JP3154873B2 - 難スリット性繊維含有紙テープ用原紙とその製造方法及び紙テープの製造方法。 - Google Patents

難スリット性繊維含有紙テープ用原紙とその製造方法及び紙テープの製造方法。

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パラアラミド繊維やス
テンレス繊維、あるいは、炭素繊維のごとき高強度、あ
るいは、高硬度による難スリット性繊維を含有した紙か
ら成る紙テープを比較的容易に作ることができる難スリ
ット性繊維含有紙テープ用原紙とその製造方法、及び、
難スリット性繊維含有紙テープの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】パラアラミド繊維を含有する紙は特開昭
61−160500、特開昭62−41400、特開昭
62−269390等で知られている。また、ステンレ
ス繊維を含有する紙も公知で、例えば、その構成と導電
性化粧板への応用が特開昭58−163799で述べら
れている。また、炭素繊維を含有する紙も公知で、例え
ば、その構成と導電性支持体への応用が特開昭56−6
6854に述べられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの紙
は従来からスリッターを用いて行うスリット作業が困難
なことが知られ、特に製品重量に対してスリット作業の
多い紙テープ類に加工することが難かしく応用の普及が
妨げられてきた。パラアミド繊維は強靱で上下の刃で圧
潰されても切れずに詰まってスリットできない傾向があ
る。ステンレス繊維は硬くて、刃が欠ける傾向がある。
炭素繊維はスリットはできるが、圧潰された導電性粉末
が飛散し、電気制御部や駆動部の不調の原因になる。ま
た、ガラス繊維含有紙の場合にはスリットの刃によりガ
ラス繊維が圧潰されて微細粉末と成って飛散し、作業者
等の人体に付着して耐え難い痛みを生じたり、ガイドロ
ールに堆積して、紙粉となって再付着し、次工程で障害
を生ずる等の欠点があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、容易にテープに
することができる難スリット性繊維を含んだテープ原紙
とその製造方法、及び難スリット性繊維含有紙テープの
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明はタテ方
向に沿って互いに平行にした複数の筋状をなす薄肉部が
形成されており、引張強度のタテ:ヨコ比が20:1以
上であることを要旨とする。
【0006】請求項2の発明はタテ方向に沿って互いに
平行にした薄肉部にはさまれる厚い部分の中で、境界近
傍が中央部に比べて厚く形成されている事を要旨とす
る。請求項3の発明は紙原料スラリーから湿紙を形成
し、幅方向に並べて設けた多数のノズルから流体を噴出
してタテ方向に沿って互いに平行にした複数の筋状をな
す薄肉部を連続して形成し、乾燥した後に、薄肉部を切
断して難スリット性繊維含有紙テープを製造することを
要旨とする。
【0007】請求項4の発明は紙が難スリット性繊維と
パルプ化繊維を主成分とすることを要旨とする。請求項
5の発明は請求項1、2、または、請求項4の難スリッ
ト性繊維含有紙テープ用原紙に対して、厚みが一様で、
かつ、難スリット性繊維を不含有の紙とが積層されて一
体化されたことを要旨とする。
【0008】請求項6の発明は請求項1、2、または、
請求項4の難スリット性繊維含有紙テープ用原紙の未乾
燥の湿紙に対して、厚みが一様で、かつ、難スリット性
