JP3155583B2 - 揚水発電所の制御方法 - Google Patents

揚水発電所の制御方法

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JP3155583B2 JP30564491A JP30564491A JP3155583B2 JP 3155583 B2 JP3155583 B2 JP 3155583B2 JP 30564491 A JP30564491 A JP 30564491A JP 30564491 A JP30564491 A JP 30564491A JP 3155583 B2 JP3155583 B2 JP 3155583B2
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    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Control Of Water Turbines (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統の運用技法に
係り、特に同一電力系統内に可変速発電電動機(非同期
発電電動機)を少なくとも1台有する揚水発電所が含ま
れいる場合での電力系統の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数台の発電電動機を備えた揚水発電所
での揚水運転では、入力(揚水電力)に応じて発電電動機
の運転台数を増減させる必要があり、このため、例えば
図13に示すような、#1、#2、#3の3台の同期機
からなる発電電動機(同期発電電動機)を有する揚水発電
所では、図14と図15に示すように揚水運転制御して
いた。ここで、図14は入力Pがゼロから増加していっ
た場合を、そして図15は入力Pが減少してゼロに到る
場合を夫々示す。
【0003】これらの図から明らかなように、従来は、
複数台の発電電動機に優先順位を付け、入力Pの増減に
応じて単に運転台数を順次増加させたり、或いは順次減
少させたりして対応していた。ここで、P1、P2、P3
は各同期発電電動機#1、#2、#3の入力である。
【0004】なお、このような揚水発電所を含む一般的
な電力系統の運用技法については、例えば「配電盤・制
御盤ハンドブック」の8章、8.9項において論じられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、可変速
発電電動機を備えた揚水発電所を含む電力系統での制御
について配慮がされておらず、発電電動機が同期機の場
合についてのものであるため、揚水始動時及び停止時に
入力の急変を伴う虞れがある揚水発電所間では、希望す
る時点で揚水運転に入れないという運転制約があった。
【0006】本発明の目的は、可変速発電電動機を備え
た揚水発電所を含む電力系統での最適運用を可能にする
制御方法の提供にある。
【0007】本発明の他の目的は、電力系統の制御所よ
り送信される電力指令に対して、揚水運転開始時には可
変速発電電動機を優先的に、揚水運転停止時には可変速
発電電動機以外の発電電動機を優先的に対応させること
により、有効電力の需給に対し、応答性の高い電力系統
の制御方法を提供することにある。
【0008】更に本発明の他の目的は、揚水運転開始時
及び停止時の発電電動機の入力急変に対して、可変速発
電電動機への入力を可変速幅内で変化させることによ
り、全体入力の急変を回避した揚水発電所を含む電力系
統の制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電力系統に
接続された少なくとも1台の可変速発電電動機と複数の
発電電動機を備えた揚水発電所の制御方法であって、揚
水入力を増加させる電力指令に応じて、運転されている
可変速発電電動機の揚水入力を減少させるように制御す
ると共に、他の発電電動機の揚水運転を開始させること
により達成される。具体的には、揚水運転開始時の入力
急変の回避は、或る実施例によれば、順次揚水運転に入
る発電電動機の入力急変に対して、可変速機への入力を
可変速幅内でランプ状(直線的)に減少させる制御を前
記運用制御シーケンスに組み込むことにより達成され、
他の実施例では、揚水全入力を一定の傾きで増加させる
