止後における、1時間
後、2時間後、3時間後、4時間後及び5時間後の測定
結果を示す。また図中、符号1〜5を付したエリアは上
記測定機のレンジを「10」として稀ガス濃度測定した
際に測定機のメーターに示された濃度範囲であり(メー
ター上の表示は0%〜100%)、符号1はメーター上
の80%を超え100%までの範囲を、符号2は60%
を超え80%までの範囲を、符号3は40%を超え60
%までの範囲を、符号4は20%を超え40%までの範
囲を、符号5は0%を超え20%までの範囲を、符号6
はメーターが0%を示した範囲をそれぞれ示すものであ
る。
【0025】実験に使用したトレーサーガスは、実験番
号はヘリウムのみ、実験番号はヘリウム10%と酸
素90%との混合ガス(容積比。以下の実験でも同
様)、実験番号はヘリウム10%と窒素90%との混
合ガス、実験番号はヘリウム10%、酸素20%、窒
素70%の混合ガス、実験番号はヘリウム50%、酸
素10%、窒素40%の混合ガスであり、実験番号、
実験番号が本発明の実施例に相当する。尚、トレーサ
ー水は飽和溶解ガスの40%をトレーサーガスと置換さ
せたものを用いた。また漏水箇所における漏水量は2リ
ットル/分であった。
【0026】図1〜図5に示すように、ヘリウムガスの
みをトレーサーガスとした実験番号の場合には、漏水
箇所での稀ガス濃度のピークが認められるが、実験番号
〜に比べて多量のヘリウムが必要となる。また実験
番号〜の結果から明らかなように、トレーサーガス
中のヘリウム濃度が同じ10%でも、実験番号、で
は漏水箇所付近における稀ガスの検出濃度は、トレーサ
ー水を流している時でも低濃度であり、トレーサー水供
給中も、トレーサー水供給停止後も、ヘリウムガス濃度
分布のピークが認められないのに対し、実験番号で
は、トレーサー水供給停止後4時間経過してもヘリウム
ガス濃度分布にピークが認められ、本発明方法ではヘリ
ウムガス濃度の低いトレーサーガスを用いた場合でも、
ヘリウムガスを検知することによって正確に漏水箇所を
し得るとともに、トレーサー水供給停止後、かなり
の時間が経過しても漏水箇所の検出が容易であった。
【0027】
【発明の効果】本発明方法は、地中埋設水道管の漏水箇
所から漏出する稀ガスを、地表上の稀ガス検出器で検
して漏水箇所を検する方法において、トレーサー水に
溶かし込むトレーサーガスとして、稀ガスと酸素及び窒
素の混合ガスとの特定割合の混合物を用いたことによ
り、トレーサーガス中の稀ガス濃度を低くしたにもかか
わらず、漏水箇所における稀ガスの濃度のピークが明瞭
に生じる結果、漏水箇所の検出を高い精度で行うことが
できる効果がある。その結果、稀ガスの全使用量も少な
くできる。
【0028】また本発明方法では、トレーサーガス中の
稀ガス濃度を低くしているにもかかわらず、トレーサー
水供給停止後、長時間に亘って漏水箇所における稀ガス
濃度分布のピークが認められるため、漏水箇所の検出を
非常に効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験番号の結果を示し、漏水箇所付近の稀ガ
ス濃度分布を示す図である。
【図2】実験番号の結果を示し、漏水箇所付近の稀ガ
ス濃度分布を示す図である。
【図3】実験番号の結果を示し漏水箇所付近の稀ガス
濃度分布を示す図である。
【図4】実験番号の結果を示し、漏水箇所付近の稀ガ
ス濃度分布を示す図である。
【図5】実験番号の結果を示し、漏水箇所付近の稀ガ
ス濃度分布を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 増田 勝久 埼玉県南埼玉郡宮代町東姫宮1−8−12 −1 (72)発明者 妹尾 和郎 東京都千代田区内神田3−16−4 日昌 興業株式会社内 (72)発明者 高戸 清勝 東京都千代田区内神田3−16−4 日昌 興業株式会社内 (72)発明者 江崎 佐保 東京都品川区小山1−9−13 東洋酸素 株式会社内 (72)発明者 関 乃夫忠 東京都品川区小山1−9−13 東洋酸素 株式会社内 (72)発明者 渋谷 和信 東京都品川区小山1−9−13 東洋酸素 株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−1965(JP,A) 特開 昭55−6039(JP,A) 特開 平5−340837(JP,A) 特公 昭47−18712(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/00 - 3/40 G01N 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設された水道管中に、稀ガスを
    含むトレーサーガスを溶解させたトレーサー水を流し、
    埋設水道管の破損箇所から地中に漏出したトレーサー水
    から放出されて地表面に漏出してくる稀ガスを、地表上
    の稀ガス検出器で検知して漏水箇所を検出する方法にお
    いて、トレーサーガスとして容積比で稀ガス〜50
    と、酸素及び窒素の混合物95〜50の割合の混合ガス
    を用いることを特徴とする地中埋設水道管の漏水箇所調
    査方法。
JP34009893A 1993-12-07 1993-12-07 地中埋設水道管の漏水箇所調査方法 Expired - Fee Related JP3155657B2 (ja)

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