JP3155170B2 - 鋳造装置およびその制御方法 - Google Patents

鋳造装置およびその制御方法

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JP3155170B2
JP3155170B2 JP16608695A JP16608695A JP3155170B2 JP 3155170 B2 JP3155170 B2 JP 3155170B2 JP 16608695 A JP16608695 A JP 16608695A JP 16608695 A JP16608695 A JP 16608695A JP 3155170 B2 JP3155170 B2 JP 3155170B2
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孝晴 飯島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属等の溶融物を鋳型
に注湯して所望の鋳物を製造する鋳造装置およびその制
御方法に係るもので、特に、はんだの鋳造装置とその制
御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐久性鋳型を使用して鋳造加工を行う方
法としては、重力金型鋳造法や低圧鋳造法,ダイカスト
法,等が一般的であり、多量生産に好適であるとされて
いる。
【0003】鋳造加工で考慮する必要のある点に、湯ま
わりおよび通気性に原因する巣の発生の問題がある。そ
のため、鋳型を設計する際には湯口の位置や湯道,ガス
抜き、そして押湯等の技術が重要である。また、ひけ巣
の発生を防止する上では指向性凝固を行うことが重要で
あり、そのため冷し金を用いて積極的な冷却を行うこと
も行われている。そしてこれらはいずれも鋳型を設計す
る際に考慮されている技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋳型に注湯、すなわち
溶融金属を注ぐ場合には、溶融金属、すなわち湯の鋳込
み温度をその融点よりもはるかに高い温度にしておく必
要がある。すなわち、注湯の途中で鋳型に熱を奪われて
凝固したり、温度が低下することで粘性が増して流動性
が低下し、湯まわりが悪くなるからである。したがっ
て、注湯してから湯が凝固し、鋳物を取り出せるように
なるまでに要する時間が長くなり、生産タクトタイム
(以下、単にタクトという)もそれによって規定される
ことになる。
【0005】また、鋳型内のガスおよび高温の湯と低温
の鋳型が反応することによって生ずるガスを鋳型内から
逃すために、鋳型にガス抜き孔や揚がりを設けることが
行われているが、最終的には鋳物からこのような孔で造
られた部分を除去する必要がある。
【0006】本発明の目的は、鋳物の融点に比較的近い
湯温でも湯まわりが良好で冷却性にも優れ、そして、巣
を発生しない鋳造装置およびその制御方法を確立するこ
とによって、低コストで高品質の鋳物を製造できるよう
にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における鋳造装置
およびその制御方法は、鋳型の温度を適切な温度に制御
するように構成しているところに特徴がある。
【0008】本発明にかかる請求項1に記載の発明は、
鋳物を製造する鋳型を少なくとも2つ以上に分離可能に
形成し、この鋳型を2つ以上の部分に分離または一体と
なるように開閉を行う鋳型開閉駆動手段と、前記各鋳型
に液体を流通させる流路と、前記流路へ前記液体を送り
込むポンプと、前記流路へ送り込む前記液体を貯溜する
1つの液温の貯溜槽と、前記貯溜槽に貯溜された液体の
温度を前記鋳型に注湯される溶融物の融点温度(T m
に近い温度でかつ前記溶融物の融点温度(T m )よりも
低く前記溶融物の注湯に際してその湯まわりを向上させ
ると共に注湯後にはその冷却を促進させる予め決めた第
1の温度(T 02 )に前記液体の温度を保持せしめる温度
制御手段と、前記鋳型の温度を測定する温度測定手段
と、前記温度測定手段の測定信号を参照して前記鋳型の
温度が前記鋳型に注湯される前記溶融物の融点温度(T
m )よりも低い温度で予め決められた第2の温度(T 1
以上になった場合に前記溶融物の注湯制御を行いその後
前記鋳型の温度が前記鋳型に注湯される前記溶融物の融