電力指令から可変速機以外の固定速機の入力合計を差し
引いた分だけを可変速機へ可変速幅内で入力させる制御
を前記運用制御シーケンスに組み込むことにより達成さ
れる。
【0010】また、上記目的は、電力系統に接続された
少なくとも1台の可変速発電電動機と複数の発電電動機
を備えた揚水発電所の制御方法であって、揚水入力を減
少させる電力指令に応じて、運転されている可変速発電
電動機の揚水入力を増加させるように制御すると共に、
他の発電電動機の揚水運転を停止させることにより達成
される。具体的には、揚水運転停止時の入力急変の回避
は、或る実施例によれば、順次揚水運転停止に入る発電
電動機の入力急変に対して、可変速機への入力を可変速
幅内でランプ状に増加させる制御を前記運用制御シーケ
ンスに組み込むことにより達成され、他の実施例では、
揚水全入力を一定の傾きで減少させる電力指令から可変
速機以外の固定速機の入力合計を差し引いた分だけを可
変速発機へ可変速幅内で入力させる制御を前記運用制御
シーケンスに組み込むことにより達成される。
【0011】
【作用】揚水運転を開始する際には、電力指令信号を可
変速機へ優先的に送信することによって、順次揚水運転
に入る発電電動機の揚水入力急変に対して、可変速機の
可変速幅内で入力を変化することができるので、揚水全
入力の急変が回避され、電力系統に動揺を与えることが
ない。
【0012】また、揚水運転を停止する際には、電力指
令信号を可変速機以外の固定速機へ優先的に送信するこ
とによって、順次揚水運転停止に入る発電電動機の揚水
入力急変に対して、可変速機の可変速幅内で入力を変化
することができるので、揚水全体入力の急変が回避さ
れ、電力系統に動揺を与えることがない。
【0013】
【実施例】以下、本発明による電力系統の制御方法につ
いて、図示の実施例により詳細に説明する。図1は本発
明の一実施例において用いられている揚水発電所Aを示
すブロック図で、この図において、1は可変速機(可変
速発電電動機)で、固定子巻線1a、回転子巻線1bか
らなり、水車2に連結されている。なお、この水車2は
ポンプとしても用いられる。そして、この可変速機1に
は、2次鎖交磁束の位相を検出する位相検出器3と、回
転速度を検出する速度検出器4も連結されている。
【0014】次に、5は電力系統で、6は電力系統5と
固定子巻線1の間に接続された開閉器である。7は周波
数変換器で、その入力線7aは電力系統5に接続され、
その出力線7bは前記回転子巻線1bに接続されてい
る。
【0015】8は周波数変換器7の出力及び周波数を制
御する制御装置で、電力指令Prefを変化させることに
より、高い応答性で可変速機1の入力電力を制御するこ
とができる。そして、9は水車2の運転水位を検出する
水位検出器、10は水車2のガイドベーンである。
【0016】次に、11、12、13は固定速機(同期
発電電動機)で、各々固定子巻線11a、12a、13
a及び界磁巻線11b、12b、13bからなり、各々
水車14、15、16と連結されている。そして、固定
子巻線11a、12a、13aは開閉器17、18、1
9を介して電力系統5に接続されている。なお、これら
の水車14、15、16もポンプとして用いられる。
【0017】20、21、22は電力系統5に接続され
た励磁装置で、電力系統5の交流電流を直流電流に変換
し、固定速機11、12、13の界磁巻線11b、12
b、13bを直流励磁するために用いられ、且つ、これ
ら励磁装置20、21、22の出力電流を自動電圧調整
器23、24、25で制御することによって、固定速機
11、12、13の端子電圧を常に一定の値に制御する
ようにしている。
【0018】26はシステムコントローラで、電力系統
5の要求に応じた可変速機1及び固定速機11、12、
13のシステム全体として考えた最適な運転状態の組み
合わせを決定し、各々を制御する働きをする。
【0019】次に、27は電流検出器、28は電圧検出
器で、システム全体としての入出力状態(有効電力、無
効電力)を検出し、システムコントローラ26に与える
働きをする。また、29、30、31、32は電流検出
器で、各々可変速機1と、固定速機11、12、13の
電流を検出する働きをし、33、34、35、36は電
圧検出器で、各々電圧を検出する働きをするものであ