繊維を不含有の紙の湿紙とを重ね合わせた後に乾燥する
ことを要旨とする。
【0009】請求項7の発明は請求項1、2、4、また
は、請求項5の紙テープ用原紙の薄肉部に沿って切断し
て紙テープを製造することを要旨とする。次に、抄紙機
上において原紙における薄肉部の形成方法について述べ
る。
【0010】抄紙機の抄網の末部、即ち、抄網上での脱
水作用がほぼ終了して湿紙が形成される。この湿紙が抄
網上、あるいは、ウェットフェルト上に在る状態で、湿
紙の進行方向に直交した方向に、所定の紙テープ幅に対
応する間隔で抄網に近接して設けられた多数のノズルか
ら流体を噴出させる。この噴流は細くして湿紙に当てる
とともに、湿紙を進行方向に送り、湿紙上に薄肉部を設
ける。抄紙機は円網、短網、傾斜短網、長網等の抄網を
備えたものであれば良く、また、網を通しての湿紙から
の吸引脱水機構の有無も任意である。ただし、紙テープ
として使用するには、紙原料繊維がタテ方向(進行方
向)に配向していることが望ましく、そのためには円網
抄紙機が最も適する。湿紙の脱水の程度が少ないと、噴
流が当たって紙テープ本体になる部分まで紙原料が流れ
て地合いが乱れるので、脱水が進み地合いの乱れが目立
たない程度まで達していることが望ましい。 (流体)噴流に使用する流体としては液体、気体及び液
体が霧状に気体中に分散した二相気流が使用できる。
【0011】液体としては水が効果的であり、供給なら
びに抄紙機と組み合わせての使用における安全衛生面か
ら最も好ましい。また、密度や粘性が水に近似した消泡
剤希薄水溶液等の水性液も同様に好ましい。
【0012】気体としては、空気、水蒸気、及び、水滴
が霧状に空気に分散したもの等が容易に使用できる。気
体は密度が水に較べて著しく低く、粘性も低いので大量
で高速の噴流が必要である。 (ノズル)ノズルは噴流が脈動したり、拡がったりしな
いようなものであれば特に限定はないが、例えば、流体
として水を使用する場合にはL/D(内径Dと長さLの
比)が10以上、内径が2mm以下の管状物を充分に太
い幹管に方向を揃えて多数取り付けたものが使用でき
る。また、ノズル間隔が紙テープ幅を規定する。幹管に
加える水圧は通常0.5〜50Kg/cm2 でよい。噴
流が当たった部分が凹状に薄くなるので、幹管を固定す
れば直線状となって紙テープ製造に有利であるが意匠性
を求める場合は幹管を横方向に動かしてもよい。
【0013】薄肉部が薄くなる程、容易にその部分から
切断できる。しかしながら、一般に薄肉部が薄くなる
程、薄肉部の幅も拡がり紙テープとして使用できる面積
が減少する。幅1〜2mmの薄肉部が好ましい。このよ
うな幅を均一に得るには、湿紙が抄網上にある間に噴流
を当てることが好ましい。このような本発明による紙は
タテ方向の引張強さがヨコ方向の引張強さよりも著しく
大である。その比率は20:1以上は必要であり、好ま
しくは40:1〜400:1である。特に強靱な繊維、
あるいは、破断伸びの著しく大きい繊維の混抄紙では大
きい比率が良い。また、薄肉部のない紙と抄合せされる
場合にはヨコ方向の引張強さは0でもよい。
【0014】本発明による原紙は湿紙に噴流を当てるの
で殆ど紙原料を飛散させること無く薄肉部を形成するこ
とができる。噴流に当たる前に薄肉部にあった紙原料の
一部は噴流によってヨコ方向に移動して透過光で肉眼観
察しても判別できるように厚い部分の中の境界近傍が中
央部に較べて厚く形成される。このために薄肉部の切断
を紙の平面方向に対して傾けて、隣接して反対方向に作
用する引裂き力を加えて実施しても、所定幅の紙テープ
が耳部の著しい乱れ無しに安定して得られる。この点は