点温度(T m )よりも低い温度で予め決められた第3の
温度(T 2 )以下になった場合に前記鋳型開閉駆動手段
により前記鋳型の開放制御を行う制御手段と、を備えて
成ることを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の鋳造装置の制御方法であって、注湯を開始する鋳
型の最低温度である第2の温度(T 1 )は鋳型の流路へ
送り込まれる液体の第1の温度(T 02 )よりも低い温度
に設定しかつ前記鋳型の開放制御を行う鋳型の最高温度
である第3の温度(T 2 )は鋳型の流路へ送り込まれる
液体の第1の温度(T 02 )よりも高い温度に設定して前
記鋳型への注湯と鋳型の開放とを行うこと、 を特徴とす
ものである。
【0012】
【0013】
【作用】各請求項に対応して次のような作用がある。
【0014】本発明にかかる請求項1に記載の鋳造装置
は、貯溜槽およびこの貯溜槽に貯溜された液体は1つの
液温であり、この貯溜槽に貯溜された液体が鋳型に注湯
される溶融物の融点温度 m に近い温度で、かつこの
点温度 m よりも低い第1の温度 02 に保持されてお
り、これをポンプで鋳型内の流路に供給する。したがっ
て、注湯前においては鋳型も溶融物の融点温度 m に近
い温度であって溶融物の融点温度 m よりも低い温度に
昇温され保持される。
【0015】そのため、鋳型に注湯する溶融物の温度を
低くしても鋳型の温度との温度差が小さく湯まわりを良
好に保つことができる。また、鋳型と溶融物の反応も少
なくこれに原因するガス発生も極めて少なくなって巣が
発生しなくなる。すなわち、鋳型の温度が湯まわりを良
好に保つことができる温度つまり第2の温度(T 1 )以
上になった場合に注湯を開始することで、巣などの発生
しない良好な鋳造を行うことができるようになる。
【0016】しかも前記第1の温度 02 に保持された
液体を鋳型の流路に供給しており、また、一般に液体は
その比熱が大きいので、注湯後においては溶融物から鋳
型に伝熱して前記液体によって運び去られる熱量も大き
い。つまり、冷却性も良好である。したがって、溶融物
の溶融温度を従来よりも低くできること、および冷却性
が良いことから、注湯してから溶融物が凝固するまでの
時間を短くすることができるようになり、鋳物製造時間
のタクトを短くすることができる。すなわち、湯まわり
を良好に保ちつつガス発生を抑え、冷却性も良好にする
ことができる。また、分離可能の鋳型を開閉手段により
開閉することによって鋳物を容易に取り出すことができ
る。すなわち、鋳型の流路に冷却を促進させる第1の温
度T 02 の液体を送り込んでいるので、短時間での冷却と
溶融物の凝固が可能となり、鋳型の温度が第3の温度T
2 以下になった場合に鋳型を開放することで、製造タク
トを格段に短くすることができるようになる。
【0017】このように、請求項1に記載の鋳造装置に
おいては、鋳型の流路に1つの温度の液体すなわち第1
の温度T 02 の液体のみを送り込むだけで湯まわりを良好
に保ちつつガス発生を抑え、冷却性も促進することがで
きる。したがって、鋳型に注湯する溶融物の温度を今ま
でよりも低くすることが可能で、巣などの発生もない高
品質の鋳物を低コストで製造することができるようにな
る。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】また、請求項2に記載の鋳造装置の制御方
法では、鋳型に注湯される溶融物の湯まわりを良好に保
ちつつ注湯後の冷却を有効に行えるように、鋳型の温度
を参照しつつ鋳型への注湯制御と開放制御が行われる。
すなわち、鋳型への注湯を開始する鋳型温度すなわち第
2の温度T 1 は注湯開始の最低温度であり、鋳型の流路
に送り込まれる液体の第1の温度T 02 よりも低い温度の
湯まわりを良好に保つ下限温度である。すなわち、鋳型
の温度が前記第2の温度T 1 以上になった場合には直に
注湯することができる。
【0023】また、鋳型の流路に送り込まれる液体の第
1の温度T 02 は鋳型に注湯される溶融物の融点温度T m
よりも低い温度である。すなわち、注湯後においては溶
融物から鋳型に伝熱して前記液体によって熱量を運び去
り、該溶融物の冷却を促進することができる。そして、
この冷却を促進し得る範囲は、鋳型の温度が鋳型の流路
に送り込まれる液体の温度T 02 よりも高い範囲である。