り、それらで各発電電動機の有効電力量を検出し、シス
テムコントローラ26に与えるようになっている。
【0020】ところで、図2は、図1の構成のうち、本
発明の説明に必要な部分だけを抽出して示した揚水発電
所Aのブロック図で、以下、この図2により本発明の一
実施例について説明する。いま、或る時点(これを時点
0とする)で、電力系統5の発生電力量に余裕が生じた
とすると、図示してない電力系統の制御所から発電電動
機揚水運転開始の有効電力指令Pc が出力され、これが
システムコントローラ26に伝送される。
【0021】そこで、システムコントローラ26は、こ
の有効電力指令Pc に応じて、図3に示す制御を順次実
行して行く。すなわち、まず、この揚水運転開始の有効
電力指令Pc に応じて、それを可変速機#4が有する可
変速幅Po 内に抑えた値の電力指令Pref を作成し、そ
れを優先的に可変速機#4に送信する。これにより、可
変速機#4は、有効電力指令Pc を可変速幅の下限(Pc
ri)に設定して揚水運転を開始することになり、揚水開
始時の有効電力の急変を最小限(Pcri)に抑えることが
できる。
【0022】この後、電力指令Pref の値を有効電力指
令Pc の値に向かって増加させて行く。そして、これに
より、可変速機#4の入力P4 が、この可変速機#4の
定格入力量P4r に達する。ところで、このとき、もし
も有効電力指令Pc が定格入力量P4r 以下であったと
き、つまり(Pc ≦P4r )であったときには、ここで
可変速機#4の入力P4 が有効電力指令Pc に等しくな
ったので、ここで制御は中断される。
【0023】従って、このときのシステムコントローラ
26による制御は、図3の処理で止まり、図4の時点
0から時点t1 までに示す制御状態になり、揚水運転開
始時での有効電力の急変が充分に抑えられることが判
る。
【0024】しかして、有効電力指令Pc が可変速機#
4の定格入力量P4r よりも大きかったとき、つまり
(Pc >P4r )であったときには、システムコントロ
ーラ26は、さらに図3の処理以下の処理に進み、揚
水発電所Aの全入力Pが有効電力指令Pc に達するま
で、順次他号機が揚水運転を開始するシーケンスとなっ
ており、以下、このときの制御について説明する。
【0025】上記したようにして可変速機#4が優先的
に揚水運転を開始し、それが完了した図4の時点t1
で、図3の処理の状態にあったとすると、システムコ
ントローラ26は、ここで処理に進み、図2の他の発
電電動機#1(固定速機)が揚水運転を開始する。ここ
で、固定速機#1は同期機なので、その揚水運転開始時
での入力P1 には、図4に示すように急変を伴う。
【0026】そこで、システムコントローラ26は、処
理で固定速機#1の揚水運転を開始させた後、処理
で、この固定速機#1の定格入力量P1r に達するまで
の時間Δt 内で、先に揚水運転を完了している可変速機
#4への入力電力指令Prefを、その可変速幅P0 内で
ランプ状(直線的)に減少させてゆく制御を行う。
【0027】この結果、図4に示すように、固定速機#
1の入力P1 の急変(急上昇)が可変速機#4の入力P4
の減少により相殺され、揚水全入力P の急変を回避す
ることができる。
【0028】ここで、図3の処理と処理でのシステ
ムコントローラ26による制御について、更に詳しく説
明すると、この場合、システムコントローラ26は、固
定速機#1の揚水運転を開始すべしという指令と、可変
速機#4の入力P4 が定格入力量P4r に達したという
指令を受けて、電力指令Pref を可変速機#4に送信す
るのである。ここで、可変速機#4への電力指令Pref
とは、この可変速機#4の揚水入力量P4 から、前記時
間Δt 内に入力が 0 から値P0 まで直線的に増加する
値ΔP(図3の右側に示してある)を差し引いた入力量で
与えられるものである。
【0029】このようにして可変速機#4の揚水入力量
4 を減少させて行く制御を実行した結果、図3の処理
の条件が満足した時点t2で、システムコントローラ
26は処理に進み、こんどは可変速機#4の揚水入力
量P4 を増加させる制御を行う。なお、このときには揚
水発電所Aの全入力P0 が、まだ有効電力指令Pc に達
していないこと、すなわち、(P0 <Pc )であることが