従来のすき入れ紙と異なる特徴である。従って、各型式
のスリッターに対する、適、不適が少なく、安定して切
断される。 (紙原料)紙原料としてはパルプ化繊維、合成パルプの
内少なくともいずれか一方のパルプと難スリット性繊維
の混合物が使用できる。また、難スリット性ではない非
パルプ化繊維も使用できる。
【0015】パルプ化繊維としては、三椏、マニラ麻、
サイザル麻、エスバルト草、ケナフ、バガス、竹、針葉
樹、及び、広葉樹の木材等がある。合成パルプとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタアラミドフィ
ブリッド、ブイブリル化ポリアクリルニトリル等があ
る。
【0016】非パルプ化繊維としては、レーヨン、ポリ
ビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリ
ル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、メタ及びパラアラミド繊維、全芳香族ポリ
エステル繊維、フェノール樹脂繊維、ポリアセタール繊
維、ガラス繊維、ロックウール、アルミナ繊維、アルミ
ナ・シリカ繊維、シリカ繊維、炭化ケイ素繊維、炭化ホ
ウ素繊維、窒化ケイ素繊維、チタン酸カリホイスカー、
ホウ酸塩ホイスカー、銅繊維、ステンレス繊維、ニッケ
ル繊維、アモルファス金属繊維、炭素繊維、活性炭素繊
維、金属メッキ炭素繊維等の有機繊維、無機繊維、セラ
ミック繊維、金属繊維等で、水に分散し噴流で粉砕され
ない全ての繊維が使用できる。
【0017】本発明でいう難スリット性繊維としては、
前記の非パルプ繊維中の高強度、あるいは、高硬度のも
のをいい、高強度の有機繊維や全ての無機繊維全てのセ
ラミック繊維及び全ての金属繊維が含まれる。
【0018】市販品を例に上げると下記のものがある。 1.超高強度有機繊維 (1)パラアラミド繊維(例:ケプラー、デュポン社
製) (2)芳香族ポリエーテルアミド繊維(例:テクノー
ラ、帝人製) (3)全芳香族ポリエステル繊維(例:ベクトラン、ク
ラレ製) (4)ポリエチレン繊維(例:ダイニーマ、東洋紡製) (5)ポリアセタール繊維(例:テナック、旭化成製) 2.無機繊維 (6)ガラス繊維 (7)炭素繊維、PAN系炭素繊維 ピッチ系炭素繊維 活性炭素繊維 (8)炭化珪素繊維(例:ニカロン、日本カーボン製) (9)アルミナ繊維 (10)シリカ・アルミナ繊維 3.金属繊維、ステンレス繊維 ニッケル繊維 銅繊維 パルプ化繊維及び/または合成パルプと難スリット性繊
維の混合は抄網上に湿紙が形成されてノズルからの噴流
によって崩れないで、抄紙フェルトやブランケットに移
送できるものであれば、どのような組合せでもよい。こ
れは複数の抄網を使用して、例えば、最初の抄網にパル
プ化植物繊維の湿紙を形成してフェルトに移し、次に難
スリット性繊維主体の乾燥後の移送の難かしい湿紙を抄
網の終末部で噴流により薄肉部を形成した後に同一フェ
ルトに重ね、必要であれば更にパルプ化植物繊維の湿紙
をその上に抄合せる方法をとることにより目的とする紙
テープ用原紙を得ることができる。
【0019】本発明の薄肉部を形成した原紙、あるい
は、このような互いに同一でない原料の湿紙を重ねた原
紙は、高強度や高硬度のためにスリットが困難な繊維主
体の紙テープを製造する場合に特に効果的である。超高
強度ポリエチレン、パラアラミド、全芳香族ポリエステ
ル、その他の芳香族液晶ポリマー等の有機超高強度繊維
や炭素繊維、アルミナ繊維等の無機繊維、ステンレス繊
維等の金属繊維等がスリット困難な高強度あるいは、高