また、鋳型に注湯された溶融物が凝固しているのは鋳型
の温度が該溶融物の融点温度T m 以下の場合である。
【0024】したがって、鋳型の開放制御を行う該鋳型
の温度を、注湯する溶融物の融点温度T m 以下でありか
つ鋳型の流路に供給される液体の温度T 02 よりも高い第
3の温度T 2 以下とすることにより、注湯された溶融物
の冷却を促進しつつ確実に凝固させ、該鋳型の開放によ
り巣などのない高品質の鋳物を製造することができる。
しかも、鋳型に注湯される溶融物の温度は従来よりも低
い温度でも良好な湯まわりが得られ、注湯後においては
迅速に冷却することができるので、製造タクトを短くし
て低コストでの生産が可能となる。
【0025】
【実施例】次に、本発明による鋳造装置およびその制御
方法を、実際上どのように具体化できるかを実施例で説
明する。なお、以下の実施例においては溶融物、すなわ
ち湯として溶融はんだを用いた例を示して説明する。
【0026】〔実施例1〕図1は、本発明の第1の実施
例を示す鋳造装置のシステム図であり、各構成要素をシ
ンボル図で示している。なお、鋳型は説明を分かり易く
するために断面形状で示している。
【0027】すなわち、溶融はんだ1を貯溜するはんだ
槽2にはヒータ3と熱電対等の温度センサ4を設けると
ともに、別途にサーモスタット等の温度制御装置5を備
え、この温度制御装置5ははんだ槽2中の溶融はんだ1
がその操作部6で指示される温度となるように、温度セ
ンサ4の出力信号STHを参照しつつヒータ3に印加する
電力SDHを自動的に制御する。
【0028】また、はんだ槽2には溶融はんだ1を供給
するための開閉弁7A,7Bを設けてあり、該開閉弁7
A,7Bをアクチュエータ8A,8Bでそれぞれ開閉駆
動する構成である。すなわち、溶融はんだ1の供給用開
閉手段である。なお、開閉弁7には熱遮蔽用のカバー9
を設けてあり、その内部に開閉弁7を加熱するヒータ1
0を設けている。すなわち、開閉弁7で溶融はんだ1が
冷却して開閉弁7の作動に支障を生じないように配慮し
ている。
【0029】次に、鋳型11であるが、本実施例の鋳型
11は球形の鋳物12を製造するように構成された例を
示しており、3つの部分に分離可能に形成されている。
すなわち、第1の鋳型11Aと第2の鋳型11Bとの間
および第2の鋳型11Bと第3の鋳型11Cの間でそれ
ぞれ球形の鋳物12を鋳造するように構成してある。
【0030】また、第2の鋳型11Bは固定してあり、
第1および第3の鋳型11A,11Cはそれぞれアクチ
ュエータ13A,13Bによって図面上の横方向に移動
させて分離し、または一体となるように開閉駆動する構
成である。すなわち、鋳型開閉駆動である。そして、こ
の鋳型11は注湯口14および湯道15を中心にして開
閉する構成としてあり、その合わせ目には溶融はんだ1
は入り込めないが空気等のガス体は通過できる程度のガ
ス抜き用の隙間16を設けてある。この隙間16は鋳型
11を合わせる面を粗面化することによって形成するこ
とができ、はんだの場合は約50μm以下の隙間に形成
するとよい。
【0031】また、この鋳型11には加熱用または冷却
用の液体としてのオイル21を通すための流路17を設
けてあり、各鋳型11の流路17間はカプラ18とフレ
キシブルパイプ19,20で直列に接続し、各鋳型11
A,11B,11Cの開閉移動を妨げないようい構成し
てある。
【0032】次に、オイル槽22にもオイル21の温度
を溶融はんだ1の融点温度に近い温度で、かつ溶融はん
だ1の融点よりも近い温度に保持するための温度制御手
段としてヒータ23と熱電対等の温度センサ24を設け
るとともに、別途に温度制御手段として温度制御装置2
5を備え、この温度制御装置25はオイル槽22中のオ
イル21がその操作部26で指示される温度となるよう
に、温度センサ24の出力信号ST0を参照しつつヒータ
23に印加する電力SD0を自動的に制御する。
【0033】また、このオイル槽22には上水等の冷却
用水27を通水した冷却パイプ28を設けてあり、冷却
パイプ28には冷却用水27の開閉弁29を設けてい
る。そして、この開閉弁29は前記温度制御装置25に
よって開閉制御される。すなわち、ヒータ23の電力S
D0をオフしてもオイル21の温度が低下しない場合に、
前記開閉弁29を開いてオイル21を冷却して、その温
度を所定温度に維持するように作動する仕組みである。