条件になる。
【0030】そして、このようにして可変速機#4の揚
水入力量P4 を増加させ、それが可変速機#4の定格入
力量P4r に達した時点t3 で、なおかつ処理の条件
を満足していたときには、更に処理に進み、残りの固
定速機の揚水運転を開始させる制御を実行し、最終的に
は固定速機#1〜#3と可変速機#4の全ての揚水運転
に移行し、処理の状態が満足されたところで、揚水運
転の開始制御を完了させるのである。従って、この実施
例によれば、図4に示すように、固定速機#1〜#3の
入力の急変(急上昇)が可変速機#4の入力P4 の減少制
御により相殺され、揚水全入力P の急変を充分に抑え
ることができる。
【0031】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。図3に示した可変速機の入力を可変速幅内でランプ
状に減少させる制御を適用した場合には、固定速機の揚
水運転開始に伴う揚水入力急変に対して、揚水全入力P
が有効電力指令Pc に追従しきれない部分が出てくる。
そこで、この実施例では、更に滑らかな揚水全入力Pと
なるような制御を行なうため、システムコントローラ2
6による制御を、図5に示す処理で構成したものであ
る。
【0032】この図5の処理が、図2の処理と異なる点
は、処理における値ΔPが、揚水全入力Pから有効電
力指令Pc を差し引いた値になっている点だけであり、
従って、この実施例では、この値ΔPを可変速機#4の
揚水入力P4 から差し引いた起動指令Pref を可変速機
#4に送信するというシーケンスになっているものであ
り、この結果、この実施例では、揚水全入力Pと有効電
力指令Pc の偏差に応じて可変速機#4の入力P4 が制
御されることになり、有効電力指令Pc に対する追従性
が改善され、良好な制御特性が得られるのである。
【0033】この図5の実施例は、図6に示すような1
台の固定速機に対して可変速機を2台有する揚水発電所
Bに適用した場合に特に有効で、このような揚水発電所
Bに対しては、図7に示すように、2台の可変速機#
1、#2を順次、優先的に揚水運転を開始させ、最後に
固定速機#3を起動させたとき、これら2台の可変速機
#1、#2を同時に入力減少制御することにより、固定
速機#3の起動に伴う揚水全入力Pの急変を充分に和ら
げることができる。
【0034】ところで、以上の実施例では、何れも同一
揚水発電所内での同じ電力系統に連なる発電電動機間の
連携制御を対象としていたか、本発明は、このような場
合に限らず、同じ電力系統に連なる複数個所の、例えば
図8に示すように、2個所の揚水発電所C、D間の連携
制御にも適用できることはいうまでもなく、この場合に
は、揚水発電所がC、Dに分かれていることは意識せず
に、これら複数の揚水発電所全体に含まれている発電電
動機を群として捉え、その中の可変速機と固定速機に対
して、上記した図3、或いは図5に示した制御処理を適
用してやればよく、この場合でも、揚水全入力Pの急変
を充分に抑えることができるという本発明の効果が充分
に得られるものである。
【0035】ここで、これまで説明してきた実施例につ
いてみると、それらは何れも電力系統の発生電力量に余
裕が生じたときでの、揚水運転の開始時及び揚水入力の
増加時での発電電動機の運転台数の増加制御に関するも
のである。然し乍ら、揚水全入力Pの急変が問題になる
という点では、揚水入力の減少時及び揚水運転停止時で
の発電電動機の運転台数の減少制御時も同じであり、従
って、この場合にも本発明の適用により、揚水全入力P
の急変を充分に抑えることができるのは、言うまでもな
い。
【0036】図9は、本発明を揚水入力の減少時及び揚
水運転停止時での発電電動機の運転台数の減少制御に適
用した場合の一実施例で、図2に示した揚水発電所Aを
対象として、システムコントローラ26によって実行さ
れる制御処理を示したものであり、以下、これにより制
御動作について説明すると、いま、或る時点(これを時
点0とする)で、電力系統5の余裕発生電力量が減少し
たとすると、図示してない電力系統の制御所から揚水入
力を減少させる方向の有効電力指令Pc が出力され、こ
れがシステムコントローラ26に伝送される。なお、こ
のときには、可変速機#4と3台の固定速機#1、#
2、#3が定格入力のもとで揚水運転中であり、従っ