硬度繊維に属する。また、ガラス繊維のように粉末が飛
散して著しく不快感を生じるものも対象となる。これら
の繊維はスリッターの刃を磨耗したり、あるいは、スリ
ッターの上刃と受刃の間に喰い込んだりして、多数の刃
を使用する紙テープの製造では著しい困難と低い能率を
伴うが本発明の方法によれば容易に紙テープが製造でき
る。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明によりスリッターにより
筋状の薄肉部に沿って難スリット性繊維含有紙テープ用
原紙を切断しやすい。
【0021】請求項2の発明によりこの原紙をスリッタ
ーにより筋状の薄肉部を切断する場合、テープが毛羽立
つことは少ない。請求項3の発明により紙原料から薄肉
部を備えたテープ原紙が製造でき、更に、この薄肉部を
切断して難スリット性繊維含有紙テープ用を製造するこ
とができる。
【0022】請求項4の発明により難スリット性繊維だ
けでなくパルプ化繊維も主成分とする難スリット性繊維
含有紙テープ用原紙が得られる。請求項5の発明により
難スリット性繊維含有紙テープ用原紙と同難スリット性
繊維を含有せず、薄肉部のない難スリット性繊維含有紙
とにより難スリット性繊維を含んだ積層紙が得られる。
【0023】請求項6の発明により難スリット性繊維含
有紙テープ用原紙と薄肉部のない難スリット性繊維含有
紙とにより難スリット性繊維を含んだ積層紙を容易に製
造することができる。
【0024】請求項7の発明により難スリット性繊維を
含んだテープ用原紙から紙テープを容易に製造すること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例と比較例を
以下に示す。なお、本発明の実施に利用した「抄紙方
法」を次に述べる。ただし、本発明の及ぶ抄紙方法はこ
れに限定されるものではない。
【0026】円網抄紙機に、湿紙が円網からウェットフ
ェルトに移行する直前に等間隔で多数の流体の噴流を当
てることにより、タテ方向に平行に筋状の薄肉部が形成
された紙が得られるように噴流ノズルが設けられてい
る。この噴流ノズルは流体として水、または、非粘性水
性液を使用した例では内径0.9mm、長さ25mmの
金属管を内径12mmの金属製幹管に同間隔、かつ、平
行に取り付けたもので、間隔は4mm、5mm、6mm
と別々に作成し、交換可能とした。噴流は幹管内に1.
2Kg/cm2 の水圧をかけてノズルから連続して水を
噴出させた。ウェットフェルトに移行した湿紙はプレス
ロールで最終的に脱水されトップフェルトに残ってヤン
キードライヤーで乾燥され巻取られる。 (実施例1)難スリット性繊維であるパラアラミド繊維
(ケプラー29、デュポン社製)長さ5mm、80部と
メタアラミドフィブリット(商標:アピエールフィブリ
ッド、(株)ユニチカ製)20部とポリアミドエポキシ
系湿潤強力剤、固型分0.5部を少量の分散剤及び消泡
剤と少量の水に分散させてスラリー化した。このスラリ
ーを抄紙方法で述べたように抄紙し、噴流を使用して、
タテ方向に沿って互いに平行した5mmピッチの薄肉部
の形成された坪量100g/m2 のパラアラミド原紙を
得た。なお、薄肉部にはさまれる厚い部分の中で、境界
近傍は中央部に比べて厚く形成されている。そして、2
30℃の熱カレンダーロールで加圧熱処理を行った。こ
のパラアラミド紙の特性試験の結果は、坪量97.5g
/m2 において、タテ方向の引張強さは3.1Kg/1
5mm、ヨコ方向の引張強さは0.08Kg/15mm
で、引張強さのタテ:ヨコ比は約40対1となった。タ
テ方向の伸びは1.2%、また、ヨコ方向の伸びは0.