【0034】そして、ポンプ30はこのオイル槽22の
オイル21を前記鋳型11の流路17に供給する手段で
あり、供給されたオイル21は最終的にオイル槽22に
還流するようにしてある。
【0035】また、31は前記温度制御装置5およびヒ
ータ10へ電力を供給する商用電源、32は前記温度制
御装置25へ電力を供給する商用電源である。
【0036】他方で、溶融はんだ1を供給する開閉弁7
A,7Bの開閉駆動を行うアクチュエータ8A,8Bお
よび鋳型11A、11Cの開閉駆動を行うアクチュエー
タ13A、13Bは、それぞれの駆動部41〜44を介
して制御部45で制御する構成であり、また、鋳型11
には鋳型の温度を測定する温度測定手段としての温度セ
ンサ46を備え、その測定信号STKを制御部45に入力
している。温度センサ46としては熱電対や非接触で温
度測定が可能な放射温度計等を使用することができる。
【0037】なお、アクチュエータ8,13には種々の
形式のものを使用することが可能であり、例えば空気圧
アクチュエータを使用したものであれば、駆動部41〜
44は空気圧回路を開閉する電磁弁等で構成され、電動
アクチュエータを使用したものであれば駆動部41〜4
4は電力駆動回路となる。また、制御部45にはマイク
ロコンピュータシステムやプログラマブルコントローラ
等を使用し、溶融はんだ1供給用の開閉弁7A,7Bを
開閉制御する弁制御信号SDB1 ,SDB2 と、第1,第3
の鋳型11A,11Cを開閉制御する鋳型開閉制御信号
DK1 ,SDK2を出力する。
【0038】次に、動作について説明する。
【0039】図2は、鋳型11を開放したときの態様を
示す側面図である。すなわち、第1の鋳型11Aと第3
の鋳型11Cを開放することにより、鋳物12は鋳型1
1から離れ落下して取り出すことができる。
【0040】次に、本発明の鋳造装置において、その鋳
造がどのような手順で行われるかを説明する。なお、本
発明の実施例では制御部45にマイクロコンピュータシ
ステムやプログラマブルコントローラ等を使用している
ので、その鋳込みの制御手順をソフトウェア上で実現す
ることができる。また、融点温度T m 183℃のはん
だを鋳造用の金属として使用し、はんだ槽2の溶融はん
だ1は250℃の温度に制御され、オイル槽22のオイ
ル21は温度制御装置25の操作部26で指示された目
標温度(第1の温度)T 02 150℃に制御されてい
る。
【0041】図3は、図1に示す制御部45による鋳込
みの制御手順を示すフローチャートである。なお、
(1)〜(7)は各ステップを示す。すなわち、ステッ
プ(1)で温度センサ46の測定信号STKを参照して鋳
型11の温度が第2の温度1、例えば145℃以上か
否かを判断し、第2の温度1以上の場合にのみステッ
プ(2)へ移行して溶融はんだ1供給用の開閉弁7を開
く(弁制御信号SDB1,SDB2として開信号を出力す
る)。
【0042】続いてステップ(3)へ移行し、所定時間
1 経過したか否かを判断し、経過した場合にのみステ
ップ(4)へ移行して溶融はんだ1供給用の開閉弁7を
閉じる(弁制御信号SDB1 ,SDB2 として閉信号を出力
する)。すなわち、所定時間t1 は鋳型11に溶融はん
だ1を供給開始してから鋳型11が溶融はんだ1で満た
されるまでの時間である。
【0043】そして、その後ステップ(5)へ移行し、
温度センサ46の信号STKを参照して鋳型11の温度が
第3の温度2、例えば155℃以下か否かを判断し、
第3の温度2以下の場合にのみステップ(6)へ移行
して鋳型11を開放する(鋳型開閉制御信号SDK1,S
DK2として開信号を出力する)。すなわち、鋳型11か
ら鋳物12を取り出す。その後ステップ(7)へ移行
し、鋳型11を閉じ(鋳型開閉制御信号SDK1,SDK2
して閉信号を出力する)、ステップ(1)に戻って以上
の手順を繰り返す。
【0044】以上の手順において、あらかじめ決めた所
定温度すなわち第2の温度である鋳型温度T1(145
℃)は溶融はんだ1の湯まわりを良好に保つ下限温度で
あり、第3の温度である鋳型温度T2(155℃)は溶
融はんだ1が確実に凝固している上限温度である。
【0045】このように、鋳型11の温度を溶融はんだ
1の融点温度T m に近い温度よりもわずかに低い温度に
保持させておくことにより、低い湯温でも良好な湯まわ
りが得られ、また、鋳型11と湯温の温度差が小さいた