て、このときの揚水全入力Pは、P=P1r+P2r+P3r
+P4r となっており、且つ、Pc >P の状態になって
いるものとする。
【0037】そこで、システムコントローラ26は、こ
の有効電力指令Pc に応じて、図9に示す制御を順次実
行して行く。すなわち、まず、図9の処理では、この
揚水運転開始の有効電力指令Pc に応じて、図10に示
すように、それを可変速機#4が有する可変速幅Po 内
に抑えた値の電力指令Pref を作成し、それを優先的に
可変速機#4に送信する。これにより、可変速機#4
は、有効電力指令Pc を可変速幅の下限(Pcri)に設定
して揚水入力P4 を減少させて行く制御を開始すること
になり、揚水入力減少開始時の有効電力の急変を最小限
(Pcri)に抑えることができる。
【0038】こうして、図10に示すように、可変速機
#4の入力P4 が時点0から減少してゆくと、やがて可
変速機#4の入力P4 が可変速幅の下限Pcriに達す
る。ところで、この可変速機#4の入力P4 が可変速幅
の下限Pcriに達するまでの間に、もしも有効電力指令
Pc が、このときの揚水全入力P、つまり(P1r+P2r
+P3r+Pcri)よりも大きくなったとき、つまり(Pc
≧P )の条件が満足されたときには、ここで制御は中
断される。
【0039】従って、このときのシステムコントローラ
26による制御は、図9の処理で止まり、図10の時
点0から時点t1 までに示す制御状態になり、揚水入力
減少運転開始時での有効電力の急変が充分に抑えられる
ことが判る。
【0040】しかして、時点t1 に達しても依然として
有効電力指令Pc が、このときの揚水全入力Pよりも大
きかったとき、つまり(Pc >P )であったときに
は、システムコントローラ26は、さらに図9の処理
以下の処理に進み、揚水発電所Aの全入力Pが有効電力
指令Pc に達するまで、順次他号機が揚水運転を停止し
て行くシーケンスとなっており、以下、このときの制御
について説明する。
【0041】上記したようにして可変速機#4が優先的
に揚水入力減少運転を開始し、それが完了した図10の
時点t1 で、図9の処理の状態にあったとすると、シ
ステムコントローラ26は、ここで処理に進み、図2
の他の発電電動機#1(固定速機)の揚水運転停止を開始
する。ここで、固定速機#1は同期機なので、その揚水
運転停止時での入力P1 には、図10に示すように急変
を伴う。
【0042】そこで、システムコントローラ26は、処
理で固定速機#1の揚水運転を停止させる制御に入っ
た後、処理で、この固定速機#1の定格入力量P1r
に達するまでの時間Δt 内で、先に揚水運転を完了して
いる可変速機#4への入力電力指令Pref を、その可変
速幅P0 内でランプ状(直線的)に増加させてゆく制御を
行う。
【0043】この結果、図4に示すように、固定速機#
1の入力P1 の急変(急下降)が可変速機#4の入力P4
の増加により相殺され、揚水全入力P の急変を回避す
ることができる。
【0044】ここで、図9の処理と処理でのシステ
ムコントローラ26による制御について、更に詳しく説
明すると、この場合、システムコントローラ26は、固
定速機#1の揚水運転を停止すべしという指令と、可変
速機#4の入力P4 が可変速幅の下限Pcriに達したと
いう指令を受けて、電力指令Pref を可変速機#4に送
信するのである。ここで、可変速機#4への電力指令P
ref とは、この可変速機#4の揚水入力量P4 から、前
記時間Δt 内に入力が 0 から値P0 まで直線的に増加
する値ΔP(図9の右側に示してある)を加算した入力量
で与えられるものである。
【0045】このようにして可変速機#4の揚水入力量
4 を増加させて行く制御を実行した結果、図9の処理
の条件が満足した時点t2で、システムコントローラ
26は処理に進み、再び可変速機#4の揚水入力量P
4 を減少させて行く制御を行う。なお、このときには揚
水発電所Aの全入力P が、まだ有効電力指令Pc に達
していないこと、すなわち、(P >Pc )であることが
条件になる。
【0046】そして、このようにして可変速機#4の揚
水入力量P4 を減少させ、それが可変速機#4の可変速
幅の下限Pcriに達した時点t3 で、なおかつ処理の