1%以下であった。
【0027】このパラアラミド紙を5mm間隔で上刃と
受刃を組み合わせたスリッターで薄肉部に刃が当たるよ
うにスリットしたところ、スリット面に毛羽の発生は若
干あるが、幅3mmの紙テープを得ることができた。
【0028】このようにして得られたアラミド紙テープ
の引張強度が0.9Kg/テープ幅あり、径1mmのピ
アノ線に巻き付けることができる程柔軟であり、紙テー
プとして充分使用できる機能を備えていた。
また、このアラミド紙テープを用い
て平打組物を作ったところ、登山用ピッケル等の尖端の
鋭利な棒状の物体に対して抵抗性が大で刺突に強いシー
トが得られた。また、このパラアラミド紙テープにエポ
キシ樹脂を含浸し、プリプレグとして鉄芯に巻付け加熱
キュアしたところ擦傷に極めて強いFRPパイプが得ら
れた。 (比較例1)実施例1と同様の材料と製造方法におい
て、薄肉部を設けない同一坪量のパラアミド紙の場合、
同紙をスリットしたところ、紙がちぎれるように上刃と
受刃の間にはさまりスリットが全くできなかった。 (実施例2)難スリット性繊維であるガラス繊維(径9
μm、長さ9mm)を90部とNBKP(叩解度SR、
50°)を10部とポリアミドエポキシ系湿潤強力剤1
部に少量の分散剤及び消泡剤を加えて水に分散させ、ス
ラリーを調成した。また、別に叩解度、SR23°に調
整したマニラ麻パルプスラリーを調成した。抄紙機は円
網抄槽を3個備え中央の円網にのみ前記抄紙方法で述べ
たのと同一構造でノズル間隔が6mmの噴流装置を取り
付けた。この抄紙機の中央の抄槽にはガラス繊維混合ス
ラリーを、その前後の抄槽には充分に希釈したマニラ麻
パルプスラリーを供給し、中央抄槽の噴流を作動させな
がら、抄合わせ抄紙した。このようにして芯部には6m
m間隔の筋状の薄肉部がある坪量50g/m2 のガラス
繊維混抄紙、表・裏両表面は坪量15g/m2 のマニラ
麻紙から成る積層紙が得られた。なお、薄肉部にはさま
れる厚い部分の中で、境界近傍は中央部に比べて厚く形
成されている。この積層紙をアクリル樹脂エマルジョン
を用いて、樹脂付着量が坪量の10%になるように含浸
した後に芯のガラス繊維混抄紙の薄肉部が切断されるよ
うにスリットして幅6mmの積層紙テープを得た。
【0029】スリット工程作業は通常のマニラ麻紙と同
様に安定して行われ、スリッターの刃の損耗の増加も極
めて僅少であった。また、ガラス繊維の飛散やテープへ
の再付着も認められなかった。なお本実施例の積層紙テ
ープは吸脱湿サイクルに対する寸法、安定性が優れて、
実質的に寸法変化が認められなかった。 (比較例2) 実施例2と同様の製造方法と材料において、抄紙時に噴
流を作動させず、筋状の薄膜部を設けないガラス繊維混
抄紙を芯部とした積層紙はスリット工程において刃の損
耗が著しく1mm幅を切断するに当たり抄紙幅1m当た
り168枚の刃を使用するので刃の交換と再研磨に著し
い労力を要して、生産性が低いのみでなく、ガラス繊維
粉末が大量に飛散に、ロール等を汚染するとともに、紙
テープに再付着した。
【0030】(実施例3)難スリット性繊維としてステ
ンレス繊維(径8μ、長さ5mm)を15部、カオリン
を55部、NBKP(叩解度、SR25°)を30部、
カチオン系高分子定着剤を0.06部、アニオン系高分
子定着助剤を0.03部の割合で、ステンレス繊維と予
め叩解したスラリー状NBKPを混合し、分散剤を加え
て強く攪拌してスラリーを調整した。更にこれにカオリ
ンと消泡剤を加えて良く分散した後に、カチオン系高分
子定着剤を加えてゆっくり攪拌し、ステンレス繊維とN
BKPとカオリンを相互に定着させた。その後にアニオ
ン系高分子定着助剤を加え、ゆっくりと抄紙機に送り、
前記抄紙方法で述べたように抄紙し、噴流を使用して6
mm間隔でタテ方向に沿って互いに平行にした筋状の薄
肉部を形成し坪量40g/m2 、厚さ0.12mmのス
テンレス繊維混抄紙を得た。なお、薄肉部にはさまれる
厚い部分の中で、境界近傍は中央部に比べて厚く形成さ
れている。この混抄紙に有機含リン含窒素化合物系難燃
剤を塗布し、浸透させた後に乾燥して、薄肉部をスリッ
タにて切断し幅4.5mmのステンレス繊維含有難燃性
紙テープを得た。このテープはタテ方向電気抵抗が堆積
抵抗として1Ω・cmと低く、公知の粘着剤・剥離材と
組み合わせて電界シールド用目張りテープとして使用す