めに、鋳型11と溶融はんだ1とが反応して不要なガス
を発生することもない。また、溶融はんだ1を注湯した
後では、鋳型11の流路17中を流れるオイル21によ
って溶融はんだ1の熱が鋳型11の外へ排出されて冷却
される。したがって、溶融はんだ1の温度が低いことも
相まって溶融はんだ1を注湯してから凝固するまでの時
間が短く、鋳造作業におけるタクトを短くすることが可
能であり、生産性が向上する。
【0046】ところで、はんだ槽2の温度制御装置5に
はサーモスタット等を使用できるので、その制御手順は
省略する。但し、オイル槽22の温度制御装置25は冷
却用水27の流通制御も行っているので、ちなみにその
制御手順の例を説明する。なお、この温度制御装置25
にはマイクロコンピュータシステムを用いるものとし、
その制御手順をソフトウェア上で実現しているものとす
る。
【0047】図4は、図1のオイル21の温度制御手順
を示すフローチャートである。なお、(11)〜(1
8)は各ステップを示す。すなわち、ステップ(11)
で温度センサ24の出力信号STOを参照し、オイル21
の温度が 01 〜T 02 〜T 03 (T 02 :目標温度である第1
の温度)例えば149℃〜151℃の間にあるか否かを
判断し、この温度範囲から外れている場合にステップ
(12)へ移行してオイル21の温度がT01、すなわ
ち、149℃よりも低いか否かを判断する。そして、T
01、すなわち、149℃よりも低い場合にはステップ
(13)へ移行しヒータ23をオンする(ヒータ電力信
号SDOをオン出力とする)。
【0048】その後ステップ(14)へ移行し、オイル
21の温度がT02、例えば150℃よりも高いか否かを
判断し、T02、すなわち、150℃よりも相変わらず低
い場合はステップ(13)へ戻ってヒータ23のオンを
維持し、高い場合にはステップ(15)へ移行してヒー
タ23をオフし、ステップ(11)に戻る。
【0049】ところで、ステップ(12)でオイル21
の温度がT01、すなわち、149℃よりも低くない、す
なわち、ステップ(11)の温度範囲T03よりも高いと
判断されるとステップ(16)へ移行し、冷却用水27
供給用の開閉弁29を開く(弁開閉制御信号SDWを開出
力とする)。次いで、ステップ(17)へ移行し、オイ
ル21の温度がT02、すなわち、150℃よりも低いか
否かを判断し、T02、すなわち150℃よりも相変わら
ず高い場合はステップ(16)へ戻って開閉弁29の開
状態を維持し、低い場合にはステップ(18)へ移行し
て開閉弁29を閉じ(弁開閉制御信号SDWを閉出力とす
る)、その後ステップ(11)に戻って以上の手順を繰
り返す。これにより、オイル21は第1の温度T 02 に保
持される。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば各請求項
に対応して次のような効果がある。
【0063】本発明の請求項1に記載の発明は、鋳型に
設けた流路に貯溜槽に貯溜された1つの温度の液体のみ
を供給することで、注湯前の鋳型の昇温と注湯後の冷却
促進とを併せて実現することができる。すなわち鋳型に
注湯される溶融物の融点温度T m に近い温度でかつ前記
溶融物の融点温度T m よりも低く前記溶融物の注湯に際
してその湯まわりを向上させると共に注湯後にはその冷
却を促進させる予め決めた第1の温度T 02 の1つの液体
のみを供給し、鋳型の温度が湯まわりを良好に保つこと
ができる温度つまり第2の温度T 1 以上になった場合に
注湯を開始するように構成しているので、鋳型に注湯す
る溶融物の温度を低くしても良好な湯まわりが得られ、
また、鋳型内におけるガス発生も極めて少なくすること
ができる。そのため、巣の発生が解消される。また、鋳
型はその流路に供給されている温度T 02 液体によって
熱交換されているので、溶融物を注湯してからの冷却性
が良好であり冷却を促進することができる。そして、鋳
型の温度が第3の温度T 2 以下になった場合に鋳型を開
放することで、生産タクトを格段に短くすることができ
るようになる。すなわち、鋳型内の流路に所定温度に維
持された液体を供給しているので、鋳型に注湯された溶
融物の冷却状態と凝固状態を鋳型温度で判断することが
できる。したがって、溶融物の冷却状態を正確に判断し
て短時間に鋳型を開放することが可能になる。このよう
に、鋳型に注湯する溶融物の温度を低くできることおよ