条件を満足していたときには、更に処理に進み、残り
の固定速機の揚水運転を停止させる制御を実行し、最終
的には固定速機#1〜#3と可変速機#4の全ての揚水
運転停止に移行し、処理の状態が満足されたところ
で、揚水運転の停止制御を完了させるのである。従っ
て、この実施例によれば、図10に示すように、固定速
機#1〜#3の入力の急変(急上昇)が可変速機#4の入
力P4 の減少制御により相殺され、揚水全入力P の急
変を充分に抑えることができる。
【0047】次に、図11は本発明の他の一実施例にお
けるシステムコントローラ26による制御を示したもの
で、この図11の処理が、図9の処理と異なる点は、処
理における値ΔPが、揚水全入力Pから有効電力指令
Pc を差し引いた値になっている点だけであり、従っ
て、この実施例では、この値ΔPを可変速機#4の揚水
入力P4 から差し引いた起動指令Pref を可変速機#4
に送信するというシーケンスになっているものであり、
この結果、この実施例では、揚水全入力Pと有効電力指
令Pc の偏差に応じて可変速機#4の入力P4 が制御さ
れることになり、有効電力指令Pc に対する追従性が改
善され、良好な制御特性が得られるのである。
【0048】この図11の実施例は、図6に示すような
1台の固定速機に対して可変速機を2台有する揚水発電
所Bに適用した場合に特に有効で、図12に示すよう
に、有効電力指令Pc の減少時に、まず定速機#3の揚
水運転の停止制御と共に、2台の可変速機#1、#2の
揚水入力増加運転制御を行って揚水全入力Pの急変を抑
え、固定速機#3が停止した後、これら2台の可変速機
#1、#2を順次、揚水入力減少制御することにより、
揚水全入力Pの急変を充分に和らげることができるよう
にしたものである。
【0049】ところで、以上の図9〜図12で説明した
実施例では、何れも同一揚水発電所内での同じ電力系統
に連なる発電電動機間の連携制御を対象としていたか、
これらの実施例で説明した本発明による、揚水入力の減
少時及び揚水運転停止時での発電電動機の運転台数の減
少制御は、このような場合に限らず、同じ電力系統に連
なる複数個所の、例えば図8に示すように、2個所の揚
水発電所C、D間の連携制御にも適用できることはいう
までもなく、この場合には、揚水発電所がC、Dに分か
れていることは意識せずに、これら複数の揚水発電所全
体に含まれている発電電動機を群として捉え、その中の
可変速機と固定速機に対して、上記した図9、或いは図
11に示した制御処理を適用してやればよく、この場合
でも、揚水全入力Pの急変を充分に抑えることができる
という本発明の効果が充分に得られるものである。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、同じ電力系統に連なる
電力負荷に対して、可変速発電電動機への揚水入力をそ
の可変速幅内で最適に制御できるので、電力系統に動揺
を与えない安全な揚水発電所の運用が可能になるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による揚水発電所の制御方法が適用され
る揚水発電所の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した揚水発電所の簡略化ブロック構成
図である。
【図3】本発明の第1の実施例の制御動作を表わす処理
説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の動作を説明するための
特性図である。
【図5】本発明の第2の実施例の制御動作を表わす処理
説明図である。
【図6】本発明による揚水発電所の制御方法が適用され
る揚水発電所の他の一例を示す簡略化ブロック構成図で
ある。
【図7】本発明の第3の実施例の動作を説明するための
特性図である。
【図8】本発明による揚水発電所の制御方法が適用され
る揚水発電所の更に別の一例を示す簡略化ブロック構成
図である。
【図9】本発明の第4の実施例の制御動作を表わす処理
説明図である。
【図10】本発明の第4の実施例の動作を説明するため
の特性図である。
【図11】本発明の第5の実施例の制御動作を表わす処
理説明図である。
【図12】本発明の第6の実施例の動作を説明するため
の特性図である。
【図13】従来技術の一例を示す簡略化ブロック構成図