ることができた。
【0031】(実施例4)難スリット性繊維として炭素
繊維(径7μ、長さ6mm)を40部とNBKP(叩解
度SR、25°)を60部のスラリーを、円網抄紙機を
用いて抄紙方法で述べた噴流装置を使用しながら坪量7
0g/m2 の抄紙を行い、6mm間隔で幅1.5mmの
平行した筋状の薄肉部のある炭素繊維混抄紙を作成し
た。特性試験の結果は、坪量69.7g/m2 で、タテ
方向の引張強さは3.3Kg/15mm、ヨコ方向の引
張強さは0.02Kg/15mmであり、引張強さのタ
テ:ヨコ比は165:1であった。。また、タテ方向の
伸びは1.5%、ヨコ方向の伸びは0.1%以下であっ
た。また、タテ方向体積抵抗は6.5×10-2Ω・cm
となった。このタテ方向体積抵抗値は電磁波シールド用
テープとしては充分な電気特性であった。
【0032】図1、2に示すように、この混抄紙1を薄
肉部を境として幅6mmのテープとなるように薄肉部を
くさび状エッジ2の上側面2aと下側面2bに交互に通
して引っ張ることによって薄肉部をスリットして紙テー
プ3を得た。このスリットの際は主として炭素繊維が抜
けることによってテープ化されるので炭素微粉の飛散は
殆ど認められなかった。 (比較例4)実施例4の同様の製造方法と材料で、薄肉
部を設けることなく抄紙した混抄紙を作成した。この混
抄紙を通常のシェヤースリッターでスリットしたとこ
ろ、炭素繊維が切断部で砕けて微粉化し、飛散して駆動
モータ制御の配電板上にまで付着して絶縁を不良とした
のでブレーカーが作用して駆動停止の事故が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施例4の混抄紙をスリッ
トする際の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
フロントページの続き (72)発明者 水野 豊彦 岐阜県美濃市前野422番地 大福製紙 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−116499(JP,A) 実開 平4−106400(JP,U) 特公 昭42−4285(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 D21F 1/00 - 13/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タテ方向に沿って互いに平行にした複数の
    筋状をなす薄肉部が形成されており、引張強度のタテ:
    ヨコ比が20:1以上である難スリット性繊維含有紙テ
    ープ用原紙。
  2. 【請求項2】タテ方向に沿って互いに平行にした薄肉部
    にはさまれる厚い部分の中で、境界近傍が中央部に比べ
    て厚く形成されている請求項1記載の難スリット性繊維
    含有紙テープ用原紙。
  3. 【請求項3】紙原料スラリーから湿紙を形成し、幅方向
    に並べて設けた多数のノズルから流体を噴出してタテ方
    向に沿って互いに平行にした複数の筋状をなす薄肉部を
    連続して形成し、乾燥した後に、薄肉部を切断して難ス
    リット性繊維含有紙テープを製造する方法。
  4. 【請求項4】紙が難スリット性繊維とパルプ化繊維を主
    成分とする請求項1、または、請求項2記載の難スリッ
    ト性繊維含有紙テープ用原紙。
  5. 【請求項5】請求項1、2、または、請求項4の難スリ
    ット性繊維含有紙テープ用原紙に対して、厚みが一様
    で、かつ、難スリット性繊維を不含有の紙とが積層され
    て一体化された紙テープ用原紙。
  6. 【請求項6】請求項1、2、または、請求項4の難スリ
    ット性繊維含有紙テープ用原紙の未乾燥の湿紙に対し
    て、厚みが一様で、かつ、難スリット性繊維を不含有の
    紙の湿紙とを重ね合わせた後に乾燥することを特徴とす
    る紙テープ用原紙の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、4、または、請求項5の紙
    テープ用原紙の薄肉部に沿って切断して紙テープを製造
    する方法。
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