び冷却を促進することができることから、注湯してから
鋳物が完成するまでの時間(タクト)を短くすることが
できる。また、注湯する溶融物を加熱する熱エネルギ−
の消費を抑制することもできる。その結果、巣などのな
高品質の鋳物を一層短いタクトで製造することができ
るようになる。
【0064】
【0065】
【0066】また、請求項2に記載の発明は、鋳型に注
湯される溶融物の湯まわりを良好に保ちつつ注湯後の冷
却を有効に行って、タクトの極めて短い鋳物製造を行う
ことが可能となる。すなわち、鋳型が、第2の温度T 1
以上になると注湯物の湯まわりを良好に保つことができ
るので、鋳物生産において生産に結びつかない無駄な時
間を消費することなく直に注湯を行うことができる。ま
た、鋳型温度で注湯された溶融物の凝固状態を正確に判
断することができるので、該鋳型温度が第3の温度T 2
以下となれば注湯された溶融物は確実に凝固している。
したがって、鋳型の温度がこの第3の温度T 2 以下にな
った時に鋳型を開放することにより、生産に結びつかな
い無駄な時間を消費することなく巣などのない高品質の
鋳物を一層短いタクトで製造することができ、高品質の
鋳物を確実かつ、低コストで生産することができるよう
になる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す鋳造装置のシステ
ム図である。
【図2】図1の鋳型を開放したときの態様を示す側面図
である。
【図3】図1の制御部の制御手順を示すフローチャート
である。
【図4】図1のオイルの温度制御手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 溶融はんだ 7A 開閉弁 7B 開閉弁 8A アクチュエータ 8B アクチュエータ 11 鋳型 11A 第1の鋳型 11B 第2の鋳型 11C 第3の鋳型 12 鋳物 13A アクチュエータ 13B アクチュエータ 16 隙間 17 流路 21 オイル 22 オイル槽 24 温度センサ 25 温度制御装置 30 ポンプ 45 制御部 46 温度センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳物を製造する鋳型を少なくとも2つ以
    上に分離可能に形成し、この鋳型を2つ以上の部分に分
    離または一体となるように開閉を行う鋳型開閉駆動手段
    、 前記各鋳型に液体を流通させる流路前記 流路へ前記液体を送り込むポンプ、 前記流路へ送り込む前記液体を貯溜する1つの液温の
    溜槽前記貯溜槽に貯溜された液体の温度を 前記鋳型に注湯さ
    れる溶融物の融点温度(T m に近い温度でかつ前記溶
    融物の融点温度(T m よりも低く前記溶融物の注湯に
    際してその湯まわりを向上させると共に注湯後にはその
    冷却を促進させる予め決めた第1の温度(T 02 に前記
    液体の温度を保持せしめる温度制御手段と、 前記鋳型の温度を測定する温度測定手段と、 前記温度測定手段の測定信号を参照して前記鋳型の温度
    が前記鋳型に注湯される前記溶融物の融点温度(T m
    よりも低い温度で予め決められた第2の温度(T 1 )以
    上になった場合に前記溶融物の注湯制御を行いその後前
    記鋳型の温度が前記鋳型に注湯される前記溶融物の融点
    温度(T m )よりも低い温度で予め決められた第3の温
    度(T 2 )以下になった場合に前記鋳型開閉駆動手段に
    より前記鋳型の開放制御を行う制御手段と、備えて成ることを特徴とする鋳造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋳造装置の制御方法であ
    って、注湯を開始する鋳型の最低温度である第2の温度
    (T 1 )は鋳型の流路へ送り込まれる液体の第1の温度
    (T 02 )よりも低い温度に設定しかつ前記鋳型の開放制
    御を行う鋳型の最高温度である第3の温度(T 2 )は鋳
    型の流路へ送り込まれる液体の第1の温度(T 02 )より
    も高い温度に設定して前記鋳型への注湯と鋳型の開放と
    を行うこと、 を特徴とする鋳造装置の制御方法。
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