である。
【図14】従来技術の揚水運転開始時での動作を説明す
る特性図である。
【図15】従来技術の揚水運転停止時での動作を説明す
る特性図である。
【符号の説明】
1 可変速発電電動機(可変速機) 5 電力系統 11、12、13 同期発電電動機(固定速機) 26 システムコントローラ 27 電力系統の電流検出器 28 電力系統の電圧検出器 29、30、31、32 発電電動機の電流検出器 33、34、35、36 発電電動機の電圧検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八坂 保弘 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 高橋 信弘 愛知県名古屋市東区東新町一番地 中部 電力株式会社内 (72)発明者 手塚 義文 愛知県名古屋市東区東新町一番地 中部 電力株式会社内 (72)発明者 田中 正和 愛知県名古屋市東区東新町一番地 中部 電力株式会社内 (72)発明者 村田 利雄 愛知県名古屋市東区東新町一番地 中部 電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−74141(JP,A) 特開 昭60−30482(JP,A) 特開 昭63−220723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F03B 15/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統に接続された少なくとも1台の
    可変速発電電動機と複数の発電電動機を備えた揚水発電
    所の制御方法であって、揚水入力を増加させる電力指令
    に応じて、運転されている可変速発電電動機の揚水入力
    を減少させるように制御すると共に、他の発電電動機の
    揚水運転を開始させることを特徴とする揚水発電所の制
    方法
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、上記可変速発
    電電動機の揚水運転制御が、揚水入力を一定の割合で減
    少させる制御となるように構成されていることを特徴と
    する揚水発電所の制御方法
  3. 【請求項3】 請求項1の発明において、上記可変速発
    電電動機の揚水運転制御が、揚水指令と揚水全入力との
    偏差に応じて揚水入力を減少させる制御となるように構
    成されていることを特徴とする揚水発電所の制御方法
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の発明の何れか
    において、上記揚水発電所が同一電力系統に連なる少な
    くとも2個所に設置された複数の揚水発電所群で構成さ
    れていることを特徴とする揚水発電所の制御方法
  5. 【請求項5】 電力系統に接続された少なくとも1台の
    可変速発電電動機と複数の発電電動機を備えた揚水発電
    の制御方法であって、揚水入力を減少させる電力指令
    に応じて、運転されている可変速発電電動機の揚水入力
    を増加させるように制御すると共に、他の発電電動機の
    揚水運転を停止させることを特徴とする揚水発電所の制
    方法
  6. 【請求項6】 請求項5の発明において、上記可変速発
    電電動機の揚水運転制御が、揚水入力を一定の割合で増
    加させる制御となるように構成されていることを特徴と
    する揚水発電所の制御方法
  7. 【請求項7】 請求項5の発明において、上記可変速発
    電電動機の揚水運転制御が、揚水指令と揚水全入力との
    偏差に応じて揚水入力を増加させる制御となるように構
    成されていることを特徴とする揚水発電所の制御方法
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7の発明の何れか
    において、上記揚水発電所が同一電力系統に連なる少な
    くとも2個所に設置された複数の揚水発電所群で構成さ
    れていることを特徴とする揚水発電所の制御方法
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